JP2001200844A - 静圧気体軸受スピンドル - Google Patents

静圧気体軸受スピンドル

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JP2001200844A
JP2001200844A JP2000180959A JP2000180959A JP2001200844A JP 2001200844 A JP2001200844 A JP 2001200844A JP 2000180959 A JP2000180959 A JP 2000180959A JP 2000180959 A JP2000180959 A JP 2000180959A JP 2001200844 A JP2001200844 A JP 2001200844A
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Yoshio Fujikawa
芳夫 藤川
Takanobu Ito
高順 伊藤
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空室の真空到達度を高めることができるコ
ンパクトな静圧気体軸受スピンドルを提供することであ
る。 【解決手段】 ハウジング4内に軸受隙間を介して回転
軸5を設け、この軸受隙間に圧縮気体を導入して、ハウ
ジング4に対して回転軸5を非接触で支持する静圧気体
軸受スピンドルにおいて、圧縮気体の流れによって負圧
を発生させる負圧発生器28を上記ハウジング4の内部
に設け、軸受隙間から排出される気体を、上記負圧発生
器28によって吸引するようにして、圧縮気体の真空室
への漏れ出しを非接触によって防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、真空または減圧
雰囲気等の特殊な雰囲気中で高精度な回転運動を実現す
る静圧気体軸受スピンドルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】静圧気体軸受スピンドルは、ハウジング
内に軸受隙間を介して回転軸を設け、この軸受隙間に圧
縮気体を導入して、ハウジングに対して回転軸を非接触
で支持する装置である。この静圧気体軸受スピンドル
は、高い回転精度と耐久性が得られるため、高精度の加
工あるいは半導体技術に関連した加工に用いられてい
る。
【0003】このような半導体技術においては、より高
精度、高密度を達成するために、真空雰囲気中において
加工をすることが求められてきており、そのような場
合、静圧気体軸受スピンドルを真空雰囲気内に配置する
ことになるため、軸受隙間に導入される気体が、真空雰
囲気に漏洩しないように対策をとる必要がある。
【0004】従来、真空または減圧雰囲気で高精度な回
転運動を実現するために、静圧気体軸受の軸受排気が真
空室内に流出するのを防止する、非接触シール装置を設
けた静圧気体軸受スピンドルが提案されている(特開昭
63−174802号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の静圧
気体軸受スピンドルは、軸受ハウジングの端部内面に複
数段の排気溝を設け、この複数段の排気溝に排気ポンプ
を接続し、軸受隙間から各排気溝に流れ込む軸受排気を
前記排気ポンプにより吸引して真空室の外部に排出させ
るようにしている。
【0006】しかしながら、この従来の静圧気体軸受ス
ピンドルで真空室の真空到達度を高めようとすると、真
空室外の複数の排気ポンプで気体を吸引することが必要
となる。このため、排気ポンプの台数に応じて運転費用
が増大する上、排気ポンプを設置するスペースが必要と
なる問題があった。また、静圧気体軸受スピンドルと排
気ポンプを接続するチューブも排気ポンプの台数に応じ
て必要となり、静圧気体軸受スピンドルを直動テーブル
などに搭載して位置決めをする際には、チューブの本数
が増えることによって、テーブル移動時のチューブの抵
抗も増大するため、位置決め精度が低下するという問題
が生じる。
【0007】一方、真空室外の排気ポンプの台数を抑え
つつ真空室の真空到達度を高めようとすると、非接触シ
ールの隙間を小さくして管路抵抗を大きくすることが必
要となる。しかし、隙間を小さくするためには、部品の
寸法精度を厳しく管理する必要があり、コスト高となる
ため好ましくない。
【0008】そこで、この発明の課題は、真空室外の排
気ポンプの台数を抑えつつ、かつ、非接触シール隙間を
著しく狭くすることなく、真空室の真空到達度を高める
ことができる静圧気体軸受スピンドルを提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、ハウジング内に軸受隙間を介
して回転軸を設け、この軸受隙間に圧縮気体を導入し
て、ハウジングに対して回転軸を非接触で支持する静圧
気体軸受スピンドルにおいて、前記ハウジングの内部に
圧縮気体の流れによって負圧を発生させる負圧発生器を
設け、軸受隙間から排出される気体を、前記負圧発生器
により吸引してスピンドル設置室の外部に排出させるよ
うにしたものである。
【0010】上記のように構成すれば、軸受隙間からの
排気は負圧発生器により吸引されて真空室等のスピンド
ル設置室の外部に排気されるため、スピンドル設置室へ
の排気の漏洩を防止し、非接触シール隙間を著しく狭く
することなくスピンドル設置室の真空到達度を高めるこ
とができる。
【0011】ここで、ハウジングに内蔵した負圧発生器
の給気通路および排気通路のそれぞれを軸受隙間に導入
する圧縮気体の軸受給気通路および軸受排気通路に連通
させることにより、ハウジングに内蔵した負圧発生器の
給気と排気に特別な配管が不要になるため、よりコンパ
クトで、高精度、真空中で使用可能な静圧気体軸受スピ
ンドルが得られる。
【0012】なお、上記負圧発生器の負圧は、軸受隙間
からの排気を吸引できる圧力であればよい。
【0013】この発明に係る静圧気体軸受スピンドルに
おいて、回転軸とその周囲に設けられた固定部との間
に、前記軸受隙間に連通して微小なシール隙間から成る
複数の非接触シールを設け、前記軸受隙間の排気流出端
とこれに近接する非接触シール間および隣接する非接触
シール間に排気溝を形成することにより、回転軸と固定
部との間にラビリンスシールが形成されるため、軸受隙
間からの排気がスピンドル設置室に排出されるのを効果
的に防止することができる。
【0014】この場合、軸受隙間とこれに近接する非接
触シール間に形成された排気溝をスピンドル設置室の外
部に連通させ、隣接する非接触シール間に形成された排
気溝のうちの少なくとも一つを負圧発生器の真空発生部
に連通させ、あるいは、軸受隙間とこれに近接する非接
触シール間に形成された排気溝を負圧発生器の真空発生
部に連通させることにより、軸受隙間からの排気がスピ
ンドル設置室に排出されるのをより効果的に防止するこ
とができる。
【0015】また、隣接する非接触シール間に形成され
た他の残りの排気溝の一つをスピンドル設置室の外部に
設けられた排気ポンプに連通させて、排気溝に流れ込む
排気を排気ポンプによって外部に強制排気することによ
り、非接触シールの隙間が多少大きい場合であっても軸
受隙間から排出される排気がスピンドル設置室に流れ込
むのをほぼ完全に防止することができる。
【0016】
【実施の形態】この発明に係る静圧気体軸受スピンドル
の第1の実施形態を、図1に示している。
【0017】同軸上に配置された軸受スリーブ1、1’
は、それぞれ内径に固定側ジャーナル軸受面2、2’、
端面に固定側スラスト軸受面3、3’を持ち、ハウジン
グ4に固定されている。軸受スリーブ1、1’内に挿入
された回転軸5は上下端にスラスト板6、7を有し、回
転部を構成している。
【0018】回転軸5の外径面は、ジャーナル軸受面
2、2’に、スラスト板6、7の端面は、スラスト軸受
面3、3’に、それぞれ微小な軸受隙間を介して対向
し、回転側の軸受面を構成している。
【0019】軸受給気口8から圧縮気体を供給すると、
その圧縮気体は、ハウジング4に形成された軸受給気通
路9および各軸受スリーブ1、1’に設けられた絞り穴
10、10’、11、11’を通って軸受隙間に流入
し、回転部を固定部に対して非接触で支持する。
【0020】回転軸5の下端に設けられたモータロータ
12は、回転角度検出器13から得られる信号によっ
て、回転部を精密に回転駆動する。また、スラスト板6
にはワ一クを固定するためのターンテーブル14が取付
けられている。
【0021】ハウジング4は気密ケース15に対して気
密に取付けられている。ハウジング4と気密ケース15
の間に形成された排気空間16は、真空用ベローズ継手
17によってスピンドル設置室としての真空室の外部に
連通し、大気圧に保たれている。排気通路18、1
8’、19、20、21を通って排気空間16に流入す
る軸受排気は、ベローズ継手17を通って真空室外に排
出される。ベローズ継手17は、軸受給気チューブやモ
ータケーブル、回転角度検出器のケーブル等を真空室外
に導く通路を兼ねている。
【0022】ターンテーブル14側のスラスト軸受外周
から、第1の排気溝22に流出する軸受排気の一部は、
シール部材23の内径面とスラスト板6の外径面の間の
微小な第1のシール隙間24を通って第2の排気溝26
に流入する。第2の排気溝26に漏れ出した軸受排気
は、排気通路27を通って、負圧発生器28によって吸
引排気される。さらに、第2の排気溝26の真空室側に
設けた第2の微小なシール隙間25の流路抵抗により、
真空室に漏れ出す軸受排気は非常に少なくなる。
【0023】負圧発生器28をスピンドル自体、即ち、
ハウジング4に内蔵したので、第2の排気溝26と負圧
発生器28の距離が外部ポンプを用いる場合に比べては
るかに小さくなり、管路抵抗が小さいため、小型の負圧
発生器でも効率よく排気を吸引することができる。
【0024】なお、第2の排気溝26と排気通路27の
接続部のように、外周に開口しない半径方向の気体通路
は、外周側から穴加工を行った後、不要部分に気密な埋
栓を施すことによって簡単に製作することができる。
【0025】負圧発生器28は、軸受給気通路から分岐
した給気通路29から供給される圧縮空気によって負圧
を発生し、第2の排気溝26から軸受排気を吸引し、排
気通路30を通って排気空間16に排出する。
【0026】図2は、負圧発生器28の拡大図である。
ノズル31とディフューザ32は、ケース33にOリン
グを介して嵌合し、消音フィルタ34を介してふた35
で固定されている。
【0027】以上のような構成により、非接触シールで
軸受排気をシールし、真空室内で高精度回転運動を行う
エアスピンドルを実現できる。
【0028】負圧発生器28をハウジング4に内蔵する
ことにより、外部の排気ポンプが不要になり、装置全体
の大きさや費用を削減できる。また、シール排気部と真
空室外のポンプをつなぐホースも不要になるので、位置
決め精度に対する悪影響が小さくなる。
【0029】また、消音フィルタ34とOリングによ
り、真空発生器28のノズル31の噴流による振動や騒
音を低減し、スピンドルの振れ精度を良好に保つことが
できる。消音フィルタ34は、通気性のある多孔質焼結
金属や、多孔質樹脂材料、合成繊維の集合体等を使用で
きるが、弾性体を使用すれば、負圧発生器を弾性支持
し、振動低減の効果を更に大きくすることができる。
【0030】この実施形態では、第1の排気溝22と第
2の排気溝26の間に第1のシール隙間24を設けて軸
受排気の大部分を排気通路21によって排気空間16へ
逃がしているが、負圧発生器28の排気能力が、軸受排
気の量および真空室に要求される真空度に対して十分で
あれば、第1の排気溝22および第1のシール隙間24
を省略して、軸受外周部の排気溝から軸受排気を直接吸
引する構造にしてもよい。
【0031】この実施形態では、排気溝を固定側に設け
た例を示したが、これを回転側に設けても同様の効果が
得られる。
【0032】次に、図3は、この発明の第2の実施形態
を示している。この実施形態と図1に示す第1の実施形
態とは、スラスト板6とシール部材23間に形成された
シール隙間および排気溝の数が相違しており、他の構成
は、第1の実施形態と同じであるため、同一部品に同一
の符号を付して説明を省略する。
【0033】すなわち、この第2の実施形態では、スラ
スト板6とシール部材23との間において、第2シール
隙間25より真空室側に、第3の排気溝64および第3
のシール隙間65を設け、第3の排気溝64をシール部
材23に接続されたベローズ継手66を介して真空室外
に設けられた排気ポンプ67に接続し、前記第3の排気
溝64に流入する軸受排気を排気ポンプ67により真空
室外に強制排気するようにしている。
【0034】上記のように構成すれば、スラスト板6と
シール部材23との間にラビリンスシールが形成される
ため、管路抵抗が増大して第3の排気溝64に排気が流
れ難くなり、その第3の排気溝64に排気が流れ込んだ
としても、排気ポンプ67によって強制排気されるの
で、真空室への排気の漏洩をほぼ完全に防止することが
できる。
【0035】また、単一の排気ポンプを使用するだけで
あるため、従来の静圧気体軸受スピンドルに比較して、
運転費用および設置スペースの削減が可能となり、ま
た、第3の排気溝64と排気ポンプ67とを1本のチュ
ーブで接続するだけでよいため、静圧気体軸受スピンド
ルを直動テーブル等に搭載して位置決めをする際のテー
ブル移動時のチューブの抵抗が少なく、位置決め精度の
低下を防止することができる。
【0036】次に、図4は、この発明の第3の実施形態
を示している。この第3の実施形態は、図1に示す第1
の実施形態と同様に、軸受隙間の排気流出端から順に第
1の排気溝22、第1のシール隙間24、第2の排気溝
26、第2の排気溝25を順に設けている。そして、第
1の排気溝22を排気通路27’を介して負圧発生器2
8の真空発生部に連通し、第2の排気溝26をベローズ
継手66を介して真空室外に設けられた排気ポンプ67
に接続している。
【0037】ここで、第1の排気溝25は、図1に示す
ように、排気通路21を介して排気空間16に連通させ
るようにしてもよく、前記排気空間16と非連通の構成
としてもよい。
【0038】他の構成は、図1に示す第1の実施形態と
同じであるため、同一の部品には同一の符号を付して説
明を省略する。
【0039】上記のように構成すると、軸受隙間から第
1の排気溝25内に流れ込む排気は負圧発生器28によ
って吸引されると共に、第1のシール隙間24から第2
の排気溝26に流入する排気は排気ポンプ67によって
真空室外に強制排気されるため、真空室への排気の漏洩
をほぼ完全に防止することができる。
【0040】また、図3に示す第2の実施形態と同様
に、単一の排気ポンプ67を使用するだけであるため、
運転費用および設置スペースの削減を図ることができ、
その静圧気体軸受スピンドルを直動テーブル等に搭載し
て位置決めする際の位置決め精度の低下を防止すること
ができる。
【0041】次に、図5は、この発明の第4の実施形態
を示している。ターンテーブルだけを真空室内に入れれ
ば良い場合には、スピンドルのターンテーブル側を真空
室内に入れ、モータ側を真空室外に出して、真空室外壁
36にスピンドルを固定する構成が可能である。スラス
ト軸受37の外周に排気溝38を設けている。スラスト
軸受37から排気溝38に流出する軸受排気は、負圧発
生器39によって真空室外の大気圧雰囲気に排出され
る。排気溝38から真空室に流出する軸受排気を制限す
るために、シール隙間40をスラスト軸受37の軸受隙
間の外径方向の延長上に配置する。
【0042】このような構成にすると、シール隙間を構
成する両側の面を軸受面と同時に加工することができる
ので、従来の装置や第1の実施形態のように、シール部
材を別部品として加工してから取りつける場合に比べ
て、さらに微小なシール隙間を比較的容易に実現でき
る。これにより、真空室へ漏れ出す軸受排気の量が少な
くなり、高真空への対応が可能となる。また、同一の真
空度に対しては、真空室に連結する真空ポンプがより排
気速度の小さい、小型で安価なものでよくなる。また、
シール部の軸方向長さが短くなり、ターンテーブルと軸
受部の距離が小さくなるので、回転精度の面でも有利で
ある。
【0043】次に、図6は、軸受およびシール部の別の
構成を示すこの発明の第5の実施形態である。
【0044】この実施形態は、回転軸5に設けたスラス
ト板41の両側の端面を、それぞれスラスト軸受42、
43で軸方向に支持する。また、ジャーナル軸受44、
45によって主軸を半径方向に支持する。
【0045】ジャーナル軸受45から真空室側に流出す
る軸受排気は、回転軸5に設けた排気溝46から、負圧
発生器47によって、気密ケース48とスピンドルハウ
ジングの間の排気空間49に排出され、ベローズ継手5
0を通って真空室外へ排気される。排気溝46から真空
室側に漏れる軸受排気の量は、シール隙間51により、
制限される。
【0046】シール隙間51は、回転軸の外径面と、固
定部にジャーナル軸受面と一体かつ同軸に設けた内径面
とによって構成されるので、精度良く加工、組付けを行
うことができる。したがって、第4の実施形態と同様
に、より微小なシール隙間を容易に実現できる。また、
スラスト軸受の外周部にシールを設ける第1乃至第4の
実施形態に比べてシール部の直径を小さくできるので、
漏れに対する流路抵抗が大きくなり、シール性能が更に
改善される。図6においては、シール部の外径をジャー
ナル軸受部の内径と同径としているが、シール部外径を
ジャーナル軸受部の内径より小さくし、シール性能を更
に改善することもできる。
【0047】次に、図7は、この発明の第6の実施形態
を示している。この実施形態では、回転軸のターンテー
ブル側にスラスト板52を設け、その両側にスラスト軸
受55、56を配置し、ジャーナル軸受53、54とと
もに回転軸を非接触支持するものである。
【0048】真空室側のスラスト軸受56の内径から流
出する軸受排気は、排気溝57から負圧発生器58によ
って大気圧雰囲気へ排出される。負圧発生器への圧縮気
体は、軸受給気通路から給気通路59、シール部材60
に設けた円周溝61、負圧発生器のノズル入口に連通す
る給気通路62を経由して供給される。
【0049】シール部材60は、スラスト軸受56と共
にハウジングに一体に固定されている。シール隙間63
を構成する面は、スラスト軸受の軸受面と同一面内にあ
る。これにより、軸受隙間と同等の微小なシール隙間を
容易に実現し、真空室への軸受排気の漏れを減少させる
ことができる。また、スラスト板の外径部がスラスト軸
受になっているので、回転軸の傾斜に対する復元力が大
きく、スラスト板とスラスト軸受の接触が生じにくい。
また、回転軸が傾斜して接触する場合でも、最初に接触
するのはスラスト軸受外径部であり、シール隙間63を
構成する面が接触して損傷することはない。さらに、ス
ラスト軸受外径部は大気圧雰囲気になるので、軸受また
はスラスト板に黒鉛や二硫化モリブデン、PTFEな
ど、大気中で使用される潤滑性の材料を使用し、または
それらを含む被膜を設けて、接触に対する耐久性を大幅
に向上させることができる。
【0050】なお、以上の各実施形態は、真空雰囲気中
で高精度回転を実現させる場合についてのものである
が、この発明の構成は、ガス等の特殊な雰囲気で使用さ
れ、周囲に排出する気体軸受排気の量を最小限度に抑え
たい場合にも、適用できる。
【0051】
【発明の効果】この発明は、回転軸を静圧気体軸受で非
接触支持する静圧気体軸受スピンドルにおいて、負圧発
生器をハウジングの内部に一体に取付け、気体軸受の排
気が流出する軸受端部の周囲に負圧発生器に連通する排
気溝を設け、さらに排気溝と真空室の間に微小な隙間に
よる非接触シールを設けたことにより、真空室に流出す
る静圧気体軸受排気の流量を十分微小な量に抑えること
ができ、真空室の真空到達度を高めることができる。
【0052】また、圧縮気体によって負圧を発生する負
圧発生器は、一般的な機械式の真空ポンプに比べて非常
に小型であり、よりコンパクトな形でスピンドルに一体
に取付けることができる。
【0053】さらに、回転軸と固定部との間に、軸受隙
間の排気流出端に連続して、複数の排気溝と微小なシー
ル隙間から成る非接触シールとを交互に設け、その複数
の排気溝のうち、軸受隙間に近接する位置の排気溝を負
圧発生器の真空発生部に連通すると共に、その排気溝か
ら排気流出側に位置する排気溝の1つをスピンドル設置
室の外部に設置された排気ポンプに接続することによ
り、各排気溝に流れる排気は負圧発生器により吸引さ
れ、あるいは排気ポンプによって外部に強制排気される
ので、軸受隙間からの排気がスピンドル設置室に漏洩す
るのをほぼ完全に防止することができる。
【0054】このため、真空室外の排気ポンプの台数を
抑えつつ、かつ、非接触シール隙間を著しく狭くするこ
となく、真空室に高い真空到達度が確保できる静圧気体
軸受スピンドルを実現できると共に、排気ポンプの運転
費用および設置スペースの削減が可能となり、スピンド
ルを直動テーブル等に搭載して位置決めをする際におけ
る、テーブル移動時のチューブの抵抗を抑えることで、
位置決め精度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る静圧気体軸受スピンドルの第1
の実施形態を示す断面図
【図2】同上のスピンドルに内蔵した負圧発生器部分の
拡大図
【図3】この発明に係る静圧気体軸受スピンドルの第2
の実施形態を示す断面図
【図4】この発明に係る静圧気体軸受スピンドルの第3
の実施形態を示す断面図
【図5】この発明に係る静圧気体軸受スピンドルの第4
の実施形態を示す断面図
【図6】この発明に係る静圧気体軸受スピンドルの第5
の実施形態を示す断面図
【図7】この発明に係る静圧気体軸受スピンドルの第6
の実施形態を示す断面図
【符号の説明】
1、1’ 軸受スリーブ 2、2’ 固定側ジャーナル軸受面 3、3’ 固定側スラスト軸受面 4 ハウジング 5 回転軸 6、7 スラスト板 8 軸受給気口 9 軸受給気通路 10、10’、11、11’ 絞り穴 12 モータロータ 13 回転角度検出器 14 ターンテーブル 15 気密ケース 16 排気空間 17 ベローズ継手 18、18’、19、20、21 排気通路 22 排気溝 23 シール部材 24 第1のシール隙間 25 第2のシール隙間 26 排気溝 27 排気通路 28 負圧発生器 29 給気通路 30 排気通路 31 ノズル 32 ディフューザ 33 ケース 34 消音フィルタ 35 ふた 36 真空室外壁 37 スラスト軸受 38 排気溝 39 負圧発生器 40 シール隙間 41 スラスト板 42、43 スラスト軸受 44、45 ジャーナル軸受 46 排気溝 47 負圧発生器 48 気密ケース 49 排気空間 50 ベローズ継手 51 シール隙間 52 スラスト板 53、54 ジャーナル軸受 55、56 スラスト軸受 57 排気溝 58 負圧発生器 59 給気通路 60 シール部材 61 円周溝 62 給気通路 63 シール隙間 64 第3の排気溝 65 第3のシール隙間 66 ベローズ継手 67 排気ポンプ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に軸受隙間を介して回転軸
    を設け、この軸受隙間に圧縮気体を導入して、ハウジン
    グに対して回転軸を非接触で支持する静圧気体軸受スピ
    ンドルにおいて、前記ハウジングの内部に圧縮気体の流
    れによって負圧を発生させる負圧発生器を設け、前記軸
    受隙間から排出される気体を、前記負圧発生器により吸
    引してスピンドル設置室の外部に排出させるようにした
    ことを特徴とする静圧気体軸受スピンドル。
  2. 【請求項2】 前記軸受隙間に圧縮気体を導入する軸受
    給気通路と、前記負圧発生器における圧縮気体の供給部
    とを給気通路で連通させた請求項1記載の静圧気体軸受
    スピンドル。
  3. 【請求項3】 前記回転軸とその周囲に設けられた固定
    部との間に、前記軸受隙間の排気流出端に連通して微小
    なシール隙間から成る第1および第2の非接触シールを
    排気の流れ方向に順に設け、前記軸受隙間の排気流出端
    とこれに近接する第1の非接触シール間に第1の排気溝
    を形成し、かつ第1の非接触シールと第2の非接触シー
    ル間に第2の排気溝を設けてラビリンスシールを形成
    し、第1の排気溝をスピンドル設置室の外部に連通さ
    せ、第2の排気溝を負圧発生器の真空発生部に連通させ
    た請求項1又は2に記載の静圧気体軸受スピンドル。
  4. 【請求項4】 前記回転軸と固定部との間で、第2の非
    接触シールの排気流出側に微小なシール隙間から成る非
    接触シールを少なくとも一つ設け、この非接触シールと
    第2の非接触シールとの間に排気溝を形成し、この排気
    溝をスピンドル設置室の外部に設置された排気ポンプに
    連通させた請求項3に記載の静圧気体軸受スピンドル。
  5. 【請求項5】 前記回転軸とその周囲に設けられた固定
    部との間に、前記軸受隙間の排気流出端に連通して微小
    なシール隙間から成る第1および第2の非接触シールを
    排気の流れ方向に順に設け、前記軸受隙間の排気流出端
    とこれに近接する第1の非接触シール間に第1の排気溝
    を形成し、かつ第1の非接触シールと第2の非接触シー
    ル間に第2の排気溝を設けてラビリンスシールを形成
    し、第1の排気溝を前記負圧発生器の真空発生部に連通
    させ、第2の排気溝をスピンドル設置室の外部に設置さ
    れた排気ポンプに連通させた請求項1又は2に記載の静
    圧気体軸受スピンドル。
  6. 【請求項6】 静圧気体軸受部の最も排気流出端寄りに
    ジャーナル軸受を設け、排気溝とシール隙間を軸方向に
    並べて配置し、前記シール隙間の外周壁内径をジャーナ
    ル軸受の内径以下とした請求項1乃至5のいずれかに記
    載の静圧気体軸受スピンドル。
  7. 【請求項7】 静圧気体軸受部の最も排気流出端寄りに
    スラスト軸受を設け、その軸受隙間の延長上にシール隙
    間を設けた請求項1乃至6のいずれかに記載の静圧気体
    軸受スピンドル。
  8. 【請求項8】 シール隙間をスラスト軸受の内径側に設
    け、スラスト軸受隙間を構成する回転側および固定側の
    軸受面の内、少なくとも一方を摺動特性にすぐれた材料
    で形成した請求項7に記載の静圧気体軸受スピンドル。
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