JP3883502B2 - 鋳ぐるみ用鋳鉄部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鋳ぐるみ用鋳鉄部材に関し、特に、アルミニウム合金によって鋳ぐるまれてなる一体結合部材に、耐焼付性、耐スカッフ性、耐摩耗性、及び高剛性が要求される鋳ぐるみ用鋳鉄部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車エンジン等のシリンダは、エンジンの軽量化及び熱伝導性の向上のために、アルミニウム合金でシリンダブロックが形成され、このシリンダブロックに鋳鉄部材であるシリンダライナが鋳ぐるまれる。シリンダライナに鋳鉄が用いられるのは、ピストンリングがシリンダライナに摺動するときに、シリンダライナに高いレベルでの耐焼付性、耐スカッフ性、耐摩耗性、及び剛性が要求されるためである。シリンダブロックの鋳造に際しては、予めシリンダブロックを鋳造する鋳型内に鋳ぐるみ用鋳鉄部材である円筒形状をしたシリンダライナをセットしておく。次に、鋳型内にアルミニウム合金溶湯が充填されてシリンダライナの外周が鋳ぐるまれて、シリンダライナがシリンダブロックに一体化される。
【0003】
特許第3161301号公報には、鋳ぐるみ用鋳鉄部材であるシリンダライナと、シリンダライナを鋳ぐるむアルミニウム合金との間の密着性を高める技術が開示されている。シリンダライナの外周面全面には、シリンダライナの軸方向に沿って延びる多数の溝が形成されている。鋳ぐるみを行うときに、この溝の中にアルミニウム合金の溶湯が入り込み、シリンダライナとアルミニウム合金との密着性が高められる。
【0004】
特許第3253605号公報には、遠心鋳造法により製造された鋳ぐるみ用鋳鉄部材たるシリンダライナと、シリンダライナを鋳ぐるむアルミニウム合金との間の密着性を高める技術が開示されている。遠心鋳造によってシリンダライナを製造するときに、金型内に塗布される塗型剤の管理を行うことによって、シリンダライナの外周面の粗さに関する最大高さRyを65〜260μm、凹凸の平均間隔Smを0.6〜1.5mmとして、アルミニウム合金との密着性を高めると同時にシリンダライナの薄肉化を実現している。
【0005】
【特許文献1】
特許第3161301号公報(第2〜3頁、図1)
【特許文献2】
特許第3253605号公報(第3〜5頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の特許第3161301号公報記載の鋳ぐるみ用鋳鉄部材たるシリンダライナでは、溝の底の位置において、シリンダライナの半径方向の厚さを所定の値で確保しなければならないため、シリンダライナの薄肉化を図ることは困難である。
【0007】
特許第3253605号公報記載の鋳ぐるみ用鋳鉄部材たるシリンダライナでは、薄肉化を図ることができ、且つシリンダライナとアルミニウム合金との密着性を高めることができるのであるが、シリンダライナは遠心鋳造法によって製造されるものであり、他の方法、例えば、砂型鋳造法等により製造することについては詳細に記載されていない。特に、砂型鋳造法では塗型剤を用いないため、同公報に記載されている方法によってシリンダライナの外周表面粗さに関する最大高さRy及び凹凸の平均間隔Smを調整することはできない。
【0008】
また、遠心鋳造法によって製造されるシリンダライナの外周面粗さは、塗型剤が転写される為にいわゆるうねりが少なく、Ry及びSmで表すことに意義がある。しかし、砂型鋳造によって製造されるシリンダライナの外周面粗さは、遠心鋳造材に対してうねりが多い。これは、砂型鋳造では、平均粒径が大きく且つ粒度分布の大きい鋳物砂によって砂型が構成されているためであり、このため、シリンダライナの外周表面に、凸部の著しい箇所や凹部の著しい箇所が生じやすいからである。従って、仮に、砂型鋳造でシリンダライナ外周面の粗さに関するRy及びSmの値を、同公報に記載されているような値の範囲内とすることができたとしても、同公報に記載されているような密着性を得ることはできない可能性が極めて高い。
【0009】
そこで本発明は、砂型鋳造によって製造され、周囲を鋳ぐるむアルミニウム合金との密着性が高く、熱伝導性の高い、薄肉の鋳ぐるみ用鋳鉄部材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、鋳鉄材料で構成され、アルミニウム合金で鋳ぐるまれて一体結合部材をなす鋳ぐるみ用鋳鉄部材において、該アルミニウム合金と接触する接触面における算術平均粗さRaが35μm以上110μm以下であり、該アルミニウム合金と接触する接触面における展開長さ比lrが103%以上115%以下であり、該一体結合部材の熱伝導率が0.08cal/cm・sec・deg以上0.105cal/cm・sec・deg以下である鋳ぐるみ用鋳鉄部材を提供している。
【0011】
ここで、上記鋳ぐるみ用鋳鉄部材は、略円筒形状をなし、外周面が該アルミニウム合金で鋳ぐるまれ、ピストンが内周面を摺動するシリンダライナ用のアルミニウム合金被鋳ぐるみ部材であることが好ましい。
【0012】
また、上記鋳ぐるみ用鋳鉄部材は、砂型鋳造法によって鋳造されることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態による鋳ぐるみ用鋳鉄部材について図1に基づき説明する。本実施の形態による鋳ぐるみ用鋳鉄部材はシリンダライナ1(図1)に適用される。シリンダライナ1の外形は略円筒形状をなし、シリンダブロックを構成するアルミニウム合金2(図1)の溶湯によって外周面が鋳ぐるまれることにより、エンジンのシリンダブロックのシリンダ内壁に鋳鉄製のシリンダライナ1が固着された状態となる。シリンダライナ1の内周面は、図示せぬピストンリングを介して図示せぬピストンと摺動可能である。
【0014】
シリンダライナ1は鋳鉄製であり、組成は、TCが2.8〜3.7質量%、Siが1.5〜2.5質量%、Mnが0.5〜1.0質量%、Pが0.1〜0.5質量%、Sが0.15質量%以下、残部がFe及び不可避不純物の鋳物をベースとし、Cu:0.6質量%以下、Cr:0.3質量%以下、Mo:0.1〜0.8質量%、B:0.02〜0.11質量%を、シリンダライナとなる材料に要求される性質に応じて適宜選択し添加する。
【0015】
例えば、耐摩耗性が要求される場合には、TCを3.0〜3.6質量%、Siを1.6〜2.3質量%、Mnを0.5〜1.0質量%、Pを0.1〜0.3質量%、Sを0.15質量%以下、Cuを0.3質量%以下、Crを0.3質量%以下、残部をFe及び不可避不純物とするといった具合である。
【0016】
また、高強度且つ耐摩耗性が要求される場合には、TCを2.8〜3.5質量%、Siを1.5〜2.5質量%、Mnを0.5〜1.0質量%、Pを0.1〜0.3質量%、Sを0.15質量%以下、Cuを0.3質量%以下、Moを0.1〜0.5質量%、Bを0.07〜0.11質量%、残部をFe及び不可避不純物とするといった具合である。
【0017】
シリンダライナ1を鋳ぐるむアルミニウム合金2とシリンダライナ1との接触面であるシリンダライナ1の外周面は、所定の粗さを有している。粗さは、算術平均粗さRa及び展開長さ比lrによって表される。算術平均粗さRaは30μm以上120μm以下であり、展開長さ比lrは102%以上120%以下である。
【0018】
算術平均粗さRaは、JIS B 0601−1994に規定されているパラメータであり、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さlだけ抜き取り、抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を平均した値を意味する。算術平均粗さRaが30μm未満では、シリンダライナ1とアルミニウム合金2との間の接合強度を充分に得ることができず、密着性が不足するため好ましくない。また、算術平均粗さRaが120μmを越えると、シリンダライナ1の外周表面に形成される微小な凹凸へのアルミニウム合金2の充填性が悪くなり、シリンダライナ1とアルミニウム合金2との間に空隙が生じてしまい、熱伝導率が低下するため好ましくない。また、肉厚を薄くする場合に、シリンダライナ1の摺動面たる内周面の材質の均一性やシリンダライナ1の外径精度を保証することができなくなるため好ましくない。そこで上述の値とした。更に、密着強度をより安定させる為に、算術平均粗さRaは35μm以上110μm以下であることがより好ましい。
【0019】
展開長さ比lrは、JIS B 0601−1994以外のパラメータであり、展開長さLoと基準長さlとの比をlrといい、測定曲線の凹凸の度合いを示す。即ち、シリンダライナ1の外周面の凹凸の平均間隔ではなく砂の粒度を加味した値となっており、102%未満では、外周面に設けられた凸部と凸部との間に形成される凹部の幅が小さくなりすぎて、シリンダライナ1の外周表面に形成される微小な凹凸へのアルミニウム合金2の充填性が悪くなるため好ましくない。また、展開長さ比lrが120%を越えると、シリンダライナ1とアルミニウム合金2との密着性は向上するが、熱伝導性が不十分となり、アルミニウム合金2の凝固時における熱間割れが発生しやすくなるため好ましくない。そこで上述の値とした。更に、より安定した密着強度を得るため、展開長さ比lrは103%以上115%以下であることがより好ましい。
【0020】
上述のシリンダライナ1が、シリンダブロックをなすアルミニウム合金2によって鋳ぐるまれてなる一体結合部材の熱伝導率は、0.08cal/cm・sec・deg以上0.105cal/cm・sec・deg以下である。このような熱伝導率の値となるようにするのは、熱伝導率が0.08cal/cm・sec・deg未満では熱伝導率が悪く、シリンダライナ1における熱がアルミブロックに伝わらないため、熱間割れを生ずる可能性が高くなるので、熱間割れの発生を防止するためである。なお、この熱伝導率は、後述する試験方法による測定方法と同様の測定方法によって得られる値である。
【0021】
シリンダライナとシリンダライナを鋳ぐるむアルミニウム合金との密着性を高めるためには、シリンダライナの外周面に積極的に凹凸を形成して、いわゆるアンカー効果を高めることが考えられる。即ち、シリンダライナの外周面の凹凸において、凸部の突出方向の高さを高くし且つ凸部の幅方向の長さを短くすることで、アンカー効果を高めることが考えられる。しかし、単純にこのようにするだけでは、シリンダライナをアルミニウム合金で鋳ぐるむときに、図6に示されるように、凸部101Aと凸部101Aとの間に形成される凹部101aにアルミニウム合金102が充分に入込まず、空隙102aが形成される。空隙102aの部分は熱伝導性が低いため、シリンダライナ101がアルミニウム合金102に鋳ぐるまれてなる一体結合部材全体としても熱伝導性が低下する。
【0022】
しかし、本実施の形態によるシリンダライナ1では、砂型鋳造物の鋳物の鋳肌が生かされて、シリンダライナ1の外周面が、算術平均粗さRa及び展開長さ比lrによって決定される前述の粗さを有することにより、シリンダライナ1の外周表面は適度にうねりを持った凹凸が形成された形状となっている。このため、図1に示されるように、凸部1Aと凸部1Aとの間に形成される凹部1aにアルミニウム合金2が充分に入込むことができ、空隙がほとんど形成されない。このことにより、良好な熱伝導性を得ることができると同時に、アンカー効果によって、シリンダライナ1とシリンダライナ1を鋳ぐるむアルミニウム合金2との密着性を高めることができる。
【0023】
次に、シリンダライナ1の製造方法について説明する。シリンダライナ1は、シリンダライナ1と同一の組成の溶湯が、シリンダライナ1と同一形状のキャビティの形成された砂型に給湯されることにより鋳造される。ここで、砂型を構成する砂においては、シリンダライナ1の外周表面が前述の粗さを有するようにするために、平均粒径と粒度分布とがそれぞれコントロールされている。算術平均粗さRaを大きくするためには、平均粒径を大きくし、粒度分布を広くすればよい。算術平均粗さRaを小さくするためには、平均粒径を小さくすればよい。また、展開長さ比lrを大きくするためには、平均粒径を大きくし、粒度分布を広くすればよい。展開長さ比lrを小さくするためには、平均粒径を小さくすればよい。従って、前述した算術平均粗さRaの値及び展開長さ比lrを得るためには、以下の様な砂型を構成する砂を用いる。
【0024】
砂としては珪砂とベントナイト、石炭粉と澱粉からなる鋳物砂を用いる。配合比は、珪砂60〜80質量%、ベントナイト2〜20質量%、石炭粉0.7〜5質量%、澱粉0.1〜1.2質量%の範囲である。ベースとなる珪砂は、平均粒径100〜300μmの珪砂である。熱伝導性及び密着性に優れた鋳物砂とするためには、砂の平均粒径を大きくすればよく、望ましいより具体的な平均粒径の値が100〜300μmである。
【0025】
平均粒径が100μm未満では、砂を再使用する際に微粉が増加し、粗さが細かくなり、熱伝導性が悪くなり好ましくない。また、300μmを超えると、粗さが大きくなる為に密着性が劣る。
【0026】
粘着剤としてはベントナイト、石炭粉、澱粉を用いる。添加するベントナイトはワイオミング産ベントナイトを用い、また、石炭粉、植物澱粉(コーン澱粉)を用い、これらの粉末を混合し鋳物砂とする。
【0027】
熱伝導性及び密着性に優れた表面性状を得るためには、表面性状を形成する粒度分布を調整する。ふるい寸法28メッシュ(ふるいの呼び寸法で590μm)の頻度を2%以下、ふるい寸法35メッシュ(ふるいの呼び寸法で420μm)の頻度を9〜16%、ふるい寸法48メッシュ(ふるいの呼び寸法で297μm)の頻度を24〜30%、ふるい寸法65メッシュ(ふるいの呼び寸法で210μm)の頻度を30〜37%、ふるい寸法100メッシュ(ふるいの呼び寸法で149μm)の頻度を11〜16%、ふるい寸法150メッシュ(ふるいの呼び寸法で105μm)の頻度を3〜8%、ふるい寸法200メッシュ(ふるいの呼び寸法で74μm)の頻度を1〜4%、ふるい寸法270メッシュ(ふるいの呼び寸法で53μm)の頻度を0.8〜2%、更に細かいもの(寸法270メッシュ以上(ふるいの呼び寸法で53μm未満))は3.0%以内にする。
【0028】
より望ましくは、28メッシュの頻度を1.3%以下、35メッシュの頻度を10.5〜15.5%、48メッシュの頻度を24〜30%、65メッシュの頻度を31〜36%、100メッシュの頻度を12〜16%、150メッシュの頻度を4〜7%、200メッシュの頻度を1.9〜3.8%、270メッシュの頻度を1〜2%、更に細かいものを2.5%以内とする。
【0029】
平均粒径及び粒度分布の調整には、上述の砂を新粉として追加して行う。細かくなった砂は、増えないように回収する。そして、上述の砂が用いられて砂型造型機により砂型が形成される。砂の充填は、マスター型を設置後均一な型状態にするために加圧充填(1kgf/cm)を行い、更に、スクイズ面圧0.4〜1.5MPaの範囲で砂型を形成する。
【0030】
以上のようにして、本実施の形態における粗さ(Raとlr)を得るために、上記の範囲内で砂の粒度分布を調整し、更に、型造型のスクイズ面圧の条件を上述のようにして、Raを15〜125μm、lrを101〜140%まで調整可能とした。
【0031】
次に、本発明による鋳ぐるみ用鋳鉄部材である本発明材と比較材とを用いて、熱伝導性評価試験、及び密着性評価試験を行い、効果を比較した。各試験に使用した本発明材及び比較材は、表1に示されているとおりのものである。即ち、シリンダライナ1の外周面における算術平均粗さRaが15〜125μmの12種類の値を採り、展開長さ比lrが101〜140%の10種類の値を採るものの組合せであり、計120種類である。このうち本発明材は、表1中において太枠で囲まれた48種類であり、算術平均粗さRaがそれぞれ30、35、45、75、100、110、115、120μmの値を採り、展開長さ比lrがそれぞれ102、103、105、110、115、120%の値を採るものの組合せである。残りの72種類は比較材である。
【0032】
本発明材及び比較材を製造する際に用いられたライナ用材料は、いずれもCを3.3重量%、Siを1.95重量%、Mnを0.75重量%、Pを0.2重量%、Sを0.06重量%、Cuを0.15重量%、Crを0.16重量%含み、残部はFe及び不可避不純物である。この組成による溶湯を、粒度分布及び平均粒度の異なる砂によって構成された砂型に給湯して、本発明材及び比較材中のシリンダライナ1の部分を製造した。本発明材及び比較材を構成するシリンダライナ1の内周はφ89.4mm、シリンダライナ1の外周は97.7mmであり、軸方向の長さは115mmである。
【0033】
そして、製造したシリンダライナ1の外周面のみをアルミニウム合金2で鋳ぐるむことによって、本発明材及び比較材を製造した。鋳ぐるみに用いたアルミニウム合金2はJIS材ADC12であり、330tダイキャストマシンを用いて鋳造圧力62.8MPa、溶湯温度710〜740℃、金型温度220〜220℃で鋳込むことにより鋳ぐるみを行った。本発明材及び比較材は、シリンダライナ1の外周面のみが鋳ぐるまれてなるため、形状は、いずれも鋳ぐるまれたシリンダライナ1と同軸的な円筒形状をしている。本発明材及び比較材の寸法は、それぞれ、鋳ぐるまれるシリンダライナ1の外径はφ97.7mm、内径はφ89.4mm、鋳ぐるまれた後の本発明材及び比較材の外径は106mmである。
【0034】
熱伝導性評価試験は、図2に示される試験装置3を用いて行った。試験装置3は、円筒形状した装置本体30を有しており、図2に示される装置本体30の下端には、底面31が設けられており、上端には開口部3aが形成されている。テストピース10は、装置本体30の底面31上に、断熱材をなすセラミック39を介して装置本体30と同軸的に配置される。従って、円筒形状をしたテストピース10は、軸方向が図2の上下に指向する。セラミック39の一部であってテストピース10の端部と接触する位置には、オイルの漏れを防止するためのオーリング39Aが設けられている。
【0035】
そして、装置本体30の内径と同一半径を有する円形の内蓋32が、セットされたテストピース10の軸方向の一端部上に断熱材をなすセラミック40を介して載せられ、更に、装置本体30の外径と同一半径を有する円形の外蓋33によって開口部3aが塞がれ、第1ボルト34によって外蓋33が装置本体30に固定され、第2ボルト35によって内蓋32が外蓋33に対して固定される。セラミック40の一部であってテストピース10の端部と接触する位置には、セラミック39と同様に、オイルの漏れを防止するためのオーリング40Aが設けられている。
【0036】
内蓋32、外蓋33には、それぞれ中央の位置に円形の貫通孔32a、33aが形成されており、この貫通孔32a、33aからテストピース10内にオイルを給油することができるように構成されている。また、中央の位置に形成された貫通孔32a、33aの近傍には、径の小さい貫通孔が2つ形成されており、テストピース10の内周面10Aの温度を計測するための第1熱電対36と、オイルの温度を計測するための第2熱電対37とが貫通している。第2熱電対37は、外蓋33及び内蓋32をテストピース10の軸方向に貫通し、テストピース10内方であってテストピース10から離間した位置において、テストピース10の軸方向の略中央の位置に至るまでテストピース10の軸方向に延出している。第1熱電対36は、外蓋33及び内蓋32をテストピース10の軸方向に貫通し、テストピース10内方であってテストピース10から離間した位置において、テストピース10の軸方向の略中央の位置に至るまでテストピース10の軸方向に延出し、その位置で直角に折曲がり、テストピース10の半径方向外方へ延出してテストピース10の内周面10Aに接触している。第1熱電対36に対向するテストピース10の外周面10Bには、テストピース10の外周面10Bの温度を測定するための第3熱電対38が接触している。第3熱電対38は、装置本体30の側面を貫通してテストピース10の半径方向内方へ延出しており、その先端が外周面10Bに接触している。
【0037】
熱伝導性評価試験では、上述の装置を用いて、先ず、250℃に加熱した熱媒体油を一定速度で注ぎ、本発明材及び比較材内部に給油することでテストピース10の内周温度を上昇させてゆき、図3の温度チャートのグラフに示されるように熱伝導時間を測定する。ここで、熱伝導時間とは、本発明材内周面の温度が上昇し始めてから、本発明材又は比較材の外周面温度が上昇し始めるまでの時間のことである。
【0038】
一方、アルミで鋳ぐるんだ鋳鉄材の熱伝導性を直接導き出すことは、大変困難である。それは、熱伝導率の異なる異材質の組合せである為、試験片の切り出し(厚さ方向の寸法出し)が困難だからである。本試験では、安定な公知材料である鋳鉄材及びスチール材を用いて熱伝導率と熱伝導時間とが密接な相関関係を有することを確認した。即ち、熱伝導時間の測定に用いるテストピース10と熱伝導率において密接な相関関係を有することから、熱伝導率と熱伝導時間との関係を予め求めておき、試験において測定した熱伝導時間から熱伝導率を求めた。
【0039】
熱伝導率については、レーザーフラッシュ法により求め、図4に示されるような、熱伝導率と熱伝導時間との相関関係を示す直線を予め求めておく。この直線は以下のような回帰式により表される。
y=−0.02429x+0.22647
ここで、xは熱伝導時間でyは熱伝導率を示す。この直線を求めるのに用いた鋳鉄材及びスチール材は、熱伝導時間の測定に用いるテストピース10と同一寸法の円筒形状のものである。
【0040】
この式を用いて、表面性状を調整しアルミで鋳ぐるんだ試験片たるテストピース10の熱伝導時間から熱伝導率を導き出し、結果の良否を判断した。なお、この式より、例えば熱伝導時間が6.03秒のときには、熱伝導率は0.08cal/cm・sec・degであり、熱伝導時間が5.00秒のときには、熱伝導率は0.105cal/cm・sec・degである。
【0041】
密着性評価試験では、テストピース10をそれぞれ図5に示されるような縦横20mmの正方形状に切取って得られた断片を、その面に垂直の方向、即ち、シリンダライナ1を構成していた鋳ぐるみ用鋳鉄部材断片とアルミニウム合金2とを引剥がす方向へ引っ張り、どのぐらいの引っ張り加重まで引剥がされずに耐えられるかを調べた。より具体的には、鋳ぐるみ用鋳鉄部材断片11と鋳ぐるみ用鋳鉄部材断片11を鋳ぐるむアルミニウム合金12とに、それぞれ固着部材41、42を熱硬化性樹脂によって接着させた後に、固着部材41、42をそれぞれ図5の上下方向に移動させる力を作用させた。固着部材41、42の、引っ張られる方向に垂直の面で切った断面はテストピース10と同一の縦横20mmの正方形をなしており、図5における固着部材41の下端面は図5におけるテストピースの上側の面に全面で固着され、図5における固着部材42の上端面は図5におけるテストピースの下側の面に全面で固着されている。熱伝導性評価試験及び密着性評価試験の結果は、表1に示されるとおりである。
【表1】
Figure 0003883502
【0042】
表1中の太枠で囲まれた本発明材では、いずれも熱伝導性については0.08〜0.110の範囲内にあり、良好であることが分かる。これに対して、例えば、シリンダライナの外周表面の算術平均粗さRaが125μmと大きくなりすぎると、熱伝導性は0.06〜0.079cal/cm・sec・deg程度の小さな値になってしまうことがあった。また、外周表面の算術平均粗さRaが25μm以下と小さくなりすぎると、やはり熱伝導性は0.079cal/cm・sec・deg以下の小さな値になってしまうことがあった。
【0043】
また、シリンダライナの外周表面の展開長さ比lrが125%と大きくなりすぎると、熱伝導性は0.079cal/cm・sec・deg以下の小さな値になってしまうことがあった。また、外周表面の展開長さ比lrが101%以下と小さくなりすぎると、やはり熱伝導性は0.06〜0.079cal/cm・sec・deg程度の小さな値になってしまうことがあった。
【0044】
また、密着性については、本発明材ではいずれも40kg以上の高い値の引張り荷重に耐えており、良好であることが分かる。これに対して、例えば、シリンダライナの外周表面の算術平均粗さRaが125μmと大きくなりすぎると、耐えられる引張り荷重は10kg以上40kg未満と低くなることがあった。また、外周表面の算術平均粗さRaが25μm以下と小さくなりすぎると、やはり耐えられる引張り荷重は40kg未満と低くなることがあった。
【0045】
また、シリンダライナの外周表面の展開長さ比lrが125%と大きくなりすぎる場合には、いずれも40kg以上の高い値の引張り荷重に耐えているのであるが、外周表面の展開長さ比lrが101%以下と小さくなりすぎると、耐えられる引張り荷重は10kg以上40kg未満と低くなることがあった。
【0046】
以上の実験結果より、密着性と熱伝導性との両方を同時に高いレベルとするためには、シリンダライナ1の外周面の算術平均粗さRaが30μm以上120μm以下の範囲内にあり、且つ、展開長さ比lrが102%以上120%以下の範囲内にあることが必要であることが分かる。
【0047】
本発明による鋳ぐるみ用鋳鉄部材は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば本実施の形態では、鋳ぐるみ用鋳鉄部材がシリンダライナ1として用いられたが、シリンダライナに限られない。例えば、ブレーキドラムのインサートとして用いられてもよい。また、これら曲面を有する部材として用いられるのみならず、平面状のものに応用してもよい。
【0048】
【発明の効果】
請求項1記載の鋳ぐるみ用鋳鉄部材によれば、アルミニウム合金と接触する接触面における算術平均粗さRaが35μm以上110μm以下であり、アルミニウム合金と接触する接触面における展開長さ比lrが103%以上115%以下であるため、一体結合部材の熱伝導率を0.08cal/cm・sec・deg以上0.105cal/cm・sec・deg以下と高い値にすることができる。また、一体結合部材における鋳ぐるみ用鋳鉄部材とアルミニウム合金との密着性を高いレベルに維持することができる。また、鋳ぐるみ用鋳鉄部材上の、アルミニウム合金と接触する接触面に、密着性を向上させるための溝等を形成する必要がないため、鋳ぐるみ用鋳鉄部材を薄くすることができる。
【0049】
また、アルミニウム合金と接触する接触面における算術平均粗さRaが35μm以上110μm以下であり、アルミニウム合金と接触する接触面における展開長さ比lrが103%以上115%以下であるため、一体結合部材の熱伝導率をより高くすることができ、同時に、一体結合部材における鋳ぐるみ用鋳鉄部材とアルミニウム合金との密着性を、より高いレベルに維持することができる。
【0050】
請求項2記載の鋳ぐるみ用鋳鉄部材によれば、シリンダライナ用のアルミニウム合金被鋳ぐるみ部材であるため、シリンダライナがシリンダブロックに固着された状態の一体結合部材の熱伝導率を高くすることができ、且つ、シリンダライナとシリンダブロックとの密着性を高くすることができ、更に、シリンダライナ自体を薄肉化することができる。
【0051】
請求項3記載の鋳ぐるみ用鋳鉄部材によれば、砂型鋳造法によって鋳造されるため、砂型によって鋳造されて形成される鋳ぐるみ用鋳鉄部材表面の鋳肌を生かして、鋳ぐるみ用鋳鉄部材の表面粗さに関する算術平均粗さRa及び展開長さ比lrを所定の値とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による鋳ぐるみ用鋳鉄部材と、鋳ぐるみ用鋳鉄部材を鋳ぐるむアルミニウム合金との接触面を示す要部断面図。
【図2】 本発明の実施の形態による鋳ぐるみ用鋳鉄部材であるシリンダライナの効果試す熱伝導性評価試験を行うための試験装置を示す断面図。
【図3】 本発明の実施の形態による鋳ぐるみ用鋳鉄部材であるシリンダライナの効果試す熱伝導性評価試験の方法を示すグラフ。
【図4】 熱伝導時間と熱伝導率との関係を示すグラフ。
【図5】 本発明の実施の形態による鋳ぐるみ用鋳鉄部材であるシリンダライナの効果試す密着性評価試験を行うための試験装置を示す断面図。
【図6】 従来の鋳ぐるみ用鋳鉄部材と、鋳ぐるみ用鋳鉄部材を鋳ぐるむアルミニウム合金との接触面を示す要部拡大図。
【符号の説明】
1 シリンダライナ
2 アルミニウム合金

Claims (3)

  1. 鋳鉄材料で構成され、アルミニウム合金で鋳ぐるまれて一体結合部材をなす鋳ぐるみ用鋳鉄部材において、
    該アルミニウム合金と接触する接触面における算術平均粗さRaが35μm以上110μm以下であり、
    該アルミニウム合金と接触する接触面における展開長さ比lrが103%以上115%以下であり、
    該一体結合部材の熱伝導率が0.08cal/cm・sec・deg以上0.105cal/cm・sec・deg以下であることを特徴とする鋳ぐるみ用鋳鉄部材。
  2. 略円筒形状をなし、外周面が該アルミニウム合金で鋳ぐるまれ、ピストンが内周面を摺動するシリンダライナ用のアルミニウム合金被鋳ぐるみ部材であることを特徴とする請求項1記載の鋳ぐるみ用鋳鉄部材。
  3. 砂型鋳造法によって鋳造されることを特徴とする請求項1記載の鋳ぐるみ用鋳鉄部材。
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