以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[実施形態1]
[シールユニット]
図1は、実施形態1にかかるシールユニットを示す構成図である。同図は、チャンバ10に連結されたシールユニット1の軸方向断面図を示している。なお、図中の一点鎖線Oは、シールユニット1の駆動軸3の軸を示している。
このシールユニット1は、シール構造を備えた軸機構であり、例えば、真空チャンバなどの特殊環境下で使用される搬送装置、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置などに適用される。ここでは、一例として、シールユニット1がチャンバ10に連結される例について、説明する。
シールユニット1は、ハウジング2と、駆動軸3とを備える(図1参照)。
ハウジング2は、駆動軸3を周方向から囲む部材であり、駆動軸3の周囲に密閉空間を形成する。このハウジング2は、駆動軸3を支持する軸受あるいは直動案内(図示省略)を有し得る。かかる軸受としては、例えば、駆動軸3を回転可能に支持する回転軸受、駆動軸3を軸方向に直線移動可能に支持するスラスト軸受などが挙げられる。
駆動軸3は、ハウジング2に挿入されてハウジング2を貫通する。また、駆動軸3は、例えば、搬送装置や半導体製造装置の駆動軸に連結されて、これらを動作させる。また、駆動軸3は、例えば、ベルト駆動装置、サーボモータ、ダイレクトドライブモータ、軸駆動装置などの動力装置(図示省略)に連結されて動力を供給される。また、駆動軸3は、回転方向に運動する回転軸であっても良いし、軸方向にスライドするスラスト軸であっても良い。また、駆動軸3の自由度には、特に限定がなく、例えば、回転方向あるいは軸方向にのみ変位できる1自由度、回転方向および軸方向の双方に変位できる2自由度のいずれの構成も採用され得る。
例えば、図1の構成では、ハウジング2が、全体として円筒形状を有し、一方の端部に取付用のフランジ部21を有している。また、ハウジング2が、フランジ部21をチャンバ10の外部からチャンバ10の開口部101の縁に当接させ、フランジ部21にてチャンバ10の壁面にボルト締結(図示省略)により固定されている。これにより、ハウジング2が、チャンバ10の開口部101をチャンバ10の外部から塞いで配置されている。また、駆動軸3が、ハウジング2に挿入されてハウジング2を貫通し、一方の端部をチャンバ10の内部に位置させ、他方の端部をチャンバ10の外部に位置させている。
また、チャンバ10の内部と外部とは、相互に異なる雰囲気を有する。具体的には、チャンバ10が密閉空間であり、チャンバ10の内部に特殊環境が形成される。例えば、半導体製造装置では、チャンバ10の内部に、真空環境、減圧環境、プロセスガス充填環境などが形成され得る。また、チャンバ10の外部には、例えば、外気が導入される。このため、チャンバ10の内部が、チャンバ10の外部よりも低圧となる。
このシールユニット1は、上記のような特殊環境を有するチャンバ10を密封するために、少なくとも、接触式シール4および非接触式シール5の2種類のシールを備える(図1参照)。
接触式シール4は、駆動軸3に接触してハウジング2と駆動軸3との間の隙間を封止するシールであり、例えば、Oリング、リップシールなどから構成される。ここでは、特に、接触式シール4として、樹脂、ゴム素材などから成る弾性体シールが採用される。また、接触式シール4は、例えば、外部電源、高圧気体、真空排気などの付加的作用を要すること無く、そのシール機能を発揮できることが好ましい。
非接触式シール5は、駆動軸3に接触することなくハウジング2と駆動軸3との間の隙間を封止するシールであり、例えば、オリフィスシール、ラビリンスシールなどから構成される。また、接触式シール4と非接触式シール5とは、駆動軸3の軸方向の相互に異なる位置に配置されて、ハウジング2と駆動軸3との間の隙間を相互に異なる位置で封止する。
例えば、図1の構成では、チャンバ10の内部に真空環境ないしは減圧環境が形成され、チャンバ10の外部が外気となっている。このため、チャンバ10の内部が外部よりも低圧となっている。また、ハウジング2と駆動軸3との間の隙間において、接触式シール4が高圧側に配置され、非接触式シール5が低圧側に配置されている。
また、接触式シール4が、Oリングであり、ハウジング2の内周面に形成された周溝22に嵌め込まれて保持され、駆動軸3の外周面に付勢している。また、非接触式シール5が、オリフィスシールであり、ハウジング2の内周面と駆動軸3の外周面とのクリアランスを10[μm]程度の微少隙間とすることにより構成されている。これらにより、ハウジング2と駆動軸3との間の隙間が接触式シール4および非接触式シール5の2箇所で封止されて、気密性が確保されている。
また、ハウジング2のフランジ部21が、隔壁100との係合面に環状溝211を有し、この環状溝211にOリング212が配置されている。これにより、フランジ部21とチャンバ10の壁面との隙間が封止されて、気密性が確保されている。
[シール間における給排気構造]
ここで、上記のような接触式シール4を有する構成では、接触式シール4が駆動軸3との接触により摩耗して異物を生じ得る。このため、この異物をハウジング2と駆動軸3との間の隙間から回収すべき課題がある。
そこで、このシールユニット1は、かかる課題を解決するために、導入路61および排出路62と、吸引部7とを備える(図1参照)。
導入路61は、接触式シール4から非接触式シール5までの区間にてハウジング2と駆動軸3との間の隙間に連通して、この隙間に所定の気体を導入するための通路となる。排出路62は、接触式シール4から非接触式シール5までの区間にてハウジング2と駆動軸3との間の隙間に連通して、この隙間から気体を排出するための通路となる。吸引部7は、例えば、ポンプであり、排出路62から気体を吸引する。
例えば、図1の構成では、ハウジング2と駆動軸3との間の隙間が、接触式シール4から非接触式シール5までの区間に、気体を流通させ得る空間Sを有している。この空間Sは、非接触式シール5のクリアランスよりも十分に広い。また、導入路61が、ハウジング2の内周面に形成されて空間Sに連通する周溝611と、ハウジング2の外部からハウジング2を貫通して周溝611に連通する通気孔612と、この通気孔612に接続された配管613とから構成されている。また、排出路62が、ハウジング2の内周面に形成されて空間Sに連通する周溝621と、ハウジング2の外部からハウジング2を貫通して周溝611に連通する通気孔622と、この通気孔622に接続された配管623とから構成されている。また、排出路62が、導入路61よりも非接触式シール5側に配置されている。また、吸引部7が、真空ポンプであり、排出路62の配管623に接続されている。
このシールユニット1では、吸引部7が、排出路62を介して空間Sの気体を吸引することにより、空間Sが負圧となる。すると、所定の気体が、ハウジング2の外部から導入路61を介して空間Sに吸い込まれる。すると、空間Sに気体が流通して、空間Sにある異物が排出路62を介してハウジング2の外部に排出される。これにより、空間Sにある異物を効果的に回収できるので、異物が非接触式シール5を抜けてチャンバ10の内部に侵入する事態が抑制される。
特に、上記の構成は、(1)チャンバ10の内部が真空雰囲気を有する構成において、有益である。すなわち、導入路61を有さない構成(図示省略)では、チャンバ10の内部が真空雰囲気であると、ハウジング2と駆動軸3との隙間も、略真空雰囲気となる。すると、空間Sにおける気体の流通量が少ないため、排出路62から気体を吸引して異物を回収することが難しい。この点において、上記の構成では、所定の気体が導入路61から空間Sに導入されるので、空間Sに気体が流通して、空間Sにある異物を排出路62から効率的に回収できる。
また、上記の構成は、(2)チャンバ10の内部が数[Pa]の低圧なガス雰囲気を有する構成においても、有益である。すなわち、導入路61を有さない構成(図示省略)では、チャンバ10内のガスが非接触式シール5を抜けて空間Sに流入する場合がある。このとき、上記の構成では、吸引部7がこのガスを吸引して回収することにより、ハウジング2の外部へのガスの漏出を抑制できる。
なお、図1の構成では、導入路61を介して空間Sに導入される所定の気体が、チャンバ10の外部にある空気であり、また、吸引部7により排出路62から排出された気体が、チャンバ10の外部にそのまま放出されている。また、チャンバ10の外部に浄化装置(図示省略)が配置されて、チャンバ10の外部の空気中にある異物が回収されている。
しかし、これに限らず、空間Sに導入される気体として、例えば、窒素などの特殊ガスが用いられても良い。かかる特殊ガスを空間S(導入路61)に導入するための供給部としては、公知のガス供給装置を任意に採用できる。なお、近年では、多種多様なガス供給装置が提案されている。
また、図1の構成では、排出路62が、導入路61よりも非接触式シール5側に配置されている。したがって、接触式シール4、導入路61、排出路62および非接触式シール5が、この順で駆動軸3の軸方向に配置されている。かかる構成では、排出路62が接触式シール4および導入路61よりも非接触式シール5側に配置されるので、非接触式シール5側への異物の侵入が効果的に抑制される点で好ましい。特に、接触式シール4側が高圧となり非接触式シール5側が低圧となる構成では、排出路62が導入路61よりも低圧側に配置されることにより、空間Sにおける導入路61から排出路62への気体流れが安定する。
しかし、これに限らず、接触式シール4、排出路62、導入路61および非接触式シール5が、この順で駆動軸3の軸方向に配置されても良い(図示省略)。
また、図1の構成では、排出路62側にのみ吸引部7が設置されて、気体の吸引が行われている。
しかし、これに限らず、図1の構成において、さらに、導入路61に気体を供給する供給部(図示省略)が設置されても良い。この供給部は、例えば、導入路61の配管613上に設置されて、導入路61に所定の気体を所定の流量で送り込むポンプなどにより構成され得る。また、この供給部と吸引部7とは、相互に独立したポンプを有しても良いし、1つのポンプを共用しても良い。
また、図1の構成において、さらに、導入路61における気体の流量を調整する流量調整部(図示省略)が設置されても良い。この流量調整部は、例えば、導入路61の配管613に設置された流量調整弁(図示省略)などにより構成され得る。かかる構成では、流量調整部が導入路61における気体の流量を調整することにより、空間Sにおける気体の流れを適正に制御できる。具体的には、空間Sにある塵を排出路62に流すために必要な流量(空間Sにおける気体の流れが粘性流となる程度の流量が好ましい。)を確保しつつ、空間Sへの気体の供給量をなるべく小さく設定することが好ましい。
[変形例]
図2は、図1に記載したシールユニットの変形例を示す説明図である。同図において、図1に記載した構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図1の構成では、一対の導入路61および排出路62のみが、接触式シール4と非接触式シール5との間の空間Sに配置されている。かかる構成では、空間Sにおける気体流れを容易に制御できる点で好ましい。
しかし、これに限らず、複数組の導入路61および排出路62が、空間Sに配置されても良い。例えば、図2の構成では、シールユニット1が、2つの導入路61、61と、2つの排出路62、62よび2つのポンプ7、7とを備えている。また、高圧側から低圧側に向かって、接触式シール4、第一の導入路61、第一の排出路62、第二の導入路61、第二の排出路62、非接触式シール5の順で配置されている。このように、複数組の導入路61および排出路62が多段構造で設置されることにより、チャンバ10への異物の侵入が効果的に抑制されている。
[適用例]
図3は、図1に記載したシールユニットの適用例を示す説明図である。同図は、駆動軸3が直線運動するシールユニット1の具体例を示している。同図において、図1に記載した構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3の構成では、作業用のテーブル11がチャンバ10の内部に設置され、このテーブル11の底面に駆動軸3の端部が固定される。また、駆動軸3が、軸駆動装置8に連結される。軸駆動装置8は、チャンバ10の外部に設置されて駆動軸3を駆動する装置であり、モータ81と、ボールネジ82およびナット83と、L字状の連結部材84と、複数組のスライダ85およびガイドレール86とを備える。また、モータ81とボールネジ82とが、相互に連結され、回転軸方向をシールユニット1の駆動軸3の軸方向に揃えて配置される。また、ナット83がボールネジ82に螺合され、また、ナット83および複数のスライダ85が連結部材84に固定されて一体化される。また、スライダ85およびガイドレール86がリニアガイドを構成し、ガイドレール86がスライダ85をボールネジ82の軸方向に移動可能に支持する。また、連結部材84が、シールユニット1の駆動軸3に連結される。
この軸駆動装置8では、モータ81がボールネジ82を回転駆動させると、ナット83が送られて軸方向に移動する。すると、連結部材84が、リニアガイド(スライダ85およびガイドレール86)により軸方向にガイドされつつ移動する。すると、シールユニット1の駆動軸3が、連結部材84と共に軸方向に直線移動する。また、モータ81が回転方向を切り替えることにより、駆動軸3が軸方向に進退できる。これにより、駆動軸3が、直線移動軸として機能する。
以上説明したように、このシールユニット1は、ハウジング2と、ハウジング2に挿通される駆動軸3と、駆動軸3の軸方向の相互に異なる位置に配置されてハウジング2および駆動軸3の間の隙間を封止する接触式シール4および非接触式シール5と、接触式シール4から非接触式シール5までの区間にて前記隙間(図1における空間S)に連通して前記隙間に所定の気体を導入するための通路となる導入路61と、前記区間にて前記隙間に連通して前記隙間から気体を排出するための通路となる排出路62と、排出路62から気体を吸引する吸引部7とを備える(図1参照)。
かかる構成では、吸引部7が、接触式シール4から非接触式シール5までの区間の隙間から排出路62を介して気体を吸引し、また、所定の気体が、導入路61を介して上記の隙間に導入される。これにより、ハウジング2と駆動軸3との間の隙間(図1における空間S)にある異物が排出路62を介して外部に排出されるので、隙間にある異物を効果的に回収できる利点がある。
また、上記の構成では、接触式シール4および非接触式シール5の2種類のシールが配置されるので、単一あるいは複数の非接触式シールのみを備える構成を比較して、シール性が高いという利点がある。例えば、複数の非接触式シールを有すると共に排気ポンプを用いて非接触式シール間の空気を排気する差動排気シールを備える構成(図示省略)では、例えば、排気ポンプへの電源供給の停止時にて、シール性能が一時的に低下するため、好ましくない。
また、このシールユニット1では、排出路62が、導入路61よりも非接触式シール側に配置される(図1参照)。かかる構成では、排出路62が接触式シール4および導入路61よりも非接触式シール5側に配置されることにより、隙間にある異物を効果的に回収できる利点がある。
また、このシールユニット1は、接触式シール4側を高圧側(チャンバ10の外部)とすると共に非接触式シール5側を低圧側(チャンバ10の内部)として設置される(図1参照)。これにより、非接触式シール5が異物の通過を阻害するので、接触式シール4から低圧側への異物の漏出が抑制される利点がある。
また、このシールユニット1は、導入路61に気体を供給する供給部(図示省略)を備える。かかる構成では、導入路61に積極的に気体を送り込む(圧送する)ことにより、隙間にある異物を効果的に回収できる利点がある。
また、このシールユニット1では、複数組の導入路61および排出路62が、駆動軸3の軸方向に配置される(図2参照)。かかる構成では、複数組の導入路61および排出路62が多段構造で設置されることにより、隙間にある異物を効果的に回収できる利点がある。
[実施形態2]
[半導体製造装置]
図4は、実施形態2にかかるシールユニットを備えた半導体製造装置を示す図である。半導体製造装置200は、シールユニット1Aと、チャンバ10と、駆動装置9とを含む。半導体製造装置200は、チャンバ10の内部を真空環境、減圧環境、プロセスガス充填環境にした上で、チャンバ10の内部にある被搬送物(例えば、半導体)を移動させる必要がある。しかし、移動させるため、駆動装置9と後述する可動部材とを備える搬送装置をチャンバ10の内部に設置すると、駆動装置9の動作により異物が発生するため好ましくない場合がある。そこで、半導体製造装置200は、チャンバ10の内部に可動部材を残したまま、駆動装置9をチャンバ10の外部に設置する。そして、チャンバ10の内部とチャンバ10の外部を隔てながら、チャンバ10の外部に設置された駆動装置9の動力をチャンバ10の内部に伝えるため、シールユニット1Aが必要となる。また、駆動装置9は、例えば、ベルト駆動装置、サーボモータ、ダイレクトドライブモータ、軸駆動装置などである。
[シールユニット]
シールユニット1Aは、チャンバ10の内部と外部とを隔てる密封装置である。シールユニット1Aは、真空チャンバなどの特殊環境下で使用される半導体製造装置のほかに、例えば、フラットパネルディスプレイ製造装置などに適用される。ここでは、一例として、チャンバ10が開口部101を有する場合、シールユニット1Aが開口部101を密封する例について説明する。図4に示すように、シールユニット1Aは、ハウジング2Aと、可動部材3Aと、軸受13とを含む。なお、図中の一点鎖線OAは、シールユニット1Aの可動部材3Aの軸OAを示している。図4は、軸OAを含む平面で半導体製造装置200を切断した断面図を示している。
図5は、図4に示したハウジングをチャンバ側から見た平面図である。例えば、ハウジング2Aは、円柱状の開口部26を有しており、全体として筒状である。また、チャンバ10は、円形の開口部101を有する。ハウジング2Aは、チャンバ10と締結されるフランジ部21Aと、軸受13を保持するための軸受保持部25とを有する。フランジ部21Aと軸受保持部25とは、軸OA方向に沿って、チャンバ10に近い側からフランジ部21A、軸受保持部25の順で配置される。例えば、フランジ部21Aは、板状であり、開口部101よりも面積の大きい円盤形状である。ハウジング2Aは、フランジ部21Aをチャンバ10の外部からチャンバ10の開口部101を覆うようにあてがい、フランジ部21Aとチャンバ10の壁面とをボルト締結することでチャンバ10に固定されている。これにより、ハウジング2Aは、チャンバ10の開口部101をチャンバ10の外部から塞ぐことができる。
図5に示すように、周溝22A、周溝631、周溝641および環状溝211は、フランジ部21Aのチャンバ10と対向する表面にある環状の凹みである。また、周溝22A、周溝631、周溝641および環状溝211は、軸OAを中心とした同心円を描くように形成されている。また、周溝22A、周溝631、周溝641および環状溝211は、フランジ部21Aの径方向内側から、周溝22A、周溝631、周溝641、環状溝211の順に配置される。また、環状溝211は、フランジ部21Aの表面で、隔壁100とフランジ部21Aとが軸OA方向に重なる位置に形成される。周溝22A、周溝631、周溝641および環状溝211は、後述するように、シールユニット1Aに気密性能を発揮させるために用いられる。
可動部材3Aは、軸OAを中心に回転する部材である。可動部材3Aは、フランジ部31と、テーブル32と、駆動軸33とを含む。駆動軸33は、軸OA方向に沿ってハウジング2Aの開口部26に挿入されてハウジング2Aを貫通する。駆動軸33の一方の端部は、チャンバ10の内部に位置し、他方の端部は、チャンバ10の外部に位置する。フランジ部31は、駆動軸33と直交する板状であり、円盤形状の板材が駆動軸33に取り付けられ駆動軸33と一体となっている。フランジ部31は、フランジ部21Aに対して軸OA方向に対向するように配置されている。フランジ部31の外周は、図5中の二点鎖線で示され、フランジ部21Aの外周より小さく、かつ開口部26の外周より大きい。このため、開口部26の径方向外側かつフランジ部31の径方向内側の範囲で、フランジ部21Aとフランジ部31が軸OA方向に重なり、重なる部分にフランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間が形成される。また、チャンバ10の内部側にある駆動軸33の端部は、テーブル32の底面に接続され、チャンバ10の外部側にある駆動軸33の端部は、駆動装置9に接続される。例えば、可動部材3Aは、モータ91とシャフト92とを含む駆動装置9によって動力を供給される。チャンバ10の外部側にある駆動軸33の端部がシャフト92に接続されることにより、モータ91によって発生したトルクが、シャフト92を介して可動部材3Aに伝わる。
図6は、図4に示したシールユニットの断面の拡大図である。例えば、可動部材3Aは、軸受13によって、ハウジング2Aに対して回転可能に支持されている。図6に示すように、軸受13の外輪13oは、軸受保持部25の内壁に形成された凹部23に嵌め込まれ、軸OA方向に位置決めされている。また、軸受保持部25は、外輪押え14を有する。そして、軸受保持部25は、軸OA方向でフランジ部21Aと反対側の端部に切欠部24を有する。外輪押え14は、切欠部24に嵌め込まれてボルト締結により軸受保持部25に固定されることで、外輪13oを軸OA方向に支持する。このようにして、外輪13oは、軸受保持部25に固定される。
また、可動部材3Aは、円筒形状の間座12、16と、内輪固定ナット15とを備える。間座12は、駆動軸33の外周に嵌め合わされ、フランジ部31と内輪13iとの間に配置される。間座16は、駆動軸33の外周に嵌め合わされ、間座12と共に内輪13iを軸OA方向から挟むように配置される。また、チャンバ10の外部側にある駆動軸33の端部には、ネジ山が形成されている。内輪固定ナット15は、当該ネジ山に嵌め合わされて固定されることで、間座16を介して内輪13iを駆動軸33に固定する。これにより、軸受13の内輪13iは、間座12と間座16との間に挟まれ、駆動軸33の外周に嵌め合わされる。また、間座12がフランジ部31と内輪13iとの長さを規制するので、間座12の軸OA方向の寸法が決まると、フランジ部31の軸OA方向の位置が調節される。
また、チャンバ10の内部と外部とは、相互に異なる雰囲気を有する。具体的には、チャンバ10が密閉空間であり、チャンバ10の内部に特殊環境が形成される。例えば、上述したように、半導体製造装置200では、チャンバ10の内部に、真空環境、減圧環境、プロセスガス充填環境などが形成され得る。また、チャンバ10の外部には、例えば、外気が導入される。このため、チャンバ10の内部が、チャンバ10の外部よりも低圧となる。
上述したように、軸受13の外輪13oがハウジング2Aに固定され、内輪13iが駆動軸33に固定されている。そして、駆動軸33は、軸受13以外の部分でハウジング2Aと接触しないように、図6に示すようにハウジング2Aとの間に空間Cを設けて配置される。空間Cにはチャンバ10の外部の外気が軸受13を通過して流入するため、空間Cは、チャンバ10の外部と同じ圧力となる。気体は高圧側から低圧側に移動するので、空間Cにある外気は、フランジ部21Aとフランジ部31との隙間を通過してチャンバ10の内部に流入する可能性がある。
シールユニット1Aは、特殊環境を有するチャンバ10を密閉するために、少なくとも、接触式シール4Aおよび非接触式シール5Aの2種類のシールを備える。
接触式シール4Aは、フランジ部31に接触してフランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間を封止するシールであり、例えば、Oリング、リップシールなどから構成される。ここでは、特に、接触式シール4Aとして、樹脂、ゴム素材などから成る弾性体シールが採用される。また、接触式シール4Aは、例えば、外部電源、高圧気体、真空排気などの付加的作用を要すること無く、そのシール機能を発揮できることが好ましい。
非接触式シール5Aは、フランジ部31に接触することなくフランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間を封止するシールであり、例えば、オリフィスシール、ラビリンスシールなどから構成される。また、図5に示すように、接触式シール4Aと非接触式シール5Aとは、フランジ部31の径方向の相互に異なる位置に配置されて、フランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間を相互に異なる位置で封止する。このようにすることで、接触式シール4Aと非接触式シール5Aとが軸OA方向の相互に異なる位置に配置される場合に比べて、シールユニット1Aは、軸OA方向のシールユニット1A全体の長さを抑制できる。
また、接触式シール4Aが配置される位置は、非接触式シール5Aが配置される位置よりも、チャンバ10の外部と同じ圧力である空間Cに近い位置である。すなわち、フランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間において、非接触式シール5Aが配置される位置は、接触式シール4Aが配置される位置よりも、低圧の空間であるチャンバ10の内部に近い位置である。
また、接触式シール4Aが、リップシールであり、フランジ部21Aの表面に形成された周溝22Aに嵌め込まれて保持され、フランジ部31の表面に付勢している。接触式シール4Aは、周溝22Aに嵌め込まれるため、軸OAを中心とする円を描く形状となる。また、図6に示すように、非接触式シール5Aが、オリフィスシールであり、フランジ部21Aとフランジ部31とのクリアランスを高さΔ1が10μm程度の微小隙間とすることにより構成されている。当該微小隙間は、フランジ部21Aの径方向に所定の幅を有する。また、図5に示すように、非接触式シール5Aは、周溝641の外周に沿って配置される。このため、非接触式シール5Aは、軸OAを中心とする円を描く形状となる。このように、フランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間が接触式シール4Aおよび非接触式シール5Aの2箇所で封止されて、気密性が確保されている。
また、フランジ部21Aが、チャンバ10との接触部に環状溝211を有し、この環状溝211にOリング212が配置されている。これにより、フランジ部21Aとチャンバ10との隙間が封止されて、気密性が確保されている。
[シール間における給排気構造]
ここで、上記のような接触式シール4Aを有する構成では、接触式シール4Aがフランジ部31との接触により摩耗して異物を生じ得る。このため、この異物をフランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間から回収すべき課題がある。
そこで、このシールユニット1Aは、かかる課題を解決するために、導入路63および排出路64と、吸引部7とを備える。
導入路63は、接触式シール4Aから非接触式シール5Aまでの区間にてフランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間に連通して、この隙間に所定の気体を導入するための通路となる。排出路64は、接触式シール4Aから非接触式シール5Aまでの区間にてフランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間に連通して、この隙間から気体を排出するための通路となる。吸引部7は、例えば、ポンプであり、排出路64から気体を吸引する。
例えば、フランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間が、接触式シール4Aから非接触式シール5Aまでの区間に、気体を流通させ得る空間Sを有している。この空間Sの高さは、高さΔ1よりも十分に大きい。また、導入路63が、フランジ部21Aの表面に形成されて空間Sに連通する周溝631と、ハウジング2Aの外部からハウジング2Aを貫通して周溝631に連通する通気孔632と、この通気孔632に接続された配管633とから構成されている。また、排出路64が、フランジ部21Aの表面に形成されて空間Sに連通する周溝641と、ハウジング2Aの外部からハウジング2Aを貫通して周溝641に連通する通気孔642と、この通気孔642に接続された配管643とから構成されている。また、排出路64が、導入路63よりも非接触式シール5A側に配置されている。また、吸引部7が、真空ポンプであり、排出路64の配管643に接続されている。
シールユニット1Aでは、吸引部7が、排出路64を介して空間Sの気体を吸引することにより、空間Sが負圧となる。すると、所定の気体が、ハウジング2Aの外部から導入路63を介して空間Sに吸い込まれる。すると、空間Sに気体が流通して、空間Sにある異物が排出路64を介してハウジング2Aの外部に排出される。これにより、空間Sにある異物を効果的に回収できるので、異物が非接触式シール5Aを抜けてチャンバ10の内部に侵入する事態が抑制される。
吸引部7が、排出路64を介して空間Sの気体を吸引するとき、非接触式シール5Aは高さΔ1が10μm程度の微小隙間であるため、空間Sへ流入する外気のほとんどの量は、排出路64を介してハウジング2Aの外部に排出される。これにより、非接触式シール5Aを通過してチャンバ10の内部へ流入する外気の量は、極めて微量となる。したがって、チャンバ10の内部は、気密的に隔離された状態を得ることができる。このように、非接触式シール5Aは、フランジ部31に接触することなくフランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間を封止する。
また、フランジ部21Aにおいて、周溝631が周溝22Aより径方向外側に形成されている。また、フランジ部21Aにおいて、周溝631と周溝22Aとが径方向に離れている。このため、図6に示すように、周溝631と周溝22Aとの間に絞り部N1が形成される。例えば、絞り部N1は、高さΔ2が10μm程度の微小隙間である。一方、絞り部N1は、例えば、高さΔ2が0.1mm以上の隙間であってもよい。ただし、絞り部N1を高さΔ2が10μm程度の隙間とすることにより、接触式シール4Aが摩耗することで発生する異物は、空間Sに侵入しにくくなる。したがって、接触式シール4Aが摩耗することで発生する異物は、チャンバ10の内部にも侵入しにくくなる。なお、非接触式シール5Aが気密性能を発揮するためには、高さΔ1は10μm程度である必要がある。非接触式シール5Aが気密性能を発揮するための適切な高さΔ1は、非接触式シール5A全体の形状や吸引部7の性能によって異なるが、5μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上15μm以下であることがより好ましい。
また、図6を用いて上述したように、間座12がフランジ部31と内輪13iとの長さを規制するので、間座12の軸OA方向の寸法が決まると、フランジ部31の軸OA方向の位置が調節される。このため、シールユニット1Aは、非接触式シール5Aの高さΔ1の寸法精度を高くできる。
また、フランジ部21Aにおいて、周溝641が周溝631より径方向外側に形成されている。また、フランジ部21Aにおいて、周溝641と周溝631とが径方向に離れている。このため、図6に示すように、周溝641と周溝631との間に絞り部N2が形成される。絞り部N2は、高さΔ3を有する隙間である。高さΔ3は高さΔ1に比べて十分に大きいため、絞り部N2には気体が流通する。なお、高さΔ3が周溝641や周溝631の深さと同程度である場合、周溝631に流入した外気が、フランジ部31の表面まで届かずに排出路64に導かれる可能性がある。この場合、フランジ部31の表面付近にある異物が回収されにくくなる。このため、周溝631に流入した外気がフランジ部31の表面に導かれるように、高さΔ3は、周溝641や周溝631の深さよりも小さい方が好ましい。
特に、導入路63および排出路64を有するシールユニット1Aは、チャンバ10の内部が真空雰囲気を有する場合、有益である。導入路63を有しておらずかつチャンバ10の内部が真空雰囲気である場合、フランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間も、略真空雰囲気となる。すると、空間Sにおける気体の流通量が少ないため、排出路64から気体を吸引して異物を回収することが難しい。シールユニット1Aは、所定の気体が導入路63から空間Sに導入されるので、空間Sに気体が流通して、空間Sにある異物を排出路64から効率的に回収できる。
また、導入路63および排出路64を有するシールユニット1Aは、チャンバ10の内部が数[Pa]の低圧なガス雰囲気を有する場合、有益である。導入路63を有さない場合、チャンバ10内のガスが非接触式シール5Aを抜けて空間Sに流入する場合がある。シールユニット1Aは、吸引部7がこのガスを吸引して回収することにより、ハウジング2Aの外部へのガスの漏出を抑制できる。
なお、実施形態2にかかるシールユニット1Aでは、導入路63を介して空間Sに導入される所定の気体が、チャンバ10の外部にある空気であり、また、吸引部7により排出路64から排出された気体が、チャンバ10の外部にそのまま放出されている。また、チャンバ10の外部に浄化装置が配置されて、チャンバ10の外部の空気中にある異物が回収されている。
しかし、これに限らず、空間Sに導入される気体として、例えば、窒素などの特殊ガスが用いられても良い。かかる特殊ガスを空間S(導入路63)に導入するための供給部としては、公知のガス供給装置を任意に採用できる。なお、近年では、多種多様なガス供給装置が提案されている。
また、実施形態2にかかるシールユニット1Aでは、排出路64が、導入路63よりも非接触式シール5A側に配置されている。したがって、接触式シール4A、導入路63、排出路64および非接触式シール5Aが、この順で軸OA方向に配置されている。かかる構成では、排出路64が接触式シール4Aおよび導入路63よりも非接触式シール5A側に配置されるので、非接触式シール5A側への異物の侵入が効果的に抑制される点で好ましい。特に、非接触式シール5Aが配置される位置が、接触式シール4Aが配置される位置よりも低圧の空間に近い位置であるため、排出路64が導入路63よりも低圧側に配置されることになり、空間Sにおける導入路63から排出路64の気体流れが安定する。
しかし、これに限らず、接触式シール4A、排出路64、導入路63および非接触式シール5Aが、フランジ部21Aの径方向内側から、接触式シール4A、排出路64、導入路63、非接触式シール5Aの順で配置されても良い。
また、実施形態2にかかるシールユニット1Aでは、排出路64側にのみ吸引部7が設置されて、気体の吸引が行われている。
しかし、これに限らず、実施形態2において、さらに、導入路63に気体を供給する供給部が設置されても良い。この供給部は、例えば、導入路63の配管633上に設置されて、導入路63に所定の気体を所定の流量で送り込むポンプなどにより構成され得る。また、この供給部と吸引部7とは、相互に独立したポンプを有しても良いし、1つのポンプを共用しても良い。
また、実施形態2において、さらに、導入路63における気体の流量を調整する流量調整部が設置されても良い。この流量調整部は、例えば、導入路63の配管633に設置された流量調整弁などにより構成され得る。かかる構成では、流量調整部が導入路63における気体の流量を調整することにより、空間Sにおける気体の流れを適正に制御できる。具体的には、空間Sにある塵を排出路64に流すために必要な流量(空間Sにおける気体の流れが粘性流となる程度の流量が好ましい。)を確保しつつ、空間Sへの気体の供給量をなるべく小さく設定することが好ましい。
また、実施形態2にかかるシールユニット1Aでは、一対の導入路63および排出路64のみが、接触式シール4Aと非接触式シール5Aとの間に配置されている。このような配置は、周溝631、絞り部N2および周溝641における気体の流れを容易に制御できるため好ましい。しかし、これに限らず、複数組の導入路63および排出路64が、接触式シール4Aと非接触式シール5Aとの間に配置されても良い。複数組の導入路63および排出路64が多段構造で設置されることにより、チャンバ10の内部への異物の侵入が効果的に抑制される。
以上説明したように、圧力の異なる2つの空間を隔てるシールユニット1Aは、ハウジング2Aと、ハウジング2Aに少なくとも一部が対向して可動できる可動部材3Aとを備える。シールユニット1Aは、ハウジング2Aおよび可動部材3Aの間の隙間を封止する接触式シール4Aと、接触式シール4Aと異なる位置で前記隙間を封止する非接触式シール5Aとを備える。シールユニット1Aは、接触式シール4Aから非接触式シール5Aまでの間の前記隙間の区間に連通して前記隙間に所定の気体を導入するための通路となる導入路63と、前記区間に連通して前記隙間から前記気体を排出するための通路となる排出路64と、排出路64から前記気体を吸引する吸引部7とを備える。シールユニット1Aは、非接触式シール5Aが配置される位置が、接触式シール4Aが配置される位置よりも、2つの空間のうち低圧の空間に近い位置であり、排出路64が、導入路63よりも非接触式シール5A側に配置されることを特徴とする。
かかる構成では、吸引部7が、接触式シール4Aから非接触式シール5Aまでの区間の隙間から排出路64を介して気体を吸引し、また、所定の気体が、導入路63を介して上記の隙間に導入される。これにより、シールユニット1Aは、フランジ部21Aとフランジ部31との間の隙間(図6における空間S)にある異物が排出路64を介して外部に排出されるので、隙間にある異物を効果的に回収できる利点がある。
また、シールユニット1Aは、接触式シール4Aおよび非接触式シール5Aの2種類のシールが配置されるので、単一あるいは複数の非接触式シールのみを備える構成を比較して、シール性が高いという利点がある。例えば、複数の非接触式シールを有すると共に排気ポンプを用いて非接触式シール間の空気を排気する差動排気シールを備える構成は、排気ポンプへの電源供給の停止時にて、シール性能が一時的に低下するため、好ましくない。
また、シールユニット1Aは、ハウジング2Aと、ハウジング2Aに挿通される駆動軸33と駆動軸33に対して直交する板状のフランジ部31とを有し、ハウジング2Aにフランジ部31が対向して可動できる可動部材3Aとを備える。シールユニット1Aは、ハウジング2Aおよびフランジ部31の間の隙間を封止する接触式シール4Aと、フランジ部31と平行方向で接触式シール4Aと異なる位置で前記隙間を封止する非接触式シールと5Aとを備える。シールユニット1Aは、接触式シール4Aから非接触式シール5Aまでの間の前記隙間の区間に連通して前記隙間に所定の気体を導入するための通路となる導入路63と、前記区間に連通して前記隙間から前記気体を排出するための通路となる排出路64と、排出路64から前記気体を吸引する吸引部7とを備える。
かかる構成では、フランジ部31の位置調整が容易であるため、シールユニット1Aは、微小隙間である非接触式シール5Aの高さΔ1の寸法精度を高くできる利点がある。また、シールユニット1Aは、接触式シール4Aと非接触式シール5Aとが駆動軸33の軸OA方向の相互に異なる位置に配置される場合に比べて、シールユニット1A全体の軸OA方向の長さを抑制できる利点がある。
また、圧力の異なる2つの空間を隔てるシールユニット1Aでは、非接触式シール5Aが配置される位置は、接触式シール4Aが配置される位置よりも、2つの空間のうち低圧の空間に近い位置である。これにより、非接触式シール5Aが異物の通過を阻害するので、接触式シール4Aから低圧の空間側への異物の漏出が抑制される利点がある。
また、シールユニット1Aでは、排出路64が、導入路63よりも非接触式シール5A側に配置される。かかる構成では、シールユニット1Aは、排出路64が接触式シール4Aおよび導入路63よりも非接触式シール5A側に配置されることにより、隙間にある異物を効果的に回収できる利点がある。
また、シールユニット1Aは、導入路63に気体を供給する供給部を備えることが好ましい。かかる構成では、シールユニット1Aは、導入路63に積極的に気体を送り込む(圧送する)ことにより、隙間にある異物を効果的に回収できる利点がある。
また、シールユニット1Aは、複数組の導入路63および排出路64が配置されることが好ましい。かかる構成では、シールユニット1Aは、複数組の導入路63および排出路64が多段構造で設置されることにより、隙間にある異物を効果的に回収できる利点がある。