JP4694099B2 - 生体内酸化に係わる抗酸化剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,大麦を原料とする焼酎製造において副生する大麦焼酎蒸留残液(以下、これを単に“大麦焼酎蒸留残液”と云う。)を固液分離して液体分を得、該液体分をイオン交換樹脂を使用するイオン交換処理に付してイオン交換樹脂非吸着画分を得、該イオン交換樹脂非吸着画分を限外濾過膜を使用する限外濾過処理に付して濃縮液を得、該濃縮液に有機溶媒を添加することにより分取した有機溶媒不溶性画分(A)と、大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得、該液体分を合成吸着剤を用いる吸着処理に付して合成吸着剤吸着画分を得、該合成吸着剤吸着画分をアルカリ又はエタノールを用いて溶出することにより得られる脱着画分(B)を所定の割合で混合することにより得られる混合物(A+B)からなり、生体内酸化に係わるインビトロ(in vitro)での試験で優れた抗酸化作用を呈する組成物を提供する。尚、以下の記載において“抗酸化作用”と云う場合、該抗酸化作用は、生体内酸化に係わるインビトロ(in vitro)での試験での抗酸化作用を意味する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生体内に不必要の活性酸素が存在すると、老化や成人病、難病の発症や発ガンといった生体への悪影響を及ぼすことが指摘されている。こうしたことからそうした活性酸素を消去する作用を有する所謂抗酸化物質が注目され、有効な抗酸化物質を見出すべく探索が広く行われている。そして或る種の抗酸化物質が動脈硬化症、高血圧症、それらより発症する脳梗塞、心疾患、及びそれらの後遺症やストレス性潰瘍などの虚血障害、癌、糖尿病などの生活習慣病に対する治療薬として、一部で試用されている。これとは別に、生体内に活性酸素が存在すると、シミ、ソバカス、ニキビ、皮膚潰瘍などの成因になる他、食品を劣化させ嗜好的品質や栄養の低下を惹起することが知られており、こうした問題に対して抗酸化物質が有効であるとされている。現在知られているそうした抗酸化物質の代表的なものとして、天然抗酸化剤であるα−トコフェロール(ビタミンE)及びアスコルビン酸(ビタミンC)、化学合成された抗酸化剤であるBHT(3,5-tert−ブチル-4-ヒドロキシトルエン)などが挙げられる。しかし、これらの抗酸化物質については、上述した問題に対して或る程度有効であることが知られているが、先述の生活習慣病などの疾患に対して有効である旨の報告はない。こうしたことから、特に先述の生活習慣病などの疾患に対して有効である抗酸化物質の早期提供が強く求められている。
【0003】
特開平5-310590号公報には、穀類を原料とするアルコール発酵飲料製造残渣を水または有機溶媒で抽出した抽出物、或いはアルコール発酵した穀類の蒸留残液をそのままか或いはこれを含有する組成物からなる活性酸素消去剤が記載されている(以下、当該公報を特許文献1と呼称することとし、後述の【0009】に別途記載することとする)。そして特許文献1には、前記製造残渣としては、主として酒粕、ビール粕及び焼酎粕を使用することができ、これらを含有する組成物、即ち活性酸素消去剤は、具体的には、スーパーオキサイド消去効果を有する旨記載されている。
【0004】
特開2001-49253号公報には、焼酎蒸留廃液を主体とする酸化防止剤を酸化防止対象と接触させる酸化防止方法及び防錆剤が記載されている(以下、当該文献を特許文献2と呼称することとし、後述の【0009】に別途記載することとする)。そして特許文献2には、焼酎蒸留廃液は、素性が明確な食品副産物であるので、自然食品等への添加による酸化防止剤的な使用態様が考えられる旨記載されている。
【0005】
特公昭61-40277号公報には、酒粕、みりん粕、納豆またはパン酵母を希鉱酸若しくは希水酸化アルカリ溶液中で温度100乃至110℃で、時間30乃至60分間加熱して部分的に加水分解した後、pH7.0乃至8.0に保ち、温度100乃至110℃、1乃至10時間反応して得られる抗酸化剤が記載されている(以下、当該文献を特許文献3と呼称することとし、後述の【0009】に別途記載することとする)。
【0006】
Biotherapy vol.14, No.5 493-495(2000)には、米糠に由来する変性アラビノキシランを主な成分とする植物性多糖加工品であるバイオブラン(NGN-3)の生体に対する機能として、活性酸素消去能の観点から検討したところ、活性酸素の消去能が高いことが判明し、特にFenton反応に対するヒドロキシラジカル消去能に優れていることが記載されている(以下、当該公報を非特許文献1と呼称することとし、後述の【0009】に別途記載することとする)。
【0007】
特開2001-145472号公報には、大麦を原料とする焼酎製造において副生する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得、該液体分にアルカリを添加してアルカリ可溶性画分を分取し、該アルカリ可溶性画分を酸で中和して中性可溶性画分を得、該中性可溶性画分にエタノールを添加することにより脂肪肝抑制作用を有する組成物を得ることが記載されている(以下、当該公報を特許文献4と呼称することとし、後述の【0009】に別途記載することとする)。また、特開2001-145498号公報には、Aspergillus属に属する糸状菌を大麦フスマを含まない精麦大麦又は/及び精麦大麦の粉砕物に培養して大麦麹を得、該大麦麹にアルカリを添加してアルカリ可溶性画分を分取し、該アルカリ可溶性画分を酸で中和して中性可溶性画分を得、該中性可溶性画分にエタノールを添加することにより脂肪肝抑制作用を有する組成物を得ることが記載されている(以下、当該公報を特許文献5と呼称することとし、後述の【0009】に別途記載することとする)。
なお、特許文献4及び特許文献5に記載されているそれぞれの組成物は、分子量3000以下を主たる成分として含有し、それぞれの該組成物が含有するヘミセルロースの主たる構成要素はキシロースであることが記載されている。
【0008】
特開平10-140153号公報には、大麦を搗精した際に発生する歩留り70乃至90%の区分の糠からの親水性溶剤抽出物を含有させてなる大麦由来の天然系抗酸化剤が記載されている(以下、当該文献を特許文献6と呼称することとし、後述の【0009】に別途記載することとする)。
【0009】
【特許文献1】
特開平5-310590号公報
【特許文献2】
特開2001-49253号公報
【特許文献3】
特公昭61-40277号公報
【特許文献4】
特開2001-145472号公報
【特許文献5】
特開2001-145498号公報
【特許文献6】
特開平10-140153号公報
【非特許文献1】
Biotherapy vol.14, No.5, 493-495(2000)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術に係る文献の中、特に、焼酎蒸留廃液に係る従来技術が記載された特許文献1には、焼酎粕、即ち焼酎蒸留廃液からなる活性酸素消去剤が記載されており、特許文献2には、焼酎蒸留廃液を主体とする酸化防止剤が記載されている。しかしながら、特許文献2に記載された前記酸化防止剤は、単なる焼酎蒸留廃液そのものにすぎないものである。また、特許文献1に記載された活性酸素消去剤は、穀類を原料とするアルコール発酵飲料製造残渣を水または有機溶媒で抽出した抽出物、或いはアルコール発酵した穀類の蒸留残液そのものからなるものであるが、特許文献1には該抽出液中の有効成分が何であるか解明されていないことが記載されている。このように、従来技術においては、焼酎蒸留廃液に含まれている抗酸化作用に関与する有効成分が何であるか全く不明であることから、或る種の特定の有効成分を分画精製することによってより強力な抗酸化活性を有する組成物を焼酎蒸留廃液から分取することなど念頭になく、事実そうしたことは行われていない。従って、これらの特許文献に記載の前記活性酸素消去剤及び前記酸化防止剤が有する抗酸化活性は十分に満足のゆくものではなく、その用途は極めて限られたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した従来技術に鑑みて、本発明者らは、大麦焼酎を製造する際に副生される大麦焼酎蒸留残液を使用して、該大麦焼酎蒸留残液から、卓越した抗酸化活性を有する物質を分取することを目指して、実験を介して検討を行った。その結果、次の事実が判明した。即ち、(i)大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得、該液体分を強酸性イオン交換樹脂を使用するイオン交換処理に付して強酸性イオン交換樹脂非吸着画分を得、該イオン交換樹脂非吸着画分を限外濾過膜を使用する限外濾過処理に付して濃縮液を得、該濃縮液にエタノールからなる有機溶媒を添加することにより分取した、ウロン酸を実質的に含有せずに、キシロース、アラビノース及びグルコースからなり、キシロース/アラビノース比が1.0乃至2.0である多糖類を含有し、且つ分子量分布が100000以上が5%、30000乃至100000が18%、10000乃至30000が23%、3,000乃至10000が31%、1,000乃至3,000が11%、500乃至1,000が3%、500以下が9%である有機溶媒不溶性画分(A)は、顕著な抗酸化作用を有する。(ii)前記(i)と同様に大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得、該液体分を芳香族系合成吸着剤を用いる吸着処理に付して芳香族系合成吸着剤吸着画分を得、該合成吸着剤吸着画分をアルカリを用いて溶出することにより分取した、粗タンパク40乃至60重量%、ポリフェノール7乃至12重量%、多糖類5乃至10重量%(糖組成:グルコース0乃至2重量%、キシロース3乃至5重量%、及びアラビノース2乃至5重量%)、有機酸4乃至10重量%
(リンゴ酸1乃至3重量%、クエン酸2乃至4重量%、コハク酸0乃至1重量%、乳酸0乃至6重量%、及び酢酸0乃至1重量%)、及び遊離糖類0乃至2重量%(マルトース0乃至1重量%、キシロース0乃至1重量%、アラビノース0乃至1重量%、及びグルコース0乃至1重量%)の成分組成(乾燥重量に基づく)を有する脱着画分(B)は、顕著な抗酸化作用を有する。そして、(iii)前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)を3:1〜1:3の重量割合で混合した混合物(A+B)からなる組成物は、前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)のいずれよりも明らかに優れた抗酸化作用を有する。本発明は当該判明した事実に基づくものであり、前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)を3:1〜1:3の重量割合で混合した混合物(A+B)からなり、生体内酸化に係わる抗酸化剤を提供する。
【0012】
大麦焼酎蒸留残液から上述した方法により分画した前記有機溶媒不溶性画分(A) が顕著な抗酸化作用を有すること及び大麦焼酎蒸留残液から上述した方法により分画した前記脱着画分(B)が顕著な抗酸化作用を有すること、そして前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)を所定の割合で混合した混合物(A+B)からなる組成物が前記有機溶媒不溶性画分(A)及び前記脱着画分(B)のいずれよりも明らかに優れた抗酸化作用を有することは従来技術からは容易に予測できない新規なことである。
【0013】
以下に本発明を完成するにあたり、本発明者らが行った実験について詳述する。本発明はこれらの実験において得られた知見に基づいて完成したものである。
【0014】
以下に、前記有機溶媒不溶性画分(A)を得るについて本発明者らが行った実験について詳述する。
【0015】
本発明者らは、上述したように、非特許文献1に、米糠に由来する変性アラビノキシランを主な成分とする植物性多糖加工品であるバイオブラン(MGN-3)が活性酸素消去能を有することが記載されていることに鑑みて、大麦焼酎蒸留残液に含まれる大麦由来の多糖類を主たる成分として含有する組成物が該大麦焼酎蒸留残液が呈する抗酸化作用に関与しているか否かを明らかにするために鋭意検討を行った。即ち、前記有機溶媒不溶性画分に含まれる多糖類以外の成分、即ち、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、有機酸、或いは大麦由来のポリフェノール等を除去することを目的として、大麦焼酎蒸留残液を固液分離することにより得た液体分を種々のイオン交換樹脂を用いたイオン交換処理に付すことによって異なる種類のイオン交換樹脂非吸着画分を得、得られたそれぞれのイオン交換樹脂非吸着画分に含まれる多糖類を分取するために、それぞれの該イオン交換樹脂非吸着画分に別々に有機溶媒を添加することにより分取した多糖類を含有するそれぞれの有機溶媒不溶性画分が、どのような抗酸化作用を有するかを明らかにするために以下の実験を行った。
【0016】
以下の実験1乃至実験7に供する目的で大麦焼酎の製造を行った。原料としては、大麦(70%精白)を用いた。
【麹の製造】
大麦を40重量%吸水させ、40分間蒸した後、40℃まで放冷し、大麦トンあたり1kgの種麹(白麹菌)を接種し、38℃、RH95%で24時間、32℃、RH92%で20時間保持することにより、大麦麹を製造した。
【蒸麦の製造】
大麦を40重量%吸水させ、40分間蒸した後、40℃まで放冷することにより、蒸麦を製造した。
【0017】
【大麦焼酎及び大麦焼酎蒸留残液の製造】
1次仕込みでは前述の方法で製造した大麦麹(大麦として3トン)に、水3.6キロリットル及び酵母として焼酎酵母の培養菌体1kg(湿重量)を加えて1次もろみを得、得られた1次もろみを5日間の発酵(1段目の発酵)に付した。次いで、2次仕込みでは、上記1段目の発酵を終えた1次もろみに、水11.4キロリットル、前述の方法で製造した蒸麦(大麦として7トン)を加えて11日間の発酵(2段目の発酵)に付した。発酵温度は1次仕込み、2次仕込みとも25℃とした。上記2段目の発酵を終えた2次もろみを常法により単式蒸留に付し、大麦焼酎10キロリットルと大麦焼酎蒸留残液15キロリットルを得た。得られた大麦焼酎蒸留残液を以下の実験1乃至実験7に用いた。
【0018】
【実験1】
前記【0017】において得た大麦焼酎蒸留残液から以下に示す方法により有機溶媒不溶性画分を分画した。即ち、前記大麦焼酎蒸留残液を8000rpm、10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分のBrixを10に調整し、Brix10に調整した液体分1Lに、終濃度が75容量%になるようにエタノールを加え、8000rpm、10minの条件で遠心分離して有機溶媒不溶性画分を分取し、該有機溶媒不溶性画分を凍結乾燥に付すことにより有機溶媒不溶性画分の凍結乾燥物11.8gを得た。
【0019】
【実験2】
前記【0017】において得た大麦焼酎蒸留残液から以下に示す方法により有機溶媒不溶性画分を分画した。即ち、前記大麦焼酎蒸留残液を8000rpm、10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分をBrix10に調整後、Brix10に調整した液体分1Lを、500ml容量のオルガノ(株)製アンバーライトIRC76(弱酸性陽イオン交換樹脂)を充填したカラムに通して、イオン交換樹脂非吸着画分を得、得られたイオン交換樹脂非吸着画分をBrix60に調整後、終濃度75容量%になるようにエタノールを加え、8000rpm、10minの条件で遠心分離して有機溶媒不溶性画分を分取し、該有機溶媒不溶性画分を凍結乾燥に付すことにより有機溶媒不溶性画分の凍結乾燥物7.1gを得た。
【0020】
【実験3】
前記【0017】において得た大麦焼酎蒸留残液から以下に示す方法により有機溶媒不溶性画分を分画した。即ち、前記大麦焼酎蒸留残液を8000rpm、10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分をBrix10に調整後、Brix10に調整した該液体分1Lを、500ml容量のオルガノ(株)製アンバーライトIRA67(弱酸性陰イオン交換樹脂)を充填したカラムに通して、イオン交換樹脂非吸着画分を得、得られたイオン交換樹脂非吸着画分をBrix60に調整後、終濃度75容量%になるようにエタノールを加え、8000rpm、10minの条件で遠心分離して有機溶媒不溶性画分を分取し、該有機溶媒不溶性画分を凍結乾燥に付すことにより有機溶媒不溶性画分の凍結乾燥物8.2gを得た。
【0021】
【実験4】
前記【0017】において得た大麦焼酎蒸留残液から以下に示す方法により有機溶媒不溶性画分を分画した。即ち、前記大麦焼酎蒸留残液を8000rpm、10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分をBrix10に調整後、Brix10に調整した該液体分1Lを、500ml容量のオルガノ(株)製アンバーライトIR120B(強酸性陽イオン交換樹脂)を充填したカラムに通して、イオン交換樹脂非吸着画分を得、得られたイオン交換樹脂非吸着画分をBrix60に調整後、終濃度75容量%になるようにエタノールを加え、8000rpm、10minの条件で遠心分離して有機溶媒不溶性画分を分取し、該有機溶媒不溶性画分を凍結乾燥に付すことにより有機溶媒不溶性画分の凍結乾燥物7.6gを得た。
【0022】
【実験5】
前記【0017】において得た大麦焼酎蒸留残液から以下に示す方法により有機溶媒不溶性画分を分画した。即ち、前記大麦焼酎蒸留残液を8000rpm、10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分をBrix10に調整後、Brix10に調整した液体分1Lを、500ml容量のオルガノ(株)製アンバーライト200CT(強酸性陽イオン交換樹脂)を充填したカラムに通して、イオン交換樹脂非吸着画分を得、得られたイオン交換樹脂非吸着画分をBrix60に調整後、終濃度75容量%になるようにエタノールを加え、8000rpm、10minの条件で遠心分離して有機溶媒不溶性画分を分取し、該有機溶媒不溶性画分を凍結乾燥に付すことにより有機溶媒不溶性画分の凍結乾燥物5.5gを得た。
【0023】
【実験6】
前記【0017】において得た大麦焼酎蒸留残液から以下に示す方法により有機溶媒不溶性画分を分画した。即ち、前記大麦焼酎蒸留残液を8000rpm、10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分をBrix10に調整後、Brix10に調整した液体分1Lを、500ml容量のオルガノ(株)製アンバーライトIRA402BL(最強塩基性陰イオン交換樹脂)を充填したカラムに通して、イオン交換樹脂非吸着画分を得、得られたイオン交換樹脂非吸着画分をBrix60に調整後、終濃度75容量%になるようにエタノールを加え、8000rpm、10minの条件で遠心分離して有機溶媒不溶性画分を分取し、該有機溶媒不溶性画分を凍結乾燥に付すことにより有機溶媒不溶性画分の凍結乾燥物3.2gを得た。
【0024】
【実験7】
前記【0017】において得た大麦焼酎蒸留残液から以下に示す方法により有機溶媒不溶性画分を分画した。即ち、前記大麦焼酎蒸留残液を8000rpm、10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分をBrix10に調整後、Brix10に調整した液体分1Lを、350ml容量のオルガノ(株)製アンバーライトIRC76(弱酸性陽イオン交換樹脂)と150ml容量のオルガノ(株)製アンバーライトIRA67(弱塩基性陰イオン交換樹脂)を混合することにより得た混床イオン交換樹脂を充填したカラムに通して、混床イオン交換樹脂非吸着画分を得、得られた混床イオン交換樹脂非吸着画分をBrix60に調整後、終濃度75容量%になるようにエタノールを加え、8000rpm、10minの条件で遠心分離して有機溶媒不溶性画分を分取し、該有機溶媒不溶性画分を凍結乾燥に付すことにより有機溶媒不溶性画分の凍結乾燥物2.5gを得た。
【0025】
【ヒドロキシラジカル消去活性の測定】
上記実験1乃至実験7で得たそれぞれの有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)について、後述の試験例1において記載したのと同一の方法によりヒドロキシラジカル消去活性を測定した。
【0026】
実験1乃至実験7で得たそれぞれの有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)が示すヒドロキシラジカル消去活性の測定結果から以下の事実が判明した。即ち、前記実験1乃至実験7で得た有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)の全てが程度の差はあるもののヒドロキシラジカル消去活性を有していることが判明した。この中で、前記実験5で得た有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)が示すヒドロキシラジカル消去活性が最も高い値を示した。一方、前記実験1で得た有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)が示す抗酸化活性が最も低い値を示した。
【0027】
【多糖類含量の測定】
(多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量の測定)
次に、上記実験1乃至実験7で得たそれぞれの有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)について、多糖類含量、及び多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量を以下の方法により測定した。
即ち、前記実験1乃至実験7で得たそれぞれの有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)0.05gにイオン交換水1mlを加えて溶解し、これに濃塩酸200μlを加えて、95℃、4時間の条件で加水分解を行い、0.80μmのメンブランフィルターでろ過してろ液を得、該ろ液を高速液体クロマトグラフに注入して、前記実験1乃至実験7で得たそれぞれの有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)に含まれる多糖類の含量、及び多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量を求めた。高速液体クロマトグラフ分析は、Waters製Waters600を用い、検出器に昭和電工株式会社製示差屈折計RI-71を使用し、カラムはBioRad社製Aminex HPX-87H(300mm×7.8mm)を使用した。カラム温度は60℃とし、移動相には5mM硫酸を用い、流量は0.5ml/min、試料注入量は20μlとした。
【0028】
実験1乃至実験7で得たそれぞれの有機溶媒不溶性画分の多糖類含量の測定結果、並びに、該多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量の測定結果から以下の事実が判明した。即ち、前記実験5で得た有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)の多糖類含量、並びに、該多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量が、それぞれ最も高い値を示した。一方、前記実験1で得た有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)の多糖類含量、並びに、該多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量が、それぞれ最も低い値を示した。
更に、前記実験1乃至実験7で得た有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)のそれぞれが示すヒドロキシラジカル消去活性は、該有機溶媒不溶性画分に含まれる多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量に比例して高まっていることが判明した。そして、前記ヒドロキシラジカル消去活性と多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量との間には相関関係があることが推察された。
【0029】
以上の結果から、前記実験1乃至実験7で得たそれぞれの有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)が有するヒドロキシラジカル消去活性は、上述したように、該有機溶媒不溶性画分に含まれるアラビノース及びキシロースを主たる構成要素とする多糖類の含量が多いことと可也の程度の相関関係がある可能性が高いことが明らかになった。尚、この点は、後述の【0056】に述べたことに鑑みて推測したものである。即ち、【0056】に述べたように、大麦焼酎の製造の過程で、原料である大麦の細胞壁の構成分であるアラビノキシランにエステル結合しているフェルラ酸は殆ど、糖化処理で使用する麹菌のエステラーゼによって解離されもろみ中に遊離するところとなる。このようにしてもろみ中に遊離したフェルラ酸は、不揮発性成分であることから蒸留時に焼酎中に直接留出することはないが、該蒸留時に加熱脱炭酸されて揮発性の4-ビニルグアヤコール(4-VG)となり、得られる大麦焼酎中に入り込む。そして大麦焼酎中に移行した4-VGはその貯蔵中に酸化されて芳香を呈するバニリンになる。 従って、大麦焼酎の製造において副生する大麦焼酎蒸留残液中にフェルラ酸が含まれていたとしてもその含量は極微量である。こうしたことから、フェルラ酸が上記多糖類にエステル結合して存在したとしても、該フェルラ酸の量は極めて微量であり、こうした微量のフェルラ酸が上記ヒドロキシラジカル消去活性(即ち、抗酸化作用)に主体的に関与するとは到底考えられない。
【0030】
【分子量分布の測定】
そこで、上記実験1乃至実験7で得たそれぞれの有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)に含まれる、アラビノース及びキシロースを主たる構成要素とする多糖類の分子量を明らかにするために、それぞれの有機溶媒不溶性画分が有する分子量分布を測定した。
即ち、昭和電工株式会社製のShodex standard P-82(分子量1300乃至1660000)、及びマルトトリオース(分子量504)から成る分子量標準品をそれぞれ別々に0.1mol /L硝酸ナトリウム溶液に溶解して0.05W/V%濃度の標準液を得、該標準液を高速液体クロマトグラフに注入して検量線を作成した。次に、前記実験1乃至実験7で得たそれぞれの有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)0.02gを用意し、これに0.1mol/L硝酸ナトリウム溶液10ml を加え、室温で一晩放置した後、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過してろ液を得、該ろ液を高速液体クロマトグラフに注入して、システムインスツルメンツ株式会社製480データステーションGPCプログラムを用いて分子量分布を求めた。高速液体クロマトグラフ分析は、昭和電工株式会社製Shodex GPC SYSTEM-21 を用い、検出器に昭和電工株式会社製示差屈折計RI-71Sを使用し、カラムは東ソー株式会社製TSKgel GMPWXL(φ7.8mm×300mm)を2本連結して使用した。カラム温度は40℃とし、移動相には0.1mol/L硝酸ナトリウム溶液を用い、流量は1.0ml/min、試料注入量は100μlとした。
【0031】
上記方法により実験1乃至実験7で得たそれぞれの有機溶媒不溶性画分についてそれぞれの分子量分布を測定した結果、有機溶媒不溶性画分に含まれる、多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量が高いほど、分子量3000乃至100000からなる画分の割合が高まることが判明した。
【0032】
こうしたことから、本発明者らは、上記有機溶媒不溶性画分が顕著な抗酸化作用を呈する場合、該画分に含まれる比較的多量の多糖類(即ち、アラビノース及びキシロースを主たる構成要素とする多糖類)は、主として3000乃至100000の範囲の分子量分布を有しているのではないかと推測し、限外濾過を用いて、有機溶媒不溶性画分の分画精製を検討した。
【限外濾過による有機溶媒不溶性画分の分画精製】
実験1乃至実験7で得たそれぞれの有機溶媒不溶性画分について、上記方法により分子量分布を測定した結果、実験5で得た有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)が、分子量3000乃至100000からなる画分の割合が最も高く、しかも多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量も最も高いことが判明した。そこで、以下に示す手順により、限外濾過処理を介した有機溶媒不溶性画分の分画精製を行った。
即ち、【0017】で得た大麦焼酎蒸留残液を、8000rpm、10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分をBrix10に調整後、Brix10に調整した液体分1Lを、500ml容量のオルガノ(株)製アンバーライト200CT(強酸性陽イオン交換樹脂)を充填したカラムに通して、イオン交換樹脂非吸着画分を得、得られたイオン交換樹脂非吸着画分をA/G テクノロジー社製の限外濾過膜UFP-30-E-4MA(分画分子量30000)による処理に付して濃縮液を得、得られた濃縮液をBrix20に調整後、終濃度75容量%になるようにエタノールを加え、8000rpm、10minの条件で遠心分離して有機溶媒不溶性画分を分取し、該有機溶媒不溶性画分を凍結乾燥に付すことにより有機溶媒不溶性画分の凍結乾燥物2.5gを得た。
【0033】
得られた有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)について、前記【0027】の方法により、多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量を測定した。その結果、多糖類由来のアラビノース及びキシロースの合計含量は84.1重量%にまで高まっていることが判明した。また、得られた有機溶媒不溶性画分(凍結乾燥物)について、【0030】に記載の方法により分子量分布の測定を行ったところ、該有機溶媒不溶性画分の分子量分布は100000以上が5%、30000乃至100000が18%、10000乃至30000が23%、3,000乃至10000が31%、1,000乃至3,000が11%、500乃至1,000が3%、500以下が9%であることが判明した。そして、得られたクロマトグラムの結果から、該有機溶媒不溶性画分のクロマトグラムは分子量3,000乃至10,000の範囲に最も高い分子量分布のピークを有することが明らかになった。
そこで、後述の実施例に記載したように、特開平6-227977号公報に記載のデオキシリボース法により該有機溶媒不溶性画分のヒドロキシラジカル消去活性を測定した。その結果、該有機溶媒不溶性画分が有するヒドロキシラジカル消去活性は極めて強力なものであることが判明した。
【0034】
以上の実験を介しての検討結果から、大麦焼酎蒸留残液の液体分から得られる有機溶媒不溶性画分が呈する顕著な抗酸化作用は、当該有機溶媒不溶性画分に比較的多量含まれる多糖類(即ち、アラビノース及びキシロースを主たる構成要素とする多糖類)と可也の程度の相関関係を有することが判明した。そして、こうしたアラビノース及びキシロースを主たる構成要素とする多糖類を多量含有する組成物は、大麦を原料とする焼酎製造において副生する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得、該液体分をイオン交換樹脂を使用するイオン交換処理に付してイオン交換樹脂非吸着画分を得、該イオン交換樹脂非吸着画分を限外濾過膜を使用する限外濾過処理に付して濃縮液を得、該濃縮液に有機溶媒を添加することにより有機溶媒不溶性画分(A)として分取できることが判明した。そして、該有機溶媒不溶性画分(A)は、成分分析の結果、多糖類84.1重量%、粗タンパク4.2重量%、有機酸0.3重量%、遊離糖類1.2重量%を含有することから、該有機溶媒不溶性画分(A)は多糖類を主たる成分として含有することが判った。
【0035】
ところで、特許文献1に記載の焼酎粕からなる活性酸素消去剤は、穀類を原料とするアルコール発酵飲料製造残渣を水または有機溶媒で抽出した抽出物、あるいはアルコール発酵した穀類の蒸留残液そのものを意味することから上記抗酸化作用を有する有機溶媒不溶性画分(A)とは全く別異のものである。
【0036】
また、特許文献2に記載の酸化防止剤は、単なる焼酎蒸留廃液そのものを主体とするにすぎないことから上記抗酸化作用を有する有機溶媒不溶性画分(A)とは全く別異のものである。
【0037】
なお、特許文献4及び特許文献5に記載の脂肪肝抑制作用を有する組成物は、前記有機溶媒不溶性画分(A)と同様に大麦焼酎蒸留残液から分取されるものである。しかし先に述べたように特許文献4及び特許文献5に記載の前記組成物の主たる成分は分子量3000以下のものであり、該組成物に含まれるヘミセルロースの主たる構成要素はキシロースである。しかも、特許文献4及び特許文献5には、当該組成物が抗酸化作用を有するか否かについて述べるところは全くない。従って、特許文献4及び特許文献5には、前記有機溶媒不溶性画分(A)について示唆するところすらないことは明白である。
【0038】
尚、非特許文献1には、MGN-3(バイオブラン)がFenton反応に対するヒドロキシラジカル消去能に優れていることが記載されている。そこで、本発明者らは、MGN-3(バイオブラン)が有するヒドロキシラジカル消去能を確認するために、MGN-3(バイオブラン)、即ち、商品名「レンチンプラス1000」(大和薬品株式会社製)を入手し、後述の試験例1において記載したのと同一の方法により該レンチンプラス1000のヒドロキシラジカル消去能を測定した。その結果、後述の実施例に示すように、該レンチンプラス1000のヒドロキシラジカル消去能は、前記有機溶媒不溶性画分(A)よりも明らかに低いことが判明した。このようなことから、前記有機溶媒不溶性画分(A)と非特許文献1に記載のMGN-3(バイオブラン)とは明らかに区別される別異のものであることは明白である。
【0039】
以上のべたことから明らかなように、前記有機溶媒不溶性画分(A)は、特許文献1乃至5及び非特許文献1に記載されたものとは明確に区別される明らかに別異のものであることが判明した。
【0040】
以下に、前記脱着画分(B)を得るについて本発明者らが行った実験について詳述する。
【0041】
本発明者らは、特許文献1に、焼酎粕、即ち焼酎蒸留廃液からなる活性酸素消去剤が記載されていることに鑑み、大麦焼酎蒸留残液が有する抗酸化活性を、具体的にヒドロキシラジカル消去活性として測定した。その結果、該大麦焼酎蒸留残液はヒドロキシラジカル消去活性を有することが確認されたが、そのヒドロキシラジカル消去活性は、十分に満足のいく程度の優れたものではなく、実使用に値しない極めて弱い程度ものであることが判明した。そこで、本発明者らは、特許文献3において、大麦を搗精した際に発生する歩留り70乃至90%の区分の糠からの親水性溶剤抽出物を含有させてなる大麦由来の天然系抗酸化剤を得るに際し、前記親水性溶剤抽出物を合成吸着剤を使用した吸着処理に付すことにより抗酸化物質を得る旨が記載されていることに鑑み、大麦焼酎蒸留残液を合成吸着剤を使用した吸着処理に付すことにより得られる合成吸着剤吸着画分が、優れた抗酸化作用、即ち、具体的にはヒドロキシラジカル消去活性を有するのではないかと考えて以下の実験を行った。
【0042】
【大麦焼酎蒸留残液液体分からの合成吸着剤吸着画分の取得】
以下の実験に供する目的で、前記【0017】において大麦焼酎蒸留残液から得た液体分を次に示す方法に従って合成吸着剤吸着画分と合成吸着剤非吸着画分に分画した。
即ち、大麦焼酎蒸留残液を8000rpm,10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分25Lと脱イオン水10Lをこの順番にオルガノ社製の合成吸着剤アンバーライトXAD-16を充填したカラム(樹脂容量10L)に接触させることにより、該カラムに対して非吸着性を示す非吸着画分からなる溶出液(a)を得た。該非吸着画分からなる溶出液(a)を凍結乾燥に付し、非吸着画分の凍結乾燥物(a')2400gを得、該凍結乾燥物(a')を以下の実験に用いた。さらに該カラムに1(wt/vol)%の 水酸化ナトリウム溶液10Lと脱イオン水10Lをこの順番に接触させることにより該カラムに対して吸着性を示す吸着画分を含有する溶出液(b)20Lを得た。さらに該溶出液(b)20Lをオルガノ社製強酸性陽イオン交換樹脂IR-120Bを充填したカラム(樹脂容量10L)に接触させた後に凍結乾燥に付すことにより、ナトリウムイオンを除去した吸着画分の凍結乾燥物(b')270gを得、該凍結乾燥物(b')を以下の実験に用いた。
【0043】
【ヒドロキシラジカル消去活性の測定】
後述の試験例1において記載したのと同一の方法により、上記吸着画分の凍結乾燥物(b')及び上記非吸着画分の凍結乾燥物(a')のヒドロキシラジカル消去活性を測定した。
【0044】
上記吸着画分の凍結乾燥物(b')及び上記非吸着画分の凍結乾燥物(a')のヒドロキシラジカル消去活性の測定結果から以下の事実が判明した。即ち、前記非吸着画分の凍結乾燥物(a')が有するヒドロキシラジカル消去活性は、単なる大麦焼酎蒸留残液が有するヒドロキシラジカル消去活性よりも明らかに低いことが判明した。一方、上記吸着画分の凍結乾燥物(b')が有するヒドロキシラジカル消去活性は、単なる大麦焼酎蒸留残液が有するヒドロキシラジカル消去活性を卓越した強力なものであることが判明した。
以上の実験結果から、大麦焼酎蒸留残液の液体分に含まれる抗酸化作用、即ち、ヒドロキシラジカル消去活性に寄与する成分は、該大麦焼酎蒸留残液の液体分を合成吸着剤に付すことにより得られる吸着画分(b)(以下、脱着画分(B)という)に分画されて含まれていることが判明した。
【0045】
そこで、抗酸化作用、即ち、ヒドロキシラジカル消去作用を有することが判明した前記脱着画分(B)の成分組成を下記の方法により測定した。
【脱着画分(B)の成分組成の分析】
前記脱着画分(B)の成分組成の分析を行った。即ち、【0017】に記載した「大麦焼酎及び大麦焼酎蒸留残液の製造」の方法を複数回行って、ロットを異にする複数の大麦焼酎蒸留残液を用意した。それぞれの大麦焼酎蒸留残液を、【0042】に記載した「大麦焼酎蒸留残液液体分からの合成吸着剤吸着画分の取得」で採用した方法と同様にして遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分25Lと脱イオン水10Lをこの順番にオルガノ社製の合成吸着剤アンバーライトXAD-16を充填したカラム(樹脂容量10L)に接触させ、該カラムに吸着した合成吸着剤吸着画分を溶出することにより脱着画分(B)からなる分析用試料を得た。この様にして、複数種の分析用試料を作製した。夫々の脱着画分(B)からなる分析用試料のタンパク質、糖組成、ポリフェノール及び有機酸組成を測定した。タンパク質はケルダール法により、糖組成は塩酸加水分解によるHPLC法により、ポリフェノールはFolin-Ciocalteu 法により、有機酸組成はHPLC法によりそれぞれ測定した。前記脱着画分(B)の成分組成(乾燥重量に基づく)の分析結果を表1に示す。表1に示した結果から明らかなように、前記脱着画分(B)は、粗タンパク40乃至60重量%、ポリフェノール7乃至12重量%、多糖類5乃至10重量%(糖組成:グルコース0乃至2重量%、キシロース3乃至5重量%、及びアラビノース2乃至5重量%)、有機酸4乃至10重量% (リンゴ酸1乃至3重量%、クエン酸2乃至4重量%、コハク酸0乃至1重量%、乳酸0乃至6重量%、及び酢酸0乃至1重量%)、及び遊離糖類0乃至2重量%(マルトース0乃至1重量%、キシロース0乃至1重量%、アラビノース0乃至1重量%、及びグルコース0乃至1重量%、)を含有することが明らかとなった。
尚、上記分析用試料の作製の手法を上記合成吸着剤アンバーライトXAD-16以外の合成吸着剤を用いて行い、上記複数種の大麦焼酎蒸留残液の液体分の夫々について脱着画分(B)からなる分析用試料を得、得られた分析用試料について上述したのと同様にして分析を行ったところ、表1に示すのと実質的に同等の結果が得られた。
【0046】
以上のことから、本発明において大麦焼酎蒸留残液の液体分、即ち大麦焼酎蒸留残液を固液分離して得られた液体分を吸着剤処理に付すことにより得られる合成吸着剤吸着画分からなる抗酸化作用、即ち、ヒドロキシラジカル消去作用を有する脱着画分(B)は、粗タンパク含量が高く、さらにポリフェノール、多糖類、有機酸、及び遊離糖類を含有することが判明した。
【0047】
ところで、特許文献1に記載の焼酎粕からなる活性酸素消去剤は、穀類を原料とするアルコール発酵飲料製造残渣を水または有機溶媒で抽出した抽出物、あるいはアルコール発酵した穀類の蒸留残液そのものを意味することから前記脱着画分(B)とは全く別異のものである。
【0048】
また、特許文献2に記載の酸化防止剤は、単なる焼酎蒸留廃液そのものを主体とするにすぎないことから前記脱着画分(B)とは全く別異のものである。
【0049】
更に、特許文献6に記載の大麦由来の天然系抗酸化剤は、大麦を搗精した際に発生する歩留り70乃至90%の区分の糠からエタノールを使用して抽出することにより得たエタノール抽出物の上澄液を芳香族系合成吸着剤に付し、次いでエタノールで溶出する方法により得られる旨記載されている。
一方、前記脱着画分(B)は、歩留り60乃至70%に精白した大麦を原料に使用して大麦焼酎を製造する際に副成する大麦焼酎蒸留残液から得られるものである。即ち、前記脱着画分(B)は、特許文献6に記載の大麦由来の天然系抗酸化剤の製造工程とは全く異なる製造工程を介して得られるものである。そして、特許文献6に記載の大麦由来の天然系抗酸化剤と前記脱着画分(B)は、いずれも大麦に由来する点で軌を一にするものの、上述したことからして明らかなように、前者の天然系抗酸化剤の出発原料は大麦を搗精した際に発生する歩留り70乃至90%の区分の実質的に大麦の表皮部分からなる糠であるのに対し、後者の前記脱着画分(B)の出発原料は歩留り60乃至70%に精白して得られる大麦の表皮部分を殆ど持たない精白大麦と云う明白に異なるものを原料に使用して大麦焼酎を製造する際に副成する大麦焼酎蒸留残液であって、前者の出発原料とは全く異なる。よって、前記脱着画分(B)は、特許文献6に記載の大麦由来の天然系抗酸化剤から明確に区別される別異のものであることは明白である。
【0050】
尚、特許文献6には、当該特許文献に記載の大麦由来の天然系抗酸化剤についての成分組成等は全く記載されていない。そこで、本発明者らは、前記特許文献6に記載の方法に従って、大麦の搗精糠から抗酸化物質を得、これを、ポリフェノール含量及び蛋白質含量の測定による成分分析及びHPLC分析に付した。同様に、前記脱着画分(B)を成分分析及びHPLC分析に付した。そして両者の分析結果を比較した。尚、ポリフェノール含量及び蛋白質含量は、それぞれFolin-Ciocalteu法及びケルダール法にて測定した。また、HPLC分析は、紫外可視検出法(280nm)にて、カラムは昭和電工(株)製C18-5Bを使用し、カラム温度は34℃とし、溶離液には水:酢酸:メタノール=1:2:7(容量比)を使用し、グラジエント条件は、溶離液が60分間で最終20%になるように水に加え、以降30分間この組成を維持した。その際、流量は1.0ml/min、試料溶液注入量は20μlとした。上記成分分析の結果、大麦由来の天然系抗酸化剤のポリフェノール含量及び蛋白質含量は、それぞれ31.2%及び18.3%であったのに対して、前記脱着画分(B)のポリフェノール含量及び蛋白質含量は、それぞれ7.5%及び58.6%であった。また、上記HPLC分析において両者のHPLCピークパターンを比較したところ、両者の間には一致するピークが全くないことが判明した。以上述べた点からしても、前記脱着画分(B)は、特許文献6に記載の大麦由来の天然系抗酸化剤から明白に区別される別異のものであることは明白である。
【0051】
以上述べたことから明らかなように、卓越した抗酸化作用を有する前記脱着画分(B)は、特許文献1に記載の焼酎粕からなる活性酸素消去剤、特許文献2に記載の酸化防止剤、及び特許文献6に記載の大麦由来の天然系抗酸化剤のいずれからも明確に区別される明らかに別異のものであることが判明した。
【0052】
以下に、前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)を所定の割合で混合することにより得られる混合物(A+B)からなる抗酸化作用呈する組成物を得るについて本発明者らが行った実験について詳述する。
【0053】
更に、本発明者らは、前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)がいずれも卓越した抗酸化作用を有することに鑑みて、前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)を混合することにより得られる混合物(A+B)からなる組成物が、前記有機溶媒不溶性画分(A)及び前記脱着画分(B)のそれぞれと同等若しくはそれ以上の抗酸化作用を有するか否かを明らかにするために鋭意検討を行った。即ち、前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)を所定の割合で混合することにより得られる混合物(A+B)が、どのような抗酸化作用を有するかを明らかにするために以下の実験を行った。
【0054】
前記有機溶媒不溶性画分(A)、前記脱着画分(B)並びに前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)をそれぞれ、3:1、2:1,1:1,1:2及び1:3の割合で混合することにより得たそれぞれの混合物(A+B)について、後述の試験例1において記載したのと同一の方法によりヒドロキシラジカル消去活性を測定した。
【0055】
前記有機溶媒不溶性画分(A)、前記脱着画分(B)並びに前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)をそれぞれ、3:1、2:1,1:1,1:2及び1:3の割合で混合することにより得たそれぞれの混合物(A+B)が示すヒドロキシラジカル消去活性の測定結果から以下の事実が判明した。
即ち、前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)を、3:1、2:1,1:1,1:2及び1:3の割合で混合することにより得た混合物(A+B)が示すヒドロキシラジカル消去活性は、前記有機溶媒不溶性画分(A)及び前記脱着画分(B)のそれぞれが単独で呈するヒドロキシラジカル消去活性よりも顕著に強力なものであることが判明した。
本発明は、以上の実験を介して判明した事実に基づいて完成に至ったものである。
【0056】
ところで、イネ科植物である米、トウモロコシ、大麦及び小麦等の穀類種子の細胞壁は、アラビノース及びキシロースを主たる構成要素とするアラビノキシランによって主に構成されており、このアラビノキシランにエステル結合して存在するフェルラ酸(これは、モノフェノールのフェノール性化合物で桂皮酸誘導体の一種である)及びフェルラ酸エステル配糖体が抗酸化性を有することが知られている。
一方、大麦焼酎の製造においては、原料である大麦を麹菌による発酵に付して糖化処理し、次いで酵母によるアルコール発酵に付して焼酎熟成もろみを得、該焼酎熟成もろみ蒸留に付すことにより大麦焼酎が製造され、その際大麦焼酎蒸留残液が副生する。この大麦焼酎の製造の過程で、原料である前記大麦の細胞壁の構成分であるアラビノキシランにエステル結合しているフェルラ酸は殆ど、前記麹菌のエステラーゼによって解離され前記もろみ中に遊離するところとなる。このようにしてもろみ中に遊離したフェルラ酸は、不揮発性成分であることから前記蒸留時に焼酎中に直接留出することはないが、該蒸留時に加熱脱炭酸されて揮発性の4-ビニルグアヤコール(以下、4-VGという)となり、得られる大麦焼酎中に入り込む。そして大麦焼酎中に移行した4-VGはその貯蔵中に酸化されて芳香を呈するバニリンになる。以上のことは、大麦焼酎の製造の技術においては周知のことである。
このように、大麦焼酎の製造においては、原料である大麦に含まれるフェルラ酸の殆どは4-VGとなって大麦焼酎中に移行し、最終的にはバニリンとなることから、大麦焼酎の製造において副生する大麦焼酎蒸留残液中にフェルラ酸が含まれていたとしてもその含量は極微量である。こうしたことから、前記有機溶媒不溶性画分(A)はアラビノース及びキシロースを主たる構成要素とする多糖類を主たる成分として含有するものの、該多糖類にエステル結合して存在するフェルラ酸の量は極めて微量であり、こうした微量のフェルラ酸が前記有機溶媒不溶性画分(A)が有する抗酸化作用に主体的に関与するとは到底考えられない。また、上述した理由から、前記脱着画分(B)に含まれるフェルラ酸の量も極めて微量であり、こうした微量のフェルラ酸が前記脱着画分(B)が有する抗酸化作用に主体的に関与するとは到底考えられない。従って、本発明の前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)を混合することにより得られる混合物(A+B)からなる組成物が呈する優れた抗酸化作用は、フェルラ酸に起因するものではないことは明白である。
【0057】
【実施態様例】
以下に、本発明の好ましい態様について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の抗酸化作用を有する組成物を得るに際して使用する前記有機溶媒不溶性画分(A)は以下のようにして製造される。即ち前記有機溶媒不溶性画分(A)の製造方法は、大麦を使用する蒸留酒の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得る第1の工程、該液体分をイオン交換樹脂を使用するイオン交換処理に付してイオン交換樹脂非吸着画分を得る第2の工程、該イオン交換樹脂非吸着画分を限外濾過膜を使用する限外濾過処理に付して濃縮液を得る第3の工程、及び該濃縮液に有機溶媒を添加することにより有機溶媒不溶性画分からなる有機溶媒不溶性画分(A)を分取する第4の工程からなる。
以下に、前記有機溶媒不溶性画分(A)を製造する際に使用する、大麦を原料とする焼酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液、及び各工程について詳述する。
【0058】
前記有機溶媒不溶性画分(A)の製造において使用する大麦焼酎蒸留残液は、代表的には、大麦又は精白大麦を原料として大麦麹及び蒸麦を製造し、得られた大麦麹及び蒸麦中に含まれるでんぷんを該大麦麹の麹により糖化し、それらを酵母によるアルコール発酵に付して焼酎熟成もろみを得、得られた焼酎熟成もろみを減圧蒸留または常圧蒸留等の単式蒸留装置を用いて蒸留する際に蒸留残渣として副生するもの、即ち、大麦焼酎の蒸留残液を意味する。
【0059】
前記有機溶媒不溶性画分(A)の製造において、大麦焼酎蒸留残液を得るに際して、大麦焼酎の製造に用いる大麦麹は、通常の大麦焼酎製造において行われている製麹条件で製造すればよく、用いる麹菌株としては、一般的に大麦焼酎製造で使用する白麹菌(Aspergillus kawachii)が好ましい。或いは泡盛製造で使用する黒麹菌(Aspergillus awamori)及び清酒製造等で使用する黄麹(Aspergillus oryzae)などのAspergillus属の菌株を用いることもできる。また大麦焼酎の製造に用いる酵母は、一般的に焼酎製造の際に使用する各種の焼酎醸造用酵母を使用することができる。
【0060】
前記有機溶媒不溶性画分(A)の製造において、大麦焼酎の製造における蒸留工程で得られた大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得る第1の工程は、大麦焼酎蒸留残液から原料大麦、あるいは大麦麹由来の水不溶性の発酵残渣等のSS分を除去することを目的として行うものである。この第1の工程における当該固液分離は、スクリュープレス方式やローラープレス方式の固液分離方法によるか、或いはろ過圧搾式の固液分離機を用いて予備分離を行い、次いで遠心分離機、ケイソウ土ろ過装置、セラミックろ過装置、或いはろ過圧搾機等を用いて本発明により実施できる本固液分離処理を行う。
【0061】
第1の工程で得られた大麦焼酎蒸留残液の液体分をイオン交換樹脂を使用するイオン交換処理に付してイオン交換樹脂非吸着画分を得る第2の工程においては、該液体分に含まれる上述した多糖類以外の成分、即ち、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、有機酸、或いは大麦由来のポリフェノール等を、イオン交換樹脂を用いて除去することを目的として行うものである。第2の工程で使用するイオン交換樹脂としては、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、或いは両者を混合した混床イオン交換樹脂を使用することができる。陽イオン交換樹脂の場合、強酸性陽イオン交換樹脂及び弱酸性陽イオン交換樹脂のいずれであっても使用することができ、陰イオン交換樹脂の場合、強塩基性陰イオン交換樹脂及び弱塩基性陰イオン交換樹脂のいずれであっても使用することができる。また混床イオン交換樹脂の場合には、上述した陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を自由に組み合わせて所定の割合で混合して使用することができる。こうしたイオン交換樹脂の好適な具体例としては、オルガノ(株)製のアンバーライト200CT及びアンバーライトIR120B等の強酸性陽イオン交換樹脂、アンバーライトIRC76等の弱酸性陽イオン交換樹脂、アンバーライトIRA402BL等の最強塩基性陰イオン交換樹脂、アンバーライトIRA67等の弱塩基性陰イオン交換樹脂、或いは、前記弱酸性陽イオン交換樹脂と前記弱塩基性陰イオン交換樹脂の両者を所定の割合で混合することにより得られる混床型イオン交換樹脂等を用いることができる。これらのうち、大麦焼酎蒸留残留液に含まれているアミノ酸やペプチド等を除去する観点においては、前記弱酸性陽イオン交換樹脂アンバーライトIRC76と前記弱塩基性陰イオン交換樹脂アンバーライトIRA67の両者を所定の割合で混合することにより得られる混床型イオン交換樹脂、或いは、強酸性陽イオン交換樹脂アンバーライト200CTを使用することが特に好ましい。
【0062】
第2の工程で得られた該イオン交換樹脂非吸着画分を限外濾過膜を使用する限外濾過処理に付して濃縮液を得る第3の工程においては、抗酸化作用に関与する成分である、アラビノース及びキシロースを主たる構成要素とする多糖類を限外濾過膜を用いて濃縮することを目的として行うものである。第3の工程で使用する限外濾過膜としては、いかなる膜材質及び膜モジュール型式のものであっても使用することができ、分画分子量は、好ましくは3000以上、特に好ましくは10000乃至50000のものを使用することができる。
【0063】
第3の工程で得られた濃縮液に有機溶媒を添加することにより有機溶媒不溶性画分からなる有機溶媒不溶性画分(A)を分取する第4の工程においては、適宜の有機溶媒を所定の終濃度になるまで添加する。この場合、有機溶媒はエタノールが至適であるが、これに限定されるものではない。有機溶媒の終濃度は成分の生産効率に影響し、該有機溶媒の最適終濃度は、好ましくは5容量%以上、より好ましくは、30乃至75容量%である。
【0064】
次に、本発明の抗酸化作用を有する組成物を得るに際して使用する前記脱着画分(B)は以下のようにして製造される。即ち前記脱着画分(B)の製造方法は、大麦を使用する大麦焼酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得る第1の工程、該液体分を合成吸着剤を使用する吸着処理に付して合成吸着剤吸着画分を得る第2の工程、及び該合成吸着剤吸着画分をアルカリ又はエタノールを用いて溶出することにより脱着画分を得る第3の工程からなる。
以下に、前記脱着画分(B)を製造する際に使用する、大麦を原料とする焼酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液、及び各工程について詳述する。
【0065】
前記脱着画分(B)の製造において使用する大麦焼酎蒸留残液は、代表的には、歩留まり60乃至70%の精白大麦を原料として大麦麹及び蒸麦を製造し、得られた大麦麹及び蒸麦中に含まれるでんぷんを該大麦麹の麹により糖化し、それらを酵母によるアルコール発酵に付して焼酎熟成もろみを得、得られた焼酎熟成もろみを減圧蒸留または常圧蒸留等の単式蒸留装置を用いて蒸留する際に蒸留残渣として副生するもの、即ち、大麦焼酎の蒸留残液を意味する。
【0066】
前記脱着画分(B)の製造において、大麦焼酎蒸留残液を得るに際して、大麦焼酎の製造に用いる大麦麹は、通常の大麦焼酎製造において行われている製麹条件で製造すればよく、用いる麹菌株としては、一般的に大麦焼酎製造で使用する白麹菌(Aspergillus kawachii)が好ましい。或いは泡盛製造で使用する黒麹菌(Aspergillus awamori)及び清酒製造等で使用する黄麹(Aspergillus oryzae)などのAspergillus属の菌株を用いることもできる。また大麦焼酎の製造に用いる酵母は、一般的に焼酎製造の際に使用する各種の焼酎醸造用酵母を使用することができる。
【0067】
前記脱着画分(B)の製造において、大麦焼酎の製造における蒸留工程で得られた大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得る第1の工程は、大麦焼酎蒸留残液から原料大麦、あるいは大麦麹由来の水不溶性の発酵残渣等のSS分を除去し、清澄液を得ることを目的として行うものである。この第1の工程における当該固液分離は、スクリュープレス方式やローラープレス方式の固液分離方法により行うことができる。この他、ろ過圧搾式の固液分離機を用いて予備分離を行い、次いで遠心分離機、ケイソウ土ろ過装置、セラミックろ過装置、或いはろ過圧搾機等を用いた方法により本固液分離処理を行ってもよい。
【0068】
第1の工程で得られた前記液体分を合成吸着剤を用いる吸着処理に付して合成吸着剤吸着画分を得る第2の工程は、該液体分に含まれる抗酸化作用を有する成分を該合成吸着剤を用いて吸着分取することを目的として行うものである。第2の工程で使用する合成吸着剤としては、芳香族系、芳香族系修飾型、或いはメタクリル系の合成吸着剤を用いることができる。そうした、合成吸着剤の好適な具体例としては、オルガノ社製のアンバーライトXAD-16、三菱化学社製のセパビーズSP850、及び同三菱化学社製のダイヤイオンHP20等を挙げることができる。
【0069】
また、第3の工程においては、第2の工程で得られる合成吸着剤吸着画分をエタノール又はアルカリを用いて溶出することにより、抗酸化作用を有する前記脱着画分(B)を得る。特に、アルカリを用いて溶出を行う場合には、該アルカリの好適な具体例として,水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等を挙げることができる。
こうしたアルカリを用いて合成吸着剤から溶出した前記脱着画分(B)はナトリウムイオンやカリウムイオンなどの陽イオンを含むことから、さらにイオン交換処理に付すことができる。このようなイオン交換処理は、陽イオン交換樹脂等を用いて行うことができる。陽イオン交換樹脂として好適な具体例としては、オルガノ社製の強酸性陽イオン交換樹脂IR120や弱酸性陽イオン交換樹脂IRC50及びIRC76、さらに三菱化学社製の強酸性陽イオン交換樹脂ダイヤイオンSK1B、SK104、PK208や弱酸性陽イオン交換樹脂WK10、WK40等を挙げることができる。また、上記アルカリを用いて合成吸着剤から溶出した前記脱着画分(B)は、塩酸、酢酸、クエン酸などの無機酸又は有機酸等を用いて中和処理に付すこともでき、更に前記中和処理に付した後の前記脱着画分(B)を前記陽イオン交換樹脂を用いて脱塩処理に付すこともできる。
【0070】
そして、本発明の抗酸化作用を有する組成物は、上述した所定の方法により別々に製造された前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)を所定の割合で混合することにより得ることができる。
【0071】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが,本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0072】
【実施例1】
[有機溶媒不溶性画分(A)の取得]
前記【0017】において得た大麦焼酎蒸留残液を8000rpm,10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分をBrix10に調整後、Brix10に調整した液体分1Lを、500ml容量のオルガノ(株)製アンバーライト200CT(強酸性陽イオン交換樹脂)を充填したカラムに通して、イオン交換樹脂非吸着画分を得、得られたイオン交換樹脂非吸着画分をA/G テクノロジー社製の限外濾過膜UFP-30-E-4MA(分画分子量30000)による処理に付して濃縮液を得、得られた濃縮液をBrix20に調整後、終濃度75容量%になるようにエタノールを加え、8000rpm、10minの条件で遠心分離して有機溶媒不溶性画分を分取し、該有機溶媒不溶性画分を凍結乾燥に付すことにより有機溶媒不溶性画分の凍結乾燥物2.5gを得た。該凍結乾燥物を粉砕し灰白色で無味無臭の有機溶媒不溶性画分(A)を得た。
[脱着画分(B)の取得]
次に、前記【0017】において得た大麦焼酎蒸留残液8000rpm,10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分25Lをオルガノ社製の合成吸着剤アンバーライトXAD-16を充填したカラム(樹脂容量10L)に接触させ、当該カラムに吸着する合成吸着剤吸着画分を得、さらに前記合成吸着剤吸着画分を吸着した該カラムに脱イオン水10Lを接触させて得られた溶出液を除去後、該カラムに1(wt/vol)%の 水酸化ナトリウム溶液10Lと脱イオン水10Lをこの順番に接触させることにより合成吸着剤吸着画分からなる溶出液20Lを分取した。該溶出液20Lをオルガノ社製強酸性陽イオン交換樹脂IR-120Bを充填したカラム(樹脂容量10L)に接触させた後に凍結乾燥に付し、得られた凍結乾燥物270gを粉砕したところ、褐色を呈する脱着画分(B)を得た。
[有機溶媒不溶性画分(A)及び脱着画分(B)の混合物(A+B)の取得]
前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)を1:1の重量割合で混合して前記有機溶媒不溶性画分(A)と前記脱着画分(B)の混合物(A+B)からなる組成物を得た。
【0073】
【比較例1】
前記【0017】において得た大麦焼酎蒸留残液を8000rpm,10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液液体分1Lを得、該大麦焼酎蒸留残液液体分を真空凍結乾燥機を用いて凍結乾燥に付し、凍結乾燥物64.2gを得た。該凍結乾燥物を粉砕し褐色の組成物を得た。
【0074】
【比較例2】
前記【0017】において得た大麦焼酎蒸留残液を8000rpm,10minの条件で遠心分離して大麦焼酎蒸留残液液体分1Lを得、該大麦焼酎蒸留残液液体分1Lに終濃度が 75容量% になるようにエタノールを加え、8000rpm,10minの条件で遠心分離して有機溶媒不溶性画分を分取し、該有機溶媒不溶性画分を真空凍結乾燥機を用いて凍結乾燥に付し、凍結乾燥物11.8gを得た。該凍結乾燥物を粉砕し灰白色で無味無臭の組成物を得た。
【0075】
【比較例3】
上記非特許文献1に記載の、MGN-3(バイオブラン)、即ち、商品名「レンチンプラス1000」(大和薬品株式会社製)を入手した。
【0076】
【比較例4】
上記特許文献6に記載の実施例1と同一の方法に従い、大麦の搗精糠(搗精歩留り80乃至90%区分)1kgに75%エタノール10Lを加え、ホモジナイザーで常温下にて撹拌(8000rpm、10min)し、濾過処理に付した。濃褐色の濾液を減圧下で約50℃に加温してエタノールを留去し、エタノール留去後の水溶液中の不溶物を除くため遠心分離(10000rpm、15min)に付して上澄液を得た。得られた上澄液をオルガノ社製の合成吸着剤アンバーライトXAD-16を充填したカラム(樹脂容量1L)に接触させ、水洗により糖類及びアミノ酸等を除去した後、当該カラムに75%エタノールを供して、抗酸化成分を含有する合成吸着剤吸着画分からなる溶出液を得た。得られた該溶出液を減圧下で約50℃に加温し、淡褐色の粉末(抗酸化物質)9.4gを得た。
【0077】
【参考例1】
前記【0072】の【実施例1】における[有機溶媒不溶性画分(A)の取得]に記載した方法に従い、有機溶媒不溶性画分(A)を得た。
【0078】
【参考例2】
前記【0072】の【実施例1】における[脱着画分(B)の取得]に記載した方法に従い、脱着画分(B)を得た。
【0079】
【試験例1】
前記実施例1、比較例1乃至比較例4、参考例1、及び参考例2で得た組成物が抗酸化作用を有するものであるか否かを明らかにするために以下の試験例1において、特開平6-227977号公報に記載のデオキシリボース法によるヒドロキシラジカル消去活性の測定を行った。
即ち、0.1M 燐酸緩衝液(pH7.4)に溶解させたデオキシリボース(1.43mM)690μlと硫酸第一鉄/EDTA混液(各々1mM)10μlからなる混合液に、前記実施例1、比較例1乃至比較例4、参考例1、及び参考例2で得た組成物をジメチルスルフォキシド(DMSO)にそれぞれ別々に溶解して所定の濃度(0.1mg/ml)に調製した溶解液100μlを添加し、0.1M 燐酸緩衝液(pH7.4)に溶解させた過酸化水素(5mM)200μlを加え、28℃で16時間反応させる。反応後、トリクロロ酢酸(2.8%)0.5ml、50mM水酸化ナトリウムに溶解させたチオバルビツール酸(1%)0.5mlを添加し10分間煮沸させ、これを冷却させた後で535nmの吸光度を測定した。対照(溶媒のみ)での吸光度をA、化合物を添加した場合の吸光度をaとしたときの(1−a/A)×100から阻害率(%)を求め、該阻害率をヒドロキシラジカル消去活性とした。なお、前記実施例1、比較例1乃至比較例4、参考例1、及び参考例2で得た組成物のヒドロキシラジカル消去活性の値を、それぞれの組成物を上記測定に付すことにより得た3回の測定値の平均値から求めた。そして、参考例1の有機溶媒不溶性画分が呈するヒドロキシラジカル消去活性の値を1として、前記実施例1、比較例1乃至比較例4、及び参考例2で得た組成物のヒドロキシラジカル消去活性の相対値を求め、該相対値の逆数を計算した。得られた結果を図1にグラフ化して示す。
【0080】
【評価1】
図1に示す結果から以下の事実が判明した。即ち、実施例1で得た組成物は、参考例1及び参考例2の組成物を更に上回る顕著なヒドロキシラジカル消去活性を呈することが判明した。また、実施例1で得た組成物は、比較例1乃至比較例4で得た組成物よりも明らかに卓越した極めて強力なヒドロキシラジカル消去活性を示した。
【0081】
以上の試験例1の結果から明らかなように、大麦焼酎蒸留残液から得られる、前記有機溶媒不溶性画分(A)及び前記脱着画分(B)の混合物(A+B)からなる本発明の抗酸化作用を有する組成物は、極めて強力なヒドロキシラジカル消去活性からなる抗酸化作用を有することが判明した。
【0082】
【発明の効果】
本発明の生体内酸化に係わる抗酸化剤は、公知の抗酸化性組成物を卓越した極めて強力なヒドロキシラジカル消去活性からなる抗酸化作用を有するので、活性酸素によって誘発される老化や動脈硬化等の種々の生活習慣病の予防に極めて好適である。
【0083】
【表1】
Figure 0004694099

【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1の組成物が呈するヒドロキシラジカル消去活性の値を1としたときの、実施例1、比較例1乃至比較例4及び参考例2で得た組成物のヒドロキシラジカル消去活性の相対値の逆数を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 大麦を原料とする焼酎製造において副生する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得、該液体分を強酸性イオン交換樹脂を使用するイオン交換処理に付してイオン交換樹脂非吸着画分を得、該イオン交換樹脂非吸着画分を限外濾過膜を使用する限外濾過処理に付して濃縮液を得、該濃縮液にエタノールからなる有機溶媒を添加することにより分取した、ウロン酸を実質的に含有せずに、キシロース、アラビノース及びグルコースからなり、キシロース/アラビノース比が1.0乃至2.0である多糖類を含有し、且つ下記の分子量分布を有する有機溶媒不溶性画分(A)と、大麦を原料とする焼酎製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して液体分を得、該液体分を芳香族系合成吸着剤を用いる吸着処理に付して芳香族系合成吸着剤吸着画分を得、該合成吸着剤吸着画分をアルカリを用いて溶出することにより得られ、且つ下記の成分組成を有する脱着画分(B)を3:1〜1:3の重量割合で混合することにより得られる混合物(A+B)からなり、生体内酸化に係わる抗酸化剤。
    分子量分布:
    100,000以上 5%
    30,000乃至100,000 18%
    10,000乃至 30,000 23%
    3,000乃至 10,000 31%
    1,000乃至 3,000 11%
    500乃至 1,000 3%
    500以下 9%
    成分組成:
    乾燥物重量で、粗タンパク40乃至60重量%、ポリフェノール7乃至12重量%、多糖類5乃至10重量%(糖組成:グルコース0乃至2重量%、キシロース3乃至5重量%、及びアラビノース2乃至5重量%)、有機酸4乃至10重量%
    (リンゴ酸1乃至3重量%、クエン酸2乃至4重量%、コハク酸0乃至1重量%、乳酸0乃至6重量%、及び酢酸0乃至1重量%)、及び遊離糖類0乃至2重量%(マルトース0乃至1重量%、キシロース0乃至1重量%、アラビノース0乃至1重量%、及びグルコース0乃至1重量%)
  2. 前記有機溶媒不溶性画分(A)及び前記脱着画分(B)の少なくともいずれか一方が凍結乾燥粉末形態のものである請求項1に記載の生体内酸化に係わる抗酸化剤。
  3. 薬剤として使用する請求項1又は2に記載の生体内酸化に係わる抗酸化剤。
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