JP2012127376A - 真空装置 - Google Patents

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Yasuzo Tanaka
保三 田中
Mitsuru Yahagi
充 矢作
Nobufumi Minami
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Abstract

【課題】非接触式のシール機構を用いることにより、リークを起こすことなく真空槽外の動力源が生成する回転動力を真空槽内に導入する技術を提供する。
【解決手段】
真空槽21の開口22に筒状部材11を設け、筒状部材11と開口22に挿通した動力伝達軸12の一端を真空槽21内に挿入し、他端を真空槽21の外部に配置された動力源16に取り付ける。筒状部材11内周面の噴出装置17からベアリングガスを噴出し、筒状部材11と動力伝達軸12とを非接触にする。真空槽21内を大気圧より低い圧力にすると、動力伝達軸12に真空槽21内に引き込む力がかかり、第二の板状部材32が球状部材33を介して第一の板状部材31に押しつけられ、動力伝達軸12は一定の向きに維持される。動力源16を動作させて動力伝達軸12を回転移動させると、動力伝達軸12は一定の向きに維持されたまま筒状部材11と接触せずに回転移動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空雰囲気内に回転動力を導入する動力伝達装置を有する真空装置に関する。
真空雰囲気中で、処理対象物に対する真空処理を行う真空装置では、近年、装置の大型化に伴って動力源の高出力化が求められているが、真空槽内に配置できる真空対応のモータ等が大出力に対応していないため、動力源を真空槽の外側に配置した構成が採用されている。
図2は、そのような従来の真空装置110の内部構成図であり、真空槽121の壁面に形成された開口122に動力伝達軸112を挿入する場合、軸受筒111の内周面に、ベアリング等の軸受け113と、オーリング(Oリング)等のシール部材119とを配置しておき、動力伝達軸112を軸受筒111に挿通して、動力伝達軸112を、軸受け113とシール部材119とで取り囲んだ状態で、軸受筒111の端部を真空槽121の壁面に気密に固定しておく。
この状態では、動力伝達軸112は、軸受け113を介して、軸受筒111によって保持されており、動力伝達軸112の大気側の端部に取り付けられたモータ116を起動して、動力伝達軸112を、動力伝達軸112の中心軸線を中心とする回転移動させることができる。
しかしながら、従来の真空装置110では、動力伝達軸112と軸受け113とが接触しているため、動力伝達軸112と軸受け113との間の摩擦抵抗が大きく、また動力伝達軸112を動かすたびに摩擦により装置の寿命が短くなるという問題があった。
また、シール部材119は、軸受け113よりも真空槽121側に位置しており、真空排気装置125により真空槽121内に真空雰囲気が形成された状態で、動力伝達軸112と軸受筒111との間の隙間と開口122とを通って大気が真空槽121内に侵入しないように構成されているが、シール部材119は柔軟性を有する樹脂製であり、動力伝達軸112が回転移動するときに変形し、少量であるが、シール部材119と動力伝達軸112又は軸受筒111との間を通って開口122から真空槽121内に大気が侵入するという問題があった。
図3(b)は、動力伝達軸112を静止させた状態で、真空槽121内を、低真空状態から高真空状態に真空排気したときの真空槽121内の圧力変化であり、シール部材119の機能によって真空槽121内への大気の侵入が無いことが分かるが、高真空状態に達した後、動力伝達軸112が回転移動したときは、図4(b)のように真空槽121内の圧力が変動しており、大気の侵入があることが分かる。
なお、真空側と大気側とを溶接ベローズで完全に遮断したベローズ式のシール機構では、動力伝達軸の回転移動中にシール部からのリークは起こらないが、伝達遅延や伝達ロスが発生するため、真空槽内で高精度な位置決めを行うことは困難であった。
特開2003−130234号公報
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、非接触式のシール機構を用いることにより、リークを起こすことなく真空槽外の動力源が生成する回転動力を真空槽内に導入する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、壁面に開口が設けられた真空槽と、一端が前記真空槽の壁面に気密に固定され、内部が前記開口を介して前記真空槽内に接続された筒状部材と、前記筒状部材の内部に挿入され、前記筒状部材と非接触になることができる動力伝達軸と、前記筒状部材の内周面に、前記動力伝達軸を取り囲んで設けられ、前記動力伝達軸との間に隙間を形成して、供給されたガスを前記隙間に向けて噴出する環状の噴出装置と、前記噴出装置に大気よりも高圧のベアリングガスを供給する圧力ガス供給装置と、前記噴出装置と前記開口との間の部分の前記筒状部材の内周面に、前記動力伝達軸を取り囲んで設けられ、前記動力伝達軸と前記筒状部材の内周面との間の隙間を通過した前記ベアリングガスが到達する環状の排気溝と、一端が前記排気溝に接続された排気路に接続され、前記排気路を介して前記排気溝内を真空排気する真空排気装置と、前記真空槽の外部に配置され、前記動力伝達軸を前記真空槽に対して前記動力伝達軸の中心軸線を中心として回転させることができる動力源と、を有する真空装置であって、リング状に形成され、内側に前記動力伝達軸が非接触で挿入された状態で、前記筒状部材に固定された第一の板状部材と、前記第一の板状部材と対面され、前記動力伝達軸に固定された第二の板状部材と、前記第一、第二の板状部材の互いに向かい合う面に挟まれて配置された三個以上の球状部材とを有する真空装置である。
本発明は真空装置であって、前記排気溝と前記排気路をそれぞれ複数個有し、複数の前記排気路のうち、前記真空槽に最近の前記排気溝に接続された前記排気路の排気コンダクタンスが、他の前記排気溝に接続された前記排気路の排気コンダクタンスよりも大きくされた真空装置である。
本発明は真空装置であって、前記排気路の排気コンダクタンスは、前記真空槽に近い方の前記排気溝に接続された方が大きくされた真空装置である。
本発明は真空装置であって、前記排気溝は前記排気部の長手方向に沿って並んで3つ以上配置された真空装置である。
本発明は真空装置であって、前記ガス供給部から放出される前記ガスは乾燥窒素ガス又はArガスのいずれか一方又は両方である真空装置である。
本発明の真空装置は、筒状部材の内周面の断面形状と、噴出装置の内周面の断面形状は、動力伝達軸の断面形状を大きくした相似形である。
噴出装置から高圧のベアリングガスをベアリング空間に向けて放出すると、ベアリングガスは、筒状部材と動力伝達軸の間の隙間からベアリング空間の外部に流出しようとし、筒状部材を動力伝達軸から離間させる反発力が発生する。
このとき、動力伝達軸と噴出装置との間や、動力伝達軸と筒状部材内周面との間の距離が短くなった部分の反発力は大きくなり、距離が長くなった部分の反発力は小さくなるから、動力伝達軸と噴出装置及び筒状部材とは相対的に移動し、互いの距離が等しく、反発力が均一になるように、噴出装置と筒状部材と動力伝達軸の中心軸線を一致させる。
そうすると、動力伝達軸が、噴出装置や筒状部材とは非接触になり、反発力より小さな力が加わっても、その状態が維持される。
このときは、動力伝達軸と噴出装置の間の隙間であるベアリング空間と、筒状部材の内周面と動力伝達軸の間の隙間も環状になっている。
ベアリング空間から、真空槽の内部側に向かうベアリングガスは、排出溝から真空排気される。
真空槽内が大気圧より低い圧力にされると、大気側と真空槽内の圧力差によって、動力伝達軸に真空槽内に吸引する力がかかり、第二の板状部材は第一の板状部材に向かって押しつけられ、第一、第二の板状部材の間に球状部材が挟まれて、動力伝達軸は一定の向きで静止される。
動力伝達軸に中心軸線を中心とする回転動力を伝達すると、球状部材は第一、第二の板状部材の間に挟まれた状態でそれぞれ自転して、動力伝達軸は一定の向きに維持されたまま筒状部材と接触せずに回転移動する。
真空槽内の真空雰囲気を維持しながら、真空槽の外部に配置された動力源から真空槽内に回転動力を導入できるので、真空槽内の処理対象物を回転移動することが可能となる。
動力伝達軸を真空槽内に引き込む力により動力伝達軸の向きは一定に維持されるので、動力伝達軸を軸ブレさせずに高速回転させることができる。
本発明の真空装置の内部構成図 従来の真空装置の内部構成図 動力伝達軸を静止させた状態で真空槽内を真空排気したときの真空槽内の圧力の経時変化を示すグラフ (a):本発明の真空装置の測定結果 (b):比較例の真空装置の測定結果 動力伝達軸をその中心軸線の周りに回動させたときの真空槽内の圧力の経時変化を示すグラフ (a):本発明の真空装置の測定結果 (b):比較例の真空装置の測定結果
本発明の真空装置10の構造を説明する。図1は、真空装置10の内部構成図を示している。
真空装置10は、真空槽21と、動力伝達装置5とを有している。
動力伝達装置5は、筒状部材11と、動力伝達軸12と、動力源16と、気体ベアリング装置6と、軸用排気装置7とを有している。
筒状部材11は、内部中空の円筒形状であり、真空槽21の壁面に設けられた開口22と内部が連通するように、その一端が真空槽21の外壁面に気密に固定されており、筒状部材11の内部は開口22を介して真空槽21内に接続されている。
動力伝達軸12は、断面円形であり、その断面直径は、筒状部材11の断面の内周直径よりも小さくされ、筒状部材11に挿通されている。符号39は動力伝達軸12の中心軸線を示している。
動力伝達軸12の一端は、開口22から真空槽21の内部に挿入され、他端は、筒状部材11からはみ出しており、はみ出した部分は、サポート部材34とカップリング部材(軸継手)35a、35bとを介して動力源16に取り付けられている。
気体ベアリング装置6は、噴出装置17と、圧力ガス供給装置(コンプレッサー)13とを有している。
筒状部材11の内周面には、環状であって、動力伝達軸12の周囲を取り囲むベアリング溝18が設けられている。噴出装置17はカーボン製多孔質体であり、環状に形成され、動力伝達軸12を取り囲むようにベアリング溝18の内部に配置され、筒状部材11に固定されている。
噴出装置17とベアリング溝18の底面との間には、環状の隙間である供給空間19が形成されている。筒状部材11には、給気用貫通孔26aが形成されており、給気用貫通孔26aの一端の開口はベアリング溝18の底面に露出され、他端の開口は筒状部材11の外周面に露出されている。
給気用貫通孔26aの、筒状部材11の外周側面に位置する開口は、給気用配管26bによって、圧力ガス供給装置13に接続されている。
圧力ガス供給装置13は、大気圧よりも高い圧力のベアリングガスを供給する装置であり、ベアリングガスには、真空槽21内で行われている目的物の真空処理に対して影響を与えないガスが望ましく、乾燥窒素ガス又はArガスのいずれか一方のガス又は混合したガスを安価に用いることができる。
圧力ガス供給装置13から放出されたベアリングガスは、給気用配管26bと給気用貫通孔26aとを通って供給空間19に供給される。従って、給気用貫通孔26aと給気用配管26bによって、ベアリングガスが通ってベアリング溝18の供給空間19の部分に供給される給気路26が形成されている。
噴出装置17の断面の内周直径は、動力伝達軸12の断面直径よりも大きく形成されており、噴出装置17と動力伝達軸12との間にも、環状の隙間であるベアリング空間20が形成されている。
環状の噴出装置17の外周面は供給空間19に露出され、内周面はベアリング空間20に露出しており、噴出装置17の外周面と内周面には、それぞれ開口が複数個形成されている。外周面の複数の開口と内周面の複数の開口は、噴出装置17の内部の複数の細孔によってそれぞれ接続されており、外周面に接する供給空間19と、内周面に接するベアリング空間20との間は、複数の細孔によって接続されている。
給気路26を通過して圧力ガス供給装置13から高圧のベアリングガスが外周面側の供給空間19に供給されると、その供給空間19の圧力は上昇し、外周面上の細孔の開口が導入口となり、内周面上の細孔の開口が噴出口となり、供給されたベアリングガスは細孔を通過してベアリング空間20に向けて噴出され、筒状部材11と動力伝達軸12との間の隙間を通って、ベアリング空間20の外部に流出しようとする。
軸用排気装置7は、筒状部材11の内周面に形成された一又は二以上の排気溝141〜143と、排気溝141〜143内を真空排気する真空排気装置15とを有している。
なお、後述するように、軸用排気装置7の真空排気装置15は、真空槽21内を真空排気する真空排気装置25とは別の装置である。
本実施例では、軸用排気装置7は、三個の排気溝141〜143を有している。
各排気溝141〜143は環状であり、噴出装置17と開口22との間の部分に、動力伝達軸12を取り囲んで設けられてる。各排気溝141〜143は、互いに離間しており、ベアリング溝18と開口22とからも離間している。
動力伝達軸12は、噴出装置17の環と各排気溝141〜143の環の中に挿通された状態であり、動力伝達軸12が後述するように回転移動をしても、噴出装置17と各排気溝141〜143とに、動力伝達軸12が挿通された状態が維持されるようになっている。
軸用排気装置7は、筒状部材11に設けられ、一端が排気溝141〜143にそれぞれ接続された排気用貫通孔271〜273と、筒状部材11の外周上に配置された排気用貫通孔271〜273の他端と真空排気装置15との間を接続する排気用配管281〜283とを有している。
各排気溝141〜143は、各排気用貫通孔271〜273と排気用配管281〜283とによって、真空排気装置15に接続されており、従って、各排気用貫通孔271〜273と、各排気用貫通孔271〜273にそれぞれ接続された排気用配管281〜283とによって、排気溝141〜143を真空排気装置15にそれぞれ接続する排気路291〜293が構成されている。
各排気溝141〜143は、幅、深さが互いに同じに形成されている。また、各排気路291〜293は、真空排気装置15によって、互いに同じ排気速度で真空排気されている。
噴出装置17とベアリング溝18の底面との間の供給空間19は、大気圧よりも高圧であり、ここでは、0.5M(5×105)Paの圧力である。各排気溝141〜143は、真空排気装置15によって真空排気されており、少なくとも、真空槽21に最近の排気溝143は、大気圧よりも低圧な真空雰囲気にされている。
ベアリング溝18とベアリング溝18に最近の排気溝141との間と、互いに隣接する排気溝141〜143の間と、開口22に最近の排気溝143と開口22の間とは、動力伝達軸12の外周面と筒状部材11の内周面との間に形成された隙間によって接続されている。噴出装置17と動力伝達軸12との間のベアリング空間20に噴出装置17から噴出されたベアリングガスは、先ず、所定の流速で、ベアリング溝18とベアリング溝18に最近の排気溝141との間に位置する、動力伝達軸12と筒状部材11との間に形成された隙間を流れて、ベアリング溝18に最近の排気溝141に流入する。
ベアリング溝18に最近の排気溝141に流入したベアリングガスは、真空排気装置15によって排気されるが、排気溝141内から排気されずに残ったベアリングガスは残留ガスとなって、流入した排気溝141よりも真空槽21の開口22に近い次段の排気溝142内に流入する。
その排気溝142内でも、真空排気装置15によって流入したベアリングガスは排気され、残留ガスは、更に次段の排気溝143内に流入する。
このように、複数の排気溝141〜143が設けられていると、各排気溝141〜143内には、直前のベアリング溝18又は直前の排気溝141、142からベアリングガスが流入し、流入したベアリングガスは、真空排気装置15により、その排気溝141〜143内から排気され、残留ガスは、直後の排気溝142、143又は真空槽21内に流入する。
本実施例では、各排気路291〜293の排気コンダクタンス(排気溝141〜143と真空排気装置15との間の各排気路291〜293の排気コンダクタンス)は、開口22に最も近い排気溝143に接続された排気路293の排気コンダクタンスがもっとも大きくされている。
従って、真空排気装置15が同じ排気速度で、各排気路291〜293内を真空排気すると、開口22に最近の排気溝143内の圧力が他の排気溝141、142内の圧力より低くなり、噴出装置17から噴出された気体の真空槽21内へのリークは減少する。
噴出装置17に近い方の排気路の排気コンダクタンスよりも、開口22に近い方の排気路の排気コンダクタンスの方が大きくされ、すなわち、開口22に近い排気路ほど、排気コンダクタンスが大きくされていると、真空槽21の開口22に最近の排気溝143の圧力は更に低くなり、真空槽21内へのリークを更に減少することができる。
真空槽21には、各排気溝141〜143内を真空排気する真空排気装置15とは別の真空排気装置25が接続されており、真空槽21内は、開口22に最近の排気溝143内の圧力よりも低い圧力に真空排気されるようになっている。
噴出装置17からベアリングガスが所定圧力以上の圧力で噴出されていると、動力伝達軸12の外周表面は、噴出装置17の内周表面と一定距離離間するようになる。このとき、筒状部材11の内周面と、動力伝達軸12の外周面との間も一定距離離間し、その結果、動力伝達軸12は筒状部材11の内周面上に浮いて、筒状部材11とは非接触の状態になる。
真空槽21内が大気圧よりも低い圧力に真空排気されたとき、動力伝達軸12には、大気側の部分と真空槽21内の部分の圧力差によって、真空槽21内に吸引する力が加わる。
本発明の動力伝達装置5は、第一、第二の板状部材31、32と、三個以上の球状部材33とを有している。
第一の板状部材31はリング状に形成され、リングの内周直径は動力伝達軸12の断面の直径よりも大きくされ、内側に動力伝達軸12が非接触で挿入された状態で、筒状部材11に固定されている。第一の板状部材31の真空槽21とは逆側の面は、筒状部材11の中心軸線に対して直角に向けられている。
第二の板状部材32は、第一の板状部材31の真空槽21とは逆側の面と対面して配置されている。
本実施例では、第二の板状部材32はリング状に形成され、リングの内周直径は動力伝達軸12の断面の直径よりも大きくされ、内側に動力伝達軸12が非接触で挿入された状態で、第二の板状部材32から見て第一の板状部材31とは逆側に配置されたサポート部材34に固定されており、サポート部材34は動力伝達軸12に固定されている。すなわち、第二の板状部材32はサポート部材34を介して動力伝達軸12に固定されている。第二の板状部材32の、第一の板状部材31と対面する面は、動力伝達軸12の中心軸線39に対して直角に向けられている。
各球状部材33は、互いに同じ大きさであり、第一、第二の板状部材31、32の互いに向かい合う面に挟まれて配置されている。
動力伝達軸12に、筒状部材11とは非接触の状態で、真空槽21内に吸引する力が加わると、動力伝達軸12に対して固定された第二の板状部材32は、第一の板状部材31に向かって押しつけられ、各球状部材33が第一、第二の板状部材31、32の互いに向かい合う面とそれぞれ接触した状態で、静止され、動力伝達軸12は真空槽21内に移動しないようになっている。各球状部材33は互いに同じ大きさであり、第一、第二の板状部材31、32の互いに向かい合う面は互いに平行な状態に維持される。
第一、第二の板状部材31、32の互いに向かい合う面はそれぞれ筒状部材11の中心軸線と動力伝達軸12の中心軸線に対して直角に設けられており、動力伝達軸12を真空槽21内に引き込む力により、第一、第二の板状部材31、32の互いに向かい合う面が互いに平行な状態に維持されているとき、筒状部材11の中心軸線と動力伝達軸12の中心軸線は互いに平行な状態に維持される。
動力源16はモーターであり、動力源16の回転軸は一方のカップリング部材35bに固定され、他方のカップリング部材35aはサポート部材34に固定されている。動力伝達軸12が真空槽21内に引き込まれる力により中心軸線39と平行な方向に微少距離動いても、カップリング部材35a、35bは、動力源16からサポート部材34への回転動力の伝達を継続するようになっている。
動力源16から回転動力を発生させると、回転動力はカップリング部材35a、35bを介して、サポート部材34に固定された動力伝達軸12に伝達され、動力伝達軸12が筒状部材11及び噴出装置17と非接触の状態で、動力伝達軸12を、動力伝達軸12の中心軸線39を中心に回転移動させることができるようになっている。
このとき、各球状部材33は第一、第二の板状部材31、32と接触しながらそれぞれ自転して、第一、第二の板状部材31、32には摩擦力がかからないようになっている。従って、回転動力の伝達遅延や伝達ロスは発生せず、また装置の摩耗は生じない。
動力伝達軸12を真空槽21内に引き込む力により、動力伝達軸12の中心軸線39は筒状部材11の中心軸線に対して平行な一定の向きに維持されており、動力伝達軸12に遠心力がかかっても、動力伝達軸12は一定の向きに維持されて傾かず、筒状部材11の内周面と接触することはない。
この真空装置10では、動力伝達軸12の真空槽21内に位置する先端部分には、基板ホルダ41が設けられており、基板ホルダ41に保持された目的物(処理対象物)42を所望方向に向かせることができるようになっている。基板ホルダ41に限らず、真空槽21内に配置すべき装置、例えば測定装置を設けて、動力伝達軸12の回転移動によって、向きを変更することもできる。
動力伝達軸12が回転移動するとき、動力伝達軸12と筒状部材11との間は非接触が維持されており、動力伝達軸12が筒状部材11の内周面と接触することはなく、オーリングが変形してリークが生じることもない。
本発明の真空装置10には、真空槽21の外部に配置された動力源16から真空槽内に回転移動力を導入する装置であれば、真空槽21内で真空処理を行わず、例えば目的物の搬出入や、目的物の搬送を行う真空装置や、真空処理の対象ではない目的物を移動させる装置等も含まれる。
上記実施例では第二の板状部材32はサポート部材34を介して動力伝達軸12に固定されているが、第二の板状部材32が動力伝達軸12に直接固定された構造も本発明に含まれる。
第二の板状部材32が動力伝達軸12に直接固定されている場合には、第二の板状部材32の形状はリング状に限定されず、平板形状でもよい。この場合には、サポート部材34を省略して、動力源16の回転軸を、カップリング部材35a、35bを介して、第二の板状部材32に直接固定してもよく、又は動力伝達軸12に直接固定してもよい。
本発明の真空装置10と、比較例である従来の真空装置110の動力伝達軸12、112を静止させた状態で真空槽21、121内を真空排気したときの、排気時間と真空槽21、121内の圧力との関係を測定した。
本発明の真空装置10の測定結果を図3(a)に示し、比較例の真空装置110の結果を同図(b)に示す。
図2に示した従来の真空装置110では真空排気を開始してから4000秒後に8.1×10-5Paに到達した。一方、本発明の装置10では真空排気を開始してから7200秒後に1.2×10-4Paに到達している。動力伝達軸12、112が静止していた場合、比較例の方が真空排気を行いやすいことが分かるが、本発明の軸用排気装置7によっても実用上の真空排気速度が得られている。
次に、動力伝達軸12をその中心軸線39の周りに回動させたときの真空槽内の圧力の経時変化を計測した。
図4(a)は本発明の真空装置10の測定結果、同図(b)は比較例の真空装置110の測定結果を示している。
本発明の真空装置10では真空槽21内の圧力は変動しなかった。リークレートは1.25×10-6Pa・m3/secであった。
比較例の真空装置110では、動力伝達軸112のシール部材119であるオーリングが歪み、オーリングの長さ方向に部分的な伸縮が生じ、リークが発生していた。リークレートは1×10-4Pa・m3/secであった。
10……真空装置
11……筒状部材
12……動力伝達軸
13……圧力ガス供給装置
141、142、143……排気溝
15……真空排気装置
16……動力源
17……噴出装置
21……真空槽
22……開口
291、292、293……排気路
31……第一の板状部材
32……第二の板状部材
33……球状部材
39……中心軸線

Claims (5)

  1. 壁面に開口が設けられた真空槽と、
    一端が前記真空槽の壁面に気密に固定され、内部が前記開口を介して前記真空槽内に接続された筒状部材と、
    前記筒状部材の内部に挿入され、前記筒状部材と非接触になることができる動力伝達軸と、
    前記筒状部材の内周面に、前記動力伝達軸を取り囲んで設けられ、前記動力伝達軸との間に隙間を形成して、供給されたガスを前記隙間に向けて噴出する環状の噴出装置と、
    前記噴出装置に大気よりも高圧のベアリングガスを供給する圧力ガス供給装置と、
    前記噴出装置と前記開口との間の部分の前記筒状部材の内周面に、前記動力伝達軸を取り囲んで設けられ、前記動力伝達軸と前記筒状部材の内周面との間の隙間を通過した前記ベアリングガスが到達する環状の排気溝と、
    一端が前記排気溝に接続された排気路に接続され、前記排気路を介して前記排気溝内を真空排気する真空排気装置と、
    前記真空槽の外部に配置され、前記動力伝達軸を前記真空槽に対して前記動力伝達軸の中心軸線を中心として回転させることができる動力源と、
    を有する真空装置であって、
    リング状に形成され、内側に前記動力伝達軸が非接触で挿入された状態で、前記筒状部材に固定された第一の板状部材と、
    前記第一の板状部材と対面され、前記動力伝達軸に固定された第二の板状部材と、
    前記第一、第二の板状部材の互いに向かい合う面に挟まれて配置された三個以上の球状部材とを有する真空装置。
  2. 前記排気溝と前記排気路をそれぞれ複数個有し、
    複数の前記排気路のうち、前記真空槽に最近の前記排気溝に接続された前記排気路の排気コンダクタンスが、他の前記排気溝に接続された前記排気路の排気コンダクタンスよりも大きくされた請求項1記載の真空装置。
  3. 前記排気路の排気コンダクタンスは、前記真空槽に近い方の前記排気溝に接続された方が大きくされた請求項1又は2のいずれか1項記載の真空装置。
  4. 前記排気溝は前記排気部の長手方向に沿って並んで3つ以上配置された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の真空装置。
  5. 前記ガス供給部から放出される前記ガスは乾燥窒素ガス又はArガスのいずれか一方又は両方である請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の真空装置。
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