JP3882610B2 - 物探索システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品や自動車等の物探索システム及び物探索方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、部屋の中に置いた物品を探し出したい場合、その物品が部屋の中のどこにあるのか、どこへ置いたのか忘れたりして不明となっていることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のようにどこにあるのか不明になっている物品を探し出す時間は、無駄な時間であり、無駄な労力を費やす時間となっている。このような日常の細々とした物品を探し出す時間は人間の生活時間に対してかなり多いと思われる。よって、このようなことを解消するに必要なシステムが、人間の生活の効率化のために要請される。
【0004】
そこで、本発明は、以上のような要請に応えるべく、区画空間領域内に分散して置かれた複数の物に付してなる各電子タグに対し問いかけをしこの問いかけに対する応答に基づき探索物の位置を探索するようにした物探索システム及び物探索方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決にあたり、請求項1に記載の発明では、複数の区画空間領域(A乃至F)内に一区画空間領域毎に分散して配置され、かつ、一区画空間領域毎に分散して置かれた複数の物(10乃至60)の各々に付されて当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)の各々と通信する複数の固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)と、複数の区画空間領域のうち一区画空間領域内に配設されたデータ制御装置(G)とを備え、複数の固定通信装置の各々は、指向性アンテナを備えて通信を行うようになっており、データ制御装置は、複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の少なくとも一固定通信装置を通してその対応の区画空間領域内の各電子タグに問いかけ信号を送信する問いかけ信号送信手段(410、411、412、413)と、この問いかけ信号送信手段の送信に対し、複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の少なくとも一固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定する応答判定手段(420、421、430)と、この応答判定手段による含まれているとの判定に基づき、探索物のある区画空間領域内の少なくとも一固定通信装置の出力を調整して当該固定通信装置の出力とその角度依存性とから当該固定通信装置と探索物との距離を算出し、探索物の存在する位置範囲を報知する報知手段(444、445、120)とを備える。
【0006】
これにより、複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内に分散して置かれた複数の物に付してなる各電子タグに対し問いかけ送信信号でもって問いかけをしこの問いかけに対する応答に基づき探索物の存在する位置範囲を報知することとなり、その結果、探索物の探索を短時間にて効率よく行える。
【0007】
また、請求項2に記載の発明に係る物探索システムでは、複数の区画空間領域(A乃至F)内に一区画空間領域毎に分散して配置され、かつ、一区画空間領域毎に分散して置かれた複数の物(10乃至60)の各々に付されて当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)の各々と通信する複数の固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)と、複数の区画空間領域のうち一区画空間領域内に配設されたデータ制御装置(G)とを備え、複数の固定通信装置の各々は、指向性アンテナを備えて通信を行うようになっており、データ制御装置は、複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の各固定通信装置のうち一固定通信装置でもって当該一区画空間領域内全体を探索可能か否かを判定する区画空間領域判定手段(410)と、この区画空間領域判定手段が一固定通信装置でもって当該一区画空間領域内全体を探索可能と判定したとき、当該一固定通信装置を通してその対応の区画空間領域内の各電子タグに問いかけ信号を送信し、また区画空間領域判定手段が一固定通信装置でもって当該一区画空間領域内全体を探索不可能と判定したとき、複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の複数の固定通信装置を通して各電子タグに問いかけ信号を送信する問いかけ信号送信手段(411、412、413)と、この問いかけ信号送信手段の送信に対し、複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の一固定通信装置或いは複数の固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定する応答判定手段(420、421、430)と、この応答判定手段による含まれているとの判定に基づき、探索物のある区画空間領域内の一固定通信装置或いは複数の固定通信装置の出力を調整して当該一固定通信装置或いは複数の固定通信装置の出力とその角度依存性とから当該一固定通信装置或いは複数の固定通信装置と探索物との距離を算出し、探索物の存在する位置範囲を報知する報知手段(440乃至445、120)とを備える。
【0008】
これによっても、請求項1に記載の発明の作用効果をより一層確実に達成できる。
【0009】
さらに、請求項3に記載の発明に係る物探索システムでは、複数の区画空間領域(A乃至F)内に一区画空間領域毎に分散して配置され、かつ、一区画空間領域毎に分散して置かれた複数の物(10乃至60)の各々に付されて当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)の各々と通信する複数の固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)と、複数の区画空間領域のうち一区画空間領域内に配設されたデータ制御装置(G)とを備え、複数の固定通信装置の各々は、指向性アンテナを備えて通信を行うようになっており、データ制御装置は、複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の複数の固定通信装置を通してその対応の区画空間領域内の各電子タグに問いかけ信号を送信する問いかけ信号送信手段(410、411、412、413)と、この問いかけ信号送信手段の送信に対し、複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の複数の固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定する応答判定手段(420、421、430)と、この応答判定手段による含まれているとの判定に基づき、探索物のある区画空間領域内の複数の固定通信装置の出力を固定通信装置毎に調整して当該固定通信装置毎の出力とその角度依存性とから複数の固定通信装置と探索物との距離を固定通信装置毎に算出し、この算出された固定通信装置毎の距離に基づき探索物の存在する位置を求めるとともに、この求められた位置を報知する報知手段(444、445、120)とを備える。
【0010】
これにより、探索物の存在する位置を報知することとなり、その結果、探索物の探索を、請求項1に記載の発明に比べてより短時間にて効率よく行える。
【0011】
ここで、請求項4に記載の発明のように、報知手段は、電子タグの応答を停止させるように複数の固定通信装置の出力を固定通信装置毎に小さくするように調整する手段(4443)と、固定通信装置毎の出力の調整に基づき電子タグが応答を停止したとき、調整された出力を固定通信装置毎に記憶する手段(4444)と、記憶された固定通信装置毎の出力とその角度依存性とから複数の固定通信装置と探索物との距離を固定通信装置毎に算出する手段(4446)と、算出された固定通信装置毎の距離に基づき探索物の存在する位置を求める手段(4448)と、求められた探索物の存在する位置を報知する手段(445、120)とを備えるように構成することが好ましい。
【0012】
また、請求項5に記載の発明のように、報知手段は、電子タグの応答を開始させるように複数の固定通信装置の出力を固定通信装置毎に大きくするように調整する手段と、固定通信装置毎の出力の調整に基づき電子タグが応答を開始したとき、調整された出力を固定通信装置毎に記憶する手段と、記憶された固定通信装置毎の出力とその角度依存性とから複数の固定通信装置と探索物との距離を固定通信装置毎に算出する手段と、算出された固定通信装置毎の距離に基づき探索物の存在する位置を求める手段と、求められた探索物の存在する位置を報知する手段とを備えるように構成してもよい。
【0013】
また、請求項6に記載の発明では、請求項1又は2に記載の物探索システムにおいて、データ制御装置は、探索物の探索は複数の区画空間領域の一つを対象とするか否かを決定する決定手段(340)を備えて、この決定手段が複数の区画空間領域の一つを対象とすると決定したとき、応答判定手段による判定、問いかけ信号送信手段による送信及び報知手段による報知を、決定区画空間領域を対象として行うことを特徴とする。
【0014】
これにより、探索物の存在する区画空間領域が予測できるとき、当該区画空間領域を探索の対象として決定し、この区画空間領域に限って探索物の探索を行う。その結果、請求項1又は2に記載の発明の作用効果をより一層向上できる。
【0015】
請求項7に記載の発明に記載の物探索システムにおいて、データ制御装置は、通信ネットワークを介して通信する手段(912、911a)を有し、各電子タグには、それぞれ、タグ情報として、通信ネットワークのアドレスが書き込まれていれば、通信ネットワークを介してデータ制御装置に通信して物の探索を行う上で好適である。
【0016】
また、請求項8に記載の発明に係る物探索方法では、複数の区画空間領域(A乃至F)内に一区画空間領域毎に複数の物(10乃至60)を分散して置くとともにこれら複数の物の各々に当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)を付し、かつ、複数の区画空間領域内に一区画空間領域毎に指向性アンテナを備えて電子タグと通信する複数の固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)を分散して配置して、複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の少なくとも一固定通信装置を通してその対応の区画空間領域内の各電子タグに問いかけ信号を送信し、この送信に対し、複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の少なくとも一固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定し、この判定が含まれているとの判定のとき探索物のある区画空間領域内の少なくとも一固定通信装置の出力を調整して当該固定通信装置の出力とその角度依存性とから当該固定通信装置と探索物との距離を算出し、探索物の存在する位置範囲を報知する。
【0017】
これにより、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を達成し得る物探索方法の提供が可能となる。
【0018】
また、請求項9に記載の発明に係る物探索方法では、区画空間領域(A乃至F)内に複数の物(10乃至60)を分散して置くとともにこれら複数の物の各々に当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)を付し、かつ、区画空間領域内に指向性アンテナを備えて電子タグと通信する少なくとも一つの固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)を分散して配置して、少なくとも一固定通信装置を通して各電子タグに問いかけ信号を送信し、この送信に対し、少なくとも一固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定し、この判定が含まれているとの判定のとき少なくとも一固定通信装置の出力を調整して当該固定通信装置の出力とその角度依存性とから当該固定通信装置と探索物との距離を算出し、探索物の存在する位置範囲を報知する。
【0019】
このように、区画空間領域が一つの場合でも、請求項4に記載の発明と実質的に同様の作用効果を達成できる。
【0020】
請求項10に記載の発明に係る物探索方法では、区画空間領域(A乃至F)内に複数の物(10乃至60)を分散して置くとともにこれら複数の物の各々に当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)を付し、かつ、区画空間領域内に指向性アンテナを備えて電子タグと通信する複数の固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)を分散して配置して、複数の固定通信装置を通して各電子タグに問いかけ信号を送信し、この送信に対し、複数の固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定し、この判定が含まれているとの判定のとき複数の固定通信装置の出力を調整して当該固定通信装置毎の出力とその角度依存性とから当該固定通信装置と探索物との距離を固定通信装置毎に算出し、この算出された固定通信装置毎の距離に基づき探索物の存在する位置を求めるとともに、この求められた探索物の存在する位置を報知するようにする。
【0021】
これにより、探索物の存在する位置を求めるとともに、この求められた探索物の存在する位置を報知するため、請求項3に記載の発明と実質的に同様の作用効果を達成できる。
【0022】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する各実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明に係る物品探索システムが、住居内に設けた複数の部屋A乃至Fに適用された例を示している。ここで、部屋B内の床面には、携帯電話10が図1の図示略中央に置かれている。部屋C内の棚上には、衣類20が図1にて図示位置に置かれている。部屋D内床面上には、ビデオカセット30が図1にて図示位置に置かれている。部屋E内の床面上には、書籍40、DVD/CDセット50及び書籍60が、それぞれ、図1の図示各位置に置かれている。
【0024】
本実施形態では、携帯電話10、衣類20、ビデオカセット30、書籍40、DVD/CDセット50及び書籍60には、それぞれ、各電子タグT10、T20、T30、T40、T50、T60が付されている。電子タグT10には、携帯電話10を特定する識別コードがタグ情報として記憶されている。同様に、各電子タグT20、T30、T40、T50、T60には、衣類20、ビデオカセット30、書籍40、DVD/CDセット50及び書籍60を特定する各識別コードがそれぞれ各タグ情報として記憶されている。なお、以下、携帯電話10、衣類20、ビデオカセット30、書籍40、DVD/CDセット50及び書籍60は、それぞれ、物品10乃至60ともいう。また、各電子タグT20、T30、T40、T50、T60は、無線アンテナa(図2参照)を介して、送受信を行う。
【0025】
当該物品探索システムは、図1にて示すごとく、複数の電灯型固定通信装置A1、A2、B1、C1、D1、E1、E2、F1を備えている。各固定通信装置A1及びA2は、部屋Aの天井の中央に間隔をおいて支持される各電灯(図示しない)に設けられている。固定通信装置B1は、部屋Bの天井の中央に支持される電灯(図示しない)に付設されている。
【0026】
固定通信装置C1は、部屋Cの天井の中央に支持される電灯(図示しない)に付設されている。固定通信装置D1は、部屋Dの天井の中央に支持される電灯(図示しない)に付設されている。各固定通信装置E1及びE2は、部屋Eの天井の中央に間隔をおいて支持される各電灯(図示しない)に付設されている。固定通信装置F1は、部屋Fの天井の中央に支持される電灯(図示しない)に付設されている。
【0027】
また、当該物品探索システムは、図1にて示すごとく、複数のコンセント型固定通信装置a1乃至a3、b1、b2、c1、c2、d1乃至d5、e1乃至e6、f1乃至f3を備えている。各固定通信装置a1乃至a3は、部屋Aの内壁に図1にて図示各位置に設けた各電源コンセント(図示しない)に付設されている。各固定通信装置b1、b2は、部屋Bの内壁に図1にて図示各位置に設けた各電源コンセント(図示しない)に付設されている。
【0028】
各固定通信装置c1、c2は、部屋Cの内壁に図1にて図示各位置に設けた各電源コンセント(図示しない)に付設されている。各固定通信装置d1乃至d5は、部屋Dの内壁に図1にて図示各位置に設けた各電源コンセント(図示しない)に付設されている。各固定通信装置e1乃至e6は、部屋Eの内壁に図1にて図示各位置に設けた各電源コンセント(図示しない)に付設されている。各固定通信装置f1乃至f3は、部屋Fの内壁に図1にて図示各位置に設けた各電源コンセント(図示しない)に付設されている。
【0029】
固定通信装置A1は、図3にて示すごとく、電源回路70、外部通信機80及び通信回路90を備えている。この固定通信装置A1においては、電源回路70は、対応の上記電灯の電源から給電されて外部通信機80及び通信回路90に給電する。通信回路90は、無指向アンテナ、送受信部、コンピュータ等から構成されて、電子タグT20〜T60のうち1つの電子タグと無線通信する。また、通信回路90は、その送信データを外部通信機80を介し無線送信し、外部通信機80を通し受信データを無線受信する。
【0030】
残りの各固定通信装置A2、B1、C1、D1、E1、E2、F1、a1乃至a3、b1、b2、c1、c2、d1乃至d5、e1乃至e6、f1乃至f3も、固定通信装置A1と実質的に同様の構成を有している。但し、各固定通信装置a1乃至a3、b1、b2、c1、c2、d1乃至d5、e1乃至e6、f1乃至f3では、その電源回路は、対応の電源コンセントから給電されて外部通信機及び通信回路に給電する。
【0031】
当該物品探索システムは、図1にて示すごとく、データ制御装置Gを備えており、このデータ制御装置Gは、部屋F内の机の上に置かれている。このデータ制御装置Gは、図4にて示すごとく、コンピュータ100、キーボード110、ディスプレイ120及び外部通信機130を備えている。
【0032】
コンピュータ100は、登録プログラムを、図5及び図6にて示すフローチャートに従い実行し、この実行中において、キーボード110の操作に伴い、各物品10乃至60の識別コードをタグ情報として登録する処理を行う。また、コンピュータ100は、探索プログラムを、図7乃至図9、図11、図14、図15にて示すフローチャートに従い実行し、この実行中において、キーボード110の操作に伴い、各物品10乃至60のうち探索したい物品の探索処理を行う。なお、上記登録プログラム及び探索プログラムは、コンピュータ100のROMに予め記憶されている。
【0033】
以上のように構成した本実施形態の作動を、物品の登録モード及び探索モードに分けて説明する。
【0034】
(物品の登録モード)
ユーザは、例えば、図1にて示す書籍60を新たに購入したものとする。ここで、また、当該購入品である書籍60に電子タグが付されていなければ、上述した電子タグT60を書籍60に付する。当該書籍60に電子タグが付されていれば、この電子タグが上述した電子タグT60であるとする。ユーザは、上述のように電子タグT60を付した書籍60を、上述のごとく、部屋E内の図1にて図示位置におくものとする。
【0035】
然る後、ユーザは、データ制御装置Gにより書籍60に近い固定通信装置を次のようにセットする。具体的には、ユーザは、キーボード110の操作により、コンピュータ100を作動させて上記登録プログラムを起動する。これに伴い、ディスプレイ120の画面には、図1にて示す住居の平面図が表示される。但し、現段階では、書籍60以外の登録は既に終了しているものとする。従って、ディスプレイ120の画面上には、図1にて書籍60を除いた状態での住居の平面図が表示される。
【0036】
このような状態において、ユーザは、ディスプレイ120の画面を見ながら、書籍60の現在位置に近い固定通信装置e2、e3、e4を、図5のステップ200においてコンピュータ100にセットする。これに伴い、書籍60は、図1の図示位置にてディスプレイ120の画面上に表示される。然る後、ユーザは、キーボード110の操作により、新たな購入品である書籍60を置いた部屋Eをステップ201においてコンピュータ100にセットする。
【0037】
このようにセットした後、ユーザは、ディスプレイ120の画面を見ながら、キーボード110の操作により、部屋E内にて書籍60に最も近い位置にある固定通信装置e3をステップ202において指定する。ついで、ユーザは、キーボード110の操作により、電子タグT60のカテゴリーをステップ203にて選択する。ここで、当該カテゴリーは、書籍60が、例えば、工学書或いは文学書等の分類に属することを表す。上述のように電子タグT60のカテゴリーが選択されると、このカテゴリーがコンピュータ100によりディスプレイ120の画面上の書籍60に付されて表示される。
【0038】
その後、ユーザは、キーボード110の操作のもと、電子タグT60のタグ情報を読み出すためのタグ情報読み出し命令をコンピュータ100により外部通信機130を通してステップ204にて固定通信装置e3に送信させる。これに伴い、固定通信装置e3は、その通信回路90にて、当該タグ情報読み出し命令を外部通信機80を介し受信して、電子タグT60からそのタグ情報を読み出す。このとき、電子タグT60の動作チェックも兼ねるため、上記送信信号を受信した電子タグT60は、固定通信装置e3を介しデータ制御装置Gに応答を返すようになっている。
【0039】
然る後、ステップ210において、コンピュータ100は、電子タグT60から正常に応答が返ってきたかにつき判定する。このとき、正常に応答が返ってきてない場合には、ステップ210における判定はNOとなる。この場合、以下のような異常が考えられる。即ち、固定通信装置e3の通信エリア内に、登録する物品以外の別の電子タグが存在し、その応答タイミングが電子タグT60の応答タイミングと干渉して電波干渉が起こったか、或いは、電波が弱いために登録対象物である書籍60まで届かなかったという二つの異常が考えられる。
【0040】
そこで、ステップ210において上述のようにNOとの判定がなされた場合には、コンピュータ100により、ステップ211において、固定通信装置e3の外部通信機80を介する読み出しの出力が低下される。これに伴い、固定通信装置e3の通信エリアが小さくなる。然る後、ステップ212において、ステップ204の処理と同様に、電子タグT60のタグ情報読み出し命令が外部通信機130を通してコンピュータ100から固定通信装置e3に送信される。これによっても、電子タグT60からの正常な応答が上述と同様に得られない場合には、ステップ220における判定がNOとなる。
【0041】
この判定に伴い、コンピュータ100は、ディスプレイ120の画面上に書籍60をもっと固定通信装置e3に近づける指示を表示させるべく、ステップ221にて当該ディスプレイ120を制御する。これに伴い、ユーザは書籍60を固定通信装置e3にもっと近づけるように位置を変更する。その後、コンピュータ100により、ステップ222において、ステップ204での処理と同様の処理がなされる。これによっても、電子タグT60からの正常な応答が上述と同様に得られない場合には、ステップ230における判定がNOとなる。これに伴い、コンピュータ100により、ステップ231において、電子タグT60は不良とされ、新しい電子タグを電子タグT60に代えて書籍60に付するようにディスプレイ120の画面に表示すべく当該ディスプレイ120が制御される。これに伴い、ユーザは、電子タグT60を外して新たな電子タグを書籍60に付する。
【0042】
一方、上記ステップ210においてYESとの判定がなされた場合には、図6のステップ240において、上記正常な応答は一つか否かが判定される。当該応答が一つでない場合には、ステップ240における判定がNOとなり、ステップ250において、上記正常な応答の数が判定可能数(例えば、2乃至5個)か否かが判定される。ここで、上記正常な応答数が上記判定可能数よりも多いために判定不能であれば、ステップ250における判定がNOとなる。
【0043】
これに伴い、ユーザが、ステップ251において、キーボード110の操作によりリストアップした各登録物品の電子タグのタグ情報の中から余分なタグ情報を除くようにコンピュータ100においてタグ情報を絞り込み、ディスプレイ120の画面に表示する。そして、ユーザは、ステップ252において、当該絞り込みタグ情報を用いて、これに属するタグ情報を有する電子タグを付した登録物品を、キーボード110の操作でもって選択する。
【0044】
そして、ユーザは、キーボード110の操作のもと、上記選択物品が登録すべき購入品である物品か否かをその電子タグのタグ情報からコンピュータ100によりステップ260にて判定する。この判定がNOとなる場合には、再度各ステップ251、252、260の処理が繰り返される。
【0045】
一方、上記ステップ250において、上記正常な応答が上記判定可能数であれば、YESとの判定がなされる。これに伴い、ユーザは、キーボード110の操作により、ディスプレイ120の画面上の表示内容から該当の電子タグを付した物品をステップ253にて選択する。ついで、このように選択した物品が登録すべきものか否かがステップ270において判定される。登録すべき物品でなければ、ステップ270でのNOとの判定がなされ、両ステップ253、270の処理が繰り返される。
【0046】
上述したステップ240において、上記正常な応答が一つであるために、YESとの判定がなされる場合には、ステップ280(図6参照)において、当該正常な応答があった電子タグを付した物品が上記購入品である登録すべき書籍60であるか否かが、当該電子タグのタグ情報に基づき判定される。ここで、登録すべき物品でない場合には、ステップ280における判定がNOとなり、ステップ281において、当該物品の電子タグが不良であるとして、当該物品の電子タグを新たな電子タグに取り替えるようにディスプレイ120の画面に表示すべく当該ディスプレイ120がコンピュータ100により制御される。これにより、ユーザは書籍60の電子タグを新たな電子タグに付け換える。なお、ステッ281の処理後、登録プログラムはステップ200に戻る。
【0047】
ステップ280における判定がYESとなる場合には、登録すべき物品の電子タグに書き込むための当該物品のIDデータ、管理者及び購入日が、キーボード100の操作のもと、コンピュータ100によりステップ282にてタグ情報として入力される。ついで、このタグ情報が、ステップ283において、外部通信機130及び固定通信装置e3を介し書籍60の電子タグに書き込まれる。これにより、ステップ284において、当該書籍60の登録処理がなされる。
【0048】
(物品の探索モード)
ユーザは、上記住居内の或る物品を探索したい場合、キーボード110の操作により、コンピュータ100を作動させて上記探索プログラムを起動する。これに伴い、ディスプレイ120の画面に、探したい物品を含む物品のデータベースに基づくメニューが表示されるようにディスプレイ120がコンピュータ100により図7のステップ300にて制御される。
【0049】
ついで、ユーザが探索物品を覚えているか否かがステップ310にて判定される。覚えていない場合には、ユーザはその旨の入力をキーボード110の操作でもってコンピュータ100に対し行う。これに伴い、ステップ310での判定がNOとなり、キーワード入力画面がディスプレイ120の画面に表示されるように当該ディスプレイ120がコンピュータ100により制御される。
【0050】
ついで、ユーザは、キーボード110の操作により、ステップ311において、探索したい物品のキーワードをコンピュータ100に入力して当該探索物品を選択する。ユーザは、例えば、ヒットソングのメディアをもっていたが、このメディアがCDであったかMOであったか、メモリスティックであったか分からない場合に、その曲名を選び検索することで、この曲が入っているメディアが選択され、次に、それが住居のどこに有るかの検索が、ステップ312においてなされる。
【0051】
その後、この検索に基づき、候補があるかがステップ320において判定される。候補があれば、ステップ320での判定がYESとなる。そして、ステップ321において、該当物品が選択される。なお、候補がなければ、ステップ320でのNOとの判定のもと、ステップにて、探索が中止される。
【0052】
上記ステップ321での処理後、ステップ314において、ステップ321で選択された物品のタグ情報(ID及び内容等)が確認される。この確認タグ情報がユーザの探索物品でなければ、ステップ315においてNOとの判定がなされる。これに伴い、ステップ330において物品の探索を継続するか否かが判定される。ここで、ユーザが、キーボード110の操作により、探索を継続しない旨をコンピュータ100に入力すれば、当該ステップ330においてNOと判定され、ステップ331において物品の探索が中止される。一方、ユーザが、キーボード110の操作により、探索を継続する旨をコンピュータ100に入力すれば、ステップ330におけるYESとの判定のもと、ステップ311以後の処理が繰り返される。
【0053】
一方、上述のステップ315での判定がYESとなる場合には、次のステップ340において、住居内の全場所探索を行うか否かが判定される。ここで、ユーザが、キーボード110の操作により、上記全場所探索を行う旨をコンピュータ100に入力すれば、ステップ340での判定がYESとなり、全場所探索ルーチン350の処理が以下のようになされる。一方、ユーザが、キーボード110の操作により、個別の部屋探索を行う旨をコンピュータ100に入力すれば、ステップ340においてNOと判定され、個別の部屋探索ルーチン360の処理が以下のようになされる。
【0054】
上述のように全場所探索ルーチン350の処理に移行すると、図8のステップ400において、上記住居内の各部屋にある各固定通信装置の出力及び通信エリアが調整される。例えば、一つの固定通信装置の出力から信号を出してこの信号を隣接する固定通信装置で受信電界をモニターすることでこの固定通信装置の出力が調整される。
【0055】
このとき、当該調整固定通信装置から出力が出ない等の異常があれば、ディスプレイ120はその画面上に当該固定通信装置の異常を表示するようにコンピュータ100により制御される。例としては、当該調整固定通信装置の前に電波を遮蔽するものが置かれている場合には、その調整固定通信装置は異常と判定される場合がある。
【0056】
次に、ステップ410において、上記住居の各部屋の各固定通信装置の通信エリアサイズに基づき、部屋毎に一台の固定通信装置でもって部屋全体を探索できるか否かが判定される。ここで、一台の固定通信装置でその存在する部屋全体を探索できない場合には、ステップ410での判定がNOとなり、ステップ411において、部屋全体を探索できるように複数の固定通信装置が設定される。なお、この設定は、一台の固定通信装置では部屋全体を探索できない部屋について行われる。
【0057】
一方、上述のステップ410における判定がYESとなる場合には、ステップ412において、部屋毎に部屋全体を探索できる固定通信装置が設定される。
【0058】
両ステップ411、412のいずれかの処理が上述のようになされると、ステップ413において、部屋毎に問いかけ信号の送信処理がなされる。これに伴い、コンピュータ100から外部通信機130を通して上述のように設定した各部屋の固定通信装置に問いかけ信号が部屋Aから部屋Fにかけて順次送信される。なお、この送信は最適出力でなされる。
【0059】
上述のように各部屋に問いかけ信号が順次送信されると、上述のように設定した各部屋の固定通信装置は、それぞれ、その存在する部屋内の各物品の電子タグに問いかけ信号を送信する。これに伴い、各電子タグは自分宛の問いかけ信号を受信すると、これら各電子タグは応答信号を対応の設定固定通信装置を介しデータ制御装置Gに返す。このようにデータ制御装置Gに返された応答信号は、外部通信機130を通してコンピュータ100に入力される。
【0060】
ついで、ステップ420において、物品の電子タグからの応答信号があるか否かにつき、コンピュータ100に上述のように入力される応答信号に基づき判定される。探索物品の電子タグからの応答信号がなければステップ420での判定がNOとなる。これに伴い、ステップ421において、コンピュータ100から外部通信機130を通して上述のように設定した各部屋の固定通信装置に問いかけ信号が部屋Aから部屋Fにかけて最大出力(法定されている)にて順次送信される。
【0061】
このような送信の結果によっても、上述と同様に電子タグの応答信号がコンピュータ100に入力されなければ、ステップ430においてNOと判定される。これに伴い、ステップ431において、ディスプレイ120は、該当物品なしとの表示を行うように、コンピュータ100により制御される。このような場合には、上記住居内には探索物品がないか、有っても、当該探索物品の電子タグに異常があると考えられる。
【0062】
両ステップ420、430のいずれかでYESとの判定がなされる場合には、ステップ440において、部屋毎に複数の設定固定通信装置からの上記応答信号の送信があったか否かが判定される。部屋毎に複数の設定固定通信装置からの上記応答信号の送信があれば、少なくとも一つの部屋において上記応答信号を受信した設定固定通信装置が複数であるため、ステップ440での判定はYESとなる。一方、部屋毎において、上記応答信号を受信した設定固定通信装置の数が一つであればステップ440での判定はNOとなる。
【0063】
上述のようにステップ440での判定がYESとなると、ステップ441にて、少なくとも一つの部屋において上記応答信号を受信した設定固定通信装置は複数あるとセットされる。ついで、ステップ442において、上述した少なくとも一つの部屋における複数の設定固定通信装置の各出力が順次調整される。ここで、上述した少なくとも一つの部屋における該当物品の電子タグから返される応答信号は上述と同様にコンピュータ100に入力されるがこの入力がされなくなることが判定できるように、上記複数の設定固定通信装置の各出力の調整が順次なされる。
【0064】
このような各出力の調整の具体例として、物品10が探索物として部屋D内に存在し、かつ、固定通信装置d1、d5、D1を上記複数の設定固定通信装置としてセットして、固定通信装置d1、d5、D1の各出力を調整することにより、電子タグT10、すなわち、物品10の位置を求めるようにした例を図9、図10(a)、図10(b)に示す。
【0065】
図9は、部屋D内において、物品10、及び、固定通信装置d1、d5、D1の配置を示す斜視図、図10(a)は、部屋Dの平面図、図10(b)は、部屋Dの正面図である。なお、部屋D内には、説明のためにXYZ座標が設定されている。
【0066】
固定通信装置D1、d5、d1の各アンテナは、無指向性に設定されており、固定通信装置D1、d5、d1は、図9に示すように、自己を中心とする球状の通信エリア700、701、702(鎖線)をそれぞれ生成する。
【0067】
以下、このような部屋D内において物品10の位置を求めるためのコンピュータ100の位置算出処理について図11、図12を用いて説明する。図11は、図8のステップ442の詳細を示すフローチャート、図12は、固定通信装置の通信回路の作動を示すフローチャートである。
【0068】
先ず、コンピュータ100は、電子タグT10と固定通信装置d1との距離を調べるために、固定通信装置d1に対して、調査信号を初期出力値(アンテナ初期パワー)で送信させるように指令する(ステップ4440、4441)。これに伴い、固定通信装置d1の通信回路90は、コンピュータ100による指令を外部通信機80を介して受けると、初期出力値で調査信号を送信する(ステップ600、610)。
【0069】
なお、初期出力値として、最大出力に対して所定値(例えば、1mW)低い出力P(n)(nは整数)が採用されている(P(n)=(「最大出力」−「所定値」)。
【0070】
その後、固定通信装置d1の通信回路90は、電子タグT10から返される応答信号を受けた場合には、この受けた応答信号を外部通信機80を介してコンピュータ100に送信する(ステップ620)。このため、コンピュータ100には、電子タグT10から返された応答信号が入力されて、コンピュータ100は、電子タグT10から返された応答信号が入力されたことを判定する(ステップ4442)。
【0071】
さらに、先回の出力値、すなわち、出力P(n)から所定値低い出力P(n+1)(=P(n)−「所定値」)で調査信号を送信させるように固定通信装置d1に指令する(ステップ4443、4441)。このため、固定通信装置d1は、出力P(n+1)で調査信号を電子タグT10に送信する(ステップ600、610)。そして、電子タグT10は、調査信号を受けこの調査信号に対して応答信号を固定通信装置d1に返すと、固定通信装置d1は応答信号を外部通信機80を介してコンピュータ100に返す。
【0072】
これに伴って、コンピュータ100は、電子タグT10から返された応答信号が入力されたことを判定すると、先回の出力値、すなわち、出力P(n+1)から所定値低い出力P(n+2)(=P(n+1)−「所定値」)で調査信号を送信させるように固定通信装置d1に指令する(ステップ4442、4443、4441)。
【0073】
このようなコンピュータ100による固定通信装置d1の出力の低下(すなわち、出力の調整)は、コンピュータ100に電子タグT10からの応答信号が入力されなくなるまで繰り返えされる。このことにより、固定通信装置d1のアンテナから出力される電界強度が、応答信号の入力毎に小さくなる。すなわち、固定通信装置d1の通信エリア702の半径rは、図13(a)に示すように、応答信号の入力毎に小さくなる。
【0074】
その後、通信エリア702が小さくなり、電子タグT10の位置が固定通信装置d1の通信エリア702から外れると、固定通信装置d1が調査信号を送信するにも関わらず、固定通信装置d1が電子タグT10から応答信号を受信しなくなる(ステップ620)。このため、固定通信装置d1は、電子タグT10から応答信号を受信しなくなった旨を非応答通知としてコンピュータ100に通知する(ステップ630)。
【0075】
次に、コンピュータ100は、外部通信機80を介して非応答通知を受けると、電子タグT10から応答信号を受信しなくなったときの固定通信装置d1の出力出力Pa(n+k)をRAMに記憶させる(ステップ4444)。ここで、コンピュータ100のROMには、固定通信装置と電子タグとの距離を求めるためのテーブルが記憶されており、テーブルは、図13(b)に示すごとく、通信エリアの半径r(エリアサイズ)と固定通信装置の出力(アンテナ入力パワー)との関係を示すもので、各半径rと固定通信装置d1の各出力が一対一で特定できるように構成されている。
【0076】
従って、コンピュータ100は、テーブルデータに基づいて出力Pa(n+k)に該当する半径(以下、半径r1)を求める(ステップ4446)。このことにより、固定通信装置d1に対して電子タグT10の応答可能な距離が算出されることになる。換言すれば、電子タグT10、すなわち、探索物(物品10)は、固定通信装置d1を中心とする半径r1の球面状の位置範囲(以下、第1の存在エリアという)内に位置することが推定されることになる。
【0077】
なお、通信エリア702の形状は、固定通信装置d1の指向性によって異なるので、固定通信装置d1のアンテナが指向性を有する場合には、第1の存在エリアは、指向性に応じて補正する必要が有る。
【0078】
次に、コンピュータ100は、固定通信装置d1の場合と同様に、固定通信装置d5と電子タグT10との距離r2を求める。このことにより、電子タグT10は、固定通信装置d5を中心とする半径r2の球面状の第2の存在エリア内に位置することが推定されることになる。同様に、固定通信装置D1と電子タグT10との距離r2を求める(ステップ4447、4440乃至4446)。このことにより、電子タグT10は、固定通信装置D1を中心とする半径r3の球面状の第3の存在エリア内に位置することが推定される。
【0079】
次に、コンピュータ100は、第1〜第3の存在エリアの交点の座標(xa、ya、za)を求める(ステップ4448)。このことにより、交点の座標(xa、ya、za)が電子タグT10の位置として求められることになる。これに加えて、図8のステップ445において、ディスプレイ120は、その画面上にて、該当物品10、すなわち、物品10の位置座標(xa、ya、za)を表示するように、コンピュータ100により制御される。これにより、探索物品が存在する位置がユーザに分かる。その結果、探索物品の探索が短時間にて効率よく行える。
【0080】
また、上述のように図8のステップ440での判定がNOになると、ステップ443において、部屋毎に、上記応答信号を受信した固定通信装置の数は一つであるとセットされる。これに伴い、ステップ444において、該当する設定固定通信装置の出力が調整される。ここで、該当物品の電子タグから返される応答信号は上述と同様にコンピュータ100に入力されるがこの入力がされなくなることが判定できるように、上記設定固定通信装置の出力の調整がなされる。
【0081】
例えば、物品10が探索物として部屋D内に存在し、上記設定固定通信装置として固定通信装置d1の出力を調整することにより、物品10、すなわち、電子タグT10の位置範囲を求める例について図14を用いて説明する。図14は、図8のステップ444の詳細を示すフローチャートである。図14に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのうちステップ4447を除いたものである。
【0082】
コンピュータ100は、固定通信装置d1の初期出力(アンテナ初期パワー)の指令(ステップ4440)、調査信号の送信指令(ステップ4441)、応答信号の有無判定(ステップ4442)、送信出力変更指令(ステップ4443)、送信出力記憶(ステップ444)、存在エリアの推定(ステップ4446)の各処理を実行する。
【0083】
このことにより、コンピュータ100は、固定通信装置d1に対して電子タグT10の応答可能な距離が算出することができる。すなわち、探索物(すなわち、物品10)が固定通信装置d1を中心とする半径r1の球面状エリア内に位置することを推定することができる。
【0084】
これに伴い、図8のステップ445において、ディスプレイ120は、その画面上にて、該当物品、すなわち、物品10が存在する位置範囲を、前記球面状エリアにて表示するように、コンピュータ100により制御される。これにより、探索物品が存在する位置範囲がユーザに分かる。
【0085】
また、上述のように、図7に示す個別の部屋探索ルーチン360の処理に移行すると、図15のステップ500において、ユーザは、キーボード110の操作により、分かっている探索物品の存在する部屋をコンピュータ100にセットする。また、ステップ500では、上述のようにセットした部屋にある設定固定通信装置の出力及び通信エリアが調整される。
【0086】
次に、ステップ510において、上述のように調整した固定通信装置のうち一台の固定通信装置でもって部屋全体を探索できるか否かが判定される。ここで、一台の固定通信装置でその存在する部屋全体を探索できない場合には、ステップ510での判定がNOとなり、ステップ511において、部屋全体を探索できるように複数の固定通信装置が設定される。一方、上述のステップ510における判定がYESとなる場合には、ステップ512において、部屋毎に部屋全体を探索できる固定通信装置が設定される。
【0087】
両ステップ511、512のいずれかの処理が上述のようになされると、ステップ513において、上記部屋への問いかけ信号の送信処理がなされる。これに伴い、コンピュータ100から外部通信機130を通して上述のように設定した部屋の固定通信装置に問いかけ信号が最適出力で送信される。
【0088】
上述のように部屋に問いかけ信号が送信されると、上述のように設定した固定通信装置は、その存在する部屋内の各物品の電子タグに問いかけ信号を送信する。これに伴い、各電子タグは自分宛の問いかけ信号を受信すると、これら各電子タグは応答信号を上記設定固定通信装置を介しデータ制御装置Gに返す。このようにデータ制御装置Gに返された応答信号は、外部通信機130を通してコンピュータ100に入力される。
【0089】
ついで、ステップ520において、探索物品の電子タグからの応答信号があるか否かにつき、コンピュータ100に上述のように入力される応答信号に基づき判定される。探索物品の電子タグからの応答信号がなければステップ520での判定がNOとなる。これに伴い、ステップ521において、コンピュータ100から外部通信機130を通して上記設定固定通信装置に問いかけ信号が上記最大出力にて送信される。
【0090】
このような送信の結果によっても、上述と同様に電子タグの応答信号がコンピュータ100に入力されなければ、ステップ530においてNOと判定される。これに伴い、ステップ531において、ディスプレイ120は、該当物品なしとの表示を行うように、コンピュータ100により制御される。
【0091】
両ステップ520、530のいずれかでYESとの判定がなされる場合には、ステップ540において、複数の設定固定通信装置からの上記応答信号の送信があったか否かが判定される。複数の設定固定通信装置からの上記応答信号の送信があれば、上記応答信号を受信した設定固定通信装置が複数であるため、ステップ540での判定はYESとなる。一方、上記応答信号を受信した設定固定通信装置の数が一つであればステップ540での判定はNOとなる。
【0092】
上述のようにステップ540での判定がYESとなると、ステップ541にて、上記応答信号を受信した設定固定通信装置は複数あるとセットされる。ついで、ステップ542では、図8中のステップ442(電子タグの距離算出処理)と同様に、複数の設定固定通信装置の各出力が順次調整される。ここで、該当物品の電子タグから返される応答信号は上述と同様にコンピュータ100に入力されるが、この入力がされなくなることが判定できるように、上記複数の設定固定通信装置の各出力の調整がなされる。このことにより、電子タグT10、すなわち、該当物品(探索物)の座標が算出される。
【0093】
また、上述のようにステップ540での判定がNOになると、ステップ543において、上記応答信号を受信した固定通信装置の数は一つであるとセットされる。これに伴い、ステップ544では、図8中のステップ444(電子タグの距離算出処理)と同様に、該当する設定固定通信装置の出力が調整される。ここで、該当物品の電子タグから返される応答信号は上述と同様にコンピュータ100に入力されるがこの入力がされなくなることが判定できるように、上記設定固定通信装置の出力の調整がなされる。これにより、電子タグの応答可能な距離、すなわち、電子タグの位置範囲が算出される。
【0094】
上述のようにステップ542及び544のいずれかの処理が終了すると、ステップ545において、ディスプレイ120は、その画面上にて、該当物品が存在する座標、或いは、位置範囲を表示するように、コンピュータ100により制御される。これにより、探索物品の存在する位置範囲がユーザに分かる。その結果、探索物品の探索を短時間にて効率よく行える。
【0095】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、住居内においてデータ制御装置Gの処理に基づき物品探索を行うようにした例について説明したが、本第2実施形態では、住居の外部から住居内の物品探索を行う例について説明する。この場合の物品探索システムの構成を図16に示す。
【0096】
図16に示すように、本実施形態の物品探索システムは、電子タグT10乃至T60、固定通信装置a1乃至f3、A1乃至F1、及び、データ制御装置Gに加えて、インターネット800、通信器810、及び、サーバ820、830から構成されている。
【0097】
電子タグT10乃至T60は、物品10乃至60と無線通信する。なお、本第2実施形態の物品10乃至60は、例えば、無線機能付き情報端末のように、無線通信を行うものが採用されている。また、電子タグT10乃至T60には、それぞれ異なるIPアドレス(例えば、28ビット)がタグ情報として記憶されている。各IPアドレスは、電子タグT10乃至T60の個々の識別コードとしての機能を果たす。なお、インターネットの通信プロトコルとして、IPVer6を採用することが好ましい。
【0098】
固定通信装置a1乃至f3、A1乃至F1は、図3に示す固定通信装置と同一構成を有している。また、データ制御装置Gは、コンピュータ100、キーボード110、ディスプレイ120、及び、外部通信機130を備えている。コンピュータ100は、インターネット800に接続して住居の外部の通信器810からの指令に基づき物品探索を行うための物品探索処理を行う。なお、データ制御装置Gにおいて、コンピュータ100以外の構成は、図4に示す構成と同一である。
【0099】
通信器810は、表示部、操作部、音声出力部等を有するとともに、インターネット800を介してデータ制御装置Gに通信できるように構成されている。なお、通信器810として、パーソナルコンピュータ、携帯電話(携帯端末)等を採用することが好ましい。
【0100】
以上のように構成した本実施形態の作動について図17乃至20を用いて説明する。
【0101】
図17、図18は、物品探索処理を示すフローチャート、図19は固定通信装置の作動を示すフローチャート、図20は、データ制御装置、固定通信装置、及び電子タグの作動を示すタイミングチャートである。
【0102】
コンピュータ100は、図17、図18に示すフローチャートに従って、物品探索処理を実行する。
【0103】
先ず、ユーザによる探索物の探索指令が入力されたか否かを判定する(ステップ900)。通信器810からユーザによる探索指令をインターネット800を介して受信しているとき、或いは、探索指令をキーボード110の操作によって入力されたときには、ユーザによる探索指令の入力が有ることを判定する。
【0104】
次に、探索指令の該当物品が住居内に存在するか否かを調べるために、該当物品の検索処理を行う。
【0105】
ここで、コンピュータ100の不揮発性メモリには、住居内に存在する物品を登録した物品データベースを有しており、この物品データベースは、物品10乃至60のそれぞれに付された電子タグのIPアドレスを記憶して、各物品と各IPアドレスとが一対一で特定できるように構成されている。
【0106】
そこで、該当物品の検索処理として、探索指令の該当物品が物品データベースに記憶されているか否かを判定する(ステップ902)。物品データベースに探索指令の該当物品が記憶されているとき、該当物品が住居内に存在することを判定する。これに加えて、該当物品に該当するIPアドレスを物品データベースから呼び出すとともに、この呼び出したIPアドレスをセットすることになる(ステップ903)。
【0107】
次に、住居内の各電子タグに対して問いかけるために、問いかけ信号の送信処理を行う(ステップ904)。これに伴い、コンピュータ100から外部通信機130を通して固定通信装置a1乃至f3、A1乃至F1に問いかけ信号が部屋Aから部屋Fにかけて順次送信される。
【0108】
このように各部屋に問いかけ信号が順次送信されると、各部屋の固定通信装置a1乃至f3、A1乃至F1は、それぞれ、その存在する部屋内の各物品の電子タグに問いかけ信号を送信する。これに伴い、各電子タグは自分宛の問いかけ信号を受信すると、これら各電子タグは、自己のIPアドレスを応答信号に付けこの応答信号を対応の固定通信装置を介しデータ制御装置Gに返す。このようにデータ制御装置Gに返された応答信号は、外部通信機130を通してコンピュータ100に入力される。
【0109】
次に、このようにコンピュータ100に入力される応答信号に基づき、該当物品の電子タグを検知した固定通信装置が有るか否かを判定する(ステップ905)。該当物品に対応するIPアドレスを付してなる応答信号がコンピュータ100に入力されているとき、該当物品の電子タグを検知した固定通信装置が有ることを判定する。さらに、該当物品の電子タグを検知した固定通信装置の台数(検知台数という)を求める(ステップ906)。なお、以下、該当物品の電子タグを検知した固定通信装置を検知固定通信装置という。
【0110】
次に、検知固定通信装置が設置された部屋の候補を検索する(ステップ907)。
【0111】
ここで、コンピュータ100の不揮発性メモリには、各固定通信装置とその設置部屋との関係を示す位置データベースが記憶されており、この位置データベースは、各固定通信装置と各部屋とが一対一で特定できるように構成されている。そして、検知固定通信装置が設置された部屋の候補を位置データベースに基づき求め、この求めた部屋の候補をセットして、このセットした候補の部屋内において探索物の探索モードの処理を行う(ステップ908)。
【0112】
ここで、探索モードの処理の一例として、部屋Dを部屋の候補としてセットし、検知固定通信装置として固定通信装置d1、d5、D1を作動をさせる例について図19、図20を用いて説明する。なお、図20中矢印は信号を示す。
【0113】
先ず、該当物品が部屋Dに位置するか否かを確認するために、固定通信装置d1、d5、D1に対して探索モードの指令を行う。これに伴い、コンピュータ100から外部通信機130を通して固定通信装置d1、d5、D1に確認信号(矢印S1)が送信される。このように確認信号が送信されると、固定通信装置d1、d5、D1は、それぞれ、確認信号(矢印s2乃至s4)を最大出力で各物品の電子タグに送信する(ステップ1000、1001乃至1005)。
【0114】
これに伴い、各物品の電子タグは自分宛の確認信号を受信すると、これら各電子タグは自己のIPアドレスを応答信号に付してこの応答信号(矢印s15乃至s17)を固定通信装置d1、d5、D1を介しデータ制御装置Gに返す。このようにデータ制御装置Gに返された応答信号は、外部通信機130を通してコンピュータ100に入力されて、この応答信号(矢印s18乃至s20)が入力されたことを判定したとき、該当物品が部屋Dに位置することが確認できることになる。
【0115】
次に、電子タグT10と固定通信装置d1、d5、D1との距離を固定通信装置毎に調べるために、固定通信装置d1、d5、D1に対して詳細探索モードの送信指令を行う(ステップ908a)。
【0116】
具体的には、固定通信装置d1の初期出力(アンテナ初期パワー)の指令(ステップ4440)、調査信号の送信指令(ステップ4441)、応答信号の有無判定(ステップ4442)、送信出力変更指令(ステップ4443)、送信出力記憶(ステップ4444)、存在エリアの推定(ステップ4446)、検知台数終了判定(ステップ4447)、座標演算(ステップ4448)の各処理を実行する。これに伴い、固定通信装置d1の通信回路90は、図12に示す作動と同様に、出力の設定(ステップ600)、調査信号の送信(ステップ610)、応答信号の有無判定(ステップ620)、非応答通知(ステップ630)の各作動を行う。さらに、固定通信装置d5、D1はそれぞれ固定通信装置d1と同様に作動する。
【0117】
このような固定通信装置d1、d5、D1の作動に伴って、固定通信装置d1を中心とする該物品の第1の存在エリア、固定通信装置d5を中心とする該物品の第2の存在エリア、固定通信装置D1を中心とする該物品の第3の存在エリアを求めることができる。
【0118】
ここで、第1〜第3の存在エリアは、上記第1実施形態と同様に球面状に形成されるので、該当物品の位置座標として、第1〜第3の存在エリアの交点の座標(xa、ya、za)を求める(ステップ4448)。これに加えて、この求めた座標をディスプレイ120によって表示させる(ステップ909)。
【0119】
次に、外部への位置座標の転送の依頼を受けているか否かを判定する(ステップ910)。ここで、上述したステップ900において、通信器810からユーザによる探索指令をインターネット800を介して受信し、ユーザによる探索指令の入力が有ることを判定した場合には、外部への位置座標の転送の依頼を受けていることを判定する。
【0120】
次に、外部への機器ステータス、すなわち、該当物品の状態の転送依頼を受けているか否かを判定する(ステップ911)。上記ユーザによる探索指令に、機器ステータスの転送依頼の旨が設定されているときには、外部への機器ステータスの転送依頼を受けていることを判定する。
【0121】
次に、該当物品に機器ステータスを問い合わせるために、ステータス問い合わせ信号(矢印s21)を、外部通信機130を通して固定通信装置d1に送信する。これに伴い、固定通信装置d1は、該当物品に付された電子タグにステータス問い合わせ信号(矢印s22)を送信するので、電子タグは、ステータス問い合わせ信号(矢印s23)を該当物品に送信する。
【0122】
ここで、該当物品は、ステータス問い合わせ信号(矢印s23)を受け、自己のステータス(例えば、故障或いは正常かの判定、使用時間等の情報)をステータス応答信号(矢印s24)として電子タグに送信し、この電子タグは、ステータス応答信号(矢印s25)を固定通信装置d1に送信する。このため、固定通信装置d1は、ステータス応答信号(矢印s26)を外部通信機130を通してデータ制御装置Gに送信する。
【0123】
これに伴い、コンピュータ100は、ステータス応答信号及び該当物品の位置座標をインターネット800を介して通信器810に送信する。従って、通信器810は、該当物品のステータス及び該当物品の位置座標を表示部に表示させることになる。これにより、ユーザが住居の外に居ても、住居内において該当物品の存在する位置が分かる。
【0124】
なお、ステップ902において、物品データベースに探索指令の該当物品が登録されていないとき、該当物品が住居内に存在しない旨をディスプレイ120に表示させるとともに、該当物品が住居内に存在しない旨を、インターネット800を介して通信器810に送信する(ステップ902a)。これによって、通信器810は、該当物品が住居内に存在しない旨を表示部に表示させることができる。
【0125】
また、該当物品が住居内に存在しない旨を通信器810に送信した後、物品の探索を継続するか否かを通信器810のユーザに問い合わせるために、問い合わせ信号をインターネット800を介して通信器810に送信する(ステップ902b)。その後、通信器810からインターネット800を介して物品の探索を継続するように指令を受けると、ステップ903に進む。このことにより、登録データベースに登録されていないものの、電子タグが付された物品ならば、探索を行うことができる。
【0126】
さらに、ステップ905において、該当物品の電子タグを検知した固定通信装置がないことを判定したときには、該当物品が住居内に存在しない旨を、ディスプレイ120に表示させるとともに、該当物品が住居内に存在しない旨を、インターネット800を介して通信器810に送信する(ステップ902a)。
【0127】
なお、上記第2実施形態では、通信器810が住居の外からデータ制御装置Gに通信するためにインターネット800を用いる例について説明したが、これに限らず、各種の通信ネットワークを用いてもよい。
【0128】
また、本第2実施形態では、該当物品の電子タグを検知した検知固定通信装置を3台求めた場合において、三台の検知固定通信装置の通信エリアを調整して該当物品の位置座標を求めるようにした例について説明したが、これに限らず、1台の検知固定通信装置を求めることができた場合には、1台の検知固定通信装置の通信エリアを調整して、1台の検知固定通信装置該と当物品との距離、すなわち、該当物品の位置範囲を求めるようにしてもよい。
【0129】
なお、上記第1及び第2実施形態では、固定通信装置の出力を順次低下させて、電子タグが応答信号を返さなくなったときの出力に基づいて、固定通信装置に対して電子タグの応答可能な距離、すなわち、電子タグの存在エリアを求めるようにした例について説明したが、これに限らず、固定通信装置の出力を順次増加させて、電子タグが応答信号の返信を開始したときの出力に基づいて、固定通信装置に対して電子タグの応答可能な距離、すなわち、電子タグの存在エリアを求めるようにしてもよい。
【0130】
すなわち、コンピュータ100は、電子タグから応答信号の応答を開始させるように各固定通信装置の出力を固定通信装置毎に大きくするように調整する手段と、固定通信装置毎の出力の調整に基づき電子タグが応答を開始したとき、この調整された出力を固定通信装置毎に記憶する手段と、この記憶された固定通信装置毎の出力に応じて、各固定通信装置と探索物との距離を固定通信装置毎に算出する手段とを有する。
【0131】
さらに、本発明の実施にあたり、電子タグの形状としては、書籍、書類、衣類等に取り付ける場合には、紙のように薄い形状のものが好ましい。また、家庭電化製品、玩具、日常品などの、ある程度の体積を有するものに関しては、チップ状のものを適用してもよい。
【0132】
なお、本発明の実施にあたり、電子タグとしては、電池を内蔵しこの内蔵電池により作動するように構成してもよく、また、外部からエネルギーが供給されてこのエネルギーにより作動するように構成してもよい。
【0133】
ここで、電子タグに供給するエネルギーとしては、光、マイクロ波、音波等を適用してもよい。なお、光は直進性が強く、この光を出力する光源と電子タグとの間に障害物が存在すると、この障害物により、電子タグへの光、すなわち、電子タグへのエネルギーが遮断されて、電子タグへのエネルギーの供給を行うことができない。
【0134】
また、マイクロ波を用いる場合には、このマイクロ波を人体に照射すると人体に悪影響を与える可能性があるため好適ではない。これに対して、音波は、光に比べて直進性が弱く、また、マイクロ波に比べて人体に悪影響を与える可能性も少ないため、電子タグへのエネルギーの供給するのに、音波を用いることが好適である。
【0135】
ここで、電子タグの電源回路として、エネルギーとして音波を受けこの音波を電力に変換する構成を図21に示す。電源回路は、バイモルフ素子1100、及び平滑回路1101から構成されて、バイモルフ素子1100が、音波を受けて共振して交流電気信号を出力すると、平滑回路1101は、この出力される交流電気信号を整流し平滑する。
【0136】
このような電源回路を有する電子タグの場合には、固定通信装置が電タグにデータを送信するに先立って音波を出力して電子タグにエネルギーが供給した後に、データを電タグに送信する。また、電子タグには、エネルギーの供給方法によってその供給方法が分かるように記号等を記すことが好ましい。
【0137】
さらに、上記第1及び第2実施形態では、固定通信装置のアンテナとして無指向性のアンテナを適用して、固定通信装置を中心とする球状の通信エリアを生成した例について説明したが、これに限らず、固定通信装置のアンテナとして指向性を有する指向性アンテナを適用して、例えば、図22(a)、図22(b)に示すように、通信エリアを所定方向に向けるように生成してもよい。
【0138】
図22(a)は、固定通信装置d1のアンテナから紙面右側に向けて略卵状に生成された通信エリアを示す図、図22(b)は、図22(a)中の通信エリアのA−A断面を示す図である。なお、説明のために、図22(a)にはx−y座標が設定されて、図22(b)にはy−z座標が設定されている。
【0139】
このように通信エリアを生成した場合には、x−y平面において固定通信装置d1に対する電子タグT10の角度θが変わると、固定通信装置d1と電子タグT10との距離rが変わる。すなわち、固定通信装置d1が同一出力にて送信しているにも関わらず、角度θが変わると、距離rが変わることになる。従って、電子タグ、すなわち、探索物の存在エリアを推定するために、距離rを算出する際には、角度θを考慮する必要ある。このため、コンピュータ110のROM(或いは、不揮発性メモリ)には、例えば、図23に示すように、角度θ、距離r(エリアサイズ)及び固定通信装置の出力(アンテナ入力パワー)との関係を示すデータを予め記憶されておく必要がある。
【0140】
また、図22(b)によれば、y−z座標において、通信エリアのA−A断面は、円形になっている。すなわち、y−z座標において、固定通信装置d1に対する電子タグT10の角度φが変わっても、固定通信装置d1と電子タグT10との距離rは一定である。しかし、固定通信装置のアンテナの指向性によっては、角度φが変わると、固定通信装置d1と電子タグT10との距離rが変わるように通信エリアを生成することができる。この場合、距離rは、数式1に示すように、角度θ、角度φ、及び、固定通信装置の出力Pの関数として表すことができるため、この関数をコンピュータ110のROM(或いは、不揮発性メモリ)に記憶させておく必要がある。なお、aは計数、f(θ、φ)は、角度θ、角度φの角度分布関数である。
【0141】
【数1】
r=F(P、θ、φ)=a・P・f(θ、φ)
なお、通信エリアを所定方向に向けるように生成するために、複数の無指向性アンテナを有して構成されるアダプテイブアレイアンテナを用いてもよい。
【0142】
また、本発明の実施にあたり、固定通信装置のアンテナとしては、平面アンテナ、ダイポールアンテナ等の小型アンテナを用いることが好ましい。
【0143】
さらに、本発明の実施にあたり、データ制御装置と固定通信装置との通信手段として、携帯電話、トランシーバ、ブルートゥース等の無線通信機を適用してもよい。また、住居内に、LAN(有線LAN、或いは、無線LAN)を設置している場合には、LANを用いて、データ制御装置と固定通信装置との間で通信するようにしてもよい。
【0144】
なお、本発明の実施にあたっては、住居内の各部屋に置いた物品を探索する場合に限らず、例えば、駐車場内の各駐車室に駐車した各自動車(電子タグを付してある)を探索する場合に本発明を適用してもよい。
【0145】
また、本発明の実施にあたり、ディスプレイ120に限らず、音声発生装置その他の報知手段をディスプレイ120に代えて採用してもよい。
【0146】
なお、以下に、物品探索システムにおいて、電子タグの製造メーカが電子タグの遠隔メンテナンスを行う例について説明する。製造メーカは、電子タグにそのタグ情報としてIPアドレスを記憶させて出荷する。その後、ユーザが電子タグを購入すると、データ制御装置Gによりインターネット800を介して製造メーカのサーバ820に通信することにより、電子タグのユーザ登録を行う。その後、サーバ820は、定期的に、インターネット800を介してデータ制御装置Gに通信して、データ制御装置Gに対して、電子タグのメンテナンス情報を返信させるように指令する。これに伴い、データ制御装置Gは、固定通信装置を介して電子タグに通信してメンテナンス情報を返信させて、このメンテナンス情報をインターネット800を介してサーバ820に送る。これにより、サーバ820が電子タグのメンテナンス情報を集めてメンテナンスを行うことができる。なお、電子タグの遠隔メンテナンスを行う際に、製造メータがIP情報センタと契約して、IP情報センタのサーバ830が、サーバ820に代わり電子タグのメンテナンス情報を集めるよにしてもよい。
【0147】
ここで、電子タグのタグ情報として、物品の種別、製造者、型番号の製造関連情報等を記憶させるようにしてもよい。ユーザは製造関連情報を用いて物品のクラス分けを行う補助情報として用いることができる。製造メーカが電子タグに記録させる情報としては、情報毎にその情報を層別する層別データを付与する。例えば、<種別を表すデータ識別用ID><データ長><種別の内容>というように記憶させてもよく、<ID><データ長><IPアドレスの番号>というように記憶させてもよい。さらに、電子タグには、ユーザがデータを書き込めるようにメモリ空間を構成してもよく、また、物流等の流通過程にて書き込まれたメモリのエリアは、ユーザが書き換え可能にするようにしてもよい。或いは、流通過程の記録も残して、ユーザ専用でメモリの書き換え可能エリアを設けるようにしてもよい。この書き換え可能エリアには、ユーザが使用するデータ(例えば、購入者、所有者、購入価格、重要性、メモ)を書き込める用にしておくことが好適である。このような電子タグへのデータの書き換えには、固定通信装置を用いることができるようにすることが好ましい。ここで、ユーザが電子タグにデータを書き込んだあと、そのデータが書き換えられないようにデータ保護機能を設ければ、不慮の事故で、必要なデータが喪失することを防止する上で好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る物品探索システムの住居内への配置を示す平面図である。
【図2】電子タグの平面図である。
【図3】図1の各固定通信装置のブロック図である。
【図4】図1のデータ制御装置のブロック図である。
【図5】図4のコンピュータによって実行される登録プログラムのフローチャートの前段部である。
【図6】上記登録プログラムのフローチャートの後段部である。
【図7】図4のコンピュータによって実行される探索プログラムのフローチャートである。
【図8】図7の全場所探索ルーチンを示す詳細フローチャートである。
【図9】固定通信装置、通信エリアの配置を説明するための図である。
【図10】固定通信装置、通信エリアの配置を説明するための図である。
【図11】図9の全場所探索ルーチンの一部を詳細に示すフローチャートである。
【図12】固定通信装置の作動示すフローチャートである。
【図13】固定通信装置の出力、及びエリアサイズの関係を説明するための図である。
【図14】図9の全場所探索ルーチンの一部を詳細に示すフローチャートである。
【図15】図7の個別の部屋探索ルーチンを示す詳細フローチャートである。
【図16】本発明の第2実施形態に係る物品探索システムの構成を示す図である。
【図17】上記第2実施形態のコンピュータによって実行される探索プログラムの一部のフローチャートである。
【図18】上記第2実施形態のコンピュータによって実行される探索プログラムの残りのフローチャートである。
【図19】上記第2実施形態に係る固定通信装置の作動を示すフローチャートである。
【図20】上記第2実施形態に係る作動を説明するためのタイミングチャートである。
【図21】電子タグへのエネルギーを供給するための電源回路を示す図である。
【図22】固定通信装置の通信エリアを説明するための図である。
【図23】固定通信装置の通信エリアを説明するための図である。
【符号の説明】
A乃至F…部屋、a1乃至f3、A1乃至F1…固定通信装置、
G…データ制御装置、T10乃至T60…電子タグ、10乃至60…物品。
Claims (10)
- 複数の区画空間領域(A乃至F)内に一区画空間領域毎に分散して配置され、かつ、前記一区画空間領域毎に分散して置かれた複数の物(10乃至60)の各々に付されて当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)の各々と通信する複数の固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)と、
前記複数の区画空間領域のうち一区画空間領域内に配設されたデータ制御装置(G)とを備え、
前記複数の固定通信装置の各々は、指向性アンテナを備えて前記通信を行うようになっており、
前記データ制御装置は、
前記複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の少なくとも一固定通信装置を通してその対応の区画空間領域内の各電子タグに問いかけ信号を送信する問いかけ信号送信手段(410、411、412、413)と、
この問いかけ信号送信手段の送信に対し、前記複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の少なくとも一固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定する応答判定手段(420、421、430)と、
この応答判定手段による含まれているとの判定に基づき、前記探索物のある区画空間領域内の前記少なくとも一固定通信装置の出力を調整して当該固定通信装置の出力とその角度依存性とから当該固定通信装置と前記探索物との距離を算出し、前記探索物の存在する位置範囲を報知する報知手段(444、445、120)とを備える物探索システム。 - 複数の区画空間領域(A乃至F)内に一区画空間領域毎に分散して配置され、かつ、前記一区画空間領域毎に分散して置かれた複数の物(10乃至60)の各々に付されて当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)の各々と通信する複数の固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)と、
前記複数の区画空間領域のうち一区画空間領域内に配設されたデータ制御装置(G)とを備え、
前記複数の固定通信装置の各々は、指向性アンテナを備えて前記通信を行うようになっており、
前記データ制御装置は、
前記複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の各固定通信装置のうち一固定通信装置でもって当該一区画空間領域内全体を探索可能か否かを判定する区画空間領域判定手段(410)と、
この区画空間領域判定手段が前記一固定通信装置でもって当該一区画空間領域内全体を探索可能と判定したとき、当該一固定通信装置を通してその対応の区画空間領域内の各電子タグに問いかけ信号を送信し、また前記区画空間領域判定手段が前記一固定通信装置でもって当該一区画空間領域内全体を探索不可能と判定したとき、前記複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の複数の固定通信装置を通して各電子タグに問いかけ信号を送信する問いかけ信号送信手段(411、412、413)と、
この問いかけ信号送信手段の送信に対し、前記複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の一固定通信装置或いは複数の固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定する応答判定手段(420、421、430)と、
この応答判定手段による含まれているとの判定に基づき、前記探索物のある区画空間領域内の前記一固定通信装置或いは複数の固定通信装置の出力を調整して当該一固定通信装置或いは複数の固定通信装置の出力とその角度依存性とから当該一固定通信装置或いは複数の固定通信装置と前記探索物との距離を算出し、前記探索物の存在する位置範囲を報知する報知手段(440乃至445、120)とを備える物探索システム。 - 複数の区画空間領域(A乃至F)内に一区画空間領域毎に分散して配置され、かつ、前記一区画空間領域毎に分散して置かれた複数の物(10乃至60)の各々に付されて当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)の各々と通信する複数の固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)と、
前記複数の区画空間領域のうち一区画空間領域内に配設されたデータ制御装置(G)とを備え、
前記複数の固定通信装置の各々は、指向性アンテナを備えて前記通信を行うようになっており、
前記データ制御装置は、
前記複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の複数の固定通信装置を通してその対応の区画空間領域内の各電子タグに問いかけ信号を送信する問いかけ信号送信手段(410、411、412、413)と、
この問いかけ信号送信手段の送信に対し、前記複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の複数の固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定する応答判定手段(420、421、430)と、
この応答判定手段による含まれているとの判定に基づき、前記探索物のある区画空間領域内の複数の固定通信装置の出力を前記固定通信装置毎に調整して当該固定通信装置毎の出力とその角度依存性とから前記複数の固定通信装置と前記探索物との距離を前記固定通信装置毎に算出し、この算出された前記固定通信装置毎の距離に基づき前記探索物の存在する位置を求めるとともに、この求められた位置を報知する報知手段(444、445、120)とを備える物探索システム。 - 前記報知手段は、
前記電子タグの応答を停止させるように前記複数の固定通信装置の出力を前記固定通信装置毎に小さくするように調整する手段(4443)と、
前記固定通信装置毎の出力の調整に基づき前記電子タグが応答を停止したとき、前記調整された出力を前記固定通信装置毎に記憶する手段(4444)と、
前記記憶された固定通信装置毎の出力とその角度依存性とから前記複数の固定通信装置と前記探索物との距離を前記固定通信装置毎に算出する手段(4446)と、
前記算出された前記固定通信装置毎の距離に基づき前記探索物の存在する位置を求める手段(4448)と、
前記求められた前記探索物の存在する位置を報知する手段(445、120)と
を備えることを特徴とする請求項3に記載の物探索システム。 - 前記報知手段は、
前記電子タグの応答を開始させるように前記複数の固定通信装置の出力を前記固定通信装置毎に大きくするように調整する手段と、
前記固定通信装置毎の出力の調整に基づき前記電子タグが応答を開始したとき、前記調整された出力を固定通信装置毎に記憶する手段と、
前記記憶された固定通信装置毎の出力とその角度依存性とから前記複数の固定通信装置と前記探索物との距離を前記固定通信装置毎に算出する手段と、
前記算出された前記固定通信装置毎の距離に基づき前記探索物の存在する位置を求める手段と、
前記求められた前記探索物の存在する位置を報知する手段と
を備えることを特徴とする請求項3に記載の物探索システム。 - 前記データ制御装置は、
探索物の探索は前記複数の区画空間領域の一つを対象とするか否かを決定する決定手段(340)を備えて、
この決定手段が前記複数の区画空間領域の一つを対象とすると決定したとき、前記応答判定手段による判定、前記問いかけ信号送信手段による送信及び前記報知手段による報知を、前記決定区画空間領域を対象として行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の物探索システム。 - 前記データ制御装置は、通信ネットワークを介して通信する手段(912、911a)を有し、
前記各電子タグには、それぞれ、前記タグ情報として、前記通信ネットワークのアドレスが書き込まれていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の物探索システム。 - 複数の区画空間領域(A乃至F)内に一区画空間領域毎に複数の物(10乃至60)を分散して置くとともにこれら複数の物の各々に当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)を付し、かつ、前記複数の区画空間領域内に一区画空間領域毎に指向性アンテナを備えて前記電子タグと通信する複数の固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)を分散して配置して、
前記複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の少なくとも一固定通信装置を通してその対応の区画空間領域内の各電子タグに問いかけ信号を送信し、
この送信に対し、前記複数の区画空間領域の各々毎に一区画空間領域内の少なくとも一固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定し、
この判定が含まれているとの判定のとき前記探索物のある区画空間領域内の前記少なくとも一固定通信装置の出力を調整して当該固定通信装置の出力とその角度依存性とから当該固定通信装置と前記探索物との距離を算出し、前記探索物の存在する位置範囲を報知するようにした物探索方法。 - 区画空間領域(A乃至F)内に複数の物(10乃至60)を分散して置くとともにこれら複数の物の各々に当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)を付し、かつ、前記区画空間領域内に指向性アンテナを備えて前記電子タグと通信する少なくとも一つの固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)を分散して配置して、
前記少なくとも一固定通信装置を通して前記各電子タグに問いかけ信号を送信し、
この送信に対し、前記少なくとも一固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定し、
この判定が含まれているとの判定のとき前記少なくとも一固定通信装置の出力を調整して当該固定通信装置の出力とその角度依存性とから当該固定通信装置と前記探索物との距離を算出し、前記探索物の存在する位置範囲を報知するようにした物探索方法。 - 区画空間領域(A乃至F)内に複数の物(10乃至60)を分散して置くとともにこれら複数の物の各々に当該各物を特定する各タグ情報を書き込んでなる各電子タグ(T10乃至T60)を付し、かつ、前記区画空間領域内に指向性アンテナを備えて前記電子タグと通信する複数の固定通信装置(a1乃至f3、A1乃至F1)を分散して配置して、
前記複数の固定通信装置を通して前記各電子タグに問いかけ信号を送信し、
この送信に対し、前記複数の固定通信装置を通して少なくとも一電子タグからの応答があったときこの応答に探索物に付した電子タグからの応答が含まれているか否かを判定し、
この判定が含まれているとの判定のとき前記複数の固定通信装置の出力を調整して当該固定通信装置毎の出力とその角度依存性とから当該固定通信装置と前記探索物との距離を前記固定通信装置毎に算出し、この算出された前記固定通信装置毎の距離に基づき前記探索物の存在する位置を求めるとともに、この求められた前記探索物の存在する位置を報知するようにした物探索方法。
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