JP6664934B2 - アンカー - Google Patents

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Description

本発明は、下地に対する固定用のアンカーに関する。
例えば、特許文献1、2に、下地(例えば特許文献1では「取り付け板」)に固定対象物(例えば特許文献1では「取り付け金物」)を固定するためのアンカーが記載されている。このアンカーは、ハウジング部(例えば特許文献1では「スリーブ」)と、ハウジング部の内周に螺合されたインナー部(例えば特許文献1では「ボルト」)と、を備えている。
このようなアンカーが下地に固定される仕組みを説明する。下地に形成された孔部にハウジング部を嵌入し、引き続き、インナー部をハウジング部に対して螺進させる。そうすると、インナー部の螺進力に基づいて、ハウジング部における先端側部分に対して引き抜き側への力が作用し、この先端側部分が座屈して、拡開部が形成される。この結果、この拡開部とハウジング部における下地表面側に形成された外フランジ部とによって下地を挟み込むこととなり、アンカーが下地に固定される。
特許第4643946号公報(図2) 特許第5501853号公報(図4)
しかし、このようなアンカーでは、上述したように、アンカーの施工の際、ハウジング部に、インナー部の螺進力に基づく引き抜き力が作用する。このため、アンカー施工中は、この引き抜き力に対抗するべく、ハウジング部をある程度強い力で保持する必要がある。例えば、下地がALCのようなセメント下地の場合は、下地に穿孔する孔部の内径をハウジングの外径と略同じにしておき、ハウジング部をハンマー等の打ち込み工具によって強く打ち込むことで、ハウジング部を強く下地に保持する工法が採用されている。
このような工法であるため、ハンマー等による打ち込み作業時に、その打撃力によって下地が欠損したり、ひび割れが発生したりすることがあった。また、既存建物の改修工事においては、その打撃音が、居住者への騒音となることがあった。
上記実情に鑑み、どのような下地であっても、施工時に、下地の欠損等や騒音が発生しにくいアンカーの提供が望まれていた。
本発明のアンカーは、内部に雌ネジを備え、下地に嵌入させる筒状のハウジング部と、前記雌ネジへの螺合によって前記ハウジング部の内部に挿入がなされるインナー部と、が備えられ、前記インナー部に、前記螺合挿入によって外広がりに開脚して前記下地と係合する係合部が備えられ、前記ハウジング部の内部の前記雌ネジに前記インナー部が螺合挿入された状態で、固定対象物を固定するための締結具が前記ハウジング部の内部の前記雌ネジに螺合挿入され、前記固定対象物が固定されるものである。
本発明によると、インナー部自身に係合部が備えられ、この係合部を下地内に推進させる必要があるため、インナー部は、ハウジング部に強く押し込みながら、螺合挿入されることとなる。このため、ハウジング部におけるインナー部との螺合箇所を介して、ハウジング部にその押し込み力が作用し、インナー部の螺進力に基づく引き抜き力が相殺されるか、少なくとも緩和される。つまり、本発明であれば、ハウジング部を下地に強く保持する必要がなくハウジング部をコンクリート下地等に嵌入させる際に、ハウジング部を下地の孔部に軽く打ち込むだけで良い。したがって、施工時に、下地にかかる負荷が小さくなって下地の欠損が減少し、また、騒音の軽減も図られる。
上記構成において、前記インナー部に、前記ハウジング部の内周の前記雌ネジに螺合するネジ部と、前記ネジ部に対して相対回動可能に係合される開脚部と、が備えられ、前記ハウジング部と前記開脚部との相対回動を防止する回り止め機構が備えられていると好適である。
本構成によれば、ハウジング部に対してインナー部を螺進してゆく際に、ネジ部は、ハウジング部の内周に対して相対回動しながら下地側へ推進するが、開脚部は、回り止め機構の作用により、ハウジング部に対して相対回動せずに下地側へ推進する。このため、ハウジング部に対するインナー部の螺進を進めてゆくと、開脚部における係合部の突端部が突き刺さるように下地に係合する。これにより、開脚部の突端部によって下地が過度に掻き乱されることがなく、下地にインナー部を強固に固定できる。
本発明のアンカーは、下地に嵌入させる筒状のハウジング部と、前記ハウジング部の内部に螺合挿入がなされるインナー部と、が備えられ、前記インナー部に、前記螺合挿入によって外広がりに開脚して前記下地と係合する係合部が備えられ、前記インナー部に、前記ハウジング部の内周に螺合するネジ部と、前記ネジ部に対して相対回動可能に係合される開脚部と、が備えられ、前記ハウジング部と前記開脚部との相対回動を防止する回り止め機構が備えられ、前記ネジ部及び前記開脚部のうちいずれか一方に、拡径された拡頭部が備えられ、前記ネジ部及び前記開脚部のうちいずれか他方に、前記拡頭部を相対回動可能な状態で包み込む凹部が形成されていると好適である。
本発明によると、インナー部自身に係合部が備えられ、この係合部を下地内に推進させる必要があるため、インナー部は、ハウジング部に強く押し込みながら、螺合挿入されることとなる。このため、ハウジング部におけるインナー部との螺合箇所を介して、ハウジング部にその押し込み力が作用し、インナー部の螺進力に基づく引き抜き力が相殺されるか、少なくとも緩和される。つまり、本発明であれば、ハウジング部を下地に強く保持する必要がなくハウジング部をコンクリート下地等に嵌入させる際に、ハウジング部を下地の孔部に軽く打ち込むだけで良い。したがって、施工時に、下地にかかる負荷が小さくなって下地の欠損が減少し、また、騒音の軽減も図られる。
また、ハウジング部に対してインナー部を螺進してゆく際に、ネジ部は、ハウジング部の内周に対して相対回動しながら下地側へ推進するが、開脚部は、回り止め機構の作用により、ハウジング部に対して相対回動せずに下地側へ推進する。このため、ハウジング部に対するインナー部の螺進を進めてゆくと、開脚部における係合部の突端部が突き刺さるように下地に係合する。これにより、開脚部の突端部によって下地が過度に掻き乱されることがなく、下地にインナー部を強固に固定できる。
また、ハウジング部にインナー部を螺進させる際、拡頭部と凹部とが互いに押し合うことにより、ネジ部から開脚部に推進力が伝達される。
そして、ハウジング部からインナー部を螺退させる際、凹部と拡頭部とが互いに引っ掛かるので、ネジ部とともに開脚部をハウジング部から引き抜くことができる。これにより、固定対象物の交換時等において、ハウジング部を撤去せずに再利用することができる。
しかも、凹部に拡頭部を予め嵌め込んでおくことにより、ネジ部と開脚部とを一体的に取り扱うことが可能になるので、ネジ部や開脚部の紛失を防止できる。
上記構成において、前記凹部は、前記インナー部の螺進軸心の側方において開放され、前記拡頭部を側方から挿入可能に構成されていると好適である。
本構成によれば、拡頭部をインナー部の螺進軸心の側方から凹部に挿入するだけで、ネジ部と開脚部との係合を容易に行うことができる。また、逆に、拡頭部をインナー部の螺進軸心の側方に向けて凹部から脱出させるだけで、ネジ部と開脚部との係合解除を容易に行うことができる。このように、本構成であれば、組み立てし易いアンカーとすることができる。
アンカーの分解斜視図である。 施工手順に含まれる一工程を示す断面図であり、設置穴の形成について示す図である。 施工手順に含まれる一工程を示す断面図であり、設置穴の清掃について示す図である。 施工手順に含まれる一工程を示す断面図であり、ハウジング部の設置について示す図である。 施工手順に含まれる一工程を示す断面図であり、インナー部の設置について示す図である。 施工手順に含まれる一工程を示す断面図であり、ハウジング部に対するインナー部の螺合挿入を示す図である。 施工手順に含まれる一工程を示す断面図であり、シート固定具及び防水シートの設置について説明する図である。 別実施形態のアンカーを示す側面図である。 別実施形態のアンカーを示す断面図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
〔アンカーの構成について〕
図7に示されるように、アンカーAは、防水シート1を固定するためのシート固定具2等の固定対象物を下地3に固定するために用いられる。防水シート1は、防水性を有する合成樹脂製シート(例えば、軟質塩化ビニル)によって構成されている。本実施形態では、固定対象物を固定するための下地3が、例えば、セメントを素材に含むセメント下地の一種であるALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete;オートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート)のパネル材であるとして説明する。そして、アンカーAは、下地3の厚み内に埋設され、開脚固定されるように施工されるものとする。
図1に示されるように、アンカーAには、下地3に嵌入させるハウジング部4と、ハウジング部4の内部にネジ軸心X(「螺進軸心」に相当)周りに螺合挿入がなされるインナー部5と、が備えられている。
ハウジング部4は、金属製であり、円筒状に形成されている。ハウジング部4には、長手方向の一端部に形成される底部6と、ハウジング部4の内周に形成される雌ネジ7と、底部6の近傍に形成される複数(例えば4つ)の案内孔8と、ハウジング部4の内周に形成される案内溝9と、が備えられている。
ハウジング部4における底部6と反対側の他端部には、外部に向けて開口される開口部10が形成されている。雌ネジ7は、開口部10からハウジング部4の全長の半分を少し超える箇所に至る長さに形成されている。なお、ハウジング部4の内周における雌ネジ7以外の箇所にはネジは切られていない。案内孔8は、夫々、雌ネジ7と底部6の間における底部6の近傍に形成され、各案内孔8は、ハウジング部4の周方向に分散配置されている。また、案内孔8は、斜め外側向きに開孔されている。案内溝9は、ハウジング部4の軸心(ネジ軸心X)に沿って延びる凹状に形成されている。
インナー部5には、下地3と係合する開脚部11と、開脚部11に対して係合及び係合解除が可能なネジ部12と、が備えられている。
開脚部11は、金属製とされている。開脚部11には、円柱状の本体部13と、本体部13の一端部に連設される複数(例えば4つ)の係合部14と、本体部13の他端部に連設され、本体部13よりも縮径された縮径部15と、縮径部15に連設され、縮径部15よりも拡径された拡頭部16と、案内溝9に係合可能な被案内突起17と、が備えられている。係合部14は、案内孔8の数と等しい数形成されている。各係合部14は、本体部13の周方向に並べて配置されている。係合部14は、本体部13から脚状に延びている。係合部14における本体部13と反対側に形成された突端部18は、鋭角な略三角形状に形成されており、係合部14の突端部18が下地3に突き刺さるように係合するようになっている。係合部14は、本体部13側から突端部18に向かうにつれて、ネジ軸心Xの外側へ開くように形成されている。つまり、突端部18をネジ軸心X側にすぼめるように閉じると、係合部14自体が、突端部18がネジ軸心Xの外側に向けて開く方向に付勢された状態となる。被案内突起17は、本体部13の外周部において本体部13の長手方向に沿って延びる凸状に形成されている。
ネジ部12は、金属製とされている。ネジ部12の外周部には、ハウジング部4の雌ネジ7に螺合可能な雄ネジ19が形成されている。ネジ部12には、拡頭部16を相対回動可能な状態で包み込む凹部20が形成されている。ネジ部12に形成された凹部20は、インナー部5のネジ部12のネジ軸心Xの側方において開放される開放部21を有しており、凹部20の側方から開放部21を通じて開脚部11の拡頭部16を挿入可能に構成されている。ネジ部12には、回動工具T3(図6参照)を係合させるための例えば断面六角形状の係合穴22が形成されている。ネジ部12は、ハウジング部4の内周に螺合するように構成されている。上記開脚部11は、ネジ部12に対して相対回動可能に係合可能となっている。
また、アンカーAには、ハウジング部4と開脚部11との相対回動を防止する回り止め機構23が備えられている。回り止め機構23は、ハウジング部4に形成された案内溝9と、インナー部5の開脚部11に形成された被案内突起17と、により構成されている。
ハウジング部4にインナー部5を螺合挿入する際に、被案内突起17が案内溝9に案内されるようになっている。
〔施工手順について〕
以下、図1〜図7を参照しながら、上記アンカーAの下地3への設置、及び、防水シート1の下地3側への固定を行うための施工手順を説明する。なお、下地3の表面側には、弾性及び柔軟性を有する断熱材料からなる板状の断熱ボード24を敷設するようにしている。この断熱ボード24は、例えば、イソシアネートのフォーム材で形成した無数の独立気泡が内在するものであり、適度な強度と耐熱性と防水性とを備えている。
まず、図2に示されるように、例えばドリル等の穿孔工具T1を用いて、下地3及び断熱ボード24を穿孔して、下地3と断熱ボード24とに亘る有底の設置穴25を形成する。設置穴25の内径は、ハウジング部4の外径と同径、または、ハウジング部4の外径よりも若干大きい径とされる。
次に、図3に示されるように、設置穴25の形成時に生じる穿孔屑を、空気を利用して、例えば、ブロワT2で吹き飛ばす等して、設置穴25の内部から除去する。
次に、図4に示されるように、プラスチックハンマー等の工具(図示なし)で軽く叩く等して、ハウジング部4を下地3の設置穴25内に嵌入させる。設置穴25の深さとハウジング部4の全長の長さ関係は、ハウジング部4の開口部10と断熱ボード24の表面とが面一となるように設定されている。これにより、ハウジング部4が断熱ボード24から出っ張らず、且つ、ハウジング部4の内部の雌ネジ7が外部から目視し易くなる。
次に、図5に示されるように、凹部20に拡頭部16を嵌め込むことにより一体化させたインナー部5を、ハウジング部4の内部に挿入する。この際、開脚部11における係合部14の突端部18をネジ軸心X側に閉じながら、インナー部5をハウジング部4の内部に挿入する。この際、ハウジング部4の外周により断熱ボード24が設置穴25の中心側に膨らまないように抑えられているので、ハウジング部4に対するインナー部5の挿入を支障なく行うことができる。また、この際、ネジ軸心X側に閉じられた突端部18は、ネジ軸心Xと略平行となるので、突端部18が、ハウジング部4の雌ネジ7に引っ掛かりにくくなっている。
次に、図6に示されるように、ネジ部12の係合穴22に、六角レンチ等の回動工具T3を係合させて、回動工具T3を下地3側に向けて押し込みながら、ネジ部12の雌ネジ7をハウジング部4の雄ネジ19に螺進させてゆく。この際、インナー部5のネジ部12は、ハウジング部4に対して相対回動しながら、下地3の設置穴25の穴底側に向けて推進する。一方、開脚部11は、拡頭部16と凹部20とが相対回転自在に係合され、回り止め機構23によるハウジング部4に対する回り止めがなされている。このため、開脚部11は、ハウジング部4に対して相対回動せずに、ネジ部12から押圧力のみを受けて、下地3の設置穴25の穴底側に向けて真っ直ぐに推進する。
また、この際、ハウジング部4には、インナー部5の螺進力に基づく引き抜き力が作用するが、回動工具T3により、インナー部5のネジ部12を下地3側に押し込みながら回動させるので、雌ネジ7と雄ネジ19の螺合箇所においてネジ部12からハウジング部4に押し込み力が伝達され、引き抜き力でハウジング部4が下地3から引き抜かれることがないようになっている。
そして、ネジ部12の螺進が進行すると、開脚部11が設置穴25の穴底側に移動し、開脚部11の各係合部14が、ハウジング部4の各案内孔8に挿通される。さらに、ネジ部12を螺進させると、係合部14自体の付勢力、及び、案内孔8による案内により、各係合部14が外広がりに開脚して、係合部14の突端部18が下地3に突き刺さるように係合する。インナー部5は、開脚部11における係合部14の突端部18が、下地3の厚みを貫通しない程度に、ハウジング部4内を螺進される。これにより、アンカーAが、下地3に固定される。
次に、図7に示されるように、断熱ボード24の表面側に、金属製の円盤状に形成されたシート固定具2を設置する。シート固定具2は、円板形状の薄い金属板を凹凸のある断面形状にプレス成形することで、軽量でありながら強度の高いものに構成してある。シート固定具2の中央部には、ビス等の金属製のネジ部材からなる締結具26を挿通する挿通孔27が形成してある。シート固定具2における挿通孔27の周りには、締結具26の拡径頭部28が納まる座繰り部29が形成してある。したがって、シート固定具2を締結具26によりアンカーAを介して下地3に固定した状態では、拡径頭部28がシート固定具2の端面よりも下地3から離れる側に突出しないように構成されている。
締結具26にシート固定具2を挿通した状態で、締結具26の雄ネジ30を、ハウジング部4の内周の雌ネジ7に螺合して、ハウジング部4の内部に締結具26を螺進させる。締結具26の拡径頭部28と下地3との間に、固定対象物であるシート固定具2を挟み込んで固定する。
次に、シート固定具2の表面に防水シート1を敷設する。シート固定具2と防水シート1は、接着層(図示なし)を介して接合される。この接着層は、例えば、シート固定具2と防水シート1との間に、熱により溶融するホットメルト剤を介在させて、電磁誘導加熱機器等の加熱装置により、ホットメルト剤を溶融させることにより形成される。これにより、断熱ボード24を敷設した下地3に、アンカーA、シート固定具2を介して、防水シート1を固定できる。
このように、下地3にアンカーAを固定する工程から、アンカーAにシート固定具2を固定する工程、シート固定具2に防水シート1を固定する工程に至る全工程において、下地3に影響を与える強い叩き込みを行うことがないので、下地3に割れが生じにくく、しかも、施工音が大きくならないものにできる。
また、防水シート1を交換する場合には、締結具26の周囲において防水シート1を切り欠いて、ハウジング部4から締結具26を螺退させ、切り欠いた防水シート1、及び、シート固定具2を除去する。そして、上述の施工手順と同様に、新たなシート固定具2を、締結具26によりハウジング部4に固定し、そのシート固定具2に新たな防水シート1を固定する。このように、防水シート1の交換に際して、アンカーAのハウジング部4の再利用が可能となっている。
また、アンカーAを下地3から撤去する場合には、まず、上述の施工手順と同様に、防水シート1、及び、シート固定具2を除去する。そして、インナー部5におけるネジ部12の係合穴22に、回動工具T3を係合させ、ネジ部12をハウジング部4に対して螺退させると、ネジ部12の凹部20における縮径部15に入り込んでいる段部が、開脚部11の拡頭部16に引っ掛かり、ネジ部12の螺退とともに開脚部11の係合部14が下地3から引き抜かれる(図6の状態から図5の状態となる)。これにより、インナー部5の全体を、下地3側から除去することが可能であるので、アンカーAの撤去作業を容易に行うことができる。
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態について説明する。上記実施形態と下記の各別実施形態とは、矛盾が生じない限り、適宜組み合わせることができる。なお、本発明の範囲は、これら実施形態の内容に限定されるものではない。
(1)上記実施形態では、インナー部5において、開脚部11に拡径された拡頭部16が備えられ、ネジ部12に、拡頭部16を相対回動可能な状態で包み込む凹部20が形成されているものが例示されているが、これに限られない。例えば、図8に示されるように、ネジ部12に拡径された拡頭部16が備えられ、開脚部11に、拡頭部16を相対回動可能な状態で包み込む凹部20が形成されているインナー部5であってもよい。つまり、開脚部11及びネジ部12のうちいずれか一方に、拡径された拡頭部16が備えられ、開脚部11及びネジ部12のうちいずれか他方に、拡頭部16を相対回動可能な状態で包み込む凹部20が形成されているとよい。
(2)上記実施形態では、インナー部5に、拡頭部16と拡頭部16を包み込む凹部20とが備えられているものが例示されているが、これに限られない。例えば、インナー部5に、拡頭部16と凹部20とが備えられていないものであってもよい。この場合、例えば、ネジ部12と開脚部11は、突き合わせ面同士を相対回動可能に突き合わせるように構成されていてもよい。
(3)上記実施形態では、開脚部11がネジ部12に対して相対回動可能に係合されるインナー部5が例示されているが、これに限られない。例えば、図9に示されるように、開脚部11とネジ部12とが互いに相対回動不能な一体物として構成されていてもよい。このインナー部5には、ネジ10部側から係合部14側に向けて固化材を注入可能な注入孔31が形成されている。また、ハウジング部4の底面は完全に開放されている。そして、開脚部11の係合部14は、開脚方向に付勢されている。ネジ部12をハウジング部4に対して螺進させてゆくと、開脚部11の係合部14が回動して下地3を削りながら下地3内を掘り進む。係合部14が下地3側にある程度入り込むと、貯留部Sに貯留される固化材をポンプPで圧送する等して注入孔31を通じて、掘削箇所Eに供給する。これにより、掘削箇所Eが固化され、その掘削箇所Eの固化部に開脚部11の係合部14が固定されることにより、アンカーAが下地3に固定される。
(4)上記実施形態では、ハウジング部4の開放部21が断熱ボード24の表面と略面一になるように、ハウジング部4の全長の長さが設定されているものが例示されているが、これに限られない。ハウジング部4の開放部21が断熱ボード24の表面よりも若干面落ちしていてもよい。また、ハウジング部4の開放部21が下地3の表面と面一になるように、ハウジング部4の全長の長さが設定されていてもよい。この場合、断熱ボード24に、ハウジング部4と同芯状の筒部材を挿入しておくと、筒部材により断熱ボード24が設置穴25の中心側に膨らむことが抑えられ、ハウジング部4に対する開脚部11の挿入が行い易くなる。また、下地3上に断熱ボード24を敷設しないものであってもよい。この場合、ハウジング部4の開放部21は、下地3の表面と略面一になるように、ハウジング部4の全長の長さが設定される。
(5)上記実施形態では、ハウジング部4の内周に形成される雌ネジ7が、開口部10からハウジング部4の全長の半分を少し超える箇所に至る長さに形成されているものが例示されているが、これに限られない。例えば、ハウジング部4の開口部10から一定の距離だけ離れた箇所からハウジング部4の全長の半分を少し超える箇所に至るように雌ネジ7が形成されていてもよい。また、例えば、ハウジング部4の内周においてハウジング部4の全長に亘る長さに雌ネジ7が形成されていてもよい。
(6)上記実施形態では、ハウジング部4を設置穴25に設置してから、ハウジング部4にインナー部5を螺合挿入するものが例示されているが、これに限られない。例えば、ハウジング部4の内部に完全に隠れるまでインナー部5を予め螺合挿入しておいてから、ハウジング部4とインナー部5とが一体になったものを設置穴25に設置するようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、ネジ部12に形成された係合穴22の形状として断面六角形状のものが例示されているが、これに限られない。係合穴22は、十文字形状、一文字形状、断面四角形状等の他の形状であってもよい。回動工具T3は、係合穴22の形状に適合したものが用いられる。
(8)上記実施形態では、外周部が円形状に形成されているハウジング部4が例示されているが、これに限られない。例えば、外周部が円形とは異なる異形状(四角形状、五角形状、六角形状等の多角形状)に形成されている他のハウジング部であってもよい。
(9)上記実施形態では、ハウジング部4をそのまま下地3に嵌入させるものが例示されているがこれに限られない。例えば、ハウジング部4の外周部に、例えば、エポキシ系の合成樹脂で構成してある接着剤を塗布し、下地3の設置穴25に嵌入させるようにしてもよい。これにより、下地3に対してハウジング部4を強固に保持できる。
(10)上記実施形態では、ハウジング部4、ネジ部12、及び、開脚部11がいずれも金属製とされているものが例示されているが、これに限られない。ハウジング部4、ネジ部12、及び、開脚部11のうち少なくとも一つが、例えば、硬質樹脂、セラミック等の他の材料で構成されていてもよい。
(11)上記実施形態では、4つの係合部14が備えられている開脚部11が例示されているが、これに限られない。例えば、1つ〜3つ、または、5つ以上の係合部14が形成されている他の開脚部であってもよい。
本発明に係るアンカーは、ALCのパネル材以外の下地、例えば、その他のセメント下地(コンクリート下地を含む)、鉄骨下地、木製下地、石膏下地等にも適用可能であり、また、防水シート用のシート固定具以外にも、アングル材やプレート材等の種々の固定対象物にも適用可能である。
2 :シート固定具(固定対象物)
3 :下地
4 :ハウジング部
5 :インナー部
7 :雌ネジ
11 :開脚部
12 :ネジ部
14 :係合部
16 :拡頭部
20 :凹部
23 :回り止め機構
26 :締結具
A :アンカー
X :ネジ軸心(螺進軸心)

Claims (4)

  1. 内部に雌ネジを備え、下地に嵌入させる筒状のハウジング部と、
    前記雌ネジへの螺合によって前記ハウジング部の内部に挿入がなされるインナー部と、が備えられ、
    前記インナー部に、前記螺合挿入によって外広がりに開脚して前記下地と係合する係合部が備えられ
    前記ハウジング部の内部の前記雌ネジに前記インナー部が螺合挿入された状態で、固定対象物を固定するための締結具が前記ハウジング部の内部の前記雌ネジに螺合挿入され、前記固定対象物が固定されるアンカー。
  2. 前記インナー部に、前記ハウジング部の内周の前記雌ネジに螺合するネジ部と、前記ネジ部に対して相対回動可能に係合される開脚部と、が備えられ、
    前記ハウジング部と前記開脚部との相対回動を防止する回り止め機構が備えられている請求項1に記載のアンカー。
  3. 下地に嵌入させる筒状のハウジング部と、
    前記ハウジング部の内部に螺合挿入がなされるインナー部と、が備えられ、
    前記インナー部に、前記螺合挿入によって外広がりに開脚して前記下地と係合する係合部が備えられ、
    前記インナー部に、前記ハウジング部の内周に螺合するネジ部と、前記ネジ部に対して相対回動可能に係合される開脚部と、が備えられ、
    前記ハウジング部と前記開脚部との相対回動を防止する回り止め機構が備えられ、
    前記ネジ部及び前記開脚部のうちいずれか一方に、拡径された拡頭部が備えられ、
    前記ネジ部及び前記開脚部のうちいずれか他方に、前記拡頭部を相対回動可能な状態で包み込む凹部が形成されているアンカー。
  4. 前記凹部は、前記インナー部の螺進軸心の側方において開放され、前記拡頭部を側方から挿入可能に構成されている請求項3に記載のアンカー。
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