JPH07317767A - 静圧気体軸受 - Google Patents

静圧気体軸受

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JPH07317767A
JPH07317767A JP11881594A JP11881594A JPH07317767A JP H07317767 A JPH07317767 A JP H07317767A JP 11881594 A JP11881594 A JP 11881594A JP 11881594 A JP11881594 A JP 11881594A JP H07317767 A JPH07317767 A JP H07317767A
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exhaust
gas
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Yukiharu Ootsuka
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Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 周囲に流出する気体の量を極めて低く抑える
ことができる静圧気体軸受の提供。 【構成】 軸受面12に開口されてこの軸受面12に気
体を供給する給気路20と、軸受面12の外周側に配置
されかつ軸受面12から凹状に窪んで形成されたポケッ
ト30と、このポケット30の壁面に開口されてポケッ
ト30と外部とを連通する排気路40と、ポケット30
の外周側に連続的に配置されかつ軸受面12と略同一面
上に配置された外周抵抗部50とを備えた静圧気体軸受
10を構成した。また、排気路40を通してポケット3
0内の気体の負圧吸引を行う負圧吸引手段60を設けれ
ば、さらに流出気体の量を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周囲に流出する気体の
量が極めて少量な極低流出量の静圧気体軸受に係り、測
定機器、加工機械、位置決め装置等に設けられる案内機
構などに利用できる。
【0002】
【背景技術】一般に、測定機器、加工機械、位置決め装
置等の位置決めを必要とする各種装置の案内機構とし
て、滑り案内、転がり案内、あるいは静圧案内による案
内機構が利用されている。このうち滑り案内や転がり案
内による案内機構では、スティックスリップ、振動、弾
性変形などの問題が生じるため、高精度な位置決めが要
求される場合には、静圧案内による案内機構が用いられ
ることが多い。この静圧案内による案内機構の潤滑剤と
しては、油や空気などが用いられているが、温度や汚染
等の要因により、特に高精度な位置決めが要求される場
合には、静圧気体軸受による案内機構が広く用いられて
いる。
【0003】従来より、静圧気体軸受による案内機構を
備えた高精度あるいは超精密システムの一形態として、
案内機構の案内に従って変位する部材の変位量を把握す
るための測長系にレーザ干渉計を用い、さらにこのレー
ザ干渉計および案内機構を含めてシステム全体をチャン
バで覆うことにより周囲の熱や空気の流れの影響を遮断
したものが挙げられる。このようなチャンバの設置は、
温度変動による構成部材の伸縮、レーザ干渉計の光路上
の空気の揺らぎの影響を除去あるいは抑制するためにな
されたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たチャンバにより全体を覆ったシステムでは、チャンバ
の外側の熱や空気の流れの影響は遮断することができる
が、チャンバの内部において静圧気体軸受から流出する
気体(外部から静圧気体軸受の軸受面に供給された気体
の全て)があるため、このチャンバ内に流出した気体の
温度や流れの影響は回避することができないという問題
があった。
【0005】本発明の目的は、周囲に流出する気体の量
を極めて低く抑えることができる静圧気体軸受を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸受面に供給
した気体を排気路から排気して前記目的を達成しようと
するものである。具体的には、本発明の静圧気体軸受
は、軸受面に開口されてこの軸受面に気体を供給する給
気路と、前記軸受面の外周側に配置されかつ前記軸受面
から凹状に窪んで形成されたポケットと、このポケット
の壁面に開口されてポケットと外部とを連通する排気路
と、前記ポケットの外周側に連続的に配置されかつ前記
軸受面と略同一面上に配置された外周抵抗部とを備えた
ことを特徴とする。
【0007】ここで、前記ポケットの寸法(大きさ)や
配置形状、前記排気路の本数や径(断面積)、および前
記外周抵抗部の形状や面積等は、所望の排気率Qr(=
排出流量Qex/流入流量Qin;後述の図1、図2参
照)が得られるように適宜決定すればよい。例えば、排
気路の本数を多くする、あるいは外周抵抗部の面積を大
きくすることにより、外周抵抗部の抵抗を排気路の抵抗
よりも極めて大きくなるようにすれば、排出流量Qex
が大きくなり、高い排気率Qrが得られる。
【0008】また、本発明の静圧気体軸受は、前記排気
路を通して前記ポケット内の気体の負圧吸引を行う負圧
吸引手段を備えたことを特徴とする。さらに、本発明の
静圧気体軸受は、前記負圧吸引手段が、前記給気路の途
中に設けられた給気側流量センサと、前記排気路の途中
に設けられた排気側流量センサと、前記排気路の途中で
あって前記排気側流量センサの下流側に設けられた負圧
発生装置と、前記給気側流量センサと前記排気側流量セ
ンサとによる検出流量が略等しくなるように前記負圧発
生装置を制御する制御装置とを備えたことを特徴とす
る。ここで、前記負圧発生装置の好適な具体例として
は、前記排気路の途中であって前記排気側流量センサの
下流側に設けられた負圧イジェクタと、この負圧イジェ
クタと前記給気路の途中であって前記給気側流量センサ
の上流側とを連通する通気路と、この通気路の途中に設
けられて前記制御装置により操作されるレギュレータと
を備えたものなどが挙げられる。
【0009】
【作用】このような本発明においては、外部の気体を給
気路を通して軸受面に供給するとともに、ポケットでこ
の気体を採集し、排気路を通して外部に排出する。ま
た、ポケットの外周側に設けられた外周抵抗部により周
囲への気体の流出を抑える。このため、軸受面に供給さ
れた気体の大部分は、周囲に流出することなく、ポケッ
トから排気路を通して外部に排出されるようになる。そ
して、このように周囲への気体の流出量を極めて低く抑
えることにより、静圧気体軸受による案内機構を備えた
高精度あるいは超精密システム、特に測長系にレーザ干
渉計を用いている場合などにおいて、流出気体の温度や
流れによるシステムへの悪影響が回避され、これらによ
り前記目的が達成される。
【0010】また、負圧吸引手段を設け、ポケット内の
気体の負圧吸引を行うようにすれば、周囲への気体の流
出量がより一層抑えられ、ゼロとすることも可能とな
る。そして、この負圧吸引手段を、給気側流量センサ、
排気側流量センサ、負圧発生装置、および制御装置を備
えた構成としておけば、給気側流量センサおよび排気側
流量センサによる検出流量が略等しくなるように制御装
置で負圧発生装置を制御することにより、周囲への気体
の流出量を容易かつ確実にゼロとすることが可能とな
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本実施例の静圧気体軸受10の全体
構成が示されている。静圧気体軸受10は、図中下向き
の面に軸受面12が形成された軸受本体11と、外部か
ら軸受面12に空気等の気体を供給する給気路20と、
軸受面12の外周側に配置されて気体の採集を行うポケ
ット30と、このポケット30内の気体を外部に排出す
る排気路40と、ポケット30の外周側に配置された外
周抵抗部50と、排気路40を通してポケット30内の
気体の負圧吸引を行う負圧吸引手段60とを備えてい
る。
【0012】軸受本体11は、軸受面12に対向するよ
うに軸受本体11の図中下側に設けられた対向部材15
と所定間隔Hを置いて配置されている。静圧気体軸受1
0は、軸受本体11が負荷Wのかかった状態で所定間隔
Hを保ちながら対向部材15に対して相対的に移動する
ことにより、案内機構を構成するようになっている。な
お、空間に対しては軸受本体11および対向部材15の
いずれが固定側であってもよい。
【0013】図2には、軸受本体11の拡大状態および
圧力分布が示されている。また、図3には、軸受本体1
1を軸受面12側から見た状態が示されている。図2お
よび図3において、給気路20は、軸受本体11の内部
に形成された給気孔21と、この給気孔21と連通する
ように軸受本体11に接続された給気管22と、給気孔
21が軸受面12に開口する部分に形成された給気溝2
3とにより構成されている。また、給気孔21のうち給
気溝23側の部分には、給気管22側の部分よりも孔径
を絞られた絞り部21Aが形成されている。給気溝23
は、軸受面12から窪むように形成された円弧状、三角
形形状、あるいは四角形形状等の断面形状を有する溝で
あり(図2参照)、軸受面12上において略正方形をな
すように配置されている(図3参照)。
【0014】ポケット30は、軸受面12の延長面の位
置から窪むように形成された方形状の断面形状を有する
溝であり(図2参照)、軸受面12の外周側に略正方形
をなすように配置されている(図3参照)。排気路40
は、軸受本体11の内部に形成されてポケット30の壁
面に開口する排気孔41と、この排気孔41と連通する
ように軸受本体11に接続された排気管42とにより構
成されている。
【0015】外周抵抗部50は、軸受面12に供給され
た気体の流出位置であるポケット30の外周側に連続的
に、つまり途切れることなく略正方形をなすように配置
されている。また、外周抵抗部50の表面は、軸受面1
2と略同一面上に配置されている。
【0016】ここで、静圧気体軸受10の各部の寸法の
一例を挙げると、図2および図3において、軸受本体1
1の厚みS2=20mm、ポケット30の深さS1=5
mm、給気溝23の幅L1=30mm、給気溝23から
ポケット30までの幅L2=10mm、ポケット30の
幅L3=5mm、外周抵抗部50の幅L4=5mm、軸
受本体11の大きさL5=70mmなどである。但し、
各部の寸法はこれらの数値に限定されるものではない。
【0017】図1に戻って、給気路20(給気管22)
の図中右側端部には、外部の気体を供給するための圧力
源25が設けられ、この圧力源25の下流には、図中右
側より、流入気体の浄化を行うフィルタ26、流入気体
の圧力調整または流量調整を行うレギュレータ27、流
入気体の圧力を測定する圧力計28、流入気体の流量を
測定する給気側流量センサ61が設けられている。
【0018】排気路40(排気管42)の途中には、ポ
ケット30で採集されて排気路40を通して排出される
気体の流量を測定する排気側流量センサ62が設けられ
ている。また、排気側流量センサ62の下流には、気体
を噴出して負圧を発生させる負圧イジェクタ71が設け
られている。この負圧イジェクタ71と、給気路20
(給気管22)の途中であってフィルタ26とレギュレ
ータ27との間の位置とは、通気路72により連通され
ている。
【0019】通気路72の途中には、上流側(図中右
側)より、通気路72を通る気体の圧力調整または流量
調整を行うレギュレータ73、圧力を測定する圧力計7
4、負圧イジェクタ71に送る気体の圧力調整または流
量調整を行う電空レギュレータ75が設けられている。
そして、これらの負圧イジェクタ71、通気路72、レ
ギュレータ73、圧力計74、および電空レギュレータ
75により、負圧発生装置70が構成されている。
【0020】また、給気側流量センサ61および排気側
流量センサ62と、電空レギュレータ75との間には、
演算処理装置(CPU)81およびパワーアンプ82が
設けられている。そして、これらの演算処理装置81お
よびパワーアンプ82により、負圧発生装置70を制御
する制御装置80が構成されている。制御装置80は、
給気側流量センサ61および排気側流量センサ62の各
検出信号を演算処理装置81に入力し、これらの各検出
信号により得られる流入流量Qinおよび排出流量Qe
xの値に基づいて演算された演算処理装置81の出力
を、パワーアンプ82を介して電空レギュレータ75に
送って電空レギュレータ75を操作することにより、負
圧イジェクタ71の状態を制御するようになっている。
そして、以上に述べた負圧発生装置70、制御装置8
0、給気側流量センサ61、および排気側流量センサ6
2により負圧吸引手段60が構成されている。
【0021】このような本実施例においては、以下のよ
うにして静圧気体軸受10を動作させる。先ず、圧力源
25により外部の気体を給気路20を通して給気溝23
から軸受面12に供給する。また、給気路20から分岐
した通気路72にも気体を送り、負圧イジェクタ71に
気体を供給する。
【0022】次に、図2に示すように、軸受面12に供
給された気体(流入流量Qin)は、外周抵抗部50と
対向部材15との隙間を通って周囲に流出される気体
(流出流量Qout)と、ポケット30で採集されて排
気路40を通して外部に排出される気体(排出流量Qe
x)とに分岐される。この際、負圧吸引手段60により
ポケット30内の気体の真空吸引を行って流出流量Qo
ut=0となるようにする。
【0023】つまり、制御装置80により、給気側流量
センサ61の検出信号(流入流量Qin)および排気側
流量センサ62の検出信号(排出流量Qex)を入力
し、これらの値が等しくなる(流入流量Qin=排出流
量Qexとなる)ように、つまり流出流量Qout=0
となるように電空レギュレータ75を操作して負圧イジ
ェクタ71の状態を制御する。なお、このような制御装
置80によるフィードバック制御は、静圧気体軸受10
の動作期間中、継続して行う。
【0024】また、静圧気体軸受10の動作時の圧力分
布は、図2に示すように、軸受面12のうち給気溝23
よりも内周側の部分では、均一で高い圧力Prとなって
おり、軸受面12のうち給気溝23よりも外周側の部分
では、外周側に向かうに従って圧力Prから除々に降下
する状態となっている。さらに、ポケット30の位置で
は、圧力Ppまで降下した状態となっており、外周抵抗
部50の位置では、外周側に向かうに従って圧力Ppか
ら除々に降下して大気圧Paに至る状態となっている。
そして、前述したような負圧吸引手段60によるポケッ
ト30内の気体の真空吸引を行って流出流量Qout=
0とする場合には、圧力分布は、図2中の二点鎖線の分
布に近づく。
【0025】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。すなわち、軸受面12に供給された気体を
外部に排出するためのポケット30および排気路40が
設けられ、かつポケット30の外周側に外周抵抗部50
が設けられているので、周囲への気体の流出を極めて低
く抑えることができる。また、負圧吸引手段60により
ポケット30内の気体の負圧吸引を行っているので、周
囲への気体の流出をより一層抑えることができる。この
ため、静圧気体軸受による案内機構を備えた高精度ある
いは超精密システム、特に測長系にレーザ干渉計を用い
ている場合などにおいて、流出気体の温度や流れによる
システムへの悪影響を回避できる。
【0026】さらに、負圧吸引手段60は、給気側流量
センサ61、排気側流量センサ62、負圧発生装置7
0、および制御装置80を備えた構成となっているの
で、給気側流量センサ61および排気側流量センサ62
の各検出信号から得られた流入流量Qinおよび排出流
量Qexが等しくなるように制御装置80で負圧発生装
置70を制御することにより、容易かつ確実に流出流量
Qout=0とすることができる。
【0027】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである。すなわち、前記実施例では、ポケット30
は、方形状の断面形状を有していたが、このような断面
形状に限定されるものではなく、例えば、円弧状、三角
形形状、U字状等の断面形状であってもよく、要する
に、軸受面12の延長面の位置から凹状に窪むように形
成されていればよい。
【0028】また、前記実施例では、ポケット30は、
軸受面12の外周側に略正方形をなすように配置されて
いたが、このような連続環状の配置に限定されるもので
はなく、例えば、図4に示すように、断続した環状配置
のポケット90,91としてもよく、あるいは排気孔4
1の開口部分をそのままポケット92としたものであっ
てもよく、さらに多重配置とされたポケット93であっ
てもよい。そして、ポケット30は、略正方形をなすよ
うな配置とする必要もなく、例えば、円形や長方形等を
なすような配置としてもよく、要するに、必要な軸受面
12の面積を確保できるような配置であればよい。
【0029】さらに、排気路40の本数、直径、長さ、
屈曲状態、合流回数等は、任意である。しかし、排気路
40の本数や直径を増大して排気路40の全体としての
断面積を増加させる、あるいは排気路40の長さを短く
する、屈曲状態や合流回数を減少させるなどすることに
より、排気路40の抵抗を減少させるようにすることが
好ましく、そうすることで排気路40側に気体が流れや
すくなるため、流出流量Qoutをより一層減じること
が可能となる。
【0030】また、前記実施例では、外周抵抗部50
は、ポケット30の外周側に略正方形をなすように配置
されていたが、略正方形をなすような配置に限定される
ものではなく、例えば、円形や長方形等をなすような配
置としてもよく、要するに、ポケット30の外周側に連
続的に配置されていればよい。さらに、前記実施例で
は、外周抵抗部50の表面は平坦な形状となっていた
が、図5に示すように、ラビリンスを形成して抵抗を増
大させた外周抵抗部100としてもよく、あるいは一部
または全部にテーパを付けた外周抵抗部101〜103
としてもよい。
【0031】また、外周抵抗部50の表面は、軸受面1
2と略同一面上に配置されていればよい。つまり、軸受
面12と完全に同一面上に配置されていてもよく、ある
いは軸受面12の位置よりも対向部材15側に突出また
は逆に凹むように配置されていてもよい。しかし、軸受
面12と完全に同一面上に配置するようにすれば、加工
を容易に行うことができる。そして、外周抵抗部50の
幅L4や面積等は、任意である。しかし、幅L4や面積
等を大きくして外周抵抗部50の抵抗を増大させるよう
にすることが好ましく、そうすることで排気路40側に
気体が流れやすくなるため、流出流量Qoutをより一
層減じることが可能となる。
【0032】また、前記実施例では、負圧吸引手段60
は、負圧発生装置70、制御装置80、給気側流量セン
サ61、および排気側流量センサ62を備えた構成とな
っていたが、これらのうち制御装置80、給気側流量セ
ンサ61、および排気側流量センサ62を省略し、負圧
発生装置70のみで負圧吸引を行うようにしてもよい。
しかし、制御装置80、給気側流量センサ61、および
排気側流量センサ62を設けておくことが好ましく、そ
うすることで確実かつ容易に流出流量Qout=0とす
ることができる。
【0033】さらに、前記実施例では、負圧発生装置7
0は、負圧イジェクタ71、通気路72、および電空レ
ギュレータ75を備えた構成となっていたが、ポケット
30内の気体を負圧吸引できれば、例えば、ポンプ等を
用いた他の構成であってもよい。
【0034】そして、前記実施例では、静圧気体軸受1
0は直線案内面用のスラスト型静圧気体軸受となってい
たが、本発明の静圧気体軸受は、ラジアル型静圧気体軸
受に適用してもよい。
【0035】また、前記実施例では、負圧吸引手段60
が設けられ、この負圧吸引手段60によりポケット30
内の気体の負圧吸引を行っているが、本発明は、負圧吸
引手段60を設けずに、排気路40のみによりポケット
30から気体を排出するようにしてもよく、この場合に
も流入流量Qinの95%以上を排気路40に導くこと
ができる。例えば、平均的な静圧気体軸受10におい
て、浮上量(図1中の間隔H)が約10μmの場合、流
入流量Qinは約4Nリットル/min(標準状態)と
なるが、その時の流出流量Qoutを約0.1Nリット
ル/min(標準状態)にすることができる。このた
め、前記実施例の場合と同様に、高精度あるいは超精密
システム、特に測長系にレーザ干渉計を用いている場合
などにおいて、流出気体の温度や流れによるシステムへ
の悪影響を回避できる。しかし、負圧吸引手段60を設
けておくことが好ましく、そうすることで周囲への気体
の流出をより一層確実に抑えることができるうえ、流出
流量Qout=0、つまり流入流量Qinの100%を
排気路40に導くこともできる。
【0036】なお、本発明の効果を確かめるために次の
ような実験を行った。前記実施例(負圧吸引手段60を
設置した場合)において、浮上量H(μm)に対する、
排気率Qr(%)、負荷容量W(kgf)、負荷制御圧
力Psuc(MPa)の関係を調べた。図6には、この
実験の結果が示されている。図6によれば、全ての浮上
量Hの値に対し、排気率Qr(=排出流量Qex/流入
流量Qin)は100%となっており、本発明の効果が
顕著に示されている。また、負荷容量Wが小さく、浮上
量Hが大きい程、負荷制御圧力Psucを上げる必要の
あることが示されている。なお、参考として負圧吸引手
段60を設けずに4本の排気路40により排出を行った
場合(後述の図7参照)の排気率Qrの値が黒丸印で示
されている。負圧吸引手段60を設置した前記実施例の
場合は、負圧吸引手段60を設けない場合に比べ、排気
率Qrが高く、優れた排気特性であることがわかる。
【0037】また、負圧吸引手段60を設けずに1本ま
たは4本の排気路40により排出を行った場合におい
て、浮上量H(μm)に対する、排気率Qr(%)、負
荷容量W(kgf)、流入流量Qin(リットル/mi
n)、流出流量Qout(リットル/min)の関係を
調べた。図7および図8には、この実験の結果が示され
ている。図7によれば、排気路40の本数が1本の場合
でも4本の場合でも、流入流量Qinの95%以上の排
気を行うことができることが示されており、本発明の効
果が顕著に示されている。また、排気路40の本数が1
本の場合では、4本の場合に比べ、浮上量Hの大きい領
域で排気率Qrの低下が見られるが、使用領域(浮上量
Hが8〜12μm程度)では排気率Qrの差は僅かとな
っていることがわかる。図8によれば、流出流量Qou
tは、浮上量Hの小さい領域で一定となっており、特に
排気路40の本数が4本の場合には、使用領域でも一定
となっている。また、浮上量Hが10μmの時、流入流
量Qinが約4Nリットル/min(図7参照)に対
し、流出流量Qoutは約0.1Nリットル/min
(図8参照)となっていることがわかる。
【0038】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、軸
受面に供給された気体を、外周抵抗部により流出を抑え
ながらポケットで採集して排気路を通して外部に排出す
るので、周囲への気体の流出を抑えることができ、流出
気体の温度や流れによる高精度あるいは超精密システム
への悪影響を回避できるという効果がある。
【0039】また、負圧吸引手段を設け、ポケット内の
気体の負圧吸引を行うようにした場合には、周囲への気
体の流出量をより一層抑ることができ、ゼロにすること
もできるという効果がある。そして、この負圧吸引手段
を、給気側流量センサ、排気側流量センサ、負圧発生装
置、および制御装置を備えた構成とした場合には、給気
側流量センサおよび排気側流量センサによる検出流量が
略等しくなるように制御装置で負圧発生装置を制御する
ことにより、周囲への気体の流出量を容易かつ確実にゼ
ロとすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図。
【図2】前記実施例の一部の拡大詳細図。
【図3】前記実施例の一部の別の拡大詳細図。
【図4】本発明の変形例を示す概略構成図。
【図5】本発明の別の変形例を示す概略構成図。
【図6】本発明(負圧吸引手段を設けた前記実施例の場
合)の実験結果の説明図。
【図7】本発明(負圧吸引手段を設けない場合)の実験
結果の説明図。
【図8】本発明(負圧吸引手段を設けない場合)の実験
結果の別の説明図。
【符号の説明】
10 静圧気体軸受 12 軸受面 20 給気路 30,90〜93 ポケット 40 排気路 50,100〜103 外周抵抗部 60 負圧吸引手段 61 給気側流量センサ 62 排気側流量センサ 70 負圧発生装置 71 負圧イジェクタ 72 通気路 75 電空レギュレータ 80 制御装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受面に開口されてこの軸受面に気体を
    供給する給気路と、前記軸受面の外周側に配置されかつ
    前記軸受面から凹状に窪んで形成されたポケットと、こ
    のポケットの壁面に開口されてポケットと外部とを連通
    する排気路と、前記ポケットの外周側に連続的に配置さ
    れかつ前記軸受面と略同一面上に配置された外周抵抗部
    とを備えたことを特徴とする静圧気体軸受。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した静圧気体軸受におい
    て、前記排気路を通して前記ポケット内の気体の負圧吸
    引を行う負圧吸引手段を備えたことを特徴とする静圧気
    体軸受。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した静圧気体軸受におい
    て、前記負圧吸引手段は、前記給気路の途中に設けられ
    た給気側流量センサと、前記排気路の途中に設けられた
    排気側流量センサと、前記排気路の途中であって前記排
    気側流量センサの下流側に設けられた負圧発生装置と、
    前記給気側流量センサと前記排気側流量センサとによる
    検出流量が略等しくなるように前記負圧発生装置を制御
    する制御装置とを備えたことを特徴とする静圧気体軸
    受。
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