JP4431120B2 - シール装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体洗浄装置等の高度な清潔さが求められる被軸封機器に好適となるシール装置に関するものである。
例えば、被軸封機器の一例である半導体洗浄装置においては、半導体基板、半導体ウェハを回転するテーブル上にセットして回転させながら、上方から下方噴出される洗浄液や薬液等で表面が洗浄されるようにして処理されるのが一般的であり、特許文献1や特許文献2おいて開示されたものが知られている。これらの半導体洗浄装置においては、縦向きの回転軸で駆動回転される回転テーブルを、そのケーシング側に対して回転自在に支持させる構成が必要となり、かつ、その支持部にはシール装置が必須となる。前記特許文献1や特許文献2の洗浄装置においては、回転軸を回転自在に支持する軸受構造については触れられていないが、その軸受構造部分において発生するコンタミ(「コンタミネーション:不純物、汚れ」又は「コンタミナント:汚染物」の略)がウェハ等の洗浄対象物がセットされる回転テーブル上に及ばないようにするためのシール装置について、従来は図3や図4に示すものが考えられていた。
従来例1のシール装置B1は、図3に示すように、摺動シール部35と、その外径側に設けられるパージガスによる清浄化機構37とから構成されている。摺動シール部35は、回転テーブル31の下面側に取付けた環状のシール輪32と、ケーシング側部材33に取付けられた環状の固定輪34とが摺動する摩擦式のメカニカルシールである。具体的には、シール輪32の環状リップ部(ゴム製が多い)32aがその弾性によって固定輪34に常時押圧付勢されることでシールするリップシール構造である。尚、38は、回転テーブル31を軸心P周りに回転駆動させるための回転軸である。
清浄化機構37は、摺動シール部35の外径側において回転テーブル31とケーシング側部材33とで構成されるラビリンス部36と、その小径側に開口されるパージガス戻り路(バキューム出口)39と、その外径側に開口するパージガス供給路40とから成り、パージガス供給路40から供給されるパージガスがラビリンス部36を通過してパージガス戻り路39に向かう流れを生じさせることにより、摺動シール部35において発生したコンタミをラビリンス部36内において除去させる手段である。
従来例2のシール装置B2は、図4に示すように、非接触型メカニカルシール45と、その外径側に設けられるシールガスによる清浄化機構47とから構成されている。摺動シール部45は、回転テーブル31の下面側に取付けた環状の回転密封輪42と、ケーシング側部材43に対して回転不能で、かつ、回転軸38の軸心P方向に摺動自在であるとともに、回転密封輪42に向けてバネ46で押圧付勢される状態に装備された静止密封輪44と、ケーシング側部材43に形成されたシールガス供給路50からのシールガスを、回転密封輪42と静止密封輪44とのシール面45aに供給すべく環状中間部材51を介して静止密封輪44の通路44aに送る機構とによって構成されている。
清浄化機構47は、ラビリンス部36と、これの外径側に開口するようにケーシング側部材43に形成されるシールガス戻り路(バキューム出口)48とから成っており、シール面45aから外径方向に吐出されるシールガスをラビリンス部の外径側部分からシールガス戻り路48に負圧でもって回収することにより、回転テーブル31の回転開始時や回転終了時における回転密封輪42と静止密封輪44との摺動によって生じるコンタミをプロセス側(被軸封機器側)に及ばないようにさせる手段である。
特願2004−217226号公報 特開平11−265868号公報
前記前者の従来技術1のシール装置B1では、リップシール構造の摺動シール部35から生じるコンタミを、ラビリンス部36に構成された清浄化機構37によって回収させる構造にはなっているが、パージガス供給路40やパージガス戻り路39が円周上において局部的に設けられているためか、円環状のラビリンス部36におけるパージガスの流れが不均一になり易く(パージガスの負圧が不均一になり易く)、場合によってはプロセス側にコンタミが流入するおそれがあった。
また。前記後者の従来技術2のシール装置B2では、シールガスによる非接触シールである非接触型メカニカルシール部45を用いているので、回転中におけるシール部45におけるコンタミ発生が皆無となる好ましいものであるとともに、シールガスの供給トラブル、被軸封機器の異常振動、或いは回転開始時や回転終了時(回転の停止間際)等における前述の摺動に因るコンタミをシールガスの回収手段を用いて合理的に除去でき、プロセル側に及ばないようにされている。しかしながら、この手段においても、シールガス供給路50やシールガス戻り路48が、円周上において局部的に設けられているためか、円環状のラビリンス部36におけるシールガスの流れが不均一になり易く(シールガスの負圧が不均一になり易く)、やはり場合によってはプロセス側にコンタミが流入するおそれがあった。
回転中におけるコンタミ発生の少なさの点からは、従来技術1のシール装置よりも従来技術2のシール装置の方が明確に有利ではあるが、前述のようにラビリンス部におけるシールガス流れ不均一に起因したコンタミのプロセス側への浸入おそれが残っている。従って、高度な清潔さが要求される被軸封機器のシール装置としては、更なる改善の余地が残されてるものであった。
本発明の目的は、基本性能で有利な後者の従来技術、即ち非接触型メカニカルシール部を有する構成としながら、シールガスの回収手段に工夫を凝らすことにより、シール部において生じたコンタミがプロセス側に及ばないようにして、総合的に改善されたシール装置を実現し、提供する点にある。
請求項1に係る発明は、被軸封機器の回転部材2と一体回転する回転密封環3と、被軸封機器のケーシング側部材4に回転不能で、かつ、弾性機構mによって前記回転密封環3に常時付勢される状態に保持される静止密封環5とを、シール流体Sgを前記静止密封環5に形成された流体通路5aから前記回転密封環3と前記静止密封輪5とのシール面6に供給することにより、前記弾性機構mの付勢力に抗して非接触状態に維持可能に構成される非接触型メカニカルシールaを有するシール装置において、
前記シール面6の外径側において前記回転部材2とケーシング側部材4とによって形成されるラビリンス部10と、前記シール面6から前記ラビリンス部10を通過するシール流体Sgを回収すべく前記ケーシング側部材4に形成される戻り路11と、前記戻り路11に連通する状態で前記ケーシング側部材4に形成されるリング状の緩衝用空間15とを設け、
前記緩衝用空間15と前記ラビリンス部10とに亘って連通される複数の戻り孔13dが、前記回転部材2の軸心Pを中心とする周上に均等又はほぼ均等角度毎に配置される状態で前記ケーシング側部材4に形成されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のシール装置において、前記ケーシング側部材4における前記ラビリンス部10を形成するためのリング状部材13と、前記ラビリンス部10に開口するように前記ケーシング側部材4に形成されるリング溝14とを形成し、前記リング状部材13を前記リング溝14に対する蓋となる状態で前記ケーシング側部材4に一体装備することにより、前記ラビリンス部10及び前記緩衝用空間15が構成されるとともに、前記複数の戻り孔13dは前記リング状部材13に形成されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のシール装置において、前記ラビリンス部10よりも外径側に、前記回転部材2と前記ケーシング側部材4とによる第二ラビリンス部16を形成し、前記ケーシング側部材4に、前記第二ラビリンス部16に連通するパージ流体Pgの供給口28と、前記供給口28から径方向及び/又は軸心方向に離れて位置するパージ流体Pgの戻り口27,29とが形成されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のシール装置において、前記ケーシング側部材4における前記第2ラビリンス部16を形成するための戻り側リング状部材20と、パージ流体Pgの戻り路18,19に連通し、かつ、前記第二ラビリンス部16に開口するように前記ケーシング側部材4に形成される戻り側リング溝又はリング切欠き21,22とを形成し、前記戻り側リング状部材20を前記戻り側リング溝又はリング切欠き21,22に対する蓋となる状態で前記ケーシング側部材4に一体装備することにより、パージ流体Pgの前記戻り路18,19に連通する状態で前記ケーシング側部材4に形成されるリング状の戻り側緩衝用空間24,26及び前記第二ラビリンス部16が構成されるとともに、前記戻り口27,29は、前記第二ラビリンス部16と前記戻り側緩衝用空間24,26とを連通する状態で前記回転部材2の軸心Pを中心とする周上に均等又はほぼ均等角度毎に前記戻り側リング状部材20に配置される複数の戻り側貫通孔として形成されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4に記載のシール装置において、前記ケーシング側部材4における前記第2ラビリンス部16を形成するための供給側リング状部材20と、パージ流体Pgの供給路17に連通し、かつ、前記第二ラビリンス部16に開口するように前記ケーシング側部材4に形成される供給側リング溝又はリング切欠き23とを形成し、前記供給側リング状部材20を前記供給側リング溝又はリング切欠き23に対する蓋となる状態で前記ケーシング側部材4に一体装備することにより、パージ流体Pgの前記供給路17に連通する状態で前記ケーシング側部材4に形成されるリング状の供給側緩衝用空間25及び前記第二ラビリンス部16が構成されるとともに、前記供給口28は、前記第二ラビリンス部16と前記供給側緩衝用空間25とを連通する状態で前記回転部材2の軸心Pを中心とする周上に均等又はほぼ均等角度毎に前記供給側リング状部材20に配置される複数の供給側貫通孔として形成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、詳しくは実施例において述べるが、非接触メカニカルシールの作動開始時や終了時に生じたコンタミは、シール面からその外径側に流れるシール流体と共にラビリンス部を通る際に複数の戻り孔からシール流体と共に回収されるようになる。このとき、均等に配置される複数の戻り孔のシール流体の流れ方向下手側に配置されるリング状の緩衝用空間の存在により、戻り路が1箇所しかなくても、大きな体積を有する緩衝用空間の存在によっていずれの戻り孔にも均等な負圧がバランス良く作用し、従来に比べて、コンタミを効率良く複数の戻り孔及び緩衝用空間を介して戻り路に回収させること(清浄化機構)ができる。その結果、シール流体の回収手段に工夫を凝らすことにより、基本性能で有利な非接触型メカニカルシール部を有する構成としながら、非接触型メカニカルシール部において生じたコンタミがプロセス側に及ばないようにして、総合的に改善されたシール装置を実現し、提供することができる。
請求項2の発明によれば、コンタミをシール流体と共に円周上において均一なバランスで吸引回収するための手段、即ち、ケーシング側部材のリング状の緩衝用空間及び複数の戻し孔が、リング状部材をケーシング側部材に形成されるリング溝に蓋となるように一体装備するだけの構造簡単で製作容易なものとしながら実現できる利点がある。
請求項3の発明によれば、ラビリンス部よりも外径側に、パージ流体の流れによるコンタミ回収構造を有する第2ラビリンス部(清浄化機構)が存在するので、ラビリンス部では回収されなかったコンタミが戻り口から回収されるようになる。従って、内外二つのラビリンス部におけるコンタミ回収機能により、非接触メカニカルシールにおいて生じる僅かなコンタミがプロセス側に及ぶことを完全なまでに回避することができるようになる。この場合、円周上に均等配置される複数の貫通孔でリング状の緩衝用空間とラビリンス部とを連通させるという請求項1の発明が含むシャワー構造(圧力平滑化手段)と同様なシャワー構造をパージ流体の戻り路に設ける手段(請求項4)や、そのシャワー構造をパージ流体の供給路に設ける手段(請求項5)を採れば、第2ラビリンス部におけるコンタミの回収率が格段に向上し、請求項3の発明による前記効果が強化される利点がある。
以下に、本発明によるシール装置の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は実施例1によるシール装置の構造を示す断面図であり、図2はケーシング側のラビリンス部を示す部分平面図である。尚、図3,4はシール装置の従来例である。
〔実施例1〕
実施例1によるシール装置Aは、例えば半導体洗浄装置(被軸封機器の一例)において用いられるものであり、図1に示すように、非接触型メカニカルシールa、ラビリンスシール(清浄化機構)b、及び第2ラビリンスシール(第2清浄化機構)cから構成されている。これら三者a,b,cは、回転軸1で駆動回転自在な回転テーブル2と、回転軸1の軸心Pに関する内径側の第1ケース部4A、及び外径側の第2ケース部4Bで成るケーシング4とに跨る状態で構成されている。
非接触型メカニカルシールaは、回転テーブル(被軸封機器の回転部材の一例)2の下面に取付けられて一体回転する回転密封環3と、ケーシング(被軸封機器のケーシング)C側にピン12によって回転不能で、かつ、複数の巻きバネ(弾性機構の一例)mで常時回転密封環3に付勢(上方に付勢)される状態に保持される静止密封環5とを有して構成されている。即ち、図示しないガス送出機から送られてくるシールガス(シール流体の一例)Sgを、第1ケース部4Aに形成されている供給路7、中間リング8を介して静止密封環5に形成された流体通路5aから、回転密封環3と静止密封輪5とが摺接するシール面6に供給することにより、複数の巻きバネmの付勢力に抗して回転密封環3と静止密封輪5とを非接触状態に維持しながらこれら両者3,5間をシールすることができる。
静止密封環5は、中間リング8、及びこれと嵌合する状態で第1ケース部4Aに取付けられる支持リング9とに対して軸心P方向にスライド移動自在にシール嵌合されており、そのシール面6を形成する上面には、シールガスSgの噴出口5bが多数箇所に形成されている。従って、高圧のシールガスSgの供給により、静止密封環5の噴出口5bから噴出されるシールガスSgの圧によって静止密封環5が反回転密封環側(図1では下方)に僅かに移動し、シール面6がシールガスSgでシールされた非接触状態で回転密封環3と静止密封輪5とが相対回転することができる。
周知技術である非接触型メカニカルシールaは通常、供給路7に接続されるシールガスSgの供給機(図示省略)の駆動源は回転テーブル2の駆動源が共用されるので、回転軸1の回転開始に伴ってシールガスSgの供給も開始され、回転軸1の回転停止に伴ってシールガスSgの供給も断たれる。従って、回転テーブル2の回転開始時及び回転停止時には、短時間ではあるが回転密封環3と静止密封輪5とが摺動することとなり、それによって生じたコンタミのうちの外径側に移動する成分が、ケーシング4と回転テーブル2との隙間を通ってプロセス側、即ち回転テーブル2の上側空間に及ぶおそれがある。図示しないが、回転テーブル2の上には半導体ウェハ等がセットされているので、そこにコンタミが及ぶことは避けたい。そこで、そのコンタミを回収すべくラビリンスシールb、及び第2ラビリンスシールcが装備されている。
さて、ラビリンスシールbは、図1、図2に示すように、シール面6の外径側において回転テーブル2と第1ケース部(ケーシング側部材の一例)4Aとによって形成されるラビリンス部10と、シール面6からラビリンス部10を通過するシールガスSgを回収すべく第1ケース部4Aに形成される戻り路11とを有して構成されている。ラビリンス部10は、回転テーブル2の環状凹凸下面2aと、第1ケース部4Aの環状凹凸上面4aとの嵌合によって構成されており、環状凹凸上面4aの径方向中間部分は、第1ケース部4Aとは別体のものとして予め形成されているラビリンスリング13を、第1ケース部4Aに一体的に取付ける(嵌合しての溶着等)ことで構成されている。尚、戻り路11には、図示しない吸引機等のシールガス回収機が接続されている。
ラビリンスリング13は、基盤リング13Aと、その内外端に一体形成される内外一対の突条リング部13a,13bと、それらの間の谷条リング部13cとを有する環状の部材で成り、基盤リング13Aには、谷条リング部13cに開口する状態に貫通する戻り孔13dが軸心P周りの均等角度ごとに多数形成されている(シャワー構造)。また、第1ケース部4Aの環状凹凸上面4aには、奥窄まり段差状のリング溝14が形成されており、そのリング溝14の入口開口部を閉じる蓋となるようにラビリンスリング13が嵌合一体化されており、それによってリング状の緩衝用空間15が第1ケース部4Aに形成されている。そして、シールガスSgの戻り路11が緩衝用空間15から始まる状態で第1ケース部4Aに形成されている。
つまり、シール面6の外径側において回転テーブル2と第1ケース部4Aとによって形成されるラビリンス部10と、シール面6らラビリンス部10過するシールガスSgを回収すべく第1ケース部4Aに形成される戻り路11と、戻り路11に連通する状態で第1ケース部4Aに形成されるリング状の緩衝用空間15とを設け、緩衝用空間15とラビリンス部10とに亘って連通される複数の戻り孔13dが、回転テーブル2の軸心Pを中心とする周上に均等又はほぼ均等角度毎に配置される状態で第1ケース部4Aに形成されているのである。そして、ラビリンス部10を形成するためのラビリンスリング(リング状部材の一例)13と、ラビリンス部10に開口するように第1ケース部4Aに形成されるリング溝14とを形成し、ラビリンスリング13をリング溝14に対する蓋となる状態で第1ケース部4Aに一体装備することにより、ラビリンス部10及び緩衝用空間15が構成されるとともに、複数の戻り孔13dはラビリンスリング13に形成されている。
第2ラビリンスシールcは、図1に示すように、第1ケース部4A上端部の外周面4Sと、第1ケース部4Aの外径側に僅かな径方向間隙kを介して配備される第2ケース部4Bと、回転テーブル2の外周端部2Aとで形成される第2ラビリンス部16、第2ラビリンス部16に開口するパージガス供給路17、及び第2ラビリンス部16に開口する一対のパージガス回収路18,19を有して構成されている。
第2ケース部4Bにおける第2ラビリンス部16を形成する部分は、筒部20Aと、その上端部に一体形成される屈曲フランジ部20Bとから成り、第2ケース部4Bとは別体の第2ラビリンスリング(戻り側リング状部材及び供給側リング状部材夫々の一例)20を、第2ケース部4Bの凹凸状側面に一体的に取付ける(嵌合しての溶着等)ことで構成されている。第2ケース部4Bの段付内周部には、内径方向に開口する横向きの溝である上下二つの側周溝(戻り側リング溝又はリング切欠きの一例)21,22、及びそれら上下の側周溝21,22の上下間に位置する周状切欠き23が形成されており、第2ラビリンスリング20は、それら側周溝21,22及び周状切欠き(供給側リング溝又はリング切欠きの一例)23の蓋となる状態に取付けられており、それによって形成される上下三つの環状空間が緩衝用空間24,25,26として形成されている。
屈曲フランジ部20Bの側周壁20bには第1戻り側緩衝用空間24と第2ラビリンス部16とを連通させる第1戻り孔(パージ流体の戻り口の一例であり、戻り側貫通孔でもある)27が、軸心Pを中心とする均等角度毎に多数形成されている。そして、筒部20Aの上下中間部には、供給側緩衝用空間23と第2ラビリンス部16とを連通させる供給孔(パージ流体の供給口の一例であり、供給側貫通孔でもある)28が、かつ、筒部20Aの下部には、第2戻り側緩衝用空間26と第2ラビリンス部16とを連通させる第2戻り孔(パージ流体の戻り口の一例であり、戻り側貫通孔でもある)29が、それぞれ軸心Pを中心とする均等角度毎に多数配置される状態に形成されている。これら三箇所の多数の孔27,28,29は、前述の戻り孔13dの多数による構造(シャワー構造:図2を参照)と同様な構造である。尚、パージガス供給路17は図示しないパージガス供給機に接続され、一対のパージガス回収路18,19は吸引機構等の図示しないパージガス回収機に接続されている。
次に、ラビリンスシールb、及び第2ラビリンスシールcの作用、効果について説明する。非接触メカニカルシールaの作動により、シール面6からその内外にシールガスSgが吹き出ることとなるが、そのうちの外径側に流れるシールガスSgは、ラビリンス部10を通って外径側に移動する。そのラビリンス部10を通る際には、戻り路11に作用する負圧によってラビリンスリング13に形成されている多数の戻り孔13dからシールガスSgが吸引回収され、それによってシールガスSgに含まれているコンタミが回収されるという作用(機能)がラビリンスシールbによって発揮される。
ラビリンスシールbによっても回収されなかったコンタミがあると、それ単独で、或いはラビリンス部10においてなお外径方向に移動する成分のシールガスSgと共に第二ラビリンス部cに到達する。その到達箇所は筒部20Aの上部であるから、その下方に位置する多数の供給孔28から吹き出すパージガスPgのうちの第2ラビリンス部16において上方に移動する成分によって上方に運ばれ、屈曲フランジ部20Bの側周壁20bに形成されている多数の第1戻り孔27から吸引回収されるように、第2ラビリンスシールcが作用(機能)する。従って、これら内外二つのラビリンスシールb,cにより、非接触メカニカルシールaの回転開始時や回転終了時において生じる僅かなコンタミが、回転テーブル2の上側部分(プロセス側)に及ぶことは完全なまでに回避される。
ところで、第2ラビリンス部16に到達したコンタミは、その下方において吹き出るパージガスPgによりその殆どは上方に移動するが、どうにかして下方に移動するコンタミがあった場合には、供給孔28の下方に位置する多数の第2戻り孔29から吸引回収されるようになり、それより下方の径方向間隙kにコンタミは及ばない。また、シール面6から内径側にシールガスSgを伴って移動するコンタミは、回転軸1に沿って下方に排出される。
ラビリンスシールbにおいては、戻り孔13dの多数が周方向で均等間隔毎に形成されており、かつ、そのシールガス流れ方向下手側(図1では下側)にリング状の緩衝用空間15が形成されているので、戻り路11が1箇所しかなくても、大きな体積を有する緩衝用空間15の存在によっていずれの戻り孔13dにも均等又はほぼ均等な負圧が作用するように機能する圧力平滑化手段hが構成され、しかもそれら戻り孔13dの多数が周方向に均等角度毎に存在しているので、ラビリンスリング13上においては軸心P周りのどの方向にも一定した負圧領域が形成されるようになる。故に、ラビリンス部10における負圧はその円周上で均一化されるので、非接触型メカニカルシールaにおいて生じたコンタミは、前記負圧が円周上で不均一になることに起因して、圧の脈動等によってラビリンスリング13を外径側に通り越してしまう不都合が回避され、効率良く多数の戻り孔13dと緩衝用空間15とを介して戻り路11に回収させることができる。
加えて、第2ラビリンスシールcにおいては、パージガスPgの供給路及び一対の戻り路のいずれもが、前述のシールガスSgの戻り路と同様に多数の28,27,29孔及びリング状の緩衝用空間23,21,22を有する圧力平滑化手段hが形成されており、第2ラビリンス部16における円周上での均一なパージガスの流れにより、ラビリンスシールbで取り損ねたコンタミを的確に捕捉して、一対のパージガス回収路18,19から残らず回収することが可能になる。その結果、実施例1のシール装置Aによれば、回転密封環3と静止密封環5との摺動で生じるコンタミがプロセス側に及ぶことを完全なまでに阻止して、半導体洗浄液等の高度な清浄さが要求される被軸封機器に好適なものとして実現し、提供することができる。
〔別実施例〕
本発明によるシール装置Aは、下記1.〜4.の記載による構成のものでも良い。
1.実施例1のシール装置Aにおいて、第2ラビリンスシールcが省略された構造のシール装置。
2.実施例1のシール装置Aにおいて、第2ラビリンスシールcにおける一方のパージ流体(パージガス)の戻り路19が省略された構造のシール装置。
3.実施例1のシール装置Aにおいて、第2ラビリンスシールcにおけるパージガスの戻り口及び/又は供給口が単一又は少数のみ形成される構造のシール装置。
4.各リング状の緩衝用空間がケーシング側部材に一体的に形成されている実施例1及び別実施例1〜4のうちの何れか一つのシール装置。
シール装置の構造を示す全体断面図(実施例1) 図1のラビリンスリングの部分平面図 従来例1のシール装置を示す要部の断面図 従来例2のシール装置を示す要部の断面図
符号の説明
2 回転部材
3 回転密封環
5a 流体通路
6 シール面
10 ラビリンス部
11 戻り路
13 リング状部材
13d 戻り孔
14 リング溝
15 緩衝用空間
16 第二ラビリンス部
17 パージ流体の供給路
18,19 パージ流体の戻り路
20 供給側リング状部材、戻り側リング状部材
21,22 戻り側リング溝又はリング切欠き
23 供給側リング溝又はリング切欠き
24,26 戻り側緩衝用空間
28 パージ流体の供給口
27,29 パージ流体の戻り口
a 非接触型メカニカルシール
b ラビリンスシール
c 第二ラビリンスシール
m 弾性機構
A シール装置
P 軸心
Pg パージ流体
Sg シール流体

Claims (5)

  1. 被軸封機器の回転部材と一体回転する回転密封環と、被軸封機器のケーシング側部材に回転不能で、かつ、弾性機構によって前記回転密封環に常時付勢される状態に保持される静止密封環とを、シール流体を前記静止密封環に形成された流体通路から前記回転密封環と前記静止密封輪とのシール面に供給することにより、前記弾性機構の付勢力に抗して非接触状態に維持可能に構成される非接触型メカニカルシールを有するシール装置であって、
    前記シール面の外径側において前記回転部材とケーシング側部材とによって形成されるラビリンス部と、前記シール面から前記ラビリンス部を通過するシール流体を回収すべく前記ケーシング側部材に形成される戻り路と、前記戻り路に連通する状態で前記ケーシング側部材に形成されるリング状の緩衝用空間とを設け、
    前記緩衝用空間と前記ラビリンス部とに亘って連通される複数の戻り孔が、前記回転部材の軸心を中心とする周上に均等又はほぼ均等角度毎に配置される状態で前記ケーシング側部材に形成されているシール装置。
  2. 前記ケーシング側部材における前記ラビリンス部を形成するためのリング状部材と、前記ラビリンス部に開口するように前記ケーシング側部材に形成されるリング溝とを形成し、前記リング状部材を前記リング溝に対する蓋となる状態で前記ケーシング側部材に一体装備することにより、前記ラビリンス部及び前記緩衝用空間が構成されるとともに、前記複数の戻り孔は前記リング状部材に形成されている請求項1に記載のシール装置。
  3. 前記ラビリンス部よりも外径側に、前記回転部材と前記ケーシング側部材とによる第二ラビリンス部を形成し、前記ケーシング側部材に、前記第二ラビリンス部に連通するパージ流体の供給口と、前記供給口から径方向及び/又は軸心方向に離れて位置するパージ流体の戻り口とが形成されている請求項1又は2に記載のシール装置。
  4. 前記ケーシング側部材における前記第2ラビリンス部を形成するための戻り側リング状部材と、パージ流体の戻り路に連通し、かつ、前記第二ラビリンス部に開口するように前記ケーシング側部材に形成される戻り側リング溝とを形成し、前記戻り側リング状部材を前記戻り側リング溝又はリング切欠きに対する蓋となる状態で前記ケーシング側部材に一体装備することにより、パージ流体の前記戻り路に連通する状態で前記ケーシング側部材に形成されるリング状の戻り側緩衝用空間及び前記第二ラビリンス部が構成されるとともに、前記戻り口は、前記第二ラビリンス部と前記戻り側緩衝用空間とを連通する状態で前記回転部材の軸心を中心とする周上に均等又はほぼ均等角度毎に前記戻り側リング状部材に配置される複数の戻り側貫通孔として形成されている請求項3に記載のシール装置。
  5. 前記ケーシング側部材における前記第2ラビリンス部を形成するための供給側リング状部材と、パージ流体の供給路に連通し、かつ、前記第二ラビリンス部に開口するように前記ケーシング側部材に形成される供給側リング溝とを形成し、前記供給側リング状部材を前記供給側リング溝又はリング切欠きに対する蓋となる状態で前記ケーシング側部材に一体装備することにより、パージ流体の前記供給路に連通する状態で前記ケーシング側部材に形成されるリング状の供給側緩衝用空間及び前記第二ラビリンス部が構成されるとともに、前記供給口は、前記第二ラビリンス部と前記供給側緩衝用空間とを連通する状態で前記回転部材の軸心を中心とする周上に均等又はほぼ均等角度毎に前記供給側リング状部材に配置される複数の供給側貫通孔として形成されている請求項3又は4に記載のシール装置。
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