JP3885707B2 - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

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    • G11B7/0937Piezoelectric actuators

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は対物レンズ駆動装置、特に対物レンズの光軸傾きを調整する機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光ピックアップにおいて対物レンズのディスクに対する光軸傾き(チルトあるいはスキュー)を調整する装置が提案されている。
【0003】
一般に、光ピックアップでは、ベースの立設部にサスペンションの一端を固定し、サスペンションの他端にレンズホルダを固定してレンズホルダを片持ち支持する。レンズホルダにはマグネットあるいはコイルが設けられ、ベース側の磁気回路との電磁相互作用によりフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動される。対物レンズの光軸を調整するために、一端がベース下部に固定され、他端が前記サスペンションを支持する立設部に固定された圧電素子を設け、この圧電素子を駆動してアームとして機能させ、立設部を傾斜させてレンズホルダを傾かせる構成が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−50637号公報(図1、図7)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、ベースの下部にアームあるいは駆動手段としての圧電素子を設けて対物レンズの光軸傾きを調整する構成であるため、光ピックアップの厚さ寸法が増大する問題があった。特に、近年ではノート型パソコンに搭載されるCDドライブやDVDドライブあるいはコンボドライブに代表されるように薄型化が要求されており、このように厚さの増大を招く機構は好ましくない。
【0006】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、厚さ方向の寸法を徒に増大させることなく対物レンズの光軸の傾き(チルトあるいはスキュー)を調整できる装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体に光を照射する対物レンズの光軸傾きを調整する対物レンズ駆動装置であって、対物レンズを保持するレンズホルダと、その一端が前記レンズホルダに固定され、前記レンズホルダを片持ち支持するサスペンションと、前記サスペンションの他端を支持し、かつ、左右の積層型圧電素子を介して前記サスペンションの延在方向に沿った軸回りに回動自在にベースに横架されたサスペンションホルダとを有することを特徴とする。サスペンションホルダは横架され、しかも左右から積層型圧電素子で支持されているため、厚さ方向のサイズを増大させることがない。そして、積層型圧電素子を駆動することで、サスペンションの延在方向に沿った軸回りに回動自在に支持されたサスペンションホルダにトルクを印加し、サスペンションホルダを回転させてレンズホルダ、すなわち対物レンズを回転させ、その光軸傾きを調整できる。
【0008】
前記サスペンションホルダは、例えばガイドピンで前記サスペンションの延在方向に軸支することができる。
【0009】
また、前記サスペンションホルダの下部をヒンジ機構で支持することでサスペンションの延在方向に軸支することもできる。この場合、前記サスペンションホルダの下部に凹部を形成し、前記ヒンジ機構は前記凹部内に収納されて前記凹部の内面で前記サスペンションホルダを支持することが好適である。
【0010】
前記サスペンションは、前記レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に移動自在に片持ち支持し、前記積層型圧電素子は、前記サスペンションの延在方向と略垂直方向に延在して前記サスペンションホルダを支持するのが好適である。これにより、厚さ方向のサイズを増大させることなく、かつ、サスペンションホルダに効果的にトルクを印加してレンズホルダを回転させることができる。
【0011】
本発明の対物レンズ駆動装置は、例えば光ディスク装置の光ピックアップに適用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について、CDドライブやDVDドライブ等の光ディスク装置に搭載される光ピックアップを例にとり、その光軸をラジアル方向に調整する場合について説明する。
【0013】
図1には、本実施形態の全体構成が示されている。光ディスク1は図示しないスピンドルモータで回転駆動される。光ディスク1に対向するように対物レンズ10が配置される。対物レンズ10はレンズホルダ12により支持され、レンズホルダ12は4本のサスペンション14a、14b、14c、14dで片持ち支持される。すなわち、サスペンション14a、14bの一端はレンズホルダ12の左側面に固定され、他端はサスペンションホルダ16に固定される。また、サスペンション14c、14dの一端はレンズホルダ12の右側面に固定され、他端はサスペンションホルダ16に固定される。レンズホルダ12には、後述するようにフォーカスコイル及びトラッキングコイルが設けられ、ベース側に設けられたマグネットとの磁気的相互作用によりレンズホルダ12はフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動される。図において、フォーカス方向はF、トラッキング方向はTで示されている。サスペンション14a〜14dは、光ディスク1の面に略平行な面内で、フォーカス方向F及びトラッキング方向Tのいずれにも垂直な方向に延在している。
【0014】
サスペンションホルダ16はベースに支持されているが、ベースに対して固着されているのではなく、2つの積層型圧電素子18a、18bにより左右から支持されサスペンション14a〜14dの延在方向に沿った軸回りに回動可能なようにベースに横架されている。積層型圧電素子18a、18bは、サスペンション14a〜14dの延在方向に対して略垂直な方向に延在する。積層型圧電素子18a、18bの一端はそれぞれサスペンションホルダ16の側面に固定され、他端はベースに固定される。積層型圧電素子18a、18bは上下方向(フォーカス方向)に複数の圧電素子が積層されてなり、電圧を印加して駆動すると、上下方向(フォーカス方向)に変位する。2つの積層型圧電素子18a、18bを逆方向に変位するように駆動することで、サスペンションホルダ16にはサスペンション14a〜14dの延在方向に沿った軸回りにトルクが生じ、図中矢印で示す方向、すなわちサスペンション14a〜14dの延在方向に沿った軸回りに回転する。サスペンションホルダ16が回転することで、サスペンション14a〜14dを介してサスペンションホルダ16に支持されているレンズホルダ12も回転し、対物レンズ10の光軸も回転する。サスペンション14a〜14dはフォーカス方向F及びトラック方向Tに対して垂直であり、サスペンションホルダ16をサスペンション14a〜14dの延在方向に沿った軸回りに回転することで、対物レンズ10の光軸は図示の如くラジアル方向に回転することとなる。
【0015】
一方、光ディスク1と対物レンズの光軸との傾き(チルトあるいはスキュー)を検出するチルトセンサ2が設けられ、検出信号をコントローラ3に供給する。チルトセンサ2は、例えば所定の配置関係にある発光器と受光器を備え、発光器からレーザ光が光ディスク1で反射され受光器で受光する構成において、光ディスク1の傾きによる受光光量の変化からチルト量及びチルト方向を検出できる。もちろん、対物レンズ10から射出される記録用あるいは再生用レーザ光の光ディスク1からの反射光量を検出してチルト量及びチルト方向を検出してもよい。コントローラ3は、チルトセンサ2からの検出信号に基づき、チルトを解消するようにドライバ4に制御指令を出力する。
【0016】
ドライバ4は、コントローラ3からの制御指令に基づき、サスペンションホルダ16を左右から支持する積層型圧電素子18a、18bに駆動電圧を供給する。積層型圧電素子18a、18bは、既述の如く駆動電圧が印加されると上下方向に変位し、互いに逆方向に変位するように積層型圧電素子18a、18bの積層構造を設定することでサスペンションホルダ16を回転させ、対物レンズ10の光軸をラジアル方向に変化させる。これにより、ラジアルチルトあるいはラジアルスキューが補正される。
【0017】
以下、本実施形態における光ピックアップの構成について、より詳細に説明する。
【0018】
図2には、図1における光ピックアップの平面図が示されている。対物レンズ駆動装置全体はキャリッジ5に保持され、光ディスク1の半径方向に移動自在に保持される。対物レンズ駆動装置は、対物レンズ10、対物レンズ10を支持するレンズホルダ12、レンズホルダ12内に設けられた磁気回路、レンズホルダ12を弾性支持するサスペンション14a〜14d、サスペンション14a〜14dを支持するサスペンションホルダ16、サスペンションホルダ16を支持する積層型圧電素子18a、18b及びベースから構成される。
【0019】
レンズホルダ12の磁気回路は、フォーカスコイル15及びトラッキングコイル13から構成される。トラッキングコイル13はヨークベース20に立設するマグネット17に近接して対向配置され、フォーカスコイル15はヨークベース20に立設するマグネット19を囲むように配置される。図示しないフォーカスサーボ回路からのフォーカスサーボ信号がフォーカスコイル15に供給され、マグネット19との電磁相互作用によりマグネット19に対してフォーカスコイル15は紙面垂直方向に駆動される。また、図示しないトラッキングサーボ回路からのトラッキングサーボ信号がトラッキングコイル13に供給され、マグネット17との電磁相互作用によりマグネット17に対してトラッキングコイル13は紙面において左右方向(図中T方向)に駆動される。トラッキングコイル13及びフォーカスコイルが設けられたレンズホルダ12は4本のサスペンションにより弾性支持されているから、これらのコイル駆動により、対物レンズ10はそれぞれフォーカス方向とトラッキング方向に移動する。
【0020】
サスペンション14a〜14dの一端は、それぞれレンズホルダ12の左右の側面に固定され、他端は屈曲形状のサスペンションホルダ16に固定される。サスペンションホルダ16は、その屈曲部において立設ヨークベース20にガイドピン22で軸支されている。ガイドピン22による軸支方向は、サスペンション14a〜14dの延在方向と同一方向である。レンズホルダ12はサスペンション14a〜14dを介してサスペンションホルダ16に支持され、サスペンションホルダ16はガイドピン22によりベースに軸支されているから、レンズホルダ12全体もガイドピン22によりベースに軸支される。
【0021】
サスペンションホルダ16はガイドピン22によりベースに軸支される一方、サスペンションホルダ16の左右両端には積層型圧電素子18a、18bの一端が固定される。積層型圧電素子18a、18bの一例はバイモルフ圧電素子である。積層型圧電素子18a、18bの他端は接着材24a、24bによりベース、より正確にはキャリッジ5に固定される。サスペンション14a、14bはレンズホルダ12の左側面を支持すべく上下に配置され、サスペンション14c、14dもレンズホルダ12の右側面を支持すべく上下に配置されている。積層型圧電素子18a、18bは、サスペンション14a、14cの高さとサスペンション14b、14dの高さの略中間の高さでサスペンションホルダ16を左右から支持する。
【0022】
図3には、光ピックアップの側面図が示されている。図3(A)は非駆動状態である。サスペンションホルダ16はガイドピン22によりヨークベース20に回動自在に支持され、積層型圧電素子18a、18bにより左右から支持される。図3(B)はドライバ4から駆動電圧が印加されたときの駆動状態である。積層型圧電素子18a、18bとしてバイモルフ圧電素子を用いた場合、上下方向に積層された各層にリード線を接続し、各層に電位差を生じさせることで上下方向に変位する。駆動電圧により積層型圧電素子18aを図中下方向に変位させ、積層型圧電素子18bを図中上方向に変位させる。これらの変位によりサスペンションホルダ16は図中矢印方向(ラジアルチルト)に回転し、対物レンズ10の光軸傾きが調整される。
【0023】
このように、本実施形態では、従来のようにベースの下部にチルト調整機構を設けるのではなく、サスペンションホルダ16を横架し、サスペンションホルダ16を左右から積層型圧電素子18a、18bで回転駆動する構成なので、装置全体の厚さを増大させることなく対物レンズ10の光軸傾きを調整できる。また、本実施形態ではフォーカスコイル15やトラッキングコイル13はレンズホルダ12に設けられ、積層型圧電素子18a、18bはサスペンションホルダ16を駆動する構成であるため、フォーカスあるいはトラッキング駆動手段との干渉を避けることができ、フォーカスあるいはトラッキング性能を維持しつつ光軸調整が行える。また、フォーカスあるいはトラッキング駆動手段のスペースを圧迫することがなく、部品の共有化を図る必要もない。さらに、レンズホルダ12の重量化を避けることができるので、この点からもフォーカスあるいはトラッキング性能を低下させることがない。
【0024】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更が可能である。
【0025】
例えば、本実施形態ではガイドピン22によりサスペンションホルダ16を回動自在に軸支しているが、他の手段で回動自在に支持することもできる。
【0026】
図4には、サスペンションホルダ16の下部をヒンジ構造24で回動自在に支持する例が示されている。単にサスペンションホルダ16の下部を支持する構造とすることも可能であるが、厚さ方向のサイズを縮小させるべくサスペンションホルダ16の下部に凹部が形成され、この凹部内に収まるようにベース20からヒンジ受部が立設する。サスペンションホルダ16の凹部内面とヒンジ受部はヒンジ構造24で接続され、サスペンションホルダ16はサスペンション14a〜14dの延在方向に沿った軸回りに回動自在に支持される。積層型圧電素子18a、18bは上述の実施形態と同様にサスペンションホルダ16の左右に固定され、その変位によりサスペンションホルダ16にトルクを印加する。この構成によっても厚さ方向のサイズを増大させることなく対物レンズ10の光軸を調整できる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、厚さ方向のサイズを徒に増大させることなく、対物レンズの光軸傾きを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の全体構成図である。
【図2】 実施形態の平面図である。
【図3】 実施形態の側面図である。
【図4】 他の実施形態の側面図である。
【符号の説明】
10 対物レンズ、12 レンズホルダ、14a〜14d サスペンション、16 サスペンションホルダ、18a,18b 積層型圧電素子。

Claims (5)

  1. 記録媒体に光を照射する対物レンズの光軸傾きを調整する対物レンズ駆動装置であって、
    対物レンズを保持するレンズホルダと、
    その一端が前記レンズホルダに固定され、前記レンズホルダを片持ち支持するサスペンションと、
    前記サスペンションの他端を支持し、かつ、左右の積層型圧電素子を介して前記サスペンションの延在方向に沿った軸回りに回動自在にベースに横架されたサスペンションホルダと、
    を有することを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. 請求項1記載の装置において、さらに、
    前記サスペンションホルダを前記サスペンションの延在方向に軸支するガイドピン
    を有することを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  3. 請求項1記載の装置において、さらに、
    前記サスペンションホルダの下部を支持するヒンジ機構
    を有することを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記サスペンションホルダの下部には凹部が形成され、
    前記ヒンジ機構は前記凹部内に収納されて前記凹部の内面で前記サスペンションホルダを支持する
    ことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、
    前記サスペンションは、前記レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に移動自在に片持ち支持し、
    前記積層型圧電素子は、前記サスペンションの延在方向と略垂直方向に延在して前記サスペンションホルダを支持する
    ことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
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