JP3884972B2 - 断熱パネル用取付治具及び断熱パネル取付方法 - Google Patents
断熱パネル用取付治具及び断熱パネル取付方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用の断熱パネルを建築物に取り付けるために必要な断熱パネル用取付治具及び断熱パネル取付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の耐震性を向上させる方法として、図8のように、建築物の柱101や間柱102等の軸組の屋外側表面に面材111を、釘114、ビス等の固定部材を用いて取り付ける方法が用いられている。さらに近年は、この構造に断熱性能を与えるべく、上記面材111の上に断熱パネルを取り付けることが行われている。この断熱パネルとしては、ポリスチレン、ウレタン、フェノール等の発泡性樹脂が挙げられる。しかしながら、図9のように、まず面材111を釘114、ビス等で柱101や間柱102に取り付けた後に、さらに釘115、ビス等で断熱パネル112を面材111に固定するのでは、面材111と断熱パネル112とを別々に施工する煩わしさが生ずる。そこで、このような煩わしさを解消するため、予め断熱パネルを接着剤等で面材に取り付けて一体化した断熱ユニットを構成しておき、この断熱ユニットをそのままビス等で建築物に据え付けることが期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記断熱ユニットを建築物の柱等に取り付ける場合、断熱パネルはビスの頭部から加えられる圧力を十分支持出来る程度の強度を有しないため、断熱ユニットを確実に固定するには、ビスの頭が完全に面材に圧着するまで、その頭を断熱パネルの奥方へ挿入する必要がある。この固定方法としては、ビスを直接断熱パネルに突き刺して貫入した後、面材と建築物に螺着させていくことが考えられるが、このときビスの進行に伴い発生する断熱材の切り屑がビスの頭部に覆い被さるため、この頭部が面材に接触しているかを目視で確認することが困難である。
【0004】
なお、ビスの頭が面材に接触したことを容易に確認できるよう、事前にドリル等で断熱パネルを貫通する穴を設け、その穴にビスを挿入して面材及び建築物に螺着させる方法も考えられるが、ビスを螺着させる作業の前に断熱パネルのみに穴を設ける作業は容易ではなく、作業効率が低下する。
【0005】
そこで本発明は、作業効率を低下させることなく、上記のような断熱ユニットを確実に建築物の表面に固定するようにビス等の固定部材を誘導するための取付治具及びその取付治具を用いた断熱方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、固定用ねじを持つ軸部とこの軸部よりも大径の頭部とをもつ固定部材を用いて、建築物の断熱パネルの片面に補強用面材を貼合した建築用断熱ユニットを上記面材が建築物表面に接触するように取り付けるため、上記固定部材の頭部を上記面材まで誘導するための取付治具であって、該取付治具は、上記断熱パネルの厚みと略同じ軸長で、かつ上記固定部材が軸方向に挿通可能な貫通穴を有する本体部を備え、上記貫通穴は、上記固定部材の頭部が進入可能で、かつ上記頭部を軸方向に案内する内径を持つ第1誘導穴と、この第1誘導穴の先端側に形成され、上記頭部よりも小径でかつ上記軸部が挿通可能な径を持つ第2誘導穴とを有し、上記第2誘導穴は、その周縁部に上記頭部から接触圧を受けることにより口径が拡大する方向に変形し、上記頭部が貫通可能となることを特徴とした取付治具である。
【0007】
また、請求項5の発明は、上記取付治具と、固定用ねじを持つ軸部並びにこの軸部よりも大径の頭部とをもつ固定部材とを備え、当該固定部材の軸部は、上記取付治具の第2誘導穴に挿通可能となる外径を有し、当該固定部材の頭部は、上記取付治具の第1誘導穴に進入可能で、かつ上記第2誘導穴より大径で、当該第2誘導穴の周縁部に接触して接触圧を加えることにより、上記第2誘導穴の口径を拡大する方向に変形させる形状を有する取付部材である。
【0008】
この取付部材を使用した断熱パネルの取付方法としては、請求項8記載のように、上記断熱ユニットを上記面材が建築物の表面に接触するよう設置する工程と、上記取付治具の貫通穴に上記固定部材が挿入された取付部材を、上記固定部材の先端側から断熱パネルに貫入し、上記固定部材の先端を上記面材に接触させる工程と、上記固定部材の軸部を上記面材及び上記建築物に螺着する工程とを有し、上記固定部材の軸部を上記面材及び上記建築物に螺着する工程は、上記固定部材を回転操作することにより、上記固定部材の頭部が第2誘導穴の周縁部に接触し、かつ取付治具の第2誘導穴が上記面材に略接触する状態となるまで上記取付治具と上記固定部材とを断熱パネル内へ挿入する工程と、さらに上記固定部材を回転操作することにより、この固定部材の頭部から上記第2誘導穴の周縁部に圧力を加えて、上記第2誘導穴の口径を拡大させ、この第2誘導穴を通じて上記頭部を上記面材に圧着する工程とを含む断熱パネル取付方法を用いることが出来る。
【0009】
上述の構成によると、上記固定部材はその頭部が取付治具により保護されたまま断熱パネル内に挿入されることとなり、その挿入中に固定部材の頭部に断熱パネルの切り屑が覆い被さることが本体部によって阻止される。
【0010】
さらに、上記第2誘導穴は上記頭部よりも小径であるため、上記固定部材は、上記取付治具の第2誘導穴の周縁部に掛止された状態で上記断熱パネルに貫入される。したがって、上記固定部材が軸方向に推進することに伴い、上記取付治具も軸方向に推進する。よって、上記取付治具の第2誘導穴の周縁部を確実に面材に接触させることが出来る。その上、その周縁部と軸部との隙間が制限されることになるため、上記取付治具を上記断熱パネルに貫入するときに上記断熱パネルの切り屑が貫通穴へ侵入することを抑制することが出来る。ゆえに、上記固定部材の頭部と第2誘導穴との間に断熱パネルの切り屑が侵入することを抑制することが出来、固定部材の頭部を第2誘導穴に略接触する位置まで確実に推進させることが可能となる。
【0011】
そして、取付治具の先端部(第2誘導穴の周縁部)が面材に到達すると、取付治具がそれ以上挿入方向に動けなくなるので、そのまま固定部材のねじ込みを続けると上記第2誘導穴の周縁部に接触圧を加えることにより第2誘導穴が拡大し、この第2誘導穴を上記頭部が貫通することができる。よって、上記頭部が上記面材に確実に接触させることが出来、さらにはそのような状態であることを容易に目視で確認することが出来る。
【0012】
なお、上記固定部材が上記断熱パネルに貫入し、上記面材及び建築物に螺着させることに伴い、上記取付治具が断熱パネル内に貫入されるため、従来のように事前にドリル等で断熱パネルに穴を設ける必要がなく作業の効率の低下を防止することが出来る。
【0013】
請求項2の発明は、上記第2誘導穴の周縁部の内側面は、第2誘導穴に向かって縮径する向きのテーパ状に形成されているものである。
【0014】
なお、テーパ形状、第2誘導穴の周縁部内側面だけでなく、請求項7のように、上記固定部材の頭部裏面が先端側に向かうに従って縮径する向きのテーパ面であり、それと同じ向きのテーパ状に上記第2誘導穴の周縁部内側面が形成されている取付部材にすることができる。
【0015】
こうすれば、固定部材の頭部の裏面が第2誘導穴に食い込みやすくなるため、第2誘導穴の口径を拡大させやすくなる。したがって、この頭部が面材に圧着させることがより容易となる。
【0016】
請求項3の発明は、上記取付治具の本体部の外側面に、この本体部が断熱パネル内で回転するのを阻止する回転掛止部が設けられたものである。
【0017】
この場合、上記回転掛止部が上記本体部を断熱パネル内で回転することを阻止するため、上記固定部材の頭部は、上記第2誘導穴の周縁部に接触すると、この第2誘導穴の周縁部に対して擦れながら回転していくため、上記固定部材の先端方向への推進が容易となり、より上記第2誘導穴の口径を拡大することが容易となる。よって、上記頭部を上記面材に圧着することが容易となり、より確実に上記断熱ユニットを上記建築物の表面に固定することが出来る。
【0018】
請求項4の発明は、上記取付治具において、その第1誘導穴の内面に形成され、上記固定部材の頭部を掛止する掛止部を備え、当該掛止部は、上記固定部材の軸部の先端が上記第2誘導穴から先端側に突出する位置で上記頭部を仮掛止して、上記固定部材が軸方向に移動することを阻止するとともに、この頭部から先端側へ一定以上の力を受けたときに当該頭部を解放してその先端側への移動を許容することを特徴とするものである。
【0019】
この場合、上記固定部材はその頭部が上記取付治具本体部の掛止部により仮掛止されているため、固定部材及び取付治具を貫入するときに取付部材のみを手で保持して貫入すればよく、固定部材まで保持する必要がないため、上記の作業を行う負担が軽減される。
【0020】
なお、請求項6記載のように、上記取付治具と、固定用ねじを持つ軸部並びにこの軸部よりも大径の頭部とをもつ固定部材とを備え、当該固定部材の軸部は、上記取付治具の第2誘導穴に挿通可能となる外径を有し、当該固定部材の頭部は、上記取付治具の第1誘導穴に進入可能で、かつ上記第2誘導穴より大径で、当該第2誘導穴の周縁部に接触して接触圧を加えることにより、上記第2誘導穴の口径を拡大する方向に変形させる形状を有し、上記軸部が上記第2誘導穴に挿通された状態で、上記取付治具の掛止部に上記頭部が掛止されているようにすることも出来る。
【0021】
この場合、予め取付治具の掛止部に固定部材の頭部を掛止する作業を行う必要がなく、より作業の効率化を図ることが出来る。
【0022】
ここで掛止部による固定部材頭部の掛止強度は自由に設定が可能である。例えば前記掛止強度を弱めに設定し、固定部材及び取付治具の挿入途中でその挿入抵抗により掛止が外れて固定部材のみが推進するようにしてもよいし、掛止強度を比較的強めに設定し、その掛止状態のまま固定部材と取付治具とが一体に推進して、取付治具の先端部が面材に到達するようにしてもよい。前者の場合は、掛止が外れてもその後に固定部材の頭部が第2掛止部に引っ掛かることにより、この固定部材と一体に取付治具が面材まで挿入される。後者の場合には、取付治具の先端部が面材に到達した後に仮掛止が外れて固定部材のみが推進する。いずれにしろ、上記取付治具の第2誘導穴の周縁部を確実に面材に略接触させることが出来る。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図1〜図7を用いて説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されることはない。
【0024】
図1は本実施形態における取付部材を示した斜視図、図2はその断面正面図である。
【0025】
取付部材10は、取付治具20及び固定部材であるビス40を有しており、取付治具20に設けられた後述の掛止部26により取付治具20とビス40とが一体に掛合されている。
【0026】
ビス40は、雄ねじが設けられて先端が鋭角の形状である軸部41と、軸部41の基端に形成され、軸部41より大径の頭部42(図2参照)とを備えている。頭部42の裏面44は、軸部41に従って縮径する向きのテーパ面とさせている。
【0027】
取付治具20は、略円柱状の外形をして、先端側がテーパ状になっている本体部21と、本体部21の外周面上に略等間隔で並んでかつ本体部21の軸方向に延びる4個のリブ27(回転掛止部)と、本体部21の基端にリブ27と連結するよう設けられた鍔部28とを備えている。
【0028】
本体部21は、その中心軸上に貫通穴22(図1参照)が設けられている。この貫通穴22は、本体部21の軸方向略全域に形成された第1誘導穴23と、その先端に局所的に設けられ第1誘導穴23より小径の第2誘導穴24とを有し、第1誘導穴23と第2誘導穴24との間の部分、すなわち第2誘導穴24の周縁部25は、第1誘導穴23から第2誘導穴24に向かうに従って縮径する向きのテーパ面とされている。
【0029】
第1誘導穴23は、円筒状内周面を有し、ビス40の頭部42より若干大径となっている。換言すれば、頭部42が進入可能で、かつ頭部42を軸方向へ案内することが可能な程度の内径を有している。
【0030】
第1誘導穴23の内面には一対の掛止部26が掛止されている。これら掛止部26は、第1誘導穴23の内面から内方向に向かって突出し、ビスの頭部42の裏面に引っ掛かる、すなわち仮掛止する形状に形成されており、ビス40が軸方向に移動することを阻止する。より具体的には、第1誘導穴23の内面から先端側に傾斜する向きに掛止部26が突出しており、ビス40の頭部42から掛止部26に一定以上の圧力が加わると、掛止部26が撓んでビス40の進入を誘導するようになっている。
【0031】
第2誘導穴24は、取付治具20の先端に設けられ、頭部42より小径で、かつ軸部41が挿通可能な内径を有している。さらに、第2誘導穴24の周縁部25は、ビス40の頭部42の裏面44の形状と対応するように第2誘導穴24の方向に縮径するテーパ面となっている。
【0032】
そして、図2に示すように、ビス40の軸部41が第1誘導穴23に挿通されて軸部41の先端部が取付治具20の先端から突出する位置で当該ビス40の頭部42が上記掛止部26に仮掛止されるように掛止部26の位置が定められている。この状態でビス40と取付治具20との相対移動が阻止され、一体に掛合されている。
【0033】
また、本体部21の先端近傍の側面には、この側面の内外を貫通する側面穴29が適所に設けられている。
【0034】
なお、取付治具20の素材は、特に限定されるものではないが、後述のとおり第2誘導穴24の口径が拡大することを容易にするため、伸び率が50%以上の樹脂、好ましくは100%以上の樹脂、具体的にはポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂を用いることが好適である。
【0035】
次に、図3〜図7を用いて、断熱パネルを建築物へ取り付ける方法について説明する。
【0036】
工程1(図3参照) まず、断熱ユニット50を建築物60に設置する。断熱ユニット50は、断熱パネル51と、断熱パネル51の片側の側面に貼られた補強用面材52とを備え、断熱パネル51と面材52との間が接着剤等により一体に構成されたものであり、この断熱ユニット50をその面材52が建築物60の表面に接触する向きで設置する。
【0037】
ここで断熱パネル51は、ポリスチレン、ウレタン、フェノール等の合成樹脂発泡体が構成されており、取付治具20の本体部21の長さと略同じ厚みを有している。面材52は、木材、木質パネル、セメント板、樹脂、板紙、けい酸カルシウム等の素材が用いられたもので、建築物60を補強している。
【0038】
このような断熱ユニット50に対し、図2に示すように取付治具20とビス40とを一体にした取付部材10をセットする。具体的には第2誘導穴24の周縁部25が断熱パネル51の表面に接触するまで、断熱パネル51にビス40の軸部41を突き刺す。
【0039】
工程2(図4参照) 図3の状態からさらに取付部材10を押し込み、そのビス40の軸部41の先端が面材52に接触するまで、取付部材10を断熱パネル51内に貫入する。
【0040】
工程3(図5参照) ビス40の頭部42が掛止部26に仮掛止された状態のままビス40を回転操作する。これにより、ビス40は面材52及び建築物60に螺入していくが、このときビス40の頭部42が掛止部26に仮掛止されているもので、このビス40と一体に取付治具20も断熱パネル51内へ進入していく。この操作により、第2誘導穴24の周縁部25を面材52に接触させるまで、取付部材10を断熱パネル51内に貫入する。
【0041】
工程4(図6参照) 工程3からさらにビス40の螺入を継続すると、取付治具20はその先端部が面材52に突き当たってそれ以上進入できないにもかかわらずビス40に推進力が与えられるので、このビス40の頭部42から掛止部26に対して圧力が加わり、この圧力に負けて掛止部26が頭部42を解放する。すなわち、取付治具20を残してビス40のみが単独で進入可能な状態となる。このようにして、頭部42の裏面44が第2誘導穴24の周縁部25に接触するまでビス40を第1誘導穴23に沿って進入させていく。このとき、ビス40の頭部42は本体部21の貫通穴22の周径によって断熱パネル51から隔離されているので、頭部42に切り屑が覆い被さることが防がれる。
【0042】
工程5(図7参照) さらにビス40の回転を螺入することにより、頭部42の裏面44(テーパ面)が第2誘導穴24内に次第に食い込むようにしてその周縁部25に内側から力(回転推進力、摩擦力)を加え、第2誘導穴24の口径を拡大させる。そして最後には、頭部42が第2誘導穴24を貫通し、頭部42が面材52に圧着する。これにより面材52がビス40を介して建築物60に完全に締結された状態となる。
【0043】
上述の取付部材10によると、ビス40は断熱パネル51に貫入されており、その進入中、少なくとも頭部42より上側の領域は、取付治具20の本体部21により断熱パネル51と遮断されているため、その貫入の過程で、頭部42に断熱パネル51の切り屑が覆い被さることが阻止される。
【0044】
また、第2誘導穴24は頭部42よりも小径でその周縁部25と軸部41との隙間が制限されているため、この隙間から貫通穴22内へ断熱パネル51の切り屑が侵入することを抑制することが出来、この切り屑が頭部42の裏面44と第2誘導穴24の周縁部25との間に噛み込まれるという不都合を回避できる。したがって、ビス40の頭部裏面44が周縁部25に確実に接触させることが出来る。
【0045】
そして、本体部21は断熱パネル51の厚みと略同じ軸長であるため、第2誘導穴24の周縁部25が面材52に略接触した状態である場合、本体部21の第2誘導穴24とは反対側の端部が断熱パネル51の表面と略同一面となる。従って、本体部21の先端が面材52に到達したことを目視で確認することが可能である。
【0046】
さらに取付治具20の周縁部25が面材52に接触すると、取付治具20がそれ以上挿入方向に動けなくなるので、そのままビス40の回転を続けると、このビス40の頭部42が第2誘導穴24の周縁部25の内側面に接触圧を加えて第2誘導穴24の穴径が拡大し、頭部42が貫通可能となる。
【0047】
よって、頭部42の裏面44を面材52に確実に接触させることが出来、さらにはそのような状態であることを容易に目視で確認することが出来る。
【0048】
次に、本体部21の先端近傍の側面に、側面の内外を貫通する側面穴29が設けられているため、周縁部25に接触圧が加わったとき、側面穴29に接する周縁部25に応力が集中する。したがって、第2誘導穴24の口径が拡大しやすくなり、頭部42が面材52に接触させる作業が容易となる。なお、側面穴29の開口面積を適当に制限しておけば、この側面穴29から貫通穴22内に断熱パネル51の切り屑等が入るおそれはほとんどない。
【0049】
また、ビス40が断熱パネル51に貫入し、面材52及び建築物60に螺着させることに伴い、取付治具20が断熱パネル51内に貫入されるため、従来のように事前にドリル等で断熱パネル51に穴を設ける必要がなくても、頭部42を面材52に接触させることが出来、作業の効率の低下を防止することが出来る。
【0050】
したがって、本実施形態の取付部材10を用いることにより、作業効率を低下させることなく、断熱パネル51の片面のみに面材52を設けた断熱ユニット50を、確実に建築物60の表面に固定することが出来る。
【0051】
なお、第2誘導穴24の周縁部25が、第2誘導穴24に向かって縮径する向きのテーパ面となっている。したがって、上記のビス40のように頭部42の裏面44がテーパ面となっているときは、この裏面44が第2誘導穴24に食い込みやすく、第2誘導穴24の口径を拡大させやすくなる。したがって、この頭部42が面材52に圧着させることがより容易となる。
【0052】
また、本体部21の外側面に、本体部21の外周の側面の長手方向にリブ27が設けられているため、本体部21を断熱パネル51に貫入したとき、断熱パネル51内で回転することを阻止する。そして、ビス40の頭部42は、第2誘導穴24の周縁部25に接触すると、この第2誘導穴24の周縁部25に擦れながら回転していくため、ビス40の先端方向への推進が容易となり、より第2誘導穴24の口径を拡大することが容易となる。よって、ビス40の頭部42を面材52に圧着する作業がさらに容易となる。
【0053】
さらに、鍔部28を設け、リブ27と連結されているため、リブ27を補強をすることが出来る。
【0054】
なお、掛止部26は必ずしも備える必要はない。この場合、工程3では、まずビス40のみが回転推進することにより、この頭部42が第2誘導穴24の周縁部25に掛止される。さらにこの状態で、ビス40の回転が継続されることにより、ビス40及び取付治具20が一体となって推進し、周縁部25が面材52に接触して工程4の状態となる。
【0055】
しかし、ビス40の頭部42が掛止部26により仮掛止されている方が、工程1で断熱ユニット50に取付治具20及びビス40とをセットするとき、取付治具20のみを手で保持することによりセットすることが出来、ビス40の頭部をも保持する必要がなく、上記作業を行う負担が軽減されるため好ましい。
【0056】
なお、取付部材10は、予めビス40の頭部42を掛止部26に仮掛止させているため、予め取付治具20の掛止部26にビス40の頭部42を掛止する作業を行う必要がなく、より作業の効率化を図ることが出来る。
【0057】
その他実施形態
(1) 掛止部26がビス40の頭部42を解放する場合は必ずしも工程4の場合に限定されない。掛止部26によるビス40の頭部42の掛止強度は自由に設定が可能であり、例えば工程3を施工しているときに掛止部26がビス40の頭部42を解放してもよい。この場合、その後の頭部42は第2誘導穴24の周縁部25に掛止され、この状態でビス40が回転されることにより、ビス40及び取付治具20が一体となって推進し、周縁部25が面材52に接触し、工程4の状態となる。
【0058】
(2) リブ27の数は4個に限定されるものではなく、少なくとも1個以上あればよい。また、適宜省略も可能である。なお、回転掛止部としてリブ27を設けるかわりに、本体部の断面形状を四角形状、三角形状等の多角形にすることで回転を阻止することも可能である。
【0059】
(3) 掛止部26の数は2個に限定されるものではなく、少なくとも1個以上あればよい。また、全周に亘って形成してもよい。
【0060】
(4) 第2誘導穴24の口径を拡大することを容易とするためには、側面穴29を設ける代わりに、例えば周縁部25に軸方向に対してスリットや穴等を設けることも有効である。
【0061】
【発明の効果】
本発明によると、固定部材の頭部が面材に確実に接触させることが出来、さらにはそのような状態であることを容易に目視で確認することが出来る。また、従来のように事前にドリル等で断熱パネルに穴を設けなくても固定部材の頭部を面材に取り付けることができるため、作業の効率の低下を防止出来る。よって、作業効率を低下させることなく、断熱パネルの片面のみに面材を設けた断熱ユニットを確実に建築物の表面に固定することが出来る。
【0062】
請求項2の発明によると、取付部材の頭部の裏面が第2誘導穴に対応するテーパ形状である場合、第2誘導穴の口径を拡大させやすくなり、この頭部が面材に圧着させることがより容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる取付部材の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる取付部材の断面正面図である。
【図3】本発明の取付部材を用いた断熱方法の第1工程図である。
【図4】本発明の取付部材を用いた断熱方法の第2工程図である。
【図5】本発明の取付部材を用いた断熱方法の第3工程図である。
【図6】本発明の取付部材を用いた断熱方法の第4工程図である。
【図7】本発明の取付部材を用いた断熱方法の第5工程図である。
【図8】従来の建築物の耐震構造を示した図である。
【図9】従来の建築物の断熱・耐震構造を示した図である。
【符号の説明】
10 取付部材
20 取付治具
21 本体部
22 貫通穴
23 第1誘導穴
24 第2誘導穴
25 周縁部
26 掛止部
27 リブ
28 鍔部
40 ビス(固定部材)
41 軸部
42 頭部
50 断熱ユニット
51 断熱パネル
52 面材
60 建築物
Claims (8)
- 固定用ねじを持つ軸部とこの軸部よりも大径の頭部とをもつ固定部材を用いて、建築物の断熱パネルの片面に補強用面材を貼合した建築用断熱ユニットを上記面材が建築物表面に接触するように取り付けるため、上記固定部材の頭部を上記面材まで誘導するための取付治具であって、
該取付治具は、上記断熱パネルの厚みと略同じ軸長で、かつ上記固定部材が軸方向に挿通可能な貫通穴を有する本体部を備え、
上記貫通穴は、
上記固定部材の頭部が進入可能で、かつ上記頭部を軸方向に案内する内径を持つ第1誘導穴と、
この第1誘導穴の先端側に形成され、上記頭部よりも小径でかつ上記軸部が挿通可能な径を持つ第2誘導穴と
を有し、
上記第2誘導穴は、その周縁部に上記頭部から接触圧を受けることにより口径が拡大する方向に変形し、上記頭部が貫通可能となること
を特徴とした取付治具。 - 上記第2誘導穴の周縁部の内側面は、第2誘導穴に向かって縮径する向きのテーパ状に形成されていることを特徴とした請求項1記載の取付治具。
- 上記取付治具の本体部の外側面に、この本体部が断熱パネル内で回転するのを阻止する回転阻止部が設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の取付治具。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の取付治具において、
その第1誘導穴の内面に形成され、上記固定部材の頭部を掛止する掛止部を備え、
当該掛止部は、上記固定部材の軸部の先端が上記第2誘導穴から先端側に突出する位置で上記頭部を仮掛止して、上記固定部材が軸方向に移動することを阻止するとともに、この頭部から先端側へ一定以上の力を受けたときに当該頭部を解放してその先端側への移動を許容する
ことを特徴とした取付治具。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の取付治具と、固定用ねじを持つ軸部並びにこの軸部よりも大径の頭部とをもつ固定部材とを備え、
当該固定部材の軸部は、上記取付治具の第2誘導穴に挿通可能となる外径を有し、
当該固定部材の頭部は、上記取付治具の第1誘導穴に進入可能で、かつ上記第2誘導穴より大径で、当該第2誘導穴の周縁部に接触して接触圧を加えることにより、上記第2誘導穴の口径を拡大する方向に変形させる形状
を有することを特徴とした取付部材。 - 請求項4記載の取付治具と、固定用ねじを持つ軸部並びにこの軸部よりも大径の頭部とをもつ固定部材とを備え、
当該固定部材の軸部は、上記取付治具の第2誘導穴に挿通可能となる外径を有し、
当該固定部材の頭部は、上記取付治具の第1誘導穴に進入可能で、かつ上記第2誘導穴より大径で、当該第2誘導穴の周縁部に接触して接触圧を加えることにより、上記第2誘導穴の口径を拡大する方向に変形させる形状を有し、
上記軸部が上記第2誘導穴に挿通された状態で、上記取付治具の掛止部に上記頭部が掛止されている
ことを特徴とした取付部材。 - 請求項5又は6のいずれかに記載の取付部材であって、上記固定部材の頭部裏面が、先端側に向かうに従って縮径する向きのテーパ面であり、それと同じ向きのテーパ状に上記第2誘導穴の周縁部内側面が形成されていることを特徴とした取付部材。
- 請求項5乃至7のいずれかに記載の取付部材を用いた断熱パネル取付方法であって、
上記断熱ユニットを上記面材が建築物の表面に接触するよう設置する工程と、上記取付治具の貫通穴に上記固定部材が挿入された取付部材を、上記固定部材の先端側から断熱パネルに貫入し、上記固定部材の先端を上記面材に接触させる工程と、
上記固定部材の軸部を上記面材及び上記建築物に螺着する工程と
を有し、
上記固定部材の軸部を上記面材及び上記建築物に螺着する工程は、
上記固定部材を回転操作することにより、上記固定部材の頭部が第2誘導穴の周縁部に接触し、かつ取付治具の第2誘導穴の周縁部が上記面材に略接触する状態となるまで上記取付治具と上記固定部材とを断熱パネル内へ挿入する工程と、
さらに上記固定部材を回転操作することにより、この固定部材の頭部から上記第2誘導穴の周縁部に圧力を加えて、上記第2誘導穴の口径を拡大させ、この第2誘導穴を通じて上記頭部を上記面材に圧着する工程と
を含むことを特徴とした断熱パネル取付方法。
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