JP3883236B2 - セサミノールトリグルコシドの分離方法 - Google Patents

セサミノールトリグルコシドの分離方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセサミノールトリグルコシドの分離方法に関する。ゴマ種子中にはセサミノール配糖体としてセサミノールモノグルコシド、セサミノールジグルコシド、セサミノールトリグルコシド等が含まれており、これらのセサミノール配糖体は生体系においてヒドロキシラジカル消去効果、脂質過酸化抑制効果の他、各種の生理活性を有することが知られている。かかるセサミノール配糖体のなかでも特にセサミノールトリグルコシドは、親水性が高いため、食品、医薬品、化粧品等への利用が期待されている。本発明は脱脂ゴマ種子を原料として用い、該脱脂ゴマ種子からセサミノールトリグルコシドを簡便に、高純度且つ高回収率で分離することができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、脱脂ゴマ種子からセサミノール配糖体を分離する方法として、1)脱脂ゴマ種子を80%エタノール水を用いて抽出処理し、その抽出物をビニル芳香族炭化水素系重合体製の高分子系吸着剤を用いて吸着処理した後、その吸着物をメタノール水溶液を用いて脱着溶出処理することによりセサミノールトリグルコシドを分離する方法{フィトケミストリー( Phytochemistry )35巻,3号,773−776頁}、2)脱脂ゴマ種子を極性有機溶媒又は極性有機溶媒と水との混合溶媒を用いて抽出処理し、その抽出物を溶剤分画処理した後、その溶剤分画物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで更に分画することによりセサミノールトリグルコシドを分離する方法(特開昭62−238287)、3)脱脂ゴマ種子を水、水溶性溶媒又はこれらの混合溶媒を用いて50℃以下の温度で抽出処理し、その抽出物をβ−グルコシターゼで酵素処理した後、その酵素処理物をカラムクロマトグラフィーで分画することによりセサミノールモノグルコシド及びセサミノールジグルコシドを分離する方法(特開平6−306093)等が提案されている。しかし、抽出溶媒として低級アルコール等の極性有機溶媒を用いる上記1)及び2)の従来法には、脱脂ゴマ種子からセサミノールトリグルコシド以外にも多種類の成分が抽出されるため、その抽出物からセサミノールトリグルコシドを高純度で分離するのに煩雑な精製操作を要するという欠点があり、また分離操作のなかで食品に使用できないような有機溶媒を用いるという欠点がある。そしてセサミノールモノグルコシド及びセサミノールジグルコシドの分離法である3)の従来法には、脱脂ゴマ種子からセサミノールトリグルコシドを効率よく分離できないという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来法では、簡便に、高純度且つ高収率でセサミノールトリグルコシドを分離できない点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記課題を解決するべく研究した結果、脱脂ゴマ種子を原料として用い、これに特定の抽出処理、特定の吸着処理及び特定の脱着溶出処理をこの順で組合わせて適用する方法が正しく好適であることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、下記の第1工程、第2工程及び第3工程を経ることを特徴とするセサミノールトリグルコシドの分離方法に係る。
第1工程:脱脂ゴマ種子から50℃以上の熱水を用いて熱水可溶性成分を抽出し、該熱水可溶性成分が溶解した抽出液を得る工程
第2工程:第1工程で得た抽出液とビニル芳香族炭化水素系重合体製の高分子系吸着剤とを接触させて該抽出液中の熱水可溶性成分に含まれる吸着性成分を該高分子系吸着剤に吸着させ、該吸着性成分が吸着した高分子系吸着剤を得る工程
第3工程:第2工程で得た高分子系吸着剤から40〜80容量%のエタノール水を用いて該高分子系吸着剤に吸着した吸着性成分に含まれるセサミノールトリグルコシドを脱着溶出させ、該セサミノールトリグルコシドが溶解したエタノール水を得る工程
【0006】
本発明において、第1工程に供する脱脂ゴマ種子としては、1)ゴマ種子から油分を機械的に圧搾搾油した後の脱脂ゴマ種子、2)ゴマ種子をミル等で破砕し、ヘキサン等の有機溶媒で油分を抽出した後の脱脂ゴマ種子等が挙げられるが、いずれの場合もゴマ種子としては未焙煎のゴマ種子を用いるのが好ましい。
【0007】
本発明の第1工程では、脱脂ゴマ種子から熱水を用いて熱水可溶性成分を抽出する。抽出に用いる熱水の温度は50℃以上とするが、60℃以上とするのが好ましい。本発明は脱脂ゴマ種子に対する熱水の使用割合を特に制限するものではなく、通常は脱脂ゴマ種子100重量部当たり熱水を500〜1200重量部とするが、脱脂ゴマ種子100重量部当たり熱水を700〜1000重量部とするのが好ましい。抽出には回分式抽出装置、半向流多段式抽出装置、向流連続式抽出装置等、公知の抽出装置が適用できる。
【0008】
得られる抽出液中にゴマ滓等の夾雑物が含まれてくる場合、このような夾雑物は遠心分離法、加圧濾過法、減圧濾過法等の公知の分離法で除去できる。夾雑物を除去した抽出液は脱脂ゴマ種子に含まれる熱水可溶性成分が溶解したものとなる。
【0009】
本発明の第2工程では、第1工程で得た抽出液とビニル芳香族炭化水素系重合体製の高分子系吸着剤とを接触させて該抽出液に含まれる吸着性成分を該高分子系吸着剤に吸着させる。本発明は吸着に用いるビニル芳香族炭化水素系重合体製の高分子系吸着剤を特に制限するものではなく、これには例えば、1)スチレン−ジビニルベンゼン共重合体製の高分子系吸着剤、2)炭素数4〜18のアルキル基で置換されたアルキルスチレン−スチレン−ジビニルベンゼン3元共重合体製の高分子系吸着剤等が挙げられるが、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体製の高分子系吸着剤が有利に適用できる。スチレン−ジビニルベンゼン共重合体製の高分子系吸着剤を用いる場合、本発明はその粒子形状、粒子径等を特に制限するものではないが、BET表面積が50m2/g以上であり且つ気孔率(ヘリウム気孔率、以下同じ)が0.1ml/g以上であるものが好ましく、BET表面積が80〜1000m2/gであり且つ気孔率が0.3〜1.5ml/gであるものが特に好ましい。本発明は高分子系吸着剤の使用割合を特に制限するものではなく、通常は抽出液の1/5〜1/50倍量とするが、抽出液の1/10〜1/30倍量とするのが好ましい。
【0010】
本発明は抽出液と高分子系吸着剤とを接触させる方法を特に限定するものではなく、これには例えば、1)高分子系吸着剤を充填したカラムに抽出液を通液する方法、2)高分子系吸着剤を抽出液の中に加えて撹拌する方法等が挙げられるが、これらのなかでは2)の方法が好ましい。また抽出液と高分子系吸着剤とを接触させるときの温度は、通常は100℃以下とするが、30〜70℃とするのが好ましい。かくして抽出液と高分子系吸着剤とを接触させることにより、抽出液中の熱水可溶性成分に含まれる吸着性成分を高分子系吸着剤に吸着させる。上記2)の方法で双方を接触させた場合には、吸着性成分が吸着した高分子系吸着剤を、デカンテーション、遠心分離、濾過等の公知の方法で取り出す。
【0011】
本発明の第3工程では、第2工程で得た高分子系吸着剤からエタノール水を用いて該高分子系吸着剤に吸着した吸着性成分に含まれるセサミノールトリグルコシドを脱着溶出させる。脱着溶出に用いるエタノール水は40〜80容量%のエタノール水とするが、45〜75容量%のエタノール水とするのが好ましい。セサミノールトリグルコシドを脱着溶出させるときの温度は、通常は60℃以下とするが、15〜50℃とするのが好ましい。本発明は高分子系吸着剤に対するエタノール水の使用割合を特に制限するものではなく、通常は高分子系吸着剤の1.5〜6倍量のエタノール水を使用するが、高分子系吸着剤の2〜4倍量のエタノール水を使用するのが好ましい。本発明は高分子系吸着剤からセサミノールトリグルコシドを脱着溶出させる方法を特に制限するものではなく、これには例えば、1)吸着性成分が吸着した高分子系吸着剤を充填したカラムにエタノール水を常圧又は加圧下で通液する方法、2)吸着性成分が吸着した高分子系吸着剤をエタノール水中に加えて撹拌する方法等が挙げられる。2)の方法でセサミノールトリグルコシドを脱着溶出させた場合には、脱着溶出後の高分子系吸着剤を、デカンテーション、遠心分離、濾過等の公知の方法で分離する。
【0012】
かくして高分子系吸着剤からセサミノールトリグルコシドを脱着溶出させて、該セサミノールトリグルコシドが溶解したエタノール水を得る。このエタノール水からエタノール及び水を除いた固形分はセサミノールトリグルコシドを20〜30重量%含んでいる。本発明の方法によって得られるセサミノールトリグルコシドが溶解したエタノール水は、そのままでも各種の用途に利用できるが、目的や用途に応じて適宜後処理を施すことにより他の形態にすることもできる。このような他の形態としては、1)エタノール及び水を相応に留去したセサミノールトリグルコシドを高濃度で含有する液状物、2)エタノール及び水をほぼ完全に除去したセサミノールトリグルコシドを更に高濃度で含有する固形物、3)他の可食性固形増量材を加えて乾燥した顆粒状物や粉末状物等が挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態としては次の1)〜5)が好適例として挙げられる。
1)先ず、セサミノールトリグルコシドを0.43重量%含有する脱脂ゴマ種子100重量部に100℃の熱水900重量部を加えて撹拌し、固形分を分離して、抽出液700重量部を得る(第1工程)。次に、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体製の乾燥粒状高分子系吸着剤(BET表面積300m2/g、気孔率0.70ml/g)35重量部を上記の抽出液に加え、60℃で3時間撹拌し、溶液分を分離して、湿潤状態の高分子系吸着剤40重量部を得る(第2工程)。最後に、上記の湿潤状態の高分子系吸着剤を充填したガラス製カラムに60容量%エタノール水100重量部を20℃で通液し、セサミノールトリグルコシドが0.40重量%溶解したエタノール水100重量部を得る(第3工程)。
【0014】
2)先ず、セサミノールトリグルコシドを0.43重量%含有する脱脂ゴマ種子100重量部に85℃の熱水700重量部を加えて撹拌し、固形分を分離して、抽出液500重量部を得る(第1工程)。次に、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体製の乾燥粒状高分子系吸着剤(BET表面積780m2/g、気孔率1.00ml/g)20重量部を上記の抽出液に加え、50℃で3時間撹拌し、溶液分を分離して、湿潤状態の高分子系吸着剤25重量部を得る(第2工程)。最後に、上記の湿潤状態の高分子系吸着剤を充填したガラス製カラムに60容量%エタノール水100重量部を40℃で通液し、セサミノールトリグルコシドが0.39重量%溶解したエタノール水100重量部を得る(第3工程)。
【0015】
3)上記1)の第1工程において100℃の熱水の代わりに60℃の熱水を用い、その他は上記1)と同様にして、セサミノールトリグルコシドが0.38重量%溶解したエタノール水100重量部を得る。
【0016】
4)上記1)と同様の第1工程及び第2工程を経て得た湿潤状態の高分子系吸着剤40重量部を充填したガラス製カラムに45容量%エタノール水溶液100重量部を20℃で通液し、セサミノールトリグルコシドが0.36重量%溶解したエタノール水100重量部を得る。
【0017】
5)上記1)と同様の第1工程及び第2工程を経て得た湿潤状態の高分子系吸着剤40重量部を充填したガラス製カラムに75容量%エタノール水100重量部を20℃で通液し、セサミノールトリグルコシドが0.36重量%溶解したエタノール水100重量部を得る。
【0018】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の構成及び効果を具体的にするが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、部は重量部、また%は重量%を意味する。
【0019】
【実施例】
試験区分1(セサミノールトリグルコシドの分離)
・実施例1
先ず、セサミノールトリグルコシドを0.43%含有する脱脂ゴマ種子100部に100℃の熱水900部を加え、5分間撹拌した後、減圧濾過して、抽出液700部を得た(第1工程)。次に、この抽出液700部にBET表面積が300m2/gであり且つ気孔率が0.70ml/gであるスチレン−ジビニルベンゼン共重合体製の高分子系吸着剤35部(抽出液の1/20倍量)を加え、60℃に保持して3時間撹拌した後、デカンテーションにより湿潤状態の高分子系吸着剤40部を得た(第2工程)。最後に、この湿潤状態の高分子系吸着剤40部をガラス製カラムに充填し、このカラムに60容量%エタノール水100部(高分子系吸着剤の2.9倍量)を20℃で通液して、セサミノールトリグルコシドが0.40%溶解したエタノール水100部を得た(第3工程)。
【0020】
・実施例2〜5、比較例1〜7
実施例1と同じ脱脂ゴマ種子を用いて、表1に示す第1工程〜第3工程の条件で分離操作を行ない、それぞれセサミノールトリグルコシドが溶解したエタノール水を得た。
【0021】
・比較例8
先ず、実施例1と同じ脱脂ゴマ種子100部に60℃の80%エタノール水900部を加え、5分間撹拌した後、減圧濾過して、抽出液700部を得た。この抽出液から溶媒を減圧留去してペースト状物とし、このペースト状物を60℃の熱水700部に分散させて分散液とした(第1工程相当)。次に、この分散液700部にBET表面積が300m2/gであり且つ気孔率が0.70ml/gであるスチレン−ジビニルベンゼン共重合体製の高分子系吸着剤35部(分散液の1/20倍量)を加え、60℃に保持して3時間撹拌した後、デカンテーションにより湿潤状態の高分子系吸着剤40部を得た(第2工程相当)。最後に、この湿潤状態の高分子系吸着剤40部をガラス製カラムに充填し、このカラムに60容量%エタノール水100部(高分子系吸着剤の2.9倍量)を20℃で通液して、セサミノールトリグルコシドが0.38%溶解したエタノール水100部を得た(第3工程相当)。
【0022】
・比較例9〜14
実施例1と同じ脱脂ゴマ種子を用いて、表1に示す第1工程相当の条件で抽出操作を行ない、その他は比較例8と同様にして、それぞれセサミノールトリグルコシドが溶解したエタノール水を得た。実施例1〜5及び比較例1〜14について各例の分離操作条件を表1にまとめて示した。
【0023】
・比較例15
実施例1と同じ脱脂ゴマ種子100部に80容量%エタノール水1000部を加え、25℃で24時間撹拌した後、減圧濾過により溶液分を分離し、この溶液分から溶媒を減圧留去して抽出物8.4部を得た。この抽出物8.4部に水10部を加えて充分に分散させ、その分散物について、実施例1と同じ高分子系吸着剤100部を充填したガラス製カラムを用いてカラムクロマト操作を行なった。カラムクロマト操作は、水からエタノールまでエタノール濃度を20容量%間隔で増やし、各エタノール濃度の溶出液が300ml得られるようにグラジエント法で行なった。セサミノールトリグルコシドが高濃度で溶出されるエタノール濃度40容量%の分画物とエタノール濃度60容量%の分画物とを回収した。回収した分画物の溶出液を減圧留去し、更に凍結乾燥して、セサミノールトリグルコシドの純度が14%の粉末状物1.59部を得た(セサミノールトリグルコシドの純度は後記の方法で求めた値であり、これは以下同じ)。セサミノールトリグルコシドの回収率は52%であった。
【0024】
・比較例16
実施例1と同じ脱脂ゴマ種子100部に85容量%エタノール水1500部を加え、50℃で3時間撹拌した後、減圧濾過により溶液分を分離し、この溶液分から溶媒を減圧留去して抽出物4.5部を得た。この抽出物4.5部についてクロロホルム45部及び水45部を用いた液液分配を2度行ない、クロロホルム可溶分を得た。このクロロホルム可溶分からクロロホルムを留去して、固形物1.1部を得た。この固形物1.1部にアセトン20部を加え、充分に分散させた後、アセトンを濾別して、アセトン不溶分0.53部を得た。このアセトン不溶分0.53部について常法により調製したシリカゲル(和光純薬社製のワコーゲル−100)10部を充填したガラス製カラムを用い、前処理としてクロロホルム/アセトン=4/1(容量比)の混合溶液12部を通液した後、アセトン/メタノール=9/2(容量比)の混合溶液12部を20℃で通液して溶出液を得た。
この溶出液から溶液分を減圧留去し、更に凍結乾燥して、セサミノールトリグルコシドの純度が49%の粉末状物0.041部を得た。セサミノールトリグルコシドの回収率は4.7%であった。
【0025】
試験区分2(分離したセサミノールトリグルコシドの分析)
実施例1〜5及び比較例1〜14の各例で得たセサミノールトリグルコシドが溶解したエタノール水について、下記に示す方法によりエタノール水中に含まれるセサミノールトリグルコシド及び固形分濃度を分析した。またこれらの結果からセサミノールトリグルコシドの回収率及び固形分中に含まれるセサミノールトリグルコシドの純度を下記の式1及び式2により算出した。結果を表2にまとめて示した。
【0026】
・エタノール水中に含まれるセサミノールトリグルコシドの分析
各例で得たセサミノールトリグルコシドが溶解したエタノール水をミリポアフィルターで濾過し、その濾液を下記の条件で高速液体クロマトグラフィに供して、エタノール水中に含まれるセサミノールトリグルコシドを分析した。
・・高速液体クロマトグラフィの条件
固定相:野村化学社製のデベロシルODS−10
カラム径:6mm,カラム長:250mm
展開溶剤流量:1ml/分
検出器:UV(290nm)
【0027】
・エタノール水中に含まれる固形分濃度の分析
各例で得たセサミノールトリグルコシドが溶解したエタノール水の重量(S1)を秤量した。次いでこのエタノール水から減圧下にエタノール及び水を留去した後、凍結乾燥機(東京理化器機社製のFDU−540)を用いて凍結乾燥した固形分の重量を秤量した。これらの重量からエタノール水中に含まれる固形分濃度を算出した。
【0028】
・セサミノールトリグルコシドの回収率(Y)
【式1】
Y(%)={(S1×C1)/(100×0.43)}×100
・固形分中に含まれるセサミノールトリグルコシドの純度(P)
【式2】
P(%)=(C1/C2)×100
{式1及び式2において、
Y:セサミノールトリグルコシドの回収率(%)
P:固形分中に含まれるセサミノールトリグルコシドの純度(%)
1:セサミノールトリグルコシドが溶解したエタノール水の重量(部)
1:エタノール水中に含まれるセサミノールトリグルコシドの濃度(%)
2:エタノール水中に含まれる固形分濃度(%)}
【0029】
【表1】
Figure 0003883236
【0030】
【表2】
Figure 0003883236
【0031】
表1及び表2において、
第1工程の使用量:脱脂ゴマ種子100部に対する部
1:セサミノールトリグルコシドを溶解したエタノール水の重量(部)
1:エタノール水中に含まれるセサミノールトリグルコシドの濃度(%)
2:エタノール水中に含まれる固形分濃度(%)
Y:セサミノールトリグルコシドの回収率(%)
P:固形分中に含まれるセサミノールトリグルコシドの純度(%)
A−1:BET表面積が300m2/gであり且つ気孔率が0.70ml/gであるスチレン−ジビニルベンゼン共重合体製の高分子系吸着剤
A−2:BET表面積が780m2/gであり且つ気孔率が1.00ml/gであるスチレン−ジビニルベンゼン共重合体製の高分子系吸着剤
a−1:BET表面積が500m2/gであり且つ気孔率が0.75ml/gであるシリカゲル
a−2:BET表面積が330m2/gであり且つ気孔率が0.76ml/gである活性アルミナ
a−3:BET表面積が350m2/gであり且つ気孔率が1.00ml/gであるシリカにオクタデシル基を化学修飾した吸着剤
a−4:BET表面積が450m2/gであり且つ気孔率が1.08ml/gであるアクリル酸エステル共重合体製の高分子系吸着剤
S−1:エタノール
S−2:80%エタノール水
S−3:50%エタノール水
S−4:n−ブタノール
S−5:テトラヒドロフラン
S−6:酢酸エチル
S−7:クロロホルム
*1:分散液の量
【0032】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、脱脂ゴマ種子から簡便に、高純度且つ高収率でセサミノールトリグルコシドを分離することができるという効果がある。

Claims (4)

  1. 下記の第1工程、第2工程及び第3工程を経ることを特徴とするセサミノールトリグルコシドの分離方法。
    第1工程:脱脂ゴマ種子から50℃以上の熱水を用いて熱水可溶性成分を抽出し、該熱水可溶性成分が溶解した抽出液を得る工程
    第2工程:第1工程で得た抽出液とビニル芳香族炭化水素系重合体製の高分子系吸着剤とを接触させて該抽出液中の熱水可溶性成分に含まれる吸着性成分を該高分子系吸着剤に吸着させ、該吸着性成分が吸着した高分子系吸着剤を得る工程第3工程:第2工程で得た高分子系吸着剤から40〜80容量%のエタノール水を用いて該高分子系吸着剤に吸着した吸着性成分に含まれるセサミノールトリグルコシドを脱着溶出させ、該セサミノールトリグルコシドが溶解したエタノール水を得る工程
  2. 第1工程において、60〜100℃の熱水を用いる請求項1記載のセサミノールトリグルコシドの分離方法。
  3. 第2工程において、BET表面積が80〜1000m2/gであり且つ気孔率が0.3〜1.5ml/gであるスチレン−ジビニルベンゼン共重合体製の高分子系吸着剤を用いる請求項1又は2記載のセサミノールトリグルコシドの分離方法。
  4. 第3工程において、45〜75容量%のエタノール水を用いる請求項1、2又は3記載のセサミノールトリグルコシドの分離方法。
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