JP2002243044A - 駆動装置 - Google Patents

駆動装置

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JP2002243044A
JP2002243044A JP2001037864A JP2001037864A JP2002243044A JP 2002243044 A JP2002243044 A JP 2002243044A JP 2001037864 A JP2001037864 A JP 2001037864A JP 2001037864 A JP2001037864 A JP 2001037864A JP 2002243044 A JP2002243044 A JP 2002243044A
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differential exhaust
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axis stage
differential
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Takeshi Nakamura
中村  剛
Nobuhito Saji
伸仁 佐治
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の差動排気シールを有する場合に、排気
効率を向上させて差動排気シールのシール能力を上げ
る。 【解決手段】 円筒軸30とX軸ステージ10に支持さ
れたハウジング70との間をシールする差動排気シール
50と、X軸ステージ10と筐体20との間をシールす
る差動排気シール60とが、X軸ステージ10内部に設
けられた配管である連通路12によって連通していると
共に、差動排気シール60が筐体20内部に設けられた
連通路23によって排気ポンプと連通している。X軸ス
テージ10および筐体20内に固定された連通路12、
23は、フレキシブルな配管よりも大径にできるので、
排気効率を向上させて差動排気シール50、60のシー
ル能力を上げることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部環境から隔離
されたプロセス室内でワークを駆動するために使用可能
な駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置などにおいては、真空や
特殊ガス雰囲気に維持したプロセス室内で、ワークをス
テージに載置して少なくとも2次元方向に移動させて加
工処理することが行われている。このような用途に用い
られる駆動装置は、固定部と、これに対して相対的に移
動する2つの移動部と、各部間をシールする複数の差動
排気シールとを具備している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような駆動装置
において、各差動排気シールからの排気は、移動部が固
定部に対して相対的に移動するために、それぞれの差動
排気シールにフレキシブルな配管(ゴムホースや蛇腹管
など)を接続して差動排気シールごとに別々に行うのが
一般的である。
【0004】しかしながら、排気効率を上げるため配管
の径を太くすると、配管の剛性がこれに伴い大きくなる
ため、これを移動部に固定すると移動部の運動精度に影
響を与えるおそれがある。これに対処するために移動部
やそれを支持する軸受を高剛性化する必要が生じ、装置
の大型化を招くことになる。また軸受の高剛性化のみで
対応できない場合もある。従って、配管の径を一定の寸
法以上に大きくすることは困難である。そのため、上述
したような駆動装置において、現状では、排気効率(コ
ンダクタンス)を向上させて差動排気シールのシール能
力をある一定以上に上げることが不可能となっている。
【0005】そこで、本発明は、かかる従来技術の問題
点に鑑み、排気効率を向上させて差動排気シールのシー
ル能力を上げることができる駆動装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の駆動装置は、相対的に移動可能な複数の
部材と、各部材間をシールする複数の差動排気シールと
を備えた駆動装置において、前記複数の差動排気シール
が前記部材の内部に設けられた通路によって互いに連通
していると共に、前記通路を介して前記複数の差動排気
シールからの排気が行われるようにされてなるものであ
る。
【0007】
【作用】本発明の駆動装置は、相対的に移動可能な複数
の部材と、各部材間をシールする複数の差動排気シール
とを備えた駆動装置において、前記複数の差動排気シー
ルが前記部材の内部に設けられた通路によって互いに連
通していると共に、前記通路を介して前記複数の差動排
気シールからの排気が行われるようにされてなるので、
フレキシブルな配管よりも径を大きくすることのできる
各部材の内部に設けられた固定された通路を介して差動
排気シールからの排気を行うことにより、今まで以上に
排気効率を向上させて差動排気シールのシール能力を上
げることが可能となる。そして、排気効率が向上するこ
とのために、能力およびサイズの小さな排気ポンプを部
材内に装着して用いることが可能になる。また、複数の
差動排気シールからの排気が行われる通路が互いに連通
していることのために、各部材ごとにポンプを接続する
必要がなくなって連通路中の最終排気出口のある部材だ
けにポンプを接続すればよくなり、最小ポンプ数ですべ
ての部材の排気を行うことが可能になる。
【0008】ここで、差動排気シールとは、各部材間の
微小な間隙にある気体を排気することにより、各部材の
対向面間が非接触の状態で、対向面を挟む両側の雰囲気
(例えば大気圧と高真空)を一定の状態に保つように機
能するものをいう。以下に述べる実施の形態において
は、排気面を有する部材を差動排気シールという。
【0009】本発明において、複数の差動排気シールが
前記部材の内部に設けられた通路によって互いに直列に
連通していることが好ましい。これにより、排気効率を
より向上させることができる。また、この場合、直列に
連通した通路の一端が、複数の部材中の固定された部材
中に設けられていることが好ましい。これにより、排気
点を常に一定位置に保持しておくことができる。
【0010】なお、本発明において、差動排気シール
は、対向する2つの部材のどちら側に設けてもよい。ま
た、通路は各部材の間に最低1つあればよいが、排気効
率を上げるためには、複数の通路が設けられていること
が好ましい。通路の数や太さは、排気ポンプの性能によ
り適宜定めることが好ましい。
【0011】また、本発明の駆動装置は、差動排気シー
ルに吸引力を発生させるような差圧が部材周囲の空間に
存在する場合だけでなく、差動排気シールに吸引力を発
生させるような差圧が部材周囲の空間に存在しない場合
(例えば、1つの部材内に設けられたプロセス室が1気
圧のN雰囲気の場合)、差動排気シールに反発力を発
生させるような差圧(負圧)が部材周囲の空間に存在す
る場合、および、部材周囲の空間の差圧が変化する場合
(例えば、ゲートバルブを開閉する場合)のいずれの場
合にも適用することが可能である。
【0012】また、本発明において、複数の部材の互い
の対向面は、平面であってもよいし、曲面であってもよ
い。
【0013】また、本発明において、複数の部材間に
は、転がり軸受や静圧軸受などの軸受が配置されている
ことが好ましい。これにより、部材の相対移動を容易に
行うことが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施の形態について詳細に説明する。
【0015】まず、本発明の第1の実施の形態につい
て、図1〜図7に基づいて説明する。本実施の形態の駆
動装置は、二軸方向移動且つ軸回動可能としたものであ
る。図1は、本実施の形態の駆動装置の模式的な平面図
である。図2は、図1の駆動装置をII-II線で切断して
矢印方向に見た図であり、図3は、図1の駆動装置をII
I-III線で切断して矢印方向に見た図である。また、図
4は、本実施の形態の駆動装置の詳細な平面図をX軸ス
テージ10等を取り除いた状態で示すものである。図5
は、図4の駆動装置をV-V線で切断して矢印方向に見た
図であり、図6は、図4の駆動装置の側面図であり、図
7は、図4の駆動装置をVII-VII線で切断して矢印方向
に見た図である。
【0016】移動部であるX軸ステージ(スライダ)1
0は、中央に円形の開口11を有し、開口11内に差動
排気シール(第2の差動排気シール手段)50を設けて
いる。差動排気シール50は、開口11に嵌合する略円
筒形状を有し、その内周面50aが排気面を構成してお
り、排気面50aは、2列の環状の溝部51,52を備
え、これら環状の溝部51,52からX軸ステージ10
の内部を通過する固定配管である連通路12,12(図
7)を介して筐体20との対向面まで連通している。な
お、53はX軸ステージ10と、後述のハウジング71
との間をシールするための接触式のシールであるO−リ
ングである。
【0017】X軸ステージ10の開口11内には、内部
に後述の軸受部70(第2の軸受)及び差動排気シール
50を備えたハウジング71が筐体20との間を密閉し
た状態で内嵌され、ハウジングの内側には軸部材(第2
の移動部)である円筒軸30が挿通されており、差動排
気シール50に、シール面であるその周面の一部を包囲
されている。円筒軸30の外周面との対向面のうち、排
気面50aの溝部51,52を除く部分及び後述の静圧
軸受部72の内周面は、これ以外の部分、すなわち、排
気面50aの右側の部分、排気面50aと静圧軸受部7
2との間の部分及び2つの静圧軸受部72の間に挟まれ
た部分に比べ、図5,7にも示すとおり、円筒軸30外
周面との隙間が十分小さくなるように設定されている。
図7に示すように、X軸ステージ10の右側面には、図
中上下3個ずつで合計6個の断面がコ字状のスライダ1
3が配置されている。かかるスライダ13は、固定部で
ある筐体20に配置されたガイドレール21に、スライ
ダ13内を循環する不図示の多数の転動体を介して係合
しており、ガイドレール21に沿って図7の紙面垂直方
向に滑動自在となっている。これらスライダ13,ガイ
ドレール21及び多数の転動体で転がり案内軸受の一種
であるリニアガイドが構成される(第1の軸受)。ガイ
ドレール21を図5の左側面に取り付けた固定部である
筐体20が、X軸ステージ10の右方に設けられてい
る。なお、筐体20の内部にプロセス室Pが形成され
る。
【0018】図2,図5,及び図7において、筐体20
の左側面には、筐体20とX軸ステージ10との間隙を
シールする差動排気シール60(第1の差動排気シール
手段)が設けられている。図4に示すように、差動排気
シール60は、筐体20に形成された長孔22の周囲に
沿って延在するトラック状となっている。このトラック
状の部分のX軸ステージ10と対向する面60aが差動
排気シール60の排気面として機能する。さらに、差動
排気シール60は、2本のトラック状の溝部61、62
を形成しており、溝部61、62は、排気シール60の
内部通路63、64を介して、筐体20の内部を通過す
る固定配管である連通路23、23に連通している。連
通孔23、23は、不図示の吸引ポンプに接続されてい
る。排気面60a(但し溝部61、62を除く)は、そ
の外側の筐体20がX軸ステージ10と対向している部
分に比べ、図4で手前側にわずかに突出している。そし
て前記リニアガイド(軸受)により、この突出部分と、
これに対向するX軸ステージ10の面10a(対向シー
ル面)とが、外側の部分に比べ十分に小さな間隔を隔て
て対向するように設定されている。
【0019】図5において、X軸ステージ10の開口1
1に、略円筒状の軸受部70が取り付けられている。軸
受部70は、開口11に一端を嵌合させたハウジング7
1と、ハウジング71内に配置された一対の円筒状の静
圧軸受部72とから構成されている。
【0020】静圧軸受部72は、円筒軸30を包囲して
おり、ハウジング71に形成された不図示の連通孔や給
気管を介して、不図示の圧送ポンプに接続されている。
又、ハウジング71内には2つの静圧軸受部72の側部
から排出された気体を大気中に逃がすための通路73を
備えている。なお、静圧軸受部72に関しては、公知の
多孔質軸受を用いたが、これに限らず、他の方式のもの
としてもよい。また、本実施の形態では、静圧軸受部7
2に供給する流体として空気を用いているが、他の気体
や磁性流体などを用いても良い。
【0021】本実施の形態では、差動排気シール60の
溝部61、62は、X軸ステージ10の位置にかかわら
ず、その面10aにある連通路12,12の出口と、排
気面60aにおいて対向する位置に設けられている。そ
のため、2つの差動排気シール50、60は、X軸ステ
ージ10の内部に設けられた連通路12、12によって
互いに連通している。そして、連通路12、12は、差
動排気シール60および連通路23、23を介して吸引
ポンプと接続されている。これにより、吸引ポンプが動
作すると、差動排気シール50からの排気は、溝部5
1、52から連通路12、12、差動排気シール60の
溝部61、62、内部通路63,64、および連通路2
3、23を経て外部に排出されることになる。また、差
動排気シール60からの排気も同様にして連通路23、
23から排出される。
【0022】なお、固定配管である連通路12、12お
よび連通路23、23は、X軸ステージ10および筐体
20の内部にそれぞれ設けられているために、大きな径
で形成することができる。但し、連通路12、12や内
部通路63,64は、連通路23,23に比べ、構造
上、長さが短くて済むので、連通路12,12に比べ、
径を細くしても、吸引ポンプに対する負担が小さいた
め、本実施形態では径を細くしてある。
【0023】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。図5において、左右方向をY軸方向とし、上下方向
をX軸方向とする。X軸ステージ10は、ガイドレール
21とベアリング13と多数の転動体とで構成されるリ
ニアガイド(軸受)により低フリクション状態で筐体2
0に対して支持されているので、不図示の外部駆動源に
よりボールねじなどを用いて駆動されることで、筐体2
0に対してX軸方向に移動可能となっている。このと
き、円筒軸30は、X軸ステージ10と共にX軸方向に
移動するが、筐体20の長孔22は、かかる円筒軸30
のX軸方向移動を許容するようになっている。言い換え
ると、X軸ステージ10は、長孔22の長手方向長さに
規定される範囲内で、筐体20に対してX軸方向に相対
移動可能となっている。
【0024】一方、円筒軸30の左端は、X軸ステージ
10上に設置された駆動源(不図示)に接続されてお
り、円筒軸30をY方向に駆動するようになっている。
このとき、不図示の圧送ポンプから、不図示の給気管、
連通孔を介して空気が圧送され、第2の軸受である静圧
軸受部72の内周面から噴出するようになっているの
で、かかる空気圧により、円筒軸30は、静圧軸受部7
2に対して非接触的に支持され、摩擦などの抵抗なく、
X軸ステージ10に対して相対移動可能となっている。
【0025】この際、排気面60aを有する差動排気シ
ール60は、不図示の吸引ポンプからの吸引力に基づ
き、筐体20の連通路23を介して、X軸ステージ10
の側面10a(対向シール面)との間の空気を吸引して
いると共に、X軸ステージ10の連通路12、12を介
して、差動排気シール50の円筒軸30の表面(対向シ
ール面)との間の空気を吸引しているので、X軸ステー
ジ10と筐体20との間の間隙およびX軸ステージ10
と円筒軸30との間の間隙を介して、外部より空気や異
物がプロセス室P内に侵入することを防止できる。従っ
て、ワークの加工処理のため、筐体20内のプロセス室
Pを負圧環境にしたような場合にも、差動排気シール5
0、60により、外部からの空気の侵入を阻止できるの
で、プロセス室Pの負圧環境を維持でき好ましい。ま
た、プロセス室P内がガスで満たされている場合も、こ
のガスが差動排気シールによって回収されるため、プロ
セス室P外に漏れるのを防ぐことができる。
【0026】また、円筒軸30は、図示しない駆動機構
によって、軸回りに回動可能となっている。これによ
り、本実施の形態では、XY2方向の移動に加えて軸回
動を行うことが可能である。
【0027】上述のように、本実施の形態によると、2
つの差動排気シール50、60がX軸ステージ10の内
部に設けられた連通路12、12によって互いに連通し
ていると共に、筐体20の内部に設けられた連通路2
3、23および吸引ポンプを介して差動排気シール60
が外部と連通しており、連通路12、12および連通路
23、23を介して差動排気シール50、60からの排
気が行われるようにされてなるので、フレキシブルな配
管よりも径を大きくすることのできるX軸ステージ10
および筐体20の内部に設けられた固定された連通路1
2、12および連通路23、23を介して差動排気シー
ル50、60からの排気を行うことにより、今まで以上
に排気効率を向上させて差動排気シール50、60のシ
ール能力を上げることが可能となる。特に、比較的距離
の長くなる連通路23が固定部である筐体20に設けら
れていることも、排気効率向上に有利である。固定部で
ある筐体20は、剛性を上げるために比較的大型化して
も問題が無いため、その内部に設けられる連通路23、
23の径を太く設定するのに都合がよいためである。さ
らに、X方向、Y方向のスライドを本実施の形態のよう
な長孔を備えた筐体とX軸ステージと、X軸ステージに
設けられた開口をY軸方向にスライドする軸との組み合
わせにより構成したことにより、差動排気シール50か
ら連通路23、23に至るまでの距離は短くてすむ。従
って、連通路23に至るまでの通路(連通路12、内部
通路63、64等)の太さは比較的細くしても排気効率
低下ヘの影響も小さくてすむ。特に連通路12を細くで
きるということは、X軸ステージ10等の可動部や、こ
れを支持する軸受の小型化のために有利である。換言す
れば、筐体20に設けられた比較的距離が長い連通路2
3の径を、他に比較して太くすることにより、排気効率
の向上と可動部の小型化とを両立することが可能とな
る。そして、排気効率が向上することのために、能力お
よびサイズの小さな排気ポンプを筐体20内に装着して
用いることが可能になる。また、2つの差動排気シール
50、60からの排気が行われる連通路12、23が互
いに連通していることのために、X軸ステージ10に排
気ポンプを接続する必要がなくなって筐体20だけに排
気ポンプを接続すればよくなり、最小ポンプ数ですべて
の部材の排気を行うことが可能になる。なお、圧送ポン
プから静圧軸受部72への給気のため、移動部にも配管
は必要となるが、この場合の管の径は排気のための管の
径に比べ細くてすむので問題ない。
【0028】なお、転がり要素であるリニアガイドから
の発塵に対しては、差動排気シール60が吸引してくれ
るため、問題になることはない。そのため、通常の場
合、大気中で使用可能なグリースやオイルを潤滑剤とし
て使用することができる。但し、例えば、大気中であっ
ても、装置全体がクリーンルーム内に設置される場合も
あり、そのような場合、駆動装置が設置されるクリーン
ルームの環境を維持するために、発塵が少ないクリーン
仕様のグリース或いは固体潤滑剤などを使用することが
好ましい。
【0029】さらに、本実施の形態によれば、X軸ステ
ージ10を、筐体20の外部から駆動しているので、プ
ロセス室P内に駆動系を設ける必要がなく、プロセス室
P内の汚染などを防止できると共に、駆動系のメンテナ
ンスが容易となる。また、差動排気シール60の吸引力
は、図4に示すトラック状の範囲に限られるので、たと
え筐体20を大型化しても差動排気シール60の全長は
長くならず、従って軸受を構成するベアリング13とガ
イドレール21の支持反力は変わらない。しかも、X軸
ステージ10の筐体20と対向する面のうち、排気面6
0aより外側の部分の受ける力は大気圧と等しくなるの
で、X軸ステージ10の表裏面に働く圧力分布を考える
と、表裏で差圧が存在するのは、排気面60aから内側
の限られた部分となる。従って、リニアガイド(軸受)
が支持すべき力は、この限られた面積の差圧の総和に抗
する力でよいから小さくて済む。
【0030】また、本実施の形態では、差動排気シール
60の溝部61、62を長孔22に隣接して筐体20の
側に設けたが、X軸ステージ10の側に溝部を設けるこ
とも考えられる。しかしながら、この場合、X軸ステー
ジ10の移動可能な全範囲において、長孔22に正対す
る方向(図5に相当する向き)から見た場合、排気面6
0aが長孔22を囲んでいるように排気面60aを形成
する必要がある。そのため、円筒軸30の可動範囲とな
る(長孔22+円筒軸30ストローク)分の長さを有す
る排気面60aが必要になる。そして、排気面60aの
長さが長くなった分だけガイドレール21の長さも長く
する必要が生じ、結果的に駆動装置全体のサイズが大き
くなる。そのため、本実施の形態のように、差動排気シ
ール60の溝部61、62を長孔22に隣接して筐体2
0の側に設けることによって、装置をより小型化でき、
しかも装置の構造物に高い剛性を必要としないという利
益が生じる。但し、溝部61、62をX軸ステージ10
側に設けた場合でも、連通路23,23を太くすること
ができることによる排気効率向上等の効果は得ることが
できる。
【0031】また、本実施の形態によると、筐体20と
X軸ステージ10との間に転がり軸受であるリニアガイ
ドが配置されてなるので、例えばプロセス室P内外の圧
力差がないなどのために差動排気シール60の吸引力が
低下したり或いはなくなった場合であっても、リニアガ
イドの有する自立性によって筐体20とX軸ステージ1
0との間隙をシールすることができる。そのため、プロ
セス室P内外の圧力差の有無に拘わらずプロセス室Pを
シールすることが可能となる。それと共に、プロセス室
Pを有する筐体20とX軸ステージ10との間に別の軸
受を必要とすることもなくなる。また、自立性を有する
軸受であるリニアガイドはプロセス室P内外の差圧に起
因する吸引力の大小に拘わらず軸受として機能するの
で、駆動装置を組み立てる際に圧力調整などの煩雑な作
業を行う必要がなくなって、容易に組み立てを行うこと
が可能になる。
【0032】なお、上述した第1の実施の形態におい
て、プロセス室P内外の圧力差が変化するような場合に
は、吸引力の変化による高さ寸法の変化が小さい高剛性
を有する転がり要素を転がり軸受として用いることで、
状況に応じて差動排気シール60のギャップ幅が変化す
るのを防止することができる。
【0033】以上、本発明の第1の実施の形態について
説明したが、上述の実施の形態には様々な変更・改良が
可能である。例えば、排気面60aの溝部61、62は
2列にしたが、これに限定されず、吸引ポンプの性能、
プロセス室内外の差圧の大きさ、等に応じ、1列あるい
は3列以上としても良い。また、排気面60aと対向シ
ール面との隙間の大きさも吸引ポンプ等の性能との兼ね
合いで決まるもので、数μmから数100μmまで適宜
選択可能である。さらに、軸受としては、実施の形態に
示すガイドレール21とベアリング13とから構成され
る軸受に限らず、各種の転がり軸受を用いることがで
き、たとえばX軸ステージ10の案内軸受として、リニ
アガイドの代わりに他の転がり案内軸受(クロスローラ
ガイド等)を用いてもよい。
【0034】又、差動排気シール60と筐体20とは一
体でも別体でも良い。さらに、排気面60aを筐体20
の外側の部分より突出させる代わりに、排気面60aの
外周に沿って、少なくとも両端部すなわち本実施の形態
では円弧部分の外側に大気と連通する溝を設けても良
い。さらに、長孔22、排気面60a、排気面の溝部6
1、62の形状も、図面に示した形状に限定されない。
また、筐体20とX軸ステージ10との互いの接触面
は、本実施の形態のように平面であってもよいし、曲面
であってもよい。
【0035】加えて、本実施の形態においては、筐体2
0を固定部とし、X軸ステージ10を移動部としている
が、これとは逆に、X軸ステージ10を固定部として、
筐体20を移動部とすることもできる。
【0036】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図8〜図10に基づいて説明する。本実施の形態の
駆動装置は、第1の実施の形態のものにさらにZ方向の
移動ステージを加えることで、4自由度の位置決めを可
能としたものである。図8は、本実施の形態の駆動装置
の模式的な平面図である。図9は、図8の駆動装置をIX
-IX線で切断して矢印方向に見た図であり、図10は、
図8の駆動装置をX-X線で切断して矢印方向に見た図で
ある。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の部材
には同じ符号を付してその説明を省略すると共に、第1
の実施の形態と共通の構成については説明を省略する。
【0037】図8〜図10に示すように、本実施の形態
では、X軸ステージ(スライダ)10と筐体20との間
に、Z軸ステージ80が配置されている。また、Z軸ス
テージ80がZ方向に移動可能となるように、筐体20
の長孔22は、第1の実施の形態とは異なり、X方向お
よびZ方向の両方に伸延した矩形となっている。また、
Z軸ステージ80には、X軸ステージ10がX方向に移
動可能となるように、X方向に伸延した長孔82が設け
られている。
【0038】また、Z軸ステージ80のX軸ステージ1
0との対向面には、長孔82を取り囲むようなトラック
状の差動排気シール(第3の差動排気シール手段)84
が設けられている。詳細は省略するが、差動排気シール
84は、第1の実施形態の差動排気シール60と同様に
構成されている。差動排気シール84の溝部(図示せ
ず)は、X軸ステージ10の連通路12,12の出口
と、差動排気シール84の排気面84aにおいて対向す
る位置に設けられている。また、Z軸ステージ80の筐
体20との対向面と差動排気シール84との間には、第
1の実施形態の内部通路63,64と同様、差動排気シ
ール84の溝部(不図示)に開口し、かつZ軸ステージ
80の内部を通過する固定配管である連通路85が設け
られている。そして、差動排気シール60の溝部(図5
参照)は、Z軸ステージ80の連通路85の出口と、Z
軸ステージ80の位置によらず、差動排気シール60の
排気面60aにおいて対向する位置に設けられている。
【0039】そのため、3つの差動排気シール50、8
4、60は、X軸ステージ10の内部に設けられた連通
路12、12およびZ軸ステージ80の内部に設けられ
た連通路85によって互いに連通している。そして、連
通路12、12および連通路85は、差動排気シール6
0および連通路23、23を介して吸引ポンプと接続さ
れている。これにより、吸引ポンプが動作すると、差動
排気シール50からの排気は、溝部51、52から連通
路12、12、差動排気シール84、連通路85を経て
差動排気シール60の溝部61、62に与えられ、連通
路23、23を経て外部に排出されることになる。ま
た、差動排気シール84、60からの排気も同様にして
連通路23、23から排出される。
【0040】なお、固定配管である連通路85、連通路
12、12および連通路23、23は、Z軸ステージ8
0、X軸ステージ10および筐体20の内部にそれぞれ
設けられているために、大きな径で形成することができ
る。特に、固定部である筐体20に設けられ、距離の長
い連通路23,23は、容易に太い径とすることができ
るため、排気効率向上に有利である。
【0041】本実施の形態の駆動装置は、X方向、Y方
向およびZ方向に独立して動作すると共に、円筒軸30
は軸回りに回動する。
【0042】この際、排気面60aを有する差動排気シ
ール60は、不図示の吸引ポンプからの吸引力に基づ
き、筐体20の連通路23を介して、筐体20とZ軸ス
テージ80との間の空気を吸引し、連通路85を介し
て、Z軸ステージ80とX軸ステージ10との間の空気
を吸引し、さらに、連通路12を介して、差動排気シー
ル50の円筒軸30の表面(対向シール面)との間の空
気を吸引しているので、各部材の間隙を介して、外部よ
り空気や異物がプロセス室P内に侵入することを防止で
きる。従って、ワークの加工処理のため、筐体20内の
プロセス室Pを負圧環境にしたような場合にも、差動排
気シール50、84、60により、外部からの空気の侵
入を阻止できるので、プロセス室Pの負圧環境を維持で
き好ましい。また、プロセス室P内がガスで満たされて
いる場合も、このガスが差動排気シールによって回収さ
れるため、プロセス室P外に漏れるのを防ぐことができ
る。
【0043】上述のように、本実施の形態によると、2
つの差動排気シール50、84、60がX軸ステージ1
0の内部に設けられた連通路12、12とZ軸ステージ
80の内部に設けられた連通路85によって互いに連通
していると共に、筐体20の内部に設けられた連通路2
3、23および吸引ポンプを介して差動排気シール60
が外部と連通しており、連通路12、12、連通路85
および連通路23、23を介して差動排気シール50、
84、60からの排気が行われるようにされてなるの
で、フレキシブルな配管よりも径を大きくすることので
きるX軸ステージ10、Z軸ステージ80および筐体2
0の内部に設けられた固定された連通路12、12、連
通路85および連通路23、23を介して差動排気シー
ル50、84、60からの排気を行うことにより、今ま
で以上に排気効率を向上させて差動排気シール50、8
4、60のシール能力を上げることが可能となる。特
に、比較的距離の長くなる連通路23が固定部である筐
体20に設けられていることも、排気効率向上に有利で
ある。固定部である筐体20は、剛性を上げるために比
較的大型化しても問題が無いため、その内部に設けられ
る連通路23、23の径を太く設定するのに都合がよい
ためである。さらに、X、Y、Z各軸方向に移動させる
ために、本実施の形態のような構成としたことにより、
差動排気シール50から連通路23、23に至るまでの
距離は短くてすむ。従って、連通路23に至るまでの通
路(連通路12、85等)の太さは比較的細くしても排
気効率低下ヘの影響も小さくてすむ。特に連通路12、
85を細くできるということは、X軸ステージ10、Z
軸ステージ80等の可動部や、これを支持する軸受の小
型化のために有利である。換言すれば、管体20に設け
られた比較的距離が長い連通路23の径を、他に比較し
て太くすることにより、排気効率の向上と可動部の小型
化とを両立することが可能となる。そして、排気効率が
向上することのために、能力およびサイズの小さな排気
ポンプを筐体20内に装着して用いることが可能にな
る。また、3つの差動排気シール50、84、60から
の排気が行われる連通路12、85、23が互いに連通
していることのために、X軸ステージ10およびZ軸ス
テージ80にポンプを接続する必要がなくなって筐体2
0だけにポンプを接続すればよくなり、最小ポンプ数で
すべての部材の排気を行うことが可能になる。
【0044】次に、本発明の第3の実施の形態につい
て、図11〜図13に基づいて説明する。本実施の形態
の駆動装置は、円筒軸(中心軸)およびこれを取り囲む
ように設けられた中間軸を各軸中心の回りに回動可能と
したものである。図11は、本実施の形態の駆動装置の
模式的な平面図である。図12は、図11の駆動装置を
XII-XII線で切断して矢印方向に見た図であり、図13
は、図12の要部詳細図である。
【0045】図11〜図13に示すように、本実施の形
態では、プロセス室Pをもつ筐体120に円形の開口1
22が設けられており、この開口122には円筒状の中
間軸140が挿入されている。そして、中間軸140の
開口142には、中心軸130が挿入されている。中間
軸140および中心軸130は、一端側において共にプ
ロセス室Pに臨んでおり、その先端にはそれぞれ独立に
ワーク(図示せず)を配置することが可能になってい
る。また、中間軸140の筐体120から外側に突出し
た部分には、筐体120に固定された円環状の軸受ユニ
ット150が配置されている。
【0046】中間軸140と筐体120との対向面、お
よび、中間軸140と中心軸130との対向面には、第
1の実施の形態で説明した差動排気シール50と同様の
差動排気シール124、144がそれぞれ設けられてい
る。また、中間軸140の筐体120との対向面と、差
動排気シール144との間には、中間軸140の内部を
通過する固定配管である連通路145(図13に示すよ
うに、2つの連通路145a、145bからなる)が設
けられている。そして、筐体120の内部には、差動排
気シール124と排気ポンプとをつなぐ連通路125
(図13に示すように、2つの連通路125a、125
bからなる)が設けられている。
【0047】図13に示すように、差動排気シール12
4は、中間軸140との対向面(排気面)124aに、
円環状の3つの溝部126、127、128を具備して
いる。溝部126、127は、孔129a、129bを
介してそれぞれ連通路125a、125bと接続されて
いる。溝部128は大気開放されている。一方、差動排
気シール144は、中心軸130との対向面(排気面)
144aに、円環状の3つの溝部146、147、14
8を具備している。溝部146、147は、連通路14
5a、145bとそれぞれ接続されている。溝部148
は大気開放されている。
【0048】そして、差動排気シール124の溝部12
6、127は、中間軸140の連通路145a、145
bの出口と、差動排気シール124の排気面124aに
おいて対向する位置に設けられている。そのため、2つ
の差動排気シール124、144は、中間軸140の内
部に設けられた連通路145a、145bによって互い
に連通している。そして、連通路145a、145b
は、差動排気シール124、孔129a、129bおよ
び連通路125a、125bを介して吸引ポンプ(連通
路125aに接続された吸引ポンプとしては、連通路1
25bに接続された吸引ポンプよりも能力の大きなもの
が使用される)と接続されている。これにより、吸引ポ
ンプが動作すると、差動排気シール144からの排気
は、溝部146、147から連通路145a、145
b、差動排気シール124、孔129a、129b、連
通路125a、125bを経て外部に排出されることに
なる。また、差動排気シール124からの排気も同様に
して連通路125から排出される。
【0049】なお、固定配管である連通路145a、1
45b、孔129a、129b、および、連通路125
a、125bは、中間軸140および筐体120の内部
にそれぞれ設けられているために、大きな径で形成する
ことができる。
【0050】また、図13に示すように、中間軸140
の中心軸130に面した部分には、2つの円環状の静圧
軸受(ラジアル支持)172が配置されている。2つの
静圧軸受172の間には溝部173が設けられており、
溝部173は配管174を介して大気開放されている。
一方、軸受ユニット150には、中間軸140の外周面
の一部と対向する位置に、2つの静圧軸受(ラジアルお
よびスラスト支持)152が配置されている。2つの静
圧軸受152の間には溝部153が設けられており、溝
部153は配管154を介して大気開放されている。静
圧軸受152には、給気ポンプ(図示せず)と接続され
た配管155を介してそれぞれ空気が供給される。中間
軸140の軸受ユニット150との対向面には、静圧軸
受152と対向する位置に2つの円環状の溝部175が
設けられている、溝部175は、配管176を介して静
圧軸受172と接続されている。これにより、給気ポン
プから供給された空気は、静圧軸受152だけではなく
静圧軸受172にも供給されるようになっている。な
お、図13に示す140aは中間軸140の端部に固定
されてフランジ部を形成するものであり、これにより、
中間軸140が筐体120に対し、軸方向に移動するの
を規制することができる。
【0051】なお、ここで用いられるラジアル及びスラ
スト支持用の静圧軸受152、ラジアル支持用の172
は、第1の実施の形態で用いられた静圧軸受72と同様
のものであり、これと同等の機能を有している。つま
り、静圧軸受152は、その内周面および両端面から噴
出する空気によって筐体120に対して中間軸140を
非接触的に支持し、摩擦などの抵抗なく、回動可能とし
ている。また、静圧軸受172は、その内周面から噴出
する空気によって中間軸140に対して中心軸130を
非接触的に支持し、摩擦などの抵抗なく、回動およびY
方向に相対移動可能としている。
【0052】以上のように構成された本実施の形態の駆
動装置においては、中心軸130および中間軸140が
独立に軸中心に回動すると共に、中心軸130がY方向
に移動可能である。なお、中間軸140の形状を本実施
の形態のように段付きにしない場合には、溝部126、
127と連通路145a、145bとの連通が保証され
る範囲内において、中間軸140もY方向に移動可能な
構成とすることもできる。また、中心軸130は、軸回
動およびY方向移動のいずれか一方だけを行ってもよ
い。
【0053】この際、排気面124aを有する差動排気
シール124は、不図示の吸引ポンプからの吸引力に基
づき、筐体120の連通路125を介して、筐体120
と中間軸140との間の空気を吸引し、連通路145を
介して、中間軸140と中心軸130との間の空気を吸
引しているので、各部材の間隙を介して、外部より空気
や異物がプロセス室P内に侵入することを防止できる。
従って、ワークの加工処理のため、筐体120内のプロ
セス室Pを負圧環境にしたような場合にも、差動排気シ
ール124、144により、外部からの空気の侵入を阻
止できるので、プロセス室Pの負圧環境を維持でき好ま
しい。また、プロセス室P内がガスで満たされている場
合も、このガスが差動排気シールによって回収されるた
め、プロセス室P外に漏れるのを防ぐことができる。
【0054】上述のように、本実施の形態によると、2
つの差動排気シール124、144が中間軸140の内
部に設けられた連通路145によって互いに連通してい
ると共に、筐体120の内部に設けられた連通路125
および吸引ポンプを介して差動排気シール124が外部
と連通しており、連通路125および連通路145を介
して差動排気シール124、144からの排気が行われ
るようにされてなるので、フレキシブルな配管よりも径
を大きくすることのできる筐体120および中間軸14
0の内部に設けられた固定された連通路125および連
通路145を介して差動排気シール124、144から
の排気を行うことにより、今まで以上に排気効率を向上
させて差動排気シール124、144のシール能力を上
げることが可能となる。そして、排気効率が向上するこ
とのために、能力およびサイズの小さな排気ポンプを筐
体120内に装着して用いることが可能になる。また、
2つの差動排気シール124、144からの排気が行わ
れる連通路125、145が互いに連通していることの
ために、中間軸140にポンプを接続する必要がなくな
って筐体120だけにポンプを接続すればよくなり、最
小ポンプ数ですべての部材の排気を行うことが可能にな
る。
【0055】次に、本発明の第4の実施の形態につい
て、図14および図15に基づいて説明する。本実施の
形態の駆動装置は、第3の実施の形態のものにさらにX
方向の移動ステージを加えることで、4自由度の位置決
めを可能としたものである。図14は、本実施の形態の
駆動装置の模式的な平面図である。図15は、図14の
駆動装置をXV-XV線で切断して矢印方向に見た図であ
る。以下の説明では、第3の実施の形態と同様の部材に
は同じ符号を付してその説明を省略すると共に、第3の
実施の形態と共通の構成については説明を省略する。
【0056】図14および図15に示すように、本実施
の形態では、筐体120の外部において中間軸140を
取り囲むようにX軸ステージ(スライダ)160が配置
されている。また、X軸ステージ160がX方向に移動
可能となるように、筐体120の開口122は、第3の
実施の形態とは異なり、X方向に伸延した長孔となって
いる。
【0057】また、筐体120のX軸ステージ160と
の対向面には、開口122を取り囲むようなトラック状
の差動排気シール124が設けられている。さらに、X
軸ステージ160の中間軸140との対向面には、円環
状の差動排気シール164が設けられている。詳細は省
略するが、差動排気シール164は、差動排気シール1
44と同様に構成されている。差動排気シール164の
溝部(図示せず)は、中間軸140の連通路145の出
口と、差動排気シール164の排気面164aにおいて
対向する位置に設けられている。また、X軸ステージ1
60の筐体120との対向面と差動排気シール164と
の間には、X軸ステージ160の内部を通過する固定配
管である連通路165が設けられている。そして、差動
排気シール124の溝部(図示せず)は、X軸ステージ
160の連通路165の出口と、差動排気シール124
の排気面124aにおいて対向する位置に設けられてい
る。
【0058】そのため、3つの差動排気シール144、
164、124は、中間軸140の内部に設けられた連
通路145およびX軸ステージ160の内部に設けられ
た連通路165によって互いに連通している。そして、
連通路145および連通路165は、差動排気シール1
24および連通路125を介して吸引ポンプと接続され
ている。これにより、吸引ポンプが動作すると、差動排
気シール144からの排気は、連通路145、差動排気
シール164、連通路165を経て差動排気シール12
4に与えられ、連通路125を経て外部に排出されるこ
とになる。また、差動排気シール164、124からの
排気も同様にして連通路125から排出される。
【0059】なお、固定配管である連通路145、連通
路165および連通路125は、中間軸140、X軸ス
テージ160および筐体120の内部にそれぞれ設けら
れているために、大きな径で形成することができる。特
に、距離の長くなる連通路125は固定部である筐体1
20に設けられているので、径を太くしやすく、このこ
とは排気効率向上に有利である。一方、他の連通路14
5、165は、構成上、比較的短くてすむので、小径と
しても排気効率低下ヘの影響は小さく、小径にしてもよ
い。この場合、移動部であるX軸ステージ160、中間
軸140、中心軸130の大型化を招かなくてすむとい
う効果と、排気効率向上の効果とを両立できる。
【0060】本実施の形態の駆動装置は、X方向および
Y方向に独立して動作すると共に、中心軸130および
中間軸140は軸回りに独立して回動する。
【0061】この際、排気面124aを有する差動排気
シール124は、不図示の吸引ポンプからの吸引力に基
づき、筐体120の連通路125を介して、筐体120
とX軸ステージ160との間の空気を吸引し、連通路1
65を介して、X軸ステージ160と中間軸140との
間の空気を吸引し、さらに、連通路145を介して、差
動排気シール144の円筒軸30の表面(対向シール
面)との間の空気を吸引しているので、各部材の間隙を
介して、外部より空気や異物がプロセス室P内に侵入す
ることを防止できる。従って、ワークの加工処理のた
め、筐体120内のプロセス室Pを負圧環境にしたよう
な場合にも、差動排気シール144、164、124に
より、外部からの空気の侵入を阻止できるので、プロセ
ス室Pの負圧環境を維持でき好ましい。また、プロセス
室P内がガスで満たされている場合も、このガスが差動
排気シールによって回収されるため、プロセス室P外に
漏れるのを防ぐことができる。
【0062】上述のように、本実施の形態によると、3
つの差動排気シール144、164、124が中間軸1
40の内部に設けられた連通路145とX軸ステージ1
60の内部に設けられた連通路165によって互いに連
通していると共に、筐体120の内部に設けられた連通
路125および吸引ポンプを介して差動排気シール12
4が外部と連通しており、連通路145、連通路165
および連通路125を介して差動排気シール144、1
64、124からの排気が行われるようにされてなるの
で、フレキシブルな配管よりも径を大きくすることので
きる中間軸140、X軸ステージ160および筐体12
0の内部に設けられた固定された連通路145、連通路
165および連通路125を介して差動排気シール14
4、164、124からの排気を行うことにより、今ま
で以上に排気効率を向上させて差動排気シール144、
164、124のシール能力を上げることが可能とな
る。そして、排気効率が向上することのために、能力お
よびサイズの小さな排気ポンプを筐体120内に装着し
て用いることが可能になる。また、3つの差動排気シー
ル144、164、124からの排気が行われる連通路
145、165、125が互いに連通していることのた
めに、X軸ステージ160および中間軸140にポンプ
を接続する必要がなくなって筐体120だけにポンプを
接続すればよくなり、最小ポンプ数ですべての部材の排
気を行うことが可能になる。
【0063】
【発明の効果】本発明の駆動装置は、相対的に移動可能
な複数の部材と、各部材間をシールする複数の差動排気
シールとを備えた駆動装置において、前記複数の差動排
気シールが前記部材の内部に設けられた通路によって互
いに連通していると共に、前記通路を介して前記複数の
差動排気シールからの排気が行われるようにされてなる
ので、フレキシブルな配管よりも径を大きくすることの
できる各部材の内部に設けられた固定された通路を介し
て差動排気シールからの排気を行うことにより、今まで
以上に排気効率を向上させて差動排気シールのシール能
力を上げることが可能となる。そして、排気効率が向上
することのために、能力およびサイズの小さな排気ポン
プを部材内に装着して用いることが可能になる。また、
複数の差動排気シールからの排気が行われる通路が互い
に連通していることのために、各部材ごとにポンプを接
続する必要がなくなって連通路中の最終排気出口のある
部材だけにポンプを接続すればよくなり、最小ポンプ数
ですべての部材の排気を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の駆動装置の模式的
な平面図である。
【図2】図1の駆動装置をII-II線で切断して矢印方向
に見た図である。
【図3】図1の駆動装置をIII-III線で切断して矢印方
向に見た図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態の駆動装置
の詳細な平面図である。
【図5】図4の駆動装置をV-V線で切断して矢印方向に
見た図である。
【図6】図4の駆動装置の側面図である。
【図7】図4の駆動装置をVII-VII線で切断して矢印方
向に見た図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の駆動装置の模式的
な平面図である。
【図9】図8の駆動装置をIX-IX線で切断して矢印方向
に見た図である。
【図10】図8の駆動装置をX-X線で切断して矢印方向
に見た図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態の駆動装置の模式
的な平面図である。
【図12】図11の駆動装置をXII-XII線で切断して矢
印方向に見た図である。
【図13】図12の要部詳細図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態の駆動装置の模式
的な平面図である。
【図15】図14の駆動装置をXV-XV線で切断して矢印
方向に見た図である。
【符号の説明】
10 X軸ステージ 12 連通路 20 筐体 23 連通路 50 差動排気シール 60 差動排気シール 71 ハウジング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に移動可能な複数の部材と、各部
    材間をシールする複数の差動排気シールとを備えた駆動
    装置において、 前記複数の差動排気シールが前記部材の内部に設けられ
    た通路によって互いに連通していると共に、前記通路を
    介して前記複数の差動排気シールからの排気が行われる
    ようにされてなる駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013030109A1 (de) * 2011-09-01 2013-03-07 Gebr. Schmid Gmbh Vorrichtung und anlage zum bearbeiten von flachen substraten

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