JP3885469B2 - 美爪料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネイルエナメル、ネイルエナメルベースコート、ネイルエナメルトップコート等の美爪料組成物に関するものである。詳しくは、特定構造のポリシロキサン化合物とラジカル重合性単量体を共重合することにより得られる重合体を含む美爪料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
美爪料用に用いられるポリシロキサン基を有する単量体を共重合した重合体は、例えば特開平5−213719号公報、特開平8−143427号公報、特開平9−183711号公報等に記載されている。これらの美爪料用重合体は、ポリシロキサンの優れた特徴を活かしたもので、乾燥性が良好で、爪に優れた光沢と滑らかな感触を与えることができる。
【0003】
しかし、これらの重合体はいずれも片末端にラジカル重合性不飽和結合を有するシリコンマクロモノマーと他の単量体との共重合体であり、滑らかさなどが向上するものの、シリコンマクロモノマーの反応性が十分でなく、特に高分子量のシリコンマクロモノマーを用いた時には未反応のマクロモノマーが残存しやすかった。この未反応マクロモノマーが残存すると、乾燥後に被膜の可塑剤として作用し、膜強度を低下させたり、ブリードアウトして密着性を低下させるため剥離を生じたり、積層して用いる場合の塗膜間の密着性が不足して耐久性が不十分になるなどの問題があった。この様に、美爪料重合体として、満足できる性能を有するものは得られてはいなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、との密着性、表面の滑らかさや光沢、及び被膜の耐久性が良好な美爪料組成物を提供することである。また、ベースコート、トップコートとして用いた場合の層間の密着性にも優れた美爪料組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を達成するため種々の検討を行った結果、両末端にラジカル重合性不飽和結合を有する特定のポリシロキサン化合物を特定量用いることにより、美爪料として用いた場合に満足すべき良好な性能を有する重合体が得られることを見出し本発明に到達した。
【0006】
即ち、本発明によれば、下記式(1)で示される分子鎖の両末端にラジカル重合性不飽和結合を有するポリシロキサン化合物(以下これを「化合物(A)」と略記することがある)に由来する構成単位0.5〜90重量%と、これと共重合可能なラジカル重合性単量体(以下これを「化合物(B)」と略記することがある)に由来する構成単位10〜99.5重量%とからな、重量平均分子量30,000〜1,500,000の共重合体を含有する美爪料組成物が提供される。
【0007】
【化5】
Figure 0003885469
【0008】
(式中、DおよびD′はそれぞれ独立に下記式(2)又は式(3)
【0009】
【化6】
Figure 0003885469
【0010】
で表される不飽和結合含有基を示し、R1及びR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又は末端がヒドロキシル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基で置換されたポリオキシアルキレン基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、Xはイミノ(−NH−)基又は酸素原子を示し、nは4〜500の整数を示し、pは1〜4の整数を示し、qは0〜4の整数を示し、mは0〜4の整数を示す。)
【0011】
この発明の好ましい態様によれば、前記式(1)の化合物においてnが50〜500の整数である上記の美爪料組成物:化合物(A)に由来する構成単位の含有割合が0.5〜50重量%化合物(B)に由来する構成単位の含有割合が50〜99.5重量%である上記美爪料組成物:化合物(B)に由来する構成単位が水性不飽和単量体(以下これを「化合物( 2 )」と略記することがある)に由来する構成単位又はこれと水性不飽和単量体(以下これを「化合物( 1 )」と略記することがある)に由来する構成単位との混合物からなり、かつその含有割合が、重量比で化合物(B1)/化合物(B2)(以下これを「B1/B2」と略記することがある)=0/100〜75/25の範囲内、更に好ましくはB1/B21/99〜30/70の範囲内である上記美爪料組成物、重量平均分子量が50,000〜1,000,000である上記美爪料組成物が提供される。
【0012】
本発明の好ましい別の態様によれば、化合物(B1)がノニオン性基、アニオン性基又はカチオン性基を有する親水性不飽和単量体である上記美爪料組成物:化合物(B1が下記式(4)
【0013】
【化7】
Figure 0003885469
【0014】
(式中、R2は水素原子又はメチル基を示し、R4及びR5はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xはイミノ(−NH−)基又は酸素原子を示し、rは2〜6の整数を示し、sは1〜4の整数を示す。)で表される両性化合物又は両性化により該両性化合物を与える化合物である上記美爪料組成物、及び化合物(B1)が下記式(5)
【0015】
【化8】
Figure 0003885469
【0016】
(式中、R2は水素原子又はメチル基を示し、R4及びR5はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xはイミノ(−NH−)基又は酸素原子を示し、rは2〜6の整数を示す。)で表されるアミンオキシド化合物又はオキシド化により該アミンオキシド化合物を与える化合物である上記美爪料組成物が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の美爪料用重合体は、式(1)で示される分子鎖の両末端にラジカル重合性不飽和結合を有するポリシロキサン化合物(化合物(A))に由来する構成単位0.5〜90重量%と、これと共重合可能なラジカル重合性単量体(化合物(B))に由来する構成単位10〜99.5重量%とからなる、重量平均分子量30,000〜1,500,000の重合体である。
また、化合物(A)及び化合物(B)はいずれも上記の含有量の範囲内であれば一種類のみであっても、二種類以上が併用されたものであってもよい。
【0019】
化合物(A):ポリシロキサン化合物
化合物(A)のポリシロキサン化合物は、下記の式(1)で表されるものである。
【0020】
【化9】
Figure 0003885469
【0021】
(式中、R1は同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又は末端がヒドロキシル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基で置換されたポリオキシアルキレン基であり、DおよびD′はそれぞれ独立に下記式(2)又は式(3)で表される不飽和結合含有基であり、nは4〜500、好ましくは50〜500の整数である。)
【0022】
【化10】
Figure 0003885469
【0023】
(式中、R2は水素原子又はメチル基を示し、Xはイミノ(−NH−)基又は酸素原子を示し、R3は同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又は末端がヒドロキシル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基で置換されたポリオキシアルキレン基を示し、pは1〜4の整数を示し、qは0〜4の整数を示し、mは0〜4の整数を示す。)
【0024】
上記式(1)及び(3)の置換基の定義において、R1及びR3の炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−エチルヘキシル、へプチル、n−オクチル等の炭素数が1〜10である直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、アリール基としては、フェニル、ベンジル等が挙げられる。アルコキシ基とは、アルキル部分が上記した炭素数1〜10のアルキル基であるアルコキシ基を示し、アルキルカルボニルオキシ基とは、アルキル部分が上記した炭素数1〜10のアルキル基であるアルキルカルボニルオキシ基を示す。これらアルキル部分は、炭素数が1〜4のものが好ましい。また、置換されたポリオキシアルキレン基のポリオキシアルキレン部分とは、例えば、下記式(8)
-C36−[O−C24a−[O−C36b− (8)
(式中、a及びbは0〜5、aとbの和は1〜10の整数を示し、好ましくはaは1〜5、bは0〜3の範囲内である。)
で表されるポリオキシアルキレン鎖である。
【0025】
置換されたポリオキシアルキレン基とは、上記したポリオキシアルキレン鎖の炭素末端がヒドロキシル基、上記アルコキシ基又は上記アルキルカルボニルオキシ基で置換されたポリオキシアルキレン基である。
これらの中で、R1及びR3としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、中でも、R1はメチル基、R3は水素原子が最も好ましい。また、式(3)において基−(CH2q−の結合位置は、基CH2 =C(R2 )−の結合位置に対してオルト、メタ若しくはパラ位であり、これらの中でパラ位が最も好ましい。
【0026】
化合物(A)のポリシロキサン部分の重合度nが4未満ではシリコーン化合物による滑らかさの改良効果が不十分となり、一方500を超えた場合は、他のラジカル重合性単量体との共重合反応性が低下するので好ましくない。nが50〜500の範囲にあると、滑らかさが特に良好になるのでより好ましい。
この化合物(A)が、その分子鎖の両末端にラジカル重合性不飽和結合を有することにより、他のラジカル重合性単量体との共重合の際に、重合鎖中に取り入れられる確率が高くなり、従って未反応のまま残留して生成被膜を軟化させたり、ブリードしたりする可能性を小さくすることができる。
【0027】
特に、重合度(n)が50〜500のように高いものを用いると、二つの重合性不飽和結合を有していても、架橋密度があまり高くなることはなく、従ってゲル化の可能性を減らすことができる。また、これにより適度の架橋構造を有するため、共重合体の分子量を高くすることができ、乾燥後の被膜の強度も高くなり、耐久性の優れた美爪料を与えることができる。
【0028】
上記式(1)で表されるポリシロキサン化合物は、市販品(チッソ(株)製)として入手できる。例えば、商品名サイラプレーンFM7725(式(1)においてDが式(2)の基、R1がメチル基、R2がメチル基、Xが酸素原子、pが3、nが130)、商品名サイラプレーンFM7726(式(1)において、Dが式(2)の基、R1がメチル基、R2がメチル基、Xが酸素原子、pが3、nが270)、商品名サイラプレーンFM7727(式(1)において、Dが式(2)の基、R1がメチル基、R2がメチル基、Xが酸素原子、pが3、nが410)等がこのポリシロキサン化合物に相当する。
【0029】
また、式(1)のポリシロキサン化合物は、例えば、Polymer J. (Tokyo) 14(11),913(1982) 、Macromol. Chem. Phys. 195, 2965(1994)、特公平2−3417号公報、特開平2−92933号公報等に記載のそれ自体既知の方法に準じて次の通り製造することができる。
即ち、式(1)ポリシロキサン化合物は例えば、下記式(2−1)又は式(3−1)
【0030】
【化11】
Figure 0003885469
【0031】
(式中、R1、R2、R3、p、qおよびmは前記と同じ意味を示す。)
で表されるオルガノシランのアルカリ金属塩を重合開始剤として用い、下記式(9)
【0032】
【化12】
Figure 0003885469
【0033】
(式中、R1は前記と同じ意味を示し、rは3〜4の整数を示す)
で表される環状シロキサンをアニオン重合し、下記式(2−2)又は式(3−2)
【0034】
【化13】
Figure 0003885469
【0035】
(式中、R1、R2、R3、p、qおよびmは前記と同じ意味を示す。)
で表されるシリコーン化合物にて重合停止することにより得られる。
ここで、式(9)の環状シロキサンはそれ自体既知の化合物であり容易に入手できる。式(9)の化合物の具体例としては、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、オクタエチルシクロテトラシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサンが挙げられる。これらの中で、ヘキサメチルシクロトリシロキサンおよびオクタメチルシクロテトラシロキサンが好ましく、中でもヘキサメチルシクロトリシロキサンが特に好ましい。
【0036】
式(2−1)、式(3−1)、式(2−2)及び式(2−3)の化合物は、それ自体既知の製造法、例えば上記文献に記載の方法に準じて合成することができる。
【0037】
化合物(B):化合物(A)と共重合可能なラジカル重合性単量体
本発明の美爪料用重合体の構成単位を与える化合物(B)としては、特に限定されるものではないが、親水性不飽和単量体(化合物(B1))及び/又は疎水性不飽和単量体(化合物(B2))を用いることができ、その重合体中の含有割合が、重量比で化合物(B1)/化合物(B2)(B1/B2)=0/100〜75/25の範囲内が好ましく、0/100〜40/60の範囲内がより好ましく、B1/B2=1/99〜30/70の範囲が特に好ましい。
【0038】
親水性不飽和単量体(化合物(B1))
本発明において親水性不飽和単量体とは、25℃における水への溶解度が10g/100g水以上のものを言い、疎水性不飽和単量体とは、親水性不飽和単量体に相当しないものを言う。
親水性不飽和単量体(化合物(B1))として好ましいものは、次の4種類の単量体である。但し、この分類は便宜的なもので、2つ以上の分類に重複して相当する単量体の存在を排除するものではない。
【0039】
1.ノニオン性基、アニオン性基、カチオン性基、又は両性イオン基を有する単量体。
2.アクリル酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩。
3.下記式(4)で表される両性化合物又は両性化によりこれを与える化合物。
【0040】
【化14】
Figure 0003885469
【0041】
(式中、R2は水素原子又はメチル基を示し、R4及びR5はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xはイミノ(−NH−)基又は酸素原子を示し、rは2〜6の整数を示し、sは1〜4の整数を示す。)
上記式(5)の単量体は、例えば特開昭56−92809号公報、特開平8−283358号公報等に記載されている通り、それ自体既知の化合物であり、これらの公報に記載されている方法により容易に調製することができる。
【0042】
4.下記式(5)で表されるアミンオキシド化合物又はオキシド化によりこれを与える化合物。
【0043】
【化15】
Figure 0003885469
【0044】
(式中、R2は水素原子又はメチル基を示し、R4及びR5はそれぞれ独立して炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xはイミノ(−NH−)基又は酸素原子を示し、rは2〜6の整数を示す。)
【0045】
上記式(5)の単量体は、例えば特開平10−72323号公報等に記載されている通り、それ自体既知の化合物である。これらの単量体は、例えば同号公報に記載されている通り、アミンオキシド単量体の形で共重合に用いることができ、また対応する窒素含有前駆体の形で共重合し、次いで、過酸化物又はオゾン等の酸化剤でオキシド化することもできる。
【0046】
ここで、本明細書において、炭素数1〜4のアルキル基とは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の炭素数が1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味する。
【0047】
上記1の(イ)カチオン性基を有する単量体、(ロ)アニオン性基を有する単量体、(ハ)ノニオン性基を有する単量体、(ニ)両性イオン基を有する単量体としては次のものが例示できる。
【0048】
(イ)カチオン性基を有する単量体(カチオン性単量体)
(i)アクリル酸又はメタクリル酸(以下これらをまとめて「(メタ)アクリル酸」と記し、アクリレートとメタクリレートとをまとめて「(メタ)アクリレート」と記す)と炭素数1〜4のエピハロヒドリン四級化物から誘導される単量体である、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドや(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウムブロミド等。
(ii)アクリルアミドもしくはメタクリルアミド(以下まとめて「(メタ)アクリルアミド」と記す)又は(メタ)アクリル酸と炭素数1〜4のアルキル基を有するジアルキルアルカノールアミンとから誘導されるアミン誘導体であるジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等、又はジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等。
(iii)上記(ii)の化合物の、塩酸、乳酸等の酸による中和物、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化エチル等のハロゲン化アルキルによる変性物、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロプロピオン酸メチル等のハロゲン化脂肪酸エステルによる変性物、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のジアルキル硫酸による変性物。
(iv) ジアリルジメチルアンモニウムクロリド等のアリル化合物のアミン誘導体。
【0049】
これらのカチオン性単量体は上記の単量体の形で重合に用いることもできるが、重合を行なった後、いわゆる変性化剤を用いてカチオン性基を与えることができる前駆体を用いてもよい。例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートを用いて共重合を行ない、次いで上記の塩酸、モノクロロ酢酸エチル、ジメチル硫酸等を用いてカチオン化する方法がこれに相当する。
【0050】
(ロ)アニオン性基を有する単量体(以下これを「アニオン性単量体」と略記することがある)
(i)(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のα、β−不飽和カルボン酸。
(ii)不飽和多塩基酸無水物(例えば無水コハク酸、無水フタル酸等)とヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとの半エステル。
(iii)スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基を有する単量体。
(iv)アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート等のリン酸基を有する単量体。
【0051】
これらのアニオン性単量体は、酸のままでも、又は部分中和もしくは完全中和しても用いることができ、又は酸の状態で共重合した後に、部分中和もしくは完全中和してもよい。
この中和を行なう際に用いることのできる塩基性化合物としては、中和が行えるものであれば特に制限されないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;アンモニア水、モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアミン、トリエチルアミン、モルホリン、アミノメチルプロパノール、アミノエチルプロパンジオール等のアミン化合物等が挙げられる。
【0052】
(ハ)ノニオン性基を有する単量体(以下これを「ノニオン性単量体」と略記することがある)
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリルアミドと炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとから誘導される単量体及びアクリルアミド、N−ビニルピロリドン等。
【0053】
(ニ)両性イオン基を有する単量体(両イオン性単量体)
前記の(メタ)アクリル酸のアミン誘導体、及び(メタ)アクリルアミド誘導体、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのモノクロロ酢酸アミノメチルプロパノール塩、モノクロロ酢酸トリエタノールアミン塩、モノクロロ酢酸カリウム、モノブロモプロピオン酸ナトリウム等のハロゲン化脂肪酸塩による変性物、プロパンサルトンによる変性物及びオキシド変性物等。
【0054】
上記両イオン性単量体は、前記カチオン性単量体を、それ自体既知の方法、例えばハロ酢酸ナトリウム又はカリウム等の変性化剤で処理することにより容易に調製できる。
これらの両イオン性単量体は、前記カチオン性単量体と同様に、単量体の形で共重合に用いることもできるが、別法として、例えば特開昭56−92809号公報に記載の方法に従い、前駆体の形で共重合し、次いで、変性化剤を用いて両性化することもできる。なお、両性化により塩が副生する場合は、必要に応じて濾過、イオン交換等により除去することができる。
【0055】
また、上記単量体の中でも、カチオン性単量体、カチオン性単量体とアニオン性単量体との混合物、両イオン性単量体及び両イオン性単量体とカチオン性単量体との混合物、からなる群から選ばれる単量体又はそれらの混合物が好ましい。
なお、カチオン性単量体とアニオン性単量体もしくは両イオン性単量体との混合物を用いる場合は、その混合比を9/1〜1/9とするのが好ましい。
【0056】
これらの親水性不飽和単量体(化合物(B1))として、特に好ましいものは次の通りである。
上記1(ロ)及び2のアクリル酸もしくはその塩、又はメタクリル酸もしくはその塩。
上記3の式(4)で表される両性化合物又は両性化によりこれを与えることができる化合物。
上記4の式(5)で表されるアミンオキシド化合物又はオキシド化によりこれを与えることができる化合物。
【0057】
疎水性不飽和単量体(化合物(B2))
疎水性不飽和単量体(化合物(B2))は、得られる美爪料用重合体に、疎水性(耐湿性)、及び塗布後の被膜に強度、硬度及び柔軟性等を賦与することを目的として使用される。
【0058】
このような疎水性不飽和単量体としては、例えば次のものが挙げられる。
(ホ)メチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜24の、飽和及び不飽和の(メタ)アクリル酸エステル。
【0059】
(ヘ)ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ダイアセトンアクリルアミド等の疎水性(メタ)アクリル酸系誘導体。
(ト)スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香系不飽和単量体及び酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類。
【0060】
これらの中で好ましい化合物は炭素数1〜18のアルキル基を有する、アルキル(メタ)アクリレートであり、特に炭素数1〜4のものが被膜の性能を向上するのに有効であり、好ましい。
化合物(B)中の、親水性不飽和単量体(化合物(B1))と、疎水性不飽和単量体(化合物(B2))との割合としては、前記の通り特に限定はされず、いずれか一方がその全体を占めても構わないが、好ましい割合は、通常B1/B2=0/100〜75/25の範囲内、より好ましくはB1/B2=0/100〜40/60の範囲内、特に好ましくはB1/B2=1/99〜30/70の範囲内である。
【0061】
化合物(B1)の含有割合が高い重合体は、爪への密着性及び被膜の柔軟性は良好であるが、耐湿性が低下し、耐久性が低くなる傾向が見られる。他方、化合物(B2)の含有割合が高い重合体は、堅目で耐久性の良好な被膜を与えることができる。
特に化合物(B2)の含有割合がB1/B2=75/25よりも多い場合、中でも40/60よりも多い場合は被膜強度や耐水性が高くなり、美爪料としての耐久性が向上するので好ましい。これらの比率(B1/B2)は、美爪料の用途・特性と、塗布後の光沢や触感を考慮して選定すればよい。
【0062】
なお、化合物(B2)としてエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能不飽和単量体を用いる場合は、その使用量は全単量体の2重量%以下の量とすることが好ましい。この量が2重量%を超えると得られる重合体の分子量が大きくなり過ぎたり、ゲル化を起こしたりする傾向がある。
このような多官能不飽和単量体の使用量は、化合物(A)の二官能性ポリシロキサン化合物の分子量と使用量を考慮して、生成重合体がゲル化しない範囲で使用する必要がある。
【0063】
また化合物(B2)中に、上記の炭素数1〜4のアルキル(メタ)アクリレートが60%以上含まれると、硬度が向上し、傷つきにくくなるので好ましい。
上記した化合物(A)と共重合可能なラジカル重合性単量体(化合物(B))はそれ自体既知の通常用いられるものであり容易に入手できる。
【0064】
重合体の製造方法及び得られる重合体の物性等
本発明の美爪料用重合体を得るための、化合物(A)と化合物(B)との共重合は、ラジカル重合法により、塊状重合、溶液重合、懸濁重合及び乳化重合等の方法で行なうことができる。
【0065】
これらの内で各単量体を、その溶媒中に溶解し、重合開始剤を添加し窒素気流中で加熱撹拌する方法で実施する溶液重合法が好ましい。
ここで用いることができる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ブチルセロソルブ等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;トルエン、キシレン、イソパラフィン、環状ジメチルシロキサン等が例示できる。これらの溶媒は単独でも、又はその二種以上を混合しても使用できる。
【0066】
重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が使用できる。
重合に用いる単量体はその全種類及び全量を重合当初から存在させても良いし、単量体の種類及び(又は)量に関して分割添加を行なうこともできる。溶媒の使用量は、生成共重合体溶液中の共重合体の濃度が10〜65重量%、好ましくは25〜50重量%となる量を用いるのが適当である。
【0067】
本発明の重合体において、化合物(A)に由来する構成単位の含有量は0.5〜90重量%、好ましくは0.5〜50重量%であり、化合物(B)に由来する構成単位の含有量は10〜99.5重量%、好ましくは50〜99.5重量%である。
化合物(A)に由来する構成単位の含有量が0.5重量%未満では、爪に光沢や滑らかな感触を賦与するという性能は得られず、一方、その含有量が90重量%を超えると、得られる被膜の硬度が低下し、傷が付きやすくなったり、耐久性が不十分となる。
【0068】
本発明の重合体の重量平均分子量は30,000〜1,500,000であり、より好ましい重量平均分子量は50,000〜1,000,000である。
この分子量が30,000以下では、得られる被膜の強度が不十分となったり、耐湿性も低下する。一方、分子量が1,500,000を超えると、粘度が高くなって爪への塗布が難しくなったり、乾燥が遅くなったりして、使用上の問題が出る。
【0069】
この共重合体の分子量は、重合温度、重合開始剤の種類及び量、溶媒使用量、連鎖移動剤等の重合条件を適宜選択することにより任意の分子量を得ることができる。
共重合体溶液の溶媒を除去すれば美爪料用共重合体を固体として取り出すことができる。また、溶媒で希釈して共重合体溶液として使用することもできる。本発明の重合体及びその溶液は二種以上を混合して使用することもできる。
【0070】
美爪料組成物
本発明の重合体を用いることにより、ニトロセルロースを含まない配合、あるいはニトロセルロースと併用する配合のいずれでも優れた性能の美爪料組成物が得られる。
美爪料組成物中の重合体の配合量は特に限定されないが、通常5〜45重量%、好ましくは10〜30重量%、より好ましくは15〜30重量%である。この範囲内であれば、塗布しやすく適度な厚みの塗膜が得やすくなる。
【0071】
ニトロセルロースを併用する配合の場合、ニトロセルロースの配合量は、通常0.1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%である。
重合体の希釈に用いられる溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル、酢酸イソブチル、ジアセトンアルコール等の低分子量エステル類;エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−プロパノール、t−ブタノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、セルソルブ、カルビトール等のエーテル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘキサン、オクタン、アイソパーGもしくはH等の炭化水素類等が挙げられる。中でも、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロパノール、エタノール、アセトン、トルエンが好ましい。これらの溶媒は、単独でも、又はその二種以上を混合して用いても良い。
【0072】
また、本発明の重合体を含む塗布液をニトロセルロースを配合したネイルエナメルの上に重ね塗りしたり、下塗り剤として使用してニトロセルロースを含むネイルエナメルを重ね塗りするなど、トップコート剤やベースコート剤として積層して用いることもできる。
上記いずれの使用方法でも本発明の重合体を用いることにより、爪と塗膜の密着性、塗膜間の密着性が優れた、表面の滑りも良好な、非常に耐久性の良い美爪料組成物が得られる。
【0073】
また、本発明の重合体を用いることにより、ニトロセルロースを含まない処方では、爪の黄変や爪への圧迫感のない、より安全な美爪料組成物が得られる。
ニトロセルロースと併用して用いると、本発明の重合体とニトロセルロースとの相溶性が優れているので、透明で平滑な塗膜を形成し、ニトロセルロースの持つ特徴に加えて、優れた乾燥性と滑りの良さ、爪との密着性の良さ、適度の可塑性、光沢の良さを賦与することができる。
【0074】
本発明の美爪料組成物は、上記の必須成分に加え必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に用いられる樹脂、可塑剤、粉体(顔料、染料、パール剤等)、有機変性ベントナイト、溶剤、水性成分、油性成分、紫外線吸収剤、香料等を配合することができる。本発明の美爪料用重合体は、ネイルエナメル、エナメルトップコート、エナメルベースコート等の美爪料組成物に用いることができる。
【0075】
本発明の美爪料組成物は、耐水性/耐湿性であり、有機溶媒、例えばアセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトンおよびそれらの混合物等で容易に除去できるものが好ましい。さらに、塗布後に速乾性を有するものが好ましい。これらの特性を有する上記美爪料組成物の調製は、それ自体既の通常用いられる方法により容易に行うことができる。
【0076】
本発明の別の態様により、上記美爪料組成物を爪の表面に塗布することを特徴とする美爪方法が提供される。爪への塗布方法は特に限定されず如何なる方法であってもよいが、例えばブラシ等のアプリケーターを用いて塗布する方法が挙げられる。
【0077】
また本発明の別の態様により、少なくとも上記美爪料組成物と該組成物を爪の表面に塗布するためのアプリケーターよりなる美爪料キットが提供される。アプリケーターとしては、上記美爪両組成物を爪の表面に塗布するものであれば、例えば適当な大きさのブラシ等が挙げられる。本発明のキットは、このブラシと美爪料組成物を収容する容器とが一体となっているものが好ましい。これらのキットはそれ自体既知の材料および方法により調製することができる。
【0078】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の例中の部及び%は特記する場合を除いて重量部及び重量%を示す。
【0079】
使用したポリシロキサン化合物
化合物(A−1)(実施例用)
下式(6)においてn=130のもの(チッソ(株)製 サイラプレーンFM7725(商品名))。
【0080】
【化16】
Figure 0003885469
【0081】
化合物(A−2)(実施例用)
式(6)において、n=270のもの(チッソ(株)製 サイラプレーンFM7726(同))。
【0082】
化合物(A−3)(実施例用)
式(6)において、n=410のもの(チッソ(株)製 サイラプレーンFM7727(同))。
【0083】
化合物(A−4)(比較例用)
下式(7)で示される片末端に二重結合を持つポリシロキサン化合物(チッソ(株)製 サイラプレーンFM0725)。
【0084】
【化17】
Figure 0003885469
【0085】
評価方法
(1)ナイロン板への密着性評価
ナイロン板にクリアランス100μmのアプリケーターを用いてネイルエナメルを塗布し、24時間乾燥させた後にクロスカット試験(1mm×1mmごばん目100個)を用いて下記の基準で評価した。
【0086】
Figure 0003885469
【0087】
(2)パネル評価
パネリスト10名の両手の爪にネイルエナメルを塗布し、1日後にネイルエナメルの耐久性、滑らかさ、傷つきにくさ等の実用性について、各パネリストが下記の基準で4段階評価し、その平均値を求めた。
【0088】
(i)耐久性
爪にネイルエナメルを塗布し、1日後の塗膜の状態を目視にて評価した。
Figure 0003885469
【0089】
(ii)滑らかさ
爪に塗布してから1日後の塗膜表面の滑らかさについて評価した。
Figure 0003885469
【0090】
(iii)傷つきにくさ
爪に塗布してから1日後の表面の状態を目視にて評価した。
Figure 0003885469
【0091】
重合体の製造
製造例1
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素置換用ガラス管、及び撹拌装置を装着した五つ口フラスコ内に酢酸ブチル300部を仕込み、撹拌下窒素気流中で80℃に昇温した。ここに2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.4部を加えた。次いで、アクリル酸5部、tert−ブチルメタクリレート35部、ブチルメタクリレート50部、化合物(A−1)のポリシロキサン化合物10部の混合物を滴下ロートから1時間かけて系内へ添加し、引き続き窒素気流中で温度を80℃に保ち、2時間重合を行った。さらに、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.5部を加え、5時間重合を行い、重合体「P−1」を得た。
【0092】
また、重合体(P−1)の重量平均分子量(ポリスチレン換算)をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したところ140,000であった。
【0093】
製造例2
化合物(A−1)に代えて、化合物(A−4)を用いたこと以外は製造例1と同様にして重合体「P−2」を得た。また、製造例1と同様にして求めた重合体「P−2」の重量平均分子量は58,000であった。
【0094】
製造例3
製造例1と同様の五つ口フラスコ内に、アセトン150部を仕込み、窒素気流下沸点まで加熱した後、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部を加えた。次に、メチルメタクリレート80部、ラウリルメタクリレート18部、化合物(A−1)2部を滴下ロートにて五つ口フラスコに1時間かけて滴下し、続いて窒素気流下、沸点で還流加熱して2時間重合を行った。さらに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部を3時間毎に2回加えて重合を行い、重合体「P−3」を得た。重合体「P−3」の重量平均分子量は86,000であった。
【0095】
製造例4
製造例1と同様の五つ口フラスコ内に、酢酸エチル100部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.6部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10部、メチルメタクリレート35部、ブチルメタクリレート50部、及び化合物(A−2)5部を仕込み、窒素気流下沸点で還流加熱して8時間重合を行った。
【0096】
重合終了後、ジメチルアミノエチルメタクリレートと等モルの34%過酸化水素水を滴下ロートから五つ口フラスコ中に滴下し、更に窒素気流下沸点で還流加熱して12時間オキシド化反応を行った。得られた重合体「P−4」の重量平均分子量は82,000であった。
【0097】
製造例5
製造例4と同様の方法で重合体溶液を調製した。重合終了後、過酸化水素水に代えてジメチルアミノエチルメタクリレートと等モルのモノクロル酢酸の水酸化カリウム中和物の40%無水エタノール懸濁液を、滴下ロートから五つ口フラスコ中に滴下し、更に窒素気流下沸点で12時間還流加熱して両性化反応を行った。得られた粘稠懸濁液から加圧濾過器で懸濁物を濾別して重合体「P−5」を得た。
【0098】
製造例6
製造例1と同様の五つ口フラスコ内に、無水エタノール200部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2部、ジメチルアミノエチルメタクリレート3部、メチルメタクリレート50部、2−エチルヘキシルメタクリレート37部、及び化合物(A−2)10部を仕込み、窒素気流下沸点で還流加熱して9時間重合を行った。重合途中、3時間毎に0.4部の2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを加えた。
【0099】
重合終了後、ジメチルアミノエチルメタクリレートと等モルのジエチル硫酸を滴下ロートにて五つ口フラスコ中に滴下し、更に窒素気流下60℃で加熱して5時間カチオン化反応を行った。得られた重合体「P−6」の重量平均分子量は120,000であった。
【0100】
製造例7
製造例1と同様の五つ口フラスコ内に、酢酸ブチル200部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.25部、アクリル酸5部、tert−ブチルメタクリレート37部、ブチルメタクリレート53部、及び化合物(A−2)5部を仕込み、窒素気流下65℃で3時間還流加熱した。次に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を3時間毎に2回追加し、更に還流加熱して重合反応を行った。得られた重合体「P−7」の重量平均分子量は270,000であった。
【0101】
製造例8
製造例1と同様の五つ口フラスコ内に、酢酸エチル200部を仕込み、窒素気流下沸点で加熱して2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えた。次に、アクリル酸5部、tert−ブチルメタクリレート35部、ブチルメタクリレート40部、化合物(A−3)20部を滴下ロートを用いて五つ口フラスコ中に1時間かけて滴下し、更に窒素気流下沸点で還流加熱して3時間重合を行った。更に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.5部を追加して5時間重合を行い、重合体「P−8」を得た。得られた重合体「P−8」の重量平均分子量は160,000であった。
【0102】
実施例1〜8、比較例1
製造例1〜8で得られた重合体を、それぞれ表1の組成比で配合して、ネイルエナメルを調製し、前記の評価方法に従って、爪への密着性、耐久性、滑らかさ、傷つきにくさを前記した基準で評価した。その結果を表2に示す。
【0103】
【表1】
Figure 0003885469
【0104】
結果の評価
表2に示す通り、本発明の重合体に基づくネイルエナメルは、パネリストによる実用性の評価で、いずれも良好な結果が得られた。しかし、比較例1のもの(P−2)では特に持続性(耐久性、傷つきにくさ)が劣っていた。ナイロン膜への密着性評価結果は、実施例2の通り、パネリストの爪における実用性評価結果と必ずしも相関しないことが分かった。
【0105】
【表2】
Figure 0003885469

Claims (14)

  1. 下記式(1)で示される分子鎖の両末端にラジカル重合性不飽和結合を有するポリシロキサン化合物(A)に由来する構成単位0.5〜90重量%と、これと共重合可能なラジカル重合性単量体(B)に由来する構成単位10〜99.5重量%とからな、重量平均分子量30,000〜1,500,000の共重合体を含有する美爪料組成物。
    Figure 0003885469
    式中、DおよびD′はそれぞれ独立に下記式(2)又は式(3)
    Figure 0003885469
    で表される不飽和結合含有基を示し、R1及びR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、又は末端がヒドロキシル基、アルコキシ基もしくはアルキルカルボニルオキシ基で置換されたポリオキシアルキレン基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、Xはイミノ基又は酸素原子を示し、nは4〜500の整数を示し、pは1〜4の整数を示し、qは0〜4の整数示し、mは0〜4の整数を示す。
  2. 式(1)のポリシロキサン化合物(A)において、nが50〜500の整数である請求項1に記載の美爪料組成物。
  3. 式(1)のポリシロキサン化合物(A)に由来する構成単位の含有割合が0.5〜50重量%であり、ラジカル重合性単量体(B)に由来する構成単位の含有割合が50〜99.5重量%である請求項1又は2に記載の美爪料組成物。
  4. 式(1)のポリシロキサン化合物(A)に由来する構成単位の含有割合が2〜20重量%であり、ラジカル重合性単量体(B)に由来する構成単位の含有割合が80〜98重量%である請求項1又は2に記載の美爪料組成物。
  5. 重量平均分子量が50,000〜1,000,000である請求項1ないし4のいずれかに記載の美爪料組成物。
  6. ラジカル重合性単量体(B)に由来する構成単位が、疎水性不飽和単量体( 2 )に由来する構成単位又はこれと水性不飽和単量体( 1 )に由来する構成単位との混合物からなり、かつその含有割合が、重量比で親水性不飽和単量体(B1)/疎水性不飽和単量体(B2)=0/100〜75/25の範囲内にある請求項1ないし5のいずれかに記載の美爪料組成物
  7. ラジカル重合性単量体(B)に由来する構成単位が、疎水性不飽和単量体(B 2 )に由来する構成単位と、親水性不飽和単量体(B 1 )に由来する構成単位との混合物からなり、かつその含有割合が重量比で親水性不飽和単量体(B 1 )/疎水性不飽和単量体(B 2 )=1/99〜30/70の範囲内にある請求項1ないし5のいずれかに記載の美爪料組成物
  8. 親水性不飽和単量体(B1)が、ノニオン性基、アニオン性基又はカチオン性基を有する親水性不飽和単量体である請求項6又は7に記載の美爪料組成物。
  9. 親水性不飽和単量体(B1)が、下記式(4)で示される両性化合物又は両性化により該両性化合物を与える化合物である請求項6又は7に記載の美爪料組成物
    Figure 0003885469
    式中、R2は水素原子又はメチル基を示し、R4及びR5はそれぞれ独立して炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xはイミノ基又は酸素原子を示し、rは2〜6の整数を示し、sは1〜4の整数を示す。
  10. 親水性不飽和単量体(B1)が、下記式(5)で示されるアミンオキシド化合物又はオキシド化により該アミンオキシド化合物を与える化合物である請求項6又は7に記載の美爪料組成物。
    Figure 0003885469
    式中、R2は水素原子又はメチル基を示し、R4及びR5はそれぞれ独立して炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xはイミノ基又は酸素原子を示し、rは2〜6の整数を示す。
  11. 下記式(1)で表される分子鎖の両末端にラジカル重合性不飽和結合を有するポリシロキサン化合物(A)に由来する構成単位2〜20重量%、及びこれと共重合可能なラジカル重合性親水性不飽和単量体(B 1 )に由来する構成単位とラジカル重合性疎水性不飽和単量体(B 2 )に由来する構成単位合わせて80〜98重量%からなり、
    重量平均分子量50,000〜1,000,000の共重合体を含有する美爪料組成物。
    Figure 0003885469
    式中、R 1 はメチル基を示し、D及びD′はそれぞれ独立に下記式(2)又は(3)で表される不 飽和結合含有基を示す。nは50〜500の整数を示す。
    Figure 0003885469
    式中、R 2 は水素原子又はメチル基を示し、Xは酸素原子又はイミノ基を示す。
    pは1〜4の整数を示し、qは0〜4の整数を示す。
  12. ラジカル重合性親水性不飽和単量体(B 1 )とラジカル重合性疎水性不飽和単量体(B 2 )との含有割合が重量比で親水性不飽和単量体(B 1 )/疎水性不飽和単量体(B 2 )=1/99〜30/70の範囲内にある請求項11の美爪料組成物。
  13. ラジカル重合性親水性不飽和単量体(B 1 )が(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリルアミドと炭素数1〜4のアルキル基を有する アルカノールアミンとから誘導されるアミン誘導体又はそのハロゲン化アルキル変性物よりなる群から選ばれたものであり、ラジカル重合性疎水性不飽和単量体(B 2 )が炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートである請求項6ないし12のいずれかに記載の美爪料組成物。
  14. ラジカル重合性親水性不飽和単量体(B 1 )が、(メタ)アクリル酸、
    及び(メタ)アクリル酸と炭素数1〜4のアルキル基を有するアルカノールアミンとから誘導されるアミン誘導体よりなる群から選ばれたものであり、ラジカル重合性疎水性不飽和単量体(B 2 )が炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリレートである請求項6ないし12のいずれかに記載の美爪料組成物。
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