JP3882656B2 - ガス濃度測定方法及びガス濃度センサ - Google Patents

ガス濃度測定方法及びガス濃度センサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス濃度測定方法及びガス濃度センサに関し、特に、水素及び水蒸気が共存する燃料電池システム等の燃料ガスにおける成分濃度の測定に好適なガス濃度測定方法及びガス濃度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被測定ガス中の水蒸気濃度(水蒸気分圧)を検出する方法として、特開2000−028577号公報,特開平10−221300号公報,特開平9−288085号公報,特開平6−148130号公報に開示されるように、酸素イオン伝導性固体電解質の内外に設けた電極間に電圧を印加して水分分解させたときの酸素ポンプ電流に基づいて、水蒸気濃度(水蒸気分圧)を検出する方法があった。
【0003】
また、特開2001−050933号公報,特開平11−002616号公報,特開平10−284108号公報に開示されるように、プロトン(水素イオン)伝導性固体電解質を用い、基準ガスにおける基準水蒸気濃度と被測定ガス中の水蒸気濃度との違いに基づいて、水蒸気濃度(水蒸気分圧)を検出する方法があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記酸素イオン伝導性固体電解質を用いる水蒸気濃度の測定方法では、被測定ガス中の可燃性ガス濃度が変化すると、酸素濃度の検出特性や水分の分解特性が変化し、特に被測定ガス中に水素が共存する場合には、水素の拡散速度が他の成分ガスよりも速いため、水素の濃度変化の影響を受けて測定精度が悪化するという問題があった。
【0005】
また、プロトン(水素イオン)伝導性固体電解質を用いて水蒸気濃度を測定する場合も、被測定ガス中に含まれる水素の影響を受けて測定精度が悪化するという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、被測定ガス中の可燃性ガス(特に水素)の濃度変化に大きく影響されることなく、水蒸気濃度を測定することが可能なガス濃度測定方法及びガス濃度センサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に係るガス濃度測定方法では、被測定ガス中に含まれる水素を外部からの酸素の供給によって酸化させた後、被測定ガス中に含まれる水分を分解し、水素の酸化のために被測定ガス中に供給した酸素量と、水分分解後の被測定ガス中の酸素量及び/又は水素量とから、前記被測定ガス中に含まれる水分の濃度を算出する構成とした。
【0007】
上記構成によると、水素の酸化のために被測定ガス中に供給した酸素量は水素量に相関し、水分分解後の被測定ガス中の酸素量及び/又は水素量は、元々被測定ガス中に含まれていた水分(水蒸気)と酸化によって生成された水分との総和に相関するから、両者の差として元々被測定ガス中に含まれていた水分(水蒸気)の濃度を測定することが可能である。
【0009】
一方、請求項に係るガス濃度センサは、イオン伝導性固体電解質によって外部空間と隔成される空室を有すると共に、前記イオン伝導性固体電解質を介して外部空間から空室内に酸素を供給して、被測定ガス中に含まれる水素を酸化させるガス酸化手段と、該酸化後に被測定ガス中に含まれる水分を分解する水分分解手段と、前記水分の分解で生成された酸素を、前記イオン伝導性固体電解質を介して外部空間に汲み出す酸素汲み出し手段と、前記水分の分解で生成された水素を、前記イオン伝導性固体電解質を介して外部空間に汲み出す水素汲み出し手段と、を有し、前記ガス酸化手段で供給した酸素量と、前記酸素汲み出し手段で汲み出された酸素量及び/又は水素汲み出し手段で汲み出された水素量とから、前記被測定ガス中に含まれる水分の濃度を算出する構成とした。
【0010】
上記構成によると、被測定ガス中に含まれる水素を、イオン伝導性固体電解質を介したポンピング作用によって外部から供給される酸素によって酸化させた後、被測定ガス中に含まれる水分を分解し、該分解で生成された酸素及び水素を、イオン伝導性固体電解質を介したポンピング作用によって外部に汲み出す。
【0011】
ここで、水素の酸化のために外部から供給した酸素量は水素量に相関し、水分分解で生成されて外部に汲み出した酸素量及び/又は水素量は、元々被測定ガス中に含まれていた水分(水蒸気)と酸化によって生成された水分との総和に相関するから、両者の差として元々被測定ガス中に含まれていた水分(水蒸気)の濃度を測定することが可能である。
【0012】
尚、酸素汲み出し手段は、電位の供給によって酸素イオンの汲み出しを行うものであり、水分分解に必要な電位を印加する構成とすることで、酸素汲み出し手段が水分分解手段を兼ねる構成とすることができる。請求項記載の発明では、酸素汲み出し手段及び水素汲み出し手段を、空室の最深部に形成する構成とした。
【0013】
上記構成によると、空室の最深部において被測定ガス中の酸素及び水素の外部への汲み出しが行われることで、空室の最深部が減圧されることになる。請求項記載の発明では、前記空室として、第1ガス拡散律速部を介して外部空間から被測定ガスを導入する空室であって、ガス酸化手段が形成される第1空室と、この第1空室に対して第2ガス拡散律速部を介して連通する空室であって、水分分解手段,酸素汲み出し手段及び水素汲み出し手段が形成される第2空室とを備える構成とした。
【0014】
上記構成によると、第1空室には、第1ガス拡散律速部を介して外部空間から被測定ガスが導入され、該第1空室で酸化された被測定ガスは、第2ガス拡散律速部を介して第2空室に導入され、センサ素子の最深部である第2空室において、水分分解及び酸素・水素の汲み出しが行われる。請求項記載の発明では、前記ガス酸化手段が、前記第1空室中の酸素濃度を検出する第1酸素濃度検出手段を含んで構成され、前記第1空室内への酸素の供給量を、前記第1酸素濃度検出手段により検出される酸素濃度に基づいて制御する構成とした。
【0015】
上記構成によると、第1空室内の酸素濃度を測定し、該測定結果に基づいて外部から第1空室に供給する酸素量を制御することで、供給酸素量を、水素の完全酸化に必要な量に制御する。請求項記載の発明では、前記酸素汲み出し手段が、前記第2空室中の酸素濃度を検出する第2酸素濃度検出手段を含んで構成され、前記第2空室からの酸素の汲み出し量を、前記第2酸素濃度検出手段により検出される酸素濃度に基づいて制御する構成とした。
【0016】
上記構成によると、第2空室内の酸素濃度を測定し、該測定結果に基づいて、水分分解で生成された酸素の汲み出しが制御される。請求項記載の発明では、前記酸素汲み出し手段が、前記第1空室中の酸素濃度と第2空室中の酸素濃度とが同じになるように、酸素の汲み出しを制御する構成とした。
【0017】
上記構成によると、水素の酸化を行うことで水素の濃度測定を行う第1空室の酸素濃度と、水分分解を行うと共に該水分分解で生成された酸素・水素の汲み出しを行って水分濃度の測定を行う第2空室の酸素濃度が同じになるように、第2空室からの酸素の汲み出しが制御される。請求項記載の発明では、前記水素汲み出し手段が、前記酸素汲み出し手段による酸素の汲み出し量に応じて水素の汲み出しを制御する構成とした。
【0018】
上記構成によると、酸素については第2空室内の酸素濃度に基づいてその汲み出しが制御されるが、水素については、水素濃度を計測することなく、酸素イオンの汲み出し量に応じて制御される。
【0020】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、水素を酸化してから、水分分解を行わせるから、水素が水分の分解特性や水分分解後の酸素濃度の検出特性に影響を与えることを回避でき、かつ、水素の酸化に必要とした酸素量から水素濃度を検出することが可能であるので、被測定ガス中に元々含まれていた水分濃度を精度良く検出することが可能であるという効果がある。
【0021】
請求項2記載の発明によると、イオン伝導性固体電解質を介した外部からの酸素の供給によって水素を酸化させることで、酸素供給量から水素の濃度を測定できると共に、水素がその後の水分分解特性や水分分解後の酸素濃度の検出特性に影響を与えることを回避でき、また、水分分解後にイオン伝導性固体電解質を介して外部に汲み出される酸素量及び/又は水素量から、水素の酸化によって生成された水分を含む水分濃度を測定でき、結果、被測定ガス中に元々含まれていた水分濃度を精度良く検出することが可能であるという効果がある。
【0022】
請求項記載の発明によると、空室の最深部で酸素・水素の汲み出しが行われることで、最深部が減圧され、以って、被測定ガスの導入部から最深部までのガス拡散速度が加速され、ガス濃度測定の応答性を向上させることができるという効果がある。請求項記載の発明によると、ガス拡散律速部を介して、水素の酸化を行わせる空室と、水分分解を行わせる空室とをそれぞれ独立に設けることで、ガス酸化作用及び水分分解作用をそれぞれ確実に働かせ、かつ、相互の干渉を低減させることができるという効果がある。
【0023】
請求項記載の発明によると、水素の酸化を行わせる第1空室内の酸素濃度に応じて、外部から供給する酸素量を制御することで、水素の完全酸化に必要な酸素を過不足なく供給して、供給酸素量から被測定ガス中の水素の濃度を精度良く測定できるという効果がある。請求項記載の発明によると、水分分解後の酸素・水素の汲み出しを第2空室において行わせるときに、第2空室内の酸素濃度に基づいて汲み出しを制御することで、汲み出し動作を正確かつ安定的に行わせることができるという効果がある。
【0024】
請求項記載の発明によると、第1空室と第2空室の酸素濃度が同じになるように制御することで、両空室間の酸素濃度差による干渉影響を排除でき、高い濃度測定精度を得られるという効果がある。請求項記載の発明によると、第2空室内の水素濃度を測定することなく、第2空室からの水素の汲み出し量を最適に制御することができるという効果がある。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1,2はガス濃度センサのセンサ構造を示すものである。
但し、図面に示すセンサ構造は、実際のセンサの寸法関係を正確に示すものではなく、構成及び作用を解り易く説明するためのものである。
【0027】
図1において、センサ素子本体10は、センサ素子保持部16によって大気側と隔絶されると共に、被測定ガス中に晒されるように配置される。
尚、前記センサ素子本体10の外周を、被測定ガスが流入可能なセンサ素子保護部材(カバー部材)によって覆うようにしても良い。
前記センサ素子本体10は、セラミックス体11,12,13,14,15を積層して構成され、セラミックス体15には、ヒータ線15aが埋設されている。
【0028】
セラミックス体11,13は、共にイオン伝導性固体電解質で形成され、セラミックス体11がプロトン(水素イオン)を、セラミックス体13が酸素イオンを、それぞれ選択的に透過できる特性を有するイオン伝導性固体電解質体である。
セラミックス体11(プロトン伝導性固体電解質体)とセラミックス体13(酸素イオン伝導性固体電解質体)との間には、第1ガス拡散律速部12x、第1空室12a、第2ガス拡散律速部12y、第2空室12bが形成されており、第1ガス拡散律速部12xを介して第1空室12aに導入された被測定ガスは、更に、第2ガス拡散律速部12yを介して第2空室12bに導入されるようになっている。
【0029】
また、セラミックス体13とセラミックス体15との間には、大気側と連通する大気室14aが形成されている。
前記セラミックス体13の第1空室12aを構成する部分の大気室14a側には、多孔質白金電極13dが密着して設けられ、また、第1空室12a側には、多孔質白金電極13c及び多孔質白金電極13eが密着して設けられる。
【0030】
前記多孔質白金電極13d及び多孔質白金電極13cは、大気側から酸素を第1空室12a内に供給してガス酸化を行うためのポンピング用電極対を構成し、第1ポンピング手段20aに接続される。
また、前記多孔質白金電極13d及び多孔質白金電極13eは、第1空室12a内の酸素濃度検知のためのセンシング用電極対を構成し、第1センシング手段20b(第1酸素濃度検出手段)に接続されている。
【0031】
更に、前記セラミックス体13の第2空室12bを構成する部分の大気室14a側には、多孔質白金電極13bが密着して設けられ、また、第2空室12b側には、多孔質白金電極13aが密着して設けられる。
前記多孔質白金電極13b及び多孔質白金電極13aは、第1空室12aで酸化された後、第2空室12bに流入した水分(H2O)を分解して酸素イオンを大気側に汲み出すためのポンピング用電極対を構成し、第2ポンピング手段30aに接続されている。
【0032】
尚、大気室14a側に面した多孔質白金電極13b,13dを共通化しても良い。
一方、セラミックス体11の第2空室12bを構成する部分の外部被測定ガス雰囲気側には、多孔質白金電極11bが密着して設けられ、また、第2空室12b側には、多孔質白金電極11aが密着して設けられる。
【0033】
前記多孔質白金電極11b及び多孔質白金電極11aは、前記多孔質白金電極13aでの水分分解で生成される水素を分解して、水素イオンを外部の被測定ガス中に汲み出すためのポンピング用電極対を構成し、第3ポンピング手段40aに接続されている。
上記構成のガス濃度センサの作用を以下に説明する。
【0034】
まず、第1空室12a内の作用について説明する。
前記第1センシング手段20b及び第1ポンピング手段20aを含んで構成される酸素供給手段20(ガス酸化手段)においては、第1センシング手段20bで検出される起電力V1に応じて第1ポンピング手段20aをフィードバック制御する。
【0035】
前記起電力V1は、一般には次式で求められる。
V1=RT/4F・ln(PA(O2)/PB(O2))
上式において、Rは気体定数,Tは気体温度(絶対温度),Fはファラデー定数,PA(O2)は被測定ガス中の酸素分圧,PB(O2)は基準気体中の酸素分圧である。
【0036】
ここで、本実施形態では、PA(O2)は第1空室12a内の酸素分圧で、PB(O2)は大気室14a内の酸素分圧となり、起電力V1から第1空室12a内の酸素分圧(濃度)を知ることができる。そして、前記起電力V1が所定の値(一定の酸素分圧)になるように第1ポンピング手段20aを制御して、第1空室12a内に大気側から酸素を供給するようにすれば、このときの第1ポンピング電流A1から、被測定ガス中の可燃性ガス(水素)を完全酸化させるのに必要とした供給酸素量が求められ、この供給酸素量は、被測定ガス中の可燃性ガス(水素)分圧(濃度)と比例関係になる。
【0037】
第1空室12a内では、次式に示されるような反応が生じることになる。
m(H2)+n(O2)+b(O2)→m(H2O)+b(O2
ここで、m(H2)は、第1ガス拡散律速部12xから第1空室12a内に導入した水素量で、n(O2)は、水素を完全酸化させるのに必要とした供給酸素量で、n(O2)=m(H2)/2の関係にある。
【0038】
また、m(H2O)は、上式の酸化反応において生成される水分量で、b(O2)は、第1空室12a内のベースとなる酸素分圧であって、第1空室12a内を常に酸化雰囲気にするため、1/108〜1/103atmの範囲とすることが好ましい。
即ち、被測定ガス中の水素分圧(濃度)PH2と、第1ポンピング手段20aで測定される第1ポンピング電流A1との関係を予め求めておけば、この第1ポンピング電流A1から被測定ガス中の水素分圧(濃度)PH2が求められることになる。
【0039】
次に、第2空室12b内の作用について説明する。
前記第2ポンピング手段30aを含んで構成される酸素汲み出し手段30は、水分分解手段を兼ね、水分を電気分解するに必要な電位が供給された多孔質白金電極13aにて、下式に示す水分分解を生じさせる。
【0040】
【数1】
Figure 0003882656
【0041】
上記の水分分解で発生した酸素イオンは、セラミックス体13(酸素イオン伝導性固体電解質体)中を透過し、多孔質白金電極13bにて酸素となって、大気室14a側に汲み出されることになる。
このとき汲み出される酸素イオン量[m+α]は、酸素供給手段20により可燃性ガス(水素)の酸化のために供給された分m(被測定ガス中に元々含まれていた水素ガス量に比例する量)に、被測定ガス中に元々水分として含まれていた分αを加算した量であり、第2ポンピング手段30aの第2ポンピング電流A2として検知される。
【0042】
また、前記第3ポンピング手段40aを含んで構成される水素汲み出し手段40は、前記水分分解で同時に発生した水素を第2空室12bから汲み出す。
前記水分分解で同時に発生した水素は、水素をイオン化(プロトン)するに必要な電位が与えられた多孔質白金電極11aにて、下式に示すイオン化反応が起きることで、水素イオン(プロトン)に変換される。
【0043】
【数2】
Figure 0003882656
【0044】
そして、前記水素イオン(プロトン)は、セラミックス体11(プロトン伝導性固体電解質体)中を透過し、多孔質白金電極11bにて再び水素となり、センサ素子外部(被測定ガス中)に汲み出される。
この汲み出される水素イオン量[m+α]は、被測定ガス中に元々含まれていた水素ガス量分mに、被測定ガス中に元々水分として含まれていた分αを加算した量であり、その合計が第3ポンピング手段40aの第3ポンピング電流A3として検知される。
【0045】
以上から明らかなように、被測定ガス中の水素分圧(濃度)PH2に依存するmが、第1ポンピング電流A1から求められ、被測定ガス中の水素分圧(濃度)PH2と被測定ガス中の水蒸気分圧(濃度)PH2Oとの合計に依存するm+αが第2ポンピング電流A2或いは第3ポンピング電流A3から求められる。
即ち、第1ポンピング電流A1と第2ポンピング電流A2及び/又は第3ポンピング電流A3によって、被測定ガス中の水素分圧(濃度)と被測定ガス中の水蒸気分圧(濃度)とが求められる。
【0046】
更には、被測定ガスの全圧を1として変化がなく一定であれば、水素、水蒸気以外の第3成分ガス分圧(濃度)Pxは、
Px=1−(PH2+PH2O)
として、簡単に求めることができる。
次に、第2の実施形態を図3,図4に基づいて説明する。
【0047】
尚、図1,2に示した第1の実施形態と同一構成及び作用の部位については、同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図3,図4に示される第2の実施形態は、第1の実施形態の構成に対して第2センシング手段30b(第2酸素濃度検出手段)を付加したものである。
前記第2センシング手段30bは、第2空室12b内に面したセラミックス体13(酸素イオン伝導性固体電解質体)に多孔質白金電極13fを密着して形成し、多孔質白金電極13bとの組み合わせによって、第2空室12b内の酸素分圧(濃度)を検知する構成であり、その検知原理は、前述の第1センシング手段20bと同様である。
【0048】
この第2センシング手段30bによって検出される起電力V2は、酸素汲み出し手段30及び/又は水素汲み出し手段40のフィードバック制御量として与えられ、これによって、酸素汲み出し手段30及び/又は水素汲み出し手段40を、より正確にかつより安定に動作させることができる。
特に、上記フィードバック制御において、第1空室12aと第2空室12bの酸素分圧を同一とするように制御すると、両空室間の酸素分圧の差による干渉影響を排除することができる。
【0049】
また、上記第1及び第2の実施形態において、第2空室12bからの水素及び酸素の汲み出しは、水分分解によって生成された水素・酸素を汲み出すもので、水素汲み出し量は酸素汲み出し量と同じであることから、水素汲み出しを酸素汲み出し量に応じて制御するように構成することで、水素濃度を検出することなく、水素汲み出し制御をより安定化できる。
【0050】
また、水素汲み出し手段40及び酸素汲み出し手段30を、センサ素子10内部の最深部に形成させることで、第1ガス拡散律速部12xから第2空室12bまでのガス拡散速度を加速でき、ガス濃度検出の応答性を格段に向上させることができる。
図5は、本発明に係るガス濃度センサ100を、純水素型燃料電池システム200に適用した例を示すものである。
【0051】
この図5において、燃料電池セル210のカソード側211に酸素(空気などの酸化剤)が供給され、アノード側212に水素(燃料)が供給され、電解質213を介した酸素と水素の反応によって発生する電気エネルギーを外部(負荷300)に取り出すよう構成される。
この他、エゼクタ214,加湿器215,圧力センサ216,水分分離器217,パージ制御器218が設けられ、燃料電池セル210で消費されなかった水素(燃料)は、エゼクタ214によって循環されるようになっており、ガス濃度センサ100は、加湿器215とアノード側212との間に配置される。
【0052】
この循環水素燃料は、カソード側211からアノード側212に透過してくる窒素等の不純物によって徐々にその実質水素濃度(水素量)が低下し、これによって、燃料電池セル210から取り出せる電気エネルギーが低下してしまうことから、所定の制御タイミングで循環水素をパージ制御器218によりパージさせるようになっている。
【0053】
係る純水素型燃料電池システム200に本発明のガス濃度センサ100を適用すれば、実際に燃料電池セル210に供給される燃料中の不純物である窒素濃度(第3成分濃度)を高応答に測定できることから、前述の循環水素のパージ制御を最適に行わせることができる。
更に、圧力センサ216の信号、或いは、図示しない新規供給燃料量の信号と、ガス濃度センサ100で検出できる水素濃度を用いれば、燃料電池セル210から取り出せる電気エネルギー量を算出することができ、燃料電池システム制御に有効なセンサとなり得る。
【0054】
また、ガス濃度センサ100による水蒸気濃度の検出結果に応じて、加湿器215を制御する用途もある。
尚、図5に示す例では、燃料電池セル210の入り口側にガス濃度センサ100を取りつけた例で説明したが、出口側あるいは両方に取りつける構成としても良く、また、改質型燃料電池システムなど、その他いろいろな用途に本発明のガス濃度センサ100を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のセンサ素子構造を示す断面図。
【図2】第1の実施形態の構成及び作用を説明するためのシステム概略図。
【図3】第2の実施形態のセンサ素子構造を示す断面図。
【図4】第2の実施形態の構成及び作用を説明するためのシステム概略図。
【図5】本発明に係るガス濃度センサを適用した純水素型燃料電池システムを示すシステム構成図。
10…センサ本体
11…セラミックス体(プロトン伝導性固体電解質体)
12a…第1空室
12b…第2空室
12x…第1ガス拡散律速部
12y…第2ガス拡散律速部
13…セラミックス体(酸素イオン伝導性固体電解質体)
20…酸素供給手段(ガス酸化手段)
20a…第1ポンピング手段
20b…第1センシング手段(第1酸素濃度検出手段)
30…酸素汲み出し手段
30a…第2ポンピング手段
30b…第2センシング手段(第2酸素濃度検出手段)
40…水素汲み出し手段
40a…第3ポンピング手段

Claims (8)

  1. 被測定ガス中に含まれる水素を外部からの酸素の供給によって酸化させ、該酸化後に被測定ガス中に含まれる水分を分解し、前記水素の酸化のために被測定ガス中に供給した酸素量と、前記水分分解後の被測定ガス中の酸素量及び/又は水素量とから、前記被測定ガス中に含まれる水分の濃度を算出することを特徴とするガス濃度測定方法。
  2. イオン伝導性固体電解質によって外部空間と隔成される空室を有し、前記空室に外部空間から導入される被測定ガス中の測定対象成分ガス濃度を測定するガス濃度センサであって、前記イオン伝導性固体電解質を介して外部空間から空室内に酸素を供給して、被測定ガス中に含まれる水素を酸化させるガス酸化手段と、該酸化後に被測定ガス中に含まれる水分を分解する水分分解手段と、前記水分の分解で生成された酸素を、前記イオン伝導性固体電解質を介して外部空間に汲み出す酸素汲み出し手段と、前記水分の分解で生成された水素を、前記イオン伝導性固体電解質を介して外部空間に汲み出す水素汲み出し手段と、を有し、前記ガス酸化手段で供給した酸素量と、前記酸素汲み出し手段で汲み出された酸素量及び/又は水素汲み出し手段で汲み出された水素量とから、前記被測定ガス中に含まれる水分の濃度を算出することを特徴とするガス濃度センサ。
  3. 前記酸素汲み出し手段及び水素汲み出し手段を、前記空室の最深部に形成したことを特徴とする請求項記載のガス濃度センサ。
  4. 前記空室として、第1ガス拡散律速部を介して外部空間から被測定ガスを導入する空室であって、前記ガス酸化手段が形成される第1空室と、該第1空室に対して第2ガス拡散律速部を介して連通する空室であって、前記水分分解手段,酸素汲み出し手段及び水素汲み出し手段が形成される第2空室とを備えることを特徴とする請求項記載のガス濃度センサ。
  5. 前記ガス酸化手段が、前記第1空室中の酸素濃度を検出する第1酸素濃度検出手段を含んで構成され、前記第1空室内への酸素の供給量を、前記第1酸素濃度検出手段により検出される酸素濃度に基づいて制御することを特徴とする請求項記載のガス濃度センサ。
  6. 前記酸素汲み出し手段が、前記第2空室中の酸素濃度を検出する第2酸素濃度検出手段を含んで構成され、前記第2空室からの酸素の汲み出し量を、前記第2酸素濃度検出手段により検出される酸素濃度に基づいて制御することを特徴とする請求項4又は5記載のガス濃度センサ。
  7. 前記酸素汲み出し手段が、前記第1空室中の酸素濃度と第2空室中の酸素濃度とが同じになるように、酸素の汲み出しを制御することを特徴とする請求項記載のガス濃度センサ。
  8. 前記水素汲み出し手段が、前記酸素汲み出し手段による酸素の汲み出し量に応じて水素の汲み出しを制御することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つに記載のガス濃度センサ。
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