JP6703221B2 - ボードアンカーの施工用工具 - Google Patents

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Description

この発明は、石膏ボード等の比較的脆い材質のボードを用いて形成された壁面や構造物に対して、外側から物品をねじで固定する場合に用いるボードアンカーの施工用工具に関する。
上記のようなボードに物品をねじ固定する場合に用いる金属製のボードアンカーは、例えば、特許文献1のように、所定の長さを有する可開脚スリーブの一端に基筒部と他端に先端筒を同軸心状に設け、前記基筒部の後端が開口してねじ挿入孔となり、この基筒部の後端外周に頭部が設けられ、前記先端筒の先端にねじをねじ込むためのねじ孔を設けた構造になっている。
上記可開脚スリーブは、軸方向に沿う複数のスリットで例えば四本の開脚板に分割され、両端が外折れで中間部が中折れの可曲部となり、頭部に対してねじ孔を引き寄せて軸方向の圧縮力を加えると、前記各開脚板は各可曲部の部分から外方に二つ折り状となって開脚することになり、前記頭部から基筒部の先端までの寸法は、ボードアンカーを固定せんとするボードの板厚に適合するように設定されている。
従来、このようなボードアンカーをボードに固定し、このボードに前記ボードアンカーを介して部材を取付ける方法は、特許文献1のように、ボードに対する下孔の穿孔工程、下孔に対するボードアンカーの挿入工程、ボードアンカーに対してねじをねじ込んで可開脚スリーブを開脚させるアンカー固定工程、ボードに固定したボードアンカーからねじを抜き取る工程、部材に挿通したねじをボードアンカーにねじ込み、ボードアンカーを介してボードに部材を取付る部材固定工程を経て行われていた。
上記のようなボードアンカーの固定作業に携わる分野においては、施工作業の向上化が望まれていると共に、特別な技術や経験を必要とすることなく、常に所定の固定強度が得られる施工を実施したいとする要望があり、これらを達成するには、施工時の工程数の削減を図ることができ、同時に、可開脚スリーブの開脚位置と開脚状態の一定化を確保できるようにするのが重要である。
特許文献1には、施工に使用する工具の兼用化を図り、工具の付け替えに要する手間を省くことで施工能率を図らんとする固定用工具が示されており、ねじをねじ込むビットの後部に下孔穿孔部を連ねて設けた構造になっている。
上記のような固定用工具は、ねじをねじ込むビットの後部に設けた下孔穿孔部が、ボードアンカーを挿入するための下孔に見合う外径に形成され、これを用いた施工は、先ず、固定用工具でボードに下孔を貫通状に穿設する工程と、固定用工具を抜き取ったこの下孔にボードアンカーを挿入する工程と、ボードアンカーに対するねじのねじ込みによる可開脚スリーブの開脚工程と、開脚したボードアンカーからのねじの抜き取り工程と、部材に挿通したねじのボードアンカーへのねじ込み工程からなり、これらの各工程を、前記固定用工具だけで行うことができるようにしている。
このような固定用工具は、施工に使用する工具がこれ一種類だけで済むことになるので、回転駆動機に対する工具取り替え作業の手間が省け、その分作業能率の短縮化が図れることになる。
特開2009−50969号公報
しかしながら、特許文献1のような固定用工具は、ボードに対して最初に下孔を開けるという工程を行うことになっているため、その後に下孔へのボードアンカーの挿入工程やボードアンカーへのねじの挿入工程が必要になり、回転駆動機に対する工具取り替え作業の手間が省けるだけで、ボードアンカーの直接的な扱いに関して、実質的な施工工程の削減にはなっていないといえる。
また、ボードアンカーの施工において、ボードアンカーの開脚は、下孔に挿入したボードアンカーにねじをねじ込み、ねじ孔を引き寄せて可開脚スリーブに軸方向の圧縮力を加えることによって行うものであるが、特許文献1に示されているように、従来のボードアンカーとこれにねじ込むねじの関係は、ボードアンカーの先端筒部にねじ孔を設け、このねじ孔にねじ込むねじは、その軸部がボードアンカーよりも長い長さを有し、前記軸部の全長にわたって雄ねじを設けた構造になっていた。
ところで、可開脚スリーブの開脚はボードの裏面側で発生するため、作業者はこれを目視確認することができないことになるため、従来のボードアンカーとこれにねじ込むねじの構造においては、可開脚スリーブの開脚発生完了の確認を、ねじをねじ込み回転させているときの回転抵抗の増大による作業者の感触に頼っていた。
このような開脚の確認方法は、どうしても開脚状態に過不足が生じやすく、ねじのねじ込み回転終了時の締め付け力が不足した場合、可開脚スリーブは開脚不足となってボードの裏面に対する十分な重なりが確保できず、また、ねじの締め付け力が強すぎると、ねじ孔がボード側へ過剰に引き寄せられることで可開脚スリーブは傘状に屈曲してボードに食い込み、ボートの裏面に大きな破壊を発生させることになり、何れにしても、開脚状態の過不足は、ボードに対するボードアンカーの固定強度が低下し、このボードアンカーを介してボードに取付ける部材の必要とする取付け強度が得られないことになる。
そこで、この発明の課題は、ボードに設ける穿孔工程と、ボードへのボードアンカーの挿入工程を同時に施工して、これに続くボードアンカーの開脚を連続的に行うことができ、ボードアンカーに直接関与する工程を実質的に削減して施工作業の能率向上が図れると共に、ボードアンカーを開脚させる場合の過不足の発生をなくし、ボードに対して常に所定の固定強度が得られるように施工できるボードアンカーの施工用工具を提供することにある。
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、可開脚スリーブの一端に頭部と他端にねじ孔を設けて形成され、前記可開脚スリーブが軸方向の圧縮力で外側に張り出すように開脚するようになっているボードアンカーをボードに固定するための施工用工具であり、シャンクと、このシャンクの先端側に同軸心状に設けられたアンカー取付軸とからなり、前記アンカー取付軸は、前記ボードアンカーを貫通することができるように該ボードアンカーの全長よりも長く、先端に位置する誘導孔形成用の穿孔刃先と、前記穿孔刃先からシャンクに向かう途中の範囲に設けられ、取付軸に外嵌したボードアンカーのねじ孔が螺合し、このねじ孔を引き寄せることで可開脚スリーブを開脚させるための雄ねじ部と、前記雄ねじ部の後端側に位置し、この雄ねじ部の谷径よりも小径となる小径部と、前記小径部とシャンクの間に位置する無ねじ部とによって形成され、前記無ねじ部に、アンカー取付軸に外嵌したボードアンカーのねじ孔が雄ねじ部に螺合し、このボードアンカーのねじ孔から穿孔刃先が突出する状態で、ボードアンカーの頭部を受ける頭部受け部が設けられ、前記穿孔刃先が、ボードアンカーに対するねじをねじ込むためのビットを兼ねるように形成されているようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記頭部受け部は、無ねじ部のシャンク寄りの位置に設けられ、無ねじ部に対して回転可能に外嵌し、ボードアンカーの頭部を受けた状態でアンカー取付軸に対するボードアンカーの供回り発生を抑える滑りワッシャによって形成されているようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、上記アンカー取付軸は、無ねじ部と小径部の先端までの合計長さがボードアンカーの全長よりも短く、前記小径部が、ボードアンカーの頭部が頭部受け部に当接した状態で、前記ボードアンカーのねじ孔よりもシャンク側に有り、ねじ孔が雄ねじ部の後端から離脱してこの小径部に納まることで可開脚スリーブの適正な開脚が得られる位置に設定されているようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの発明において、上記穿孔刃先と雄ねじ部の先端部分は、先端から後方へ徐々に拡径した部分を備え、前記穿孔刃先は軸方向に延びるよう外面に設けた複数本の係合溝によってビットを形成し、この係合溝のねじ込み回転に対する後方縁が削孔用の刃先になっているようにしたものである。
ここで、上記したボードアンカーは、頭部の外周縁に、ボードに対して突き刺すことで、施工用工具やねじに対して供回り発生を防ぐ爪が設けられ、更に、先端筒の先端外周には、施工用工具の穿孔刃先による削孔の外側を切り抜き、ボードアンカーをボードに進入させるための切削刃が突設されている。
また、ボードアンカーにおける可開脚スリーブの各開脚板は、中間部に位置する中折れの可曲部が少し外方に張り出した形状に形付けされ、軸方向の圧縮力が加わった場合に、中折れの可曲部で二つ折り状となって、可開脚スリーブに外方への二つ折り状態が確実に得られるようになっている。
この発明によると、アンカー取付軸にボードアンカーのねじ孔が螺合する雄ねじ部を設け、このアンカー取付軸の先端に設けた穿孔刃先を、ボードアンカーに対するねじをねじ込むためのビットを兼ねるように形成したので、ボードアンカーを装着したアンカー取付軸をボードにねじ込むだけで、穿孔刃先によるボードの穿孔とこのボードに対するボードアンカーの嵌挿が同時に行え、従来工程の下孔穿孔とこの下孔へのボードアンカーの挿入が同時に行え、しかも、ボードアンカーの開脚工程が連続して行えるので、ボードアンカーのボードへの固定において、ボードアンカーに直接関与する工程の削減が図れ、同時に、回転工具に対する工具の付け替えが不要になるので、ボードに対するボードアンカー固定作業の能率向上化が図れることになる。
また、アンカー取付軸に雄ねじ部とその後端に小径部を設けたので、雄ねじ部によるねじ孔の引き寄せでボードアンカーを開脚させるとき、ねじ孔が小径部に達した時点でねじ孔の引き寄せが停止することになり、この時点で可開脚スリーブが所定の開脚状態になるので、可開脚スリーブの開脚状態を一定化して過不足の発生を無くすことができ、これにより、特別な経験や技術のない作業者でも、可開脚スリーブがボードの裏面に当接する開脚状態に施工でき、過剰な開脚や開脚の不足を原因とする問題が無くなり、ボードに対するボードアンカーの固定において、常に必要とする強度が得られることになる。
更に、アンカー取付軸にボードアンカーの頭部を受ける頭部受け部を設けることにより、ボードアンカーの頭部をボードに当接させて軸方向に位置決めし、可開脚スリーブの開脚を発生させる基点を確保することができ、この頭部受け部を滑りワッシャで形成することにより、ボードアンカーとアンカー取付軸の間に滑りを生じさせることができ、アンカー取付軸のねじ孔を引き寄せる回転に対してボードアンカーの供回り発生を抑え、可開脚スリーブの開脚を確実に生じさせることができる。
(a)はこの発明に係る施工用工具の全体形状を示す正面図、(b)はこの施工用工具の穿孔刃先とこれに続く雄ねじ部の先端部分を拡大した縦断正面図、(c)は(b)の矢印c−cでの縦断面図 この発明に係る施工用工具にボードアンカーを外嵌状にセットし、ボードに対してボードアンカーを前記施工用工具によって固定する施工工程開始時の状態を示す縦断面図 ボードに対してボードアンカーを貫通させ、全体を押し込んで頭部をボードに当接させた状態を示す断面図 図3の状態から施工用工具をねじ込み回転させてボードアンカーのねじ孔を引き寄せ、ボードアンカーの可開脚スリーブを二つ折りにして該ボードアンカーをボードに固定した状態を示す一部切り欠き断面図 ボードに固定したボードアンカーから施工用工具を抜き取った状態を拡大して示す断面図 ボードに固定したボードアンカーに施工用工具で部材固定用のねじをねじ込んでいる状態を示す断面図 ボードに固定したボードアンカーにねじ込んだねじでボートに部材を固定した施工終了時の状態を示す断面図 ボードアンカーの構造とこれにねじ込む部材固定用ねじを示す一部切り欠き正面図
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図8は、石膏ボードのようなボードに固定するために用いられているボードアンカー1の好ましい一例を示し、可開脚スリーブ2の一端(後端)に設けた基筒部3と他端(先端)に設けた先端筒部4からなり、前記基筒部3の後端がねじ挿入孔5となって開口し、この基筒部3の後端外周に頭部6と、前記先端筒部4の先端内にねじ孔7が設けられ、前記頭部6の外周前面縁にボードに対して突き刺す供回り防止爪8と、更に、先端筒4の先端外周から前方に突出する切削刃9とを備えた構造になっている。
上記ボードアンカー1は、例えば、金属板材を用いて基筒部3と先端筒部4を同軸心の円筒状に加工し、基筒部3と先端筒部4をつなぐ可開脚スリーブ2は、図示のように、ボードアンカー1の長さ方向に沿う四枚の開脚板10を隣接する開脚板10間にスリット10aを設けた状態で円筒状に配置して形成され、各開脚板10は、基筒部3と先端筒部4に連なる両端部分が外折れの可曲部11aと11bで長さ方向の中間位置が内折れの可曲部12となり、しかも、内折れの可曲部12が少し外方に張り出した折れ曲がり形状に形付けされ、可開脚スリーブ2に軸方向の圧縮力が加わった場合に、各開脚板10は、各可曲部11aと11b及び12の部分が折れ曲がり、外方へ突出する二つ折り状となる。
このボードアンカー1は、頭部6の前面から基筒部3の先端(外折れの可曲部11a)までの長さが、このボードアンカー1を固定せんとするボードの板厚に見合うように設定され、従って、ボードにボードアンカー1を貫通させて頭部6をボードの表面に当接させたとき、可開脚スリーブ2と先端筒部4が前記ボードの裏面側に突出することになり、このようなボードアンカー1は、頭部6の前面から基筒部3の先端までの長さの異なるものを複数製作しておくことにより、板厚の異なるボードに対処することができる。
なお、ボードに固定したボードアンカー1を用いて物品を該ボードに固定するため、ボードアンカー1内に頭部6側のねじ挿入孔5から挿通してねじ孔7にねじ込むためのねじ13が別途用意され、このねじ13は、先鋭状となる螺軸14の後端に頭部15を設けて形成され、頭部15にはドライバービットの係合溝16が設けられている。
図1(a)乃至(c)は、上記したボードアンカー1をボードに固定すると共に、このボードアンカー1にねじ13をねじ込むために用いるこの発明の施工用工具21を示し、回転駆動機aのチャックで固持することができるよう、六角形のような多角形軸に形成したシャンク22と、このシャンク22の先端側に同軸心状に設けられたアンカー取付軸23とからなり、前記アンカー取付軸23は、ボードアンカー1を貫通することができるように、該ボードアンカー1の全長に対して先端がボードアンカー1から所定長さ突出する程度の長さと、ボードアンカー1内に対して回転可能に納まる直径を有している。
上記アンカー取付軸23は、先端に位置する誘導孔形成用の穿孔刃先24と、前記穿孔刃先24からシャンク22に向かう途中の範囲に設けられた雄ねじ部25と、前記雄ねじ部25の後端側に位置し、この雄ねじ部25の谷径よりも小径となる小径部26と、前記小径部26とシャンク22の間に位置するストレートな無ねじ部27とによって形成され、この無ねじ部27の後端にボードアンカー1の頭部6を受ける頭部受け部28が設けられ、更に、前記穿孔刃先24が、ボードアンカー1に対するねじ13をねじ込むためのビット24aを兼ねるようになっている。
先ず、上記穿孔刃先24は、図1(b)と(c)のように、先端が鈍角の角度で尖っていて外周が先端から後方へ徐々に拡径した形状を有し、ボードアンカー1のねじ孔7を通過できるようになっており、先端から軸方向に延びるよう外面に設けた四本の凹溝29によって、ボードアンカー1に対するねじ13の頭部15に設けた係合溝16に係合するねじ込み用ビット24aを形成し、前記凹溝29のねじ込み回転に対する後方縁が削孔用の刃先縁29aとなり、ボードbに対する誘導孔の穿孔とその後におけるボードアンカー1へのねじ13のねじ込み作業の兼用がきるようになっている。
次に、雄ねじ部25は、上記ボードアンカー1のねじ孔7に螺合し、このねじ孔7を引き寄せることで上記可開脚スリーブ2を開脚させるためのものであり、先端が上記穿孔刃先24の後端から始まってアンカー取付軸23の略中間に達する程度の長さを有し、図1(b)の拡大図ように、この雄ねじ部25の先端部外周も先端から後方へ徐々に拡径したテーパー部分25aを備え、ねじ孔7への螺合が円滑に行えるようになっていると共に、穿孔刃先24に設けた凹溝29は、穿孔刃先24の先端から始まって雄ねじ部25のテーパー部分25aよりも少し後方位置にまで達するような長さに形成されている。
上記小径部26は雄ねじ部25の谷径よりも小径で、ボードアンカー1のねじ孔7の軸方向全長よりも長い長さとなり、雄ねじ部25の後端に連続して位置することにより、雄ねじ部25に螺合したねじ孔7が後方に移動してこの雄ねじ部25の後端から小径部26に嵌ると、施工用工具21とボードアンカー1の螺合関係が解けることになる。
なお、無ねじ部27の外径は、ボードアンカー1に挿通できる条件で任意に設定すればよいが、図示の場合、小径部26よりも少し大径に設定し、アンカー取付軸23の強度を確保するようにしている。
上記アンカー取付軸23を形成する各部の長さとボードアンカー1の関係は、図2の組み合わせセット状態のように、雄ねじ部25と小径部26の合計長さがボードアンカー1の全長よりも少し短く、無ねじ部27はボードアンカー1の半分程度の長さになっており、アンカー取付軸23に装着したボードアンカー1の頭部6が頭部受け部28に接する状態において、雄ねじ部25の途中位置がねじ孔7に螺合し、この雄ねじ部25の先端側と穿孔刃先24がボードアンカー1の先端から前方に突出することになる。
また、アンカー取付軸23における上記小径部26は、ボードアンカー1のねじ孔7が雄ねじ部25の後端から離脱してこの小径部26に嵌り、可開脚スリーブ2が二つ折りに開脚した時点で、この可開脚スリーブ2がボードの裏面に当接する位置に設定され、従って、雄ねじ部25の後端に連ねて設けた小径部26は、可開脚スリーブ2の開脚位置と開脚状態を一定に適正化して開脚の過不足発生をなくすためのものである。
上記アンカー取付軸23において、上記無ねじ部27に設けた上記頭部受け部28は、アンカー取付軸23に外嵌したボードアンカー1の頭部6を受けるため、無ねじ部27よりも大径となるシャンク22の先端面でもよいが、図示の場合は、無ねじ部27の後端でシャンク22の先端面に当接する金属製の滑りワッシャ28aと、このワッシャ28aの前面に重なる硬質樹脂の滑りワッシャ28bの組み合わせによって形成し、二枚のワッシャ28aと28bは無ねじ部27に外嵌するよう回転可能に取付られ、ボードアンカー1の頭部6を受けた状態でアンカー取付軸23に対するボードアンカー1の供回り発生を効果的に抑えるようにした例を示している。
この発明の施工用工具21は、上記のような構成であり、次に、この施工用工具21を用いたボードアンカー1の施工と部材の固定工程を説明する。なお、使用するボードアンカー1とボードbの関係は、ボードbの板厚に対して基筒部3の長さが合うボードアンカー1を使用する。
図2のように、先ず、施工用工具21のアンカー取付軸23にボードアンカー1を外嵌挿入し、ねじ孔7を雄ねじ部25に螺合して頭部6を頭部受け部28に当接させた状態にセットしておき、シャンク22をチャックで固持することで回転駆動機aにこの施工用工具21を取付ける。
次に、ボードbの表面でボードアンカー1を固定せんとする位置に施工用工具21の穿孔刃先24を臨ませ、施工用工具21をねじ込み方向に回転させて穿孔刃先24をボードbに押し付けると、穿孔刃先24はその外径に見合う誘導孔を穿孔しながら雄ねじ部25がねじ込まれ、これに続いて、アンカー取付軸23に外嵌装着したボードアンカー1が、施工用工具21と一体に回転しながら先端の切削突起9でボードbを円弧孔に切り込みながら進入する。
上記ボードアンカー1が先端の切削突起9でボードbを円弧孔に切り込むとき、その中心に穿孔刃先24で誘導孔が先に穿孔され、この切削突起9は雄ねじ部25に同軸心状に保持されているので、ボードbの切り込み時における心振れの発生がなく、誘導孔の外側を切り込むことで抵抗を減少させることができ、しかも、先行する誘導孔で進入方向が誘導されるので、ボードbに対するボードアンカー1の進入工程が円滑に行え、切削突起9がボードbの裏面に突き出ると、ねじ込みのための回転抵抗が減少するので、ボードアンカー1を押し込むことができる。
なお、上記ボードアンカー1のねじ込み工程時に、施工用工具21に対してボードアンカー1に回転方向の抵抗が生じるため、雄ねじ部25とねじ孔7の螺合部分によってボードアンカー1は、その頭部6が頭部受け部28に圧接することで、前記雄ねじ部25とねじ孔7の螺合部分は空転できない関係になり、ボードアンカー1の切削突起9によるボードbの円弧孔の切り込みが行えることになる。
上記ボードアンカー1がボードbを貫通してその切削突起9がボードbの裏面側に突出すると回転駆動機aを止め、そのまま回転駆動機aで施工用工具21を前方へ押し込み、一体に前進するボードアンカー1の可開脚スリーブ2から基筒部3をボードbに進入させ、頭部受け部28で押した頭部6をボードbの表面に当接させると、図3のように、この頭部6の周囲に設けた突起8がボードbの表面に食い込み、ボードアンカー1はボードbに固定化されることで、施工用工具21に対して回り止め状になり、この状態でボードアンカー1は、可開脚スリーブ2から先端側がボードbの裏面側に突出し、可開脚スリーブ2の後端側にある可曲部11aが丁度ボードbの裏面に近接もしくは一致することになる。
上記のようなボードアンカー1の押し込み状態で、回転駆動機aを再度起動して施工用工具21を押し込んだままねじ込み方向に回転させると、図4のように、回転する雄ねじ部25に対してねじ孔7は回り止めとなっているので、このねじ孔7は雄ねじ部25の送り作用によって頭部6側に引かれ、これによって可開脚スリーブ2を軸方向に圧縮することになる。
なお、ボードアンカー1の頭部6を受ける頭部受け部28は、上記ボードアンカー1の突起8の突き刺しによる回り止め固定に対して、施工用工具21をねじ込み回転させたときに、頭部6とシャンク22の間でスリップを生じさせ、ボードアンカー1に供回りが生じないようにする。
上記可開脚スリーブ2は、軸方向の圧縮力によって両端の外折れ可曲部11aと11b及び中間の中折れ可曲部12の部分が所定の方向に折れ曲がることによって、各開脚板10は二つ折りとなって外方へ四方に張り出し、図4のように、引き込まれたねじ孔7が雄ねじ部25の後端から小径部26に落ち込んだ時点で引き込みが停止し、この時点で前記可開脚スリーブ2の開脚も終了することになり、可開脚スリーブ2は開脚終了時に完全な正規の開脚状態となってボードbの裏面に重なることになり、開脚した前記可開脚スリーブ2と頭部6でボードbを両面から挟み込み、ボードbに対するボードアンカー1の固定状態が得られることになる。
上記のように、ねじ孔7が雄ねじ部25の後端から小径部26に落ち込むと、雄ねじ部25による送り作用がなくなるので、施工用工具21がねじ込み回転していてもねじ孔7を過剰に引き込むことはなく、可開脚スリーブ2の完全な正規の開脚状態がそのまま維持されることになり、従って、ボードアンカー1の可開脚スリーブ2を、ねじ孔7が落ち込む小径部26の位置で正確に開脚させることができ、これにより、特別な技術や経験を必要とすることなく、誰でも下孔の穿孔や開脚の考えることなく施工できると共に、開脚の過不足やボードbの裏面に対する破損の発生を防ぐことができるので、ボードアンカー1のボードbに対する必要な固定強度が得られることになる。
図4のように、上記ねじ孔7が小径部26に落ち込んで可開脚スリーブ2が開脚したら、回転駆動機aを逆回転に切り替え、図5に示すように、固定となるねじ孔7に対して雄ねじ部25が回転することで施工用工具21が押し戻され、ボードアンカー1から施工用工具21を抜き取る。
上記したここまでの工程においては、回転駆動機aに施工用工具21を取り付けたまま連続的に施工することができ、従って、回転駆動機aに工具を付け替えるための手間が省けると共に、ボードbに対するボードアンカー1のねじ込みから開脚固定までが連続して行えるので、ボードbへのボードアンカー1の固定に要する工程数の削減が図れることになる。
次に、図6のように、ボードbに取り付けんとする部材cを該ボードの表面に臨ませ、この部材cを貫通させたねじ13の頭部15に施工用工具21のビットとなる穿孔刃先24を係合させ、前記ねじ13をボードアンカー1内に挿入してねじ込み方向に回転駆動機aを回転させ、ねじ13をボードアンカー1のねじ孔7に螺合して締め付ければ、図7のように、ボードbに固定したボードアンカー1を介してボードbに部材cを固定することができ、このように、施工用工具21は、回転駆動機aに取付けたままねじ13のねじ込み作業も続けて行えるので、工具を付け替えるための手間が不要となり、作業効率の向上が図れる。
1 ボードアンカー
2 可開脚スリーブ
3 基筒部
4 先端筒部
5 ねじ挿入孔
6 頭部
7 ねじ孔
8 供回り防止爪
9 切削刃
10 開脚板
10a スリット
11a 外折れの可曲部
11b 外折れの可曲部
12 内折れの可曲部
13 ねじ
14 螺軸
15 頭部
16 係合溝
21 施工用工具
22 シャンク
23 アンカー取付軸
24 穿孔刃先
24a ビット
25 雄ねじ部
26 小径部
27 無ねじ部
28 頭部受け部
29 凹溝

Claims (4)

  1. 可開脚スリーブの一端に頭部と他端にねじ孔を設けて形成され、前記可開脚スリーブが軸方向の圧縮力で外側に張り出すように開脚するようになっているボードアンカーをボードに固定するための施工用工具であり、シャンクと、このシャンクの先端側に同軸心状に設けられたアンカー取付軸とからなり、前記アンカー取付軸は、前記ボードアンカーを貫通することができるように該ボードアンカーの全長よりも長く、先端に位置する誘導孔形成用の穿孔刃先と、前記穿孔刃先からシャンクに向かう途中の範囲に設けられ、取付軸に外嵌したボードアンカーのねじ孔が螺合し、このねじ孔を引き寄せることで可開脚スリーブを開脚させるための雄ねじ部と、前記雄ねじ部の後端側に位置し、この雄ねじ部の谷径よりも小径となる小径部と、前記小径部とシャンクの間に位置する無ねじ部とによって形成され、前記無ねじ部に、アンカー取付軸に外嵌したボードアンカーのねじ孔が雄ねじ部に螺合し、このボードアンカーのねじ孔から穿孔刃先が突出する状態で、ボードアンカーの頭部を受ける頭部受け部が設けられ、前記穿孔刃先が、ボードアンカーに対するねじをねじ込むためのビットを兼ねるように形成されているボードアンカーの施工用工具。
  2. 上記頭部受け部は、無ねじ部のシャンク寄りの位置に設けられ、無ねじ部に対して回転可能に外嵌し、ボードアンカーの頭部を受けた状態でアンカー取付軸に対するボードアンカーの供回り発生を抑える滑りワッシャによって形成されている請求項1に記載のボードアンカーの施工用工具。
  3. 上記アンカー取付軸は、無ねじ部と小径部の先端までの合計長さがボードアンカーの全長よりも短く、前記小径部が、ボードアンカーの頭部が頭部受け部に当接した状態で、前記ボードアンカーのねじ孔よりもシャンク側に有り、ねじ孔が雄ねじ部の後端から離脱してこの小径部に納まることで可開脚スリーブの適正な開脚が得られる位置に設定されている請求項1又は2に記載のボードアンカーの施工用工具。
  4. 上記穿孔刃先と雄ねじ部の先端部分は、先端から後方へ徐々に拡径した部分を備え、前記穿孔刃先は軸方向に延びるよう外面に設けた複数本の係合溝によってビットを形成し、この係合溝のねじ込み回転に対する後方縁が削孔用の刃先になっている請求項1乃至3の何れかに記載のボードアンカーの施工用工具。
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