JP3883761B2 - 衝撃吸収式パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時にドライバーに作用する衝撃を吸収できるパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
第1コラムに第2コラムが、車両のドライバーとステアリングホイールとの衝突による衝撃の作用時に軸方向相対移動するように同軸心に嵌め合わされ、両コラムが互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動することで衝撃エネルギーが吸収され、両コラムに挿入されるハンドルシャフトにより伝達されるトルクがトルクセンサにより検出され、その検出トルクに応じて操舵補助力が付与される衝撃吸収式パワーステアリング装置がある。その第1コラムは車体に、衝撃作用時に軸方向相対移動することで連結解除されるように連結されている。その第2コラムは、トルクセンサのセンサハウジングに固定されている。そのセンサハウジングは車体に、その第1コラムと車体との連結解除時にコラム軸方向に交叉する方向からの荷重の作用により屈曲可能な接続部材を介して連結されている(特開平8‐142885号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成において衝撃エネルギーを充分に吸収するため、衝撃作用時における第1コラムと第2コラムの軸方向相対移動量を増大させることが望まれる。しかし、車体寸法には制限があり、また、トルクセンサや操舵補助力発生用モータの回転をステアリングシャフトに伝達する減速ギヤ機構等を設ける必要があることから、その軸方向相対移動量を充分に確保するのは困難であった。
【0004】
また、ドライバーがステアリングホイールに衝突することで第1コラムに作用する荷重の方向は、第1コラムの軸方向に対して傾く。車体に連結された第1コラムが第2コラムに対して軸方向移動する際、その軸方向に対して傾斜する方向から荷重が作用すると、両コラム間にこじれが生じ、円滑に衝撃を吸収することができない。
【0005】
本発明は、上記問題を解決することのできる衝撃吸収式パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴は、第1コラムと、その第1コラムに、衝撃の作用時に軸方向相対移動するように同軸心に嵌め合わされる第2コラムと、両コラムに挿入されるハンドルシャフトと、そのハンドルシャフトにより伝達されるトルクを検出するトルクセンサとを備え、その検出トルクに応じて操舵補助力が付与され、両コラムが互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動することで衝撃エネルギーが吸収される衝撃吸収式パワーステアリング装置において、その第2コラムは、そのトルクセンサのセンサハウジングに、衝撃作用時に軸方向相対移動するように嵌め合わされ、その第2コラムがセンサハウジングに対して互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動することで衝撃エネルギーが吸収され、両コラムを互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動させるのに要する荷重が、その相対移動量の増加に伴って増加するように、両コラムの間の径方向から視て互いに重なる摩擦接触部の面積は、その相対移動量の増加に伴って前記摩擦接触部の軸方向寸法が増加することで増加するものとされ、その第2コラムをセンサハウジングに対して軸方向相対移動させるのに要する当初荷重は、前記センサハウジングへの前記第2コラムの圧入荷重が前記第1コラムへの前記第2コラムへの圧入荷重よりも大きくされることで、両コラムを軸方向相対移動させるのに要する当初荷重よりも大きくされ、衝撃作用時における両コラムの軸方向相対移動の途中で、第2コラムのセンサハウジングに対する軸方向相対移動が開始されるように、両コラムの相対移動の最大ストロークと第2コラムのセンサハウジングに対する相対移動の最大ストロークとが設定されている点にある。
この構成によれば、両コラムの相対移動だけでなく、第2コラムがセンサハウジングに対して軸方向相対移動することでも衝撃エネルギーを吸収できるので、両コラムの軸方向相対移動のみに基づき衝撃エネルギーを吸収するのに比べて、制限されたスペースでの衝撃エネルギーの吸収量を増大させることができる。
また、衝撃作用時の当初は第1コラムと第2コラムとの軸方向相対移動のみに基づき衝撃エネルギーを吸収する。しかる後に両コラムを軸方向相対移動させるのに要する荷重が大きくなると、その両コラムの軸方向相対移動の途中で、第2コラムのセンサハウジングに対する軸方向相対移動が開始される。これにより、両コラムの軸方向相対移動量と、第2コラムのセンサハウジングに対する軸方向相対移動量の合計あたりのドライバーに作用する荷重の増加割合が減少し、スペースが制限されている場合でもドライバーに過大な荷重を作用させることなく衝撃エネルギーを吸収できる。
【0008】
本発明の第2の特徴は、第1コラムと、その第1コラムに、衝撃の作用時に軸方向相対移動するように同軸心に嵌め合わされる第2コラムと、両コラムに挿入されるハンドルシャフトと、そのハンドルシャフトにより伝達されるトルクを検出するトルクセンサとを備え、その検出トルクに応じて操舵補助力が付与され、両コラムが互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動することで衝撃エネルギーが吸収される衝撃吸収式パワーステアリング装置において、その第2コラムは、そのトルクセンサのセンサハウジングに、衝撃作用時に軸方向相対移動するように嵌め合わされ、その第2コラムがセンサハウジングに対して互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動することで衝撃エネルギーが吸収され、その第2コラムをセンサハウジングに対して互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動させるのに要する荷重が、その相対移動量の増加に伴って増加するように、その第2コラムとセンサハウジングとの間の径方向から視て互いに重なる摩擦接触部の面積は、その相対移動量の増加に伴って前記摩擦接触部の軸方向寸法が増加することで増加するものとされ、その第2コラムをセンサハウジングに対して軸方向相対移動させるのに要する当初荷重は、前記センサハウジングへの前記第2コラムの圧入荷重が前記第1コラムへの前記第2コラムへの圧入荷重よりも小さくされることで、両コラムを軸方向相対移動させるのに要する当初荷重よりも小さくされ、その第1コラムは車体に、衝撃作用時に軸方向相対移動することで連結解除されるように連結され、そのセンサハウジングは車体に、その第1コラムと車体との連結解除時にコラム軸方向に交叉する方向からの荷重の作用により屈曲可能な接続部材を介して連結され、衝撃作用時における前記センサハウジングに対する前記第2コラムの軸方向相対移動が前記第2コラムに対する前記第1コラムの軸方向相対移動に先行されるように、前記第2コラムを前記センサハウジングに対して軸方向相対移動させるのに要する当初荷重が両コラムを軸方向相対移動させるのに要する当初荷重よりも小さくされている点にある。
この構成によれば、両コラムの相対移動だけでなく、第2コラムがセンサハウジングに対して軸方向相対移動することでも衝撃エネルギーを吸収できるので、両コラムの軸方向相対移動のみに基づき衝撃エネルギーを吸収するのに比べて、制限されたスペースでの衝撃エネルギーの吸収量を増大させることができる。
また、第1コラムと第2コラムとが軸方向相対移動する前に、第1コラムは第2コラムと同行してセンサハウジングに対して軸方向相対移動する。すなわち、第1コラムと第2コラムとが軸方向相対移動する前に、第1コラムは車体に対して軸方向相対移動する。これにより、第1コラムと車体とが連結された状態での両コラムの軸方向相対移動量を低減し又は零にできる。第1コラムと車体との連結が解除されると、センサハウジングを車体に連結する接続部材が、コラム軸方向に交叉する方向からの荷重の作用により屈曲するので、そのコラム軸方向に交叉する方向からの荷重の作用により第1コラムと第2コラムとの間にこじれが生じるのを防止できる。すなわち、第1コラムと車体とが連結した状態では、衝撃作用時にコラム軸方向に交叉する方向から荷重が作用することで、両コラムは互いとの間にこじれを生じつつ軸方向相対移動するが、本構成によれば、そのこじれを生じつつ軸方向相対移動する距離を短くし、又はなくすことができるので、衝撃を円滑に吸収できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に示す衝撃吸収式電動パワーステアリング装置1は、筒状の第1コラム2aと第2コラム2bとを備え、各コラム2a、2bの軸心は車体前方に向かうに従い下方に向かうよう車体に取り付けられる。
【0010】
図2に示すように、その第2コラム2bの一端は、第1コラム2aに筒状部材3を介して圧入されることで、その第1コラム2aに車両のドライバーとステアリングホイールとの衝突による衝撃の作用時に軸方向相対移動するように同軸心に嵌め合わされている。これにより、両コラム2a、2bが互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動することで衝撃エネルギーが吸収される。
本実施形態では、上記筒状部材3の外周にフランジ3aが形成され、このフランジ3aが第1コラム2aの端面に接することで、筒状部材3は第1コラム2aと同行して第2コラム2bに対して相対移動する。これにより、その筒状部材3の内周面と第2コラム2bの外周面とが両コラム2a、2bの間の摩擦接触部とされている。その筒状部材3の軸方向寸法A1は、筒状部材3と第2コラム2bとの嵌め合わせ部の軸方向寸法A2よりも、少なくともその相対移動の最大ストロークだけ長くされ、これにより、両コラム2a、2bの軸方向相対移動量の増加に伴い、筒状部材3の内周面と第2コラム2bの外周面との接触面積、すなわち摩擦接触部の面積は増加するものとされている。よって、両コラム2a、2bを互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動させるのに要する荷重は、その相対移動量の増加に伴って増加する。その相対移動の最大ストロークは、第1コラム2aの端面が筒状部材3のフランジ3aを介して後述のセンサハウジング71に接するまでの距離La(図1参照)とされている。
【0011】
両コラム2a、2bにハンドルシャフト5、7が挿入されている。その第1コラム2aはベアリング(図示省略)を介して筒状の第1ハンドルシャフト5を回転可能に支持する。その第1ハンドルシャフト5と第1コラム2aとは衝撃作用時に軸方向に同行移動可能なように図外位置で係合される。その第1ハンドルシャフト5の一端にステアリングホイール(図示省略)が連結され、他端に第2ハンドルシャフト7の一端が挿入される。その第2ハンドルシャフト7の外周に一対の周溝8が形成され、その周溝8に連通する通孔9が第1ハンドルシャフト5に形成され、その通孔9と周溝8とに樹脂60が充填される。衝撃が作用すると、その樹脂60が破断され、第1ハンドルシャフト5と第2ハンドルシャフト7とは軸方向相対移動する。また、その第1ハンドルシャフト5に同行して第1コラム2aが軸方向相対移動する。図3に示すように、第1ハンドルシャフト5の内周形状と第2ハンドルシャフト7の外周形状とが非円形とされることで、第1ハンドルシャフト5と第2ハンドルシャフト7とは回転伝達可能に連結されている。
【0012】
図1、図4に示すように、そのハンドルシャフト5、7により伝達されるトルクを検出するトルクセンサ70が設けられている。
すなわち、その第2ハンドルシャフト7の他端にピン91を介して第3ハンドルシャフト73とトーションバー78とが連結され、そのトーションバー78にピン92を介して第4ハンドルシャフト74が連結され、これにより、その第3ハンドルシャフト73と第4ハンドルシャフト74とは操舵抵抗に応じて相対回転可能とされている。その第3ハンドルシャフト73の外周は、その第2コラム2bの内周により軸受94を介して支持される。その第4ハンドルシャフト74の外周は、センサハウジング71の内周により軸受80a、80bを介して支持される。その第4ハンドルシャフト74は操舵用車輪(図示省略)に連結される。その第3ハンドルシャフト73の外周に磁性材製の第1検出リング81が嵌合され、第4ハンドルシャフト74の外周に磁性材製の第2検出リング82が嵌合され、そのセンサハウジング71の内周に第1検出コイル83を保持する磁性材製の第1コイルホルダー88と第2検出コイル84を保持する磁性材製の第2コイルホルダー89とが取り付けられている。
その第1検出リング81の一端と第2検出リング82の一端とは相対向し、その相対向する端面それぞれに周方向等間隔に歯81a、82aが形成される。その第2検出コイル84は、両検出リング81、82の対向間を覆うように配置されると共に両検出リング81、82を通過する磁束を発生する。その歯81a、82aの対向部分の面積は操舵抵抗によるトーションバー78の捩れに基づく両検出リング81、82の相対回転に応じて変化する。この変化により、その歯81a、82aの対向間の磁気抵抗が変化することから、その変化に応じ第2検出コイル84の出力が変化し、その出力に対応して伝達トルクが検出される。
その第1検出コイル83は、その第1検出リング81の他端側の外周を覆うように配置されると共に第1検出リング81を通過する磁束を発生する。その第1検出リング81の他端側は、一端側よりも外径の小さな小径部81bとされる。その第1コイルホルダー88の側壁部88aは、第1検出リング81の他端側の小径部81bに対向するように配置され、その第1コイルホルダー88の側壁部88bは、第1検出リング81の一端側に対向するように配置される。その第1検出リング81及び第1コイルホルダー88を含む磁気回路の磁気抵抗が、操舵トルクの作用していない状態での第1検出リング81、第2検出リング82、第2コイルホルダー89を含む磁気回路の磁気抵抗と等しくなるように、その小径部81bの外径は設定される。これにより、温度変動による第1検出コイル83の出力変動は、温度変動による第2検出コイル84の出力変動に等しくされる。図5に示すように、第1検出コイル83は抵抗120を介して発振器121に接続され、第2検出コイル84は抵抗123を介して発振器121に接続されている。また、各コイル83、84は差動増幅回路125に接続されている。これにより、温度変動による第2検出コイル84の出力変動が補償されている。
【0013】
図1に示すように、その第4ハンドルシャフト74の外周にウォームホイール85が嵌合され、このウォームホイール85は、センサハウジング71に取り付けられた操舵補助用モータ86の出力軸に嵌合されたウォームギヤ87に噛み合わされる。そのモータ86がトルクセンサ70により検出されたトルクに応じて駆動されることで、検出トルクに応じた操舵補助力が付与される。
【0014】
図4に示すように、その第2コラム2bの他端は、トルクセンサ70のセンサハウジング71の内周孔71aに圧入されることで、そのセンサハウジング71に、車両のドライバーとステアリングホイールとの衝突による衝撃の作用時に軸方向相対移動するように嵌め合わされている。これにより、その第2コラム2bがセンサハウジング71に対して互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動することで衝撃エネルギーが吸収される。本実施形態では、そのセンサハウジング71の内周孔71aの内周面と第2コラム2bの外周面とが、その第2コラム2bとセンサハウジング71との間の摩擦接触部とされている。これにより、その第2コラム2bのセンサハウジング71に対する軸方向相対移動量の増加に伴って、そのセンサハウジング71の内周孔71aの内周面と第2コラム2bの外周面との接触面積、すなわち摩擦接触部の面積は増加するものとされている。よって、その第2コラム2bをセンサハウジング71に対して互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動させるのに要する荷重は、その相対移動量の増加に伴って増加する。その相対移動の最大ストロークは、第2コラム2bの端面が上記第3ハンドルシャフト73の外周突出部に接するまでの距離Lbとされている。
【0015】
その第2コラム2bのセンサハウジング71への圧入荷重が第1コラム2aへの第2コラム2bの圧入荷重よりも大きくされ、これにより、その第2コラム2bをセンサハウジング71に対して軸方向相対移動させるのに要する当初荷重は、両コラム2a、2bを軸方向相対移動させるのに要する当初荷重よりも大きくされている。例えば図8に示すように、衝撃作用時の当初に第2コラム2bに対して図中P1位置に配置される筒状部材3と共に第1コラム2aが、衝撃の作用により第2コラム2bに対する軸方向相対移動を開始する時、第2コラム2bはセンサハウジング71に対して相対移動することはない。しかる後に、第1コラム2aと共に筒状部材3が第2コラム2bに対して図中P2位置に達すると、両コラム2a、2bを軸方向相対移動させるのに要する荷重が第2コラム2bをセンサハウジング71に対して軸方向相対移動させるのに要する当初荷重に等しくなる。これにより、衝撃作用時における両コラム2a、2bの軸方向相対移動の途中で、第2コラム2bのセンサハウジング71に対する軸方向相対移動が開始される。
【0016】
図9における横軸は、衝撃作用時における両コラム2a、2bの軸方向相対移動量と第2コラム2bのセンサハウジング71に対する軸方向相対移動量との和を示し、縦軸は両コラム2a、2bの軸方向に沿い作用する荷重を示す。その軸方向相対移動量の和がP2−P1を超えると、すなわち両コラム2a、2bの軸方向相対移動と、第2コラム2bのセンサハウジング71に対する軸方向相対移動とが同時に進行を開始すると、両者の軸方向相対移動量の合計あたりのドライバーに作用する荷重の増加割合が減少する。
【0017】
図1〜図3、図6、図7に示すように、その第1コラム2aはアッパーブラケット11を介し車体側部材45に取り付けられている。そのアッパーブラケット11は、第1コラム2aに溶接され、一対の側壁11a、11bと、各側壁11a、11bの一端を連結する連結壁11cと、各側壁11a、11bの他端から第1コラム2aの径方向外方に延出する支持部11d、11eとを有する。
各支持部11d、11eに、ステアリングホイール側において開口する切欠11d′、11e′が形成され、各切欠11d′、11e′に連結部材20、21が挿入されている。すなわち、各連結部材20、21に、コラム軸方向に沿う一対の溝20a′、20b′、21a′、21b′が形成され、各溝20a′、20b′、21a′、21b′に、支持部11d、11eの切欠11d′、11e′の周縁に沿う部分がコラム2a、2bの軸方向に沿って相対移動可能に挿入されている。その支持部11d、11eの切欠11d′、11e′の周縁に沿う部分に複数の通孔が形成され、この通孔に連通する通孔が連結部材20、21に形成され、両通孔に樹脂61が充填されている。また、車体側部材45に植え込まれたネジ軸40が、連結部材20、21のボルト通孔35に挿通され、そのネジ軸40にねじ合わされるナット41と車体側部材45とで連結部材20、21が挟み込まれる。なお、ボルト通孔35はコラム軸方向が長手方向の長孔とされ、製作誤差による各部材相互の位置ずれに対応可能とされている。
これにより、衝撃の作用時に樹脂61が剪断されると、アッパーブラケット11と一体の第1コラム2aは、連結部材20、21が固定された車体に対して軸方向相対移動する。その相対移動距離が大きくなると、アッパーブラケット11は連結部材20、21から抜け出し、アッパーブラケット11を介する第1コラム2aと車体側部材45との連結は解除される。すなわち、その第1コラム2aは車体に、衝撃作用時に軸方向相対移動することで連結解除されるように連結されている。
【0018】
図1、図6に示すように、そのセンサハウジング71はロアブラケット(接続部材)46を介して車体側部材45に取り付けられている。そのロアブラケット46は一枚の鋼板から形成され、コラム軸方向に対し直角に配置される第1板状部46aと、コラム軸方向に対し傾斜して配置される第2板状部46bと、コラム軸方向に対し平行に配置される第3板状部46cおよび第4板状部46dを有する。その第1板状部46aはセンサハウジング71にボルトによって連結される。
その第3板状部46cと第4板状部46dとに反ステアリングホイール側が開放された切欠47c、47dが形成され、各切欠47c、47dに車体側部材45に植え込まれたネジ軸55が挿通される。このネジ軸55にねじ合わされるナット56と車体側部材45とによって第3板状部46cと第4板状部46dとが挟み込まれる。
そのロアブラケット46は、衝撃の作用により上記のように第1コラム2aと車体との連結が解除されると、そのコラム2a、2bの軸方向に交叉する方向からの荷重の作用により屈曲可能とされている。
【0019】
上記構成において、車両と車両前方の障害物とが衝突(1次衝突)し、次に、車両のドライバーがステアリングホイールに衝突(2次衝突)すると、先ず、第1ハンドルシャフト5と第2ハンドルシャフト7とを連結する樹脂60が剪断され、アッパーブラケット11と連結部材20、21とを連結する樹脂61が剪断され、その剪断により衝撃エネルギーが吸収される。次に、アッパーブラケット11が連結部材20、21に対し相対移動し、第1コラム2aが第2コラム2bに対し相対移動し、その相対移動部材間の摩擦に抗する相対移動により衝撃エネルギーが吸収される。その第1コラム2aと第2コラム2bの相対移動途中に、第2コラム2bがセンサハウジング71に対して摩擦に抗して相対移動を開始することで衝撃エネルギーが吸収される。また、アッパーブラケット11と車体側部材45との接続が解除され、ロアブラケット46が屈曲し、その屈曲により衝撃エネルギーが吸収される。図10は衝突後におけるステアリング装置1の状態を示す。なお本実施形態では、そのアッパーブラケット11と車体側部材45との接続の解除は、第2コラム2bのセンサハウジング71に対する相対移動の開始の前でも後でもよい。
【0020】
上記構成によれば、両コラム2a、2bの相対移動だけでなく、第2コラム2bがセンサハウジング71に対して軸方向相対移動することでも衝撃エネルギーを吸収できるので、両コラム2a、2bの軸方向相対移動のみに基づき衝撃エネルギーを吸収するのに比べて、制限されたスペースでの衝撃エネルギーの吸収量を増大させることができる。また、衝撃作用時の当初は両コラム2a、2bの軸方向相対移動のみに基づき衝撃エネルギーを吸収する。しかる後に、両コラム2a、2bを軸方向相対移動させるのに要する荷重が大きくなると、その両コラム2a、2bの軸方向相対移動の途中で、第2コラム2bのセンサハウジング71に対する軸方向相対移動が開始される。これにより、両コラム2a、2bの軸方向相対移動量と、第2コラム2bのセンサハウジング71に対する軸方向相対移動量の合計あたりのドライバーに作用する荷重の増加割合が減少し、スペースが制限されている場合でもドライバーに過大な荷重を作用させることなく衝撃エネルギーを吸収できる。
【0021】
上記実施形態では第2コラム2bをセンサハウジング71に対して軸方向相対移動させるのに要する当初荷重は、両コラム2a、2bを軸方向相対移動させるのに要する当初荷重よりも大きくされたが、第2実施形態として、第2コラム2bのセンサハウジング71への圧入荷重を第1コラム2aへの第2コラム2bの圧入荷重よりも小さくし、これにより、その第2コラム2bをセンサハウジング71に対して軸方向相対移動させるのに要する当初荷重を、両コラム2a、2bを軸方向相対移動させるのに要する当初荷重よりも小さくし、他の構成は上記実施形態と同様としてもよい。これにより、第1コラム2aは、車両のドライバーとステアリングホイールとの衝突による衝撃の作用時にセンサハウジング71に対して軸方向相対移動する第2コラム2bと同行移動した後に、その第2コラム2bに対する軸方向相対移動を開始する。
【0022】
図11における横軸は、この第2実施形態における衝撃作用時の両コラム2a、2bの軸方向相対移動量と第2コラム2bのセンサハウジング71に対する軸方向相対移動量との和を示し、縦軸は両コラム2a、2bの軸方向に沿い作用する荷重を示す。この第2実施形態では、第2コラム2bがセンサハウジング71に対して最大ストロークLbだけ軸方向相対移動した後に、両コラム2a、2bが相対移動を開始するものとされている。なお、第2コラム2bがセンサハウジング71に対して最大ストロークLbだけ軸方向相対移動する前に、両コラム2a、2bを軸方向相対移動させるのに要する荷重が、第2コラム2bをセンサハウジング71に対して軸方向相対移動させるのに要する当初荷重に等しくなるようにし、両コラム2a、2bが相対移動を開始するようにしてもよい。
【0023】
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、両コラム2a、2bの相対移動だけでなく、第2コラム2bがセンサハウジング71に対して軸方向相対移動することでも衝撃エネルギーを吸収するので、両コラム2a、2bの軸方向相対移動のみに基づき衝撃エネルギーを吸収するのに比べて、制限されたスペースでの衝撃エネルギーの吸収量を増大させることができる。
また、両コラム2a、2bが軸方向相対移動する前に、第1コラム2aは第2コラム2bと同行してセンサハウジング71に対して軸方向相対移動する。すなわち、両コラム2a、2bが軸方向相対移動する前に、第1コラム2aは車体に対して軸方向相対移動する。これにより、第1コラム2aと車体とが連結された状態での両コラム2a、2bの軸方向相対移動量を低減し又は零にできる。第1コラム2aと車体との連結が解除されると、センサハウジング71を車体に連結するロアブラケット(接続部材)46が、コラム軸方向に交叉する方向からの荷重の作用により屈曲するので、そのコラム軸方向に交叉する方向からの荷重の作用により第1コラム2aと第2コラム2bとの間にこじれが生じるのを防止できる。すなわち、第1コラム2aと車体とが連結した状態では、衝撃作用時にコラム軸方向に交叉する方向から荷重が作用することで、両コラム2a、2bは互いとの間にこじれを生じつつ軸方向相対移動するが、本構成によれば、そのこじれを生じつつ軸方向相対移動する距離を短くし、又はなくすことができるので、衝撃を円滑に吸収できる。
【0024】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、第1コラムと第2コラムとは直接に接触するように嵌め合わされてもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、スペースの制限された車体内でも衝撃エネルギーを十分かつ円滑に吸収できる衝撃吸収式パワーステアリング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のステアリング装置の縦断面図
【図2】そのステアリング装置の両コラムの要部の縦断面図
【図3】そのステアリング装置の部分横断面図
【図4】そのステアリング装置の第2コラムとセンサハウジングの要部の縦断面図
【図5】そのステアリング装置のトルクセンサの回路図
【図6】そのステアリング装置の平面図
【図7】そのステアリング装置の部分断面図
【図8】そのステアリング装置の構成説明用部分断面図
【図9】そのステアリング装置の衝撃作用時における両コラムの相対移動量と第2コラムのセンサハウジングに対する相対移動量との和とコラム軸方向荷重との関係を示す図
【図10】そのステアリング装置の衝突後の状態を示す側面図
【図11】第2実施形態のステアリング装置の衝撃作用時における両コラムの相対移動量と第2コラムのセンサハウジングに対する相対移動量との和とコラム軸方向荷重との関係を示す図
【符号の説明】
2a 第1コラム
2b 第2コラム
5、7 ハンドルシャフト
46 ロアブラケット(接続部材)
70 トルクセンサ
71 センサハウジング

Claims (2)

  1. 第1コラムと、
    その第1コラムに、衝撃の作用時に軸方向相対移動するように同軸心に嵌め合わされる第2コラムと、
    両コラムに挿入されるハンドルシャフトと、
    そのハンドルシャフトにより伝達されるトルクを検出するトルクセンサとを備え、
    その検出トルクに応じて操舵補助力が付与され、
    両コラムが互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動することで衝撃エネルギーが吸収される衝撃吸収式パワーステアリング装置において、
    その第2コラムは、そのトルクセンサのセンサハウジングに、衝撃作用時に軸方向相対移動するように嵌め合わされ、
    その第2コラムがセンサハウジングに対して互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動することで衝撃エネルギーが吸収され
    両コラムを互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動させるのに要する荷重が、その相対移動量の増加に伴って増加するように、両コラムの間の径方向から視て互いに重なる摩擦接触部の面積は、その相対移動量の増加に伴って前記摩擦接触部の軸方向寸法が増加することで増加するものとされ、
    その第2コラムをセンサハウジングに対して軸方向相対移動させるのに要する当初荷重は、前記センサハウジングへの前記第2コラムの圧入荷重が前記第1コラムへの前記第2コラムへの圧入荷重よりも大きくされることで、両コラムを軸方向相対移動させるのに要する当初荷重よりも大きくされ、
    衝撃作用時における両コラムの軸方向相対移動の途中で、第2コラムのセンサハウジングに対する軸方向相対移動が開始されるように、両コラムの相対移動の最大ストロークと第2コラムのセンサハウジングに対する相対移動の最大ストロークとが設定されていることを特徴とする衝撃吸収式パワーステアリング装置。
  2. 第1コラムと、
    その第1コラムに、衝撃の作用時に軸方向相対移動するように同軸心に嵌め合わされる第2コラムと、
    両コラムに挿入されるハンドルシャフトと、
    そのハンドルシャフトにより伝達されるトルクを検出するトルクセンサとを備え、
    その検出トルクに応じて操舵補助力が付与され、
    両コラムが互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動することで衝撃エネルギーが吸収される衝撃吸収式パワーステアリング装置において、
    その第2コラムは、そのトルクセンサのセンサハウジングに、衝撃作用時に軸方向相対移動するように嵌め合わされ、
    その第2コラムがセンサハウジングに対して互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動することで衝撃エネルギーが吸収され、
    その第2コラムをセンサハウジングに対して互いとの間の摩擦に抗して軸方向相対移動させるのに要する荷重が、その相対移動量の増加に伴って増加するように、その第2コラムとセンサハウジングとの間の径方向から視て互いに重なる摩擦接触部の面積は、その相対移動量の増加に伴って前記摩擦接触部の軸方向寸法が増加することで増加するものとされ、
    その第2コラムをセンサハウジングに対して軸方向相対移動させるのに要する当初荷重は、前記センサハウジングへの前記第2コラムの圧入荷重が前記第1コラムへの前記第2コラムへの圧入荷重よりも小さくされることで、両コラムを軸方向相対移動させるのに要する当初荷重よりも小さくされ、
    その第1コラムは車体に、衝撃作用時に軸方向相対移動することで連結解除されるように連結され、
    そのセンサハウジングは車体に、その第1コラムと車体との連結解除時にコラム軸方向に交叉する方向からの荷重の作用により屈曲可能な接続部材を介して連結され、
    衝撃作用時における前記センサハウジングに対する前記第2コラムの軸方向相対移動が前記第2コラムに対する前記第1コラムの軸方向相対移動に先行されるように、前記第2コラムを前記センサハウジングに対して軸方向相対移動させるのに要する当初荷重が両コラムを軸方向相対移動させるのに要する当初荷重よりも小さくされていることを特徴とする衝撃吸収式パワーステアリング装置。
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