JP3883836B2 - 差動排気シール装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体製造装置等に用いられるある空間と空間の間を非接触でシールする差動排気シール機構を具備する差動排気シール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
差動排気シールに関する技術としては、米国特許第4,118,042号明細書、米国特許第4,191,385号明細書及び米国特許第4,425,508号明細書に開示されたものがあり、これらは半導体製造装置に適用した状態で紹介されている。これらは真空空間に代表される清浄空間内で、物の移動(回転運動、直線運動)をさせるにあたって、清浄な空間を汚染させないで高速に又は滑らかにシールを実現したい場合に用いられている。
【0003】
上記差動排気シールの用いられ方には、少なくとも2つの方向性があり、1つは移動の駆動源やガイド機構等を清浄空間外に配置し、最小限の構造体と被移動試料のみを清浄空間内に入れるために用いる場合であり、2つめは、静圧流体軸受(例えば、エアベアリング)を用いる場合である。この2つめの場合は2つの空間として、(1)軸受を清浄空間内で用い、軸受の流体空間と清浄空間とをシールする場合、(2)軸受は清浄空間外で用い、清浄空間とその外とをシールする場合がある。
【0004】
差動排気シール機構は、非接触で2つの空間を分離できる。この特徴は十分に利点として理解され,具体的装置へ適用される傾向にある。差動排気シール機構が機能している定常状態では、確かに非接触シールという機能が突出した利点として理解されがちである。しかしながら、具体的な装置の信頼性や寿命、清浄度などトータル的な視点で考えると、差動排気シールが機能していない状態、即ち非定常な状態での影響(特徴)を十分理解する必要がある。
【0005】
装置の運用を想定すれば、差動排気シール機能が継続不能になった場合(緊急停止時等)や装置全体が運休する場合等である。この時、非接触シールゆえのデメリットがある。それは2つの空間を分離していた見えない壁が無くなるわけであるから、そのデメリットを想像することは容易である。例えば、清浄な空間=真空中とその外の空間=大気中とを非接触に分離していた差動排気シール機構が急に停止した場合、瞬く間に大気中の空気が清浄であった真空空間を満たしてしまう。
【0006】
通常真空度を向上させるために、一番影響のある物質が水分であり、大気中の湿度がそれである。通常のクリーンルーム内湿度は、40〜55%程度であり、多くの水分を含んでいる。この水分を差動排気シール機構の停止毎に吸い込んでしまう装置構成では、清浄化した真空チャンバー内の真空度を向上させるには困難を伴う。通常の真空チャンバーを備えた装置では、真空チャンバー内に大気を入れることは無く、入れるガスの湿度は極めて低くしている。また、差動排気シール機構の停止毎に大気が浸入するということは、大気中のパーティクルが真空チャンバー内に混入するということも否定できない。
【0007】
上記のように、非接触シールである差動排気シール機構がその機能を停止した状態では、大きな亀裂のある真空チャンバーと同じで、従来の真空装置分野の常識的見解では「素性の悪い装置」ということになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、上記非接触シールである差動排気シール機構のデメリットを解消でき、差動排気シール機構の停止した時又は停止している時でも該差動排気シール機構でシールされている空間を停止前の状態、例えば清浄空間を清浄状態に維持できる差動排気シール装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、半導体製造装置に用いる差動排気シール装置であって、作動流体供給源を備えた静圧軸受と、第1の空間と該第1の空間より圧力が高い第2空間の間を非接触状態でガスをシールする差動排気シール機構と、第1の空間と第2の空間の間を接触状態でシールする非定常時シール機構とを備え、非定常時シール機構、静圧軸受、差動排気シール機構は、第2空間から第1空間の方向に向かって順に配置され、非定常時シール機構は差動排気シール機構が停止した時又は該差動排気シール機構が停止しているのみ動作して第1の空間と第2の空間の間をシールすることを特徴とする。
【0010】
上記のように非定常時シール機構を設け、該非定常時シール機構は差動排気シール機構が停止した時又は停止しているのみ動作し第1の空間と第2の空間の間をシールするので、第1の空間と第2の空間は差動排気シール機構が停止した時又は停止しているでも作動している状態と略同じ状態を維持することができる。また、静圧軸受と差動排気シール機構を設けたので、静圧軸受で微小隙間が維持でき、差動排気シール機構の差動排気シール性能を安定して維持することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の差動排気シール装置において、非定常時シール機構は前記第1の空間と第2の空間の間をシールするシール部材を具備し、該シール部材は差動排気シール機構の作動時は静圧軸受から第2の空間に向かって流れる作動流体の流体力又は外部力で非接触の状態を維持してシール機能を停止し、該差動排気シール機能の停止時は自身の弾性又は外部力で接触状態を維持してシール機能を発揮するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
上記のようにシール部材は差動排気シール機構の作動時は静圧軸受から第2の空間に向かって流れる作動流体の流体力又は外部力で非接触の状態を維持してシール機能を停止し、該差動排気シール機能の停止時は自身の弾性又は外部力で接触状態を維持してシール機能を発揮するように構成したので、非定常時シール機構を簡素に構成できる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の差動排気シール装置において、第1の空間と第2の空間を仕切る仕切壁を備えると共に、該仕切壁貫通する可動体を備え、非定常時シール機構は、仕切壁と可動体の間の間隙を接触状態で遮蔽して第1の空間と前記第2の空間の間をシールすることを特徴とする。
【0014】
上記のように非定常時シール機構は、仕切壁と可動体の間の間隙を接触状態で遮蔽して第1の空間と前記第2の空間の間をシールするので、請求項1に記載の発明と同様、第1の空間と第2の空間は差動排気シール機構が停止した時又は停止しているでも作動している状態と略同じ状態を維持することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の差動排気シール装置において、非定常時シール機構は、仕切壁と前記可動体の間の間隙を開閉するためのシャッター機構を具備し、該シャッター機構は差動排気シール機構が停止した時又は該差動排気シール機構が停止している間のみ動作して第1の空間と第2の空間の間をシールすることを特徴とする
【0016】
上記のように差動排気シール機構が停止した時又は該差動排気シール機構が停止している間のみ動作して仕切壁と前記可動体の間の間隙を閉じるシャッター機構を具備するので、非定常時シール機構を簡素な構成とすることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の差動排気シール装置において、非定常時シール機構は、仕切壁又は可動体シール部材を具備し、該シール部材は差動排気シール機構が停止している時は自身の弾性力で前記仕切壁又は可動体に接触してシール機能を発揮し、該差動排気シール機構が動作している時は静圧軸受から第2の空間に向かって流れる作動流体の流体力により非接触状態を維持しシール機能を停止するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
上記のように非定常時シール機構のシール部材は差動排気シール機構が停止している時は自身の弾性力で前記仕切壁又は可動体に接触してシール機能を発揮し、該差動排気シール機構が動作している時は静圧軸受から第2の空間に向かって流れる作動流体の流体力により非接触状態を維持しシール機能を停止するように構成されているので、非定常時シール機構を作動させるために格別な作動手段を設けることがなく、非定常時シール機構を更に簡素にできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。本発明に係る差動排気シール装置をわかり易くするために簡略化した差動排気シール機構と静圧軸受を具備する差動排気シール装置の構成例を図1及び図2に示す。図示するように、第1の空間である清浄空間領域1、第2の空間である大気領域2があり、その間に仕切壁3が配設されている。この仕切壁3を貫通して可動体4が設けられている。図示しない駆動源を第2の空間である大気領域2側に備え、可動体4によって第1の空間である清浄空間領域1側にある図示しない試料片などを移動させることができるようになっている。
【0020】
第1の空間である清浄空間領域1と第2の空間である大気領域2を分離するために、差動排気シール機構5を備え、更に可動体4を支持するため静圧軸受6を備えている。このように差動排気シール機構5及び静圧軸受6を具備することにより、可動体4は摺動抵抗を受けることなく、滑らかに動くことができる。差動排気シール機構5は複数の排気溝5−1、5−2、5−3を具備し、該排気溝5−1、5−2、5−3のそれぞれの排気ポートは図示しないバルブを通して真空排気系に接続されるようになっている。
【0021】
差動排気シール機構5が作動している状態では、静圧軸受6の作動流体の作動流体供給ポート6−1は図示しないバルブを介して作動流体供給源に接続され、該作動流体供給ポート6−1の圧力はP1となっている。また、差動排気シール機構5の排気溝5−1、5−2、5−3の各排気ポートは真空排気系に接続され、該各排気ポートの圧力はV2、V3、V4となっている。また、清浄空間領域1は図示しないバルブを介して真空排気系に接続されて、該清浄空間領域1の圧力はV1となっている。
【0022】
仕切壁3の第2の空間である大気領域2に近い部分には非定常時シール機構7を配置している。該非定常時シール機構7は仕切壁3の可動体4との対向面に出没自在に設けたシール部材8を具備する。図1は差動排気シール機構5が作動している状態を、図2は差動排気シール機構5が停止している状態をそれぞれ示す。差動排気シール機構5が作動している状態では、静圧軸受6から出る作動流体は矢印に示すように第2の空間である大気領域2側と差動排気シール機構5側に流れる。差動排気シール機構5側に流れた作動流体は、排気溝5−3、5−2、5−1から順次排気され、ほんの僅かな量が清浄空間領域1に流入する。
【0023】
なお、図示しないが、3個の排気溝5−1、5−2、5−3の内、清浄空間領域1側の排気溝5−1をパージガスポートとして用いることもある。図1に示す差動排気シール機構5が作動している状態では、見えない壁(非接触シール機構=差動排気シール機構)で分離されている。
【0024】
差動排気シール機構5が停止している場合は、差動排気シール機構5の3個の排気溝5−1、5−2、5−3の各排気ポートは図示しないバルブによって真空排気系から遮断されている。また、静圧軸受6用の作動流体の作動流体供給ポート6−1は図示しないバルブによって遮断されている。また、第1の空間である清浄空間領域1は図示しないバルブによって遮断されている。このとき非定常時シール機構7の作動流体供給ポート7−1に作動流体を供給することにより、シール部材8が突出し、その端部が可動体4に密接してシール機能を開始し、第1の空間である清浄空間領域1と第2の空間である大気領域2を分離するので、第1の空間である清浄空間領域1の圧力V1は多少悪化するがV1’程度(V1<V1’)で維持される。
【0025】
また、上記差動排気シール機構5が停止し、非定常時シール機構7のシール部材8がシール機能を開始した後、第1の空間である清浄空間領域1内は清浄度の高いガスで満たしてもよい。
【0026】
図3は本発明に係る差動排気シール機構と静圧軸受を具備する差動排気シール装置の動作を説明するための図で、図3(a)は差動排気シール機構が作動している状態を、図3(b)は差動排気シール機構が停止している状態をそれぞれ示す。図3において、8’は非定常時シール機構7’のシール部材であり、該シール部材8’は弾性体材からなり、先端部は細いリップ状になっている。
【0027】
差動排気シール機構5が作動している状態、即ち静圧軸受6から出る作動流体が図3(a)の矢印に示すように第2の空間である大気領域2側と差動排気シール機構5側に流れている状態で、第1の空間である清浄空間領域1の圧力V1、第2の空間である大気領域2の圧力P0、静圧軸受6の作動流体供給ポート6−1の圧力P1、排気溝5−1、5−2、5−3のそれぞれの排気ポートの圧力V2、V3、V4の関係が、P0<P1>V4>V3>V2>V1となっている場合、非定常時シール機構7’のシール部材8’の先端(リップ)部は静圧軸受6からの作動流体の流力によって、可動体4と非接触状態になる。即ち、非定常時シール機構7’はシール機能が停止した状態である。
【0028】
差動排気シール機構5が停止している状態、即ち静圧軸受6から作動流体が流出していない状態(遮断状態)で、第2の空間である大気領域2の圧力P0と第1の空間である清浄空間領域1の圧力V1’の関係がP0>V1’の関係にある場合は、非定常時シール機構7’のシール部材8’の先端(リップ)部は可動体4に密接に接触した状態になる。即ち、静圧軸受6の作動流体の流れから受けていた力が無くなるので、シール部材8’の先端(リップ)部はその弾性力により可動体4に密接する。これによって、第2の空間である大気領域2の大気が、第1の空間である清浄空間領域1に流入するのを防止することができる。なお、シール部材8’の材質には、フッ素系樹脂材やゴム材を用いている。
【0029】
図4は本発明に係る差動排気シール機構と静圧軸受を具備する差動排気シール装置の動作を説明するための図で、図4(a)は差動排気シール機構が作動している状態を、図4(b)は差動排気シール機構が停止している状態を示す。図4において、8は非定常時シール機構7のシール部材であり、該シール部材8は仕切壁3の可動体4の対向面に設けた作動流体供給ポート7−1に出没自在に設けられている。該作動流体供給ポート7−1を図示しないバルブを介して真空排気系に接続した場合、シール部材8は図4(a)に示すように作動流体供給ポート7−1内に没する(格納される)。また、図4(b)に示すように、該作動流体供給ポート7−1を図示しないバルブを介して加圧作動流体供給源に接続し、加圧作動流体を供給した場合、シール部材8は該作動流体供給ポート7−1から突出し、可動体4に密接する。
【0030】
差動排気シール機構5が作動している状態、即ち定常状態の場合は、非定常時シール機構7の作動流体供給ポート7−1を真空排気系に接続し、その圧力をV5とすることにより、上述のようにシール部材8は作動流体供給ポート7−1内に没する(格納される)。この作動流体供給ポート7−1は、差動排気シール機構5の排気溝5−3を圧力V4にする真空排気系と同じ真空排気系に接続して排気してもよい。この時、作動流体供給ポート7−1の圧力V5と第2の空間である大気領域2の圧力P0と静圧軸受6の作動流体供給ポート6−1の圧力P1の関係はV5<P0<P1となる。
【0031】
非定常状態、即ち差動排気シール機構5が停止している状態では、上記のように非定常時シール機構7の作動流体供給ポート7−1に作動流体を供給し、その圧力をP3(P3>P0)とし、シール部材8を突出させ、その端部を可動体に密接させる。また、この場合、作動流体供給ポート7−1の圧力を第2の空間である大気領域2の圧力P0と同じに(P3=P0)してシール部材8を突出させてもよい。また、静圧軸受6の作動流体供給ポート6−1に作動流体を供給している作動流体供給源に図示しない切替バルブを介して作動流体供給ポート7−1を接続し、該切替バルブを切り替え作動流体を供給することによりシール部材8を突出させるようにしてもよい。
【0032】
非定常時シール機構7のシール開始時の応答性からいえば、作動流体供給ポート7−1に静圧軸受6の作動流体供給ポート6−1に作動流体を供給していた作動流体供給源から上記切替バルブを切り替えて作動流体を供給し、シール部材8を突出させるのがよい。なお、シール部材8の材質としては、フッ素系の樹脂材やゴム材を用いる。
【0033】
なお、上記例では第1の空間である清浄空間領域1と第2の空間である大気領域2の間に仕切壁3、該仕切壁3を貫通する可動体4及び該可動体4を具備する静圧軸受6を具備する装置を例に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、仕切壁3、可動体4及び静圧軸受6が無く、第1の空間である清浄空間領域1と第2の空間である大気領域2を非接触状態でシールする差動排気シール機構を備えた差動排気シール装置においても本発明(請求項1又は2に記載の発明)は適用できることは当然である。
【0034】
【発明の効果】
以上、説明したように各請求項に記載の発明によれば下記のような優れた効果が得られる。
【0035】
請求項1に記載の発明によれば、非定常時シール機構を設け、該非定常時シール機構は差動排気シール機構が停止した時又は停止しているのみ動作して第1の空間と第2の空間の間をシールするので、第1の空間と第2の空間は差動排気シール機構が停止した時又は停止しているでも作動している状態と略同じ状態を維持することができる。また、静圧軸受と差動排気シール機構を設けたので、静圧軸受で微小隙間が維持でき、差動排気シール機構の差動排気シール性能を安定して維持することができる。
【0036】
請求項2に記載の発明によれば、シール部材は差動排気シール機構の作動時は静圧軸受から第2の空間に向かって流れる作動流体の流体力又は外部力で非接触の状態を維持してシール機能を停止し、該差動排気シール機能の停止時は自身の弾性又は外部力で接触状態を維持してシール機能を発揮するように構成したので、非定常時シール機構を簡素に構成できる。
【0037】
請求項3に記載の発明によれば、非定常時シール機構は仕切壁と可動体の間の間隙を接触状態で遮蔽して第1の空間と前記第2の空間の間をシールするので、請求項1に記載の発明と同様、第1の空間と第2の空間は差動排気シール機構が停止した時又は停止しているでも作動している状態と略同じ状態を維持することができる。
【0038】
請求項4に記載の発明によれば、差動排気シール機構が停止した時又は該差動排気シール機構が停止している間のみ動作して仕切壁と前記可動体の間の間隙を閉じるシャッター機構を具備するので、非定常時シール機構を簡素な構成とすることができる。
【0039】
請求項5に記載の発明によれば、非定常時シール機構のシール部材は差動排気シール機構が停止している時は自身の弾性力で前記仕切壁又は可動体に接触してシール機能を発揮し、該差動排気シール機構が動作している時は静圧軸受から第2の空間に向かって流れる作動流体の流体力により非接触状態を維持しシール機能を停止するように構成されているので、非定常時シール機構を作動させるために格別な作動手段を設けることがなく、非定常時シール機構を更に簡素に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る差動排気シール装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る差動排気シール装置の構成例を示す図である。
【図3】本発明に係る差動排気シール装置の動作を説明するための図で、図3(a)は差動排気シール機構が作動している状態を、図3(b)は差動排気シール機構が停止している状態を示す。
【図4】本発明に係る差動排気シール装置の動作を説明するための図で、図4(a)は差動排気シール機構が作動している状態を、図4(b)は差動排気シール機構が停止している状態を示す。
【符号の説明】
1 清浄空間領域
2 大気領域
3 仕切壁
4 可動体
5 差動排気シール機構
6 静圧軸受
7 非定常時シール機構
7’ 非定常時シール機構
8 シール部材
8’ シール部材

Claims (5)

  1. 半導体製造装置に用いる差動排気シール装置であって、
    作動流体供給源を備えた静圧軸受と、第1の空間と該第1の空間より圧力が高い第2空間の間を非接触状態でガスをシールする差動排気シール機構と、前記第1の空間と第2の空間の間を接触状態でシールする非定常時シール機構とを備え
    前記非定常時シール機構、前記静圧軸受、前記差動排気シール機構は、前記第2空間から第1空間の方向に向かって順に配置され、前記非定常時シール機構は前記差動排気シール機構が停止した時又は該差動排気シール機構が停止しているのみ動作して前記第1の空間と第2の空間の間をシールすることを特徴とする差動排気シール装置。
  2. 請求項1に記載の差動排気シール装置において、
    前記非定常時シール機構は前記第1の空間と前記第2の空間の間をシールするシール部材を具備し、該シール部材は前記差動排気シール機構の作動時は前記静圧軸受から前記第2の空間に向かって流れる作動流体の流体力又は外部力で非接触の状態を維持してシール機能を停止し、該差動排気シール機能の停止時は自身の弾性又は外部力で接触状態を維持してシール機能を発揮するように構成されていることを特徴とする差動排気シール装置。
  3. 請求項1に記載の差動排気シール装置において、
    前記第1の空間と第2の空間を仕切る仕切壁を備えると共に、該仕切壁貫通する可動体を備え、
    前記非定常時シール機構は、前記仕切壁と前記可動体の間の間隙を接触状態で遮蔽して前記第1の空間と前記第2の空間の間をシールすることを特徴とする差動排気シール装置。
  4. 請求項3に記載の差動排気シール装置において、
    前記非定常時シール機構は、前記仕切壁と前記可動体の間の間隙を開閉するためのシャッター機構を具備し、該シャッター機構は前記差動排気シール機構が停止した時又は該差動排気シール機構が停止している間のみ動作して前記第1の空間と第2の空間の間をシールすることを特徴とする差動排気シール装置。
  5. 請求項3に記載の差動排気シール装置において、
    前記非定常時シール機構は、前記仕切壁又は可動体シール部材を具備し、該シール部材は前記差動排気シール機構が停止している時は自身の弾性力で前記仕切壁又は可動体に接触してシール機能を発揮し、該差動排気シール機構が動作している時は前記静圧軸受から前記第2の空間に向かって流れる作動流体の流体力により非接触状態を維持しシール機能を停止するように構成されていることを特徴とする差動排気シール装置。
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