JP3883228B2 - 農薬組成物およびその製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、農薬組成物、さらに詳しくは、水可溶性多糖類から誘導される架橋体中に1種または2種以上の農薬を保持した徐放性マイクロカプセルおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生物学的に活性な物質、例えば、薬物を徐放化し、放出した薬物がもたらす薬効を長期にわたって継続しようという試みに関する報告がなされている。例えば、薬物を高分子重合物に含有させたマイクロカプセルについては、W/O型エマルションによる液中硬化被覆法に関する徐放性マイクロカプセルの製造法などが報告されている(ジャーナル・ファーマシューティカル・ファーマコロジー(J.Pharm. Pharmacol.)1993, 45: 16-20)。この方法では、水溶性薬物のマイクロカプセル中への薬物の取り込み率が低いこと、流動パラフィンを取り除くために有機溶媒を使用するため工業的には人や環境に対する安全性あるいは爆発防止対策等に多大の投資を必要とする。
一方、水溶性薬物のマイクロカプセルの製造方法として、液中乾燥法が「マイクロカプセル化の新技術とその用途開発・応用実例、経営開発センター出版部、S53.9.10発行」に記載されている。この方法ではO/O型、W/O/W型およびO/W型がある。O/O型は大量の溶媒を使用すること、W/O/W型はO/O型よりも使用する溶媒は少ないものの、乳化操作を2回も繰り返す必要があり、工程が複雑であること、O/W型は先の二つの方法に比べて溶媒の使用量は少なくなるものの、水溶性薬物の水相への分配がおこりやすいためマイクロカプセルに取り込まれる薬物量が極めて少なくなるという欠点がある。
【0003】
また、特開平5−85902号には農薬有効成分と脂肪族ポリエステル結合を有する生分解性ポリマーをこのポリマーを溶解する能力を有する有機溶媒とともに液状にして鉱物質担体に担持させて徐放性農薬を製造する方法が示されている。この方法でも有機溶媒が使用されており、人あるいは環境に対する安全性の保証、爆発防止に対する設備等が必要になる。
さらに、薬物を含有したゼラチンをグルタルアルデヒドで架橋したマトリックスの調製法が記載されている(ジャーナル・コントロールド・リリース(J. Controlled Release) 31(1994), 255-261)。これは薬物を含むゼラチンのゲルを調製し、乾燥後、グルタルアルデヒド溶液中に浸し、架橋反応を行ない水洗後、乾燥してマトリックスを得る方法であり、工程が複雑である。
このように、従来のマイクロカプセルを調製する技術では工程が複雑であったり、人や環境面に好ましくない有機溶媒を使用したり、あるいは、水溶性薬物をマイクロカプセルに簡便でしかも効率よく取り込むことが困難であった。そこで、製造工程が簡単で有機溶媒を使用せず、かつ薬物の取り込み率が高いマイクロカプセルの開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水可溶性多糖類から誘導される架橋体および農薬を含有することを特徴とする組成物、具体的には、農薬の取り込み率が向上せしめられた水可溶性多糖類から誘導される架橋体中に1種または2種以上の農薬を保持したマイクロカプセルおよびその製造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、水中において酸クロライドを架橋化反応用触媒として用いて、水可溶性多糖類をアルデヒドで架橋し、噴霧乾燥することによって、水可溶性多糖類と架橋剤との架橋体中に1種または2種以上の農薬を保持したマイクロカプセルを製造することに成功した。この製造法は、有機溶媒を用いる必要がなく、簡便な方法であり、安全な方法である。
また、本発明者らは、この製造法が水系の製造法であるにもかかわらず、予想外にも農薬をマイクロカプセル中に高効率で取り込むことができ、かつ、任意に農薬の組成物よりの溶出速度を調整することができることを見いだした。さらに、本発明者らは、このマイクロカプセルを用いることで、配合されている成分相互に悪影響を与えることがなく、かつ活性成分自体の分解が抑制された混合製剤を製造することができることを見いだした。
本発明者らは、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)カルタップ塩酸塩、1−(2−クロロ−5−チアゾリルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジンおよび1−〔N−(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−N−メチル〕アミノ−1−メチルアミノ−2−ニトロエチレンからなる群から選ばれる農薬を含有する、セルロース系水可溶性半合成高分子およびデンプン系水可溶性半合成高分子からなる群から選ばれる水可溶性多糖類をグルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、グリオキザール、エピクロヒドリンおよびジアルデヒドスターチからなる群から選ばれる架橋剤で架橋した架橋体のマイクロカプセルであることを特徴とする農薬組成物、
(2)セルロース系水可溶性半合成高分子がビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、デンプン系水可溶性半合成高分子が可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン、デキストリン誘導体、シクロデキストリン誘導体、酸化デンプン、エーテル化デンプン、エステル化デンプンまたはアミロースである上記(1)記載の組成物、
(3)マイクロカプセル全量に対して、農薬が0.1〜80重量%含有されていることを特徴とする上記(1)記載の組成物、
(4)マイクロカプセル全量に対して、架橋体が1〜99.9重量%含有されていることを特徴とする上記(1)記載の組成物、
(5)セルロース系水可溶性半合成高分子およびデンプン系水可溶性半合成高分子からなる群から選ばれる水可溶性多糖類の水溶液に、カルタップ塩酸塩、1−(2−クロロ−5−チアゾリルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジンおよび1−〔N−(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−N−メチル〕アミノ−1−メチルアミノ−2−ニトロエチレンからなる群から選ばれる農薬と、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、グリオキザール、エピクロヒドリンおよびジアルデヒドスターチからなる群から選ばれる架橋剤とを溶解または懸濁し、架橋化反応用触媒の存在下で架橋反応を行い、得られた反応液を噴霧乾燥に付すことによって製造され得る農薬マイクロカプセル、
(6)セルロース系水可溶性半合成高分子およびデンプン系水可溶性半合成高分子からなる群から選ばれる水可溶性多糖類の水溶液に、カルタップ塩酸塩、1−(2−クロロ−5−チアゾリルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジンおよび1−〔N−(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−N−メチル〕アミノ−1−メチルアミノ−2−ニトロエチレンからなる群から選ばれる農薬と、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、グリオキザール、エピクロヒドリンおよびジアルデヒドスターチからなる群から選ばれる架橋剤とを溶解または懸濁し、架橋化反応用触媒の存在下で架橋反応を行い、得られた反応液を噴霧乾燥に付してマイクロカプセルを得ることを特徴とする上記(1)記載の農薬組成物の製造法。
(7)上記(1)記載の農薬組成物を含有することを特徴とする農薬製剤、および
(8)マイクロカプセルに保持されている農薬および該農薬と配合禁忌の関係にある1種または2種以上の農薬を含有する上記(7)記載の製剤に関する。
【0007】
さらに具体的には、本発明は、
(9)組成物全量に対して、農薬を1〜80重量%、好ましくは約10〜60重量%含有することを特徴とする上記(1)記載の組成物、
(10)組成物全量に対して、架橋体を約20〜95重量%、好ましくは約40〜90重量%含有することを特徴とする上記(1)記載の組成物、
(11)マイクロカプセル全量に対して、農薬を約0.1〜80重量%、好ましくは約1〜80重量%、より好ましくは約10〜60重量%、水可溶性多糖類を約1〜90重量%、架橋剤を約1〜90重量%含有する上記(1)記載の組成物、
(12)農薬と水可溶性多糖類の重量比率が約1:100〜約10:1、好ましくは約1:100〜約5:1であり、水可溶性多糖類と架橋剤の重量比率が約100:1〜約1:10であり、架橋剤と架橋化反応用触媒の重量比率が約100:1〜約1:10である上記(1)記載の組成物の製造法、
(13)さらに農薬組成物に用いられる添加剤を含有する上記(7)記載の製剤、
(14)添加剤が界面活性剤、担体、酸化防止剤、分散剤、流動剤、防腐剤、共力剤、乳化剤、懸濁剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、粘漿剤、安定剤、固着剤または吸着剤である上記(13)記載の製剤、
(15)製剤全量に対して、マイクロカプセルを約0.1〜70重量%含有することを特徴とする上記(7)記載の組成物、
(16)製剤全量に対して、マイクロカプセルに保持されている農薬と配合禁忌の関係にある1種または2種以上の農薬を約0.1〜80重量%、好ましくは約0.1〜70重量%、より好ましくは約10〜60重量%含有することを特徴とする上記(8)記載の製剤、および
(17)粒剤、粉剤または錠剤である上記(7)記載の製剤を提供する。
【0008】
本発明の農薬組成物に用いられる農薬は、カルタップ塩酸塩、1−(2−クロロ−5−チアゾリルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジンおよび1−〔N−(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−N−メチル〕アミノ−1−メチルアミノ−2−ニトロエチレンからなる群から選ばれる。
【0009】
本発明の組成物に使用される水可溶性多糖類としては、分子量が約1000〜20万のものなどが好ましく、約2000〜10万のものがより好ましい。本明細書でいう水可溶性とは、25℃で、水100mlに対し、多糖類が約0.01g以上、好ましくは約0.1g以上溶解することを意味する。
該水可溶性多糖類は、セルロース系水可溶性半合成高分子およびデンプン系水可溶性半合成高分子からなる群から選ばれる。セルロース系のものとしては、例えば、ビスコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどである。デンプン系のものとしては、例えば、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン、デキストリン誘導体、シクロデキストリン誘導体、酸化デンプン、エーテル化デンプン、エステル化デンプン、アミロースなどである。具体的には、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シクロデキストリンなどが好ましい。
【0010】
メチルセルロースとは、一般にセルロースのメチルエーテルである。セルロース中のブドウ糖残基には、第一アルコール基が1個と第二アルコール基が2個あるが、それがメチルエーテルの形に置換されている。この場合、第一アルコール基のほうが置換されやすいというが、メトキシル基は種々に分布している。
ヒドロキシエチルセルロースとは、一般にセルロースのヒドロキシエチルエーテルである。セルロース中のブドウ糖残基には、第一アルコール基が1個と第二アルコール基が2個あるが、それがヒドロキシエチルエーテルの形に置換されている。この場合、第一アルコール基の方が置換されやすいというが、ヒドロキシエチル基は種々に分布している。
シクロデキストリンとは、6〜12のグルコース分子がα−1,4−グルコシド結合で環状に連なった非還元性のマルトオリゴ糖である。デンプンからの主な生成物は、グルコース6、7、8個からなるα−,β−,Y−シクロデキストリンである。
本発明に用いられるものは、水可溶性であればいずれであってもよく、また、上記水可溶性多糖類を混合して使用してもよい。
【0011】
本発明の組成物に使用される架橋剤は、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、グリオキザール、エピクロヒドリンおよびジアルデヒドスターチから選ばれる。
【0012】
本発明の農薬組成物は、マイクロカプセルとすることによって、農薬のマイクロカプセルへの取り込み率が向上せしめられた徐放性マイクロカプセルとして用いることができる。
本発明のマイクロカプセルの製造は、水可溶性多糖類の水溶液に、農薬および架橋剤を溶解または懸濁した後、架橋化反応用触媒を添加して架橋反応を行なった後、得られた反応液を噴霧乾燥に付すことによって製造することができる。
具体的には、次の工程で製造することができる。
(1)水可溶性多糖類および農薬を含有する水溶液または懸濁液の調製
水可溶性多糖類の水溶液に農薬を添加し、撹拌機を用いて水溶液あるいは懸濁液を調製する。撹拌機器としては、例えば、ホモミキサー、スリーワンモーター、ダイノミル(商品名、ウイリー・エー・バコーフェン・エー・ジー・マシネンファブリック社製、独)、マイクロフルイダイザーなどが用いられる。
農薬が水可溶性の場合には、水可溶性多糖類の水溶液に農薬をそのまま溶かして水溶液とする。農薬が水不溶性もしくは水難溶性の物質である場合には、農薬原体をそのまま添加し懸濁するか、あるいは粉砕し平均粒子径が約0.1〜20μm、好ましくは約0.2〜10μm程度の粉末に粉砕して多糖類の水溶液に均一に分散させ、懸濁液とする。また、原体の粒子径が大きい場合、原体をそのまま水可溶性多糖類の水溶液に添加し懸濁させた後、湿式粉砕を行っても良い。
この際の水の量は、使用される水可溶性多糖類や農薬の種類によって適宜、選択される。通常は、水可溶性多糖類が約0.1%〜60%(W/W)、好ましくは0.5〜30%の濃度範囲である。
【0013】
(2)架橋反応
上記(1)で調製された液に、架橋剤(例、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどのアルデヒド化合物等)の水溶液を添加し、混合する。撹拌しながら、架橋化反応用触媒(例、塩化ベンゾイル、塩化プロピオニルなどの酸クロライド等)を加えて架橋反応を行なう。反応時間は、通常約30分〜3時間程度、好ましくは約30分〜1時間程度である。反応温度は、通常室温〜60℃、好ましくは約10〜60℃、より好ましくは通常約20〜40℃である。
また、水可溶性多糖類および架橋剤の量や比率を変えることでマイクロカプセルの網目構造を調節でき、その結果、農薬の溶出を調整することができる。したがって、目的とする徐放効果を得るために、水可溶性多糖類や架橋剤の両や比率を適宜選択することができる。例えば、架橋剤の比率を増加させると徐放効果も向上する、具体的には、例えば、カルタップ塩酸塩のマイクロカプセルを例にとると、水可溶性多糖類と架橋剤の比率を10:2(W:W)、10:3(W:W)、10:4(W:W)に設定した場合、1カ月後のカルタップ塩酸塩の溶出率は、59.9%、45.3%、35.6%に変化する。
【0014】
(3)反応液の乾燥
上記(2)で得られた反応液を噴霧乾燥によって乾燥する。噴霧乾燥の条件としては、通常約50〜150℃の温度範囲で乾燥する。スプレードライヤーのアトマイザー回転数は、使用される機種によって異なるが、例えば、スプレードライヤーL−8型(大川原化工機製)を用いた場合、約30,000rpm、流量15ml/minの条件下で乾燥すると、通常約5〜100μm程度のマイクロカプセルを得ることができる。
なお、本発明のマイクロカプセルには、上記成分の他に、必要な添加剤を含有せしめることができる。例えば、糖類の生分解を抑制するために防腐剤(例えば、2−フェニルフェノール、ソルビン酸、4−クロロ−3,5−キシレノール、パラヒドロキシ安息香酸ブチル、サリチル酸など)などが用いられる。
これらの他の添加剤は、生物学的に活性な物質の活性や徐放性効果を妨げない濃度で含有せしめることができる。これらの他の添加剤を、上記(1)の工程において、水可溶性多糖類および生物学的に活性な物質を含有する水溶液または懸濁液に添加することによって、マイクロカプセルに含有せしめることができる。
以上の製造法は、有機溶媒を使用しない水系のマイクロカプセルの製造法であるにもかかわらず、マイクロカプセル中に大量の生物学的に活性何ら物質を取り込ませることができる。上記の製造法に従って得られる本発明のマイクロカプセルは、通常、乾燥粒子の粒子径が約5〜500μm、好ましくは約5〜300μm、特に好ましくは約50〜200μmの範囲である。
【0015】
本発明のマイクロカプセルにおける各成分の含有量は、以下の通りである。
本発明のマイクロカプセルにおける農薬の使用量は、マイクロカプセル全量に対して通常約0.1〜80重量%、好ましくは約1〜80重量%、より好ましくは約10〜60重量%である。
本発明のマイクロカプセルにおける架橋体の含有量は、マイクロカプセル全量に対して通常約1〜99.9重量%、好ましくは約20〜99.9重量%、より好ましくは約40〜90重量%である。
本発明のマイクロカプセルにおける水可溶性多糖類の含有量は、マイクロカプセル全量に対して通常約1〜90重量%、好ましくは約20〜90重量%である。
本発明のマイクロカプセルにおける架橋体の含有量は、マイクロカプセル全量に対して通常約1〜90重量%、好ましくは約20〜90重量%である。
本発明のマイクロカプセルは、農薬を大量に取り込んでおり、かつ優れた徐放性を有しているので、農薬が有する活性効果を効率よく持続的に発揮させることができる。さらに、本発明のマイクロカプセルは、安全で低毒性の成分を使用しているので、例えば、安全で低毒性な徐放性農薬として使用することができる。
【0016】
本発明のマイクロカプセルは、それ自体単独で使用することもできるが、例えば、本発明のマイクロカプセルと所望により本発明のマイクロカプセルに含まれる農薬以外の農薬を1種または2種以上、または(および)農薬製剤に用いられる添加剤とを常法に従い混合することによって本発明のマイクロカプセルを含有する農薬製剤として使用することができる。例えば、使用目的によって適当な担体と混合または吸着させる方法などによって混合し、一般に農薬製剤の製造に用いられるそれ自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって、例えば、粉剤、錠剤、粒剤などの種々の製剤に成型することができる。本発明のマイクロカプセルを含有する農薬製剤に使用できるマイクロカプセルに含まれる農薬以外の農薬は、例えば、以下の農薬から適宜に選択することができる。英名の後のSおよびOは、それぞれ室温(約1〜30℃)で固状の物質および油状の物質であることを示す。
【0017】
〔カーバメート系殺虫剤〕:
プロポクスル(PHL,propoxur:S)、イソプロカルブ(MIPC,isoprocarb:S)、フェノブカルブ(BPMC,fenobucarb:S)、キシリルカルブ(MPMC,xylylcarb:S)、メトルカルブ(MTMC,metolcarb:S)、XMC(S)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb:O)、カルバリル(NAC,carbaryl:S)、ピリミカーブ(pirimicarb:S)、ベンジオカルブ(bendiocarb:S)、カルボフラン(carbofuran:S)、フラチオカーブ(furathiocarb:O)、カルボスルファン(carbosulfan:O)、アミノスルフラン(aminosulfulan)、メソミル(methomil:S)、フェノキシカーブ(fenoxycarb:S)、アラニカルブ(alanycarb:S)、クロエトカルブ(cloethocarb:S)、ベンフラカルブ(benfuracarb:O)、フェノチオカルブ(fenothiocarb:S)など。
【0018】
〔有機リン系殺虫剤〕:
フェンチオン(MPP,fenthion:O)、フェニトロチオン(MEP,fenitrothion:O)、プロパホス(propaphos:O)、シアノホス(cyanophos:O)、プロチオホス(prothiofos:O)、スルプロホス(sulprofos:O)、プロフェノホス(profenofos:O)、EPN(O)、シアノフェンホス(cyanofenphos:S)、アセフェート(acephate:S)、オキシデプロホス(oxydeprofos:O)、ジスルホトン(disulfoton:O)、チオメトン(thiometon:O)、フェントエート(phenthoate:S)、マラソン(malathion:O)、ジメトエート(dimethoate:S)、バミドチオン(vamidothion:S)、メカルバム(mecarbam:O)、トリクロルホン(DEP,trichlorphon:S)、ネイルド(naled:O)、ジクロルホス(dichlorvos:O)、クロロフェンビンホス(chlorofenvinphos:O)、テトラクロルビンホス(CVMP,tetrachlorvihphos:S)、モノクロトホス(monocrotophos:S)、ホサロン(phosalone:S)、ジアリホス(dialifos:S)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifosmethyl:S)、クロルピリホス(chlorpyrifos:S)、ピリミホスメチル(pirimiphosmethyl:O)、ダイアジノン(diazinon:O)、エトリムホス(etrimfos:O)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion:S)、キナルホス(quinalphos:S)、イソキサチオン(isoxathion:O)、メチダチオン(DMTP,methidathion:S)、サリチオン(salithion:S)、ピラクロホス(pyraclophos:O)、クロルチオホス(chlorthiophos:O)、フォートレス(fortress:O)、イソフェンホス(isofenphos:O)、ブタチオホス(butathiofos)、EDDP(O)など。
【0019】
〔ピレスロイド系殺虫剤〕:
シフトスリン(cyfluthrin:O)、パーメスリン(permethrin:O)、シペルメトリン(cypermethrin:S)、デメタメスリン(deltamethrin:S)、シハロスリン(cyhalothrin:O)、フェンプロパスリン(fenpropathrin:S)、フェンバレレート(fenvalerate:O)、フルシスリネート(flucythrinate:O)、フルバリネート(flubalinate:O)、エトフェンプロックス(ethofenprox:S)、シラノファン(silanophane)、フェンプロパトリン(fenpropathrin:S)、トラロメトリン(tralomethrin:S)、シクロプロトリン(cycloprothrin:O)、アクリナスリン(acrinathrin:S)、レスメトリン(resmethrin:S)など。
【0020】
〔ウレア系殺虫剤〕:
ジフルベンズロン(difulbenzuron:S)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron:S)、ノーモルト(nomolto:S)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron:S)、フルフェノクスロン(flufenoxuron:S)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron:S)、フルシクロクスロン(flucycloxuron:S)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox:S)など。
【0021】
〔その他の殺虫剤〕:
チオシクラム(thiocyclam:S)、ブプロフェジン(buprofezin:S)、ベンスルタップ(bensultap:S)、イミダクロプリド(imidacloprid:S)、ハイドロプレン(hydroprene:S)、フェナザキン(fenazaquin:O)、クロフェンテジン(clofentezine:S)、レバミゾール(levamisol:S)、ジエノクロル(dienochlor:S)、シロマジン(cyromazine:S)、フェンピロキシメート(fenpyroximate:S)、ピリダベン(pyridaben:S)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen:S)、スルフラミド(sulfluramid:S)、チオジカルブ(thiodicarb:S)、ニテンピラム(nitenpyram:S)、ベンゾエピン(enndosulfan:S)、フルフェノクスロン(flufenoxuron:S)、ジフルベンズロン(diflubenzuron:S)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron:S)など。
〔カーバメート系殺菌剤〕:
ジネブ(zineb:S)、マネブ(maneb:S)、ベノミル(benomyl:S)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl:S)、ジベンダゾール(cypendazole:S)、カーベンダジン(carbendazim:S)、プロチオカーブ(prothiocarb:S)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb:S)など。
【0022】
〔抗生物質系殺菌剤〕:
バリダマイシンA(validamycin A:S)、カスガマイシン(kasugamycin:S)、アベルメクチン(avermectin:S)、ミルベマイシン(milbemycin:S)、ミルディオマイシン(mildiomycin:S)など。
〔アニライド系殺菌剤〕:
メプロニル(mepronil:S)、フルトラニル(flutolanil:S)、ペンシクロン(pencycuron:S)、カルボキシン(carboxin:S)、オキシカルボキシン(oxycarboxin:S)、ピラカルボリド(pyracarbolid:O)、メベニル(mebenil:S)、フルカルバニル(furcarbanil)、シクラフラミド(cyclafuramid:S)、ベノダニル(beodanil:S)、グラノバックス(granovax)、メタラキシル(metalaxyl:S)、オフラセ(ofurace:S)、ベナラキシル(benalaxyl:S)、オキサデキシル(oxadixyl:S)、シプロフラム(cyprofuram:S)、ロジラコン(clozylacon)、メトスルホバックス(metsulfovax)、テクロフタラム(tecloftalam:S)など。
〔有機リン系殺菌剤〕:
エジフェンホス(edifenphos:O)、IBP(O)、ピラゾホス(pyrazophos:S)、アリエッティ(aliette)、トルクロホスメチル(tolclophos-methyl:S)など。
【0023】
〔アゾール系殺菌剤〕:
フェナリモール(fenarimol:S)、フルルプリミドール(flurprimidol:S)、フルオトリマゾール(fluotrimazole:S)、トリアジメホン(triadimefon:S)、トリアジメノール(triadimenole:S)、クロブタノール(diclobutrazol:S)、パクロブタゾール(paclobutazol:S)、ジニコナゾール(diniconazole:S)、ウニコナゾール(uniconazole:S)、トリフルミゾール(triflumizole:S)、プロピコナゾール(propiconazole:O)、フルトリアホル(flutriafol:S)、フルシラゾール(flusilazole:S)、ペンコナゾール(penconazole:S)、プロクロラズ(prochloraz:O)、トリアペンテノール(triapenthenol:S)、トリアリモル(triarimol:S)、フェナリモル(fenarimol:S)、ビイテルタノール(bitertanol:S)、イマザリル(imazalil:O)、エタコナゾール(etaconazole:S)、パクロブタラゾール(paclobutrazol:S)、フェナプロニル(phenapronil)、ビニコナゾール(viniconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole:S)、ブロムコナゾール(bromuconazole:S)、ミクロブタニル(myclobutanil:S)、ヘキサコナゾール(hexaconazole:S)、シプロコナゾール(cyproconazole:S)、フルコナゾール−シス(furconazole-cis:S)、フェネサニル(fenethanil)、テブコナゾール(tebuconazole:S)など。
〔ジカルボキシイミド系殺菌剤〕:
ジクロゾリン(dichlozoline:S)、イプロジオン(iprodione:S)、ビンクロゾリン(vinclozoline:S)、プロシミドン(procymidone:S)、ミクロゾリン(myclozolin)、フルオロイミド(fluoroimide:S)など。
【0024】
〔その他の殺菌剤〕:
フサライド(fthalide:S)、モンガード(商品名monguard:S)、イソプロチオラン(isoprothiolane:S)、トリシクラゾール(tricyclazole:S)、プロベナゾール(probenazole:S)、フェリムゾン(ferimzone:S)、フルアジナム(fluazinam:S),ブチオベ−ト(butiobate:O)、ピロキロン(pyroquilon:S)、クロベンチアゾン(chlobenchiazone)、クロロタロニル(TPN,chlorothalonil:S)、キャプタン(captan:S)、キャプタフォル(captafol:S)、ホルペット(folpet:S)、チアベンダゾール(thiabendazole:S)、フベリダゾール(fuberidazole:S)、トリデモルフ(tridemorph:O)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph:O)、トリフォリン(triforine:S)、エチリモル(ethirimol:S)、ジメチルモル(dimethirimol:S)、ヒメキサゾール(hymexazol:S)、エタゾール(ethazol:O)、フェンプロピディン(fenpropidin:O)、ピリフェノックス(pyrifenox:O)、ジメトモルフ(dimethomorph:S)、フェンピクロニル(fenpiclonil:S)、ザリラミド(zarilamid)、トリクラミド(triclamide:S)、フルスルファミド(flusulfamide:S)、ベフラン(befran:S)、ジメフルアゾール(dimefluazole)、オキソリニック酸(oxolinic acid:S)、プロキシクロル(proxychlor)、ジクロメジン(diclomezin:S)、アニラジン(anilazine:S)など。
【0025】
〔フェロモン〕:
オキメラノルア(okimeranolure:S)、チェリトルア(cherrytlure:O)、ダイアモルアー(daimolure:O)など。
〔上記以外の殺虫剤および殺菌剤〕:
フィプロニル(fipronil:S)、ノバリュロン(novaluron)、フルフェンプロクス(flufenprox)、フェンピラドまたはテブフェンピラド(tebufenpyrad:S)、メトキサジアゾン(methoxadiazone)、ベンフルスリン(benfluthrin)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen:S)、デェアフェンチウロン(diafenthiuron:S)、ジクロルフルアニド(dichlorfluanid:S)、フタラキシル(ftalaxyl)、フラペナゾール(flapenazole)、ピパニピリム(pipanipirim)、チシオフェン(thicyofen)、オプス(商品名,opus:S)、イプコナゾール(ipconazole:S)、ジメトコナゾール(dimetconazole)、ミソチオアゾール(myxothiazol)、チオイミコナゾール(thioimiconazole)、クインコナゾール(quinconazole)など。
【0026】
〔除草剤〕:
イマゾスルフロン(imazosulfuron:S)、N−(2−エチルスルホニルイミダゾ〔1,2-a〕ピリジン−3−イルスルホニル−N'−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)尿素(S)、ジメタメトリン(dimethametryn:S)、ダイムロン(dymron:S)、アトラジン(atrazine:S)、シアナジン(cyanazine:S)、アメトリン(ametryne:S)、アラクロール(alachlor:S)、ブタクロール(butachlor:O)、メトラクロール(metolachlor:O)、IPC(S)、CIPC(S)、チオベンカルブ(thiobencarb:O)、ブチレート(butylate:O)、EPTC(O)、ジカンバ(dicamba:S)、モニュロン(monuron:S)、ジウロン(diuron:S)、フルオメツロン(fluometuron:S)、クロロクスロン(chloroxuron:S)、ベンズチアズロン(benzthiazuron:S)、カルブチレイト(karbutilate:S)、メトキスロン(metoxurin:S)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron:S)、クロロトルロン(chlortoluron:S)、イソプロツロン(isoproturon:S)、トリフルラリン(trifluralin:S)、ペンディメタリン(pendimethalin:S)、2,4-D(S)、MCPA(S)、MCPP(S)、モリネート(molinate:O)、エプロナズ(epronaz:S)、セトキシジム(sethoxydim:O)、アロキシジム(alloxydim:S)、トラルコキシジム(tralkoxydim:S)、フルアジホップ−ブチル(fluazifop-butyl:O),キザロホップ−エチル(quizalofop ehyl:S)、
【0027】
フェノキサプロップ−エチル(fenxaprop-ethyl:S),ハロキシホップ−エトキシエチル(haloxyfop ethoxyethyl:S)、フルアジホップ−P−ブチル(fluazifop-P-butyl:O)、フラムプロフ−M−イソプロピル(framprof-M-isopropyl)、トリジファン(tridiphane:S)、メサゾール(methazole:S),オキサジアゾン(oxadiazon:S)、ベンタゾン(bentazone:S)、ピラゾレイト(pyrazolate:S)、クロルメトキシニル(chlormethoxynil:S)、クロルニトロフェン(chlornitrofen:S),ジクロホップ−メチル(dichlofop-methyl)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen:S)、ラクトフェン(lactofen:O)、アクロニフェン(achonifen:S)、プロパニル(propanil:S)、メトリブジン(metribuzin:S)、アシフルオルフェン(acifluorfen:S)、ホメサフェン(fomesafen:S)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron methyl:S),クロルスルフロン(chlorsulfuron:S)、クロリムロン−エチル(chlorimuron methyl:S),プリミスルフロン(primisulfuron-metyl:S)、トリアスルフロン(triasulfuron:S)、イマザキン(imazaquin:S)、イマザメタベンズ(imazamethabenz:S)、イマザピル(imazethapyr:S)、トリベニュロン(tribenuron methyl:S)、ベンゾイルプロプ−エチル(benzoylprop-ethyl:S)、ジフェンゾクォート(difenzoquat:S)、アイオキシニル(ioxynil:S)、
【0028】
ビフェノックス(bifenox:S)、クロピラリド(clopyralid:S)、メコプロプ(mecoprop:S)、メツルフロン−メチル(metsulfuron-methyl:S)、フルロキシピル(fluroxypyr:S)、イソキサベン(isoxaben:S)、チアメトウロン−メチル(thiameturon-methyl:S)、フルオログリコフェン−エチル(fluoroglycofen-ethyl:S)、ブロモキシニル(bromoxynil:S)、ペンジメチリン(pendimethalin:S)、プロメトリン(prometryn:S)、ピラゾスルフロン−エチル(pyrazosulfuron-ethyl:S)、ピペロホス(piperophos:O)、エスプロカルブ(esprocarb:O)、ピリブチカルブ(pyributicarb:O)、ジチオピル(dithipyr:S)、HW−52(2',3'-ジクロロ-4-エトキシメトキシベンズアニリド:S)、ベンゾフェナップ(benzofenap:S)、ベノキサゾール(benoxazol:O)、ブロモブチド(bromobutide:S)、クロメプロップ(chlomeprop)、クロルチアミド(chlorthiamid:S)、ダラポン(dalapon:O)、ジメピレート(dimepiperate:S)、フルオチウロン(fluothiuron:S)、クロルニトロフェン(chlornitrofen:s)、MCPB(S)、MCPCA、メフェナセット(mefenacet:S)、メトキシフェノン(methoxyphenone:S)、ナプロアニリド(naproanilide:S)、ニトロフェン(nitorofen:S)、フェノピレート(phenopylate:O)、ピロゾキシフェン(pyrazoxyfen:S)、シメトリン(simetryn:S)、スエップ(swep:S)、シノスルフロンなど。
【0029】
特に、マイクロカプセルに含まれる農薬以外の農薬として、マイクロカプセルに含まれる農薬と配合禁忌の関係にある農薬を1種または2種以上用いることが望ましい。すなわち、本発明のマイクロカプセル中の農薬と配合禁忌の関係にある農薬の混合製剤を提供することができる。
具体的に、配合禁忌の関係にある農薬としては、カルタップ塩酸塩と、ニテムピラム、フェリムゾンまたはメソミルなどが挙げられる。
本発明のマイクロカプセル含有組成物における配合禁忌の関係にある農薬の含有量は、通常約0.1〜80重量%、好ましくは約0.1〜70重量%、より好ましくは約10〜60重量%である。
【0030】
本発明の農薬製剤には、例えば、農薬に通常用いられる添加剤を含有せしめることができる。
添加剤としては、例えば、界面活性剤、担体(例えば、希釈剤、増量剤)、酸化防止剤(例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、4,4-チオビス-6-tert-ブチル-3-メチルフェノールなど)、分散剤(例えば、エチレングリコール、グリセリンなど)、流動剤(例えば、ホワイトカーボンなど)、防腐剤(例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸ブチル、安息香酸、サリチル酸など)、共力剤、乳化剤、懸濁剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、粘漿剤、安定剤、固着剤、吸着剤などが用いられる。
界面活性剤としては、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤などいずれのものでもよく、単独でまたは2種類以上を混合して用いてもよい。なかでも、非イオン界面活性剤が好ましい。具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類〔例、ノイゲン(商品名)、イー・エー142(E・A142(商品名));第一工業製薬(株)製、ノナール(商品名);東邦化学(株)製〕、アルキル硫酸塩類〔例、エマール10(商品名)、エマール40(商品名);花王(株)製〕、アルキルスルホン酸塩類〔例、ネオゲン(商品名)、ネオゲンT(商品名);第一工業製薬(株)製、ネオペレックス;花王(株)製〕、ポリエチレングリコールエーテル類〔例、ノニポール85(商品名)、ノニポール100(商品名)、ノニポール160(商品名);三洋化成(株)製〕、多価アルコールエステル類〔例、トウイーン20(商品名)、トウイーン80(商品名);花王(株)製〕などの界面活性剤が適宜用いられる。
【0031】
担体としては、固体担体などの希釈剤、増量剤などが用いられる。固体担体としては、例えば、植物性粉末(例えば、大豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉など)、鉱物性粉末(例えば、カオリン、ベントナイト、酸性白土などのクレー類、滑石粉、ロウ石粉などのタルク類、珪藻土、雲母粉などのシリカ類など)、アルミナ、硫黄粉末、活性炭、炭酸カルシウムなどが用いられ、これらは1種または2種以上を適当な割合で混合して使用することができる。
本発明の農薬製剤におけるマイクロカプセルの使用量は、製剤全量に対して、通常約0.1〜70重量%、好ましくは約0.1〜40重量%、より好ましくは約0.5〜30重量%である。
本発明の農薬製剤のマイクロカプセルに含まれる農薬以外の生物学的に農薬の使用量は、製剤全量に対して、通常約0.1〜70重量%、好ましくは約0.1〜30重量%、より好ましくは約0.1〜20重量%である。
【0032】
本発明の農薬製剤における添加剤の使用量は、組成物全量に対して、通常約0.01〜99.9重量%、好ましくは約30〜99.9重量%、より好ましくは約40〜99.5重量%である。具体的には、界面活性剤の場合は、通常約0.2〜20重量%、好ましくは約0.2〜10重量%である。担体の場合は、通常約1〜99.9重量%、好ましくは約20〜99.5重量%である。酸化防止剤は、通常約0.02〜0.2重量%、好ましくは約0.02〜0.1重量%である。流動助剤は、通常約0.1〜5重量%、好ましくは約0.1〜3重量%である。防腐剤は、通常約0.05〜0.3重量%、好ましくは約0.05〜0.2重量%である。
本発明の農薬製剤は、上記の成分を一般に農薬製剤の製造に用いられるそれ自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって、例えば、マイクロカプセル、粉剤、錠剤、粒剤などの種々の製剤に成型することができる。
本発明の農薬製剤は、公知の使用法、例えば育苗箱処理、作物の茎葉散布、虫体散布、水田の水中施用あるいは土壌処理などにより使用することができる。そして、その施用量は、施用時間、施用場所、施用方法などに応じて広範囲に変えることができるが、一般には10アール当たり農薬成分が通常約1〜500g、好ましくは約5〜200gとなるように施用する。
【0033】
【実施例】
以下に、具体的な実施例、参考例および試験例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
パダン・マイクロカプセル(1)
カルタップ塩酸塩51.0g、25%グルタルアルデヒド水溶液144mlを5%メチルセルロース水溶液1000mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化ベンゾイル100mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。水500mlを添加後、この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0034】
実施例2
パダン・マイクロカプセル(2)
カルタップ塩酸塩10.2g、25%グルタルアルデヒド水溶液54mlを5%メチルセルロース水溶液1000mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化ベンゾイル37.5mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。反応液に水500mlを添加後、この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0035】
実施例3
パダン・マイクロカプセル(3)
カルタップ塩酸塩62.1g、25%グルタルアルデヒド水溶液125mlを10%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC;HPC EF−P,信越化学)水溶液250mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化プロピオニル85mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0036】
実施例4
パダン・マイクロカプセル(4)
カルタップ塩酸塩62.1g、25%グルタルアルデヒド水溶液125mlを5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC;HPMC TC−5S,信越化学)水溶液500mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化ベンゾイル85mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。反応液に水600mlを添加後、この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0037】
実施例5
パダン・マイクロカプセル(5)
カルタップ塩酸塩62.1g、25%グルタルアルデヒド水溶液125mlを3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC;HPMC TC−5S,信越化学)水溶液833mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化プロピオニル85mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0038】
実施例6
パダン・マイクロカプセル(6)
カルタップ塩酸塩62.2g、25%グルタルアルデヒド水溶液125mlを5%ヒドロキシエチルセルロース(HEC;HEC,和光純薬工業)水溶液500mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化ベンゾイル85mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。反応液に水270mlを添加後、この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0039】
実施例7
パダン・マイクロカプセル(7)
カルタップ塩酸塩95.2g、37%ホルムアルデヒド水溶液165mlを5%ヒドロキシエチルセルロース(HEC;HEC,和光純薬工業)水溶液500mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化ベンゾイル85mlを滴下し、水200mlを添加後、室温で30分間撹拌した。この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0040】
実施例8
パダン・マイクロカプセル(8)
カルタップ塩酸塩62.2g、25%グルタルアルデヒド水溶液125mlを5%ヒドロキシエチルセルロース(HEC;HEC,和光純薬工業)水溶液500mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化プロピオニル85mlを滴下し、水500mlを添加後、室温で30分間撹拌した。この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0041】
実施例9
パダン・マイクロカプセル(9)
カルタップ塩酸塩95.2g、37%ホルムアルデヒド水溶液165mlを5%ヒドロキシエチルセルロース(HEC;HEC,和光純薬工業)水溶液500mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化プロピオニル85mlを滴下し、水400mlを添加後、室温で30分間撹拌した。反応液に水500mlを添加後、この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0042】
実施例10
パダン・マイクロカプセル(10)
カルタップ塩酸塩25.6g、37%ホルムアルデヒド水溶液82mlを10%トヨデリンP(商品名,旭フーズ)水溶液250mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化プロピオニル42mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0043】
実施例11
パダン・マイクロカプセル(11)
カルタップ塩酸塩19g、37%ホルムアルデヒド水溶液16.5mlを10%トヨデリンP(商品名,旭フーズ)水溶液250mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化プロピオニル8.5mlを滴下し、水400mlを添加後、室温で30分間撹拌した。反応液に水500mlを添加後、この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0044】
実施例12
パダン・マイクロカプセル(12)
カルタップ塩酸塩15.9g、37%ホルムアルデヒド水溶液27.5mlを10%トヨデリンP(商品名,旭フーズ)水溶液250mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化プロピオニル14.2mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0045】
実施例13
1−(2−クロロ−5−チアゾリルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン12.2gを水97.8gにホモミキサーで分散させ、ダイノミル(バッチ式、3分)で粉砕した。水75gを用いて回収した1−(2−クロロ−5−チアゾリルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン懸濁液150gにトヨデリンP25gを溶解させ、37%ホルムアルデヒド水溶液120mlを加え、ホモミキサーで撹拌した。この溶液に、塩化プロピオニル60mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0046】
実施例14
1−(2−クロロ−5−チアゾリルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン14.9gを水95.1gにホモミキサーで分散させ、ダイノミル(バッチ式、3分)で粉砕した。水410gを用いて回収した1−(2−クロロ−5−チアゾリルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン懸濁液485gにヒドロキシエチルセルロース(HEC;HEC,和光純薬工業)25gを溶解させ、37%ホルムアルデヒド水溶液165mlを加え、ホモミキサーで撹拌した。この溶液に、塩化プロピオニル85mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。反応液に水600mlを添加後、この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0047】
実施例15
1−〔N−(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−N−メチル〕アミノ−1−メチルアミノ−2−ニトロエチレン22.3g、37%ホルムアルデヒド水溶液72mlを15%トヨデリンP水溶液400mlに溶解し、ホモミキサーで撹拌した。その溶液に、塩化プロピオニル36mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0048】
実施例16
1−〔N−(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−N−メチル〕アミノ−1−メチルアミノ−2−ニトロエチレン13.5gを水96.5gにホモミキサーで分散させ、ダイノミル(バッチ式、3分)で粉砕した。水175gを用いて回収した1−〔N−(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−N−メチル〕アミノ−1−メチルアミノ−2−ニトロエチレン懸濁液250gにトヨデリンP25gを溶解させ、37%ホルムアルデヒド水溶液30mlを加え、ホモミキサーで撹拌した。この溶液に、塩化プロピオニル15mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。反応液に水600mlを添加後、この溶液を入口温度100℃、出口温度50℃、アトマイザー回転数30,000rpm/min条件下、スプレードライヤーで噴霧乾燥して、マイクロカプセルを粉末として得た。
【0049】
実施例17
パダン粒剤
実施例1で得たマイクロカプセル11.3重量部(カルタップ塩酸塩4.0重量部)、アルファーデンプン3.5重量部、PAP助剤0.5重量部、85%リン酸1.5重量部、界面活性剤(NP−85)0.5重量部、粒剤用クレー82.7重量部を秤量し、ニーダーで混合後水を加えて練合した。押し出し造粒(φ1mm)後、サイジングを行い乾燥し篩過(♯10〜♯48)して、粒剤を得た。
【0050】
実施例18
パダン粒剤
実施例2で得たマイクロカプセル23.5重量部(カルタップ塩酸塩4.0重量部)、アルファーデンプン3.5重量部、PAP助剤0.5重量部、85%リン酸1.5重量部、界面活性剤(NP−85)0.5重量部、粒剤用クレー70.5重量部を秤量し、ニーダーで混合後水を加えて練合した。押し出し造粒(φ1mm)後、サイジングを行い乾燥し篩過(♯10〜♯48)して、粒剤を得た。
【0051】
実施例19
実施例3〜9で得たマイクロカプセル14.3重量部(カルタップ塩酸塩6.5重量部)、アルファーデンプン3.5重量部、PAP助剤0.5重量部、85%リン酸1.5重量部、界面活性剤(NP−85)0.5重量部、粒剤用クレー78.7重量部を秤量し、ニーダーで混合後水を加えて練合した。押し出し造粒(φ1mm)後、サイジングを行い乾燥し篩過(♯10〜♯48)して、粒剤を得た。
【0052】
実施例20
実施例10〜12で得たマイクロカプセル23.5重量部(カルタップ塩酸塩4.0重量部)、アルファーデンプン3.5重量部、PAP助剤0.5重量部、85%リン酸1.5重量部、界面活性剤(NP−85)0.5重量部、粒剤用クレー70.5重量部を秤量し、ニーダーで混合後水を加えて練合した。押し出し造粒(φ1mm)後、サイジングを行い乾燥し篩過(♯10〜♯48)して、粒剤を得た。
【0053】
参考例1
カルタップ塩酸塩0.398g、25%グルタルアルデヒド水溶液0.4mlを20%ポリビニルアルコール水溶液9.75gに溶解させ、ジオクチルスルホスクシネート0.05gを含む流動パラフィン100mlに乳化させる。30℃で撹拌しながら塩化ベンゾイル1.8mlを滴下し、さらに30分間撹拌すると、硬めのマイクロカプセルが得られる。得られたマイクロカプセルは、ガラスフィルター上において石油エーテルまたはヘキサンで洗浄し、流動パラフィンを除去する。乾燥後、0.01N塩酸水溶液で洗浄し、これを30℃で乾燥して、マイクロカプセルを得る。
【0054】
参考例2
パダン粒剤
カルタップ塩酸塩4.0重量部、アルファーデンプン3.5重量部、PAP助剤0.5重量部、85%リン酸1.5重量部、界面活性剤(NP−85)0.5重量部、粒剤用クレー90.0重量部を秤量し、ニーダーで混合後水を加えて練合した。押し出し造粒(φ1mm)後、サイジングを行い乾燥し篩過(♯10〜♯48)して、粒剤を得た。
【0055】
試験例1
取込率試験法
実施例2より得られたマイクロカプセル約500mgを正確にナス型フラスコにはかり取り、1%塩酸水溶液50mlを入れ、約120℃の油浴中で1時間還流した。放冷後、15分間超音波処理した溶液を採取し、フィルターで濾過後、農薬公定検査法記載の方法でカルタップ塩酸塩を測定し、取込率を測定した。表1に結果を示す。表1の取込率は、(実測取込量/理論含量)×100(%)で表した。
参考例1より得られたマイクロカプセルへの取込率は、流動パラフィンおよび洗浄に使った有機溶媒中にリークされているカルタップ塩酸塩は、0.01N塩酸水溶液で抽出し、洗浄に使った0.01N塩酸水溶液と同様に、農薬公定検査法記載の方法でカルタップ塩酸塩を測定し、取込率を測定した。表1に結果を示す。
表1の取込率は、
〔理論含量−(流動パラフィン+洗浄有機溶媒+洗浄0.01N塩酸水溶液にリークされた実測量)〕/理論含量×100(%)で表した。
【0056】
【表1】
Figure 0003883228
表1より、本発明のパダン・マイクロカプセルには、大量のパダンが取り込まれていることが分かった。
【0057】
試験例2
溶出試験法
0.01N塩酸水溶液100mlを入れたガラス容器に、正確にはかり取った試料を水面に均一に分散させた。一定時間経過後、溶出液を採取し、農薬公定検査法記載の方法でカルタップ塩酸塩を測定し、溶出率を測定した。表2に結果を示す。表2の溶出率は、実測溶出量/理論含量×100(%)で表した。
【0058】
【表2】
Figure 0003883228
表2より、本発明のパダン粒剤は優れた徐放効果を有していることが分かった。
【0059】
【発明の効果】
本発明の農薬組成物においては、マイクロカプセルへの農薬の取込率が高く、例えば、該マイクロカプセルを含有する粒剤は、農薬の溶出が抑制されており、長期に農薬の作用を発揮できる徐放性農薬組成物として有効である。また、本発明のマイクロカプセルを用いることによって、配合禁忌の関係にある農薬との混合製剤を提供することができる。
さらに、本発明の農薬組成物の製造法は、有機溶媒を使用する必要がなく、また水系の製造法であるにもかかわらず、農薬をマイクロカプセルに大量に取り込ませることができる。

Claims (7)

  1. カルタップ塩酸塩、1−(2−クロロ−5−チアゾリルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジンおよび1−〔N−(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−N−メチル〕アミノ−1−メチルアミノ−2−ニトロエチレンからなる群から選ばれる農薬を含有する、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびシクロデキストリン誘導体からなる群から選ばれる水可溶性多糖類をグルタルアルデヒドおよびホルムアルデヒドからなる群から選ばれる架橋剤で架橋した架橋体のマイクロカプセルであることを特徴とする農薬組成物。
  2. マイクロカプセル全量に対して、農薬が0 . 1〜80重量%含有されていることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. マイクロカプセル全量に対して、架橋体が1〜99 . 9重量%含有されていることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  4. メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびシクロデキストリン誘導体からなる群から選ばれる水可溶性多糖類の水溶液に、カルタップ塩酸塩、1−(2−クロロ−5−チアゾリルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジンおよび1−〔N−(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−N−メチル〕アミノ−1−メチルアミノ−2−ニトロエチレンからなる群から選ばれる農薬と、グルタルアルデヒドおよびホルムアルデヒドからなる群から選ばれる架橋剤とを溶解または懸濁し、架橋化反応用触媒の存在下で架橋反応を行い、得られた反応液を噴霧乾燥に付すことによって製造され得る農薬マイクロカプセル
  5. メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびシクロデキストリン誘導体からなる群から選ばれる水可溶性多糖類の水溶液に、カルタップ塩酸塩、1−(2−クロロ−5−チアゾリルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジンおよび1−〔N−(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−N−メチル〕アミノ−1−メチルアミノ−2−ニトロエチレンからなる群から選ばれる農薬と、グルタルアルデヒドおよびホルムアルデヒドからなる群から選ばれる架橋剤とを溶解または懸濁し、架橋化反応用触媒の存在下で架橋反応を行い、得られた反応液を噴霧乾燥に付してマイクロカプセルを得ることを特徴とする請求項1記載の農薬組成物の製造法
  6. 請求項1記載の農薬組成物を含有することを特徴とする農薬製剤
  7. マイクロカプセルに保持されている農薬および該農薬と配合禁忌の関係にある1種または2種以上の農薬を含有する請求項6記載の製剤
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