JP3885030B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置、静電記録装置等の画像形成装置の一般的な動作について、図22を参照しつつ説明する。
【0003】
図22は典型的な画像形成装置の一例を示す全体構成図であり、電子写真プロセスを用いて転写材上に画像を形成する画像形成装置を示すものである。
【0004】
1はドラム型の像担持体である電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、図22における矢印R9方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動され、この感光ドラム1に対して、帯電、画像露光、現像、転写、クリーニング等の画像形成プロセスが実行される。
【0005】
転写材への画像形成を行う前述の画像形成プロセスについて説明すると、まず始めに、回転駆動される感光ドラム1は一次帯電器2によって表面が所定の極性、及び所定の電位になるよう帯電処理される。なお、以下においてはマイナス極性に帯電処理される感光ドラム1を使用するものとして説明する。
【0006】
次に、表面が所定の電位のマイナス極性に帯電処理された感光ドラム1の表面は、画像情報書き込み手段としての露光器3(例えば、原稿画像の投影露光器や、画像変調されたレーザビームの走査露光器など)による画像露光がなされることで、画像露光された部分(露光明部)の帯電電位が減衰して感光ドラム1の表面に露光画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0007】
そして、感光ドラム1の表面に形成された静電潜像は、現像部位N6において、現像器4の現像ローラ4aによりトナー像が現像されて、可転写のトナー像として順次に可視画像化される。
【0008】
なお、一様に帯電処理された感光ドラム1の表面を露光して現像する方式としては、帯電した感光体表面に画像情報のバックグラウンド部(画像を形成しない部分)に対応して露光して、バックグラウンド部以外の部分(画像を形成する部分)を現像する正規現像方式と、画像情報の部分に対応して露光して、露光部分を現像する反転現像方式がある。
【0009】
その後、現像部位N6にて感光ドラム1の表面に形成されたトナー画像は、転写部位N5において転写手段により、給紙装置13から給紙された転写材(転写紙)に転写される。なお、前述の転写手段としては、例えば、ローラ形状の接触転写帯電器(以下、転写ローラ9と記す)を用いることができる。転写ローラ9は、例えば、芯金と芯金の周りに形成した弾性層からなるものであり、感光ドラム1に対して所定の押圧力をもって圧接させて転写部位N5(転写ニップ部)を形成させてあり、感光ドラム1の回転に順方向(図22におけるR1方向)に、転写部位N5における感光ドラム1の回転周速度と略同一の周速度で回転するものである。
【0010】
また、給紙装置13から給紙された転写材は、レジストローラ15により搬送されるものであり、感光ドラム1の表面に形成されたトナー像の先端部が転写部位N5に到達したとき、転写材の先端部も同時に転写部位N5に到来するタイミングになるように転写材は転写部位N5に搬送される。
【0011】
転写部位N5に搬送された転写材は、感光ドラム1からトナー像が転写されるとともに、感光ドラム1に密着して転写部位N5で挟持されつつ搬送されていく。また、転写部位N5に転写材の先端部が到来してから、転写材の後端部が転写部位N5を通過するまでの間、転写ローラ9の芯金には不図示の転写バイアス(電圧)電源から所定のプラス極性の転写バイアス(電圧)が印加される。
【0012】
そして、転写材が転写部位N5を挟持搬送されていく過程において、接触転写帯電器としての転写ローラ9によって形成される転写電界の作用(マイナス極性のトナーがプラス極性の転写ローラ9により引き付けられる作用)及び転写部位N5における押圧力により、感光ドラム1側のトナー像は、転写材に順次転写されていく。
【0013】
その後、転写材の後端が転写部位N5を通過すると、転写材は感光ドラム1の表面から分離されて定着器12に搬送され、転写材に転写されたトナー像が永久固着像として転写材面に定着処理され、画像形成物(コピー、プリント)として排紙される。
【0014】
また、転写材の後端が転写部位N5を通過した後に、感光ドラム1の表面はクリーニングブレード10aによって残留トナーや紙粉等の付着汚染物が除去(清掃)され、引き続き画像形成を行う場合は、再び帯電ローラ繰り返して画像形成に供される。なお、残留トナーや紙粉等は、廃トナー容器11へ収容される(例えば、特許文献1参照)。
【0015】
【特許文献1】
特開平06−175514号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した画像形成装置においては、画像形成装置を長期間使用するに当たり、現像器4の使用の度合いにより現像器4内のトナーの劣化が起こり、十分な電荷を保持していないトナー(以下、低トリボトナー)が発生したり、本来の電荷極性と反対に帯電(これを本来の電荷極性の正規トナーに対し反転トナーと呼ぶ)したトナーが発生してしまうことがある。
【0017】
このため、感光ドラム1上の、反転現像方式による画像形成領域の未露光部分や、連続して転写材に画像を形成する際の紙間に相当する領域や初期回転時における現像ローラ4aを通過する領域等の感光ドラム101の非画像形成領域に、前述した低トリボトナーや反転トナーが転移してしまう、いわゆるカブリという現象が発生する場合がある。また、カブリを構成するトナーをカブリトナーという。
【0018】
なお、カブリは反転現像方式による画像形成領域の未露光部分の電位と現像バイアスの電位との差が大きい場合に発生しやすく、この差は装置の置かれた環境(湿度、温度)により異なるものである。
【0019】
転写材にトナー像が転写される画像形成領域でのカブリトナーは、転写ニップ部N5にて転写材に直接的に転写されるものであり、転写ローラ9に直接転写されることはない。また、転写材に転写されるカブリトナーの量も、感光ドラム1上の画像形成動作1回分の量であるため、このカブリは通常の使用において紙上ではほとんど目立たない程度である。したがって、画像形成領域におけるカブリトナーが転写材上に形成される画像に与える影響は、それほど大きくないものといえる。
【0020】
これに対し、感光ドラム上における非画像形成領域でのカブリトナーは、転写材に直接的に転写されずに直接転写ローラ9に転移するため、徐々に転写ローラ9に蓄積され、蓄積されたカブリトナーが転写材の通過時に転写材の裏面(画像形成面に対向する面)に汚れとして現れてしまうという問題がある。
【0021】
本発明は上記の従来技術を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画像形成装置の置かれた環境に拘わらず、感光ドラムの非画像形成領域(紙間、初期回転、後回転)にトナーのカブリが発生して転写ローラに蓄積することによる紙裏汚れを防止できる画像形成装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
転写材に形成する画像を担持する像担持体と、
前記像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、
所定の電位に帯電された前記像担持体上の画像形成領域を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
前記転写材に形成する画像を前記像担持体上に形成すべく、前記像担持体上の静電潜像を現像する現像手段であって、前記像担持体上の前記画像形成領域に対して前記現像手段に設定される現像電圧と、前記像担持体上の非画像形成領域に対して前記現像手段に設定される現像電圧が異なる現像手段と、
前記現像手段により前記像担持体上の前記画像形成領域に形成された画像を前記転写材に転写する転写手段と、
前記転写手段によって前記画像を前記転写材に転写する際の転写電圧を設定する転写電圧制御手段と、
前記転写手段に流れる転写電流を検知する転写電流検知手段と、
前記転写電流検知手段によって検知された転写電流と前記転写材の種類とに基づいて設定された前記転写電圧に応じて前記像担持体の前記非画像形成領域に対する現像電圧を設定するための変換手段を選択して、選択した変換手段を用いて前記転写電流検知手段によって検知された前記転写電流に応じた現像電圧を設定する現像電圧制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、転写電流検知手段により検知した転写電流に基づいて、像担持体の非画像形成領域に対して現像手段に設定される電圧を最適化し、非画像形成領域から転写手段へ転移するトナーをなくすことで、転写手段へのトナーの蓄積によって発生する紙裏汚れを防止し、良好な画像形成が可能となる。
【0030】
また、本発明の他の態様にあっては、
転写材に形成する画像を担持する複数の像担持体と、
前記複数の像担持体の各々に対して設けられ、前記像担持体を所定の電位に帯電させる複数の帯電手段と、
前記複数の像担持体の各々に対して設けられ、所定の電位に帯電された前記像担持体上の画像形成領域を露光して静電潜像を形成する複数の露光手段と、
前記複数の像担持体の各々に対して設けられ、前記転写材に形成する画像を前記像担持体上に形成すべく、前記像担持体上の静電潜像を現像する複数の現像手段であって、前記像担持体上の前記画像形成領域に対して前記現像手段に設定される現像電圧と、前記像担持体上の非画像形成領域に対して前記現像手段に設定される現像電圧が異なる複数の現像手段と、
前記複数の像担持体の各々に対して設けられ、前記現像手段により前記像担持体上の前記画像形成領域に形成された画像を前記転写材に転写する複数の転写手段と、
前記転写手段によって前記画像を前記転写材に転写する際の転写電圧を設定する転写電圧制御手段と、
前記複数の転写手段の少なくとも1つに設けられ、前記転写手段に流れる転写電流を検知する転写電流検知手段と、
前記転写電流検知手段によって検知された転写電流と前記転写材の種類とに基づいて設定された前記転写電圧に応じて前記像担持体の前記非画像形成領域に対する前記現像手段に設定するための変換手段を選択し、選択した変換手段を用いて前記転写電流検知手段によって検知された前記転写電流に応じた前記現像電圧を設定する現像電圧制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、複数の像担持体を有する、例えばフルカラープリンタにおいても、転写電流検知手段により検知した転写電流に基づいて、像担持体の非画像形成領域に対して現像手段に設定される電圧を最適化し、非画像形成領域から転写手段へ転移するトナーをなくすことで、転写手段へのトナーの蓄積によって発生する紙裏汚れを防止し、良好な画像形成が可能となる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての材質、形状などは、特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものである。
【0047】
(第1の実施の形態)
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0048】
電子写真装置、静電記録装置等の画像形成装置の動作について、図1を参照して説明する。図1は第1の実施の形態における画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。図1に示す画像形成装置は、電子写真方式を用いて転写材上に画像を形成する画像形成装置を示すものであり、例えば、レーザービームプリンタを示すものである。なお、以下の説明において画像形成装置は、マイナスの帯電特性の感光ドラム101、及びマイナスの電荷を帯びるトナーを使用して、反転現像を行うものとして説明する。もちろん本発明はかかる反転現像を行う画像形成装置のみに限定されるものではなく、正規現像を行う装置についても適用できるものである。
【0049】
図1に示す画像形成装置は、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)101を備えている。感光ドラム101は、画像形成装置本体A(以下単に「装置本体A」という)によって回転自在に支持されており、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に回転駆動される。
【0050】
感光ドラム101の周囲には、その回転方向(R1)に沿って、感光ドラム表面を一様に帯電する一次帯電器102、帯電後の感光ドラム101表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する露光器103、静電潜像を現像する現像器104、感光ドラム101上のトナー像を紙等の転写材に転写する転写器109、感光ドラム101上の一次転写残トナーを除去するクリーニング装置110が配置されている。
【0051】
続いて、上述の各部材等について補足説明をする。
【0052】
感光ドラム101は、アルミニウムの円筒状の芯金の表面に、例えば、マイナスの帯電極性を有するOPC(有機光半導体)感光層(以下、感光層)を設けて構成されている。なお、感光層は、電荷発生層(Charge Carrier Generation Layer:CG層)及び電荷輸送層(Charge Carrier Transport Layer:以下CT層という)からなり、CT層の膜厚は、本実施の形態では初期状態で15μmであり、耐久使用により摩耗して約10μm程度まで使用されるものである。
【0053】
帯電手段としての一次帯電器102は、感光ドラム101の表面に接触配置された帯電ローラ102aと、感光ドラム101の表面を所望の表面電位Vdに帯電させるためにDC電圧を帯電ローラ102aに印加する帯電高圧電源S3とを有し、感光ドラム101表面を均一に帯電するいわゆるDC帯電ローラ方式のものである。なお、帯電高圧電源S3が帯電ローラ102aに印加するDC電圧は、帯電電圧制御部102bにより制御される。
【0054】
露光手段としての露光器103は、例えば、画像情報に応じたレーザー光を発光するレーザー発振器、ポリゴンミラー等を有し、帯電後の感光ドラム表面を走査して光照射部分の電荷を除去することにより感光ドラム101の表面に静電潜像を形成する。
【0055】
現像手段としての現像器104は、感光ドラム101表面に接触可能に配置された現像ローラ104aと、これに所望の現像電圧に印加する現像高圧電源S1とを有している。また現像器104には、摩擦によってマイナスの電荷を帯びるネガトナーが収納されており、ネガトナーは、感光ドラム101の表面の静電潜像の電荷が除去された部分(露光部分)に付着して現像される。これにより静電潜像はトナー像として現像されることになる。なお、現像高圧電源S1が現像ローラ104aに印加する現像電圧は、現像電圧制御部104bにより設定される。また、現像ローラ104aは後述する画像形成コントローラ105により感光ドラム101に対して当接、離間可能となっており、画像形成を行う際に感光ドラム101に当接される。
【0056】
転写手段としての転写器109は、感光ドラム101の表面に接触するよう感光ドラム101と対向する位置に配置された転写ローラ109aと、転写ローラ109aに所望の転写バイアスTを印加する転写高圧電源S2と、転写ローラ109aに流れる電流を検知する転写電流検知部109bと、を有し、感光ドラム101と転写ローラ109aとが対向する転写ニップ部N1で紙等の転写材を挟み込み、転写材の裏面からプラスの電圧を印加することにより感光ドラム101上のトナー像を転写材に転移させる、いわゆる転写ローラ方式のものである。なお、転写高圧電源S2が転写ローラ109aに印加する転写バイアスTは、後述する画像形成コントローラ105からの指示に基づいて転写電圧制御部109cにより制御される。
【0057】
転写ローラ109aに印加される転写バイアスTは、予め画像形成動作前に転写ローラ109aに一定のDC定電圧を印加して、そのときの転写ローラ109aと感光ドラム101の間に流れる転写電流値Iaを転写電流検知部109bにより検知し、転写電流値Iaと、転写材の材質を検知する材質検知部114により判断される転写材の材質(厚さ、電気抵抗値、水分含有量、種類(普通紙、OHTシート等))により決定され、決定された転写バイアスTが転写材へのトナー像の転写時に転写ローラ109aに印加される。
【0058】
クリーニング装置110は、感光ドラム1表面に当接されて感光ドラム表面に付着している一次転写残トナーを掻き落とすクリーニングブレード110aを備えている。
【0059】
感光ドラム101、帯電ローラ102a、現像器104、クリーニング装置110はカートリッジとして一体的に構成され、画像形成装置本体に対し着脱可能とすることで消耗品の交換性を向上させている。
【0060】
また、以上説明した画像形成装置を構成する各部を制御するのは、画像形成コントローラ105である。画像形成コントローラ105はパーソナルコンピュータ等の外部装置から送信される画像情報及びプリント指示を受信して処理する画像処理コントローラ106と接続されており、画像処理コントローラ106からの指示に応じて画像形成装置を構成する各部を制御するものである。例えば、帯電高圧電源S3から帯電ローラ102aに印加されるDC電圧を設定する帯電電圧制御部102bや、現像高圧電源S1から現像ローラ104aに印加される現像電圧を設定する現像電圧制御部104bや、転写高圧電源S2から転写ローラ109aに印加される転写バイアスTを設定する転写電圧制御部109cを統括して制御する。
【0061】
なお、前述した転写材の種類(普通紙、OHTシート等)は、外部装置からプリントすべき画像データと共に画像処理コントローラ106へ送信されたコマンドや、画像形成コントローラ105に接続されたオペレーションパネル等の操作部から入力された信号に基づいて、画像形成コントローラ105が判別するものである。
【0062】
次に、上述の構成を有する画像形成装置の動作について説明する。
【0063】
感光ドラム101の表面は、一次帯電器102によって、直流電圧−500VにVth(感光ドラムの放電開始電圧)に相当する電圧−500Vを足した直流電圧−1000Vが帯電ローラ102aに印加されることで、N/N環境(23℃/60%Rh)においては−500Vに均一に帯電される。
【0064】
感光ドラム101が帯電された後の感光ドラム101の表面電位Vdは、第1の実施の形態で用いているDC帯電ローラ方式においては、帯電ローラ102aに印加する電圧や、画像形成装置の置かれた環境や、CT層の膜厚で変化する感光ドラムの放電開始電圧Vth等により変動するものである。
【0065】
放電開始電圧Vthは、環境の変化H/H(温度30℃/湿度80%Rh)→L/L(温度15℃/湿度10%Rh)で約50V増加し、CT層膜厚の変化(15μm→10μm)で約50V減少する。
【0066】
図2は、感光ドラムの未露光部分の明部電位(表面電位)Vd、画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0、露光部分の明部電位Vlの環境による変化を複数のCT層の膜厚について示した図である。
【0067】
具体的には、帯電ローラ102aに一定電圧(−1000V)を印加した時に、横軸を環境の変化、縦軸を感光ドラムの電位としたグラフである。なお、図2の中における丸印はCT層膜厚が10μmである場合を示し、四角印はCT層膜厚が15μmである場合を示すものである。また、環境の変化における丸印及び四角印が打たれている3つの環境が先ほど説明したH/H(温度30℃/湿度80%Rh)、N/N環境(23℃/60%Rh)、L/L(温度15℃/湿度10%Rh)に対応している。また、縦軸について左から右に(H/H環境からL/L環境に移行する)につれ、温度及び湿度は徐々に低くなる。
【0068】
次いで露光器103によって感光ドラム101上の画像形成領域に対して画像情報に応じた露光が行われて静電潜像が形成される。ここで、画像形成領域とは、感光ドラム101上の領域であって、露光器103によって画像情報に応じた露光(レーザビーム等による走査)が可能な領域に所定のマージンを持たせた領域を示すものであり、画像を形成する転写材のサイズに応じた領域である。また非画像形成領域とは、感光ドラム101上の領域であって、露光器103によって画像情報に応じた露光(レーザビーム等による走査)が行われないよう露光が強制的に停止される領域を示す。非画像形成領域とは、例えば、初期回転時における現像ローラ104aを通過する感光ドラム101上の領域、連続して転写材に画像を形成する際の紙間に相当する感光ドラム101上の領域、後回転時における現像ローラ104aを通過する感光ドラム101の上の領域をいう。
【0069】
なお、初期回転とは、転写材への画像形成に先立って、前準備として感光ドラム101の表面電位を安定させるために行う動作であり、帯電高圧電源S3による帯電ローラ102aへの電圧の印加、現像高圧電源S1による現像ローラ104aへの電圧の印加、転写高圧電源S2による転写ローラ109aへの電圧の印加を所定時間行うことにより、感光ドラム101の表面電位を安定させる。
【0070】
また、紙間とは、複数の転写材に連続して画像を形成する場合に、転写材と転写材との間の画像形成が行われない部分を示すものである。
【0071】
また、後回転とは、画像形成動作を終了する際に、次回の画像形成動作に備えて、感光ドラム101の表面電位を安定させるために行う動作であり、前述の初期回転動作と同様の処理を行うものである。
【0072】
そして、露光器103によって露光された後の感光ドラム101の表面は、未露光部分(画像形成領域における画像のバックグラウンド部分であって露光器により露光されなかった部分)の暗部電位Vdが−500V、露光部分(画像形成領域における画像部分であって露光器により露光された部分)の明部電位Vlが−100Vとなる。
【0073】
CT層の膜厚が15μmである場合(感光ドラム101が新品である場合)について説明すると、現像器104の現像ローラ104aには、現像高圧電源S1から−280Vの現像バイアスが印加される。そして、現像バイアスV0の−280Vに対して感光ドラム101表面の未露光部分の電位(表面電位)Vdは−500Vであり、現像バイアスV0の方が220Vだけ電位が高いので、現像器104に収納されているマイナス極性に帯電されたネガトナーは感光ドラム101の表面へは付着しない。ただし、トナーの耐久劣化の程度によりトナーの帯電量は異なってしまい、若干量カブリトナーとして感光ドラムに付着することがある。
【0074】
また、感光ドラム101の画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0の−280Vに対して感光ドラム101の表面の露光部分における明部電位Vlは−100Vであり、現像バイアスV0の方が180Vだけ電位が低いので、現像器104に収納されているマイナス極性に帯電されたネガトナーは感光ドラム101の表面へ付着してトナー像として顕像化(現像)される。
【0075】
この画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0は、変動する感光ドラムの暗部電位Vd、明部電位Vlに応じて画像濃度を一定にするために、現像バイアスV0と明部電位Vlとの電位差(以下、現像コントラスト)が180Vで一定になるよう画像形成コントローラ105により制御される(図2参照)。
【0076】
感光ドラム101と転写ローラ109aとは、概略同じ周速度でそれぞれ矢印R1方向、矢印R2方向に回転し、転写ローラ109aには転写高圧電源S2によって転写バイアスTが印加される。これにより、感光ドラム101上のトナー像は転写ニップ部N1において、感光ドラム101と転写ローラ109aとの電位差によって形成される転写電界の作用(マイナス極性のトナーがプラス極性の転写ローラ109aにより引き付けられる作用)及び転写ニップ部N1における押圧力により、感光ドラム101上のトナー像は、給紙装置113から搬送された紙等の転写材に転写される。
【0077】
このとき、転写材に転写されないで感光ドラム101の表面に残った転写残トナーは、クリーニング装置110のクリーニングブレード110aによって除去され、廃トナー容器111に収納される。
【0078】
トナー画像が転写された転写材は、定着器112により定着されて永久定着画像として形成された後、排紙ローラ116により排出される。
【0079】
以上、画像形成装置の動作について説明したが、感光ドラム101表面の未露光部分(表面電位Vdである部分)が現像ローラ104aを通過する際に、トナーの耐久劣化の程度によりトナーの帯電量は異なってしまい、若干量カブリトナーとして感光ドラム付着してしまう問題について、以下に詳述する。
【0080】
画像形成装置を長期間使用するに当たり、現像器104の使用の度合いにより現像器104内のトナーの劣化が起こり、十分な電荷を保持していないトナー(以下、低トリボトナー)が発生したり、本来の電荷極性と反対に帯電(これを本来の電荷極性の正規トナーに対し反転トナーと呼ぶ)したトナーが発生してしまうことがある。
【0081】
このため、感光ドラム101上の、反転現像方式による画像形成領域の未露光部分や、連続して転写材に画像を形成する際の紙間に相当する領域や初期回転時における現像ローラ104aを通過する領域等の感光ドラム101の非画像形成領域に、前述した低トリボトナーや反転トナーが転移してしまう、いわゆるカブリという現象が発生する場合がある。また、カブリを構成するトナーをカブリトナーという。
【0082】
転写材にトナー像が転写される画像形成領域でのカブリトナーは、転写ニップ部N1にて転写材に直接的に転写されるものであり、転写ローラ109aに直接転写されることはない。また、転写材に転写されるカブリトナーの量も、感光ドラム101上の画像形成動作1回分の量であるため、このカブリは通常の使用において紙上ではほとんど目立たない程度である。したがって、画像形成領域におけるカブリトナーが転写材上に形成される画像に与える影響は、それほど大きくないものといえる。
【0083】
これに対し、感光ドラム上における非画像形成領域でのカブリトナーは、転写材に直接的に転写されずに直接転写ローラ109aに転移するため、徐々に転写ローラ109aに蓄積され、蓄積されたカブリトナーが転写材の通過時に転写材の裏面(画像形成面に対向する面)に汚れとして現れてしまうという問題がある。
【0084】
このカブリの問題に対し、従来は画像形成動作終了時等に転写ローラ109aにクリーニングバイアスを印加すること等を行い、転写ローラ109aに蓄積したトナーをクリーニングする方法が知られているが、連続プリントを行っている間など転写ローラ109aのクリーニングが行われない状況において、やはり転写材の裏面(画像形成面に対向する面)に汚れとして現れてしまうという問題がある。
【0085】
そこで、第1の実施の形態として、カブリによる転写材への影響の大きい、非画像形成領域にカブリトナーが発生しないよう、感光ドラム101の非画像形成領域が現像ローラ104aを通過する際に現像電圧制御部104bに設定される現像バイアス(電圧)を適切に制御する方法を説明する。
【0086】
まず、画像形成動作を開始するのに先立って、感光ドラム101と転写ローラ109aを不図示の駆動手段によってそれぞれ矢印R1、矢印R2方向に回転させる。
【0087】
この時、転写ローラ109aへ転写高圧電源S2より1000VのDC電圧が印加される。この時、電圧を印加した際の転写ローラ109aと感光ドラム101の間に流れる転写電流値Iaを転写電流検知部109bにて検知する。なお、転写高圧電源S2から一定の電圧(1000V)を転写ローラ109aに印加する場合であっても、画像形成装置の置かれた環境によっては、転写電流検知部109bにて検知される転写電流値Iaは異なるものとなる。転写電流値Iaが異なるものとなるのは、画像形成装置の置かれた環境によって、転写ローラ109a等からなる転写部の抵抗値が変化するからである。
【0088】
図3は、非画像形成領域での現像バイアス制御における転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vとの関係を示す図、図4は、非画像形成領域での現像バイアス制御における転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vとの関係を示すテーブルである。
【0089】
図3において、縦軸は、感光ドラム101の非画像形成領域が現像ローラ104aを通過する際に、感光ドラム101へトナーが転移してカブリトナーとなることがないよう設定されている現像バイアス制御値Vを示すものである。そして、横軸である転写ローラ109aに流れる転写電流値Iaに対して、それぞれ異なる現像バイアス制御値Vを設定することで、画像形成装置の置かれた環境に応じた適切な現像バイアスを現像ローラ104aに印加して、カブリトナーが発生することを防止することができる。なお、転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vとの関係は、予め実験により定めたものであり、図4に示すようなテーブルとして画像形成コントローラ105が備えるメモリ(記憶部)等に記憶させておく。なお、テーブルの定め方については後述する。
【0090】
転写電流検知部109bは、図1に示すように転写電圧制御部109cと接続されており、転写電圧制御部109cは転写ローラ109aに流れる電流値Iaに基づいて、現像高圧電源S1が現像ローラ104aに印加する現像バイアス制御値Vを設定する。例えば、転写電圧制御部109cを介して転写電流検知部109bから画像形成コントローラ105に入力される転写電流値Iaの値が55μAであった場合、図4のテーブルに示すように50μAと70μAの間の値であるので、画像形成コントローラ105は現像バイアス制御値Vとして−370Vを設定する。そして、現像電圧制御部104bは画像形成コントローラ105により設定された現像バイアス制御値V(図4から−370Vを設定)を現像ローラ104aに印加するよう現像高圧電源S1を制御する。
【0091】
なお、第1の実施の形態においては、図4に示す変換テーブルをもとに現像バイアス制御値Vを適宜選択したが、転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vの関係が簡単な関数(例えば1次関数)で表される場合は、係る関数を表す変換式を用いて算出してもよい。この場合、変換式を用いることで、使用するメモリの容量を節約でき、また、処理速度の向上を図ることができる。
【0092】
以上、感光ドラム101の非画像形成領域が現像ローラ104aを通過する際に、現像ローラ104aに印加される現像バイアス値の設定方法について説明した。
【0093】
次に、感光ドラム101の非画像形成領域に対する現像バイアスを設定するタイミングについて、図5を参照して説明する。
【0094】
図5は転写材に2ページ分の画像を連続して形成する場合に、現像ローラ104aに印加される現像バイアス(電圧)の変化を時系列で示した図である。
【0095】
まず始めに、タイミングT1において、感光ドラム101の駆動を開始し、その後タイミングT2において、画像形成装置の置かれた環境に応じた現像バイアス制御値Vを図4に示すテーブルにより設定するために、転写高圧電源S2から転写ローラ109aに一定の転写バイアスT(1000V)を印加して、その際に転写ローラ109aに流れる転写電流値Iaを転写電流検知部109bで検知する。以上が図5における転写電流検知であり、タイミングT3にて動作を終了する。
【0096】
その後、タイミングT4において、初期回転の開始に伴って現像ローラ104aの回転が開始されるとともに、転写電流検知動作により決定された非画像形成領域での現像バイアス制御値Vが現像ローラ104aに印加される。なお、T4において、現像ローラ104aは感光ドラム101から離間された状態となっている。そして、タイミングT5において、現像ローラ104aが帯電ローラ102aにより暗部電位Vdに帯電処理されている感光ドラム101に当接される。
【0097】
初期回転動作が終了して感光ドラム101上の画像形成領域が現像ローラ104aと対向する位置へ到達すると(タイミングT6)、現像バイアスを現像バイアス制御値Vから、画像形成を行うための現像バイアスV0(図2参照)に変更する。そして、タイミングT7において紙間に対応する部分が現像ローラ104aと対向する位置へ到達すると、現像バイアスを、画像形成時の現像バイアスV0(例えば−280V)から、非画像形成領域における現像バイアス制御値Vへ変更する。
【0098】
また、2ページ目の画像についての画像形成領域が現像ローラ104aと対向する位置へ到達すると、再び現像バイアスを現像バイアス制御値Vから、画像形成を行うための現像バイアスV0(図2参照)に変更する。その後更に2ページ目の画像の画像形成領域が通過したタイミング(タイミングT9)で、現像バイアスを、画像形成時の現像バイアスV0(例えば−280V)から、非画像形成領域における現像バイアス制御値Vへ変更する。
【0099】
なお、以上の説明において転写電流値Iaの検知は画像形成を行う際に行うものとしているが、他の態様としてもよい。例えば、画像形成装置への電源投入時に転写電流値Iaの検知を行って検知結果を画像形成コントローラ105等が備えるメモリに記憶させておき、毎回の画像形成時(1つのプリントジョブを実行する毎)にはメモリに記憶された転写電流値Iaに基づいて非画像形成領域の現像バイアス制御値Vを設定しても良い。また、画像形成装置の置かれた環境の変化がわかればよいので、転写電流値Iaを検知してから所定時間が経過するごとに新たに転写電流値Iaの検知を行ってもよい。
【0100】
ここで、転写電流検知に対して、画像形成装置の置かれた環境及び感光ドラム101のCT層の膜厚が与える影響を、図6を参照しつつ説明する。図6は転写ローラ109aに一定の転写バイアスT(1000V)を印加した際における、画像形成装置が置かれた環境、及びCT層の膜厚に応じた転写電流値Iaの変化を示す図である。
【0101】
図6に示すように、転写ローラ109aに流れる転写電流値Iaは、転写ローラ109aに印加される転写バイアスTが一定であっても、画像形成装置の置かれた環境により変動する転写ローラ109aの抵抗値、及び感光ドラム101のCT層の膜厚により変動する。具体的には、画像形成装置の置かれた環境における温度及び湿度が低いほど転写ローラ109aの抵抗値が高くなって転写電流値Iaの値が低くなり、また感光ドラム101の膜厚が厚くなるほどCT層の静電容量が低下し、転写電流値Iaの値が低くなる。
【0102】
図6に示した、画像形成装置が置かれた環境、及びCT層の膜厚に応じた転写電流値Iaの変化と、図2に示した感光ドラムの表面電位及び現像バイアスの環境による変動との関係を図7、図8に示す。
【0103】
図7は、転写電流値Iaの変化と、感光ドラムの表面電位Vd及び非画像形成領域における現像バイアスの適正範囲を示す図であり、図8は、転写電流値Iaの変化と、感光ドラムの表面電位Vd及び画像形成領域に印加される現像バイアスV0を示す図である。
【0104】
トナーの耐久使用による劣化により地カブリ及び反転カブリが発生してしまうことは、既に説明したが、図7における領域A1はCT層の膜厚が10μmであるときに、環境等により変化しえる感光ドラムの表面電位Vdに対してカブリ(地カブリおよび反転カブリ)を発生しない現像バイアス制御値Vの適正範囲を示している。なお、領域A1は実験により定めた領域であり、領域A1より現像バイアス制御値Vが低い(バックコントラストが100V以下である)場合は地カブリが生じ、領域A1より現像バイアス制御値Vが高い(バックコントラストが200V以上である)場合は反転カブリが生じてしまう。
【0105】
また、図7における領域A2は膜厚が15μmであるときに、環境等により変化しえる表面電位Vdに対してカブリを発生しない現像バイアス制御値Vの適正範囲を示している。なお、領域A2はA1と同様に実験により定めた領域であり、領域A2より現像バイアス制御値Vが低い(バックコントラストが100V以下である)場合は地カブリが生じ、領域A2より現像バイアス制御値Vが高い(バックコントラストが200V以上である)場合は反転カブリが生じてしまう。
【0106】
以上のことから、CT層の膜厚に拘わらず、地カブリも反転カブリも生じないように現像バイアス制御値Vを設定するには、領域A1及びA2の重複する領域における現像バイアス制御値Vを設定するよう制御すればよい。そして、図4に示すテーブルとして設定した転写電流値Iaに対する現像バイアス制御値Vは、図7の階段状の実線で示す値であり、領域A1及びA2の重複する領域における現像バイアス制御値となるよう設定されている。
【0107】
なお、図8は、転写電流値Iaの変化と、感光ドラムの表面電位Vd及び画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0を示す図であるが、図7との比較のために説明する。
【0108】
図8において画像形成領域における適正な現像バイアスV0では、図7における領域A1及び領域A2の範囲をはみ出る領域が発生するが、画像形成領域で発生するカブリトナーの量は、領域A1及び領域A2の範囲内にいる時に比べ増加するものの、画像形成領域のトナーは転写時に転写材に直接転写されるので、さほど目立つものではなかった。これは紙に対しては1回の現像工程でのカブリのみが転写されるためである。
【0109】
これに対し、非画像形成領域におけるカブリは、転写ローラ109aに直接転移してしまうため回転を重ねるにつれて転写ローラ109aに蓄積していく。このため、紙等の転写材が感光ドラム101と転写ローラ109aの間に搬送されると、蓄積されたカブリトナーが転写材の裏面に転移してトナー汚れとして現れてしまう。
【0110】
よって第1の実施の形態では画像濃度等を考慮する必要のない非画像形成領域においては、図7のグラフより転写ローラ109aの検知電流Iaを用いておおよその感光ドラム101の暗部電位Vdを推定し、それに対しバックコントラストが100〜200Vの範囲になる現像バイアスを選択できるように設定している。
【0111】
こうして得られた制御テーブルが前記図4の転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vとの関係を示すテーブルである。
【0112】
以上のようにすることで、環境による転写ローラ109a等からなる転写部の抵抗値の変動や感光ドラムのCT層の膜厚変動によらずバックコントラストを一定範囲に抑えることができ、非画像形成領域におけるカブリの発生を防止又は低減し、カブリによるトナーが転写ローラに蓄積して紙裏汚れなどを起こさない程度にまで抑制することができる。
【0113】
第1の実施の形態の構成において、L/L、N/N、H/H環境それぞれにおいて、カートリッジの耐久寿命である1万枚の耐久試験を行ったが、耐久試験を通じて紙裏のトナー汚れを起こすことなく良好なプリント結果を得ることができた。
【0114】
第1の実施の形態においては、転写手段として、転写ローラを用いているが、転写ブラシ、転写ブラシローラ等を用いても同様の効果を得ることができる。
【0115】
また、第1の実施の形態で示している各電圧値等の初期設定値は特にこれに限定されるものでなく、第1の実施の形態における効果が得られるものであれば、適宜選択すれば良い。
【0116】
(第2の実施の形態)
以下、図面に基づいて第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態を複数色からなるフルカラー画像を形成することができるフルカラー画像形成装置に適用したものである。
【0117】
図9は、本発明の第2の実施の形態におけるフルカラー画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。
【0118】
図9に示す画像形成装置は、電子写真方式を用いて転写材上に画像を形成する画像形成装置を示すものであり、例えば、レーザービームプリンタを示すものである。第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様の画像形成の各部(感光ドラム、帯電装置、現像器、クリーニング装置等)を一体として形成したカートリッジ200をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーの各々について用意し、それを転写材搬送ベルトEと平行に一列にならべ、各カートリッジが転写材搬送ベルトEにより搬送される転写材上に各色のトナー像を順次積層形成して、転写材上にフルカラー像を形成するフルカラー画像形成装置である。なお、各カートリッジは、画像形成装置の本体に対し、着脱可能に構成されている。
【0119】
図9に示す画像形成装置は、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)201Y、201M、201C、201Kを備えている。感光ドラム201は、画像形成装置本体B(以下単に「装置本体B」という)によって回転自在に支持されており、駆動手段(不図示)によって矢印R5方向に回転駆動される。
【0120】
なお、以下の説明においては、イエロー(Y)のカートリッジ204Yを構成する各部について説明するが、マゼンタ(M)のカートリッジ204M、シアン(C)のカートリッジ204C、ブラック(K)のカートリッジ204Kについても、同様の構成を有し、同様の動作をするものとし、説明を省略する。
【0121】
感光ドラム201Yの周囲には、その回転方向(R5)に沿って、感光ドラム表面を一様に帯電する一次帯電器202Y、帯電後の感光ドラム201Y表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する露光器203Y、静電潜像を現像する現像器204Y、感光ドラム201Y上のトナー像を紙等の転写材に転写する転写器209Y、感光ドラム201Y上の一次転写残トナーを除去するクリーニング装置210Yが配置されている。
【0122】
なお、各部材の詳細については、第1の実施の形態で説明したものと同様であり、第2の実施の形態における感光ドラム201Y、一次帯電器202Y、露光器203Y、現像器204Y、転写器209Y、クリーニング装置210Yは第1の実施形態の感光ドラム101、一次帯電器102、露光器103、現像器104、転写器109、クリーニング装置110にそれぞれ相当するものとする。なお、イエロー(Y)以外の他色のカートリッジについても同様とする。
【0123】
また、以上説明した画像形成装置を構成する各部を制御するのは、画像形成コントローラ105である。画像形成コントローラ105はパーソナルコンピュータ等の外部装置から送信される画像情報及びプリント指示を受信して処理する画像処理コントローラ106と接続されており、画像処理コントローラ106からの指示に応じて画像形成装置を構成する各部を制御するものである。例えば、帯電高圧電源S3が帯電ローラ202Yaに印加するDC電圧を制御する帯電電圧制御部102bや、現像高圧電源S1が現像ローラ204Yaに印加する現像電圧を制御する現像電圧制御部104bや、転写高圧電源S2が転写ローラ209Yaに印加する転写バイアスTを制御する転写電圧制御部109cを統括して制御する。なお、イエロー(Y)以外の他色のカートリッジに備えられた帯電ローラ202a(202Ma、202Ca、202Ka)や現像ローラ204a(204Ma、204Ca、204Ka)や転写ローラ209aへの電圧の印加についても画像形成コントローラ105が制御するものとする。
【0124】
以上の構成を有する第2の実施の形態の画像形成装置において、感光ドラム201YのCT層の膜厚や、画像形成装置の置かれた環境に拘わらず地カブリも反転カブリも生じないように現像バイアス制御値Vを設定するために、第1の実施の形態と同様に、転写電流検知部109bが検知する転写電流値Iaと適切な(地カブリも反転カブリも生じない)現像バイアス制御値Vを予め実験にて求めて画像形成コントローラ105に変換テーブルとして記憶させておく。そして、画像形成を行う際には、転写電流検知部109bが検知した転写電流値Iaと変換テーブルとを用いて、感光ドラム201YのCT層の膜厚や、画像形成装置の置かれた環境に応じた適切な、非画像形成領域における現像バイアス制御値Vを設定して、カブリの発生しない画像形成を行うことができる。この転写電流知Iaから現像バイアス制御値Vを設定する動作は第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0125】
なお、イエロー(Y)のカートリッジ204Y以外の、マゼンタ(M)のカートリッジ204M、シアン(C)のカートリッジ204C、ブラック(K)のカートリッジ204Kについても同様の構成を有するので、各カートリッジにおける現像バイアス制御値Vは、各カートリッジの転写電流検知部(不図示)が検知した転写電流知Iaと、予め定めておいた変換テーブルとに基づいてイエロー(Y)のカートリッジと同様の方法で設定することができる。ここで、変換テーブルは各色で共通のテーブルとして図4に示すものを用いてもよいし、各色毎にそれぞれ異なる変換テーブルを作成することとしてもよい。
【0126】
なお、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と異なり、感光ドラム201Yと転写ローラ209Yaの間には転写材搬送ベルトEが介在することとなるので、転写電流検知部109bは、転写材搬送ベルトEを介して転写ローラ209Yaと感光ドラム201の間に流れる電流を検知することとなる。そして、転写材搬送ベルトE上にカブリトナーが蓄積することなく、紙裏汚れの発生を防止することができる。
【0127】
なお、以上の説明においてはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)ブラック(K)の各々のカートリッジ200において、転写電流値Iaを検知して各色の現像ローラ104aが非画像形成領域に対して設定される電圧を制御するものとしたが、イエロー(Y)についてのみ転写電流値Iaを検知し、その転写電流値Iaが他の色(マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の転写ローラ109aに流れる転写電流値であるものとして、あるいはイエロー(Y)について検知された転写電流値Iaに各色ごとに補正を加えて各色ごとの転写電流値Iaを算出して非画像形成領域の現像バイアスの制御を行っても良い。
【0128】
前者の場合、各色トナーの特性によりカブリが抑制されるバックコントラストの範囲も違う場合もあるため、各色ごとに転写電流の検知値Iaに対する現像バイアス制御値Vのテーブルを予め作成し適応させることも効果的である。
【0129】
後者の場合、イエロー(Y)についてのみ転写電流値Iaを検知する場合は、転写電流検知部を複数設ける必要がないので、コストダウン、電源基盤の小型化等のメリットが生まれる。
【0130】
第2の実施の形態において、L/L、N/N、H/H環境のそれぞれにおいて、カートリッジの耐久寿命である1万枚のフルカラープリント耐久を行ったが、第1の実施の形態と同様、耐久を通じて紙裏のトナー汚れを起こすことなく良好なプリント結果が得られた。
【0131】
転写材搬送ベルトE裏面から転写バイアスをかける転写手段も、本実施の形態の転写ローラに限らず、ブレード形状、ブラシ形状、ブラシローラ等々が使用可能である。
【0132】
(第3の実施の形態)
以下、図面に基づいて第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態においての図1と同様の構成を有する。したがって、画像形成装置各部の機能、動作等については第1の実施の形態にて説明したものと同様であるので説明を省略する。
【0133】
第1の実施の形態は、感光ドラム101と転写ローラ109aに流れる転写電流値Iaを検知し、その検知結果に基づいて予め記憶されたテーブルの中から、非画像形成領域においてカブリの発生しない適切な現像バイアス制御値Vを設定するものであった。
【0134】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、転写電流値Iaの検知結果に加え、感光ドラムのCT層の膜厚の変動に応じて、非画像形成領域においてカブリの発生しない適切な現像バイアスを設定するものである。
【0135】
一般に、感光ドラムの電荷輸送層であるCT層の膜厚は感光ドラムが使用されるにしたがって薄くなり、それにつれて放電開始電圧も減少するものである。したがって、感光ドラムの使用量(CT層の膜厚)によらず、常に一定の帯電電圧を帯電高圧電源S3から帯電ローラ102aに印加した場合、感光ドラムの帯電電位が感光ドラムが新品である場合(CT層の膜厚が厚い場合)と、新品でない場合(CT層の膜厚が薄い場合)とで異なっているため、非画像形成領域のカブリを更に悪化させる可能性がある。
【0136】
図10は、感光ドラムの未露光部分の明部電位(表面電位)Vd、画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0、露光部分の明部電位Vlの環境による変動を複数のCT層の膜厚について示した図であり、帯電ローラ102aに一定電圧(−1000V)を印加した時に、横軸を環境の変化、縦軸を感光ドラムの電位としたグラフである。
【0137】
なお、図10の中における丸印(●)はCT層膜厚が10μmである場合を示し、四角印(■)はCT層膜厚が12μmである場合を示し、三角印(▲)はCT層膜厚が15μmを示す。
【0138】
また、環境の変化における丸印、四角印及び三角印が打たれている3つの環境が先ほど説明したH/H(温度30℃/湿度80%Rh)、N/N環境(23℃/60%Rh)、L/L(温度15℃/湿度10%Rh)に対応している。また、横軸について左から右に(H/H環境からL/L環境に)移行するにつれ、温度及び湿度は徐々に低くなる。
【0139】
CT層の膜厚が15μmである場合(感光ドラム101が新品である場合)について説明すると、現像器104の現像ローラ104aには、現像高圧電源S1から−280Vの現像バイアスV0が印加される。そして、現像バイアスV0の−280Vに対して感光ドラム101表面の未露光部分の電位(表面電位)Vdは−500Vであり、現像バイアスV0の方が220Vだけ電位が高いので、現像器104に収納されているマイナス極性に帯電されたネガトナーは感光ドラム101の表面へは付着しない。ただし、トナーの耐久劣化の程度によりトナーの帯電量は異なってしまい、若干量カブリトナーとして感光ドラムに付着することがある。
【0140】
また、感光ドラム101の画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0の−280Vに対して感光ドラム101の表面の露光部分における明部電位Vlは−100Vであり、現像バイアスV0の方が180Vだけ電位が低いので、現像器104に収納されているマイナス極性に帯電されたネガトナーは感光ドラム101の表面へ付着してトナー像として顕像化(現像)される。
【0141】
この画像形成領域における現像バイアスV0は、変動する感光ドラムの暗部電位Vd、明部電位Vlに応じて画像濃度が一定とするために、現像バイアスV0と明部電位Vlとの電位差(以下、現像コントラスト)が180Vで一定になるように画像形成コントローラ105により制御される(図10参照)。
【0142】
以上、CT層の膜厚が15μmである場合(図10における三角印)について説明したが、CT層の膜厚が変化した場合(12μm、10μmである場合)には、未露光部分の明部電位(表面電位)Vd、現像バイアスV0、露光部分の明部電位Vlがそれぞれ異なってくる。
【0143】
第3の実施の形態においては、画像形成装置の置かれた環境の変動に加え、CT層の膜厚に応じて現像バイアスを適切に制御するものであるので、非画像形成領域(非通紙領域)の現像バイアス制御の方法について以下に、説明する。
【0144】
まず、画像形成動作を開始するのに先立って、感光ドラム101と転写ローラ109aを不図示の駆動手段によってそれぞれ矢印R1、矢印R2方向に回転させる。
【0145】
これと前後して、現像器104を含むカートリッジに搭載された記憶手段、例えばROM120の情報より、感光ドラム101のCT層の膜厚dを予測する。ここで、記憶手段としては、電気的、磁気的に記録を保持できる手段等であればよく、RAM、磁気ディスク、光ディスク等を用いることができる。より好ましくは、常時通電する必要がなく、省スペースである不揮発性の記憶手段、具体的には、EPROM(Erasable and Programmable ROM)を用いるとよい。
【0146】
ROM120には、感光ドラム101が回転するときにおける単位時間当たりの削れ量α(μm)、帯電ローラ102aが印加する一次帯電バイアス印加時の単位時間当たりの削れ量β(μm)が予め記憶されている。そして、ROM120には更に、感光ドラムの使用初期におけるCT層膜厚のd1、感光ドラムの使用初期からの総回転時間T1、感光ドラムの使用初期からの帯電バイアスの総印加時間T2等の、感光ドラム101の使用履歴情報をROM120に記憶させておくものとする。
【0147】
なお、ROM120の構成は図23に示すものであり、感光ドラムの回転に伴う単位時間あたりの削れ量αは120−aの記憶領域に、一次帯電バイアスの印加に伴う単位時間あたりの削れ量βは120−bの記憶領域に、感光ドラムの使用初期におけるCT層の膜厚d1は120−cの記憶領域に、感光ドラムの使用初期からの総回転時間T1は120−dの記憶領域に、感光ドラムの使用初期からの帯電バイアスの総印加時間T2は120−eの記憶領域にそれぞれ記憶させておくものとする。
【0148】
また、T1、T2の値は、画像形成を行うにつれて変化する値であり、例えば外部装置から入力されるプリントジョブが終了して後回転が行われるタイミングでROM120の記憶領域120−d及び120−eの値を更新するものとする。
【0149】
なお、ROM120は画像形成コントローラ105と通信可能に構成されており、画像形成コントローラ105はROMへのデータの書き込み及び読み出しをすることができる。
【0150】
そして、以上のα、β、d1、T1、T2から、例えば以下の式1で感光ドラム101のCT層の膜厚dを算出する。
【0151】
【数1】
Figure 0003885030
【0152】
なお、以下の説明においては、CT層の膜厚として、10μm、12μm、15μmの3種類を判別しているが、例えば上記の式で計算されるdの値が9μm以上かつ11μm未満場合はCT層の膜厚が10μmであるとし、dの値が11μm以上かつ13μm未満場合はCT層の膜厚が12μmであるとし、dの値が13μm以上である場合はCT層の膜厚が15μmであるとすることで、3種類の判別を行えばよい。
【0153】
また、感光ドラム101の使用履歴としては、感光ドラムの使用初期からの総回転時間T1、感光ドラムの使用初期からの帯電バイアスの総印加時間T2を用いることとしたが、それらに限られるものではなく、例えば、感光ドラムの使用初期からの総回転数、感光ドラムの使用初期からの現像バイアスの総印加時間、感光ドラムの使用初期からの転写バイアスの総印加時間等を用いてもよい。
【0154】
感光ドラム101と転写ローラ109aを不図示の駆動手段によってそれぞれ矢印R1、矢印R2方向に回転させた後、転写ローラ109aへ転写高圧電源S2より1000VのDC電圧を印加する。この時、電圧を印加した際の転写ローラ109aと感光ドラム101の間に流れる転写電流値Iaを転写電流検知部109bにて検知する。
【0155】
図10は、前述のとおり、感光ドラムの表面電位Vd、画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0及び露光部分の明部電位Vlの環境による変動を複数のCT層の膜厚について示した図であり、CT層の膜厚が薄くなるほど、感光ドラムの表面電位Vd及び露光部分の明部電位Vlはマイナス方向に大きくなり、それに伴って感光ドラム101の画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0も大きくなっていることが分かる。
【0156】
図11は、非画像形成領域での現像バイアス制御における転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vとの関係を複数のCT層の膜厚について示した図である。
【0157】
図11において、縦軸は、感光ドラム101の非画像形成領域が現像ローラ104aを通過する際に、感光ドラム101へトナーが転移してカブリトナーとなることがないよう設定されている現像バイアス制御値Vを示すものであり、横軸は転写ローラ109aに流れる転写電流値Iaを示すものである。そして、横軸である転写ローラ109aに流れる転写電流値Iaに対して、それぞれ異なる現像バイアス制御値を設定することで、画像形成装置の置かれた環境に応じた適切な現像バイアス制御値Vを現像ローラ104aに印加して、カブリトナーが発生することを防止することができる。なお、転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vとの関係は、予め実験により定めたものであり、図12に示すようなテーブルとして画像形成コントローラ105が備えるメモリ(記憶部)等に記憶させておく。
【0158】
なお、第3の実施の形態においては、図11に示す変換テーブルをもとに電圧値を適宜選択したが、転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vの関係が簡単な関数(例えば1次関数)で表される場合は、係る関数を表す変換式を用いてもよい。この場合、変換式を用いることで、使用するメモリの容量を節約でき、また、処理速度の向上を図ることができる。
【0159】
画像形成コントローラ105は、この転写電流値IaとROM120から算出されたCT層の膜厚から、図12のテーブルを用いて非画像形成領域に印加される現像バイアス制御値Vを選択する。例えば、転写電流値Iaが60μAであり、CT層の膜厚が12μmであるとの情報がROM120に記憶されている場合は、画像形成コントローラ105は、転写電流値Iaが“50μA〜”の欄において“CT層の膜厚=12μm”についての現像バイアス制御値Vとして、−365Vを設定する。そして、画像形成コントローラ105からの指示に基づいて、現像電圧制御部104bは、感光ドラム101の非画像形成領域において現像バイアス制御値(電圧)Vが現像ローラ104aに印加されるように制御する。
【0160】
以上、感光ドラム101の非画像形成領域が現像ローラ104aを通過する際に、現像ローラ104aに印加する現像バイアス制御値Vの設定方法について説明したが、感光ドラム101の非画像形成領域に現像バイアスが印加されるタイミングについては、第1の実施の形態における、図5において説明したものと同様であるので省略する。
【0161】
ここで、転写電流検知に対して、画像形成装置の置かれた環境及び感光ドラム101のCT層の膜厚が与える影響を、図13の図を参照しつつ説明する。図13は転写ローラ109aに一定の転写バイアスT(1000V)を印加した際における、画像形成装置が置かれた環境に応じた転写電流値Iaの変化を複数のCT層の膜厚について示した図である。
【0162】
図13に示すように、転写ローラ109aに流れる転写電流値Iaは、転写ローラ109aに印加される転写バイアスTが一定であっても、画像形成装置の置かれた環境により変動する転写ローラ109aの抵抗値、及び感光ドラム101のCT層の膜厚により変動する。具体的には、画像形成装置の置かれた環境における温度及び湿度が低いほど転写ローラ109aの抵抗値が高くなって転写電流値Iaの値が低くなり、また感光ドラム101のCT層の膜厚が厚くなるほどCT層に電流が流れにくくなって転写電流値Iaの値が低くなる。
【0163】
図13に示した、画像形成装置が置かれた環境、及びCT層の膜厚に応じた転写電流値Iaの変化と、図2に示した感光ドラムの表面電位Vd及び現像バイアスの環境による変動との関係を図14、図15、図16に示す。
【0164】
図14、図15、図16は、転写電流値Iaの変化と、感光ドラムの表面電位Vd及び非画像形成領域における現像バイアス制御値Vの適正範囲の環境による変動を示す図であり、図14はCT層の膜厚が15μmであるとき、図15はCT層の膜厚が12μmであるとき、図16はCT層の膜厚が10μmであるときを示す。
【0165】
トナーの耐久使用劣化により地カブリ及び反転カブリが発生してしまうことは、既に説明したが、図14における領域A3はCT層の膜厚が15μmであるときに、環境等により変化しえる表面電位Vdに対してカブリを発生しない現像バイアス制御値Vの適正範囲を示している。なお、領域A3は実験により定めた領域であり、領域A3より現像バイアス制御値Vが低い(バックコントラストが140V以下である)場合は地カブリが生じ、領域A3より現像バイアス制御値Vが高い(バックコントラストが180V以上である)場合は反転カブリが生じてしまう。
【0166】
以上のことから、CT層の膜厚が15μmである場合に、地カブリも反転カブリも生じないように現像バイアス制御値Vを設定するには、領域A3における現像バイアス制御値Vを設定するよう制御すればよい。そして、図12にてテーブルとして設定した転写電流値Iaに対する現像バイアス制御値Vは、図14の階段状の点線で示す値であり、領域A3における現像バイアスとなるよう設定されている。
【0167】
また、図15はCT層の膜厚が12μmである場合を、図16はCT層の膜厚が10μmである場合を示すものであり、図14と同様に図15については領域A4に、図16については領域A5における現像バイアスとなるよう現像バイアス制御値Vを設定するものとする。
【0168】
なお、図14、図15、図16のいずれにおいても、画像形成領域における現像バイアスであるV0は、地カブリ及び反転カブリの発生しない現像バイアスの領域(図14における領域A3、図15における領域A4、図16における領域A5)からはみ出るものであるが、画像形成領域で発生するカブリトナーの量は、領域内にある時に比べ増加するものの、紙などの転写材に転写された状態ではさほど目立つものではなかった。これは紙に対しては1回の現像工程でのカブリのみが転写されるためである。
【0169】
これに対し、初期回転等の非画像形成時のカブリは、転写ローラ109aに直接転移してしまうため回転を重ねるにつれて転写ローラ109aに蓄積していく。このため、紙等の転写材が感光ドラム101と転写ローラ109aの間に搬送されると、蓄積されたカブリトナーが転写材裏面に転移してトナー汚れとして現れてしまう。
【0170】
よって第3の実施の形態では画像濃度等を考慮する必要のない非画像形成領域においては、図14、図15、図16のグラフより転写ローラ109aの検知電流値Iaを用いておおよその感光ドラム101の暗部電位Vdを推定し、それに対しバックコントラストが140〜180Vの範囲になる現像バイアスを選択できるように設定している。
【0171】
また、感光ドラムCT層の膜厚毎に、バックコントラスト140V以上180V以下の領域は異なっており、本実施例におけるCT層の実使用領域である10μm以上15μm以下の領域全てにおいて、上記範囲のバックコントラストを満たすことができないため、感光ドラムのCT層の膜厚の情報を使用することで、より適正にカブリを防止することができる。
【0172】
こうして得られた制御テーブルが図12の転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vとの関係を示すテーブルである。
【0173】
以上のようにすることで、環境変動、感光ドラムのCT層の膜厚変動によらずバックコントラストを一定範囲に抑えることができ、非画像形成領域におけるカブリの発生を防止又は低減し、カブリによるトナーが転写ローラに蓄積して紙裏汚れなどを起こさない程度にまで抑制することができる。
【0174】
第3の実施の形態における構成では、L/L、N/N、H/H環境それぞれにおいて、カートリッジの耐久寿命である1万枚の耐久を行ったが、耐久を通じて紙裏のトナー汚れを起こすことなく良好なプリント結果が得られた。
【0175】
第3の実施の形態においては、転写手段として、転写ローラを用いているが、転写ブラシ、転写ブラシローラ等を用いても同様の効果を得ることができる。
【0176】
また、第3の実施の形態で示している各電圧値等の初設定値は特にこれに限定されるものでなく、本発明の効果が得られるものであれば、適宜異なる値のものを選択しても良い。
【0177】
(第4の実施の形態)
以下、図面に基づいて本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、第3の実施の形態をフルカラー画像形成装置へ応用した実施の形態であり、転写電流値Iaの検知結果に加え、感光ドラムのCT層の膜厚の変動に応じて、非画像形成領域においてかぶりの発生しない適切な現像バイアスを設定するものである。
【0178】
なお、第4の実施の形態におけるフルカラー画像形成装置は、第2の実施の形態において説明した図9と同様の構成を有する。したがって、画像形成装置各部の機能、動作等については第2の実施の形態にて説明したものと同様であるので説明を省略する。
【0179】
以下、第4の実施の形態における画像形成装置の動作について説明する。
【0180】
まず、画像形成動作を開始するのに先立って、感光ドラム201(201Y、201M、201C、201K)と転写ローラ209a(209Ya、209Ma、209Ca、209Ka)を不図示の駆動手段によってそれぞれ矢印R5、矢印R6方向に回転させる。
【0181】
これと前後して、現像器204(204Y、204M、204C、204K)を含む各カートリッジの各々に搭載された記憶手段、例えばROM120(120Y、120M、120C、120K)の情報より、感光ドラム201のCT層の膜厚d(感光ドラム201YのCT層の膜厚をdy、感光ドラム201MのCT層の膜厚をdm、感光ドラム201CのCT層の膜厚をdc、感光ドラム201KのCT層の膜厚をdkとする)を予測する。ここで、記憶手段としては、電気的、磁気的に記録を保持できる手段等であればよく、RAM、磁気ディスク、光ディスク等を用いることができる。より好ましくは、常時通電する必要がなく、省スペースである不揮発性の記憶手段、具体的には、EPROM(Erasable and Programmable ROM)を用いるとよい。
【0182】
ROM120(120Y、120M、120C、120K)には、感光ドラム201が回転するときにおける単位時間当たりの削れ量α(μm)、帯電ローラ102a(102Ya、102Ma、102Ca、102Ka)が印加する一次帯電バイアス印加時の単位時間当たりの削れ量β(μm)が予め記憶されている。更にROM120(120Y、120M、120C、120K)には、感光ドラムの使用初期におけるCT層膜厚のd1、感光ドラムの使用初期からの総回転時間T1、感光ドラムの使用初期からの帯電バイアスの総印加時間T2等の、感光ドラム201の使用履歴情報をROM120に記憶させておくものとする。そして、以上のα、β、d1、T1、T2から、例えば、d=d1−(α×T1+β×T2)のような計算式で感光ドラム201のCT層の膜厚dを算出する。
【0183】
なお、ROM120(120Y、120M、120C、120K)の構成については、図23で説明したものと同様とし、各色のROM120(120Y、120M、120C、120K)は画像形成コントローラ105と通信可能に構成されている。
【0184】
また、イエロー(Y)の感光ドラム201Yの使用初期(新品)におけるCT層の膜厚をd1yと、回転時間をT1yと、一次バイアス印加時間T2yとし、マゼンタ(M)の感光ドラム201Mの使用初期におけるCT層の膜厚をd1mと、回転時間をT1mと、一次バイアス印加時間T2mとし、シアン(C)の感光ドラム201Cの使用初期におけるCT層の膜厚をd1cと、回転時間をT1と、一次バイアス印加時間T2cとし、ブラック(K)の感光ドラム201Kの使用初期におけるCT層の膜厚をd1kと、回転時間をT1kと、一次バイアス印加時間T2kとして、各色の感光ドラムのCT層の膜厚d(dy、dm、dc、dk)を求めると以下の式2で算出される。
【0185】
【数2】
Figure 0003885030
【0186】
なお、感光ドラム101の使用履歴としては、感光ドラムの使用初期からの総回転時間T1、感光ドラムの使用初期からの帯電バイアスの総印加時間T2を用いることとしたが、それらに限られるものではなく、例えば、感光ドラムの使用初期からの総回転数、感光ドラムの使用初期からの現像バイアスの総印加時間、感光ドラムの使用初期からの転写バイアスの総印加時間等を用いてもよい。
【0187】
感光ドラム201Yと転写ローラ209Yaを不図示の駆動手段によってそれぞれ矢印R5、矢印R6方向に回転させた後、転写ローラ209Yaへ転写高圧電源S2より1000VのDC電圧を印加する。この時、電圧を印加した際の転写ローラ209Yaと感光ドラム201Yの間に流れる転写電流値Iyaを転写電流検知部209Ybにて検知する。
【0188】
このとき、M、C、Kの転写ローラ209a(209Ma、209Ca、209Ka)と感光ドラム201(201M、201C、201K)の間に流れる転写電流値Ia(それぞれ、Ima、Ica、Ikaとする)は測定しないが、一定の電圧を転写ローラ209aに印加したときに流れる転写電流値Iaは感光ドラム201のCT層の膜厚に反比例するので、転写ローラ209Yaに流れる転写電流知Iyaと、CT層の膜厚d(dy、dm、dc、dk)の値から以下の式3により求めることができる。
【0189】
【数3】
Figure 0003885030
【0190】
したがって、イエロー(Y)の転写ローラ209Yaにて転写電流検知部109bが検知した転写電流値Iya及び、各カートリッジのROM120に記憶された感光ドラム201のCT層の膜厚情報に基づいて、マゼンタ(M)の転写ローラ209Ma、シアン(C)の転写ローラ209Ca、ブラック(K)の転写ローラ209Kaに流れる転写電流値Ima、Ica、Ikaを求めることができる。そして、現像バイアス制御値Vは、転写電流値Iya、Ima、Ica、Ikaに基づいて図12を用いて各色ごとに設定するものとする。
【0191】
次に各色の転写ローラ209a(209Ma、209Ca、209Ka)に流れる転写電流値Ia(Iya、Ima、Ica、Ika)に基づいて、各色の現像ローラ204a(204Ya、204Ma、204Ca、204Ka)から感光ドラム201の非画像形成領域に対して設定される現像バイアスの設定方法について説明する。
【0192】
画像形成コントローラ105は、この転写電流値IaとROM120から算出されたCT層の膜厚から、図12のテーブルを用いて感光ドラム201(201M、201C、201K)の非画像形成領域に対して設定される現像バイアス制御値Vを選択する。例えば、転写電流値Iaが60μAであり、CT層の膜厚が12μAであるとの情報がROM120に記憶されている場合は、画像形成コントローラ105は、現像バイアス制御値Vとして、−365Vを設定する。そして、画像形成コントローラ105からの指示に基づいて、現像電圧制御部104bは、感光ドラム201の非画像形成領域において現像バイアス(電圧)Vが現像ローラ204aに印加されるように制御する。
【0193】
なお、図9においてはイエローの転写ローラ209Yaについてのみ、転写電圧制御部109c、転写高圧電源S2が備えられているものと図示しているが、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)についても不図示の転写電圧制御部109c(109mc、109cc、109kc)、転写高圧電源S2m、S2c、S2kが備えられているものとする。また、現像高圧電源S1も、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)について不図示の転写高圧電源S1m、S1c、S1kが、帯電高圧電源S3も、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)について不図示の帯電高圧電源S3m、S3c、S3kが備えられているものとする。
【0194】
そして、各色の現像ローラ204a(204Ya、204Ma、204Ca、204Ka)に印加される現像バイアス制御値Vは、それぞれCT層の膜厚d(dy、dm、dc、dk)の情報と転写電流Iaに基づいて図12のテーブルを用いて設定するものとする。
【0195】
次に、各色の現像ローラ204a(204Ya、204Ma、204Ca、204Ka)に印加する現像バイアスの他の設定方法について説明する。
【0196】
前述の説明における現像バイアス制御値の設定方法は、イエロー(Y)の転写ローラ209Yaに流れる転写電流知Iyaと各色の感光ドラム201の膜厚d(dy、dm、dc、dk)に基づいて、各色の転写ローラ209aに流れる転写電流値Ia(Ima、Ica、Ika)を算出し、図12に示すテーブルに基づいて、現像バイアス制御値Vを設定するものであった。
【0197】
それに対し、以下に説明する方法は、イエロー(Y)の転写ローラ209Yaに流れる転写電流知Iyaと各色の感光ドラム201の膜厚d(dy、dm、dc、dk)に基づいて、各色の転写ローラ209aに流れる転写電流知Ia(Ima、Ica、Ika)を算出することなく、新たなテーブルに基づいて各色の現像ローラ204aに印加する現像バイアスを設定するものである。新たなテーブルとは、図20に示すテーブルであり、画像形成コントローラ105のメモリ(不図示)等に記憶させておくものとする。
【0198】
図20のテーブルを用いた現像バイアスの設定方法について説明する。図20にはTable.A、Table.B、Table.Cの3つのテーブルからなるテーブルをあらわしたものであり、感光ドラム201YのCT層の膜厚dyにより、Table.A、Table.B、Table.Cのいずれかを選択する。また、各テーブルにおいて、“制御対象のCT層の膜厚”とあるのは、例えばマゼンタ(M)の現像ローラ204Maに印加される現像バイアスを設定する際の、感光ドラム201MのCT層の膜厚dmを意味するものである。そして、制御対象のCT層の膜厚と転写ローラ209aに流れる転写電流知Iyaから現像バイアス制御値Vを選択する。
【0199】
一例として、イエロー(Y)の感光ドラム201YのCT層の膜厚dyが12μmであり、転写電流値Iyaが38μAであった場合に現像ローラ204Yaに印加される現像バイアス制御値Vの設定方法について説明する。
【0200】
まずイエロー(Y)の感光ドラム201YのCT層の膜厚dyが12μmであることから、Table.Bを選択する。そして、制御対象の感光ドラムもイエロー(Y)であるので、Table.Bの中からCT層12μmで転写電流値Iya=38μAに該当するのは、Iyaが30μA以上50μA未満である場合であるので、その場合の現像バイアス制御値である−350Vを選択する。
【0201】
以上、感光ドラム201(201Y、201M、201C、201K)の非画像形成領域に対して現像ローラ204a(204Ya、204Ma、204Ca、204Ka)から印加される現像バイアス制御値Vの設定方法について説明したが、次に感光ドラム201(201Y、201M、201C、201K)の非画像形成領域に対する現像バイアスの設定タイミングについて図21を使って説明する。
【0202】
図21は転写材に2ページ分の画像を連続して形成する場合に、現像ローラ204a(204Ya、204Ma、204Ca、204Ka)に印加される現像バイアス(電圧)の変化を時系列で示した図である。図21では下から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順となっている。
【0203】
まず始めに、タイミングT1において、感光ドラム201の駆動を開始し、その後タイミングT2において、画像形成装置の置かれた環境に応じた現像バイアス制御値Vを図12に示すテーブルにより設定するために、転写高圧電源S2から転写ローラ209Yaに転写バイアスTを印加して、その際に転写ローラ209Yaに流れる電流値をタイミングT3において転写電流検知部109bで検知する。
【0204】
その後、タイミングT4において、現像ローラ204Yaの回転が開始されるとともに、転写電流検知動作により決定された非画像形成領域での現像バイアス制御値Vが現像ローラ204aに印加される。なお、タイミングT4は各色ごとに異なるものであり、イエロー(Y)ではタイミングT4y、マゼンタ(M)ではタイミングT4m、シアン(C)ではタイミングT4c、ブラック(K)ではタイミングT4kとなる。
【0205】
その後タイミングT5において、現像ローラ204aが帯電ローラ202aにより暗部電位Vdに帯電処理されている感光ドラム201に当接される。なお、現像ローラ204a(204Ya、204Ma、204Ca、204Ka)が感光ドラム201(201Y、201M、201C、201K)に当接するタイミングは各色共通のタイミングT5となる。
【0206】
初期回転動作が終了してトナー画像が形成される画像形成領域が現像ローラ204aと対向する位置へ到達するタイミングT6(T6y、T6m、T6c、T6k)で、現像バイアスを現像バイアス制御値Vから、画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0に変更する。そして、タイミングT7(T7y、T7m、T7c、T7k)において紙間に対応する部分が現像ローラ204aと対向する位置へ到達すると、現像バイアスを、画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0から、非画像形成領域に対して設定される現像バイアス制御値Vに変更する。
【0207】
また、2ページ目の画像についての画像形成領域が現像ローラ204aと対向する位置へ到達すると、再び現像バイアスを非画像形成領域に対して設定される現像バイアス制御値Vから、画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0に変更する。その後更に2ページ目の画像の画像形成領域が通過したタイミングT9(T9y、T9m、T9c、T9k)で、現像バイアスを、画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0から、非画像形成領域における現像バイアス制御値Vに変更する。なお、タイミングT6からタイミングT9は各色ごとに異なり、図21に示すとおりとなる。
【0208】
その後、2ページの画像形成が終了したことにより後回転処理(次回の画像形成動作に備えて、感光ドラム101の表面電位を安定させるために行う動作)を開始し、タイミングT10にて現像ローラ204aを感光ドラム201から離間させた後のタイミングT11にて終了する。
【0209】
なお、第4の実施の形態は、第3の実施の形態と異なり、感光ドラム201Yと転写ローラ209Yaの間には転写材搬送ベルトEが介在することとなるので、転写電流検知部109bは、転写材搬送ベルトEを介して転写ローラ209Yaと感光ドラム201の間に流れる電流を検知することとなる。そして、転写材搬送ベルトE上にカブリトナーが蓄積することなく、紙裏汚れの発生を防止することができる。
【0210】
なお、以上の説明においては、転写電流検知部109bはイエロー(Y)についての転写電流値Iaを検知し、他の色の転写ローラ209aに流れる転写電流値Ia(Ima、Ica、Ika)は検知しないものとしたが、イエロー(Y)以外のカートリッジについても、イエロー(Y)と同様に各転写ローラ209Ma、209Ca、209Kaのそれぞれに転写電流値Iaを検知する検知部を設け、各色について非画像形成領域の現像バイアスの制御を行ってもよい。
【0211】
イエロー(Y)についてのみ転写電流値Iaを検知する場合は、転写電流検知部を複数設ける必要がないので、コストダウン、電源基盤の小型化等のメリットが生まれる。
【0212】
一方、各色トナーの特性によりカブリが抑制されるバックコントラストの範囲も違う場合もあるため、各色ごとに転写電流の検知値Iaに対する現像バイアス制御値Vのテーブルを予め作成し適応させることは効果的である。
【0213】
また、CT層の膜厚情報については、イエロー(Y)のカートリッジ200Y、マゼンタ(M)のカートリッジ200M、シアン(C)カートリッジ200C、ブラック(K)カートリッジ200Kの各々について設けられたROM120に記憶させて、各カートリッジについて転写電流値Ia及びCT層の膜厚情報に基づいて、適切な現像バイアス制御値を設定するものとした。一方、イエロー(Y)のカートリッジ200YにのみROM120を設け、イエロー(Y)の感光ドラム201YのCT層の膜厚を他の色の感光ドラム201におけるCT層の膜厚とみなし、図12のテーブルに基づいて、各色の現像ローラ204aに印加する現像バイアス制御値を設定しても良い。
【0214】
第4の実施の形態において、L/L、N/N、H/H環境のそれぞれにおいて、カートリッジの耐久寿命である1万枚のフルカラープリント耐久を行ったが、第3の実施の形態と同様、耐久を通じて紙裏のトナー汚れを起こすことなく良好なプリント結果が得られた。
【0215】
転写材搬送ベルトE裏面から転写バイアスをかける転写手段も、本実施の形態の転写ローラに限らず、ブレード形状、ブラシ形状、ブラシローラ等々が使用可能である。
【0216】
(第5の実施の形態)
以下、図面に基づいて、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、第5の実施の形態における画像形成装置は、第3の実施の形態において引用した、第1の実施の形態における図1と同様の構成を有する。したがって、画像形成装置各部の機能、動作等については第1の実施の形態にて説明したものと同様であるので説明を省略する。
【0217】
第1の実施の形態は、感光ドラム101と転写ローラ109aに流れる転写電流値Iaを検知し、その検知結果に基づいて予め記憶されたテーブルの中から、非画像形成領域においてカブリの発生しない適切な現像バイアス制御値Vを設定するものであった。
【0218】
第5の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、転写電流値Iaの検知結果に加え、画像形成領域に対して設定される転写バイアスTに応じて、非画像形成領域においてカブリの発生しない適切な現像バイアスを設定するものである。
【0219】
前述したとおり、図1に示した画像形成装置は、感光ドラム101から転写材へ画像を転写する方式として転写ローラ方式を用いている。
【0220】
転写ローラ方式とは、感光ドラム101と転写ローラ109aの間に紙等の転写材を挟み込み、転写材の裏面からプラスの電圧を印加することにより、感光ドラム101上のトナー像を転写材に転移させる方式をいう。
【0221】
第1の実施の形態でも説明したが、感光ドラム101の非画像形成領域に地カブリや反転カブリが発生するか否かは、感光ドラム101の表面電位Vdに対する現像バイアス(バックコントラスト)が所定の範囲にあるかどうかによる。バックコントラストが所定値以下である場合は地カブリが生じ、バックコントラストが所定値以上である場合は反転カブリが生じてしまう。
【0222】
すなわち、感光ドラム101の表面電位Vdに基づいて適切な現像バイアスを設定してバックコントラストを所定の範囲内とすることがカブリの防止に必要である。しかしながら、特定の環境又は画像形成条件における転写ローラ109aから感光ドラム101の画像形成領域に対して設定される転写バイアス(電圧)Tの値によっては、感光ドラム101の表面電位Vdが影響を受けることがある。
【0223】
詳述すると、転写バイアスTは感光ドラム101上のトナー像が形成された画像形成領域が転写ローラ109aを通過する際に印加されるものであり、感光ドラム101に対してプラスの電荷を与えるものである。転写ローラ109aによりプラスの電荷を与えられた部分は、その後帯電ローラ102aを通過する際にマイナスの帯電バイアスを付与されるが、プラスの電荷の付与量によっては、所望の帯電電位まで帯電されない。これは、画像形成領域において転写ローラ109aにはプラスの電圧が印加され、感光ドラム101にプラスの電荷を与えるが、感光ドラム101はマイナスの電荷を保持する特性を持っているため、転写部材からのプラス電荷の影響で、帯電ローラ102aにより帯電処理された後の感光ドラム101の表面電位Vdが通常より減衰してしまうからである。
【0224】
転写ローラ109aに印加される電圧は、予め画像形成動作前に転写ローラ109aに一定のDC定電圧(例えば1000V)を印加したときに転写ローラ109aと感光ドラム101の間に流れる転写電流値Iaを前記転写電流検知部109bにより検知し、転写電流値Iaとホストコンピュータからの転写材情報(普通紙、厚紙、光沢紙、OHPシート、等の紙の材質に関わるものや、紙サイズ、両面印刷の有無、等が含まれる)に基づいて決定する。その一例を示したのが図17である。
【0225】
図17は、転写電流検知部109bで検知した転写電流値Iaと、転写材の種類(普通紙、厚紙、光沢紙、OHTシート)や、両面プリントにかかる2ページ目のプリントであるかを示す転写材情報によって、選択される転写バイアス(電圧)Tを示すものである。図17のテーブルにおける各転写バイアス値は、画像形成コントローラ105に備えられた不図示のメモリ等に記憶されており、画像形成コントローラ105は、画像形成を行うに際して、画像処理コントローラ106を介して外部装置から入力される転写材情報や、転写電圧制御部109cから出力される転写電流値Iaの検知結果に基づいてテーブルから転写バイアスを選択し、選択された転写バイアスが印加されるよう転写電圧制御部109cを制御する。
【0226】
例えば、外部装置から普通紙の転写材に対して両面印刷を行うべき旨の指示が送信されて片面がプリントされた後に裏面(第2面)の画像形成を行う場合であって、転写電流値Iaが60μAであった場合は、図17の転写バイアステーブルから1600Vを選択して転写ローラ109aに印加する。
【0227】
以上の如く設定される転写バイアスTを転写ローラ109aに印加した際に感光ドラム101の表面電位Vdに与える影響を検討したところ、図17の転写バイアステーブルにおいて色塗(数字が太字)してある値を選択した場合に、感光ドラム101の表面電位Vdが30V程度低下(N/N環境においては−500V→−470V)することが確認された。
【0228】
以上の検討結果をふまえた、第5の実施の形態における画像形成装置の動作について以下に説明する。
【0229】
第5の実施の形態においては、図4のテーブルに加え、図18のテーブルを画像形成コントローラ105が備えるメモリ等に記憶させておくものである。画像形成コントローラ105は、転写ローラ109aに印加した転写バイアスTが図17に示す色塗(数字が太字)部分に相当するものでない場合は、図4のテーブルから現像バイアス制御値Vを設定し、転写ローラ109aに印加した転写バイアスTが図17に示す色塗(数字が太字)部分に相当するものである場合は、図18のテーブルから現像バイアス制御値Vを設定する。
【0230】
例えば、転写電流値Iaが20μAであり、普通紙の第2面目(2ページ目)へのプリントである場合は、転写バイアスとして2000Vが選択されるが、色塗部分に相当するものであるので、図18から現像バイアス制御値として−320Vを選択する。これは、通常時に非画像領域へ印加される現像バイアス制御値の−350Vより30Vプラス側にシフトさせた電圧である。
【0231】
そして、画像形成コントローラ105からの指示に基づいて、現像電圧制御部104bは、感光ドラム101の非画像形成領域において現像バイアス制御値(電圧)Vが現像ローラ104aに印加されるように制御することで、バックコントラストの範囲を一定の範囲内に維持することができる。
【0232】
以上、感光ドラム101の非画像形成領域が現像ローラ104aを通過する際に、現像ローラ104aに印加する現像バイアス制御値Vの設定方法について説明したが、感光ドラム101の非画像形成領域に現像バイアスを印加するタイミングについては、第1の実施の形態における、図5及びその説明において明らかにしたので省略する。
【0233】
以上のようにすることで、環境変動、感光ドラムのCT層の膜厚変動、転写バイアスの大小によらずバックコントラストを一定範囲に抑えることができ、非画像形成領域におけるカブリの発生を防止又は低減し、カブリによるトナーが転写ローラに蓄積して紙裏汚れなどを起こさない程度にまで抑制することができる。
【0234】
第5の実施の形態の構成において、L/L、N/N、H/H環境それぞれにおいて、カートリッジの耐久寿命である1万枚の耐久を、転写材の種類を多数用いながら行ったが、耐久を通じて紙裏のトナー汚れを起こすことなく良好なプリント結果が得られた。
【0235】
なお、第5の実施の形態においては、CT層の膜厚を考慮するものではなかったが、第3の実施の形態に示したように、CT層の膜厚情報を現像器、帯電器、感光ドラム等を一体にして画像形成装置に着脱可能に構成したカートリッジに設けられたメモリ等に記憶させ、更にCT層の膜厚に応じた複数の“転写電流値Iaから現像バイアス制御値Vへの変換テーブル”を用意しておいてもよい。
【0236】
この場合は、画像形成動作において、画像形成コントローラ105はメモリに記憶させたCT層の膜厚を参照し、CT層の膜厚に応じた変換テーブルを用いて現像バイアス制御値を設定するものとする。
【0237】
例えば、図12に既に示した変換テーブルに加え、図24に示す変換テーブルを用いるものとする。図17における色塗(数字が太字)部分でない場合は図12を用い、図17における色塗(数字が太字)部分である場合は図24を用いることで、バックコントラストの範囲を一定の範囲内に維持することができる。
【0238】
第5の実施の形態においては、転写手段として、転写ローラを用いているが、転写ブラシ、転写ブラシロール等用いてもよい。
【0239】
また、第5の実施の形態で示している各電圧値等の初設定値は特にこれに限定されるものでなく、本発明の効果が得られるものであれば、適宜選択すればよい。
【0240】
なお、転写バイアスTが感光ドラムの表面電位Vdに与える影響はトナー像の転写後に現れるため、例えば図5で示した初期回転の時(タイミングT4からタイミングT6まで)は図4のテーブルにより転写電流値Iaのみで決定した現像バイアスを印加して、トナー像の転写後の紙間(タイミングT7からタイミングT8まで)や後回転時(タイミングT9からT10まで)には図4及び図18にあらわしたテーブルを用いた転写バイアスを考慮して現像バイアスを印加するようにしてもよい。
【0241】
また、連続プリントの途中において転写材の種類が変わることで転写バイアスを変える場合や、両面プリントなどで表面と裏面で定着器を通過の有無により紙の抵抗が変わりそれに応じて転写バイアスをかえる場合などでは、転写バイアスを変えた直後の紙間や後回転の現像バイアスを図4及び図18にあらわしたテーブルを用いて適正値に変更すること等も有効である。
【0242】
(第6の実施の形態)
以下、図面に基づいて本発明の第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態は、第5の実施の形態をフルカラー画像形成装置へ応用した実施の形態であり、転写電流値Iaの検知結果に加え、画像形成領域に対して設定される転写バイアスTに応じて、非画像形成領域においてカブリの発生しない適切な現像バイアスを設定するものである。
【0243】
なお、第6の実施の形態におけるフルカラー画像形成装置は、第2の実施の形態における図9と同様の構成を有する。したがって、画像形成装置各部の機能、動作等については第2の実施の形態にて説明したものと同様であるので説明を省略する。
【0244】
以下、第6の実施の形態における動作について説明する。
【0245】
転写電流値Iaとホストコンピュータからの転写材情報(普通紙、厚紙、光沢紙、OHPシート、等の紙の材質に関わるものや、紙サイズ、両面印刷の有無、等が含まれる)に基づいて図17に示したテーブルに基づいて転写バイアスTを決定する。図17のテーブルにおける各転写バイアス値は、画像形成コントローラ105に備えられた不図示のメモリ等に記憶されており、画像形成コントローラ105は、画像形成を行うに際して、画像処理コントローラ106を介して外部装置から入力される転写材情報や、転写電圧制御部109cから出力される転写電流値Iaの検知結果に基づいてテーブルから転写バイアスを選択し、選択された転写バイアスが印加されるよう転写電圧制御部109cを制御する。
【0246】
例えば、外部装置から普通紙の転写材に対して両面印刷を行うべき旨の指示が送信されて片面がプリントされた後に裏面(第2面)の画像形成を行う場合であって、転写電流値Iaが60μAであった場合は、転写バイアステーブルから1600Vを選択して転写ローラ109aに印加する。
【0247】
画像形成コントローラ105は、転写ローラ209Yaに印加した転写バイアスTが図17に示す色塗(数字が太字)部分に相当するものでない場合は、図のテーブルから現像バイアス制御値Vを設定し、転写ローラ209Yaに印加した転写バイアスTが図17に示す色塗(数字が太字)部分に相当するものである場合は、図18のテーブルから現像バイアス制御値Vを設定する。例えば、転写電流値Iaが20μAであり、普通紙の第2面目(2ページ目)へのプリントである場合は、転写バイアスとして2000Vが選択されるが、色塗部分に相当するものであるので、図18から現像バイアス制御値として−320Vを選択する。これは、通常時に非画像領域へ印加される現像バイアス制御値の−350Vより30Vプラス側にシフトさせた電圧である。
【0248】
そして、画像形成コントローラ105からの指示に基づいて、現像電圧制御部104bは、感光ドラム101の非画像形成領域において現像バイアス制御値(電圧)Vが現像ローラ204Yaに印加されるように制御することで、バックコントラストの範囲を一定の範囲内に維持することができる。
【0249】
以上、感光ドラム201Yの非画像形成領域が現像ローラ204Yaを通過する際に、現像ローラ204Yaに印加する現像バイアス制御値Vの設定方法について説明したが、感光ドラム201Yの非画像形成領域に対して設定される現像バイアスを印加するタイミングについては、第1の実施の形態における、図5及び、その説明において明らかにしたので省略する。
【0250】
なお、第6の実施の形態は、第5の実施の形態と異なり、感光ドラム201Yと転写ローラ209Yaの間には転写材搬送ベルトEが介在することとなるので、転写電流検知部109bは、転写材搬送ベルトEを介して転写ローラ209Yaと感光ドラム201の間に流れる電流を検知することとなる。そして、転写材搬送ベルトE上にカブリトナーが蓄積することなく、紙裏汚れの発生を防止することができる。
【0251】
なお、第6の実施の形態においては、CT層の膜厚を考慮するものではなかったが、第4の実施の形態に示したように、CT層の膜厚情報を現像器、帯電器、感光ドラム等を一体にして画像形成装置に着脱可能に構成したカートリッジに設けられたメモリ等に記憶させ、更にCT層の膜厚に応じた複数の“転写電流値Iaから現像バイアス制御値Vへの変換テーブル”を用意しておいてもよい。
【0252】
この場合は、画像形成動作において、画像形成コントローラ105はメモリに記憶させたCT層の膜厚を参照し、CT層の膜厚に応じた変換テーブルを用いて現像バイアス制御値を設定するものとする。
【0253】
例えば、図12に既に示した変換テーブルに加え、図24に示す変換テーブルを用いるものとする。図17における色塗(数字が太字)部分でない場合は図12を用い、図17における色塗(数字が太字)部分である場合は図24を用いることで、バックコントラストの範囲を一定の範囲内に維持することができる。
【0254】
また、以上の説明においてはイエロー(Y)のカートリッジ200Yについて説明し、転写電流検知部109bはイエロー(Y)についての転写電流値Iaを検知するものとしたが、イエロー(Y)以外のカートリッジについては、イエロー(Y)と同様に各転写ローラ209Ma、209Ca、209Kaのそれぞれに転写電流値Iaを検知する検知部を設け、各色について非画像形成領域の現像バイアスの制御を行ってもよいし、イエロー(Y)についてのみ転写電流値Iaを検知し、その検知結果に基づいて他の色(マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の非画像形成領域の現像バイアスの制御を行っても良い。
前者の場合、イエロー(Y)についてのみ転写電流値Iaを検知する場合は、転写電流検知部を複数設ける必要がないので、コストダウン、電源基盤の小型化等のメリットが生まれる。
【0255】
また、後者の場合、各色トナーの特性によりカブリが抑制されるバックコントラストの範囲も違う場合もあるため、各色ごとに転写電流の検知値Iaに対する現像バイアス制御値Vのテーブルを予め作成し適応させることも効果的である。
【0256】
また、各感光ドラムに印加する転写バイアスTを、上流側の感光ドラム201Yから感光ドラム201M、感光ドラム201C、感光ドラム201Kに移行するにつれて順次変えていくような場合、それに合わせて各現像バイアスを別々に制御することも有効である。
【0257】
例えば、図19は、転写電流値Iaに対する転写材の種類、プリントモード、各カートリッジごとの転写バイアス制御値を示したものである。この場合、色塗部分(数字の太字)で非画像形成領域での現像バイアス制御値を図18のテーブルに基づいてプラス側に30Vシフトさせるよう制御を行うとよい。
【0258】
また、第6の実施の形態では感光ドラムの画像形成領域における転写バイアスTの影響を、転写電流値Ia、転写材の種類やプリントモード(両面プリントの1ページ目か2ページ目か)等の転写材情報、各カートリッジ別で判別しているが、このほか、感光ドラムの画像形成領域における転写バイアスT値そのもの、転写材の種別、転写材のサイズ、転写材の抵抗値(測定手段を設けたり、抵抗値情報を画像形成装置に記憶したりしてもよい)、転写材の搬送速度、転写部材の抵抗値、画像形成装置の置かれた環境の雰囲気温湿度、転写材使用履歴(例えば両面印刷後かどうか)等のいずれか一つ、又は複数、又は複数の項目を計算式により変換した値を適宜選択し用いてもよい。
【0259】
また、各色トナーの特性によりカブリが抑制されるバックコントラストの範囲も違う場合もあるため、各色ごとの制御グラフを予め作成し適応させるもの効果的である。
【0260】
転写材搬送ベルトE裏面から転写バイアスをかける転写部材も、本実施の形態の転写ローラに限らず、ブレード形状、ブラシ形状、ブラシローラ等々が使用可能である。
【0261】
(第7の実施の形態)
以下、図面に基づいて本発明の第7の実施の形態を説明する。第7の実施の形態における画像形成装置の構成、画像形成動作は第2の実施の形態と同様のため省略する。
【0262】
第7の実施の形態は、第6の実施の形態の変形例であり、各カートリッジに不揮発性のメモリを備えており、その中に感光ドラムの使用量に関する情報を格納してあり、その情報に基づいて非画像形成領域における現像バイアスの補正量(シフト量)を設定するものである。
【0263】
第6の実施の形態にて説明したように、画像形成領域に印加される転写バイアスTにより感光ドラムの表面電位Vdが減衰してしまうが、この減衰量が感光ドラムのCT層の膜厚により若干差がでる場合がある。第7の実施の形態ではCT層の膜厚が11μmを下回ると転写バイアスの影響が大きくなり、約50V低下してしまうことが分かった。
【0264】
そこで第7実施の形態では、第6の実施の形態における現像バイアスの制御に加え、更に感光ドラムのCT層の膜厚による現像バイアスの補正量(シフト量)の設定を行っている。具体的にその方法を示す。
【0265】
感光ドラム201Y、201M、201C、201Kを含んだカートリッジ204Y、204M、204C、204Kが装置本体Bに挿入されると、装置本体Bはカートリッジ204Y、204M、204C、204Kの各々に取り付けられている複数のROM120(120Y、120M、120C、120K)に格納されている感光ドラム201Y、201M、201C、201Kの使用量情報(CT層の膜厚情報)を読み込む。
【0266】
第7の実施の形態ではカートリッジ204Y、204M、204C、204Kの各々に取り付けられている複数のROM120(120Y、120M、120C、120K)には、感光ドラム201Y、201M、201C、201Kの総回転時間T1と帯電バイアスの総印加時間T2と現像ローラ総回転時間T3が格納されており、感光ドラム201Y、201M、201C、201KのCT層膜厚γは、a、b、cを予め定められた係数として、以下の式4により求められる。
【0267】
【数4】
Figure 0003885030
【0268】
この感光層膜厚αが11μm以下であった場合、第6の実施の形態において用いられた非画像形成領域の現像バイアス制御値を更にプラス側に20Vシフトすることを行う。詳細には、図18における現像バイアス制御値の各々をプラス側に20Vシフトさせた値を現像バイアスとして設定する。
【0269】
一方感光層膜厚が11μmより大きい場合は、図18に示した値を現像バイアスとして設定する。
【0270】
このように、各カートリッジにおいて転写材搬送ベルトEを介して転写ローラ209aと感光ドラム201の間に流れる電流Iaを測定し、図4と同様のテーブルと、図17又は図19の転写バイアステーブル、各カートリッジのROM120に格納されている感光ドラムの使用量情報(CT層の膜厚情報)により、感光ドラムの非画像形成領域(非通紙部)に対して設定される現像バイアスの制御を行うことにより、転写材搬送ベルトE上にカブリトナーが蓄積することなく、紙裏汚れの発生を防止することができる。
【0271】
第7の実施の形態の構成において、L/L、N/N、H/H環境それぞれにおいて、カートリッジの耐久寿命である1万枚のフルカラープリント耐久を行ったが、第6の実施の形態と同様、耐久を通じて紙裏のトナー汚れを起こすことなく良好なプリント結果が得られた。
【0272】
測定する転写検知電流は、各カートリッジ個別に測定してもよいが、どれか一つに限って測定し、その結果を全てのカートリッジの制御に適応させてもよいのは第6の実施の形態と同様である。
【0273】
また、感光ドラムのCT層の膜厚を推測するための感光体使用量情報も、第7の実施の形態の感光ドラムの回転時間、帯電バイアス印加時間、現像ローラ回転時間の他に、感光ドラム回転数、感光体にクリーニング部材を動作させる時間(当接、離間などがある場合)、転写バイアスT印加時間、像担持体の感光体層の残膜厚、使用膜厚等のいずれか一つ、又は複数、又は複数の項目を計算式により変換した値等を用いてもよい。また、各情報を用いて計算された感光層の残膜厚、使用膜厚そのものをメモリに記憶させてもよい。また、感光ドラムが使用終了時まで取り外されないような場合、感光ドラムの使用量情報を画像形成装置に記憶し、その値を用いてもよい。
【0274】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像形成装置の置かれた環境の変動及び、環境と転写材の種類に基づいて設定される転写バイアスの大小によらずバックコントラストを一定範囲に抑えることができるため、非画像形成領域におけるカブリの発生を低減して、トナーが転写ローラに蓄積して紙の裏汚れを抑制することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図2】感光ドラムの未露光部分の明部電位(表面電位)Vd、画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0、露光部分の明部電位Vlの環境による変化を複数のCT層の膜厚について示した図である。
【図3】非画像形成領域での現像バイアス制御における転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vとの関係を示す図である。
【図4】非画像形成領域での現像バイアス制御における転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vとの関係を示すテーブルである。
【図5】転写材に2ページ分の画像を連続して形成する場合に、現像ローラ104aに印加される電圧の変化を時系列で示した図である。
【図6】転写ローラ109aに一定の転写バイアスT(1000V)を印加した際における、画像形成装置が置かれた環境に応じた転写電流値Iaの変化を複数のCT層の膜厚について示した図である。
【図7】転写電流値Iaの変化と、感光ドラムの表面電位Vd及び非画像形成領域における現像バイアスの適正範囲を示す図である。
【図8】転写電流値Iaの変化と、感光ドラムの表面電位Vd及び画像形成領域における画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0を示す図である。
【図9】第2の実施の形態におけるフルカラー画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図10】感光ドラムの未露光部分の明部電位(表面電位)Vd、画像形成領域に対して設定される現像バイアスV0、露光部分の明部電位Vlの環境による変化を複数のCT層の膜厚について示した図である。
【図11】非画像形成領域での現像バイアス制御における転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vとの関係を複数のCT層の膜厚について示した図である。
【図12】非画像形成領域での現像バイアス制御における転写電流値Iaと現像バイアス制御値Vとの関係を示すテーブルである。
【図13】転写ローラ109aに一定の転写バイアスT(1000V)を印加した際における、画像形成装置が置かれた環境に応じた転写電流値Iaの変化を複数のCT層の膜厚について示した図である。
【図14】転写電流値Iaの変化と、感光ドラムの表面電位Vd及び非画像形成領域における現像バイアス制御値Vの適正範囲の環境による変動を示す図(CT層の膜厚=15μm)である。
【図15】転写電流値Iaの変化と、感光ドラムの表面電位Vd及び非画像形成領域における現像バイアス制御値Vの適正範囲の環境による変動を示す図(CT層の膜厚=12μm)である。
【図16】転写電流値Iaの変化と、感光ドラムの表面電位Vd及び非画像形成領域における現像バイアス制御値Vの適正範囲の環境による変動を示す図(CT層の膜厚=10μm)である。
【図17】転写電流値Iaと、転写材の種類や両面プリントにかかる2ページ目のプリントであるかを示す転写材情報によって、選択される転写バイアス(電圧)を示す図である。
【図18】非画像形成領域での現像バイアス制御における転写電流値Iaと現像バイアス制御値との関係を示すテーブル
【図19】転写電流値Iaに対する転写材の種類、プリントモード、各カートリッジごとの転写バイアス制御値を示した図である。
【図20】非画像形成領域での現像バイアス制御における転写電流値Iyaと現像バイアス制御値との関係を示すテーブルである。
【図21】転写材に2ページ分の画像を連続して形成する場合に、現像ローラ204aに印加する電圧の変化を時系列で示した図である。
【図22】画像形成装置の一例を示す全体構成の概略断面図である。
【図23】プロセスカートリッジの備えるメモリの構成を示す図である。
【図24】非画像形成領域での現像バイアス制御における転写電流値Iaと現像バイアス制御値との関係を示すテーブルである。
【符号の説明】
1,101,201 感光ドラム
2,102,202 一次帯電器
3,103,203 露光器
4,104,204 現像器
4a,104a,204a 現像ローラ
9,109a,209a 転写ローラ
10,110 クリーニング装置
10a,110a クリーニングブレード
11,111 廃トナー容器
12,112 定着器
13,113 給紙装置
15 レジストローラ
102a,202a 帯電ローラ
102b 帯電電圧制御部
104b 現像電圧制御部
105 画像形成コントローラ
106 画像処理コントローラ
109 転写器
109b 転写電流検知部
109c 転写電圧制御部
114 材質検知部
116 排紙ローラ
120 ROM
200 カートリッジ
A,B 装置本体
E 転写材搬送ベルト
N1,N5 転写部位(転写ニップ部)
N6 現像部位
S1 現像高圧電源
S2 転写高圧電源
S3 帯電高圧電源
T 転写バイアス
T1 感光ドラムの使用初期からの総回転時間
T2 帯電バイアスの総印加時間
T3 現像ローラの総回転時間
V 現像バイアス制御値
V0 現像バイアス
Vd 暗部電位
Vl 明部電位

Claims (2)

  1. 転写材に形成する画像を担持する像担持体と、
    前記像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、
    所定の電位に帯電された前記像担持体上の画像形成領域を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
    前記転写材に形成する画像を前記像担持体上に形成すべく、前記像担持体上の静電潜像を現像する現像手段であって、前記像担持体上の前記画像形成領域に対して前記現像手段に設定される現像電圧と、前記像担持体上の非画像形成領域に対して前記現像手段に設定される現像電圧が異なる現像手段と、
    前記現像手段により前記像担持体上の前記画像形成領域に形成された画像を前記転写材に転写する転写手段と、
    前記転写手段によって前記画像を前記転写材に転写する際の転写電圧を設定する転写電圧制御手段と、
    前記転写手段に流れる転写電流を検知する転写電流検知手段と、
    前記転写電流検知手段によって検知された転写電流と前記転写材の種類とに基づいて設定された前記転写電圧に応じて前記像担持体の前記非画像形成領域に対する現像電圧を設定するための変換手段を選択して、選択した変換手段を用いて前記転写電流検知手段によって検知された前記転写電流に応じた現像電圧を設定する現像電圧制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 転写材に形成する画像を担持する複数の像担持体と、
    前記複数の像担持体の各々に対して設けられ、前記像担持体を所定の電位に帯電させる複数の帯電手段と、
    前記複数の像担持体の各々に対して設けられ、所定の電位に帯電された前記像担持体上の画像形成領域を露光して静電潜像を形成する複数の露光手段と、
    前記複数の像担持体の各々に対して設けられ、前記転写材に形成する画像を前記像担持体上に形成すべく、前記像担持体上の静電潜像を現像する複数の現像手段であって、前記像担持体上の前記画像形成領域に対して前記現像手段に設定される現像電圧と、前記像担持体上の非画像形成領域に対して前記現像手段に設定される現像電圧が異なる複数の現像手段と、
    前記複数の像担持体の各々に対して設けられ、前記現像手段により前記像担持体上の前記画像形成領域に形成された画像を前記転写材に転写する複数の転写手段と、
    前記転写手段によって前記画像を前記転写材に転写する際の転写電圧を設定する転写電圧制御手段と、
    前記複数の転写手段の少なくとも1つに設けられ、前記転写手段に流れる転写電流を検知する転写電流検知手段と、
    前記転写電流検知手段によって検知された転写電流と前記転写材の種類とに基づいて設定された前記転写電圧に応じて前記像担持体の前記非画像形成領域に対する前記現像手段に設定するための変換手段を選択し、選択した変換手段を用いて前記転写電流検知手段によって検知された前記転写電流に応じた前記現像電圧を設定する現像電圧制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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