JP4511863B2 - アンカー - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のアンカーは、芯棒打ち込み式金属拡張アンカーであって、アンカー本体と、このアンカー本体内の孔に打ち込まれる芯棒とからなり、アンカー本体には、コンクリート躯体等の母材に対して打ち込んだときに、躯体との間に器物を押さえ込んで固定する鍔状の頭部が設けられている。
特許文献2に記載のアンカーは、内部コーン打ち込み式金属拡張アンカーであって、躯体の下孔に筒状のアンカー本体を挿入した後、このアンカー本体の先端内部に収納した内部コーンを打ち込むことで、躯体に固定されるようになっている。また、アンカー本体の基端部には雌ねじ部が形成されており、この雌ねじ部に六角ボルトや皿頭ボルト等を螺着して、これらボルトの頭部によって器物を躯体に押さえ込むようにして固定する。
特許文献1記載のアンカーは、施工後に、器物を取り外すことが困難であるといった問題がある。躯体に施工すると同時に器物を固定できる構造であるが、施工後に器物を取り外すには、アンカー全体を一括して引き抜くか、又は、芯棒を抜き取ってからアンカー本体を抜き取ることとなる。
特許文献2記載のアンカーは、内部コーン打ち込み式のアンカーであるため、器物の固定に最低でも下記の4工程が必要となり、施工に手間が掛かるといった不満がある。
(1)躯体に下孔を穿孔する。
(2)穿孔した下孔の清掃
(3)下孔内にアンカーを挿入した後、専用の打ち込み棒を使用して、内部コーンを打ち込み、アンカー先端部を拡張させる。
(4)頭付きのボルト(六角頭、皿頭、なべ形頭等)をアンカー本体の雌ねじ部に螺着して器物を押さえ込む。
このアンカーの場合、アンカーを打ち込んだ時点(上記(3)の工程)で施工完了にならず、工程数が多いといった不満がある。
本発明では、長手方向に貫通した先細りの貫通孔を有する中空筒状のアンカー本体と、このアンカー本体の後端部に離脱可能に螺着される螺着頭部と、前記アンカー本体の前記貫通孔内に収納され、前記アンカー本体の後端部に螺着された前記螺着頭部を貫通する打ち込み棒挿通孔から前記貫通孔に挿入される打ち込み棒の打ち込みによって前記アンカー本体の先端部の割り溝付きの拡張部を拡張する芯棒とを具備し、前記螺着頭部は、前記アンカー本体の後端部の雌ねじ部の内側にねじ込んで螺着されるスリーブ状に形成されその内側が前記打ち込み棒挿通孔とされたねじ部と、このねじ部の片端の側部に突出する形状に形成され前記ねじ部を前記アンカー本体の雌ねじ部内側に螺着したときに前記アンカー本体の後側に配置される器物押さえ部とを具備することを特徴とするアンカーを前記課題の解決手段とした。
このアンカーでは、前記螺着頭部が、前記芯棒の前記拡張部側に配置されている先端部とは逆の後端部が突き当てられることで前記アンカー本体の前記貫通孔から前記芯棒が抜け出ることを規制する芯棒用ストッパとして機能するようになっている構成も採用可能である。この構成では、アンカーの搬送時などに、芯棒がアンカー本体の貫通孔から抜け出てしまうことを防止できるといった利点がある。また、上向き施工などにおける施工作業性を向上できるといった利点もある。
また、このアンカーでは、前記螺着頭部が、前記打ち込み棒の側部に張り出すように形成されている当接部と当接されることで、前記アンカー本体への前記打ち込み棒の打ち込み限界深さを決める打ち込み棒用ストッパとして機能する構成も採用可能である。
また、前記芯棒の前記拡張部側に配置されている先端部とは逆の後端部には、該芯棒の側部に張り出した形状の頭部が形成されており、前記貫通孔内に、前記芯棒の頭部が当接されることで、該芯棒の打ち込み限界深さを決める段部が形成されている構成も採用可能である。
図1は、本発明のアンカー(芯棒打ち込み式アンカー)を示す部分断面側面図、図2は図1に示すアンカーの施工状態を示す拡大断面図である。
この拡張部25は、アンカー本体2の後端部22に螺着しておいた螺着頭部3に貫通形成されている打ち込み棒挿通孔31からアンカー本体2の貫通孔21内に挿入される打ち込み棒5の打ち込みよって、この打ち込み棒5に押圧された前記芯棒4が該芯棒4先端の尖鋭部42から前記貫通孔21の細部21c(後述)に押し込まれていくことで、芯棒4によって押し開かれるようにして拡張される。
芯棒ガイド部21bは、内壁面によって、打ち込み棒5の打ち込みに伴う芯棒4(具体的には軸部41)の移動をガイドする機能を果たす部分であり、内壁面によってピン状の芯棒4を傾斜させることなくガイドする。
細部21cは、アンカー本体2の先端面26側に行くほど細くなる概略テーパ状の形状に形成されている。この細部21cは、丁度、アンカー本体2において拡張部25に対応する先端部23に形成されており、打ち込み棒5の打ち込みによって芯棒4が進入してくることで、拡張部25の拡張を円滑に行えるようにする。
前記ねじ部32は、アンカー本体2の後端部22に形成された雌ねじ部27内にねじ込むことでアンカー本体2に螺着される雄ネジ形状になっている。また、螺着頭部3は、前記ねじ部32を前記雌ねじ部27にねじ込む時とは逆向きに回転操作すると、アンカー本体2から離脱することができる。
なお、図示例の器物押さえ部33は、スリーブ状のねじ部32の軸方向片端に形成された皿形の頭部になっているが、これに限定されず、例えば、六角、四角等の多角形状の頭部や、鍋形の頭部などであっても良く、さらに、ねじ部32の側面に張り出すように突出された板状部などであっても良い。
符号34は、螺着頭部3の回転操作用の回転操作部として機能する工具穴であるが、回転操作部としては、工具穴に限定されず、例えば、器物押さえ部33として、前述した六角、四角等の多角形状の頭部を採用した場合は、この頭部(器物押さえ部)自体を回転操作部として機能させることができる。
施工が完了したら、打ち込み棒5はアンカー本体2から引き抜いて撤去する。
なお、図2では、アンカー本体2全体を下孔61に収納した施工状態を例示しているが、例えば、図3に示すように、アンカー本体2の後端部22を下孔61から突出させ、器物7の貫通孔71内に挿入しておくことも可能である。図3の場合は、アンカー1の剪断耐力の確保に有効である。
また、螺着頭部3のねじ部32の、アンカー本体2の雌ねじ部27に対するねじ込み深さdを調整した場合でも、打ち込み棒5の頭部51が、螺着頭部3に当接することで、打ち込み棒5の打ち込みによる施工完了を確認できる。
なお、打ち込み棒5の頭部51は、アンカー本体2に螺着されている螺着頭部3に当接される当接部として機能するものであるが、当接部としては、打ち込み棒5の側部に張り出すように設けられているものであれば良く、頭部51に限定されず、例えば、フランジ状、舌片状等に形成された突片等であっても良い。
本発明において芯棒の長さは、打ち込みによって、拡張部を所望の固定力を発現できるように拡張でき、かつ、全長がアンカー本体2の貫通孔21内に収納されてアンカー本体2に内蔵される範囲で、適宜設定可能である。
本アンカーの適用対象となる母材としては、コンクリート躯体に限定されず、例えばレンガ躯体や、ALC、樹脂等からなる躯体なども対象となる。
Claims (2)
- 長手方向に貫通した先細りの貫通孔を有する中空筒状のアンカー本体と、
このアンカー本体の後端部に離脱可能に螺着される螺着頭部と、
前記アンカー本体の前記貫通孔内に収納され、前記アンカー本体の後端部に螺着された前記螺着頭部を貫通する打ち込み棒挿通孔から前記貫通孔に挿入される打ち込み棒の打ち込みによって前記アンカー本体の先端部の割り溝付きの拡張部を拡張する芯棒とを具備し、
前記螺着頭部は、前記アンカー本体の後端部の雌ねじ部の内側にねじ込んで螺着されるスリーブ状に形成されその内側が前記打ち込み棒挿通孔とされたねじ部と、このねじ部の片端の側部に突出する形状に形成され前記ねじ部を前記アンカー本体の雌ねじ部内側に螺着したときに前記アンカー本体の後側に配置される器物押さえ部とを具備することを特徴とするアンカー。 - 前記螺着頭部が、前記芯棒の前記拡張部側に配置されている先端部とは逆の後端部が突き当てられることで前記アンカー本体の前記貫通孔から前記芯棒が抜け出ることを規制する芯棒用ストッパとして機能するようになっていることを特徴とする請求項1記載のアンカー。
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JP2004107713A JP4511863B2 (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | アンカー |
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Family Applications (1)
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