JP3882335B2 - 電動シャッターの開放防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャッターカーテンを、その閉鎖状態において、外部からの持ち上げなどによる開放させる操作を阻止するための電動シャッターの開放防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シャッターカーテンを構成するグリルシャッターは、中空のパイプ等の棒状のシャッター部材をリンク板などの連結部を介して互いに連結し、グリル状のシャッターカーテンを構成したもので、前記シャッター部材の端部を垂直な一対のガイドレールに沿わせて昇降させることでこのシャッターカーテンを開閉するようになっている。
【0003】
そして、このシャッターカーテンの閉鎖時における施錠は、シャッターカーテンを開閉(昇降)させる電動モータに内蔵されているブレーキ機構で行われるようになっており、シャッターカーテンを巻き取る巻取軸の回転を抑止し、シャッターカーテンが容易に上昇しないようにされている。
【0004】
ところが、このようなグリルシャッターは、建物開口を閉鎖している状態において、各シャッター部材がリンク板を介して互いに連続した構造であるため、シャッターカーテンに手を掛けて持ち上げると、シャッターケース内での遊びによってリンクが屈折し、シャッターカーテンが上昇してしまうおそれがあった。
【0005】
また、シャッターケース内では、巻取軸とガイドレール上端との間に、シャッターカーテンの巻取代を確保するために、相当な間隔が設けられており、従って、シャッターカーテンを降ろした状態(閉鎖状態)では最大の自由な距離があり、この閉鎖状態のシャッターカーテンを外部から持ち上げた場合に、前述のようにブレーキ機構が働いていても、容易にシャッターカーテンの下端部分が上昇してしまい、シャッターケース内での故障の原因となるばかりでなく、その上昇してしまうシャッターカーテンの下端部分が床面との間に空間となることから防犯上、問題となるおそれがあった。
【0006】
そこで、上記のようなシャッターカーテンの持ち上げを防止するために、グリルシャッターには持ち上げ防止装置が設けられている。
この持ち上げ防止装置は、シャッターカーテンの閉鎖時に作動する電磁ソレノイドを備え、この電磁ソレノイドが通電を断たれて作動することでガイドレール内等のシャッターカーテンの移動軌跡内にレバーを突出させ、このシャッターカーテンを構成するシャッター部材間に位置させ、その突出したレバーによりグリルシャッターの持ち上げによる上昇を防止するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のグリルシャッターの持ち上げ防止装置では、シャッターカーテンが閉鎖した際に突出する電磁ソレノイドのレバーが、その閉鎖状態のシャッターカーテンにおけるシャッター部材とシャッター部材との間に必ずしも突出するとは限らず、すなわち、突出時に、レバー先端がシャッター部材に当接し、十分に突出せず、干渉した状態となり、シャッターカーテンの持ち上げの防止を確実に行えないおそれを有している。
【0008】
また、シャッターカーテンの開放動作と同時にレバーが後退する構成とされているが、上記のような干渉状態であったり、シャッターカーテンの上昇が早く、レバーが完全に後退状態とならない場合には、シャッター部材がレバーに係合状態となってシャッターカーテンが上昇を行おうとすることから、突出状態のレバーがシャッター部材の移動によって破損され、すなわち持ち上げ防止装置が損壊してしまうおそれもある。
【0009】
このようなシャッター部材の上昇移動とレバーとの干渉を防止するために、レバーが完全に後退状態となることを確認するようなセンサなどを設ける構成などが案出されているが、複雑な制御回路を必要とするなどの欠点を有しており、簡素な構成が望まれている。
【0010】
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、簡素な構成で、シャッターカーテンの不正な持ち上げなどの開放操作を防止する構造とするとともに、シャッターカーテンのシャッター部材との干渉が発生した際に、このシャッター部材の移動によって損壊されることのない電動シャッターの開放防止装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の電動シャッターの開放防止装置は、少なくとも一部に棒状のシャッター部材8を連結部材9を介して互いに連結した構造のグリルカーテン部を有したシャッターカーテン3を、その閉鎖状態において、外部からの操作による開放を阻止するための電動シャッターの開放防止装置において、
前記シャッターカーテン3の移動軌跡内に対して、前記シャッターカーテン3の開閉動作時には通電されることにより付勢部材の付勢力に抗して後退状態を保持し、該シャッターカーテン3が全閉状態となって閉鎖状態が停止すると通電が断たれ、前記付勢部材の付勢力により突出状態となって、前記シャッターカーテン3における前記グリルカーテン部の前記シャッター部材8の間に進出する係止手段16と、
前記シャッターカーテン3の開放動作を監視し、前記シャッターカーテン3と前記係止手段16との干渉を検知すると、前記シャッターカーテン3の開放動作を停止させる検出手段18と、
を具備することを特徴とする。
【0012】
また、この発明の電動シャッターの開放防止装置は、前記係止手段16を支持するとともに、前記シャッターカーテン3の開方向と略同方向に移動自在とされるブラケット12を備え、前記検出手段18は前記ブラケット12の前記移動を検知することを特徴とする。
【0013】
さらに、この発明の電動シャッターの開放防止装置は、前記係止手段16の先端より延出して設けられ、該係止手段16とともに、前記シャッターカーテン3の移動軌跡内に対して進退自在とされ、弾性を有する干渉板21を備えることを特徴とする。
【0014】
また、この発明の電動シャッターの開放防止装置は、前記干渉板21は、弾性力を前記付勢部材の付勢力より強く設定することを特徴とする。
【0016】
このような構成により、閉鎖状態となっているシャッターカーテン3に手を掛けて持ち上げなどの操作を行おうとすると、係止手段16が、シャッターカーテン3の移動軌跡内に突出していることから、この係止手段16とシャッター部材8とが当接し、このシャッターカーテン3の開放を阻止する。
【0017】
この係止手段16のシャッターカーテン3の移動軌跡内への突出状態において、係止手段16の先端がシャッター部材8間とならない場合には、この係止手段16の先端に延設される弾性を有した干渉板21により、その干渉状態を防止され、互いに係止状態による破損のおそれが生じなくなる。
また、シャッターカーテン3が開放移動を行う場合に、シャッター部材8と係止手段16とのクリアランスが小さい場合に、開放するシャッター部材8が係止手段16に干渉状態とされる際には、この係止手段16の配設されるブラケット12がシャッターカーテン3の開放方向と略同方向に移動し、この移動を検出手段18が検知することにより、そのシャッター部材8と係止手段16との干渉状態を監視でき、シャッターカーテン3の移動を停止するなどの制御を行うことで、互いに損傷を防ぐことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による電動シャッターの開放防止装置が設けられるシャッターの正面図、図2は同電動シャッターの概略側断面図である。
【0019】
電動シャッター1は、図1に示すように、住宅や店舗などの建物における建物開口2に配設されており、電動シャッター1を構成し、シャッターカーテン3を収容するシャッターケース4が建物開口2の上縁に略水平に配設されている。
【0020】
シャッターケース4の下縁に連結され、建物開口の左右両側縁に略垂直に立設される一対のガイドレール5,5間の、このシャッターケース4の下面には、図2に示すように、シャッターカーテン3が出入りする左右に長尺なスリット状の開口部6が設けられ、この開口部6にはまぐさ7が、この開口部6の長手方向に沿って配設されている。
【0021】
なお、本実施の形態では、図2に示すように、開口部6の屋内側及び屋外側の両縁部におけるいずれか一方にまぐさ7が配設されている。
また、従来の技術で説明したが、このシャッターカーテン3は、図1及び図2に示すように、中空のパイプ等の棒状のシャッター部材8をリンク9を介して互いに連結しグリル状に構成したいわゆるグリルカーテンを構成しており、シャッター部材8の両端部が垂直な一対のガイドレール5,5に案内されて昇降し、シャッターケース4内の電動モータなどの駆動装置(図示せず)にて開閉するようになっている。
【0022】
そして、本実施の形態では、シャッターケース4内であるまぐさ7の上部に、図2に示すように、本発明の開放防止装置10が配設されている。
【0023】
この開放防止装置10は、基台11と、ブラケット12と、係止手段としてのレバー16と、検出手段18と、干渉板21とで大略構成されている。
【0024】
基台11は、例えば方形ブロック状に形成され、まぐさ7の上面に固設されており、好ましくは、図2に示すように、開口部6にやや近接するように設けられている。
【0025】
また、ブラケット12は、例えば下面及びシャッターケース4の開口部6側の隣り合う側面が開口形成される略矩形箱形状に形成されており、開口部6から離間する左右各側板の下縁12aが、開口部6の長手方向を軸線方向として基台11に軸支15されているとともに、開口部6に近接する左右各側板の下縁12bに略垂直方向に長尺な長穴13が穿設され、基台11に突設される規制軸14が嵌挿されるようになっている。
そして、このブラケット12は、基台11との軸支部分15を中心に揺動自在とされるとともに、基台11の規制軸14により、長穴13の範囲で揺動できるようになっている。
【0026】
なお、このブラケット12は、通常基台11に対して垂直な状態であり、すなわち、長穴13の上端に規制軸14が当接しており、この位置から軸支部分15を中心に、ブラケット12上方が開口部6より離脱する方向に傾動するように揺動可能となる構造となっている。
【0027】
次に係止手段としてのレバー16は、ロータリーソレノイド17に具備されており、このロータリーソレノイド17は、前記ブラケット12に配設されている。
【0028】
このロータリーソレノイド17は、シャッターケース4の開口部6の長手方向を軸線方向とし、レバー16の揺動角度が本実施の形態では略垂下方向から略45°の間隔とされ、レバー16先端が開口部6に向いて揺動自在とされており、このレバー16先端が垂下方向を向いた状態では開口部6に対して後退した位置とされ、すなわちガイドレール5にて昇降を案内され移動するシャッターカーテン3の移動軌跡から後退状態となり、またレバー16が揺動した状態ではレバー16先端がブラケット12に対して開口部6方向に進出した位置となり、すなわちレバー16の先端側がシャッターカーテン3の移動軌跡内に突出する状態となる。
【0029】
なお、このロータリーソレノイド17は、コイルバネなどの付勢部材が内蔵され、この付勢部材の付勢力により、レバー16は突出状態となるとともに、通電が行われると付勢部材の付勢力に抗してレバー16を後退させるように揺動させる。
【0030】
次に、検出手段としてのマイクロスイッチ18は、ブラケット12と基台11との間に介設されている。
【0031】
このマイクロスイッチ18は、本実施の形態では、ブラケット12の側板内面におけるシャッターケース4の開口部6に近接する位置に配設されており、揺動することによって進退動作を行う作動子18aが下向きとなって、この作動子18aの先端が基台11に当接状態とされ、通常の状態ではこの作動子18aが基台11に当接し、押圧されて後退状態とされている。
【0032】
なお、このマイクロスイッチ18は、図4に示すように、シャッターケース4に内蔵されてシャッターカーテン3の開閉(昇降)駆動などの制御を行う制御盤19の一部に接続されており、作動子18aが後退した状態では通電状態となるように設定され、好ましくは、シャッターカーテン3の開閉動作を非常時などに緊急停止させる非常停止スイッチ20に直列接続される。
【0033】
次に、干渉板21は、合成ゴムなどよりなる弾性を有する板材より構成されており、本実施の形態では、シャッターケース4の開口部6に面するブラケット12の側面上方に一側が固定され、この固定位置から垂下方向に吊下されるように設けられている。
【0034】
そして、この干渉板21は、ブラケット12に吊下状態となって、前記レバー16の一側縁に当接状態となり、このレバー16の揺動とともにシャッターカーテン3の移動軌跡内に対して進退自在となるとともに、レバー16の先端よりも延出するように、本実施の形態では例えばレバー16先端より約10mm延出するように長さが設定され、ブラケット12に設けられている。
【0035】
なお、この干渉板21は、好ましくは、弾性力を、ロータリーソレノイド17に内蔵されレバー16を突出させる付勢力より強く設定するとともに、ブラケット12との固定部分を容易に可撓自在とし、レバー16が突出する際に、この干渉板21とともに容易に突出可能となるよう設定される。
【0036】
次に、上記構成による開放防止装置10の動作について説明する。
【0037】
シャッターカーテン3が開閉動作を行う際、すなわち、シャッターカーテン3が上昇動作または下降動作を行っている際には、開放防止装置10のロータリーソレノイド17に通電が行われ、レバー16を後退状態に保持し、シャッターカーテン3の移動軌跡内に進入することなく、すなわち干渉することがない(図2中一点鎖線)。
【0038】
また、基台11に対してブラケット12が揺動しないことから、マイクロスイッチ18の作動子18aは後退状態であり、通電状態が保たれている。
【0039】
次に、シャッターカーテン3が閉鎖し、全閉状態となると、シャッターカーテン3の動作が停止する。
【0040】
すると、ロータリーソレノイド17への通電が断たれ、このロータリーソレノイド17に内蔵されている付勢部材の付勢力によってレバー16が揺動し、シャッターカーテン3の移動軌跡内に突出する(図3参照)。この突出時には、干渉板21とともに、レバー16がシャッターカーテン3の移動軌跡内に進入状態となり、シャッター部材8間に位置することとなる。
【0041】
そして、このシャッターカーテン3の全閉状態で、このシャッターカーテン3を手に掛けて持ち上げると、シャッターカーテン3の移動軌跡内にレバー16が突出していることから、持ち上げられるシャッターカーテン3は、シャッター部材8がレバー16の下方に当接し、その上昇を妨げられ、すなわち、持ち上げが防止される。
【0042】
また、シャッターカーテン3の上昇(開放)時では、その上昇が開始すると同時に、ロータリーソレノイド17への電源の供給が行われ、これにより、レバー16は後退となり、すなわちレバー16がシャッターカーテン3の移動軌跡内より後退し、シャッターカーテン3はその上昇動作を妨げられることなく、上昇動作が行われる。
【0043】
ここで、シャッターカーテン3の移動軌跡内に進入したレバー16及び干渉板21の両先端が、シャッターカーテン3のシャッター部材8間に進入状態とならずに、シャッター部材8に干渉して当接した場合、レバー16の先端より延出している干渉板21の先端が、図2に示すように、シャッター部材8に当接状態となる。このとき、干渉板21の弾性をロータリーソレノイド17による付勢力より大きく設定していることから干渉板21は屈曲せず、その当接状態を保つ。
【0044】
これは、シャッターカーテン3の停止位置が、必ずしもレバー16の突出する位置に適合する位置ではないことから起こるが、この干渉板21により、レバー16とシャッター部材8とは互いに直接干渉することがなく、また、シャッター部材8に対するレバー16の突出位置に十分なクリアランスを得られずに突出してしまうことがなくなり、すなわち、シャッターカーテン3が停止状態から上昇(開放)動作を行い、同時にレバー16が後退を行おうとするのに必要な間隙(クリアランス)を得られないことがないようになっている。
【0045】
この干渉板21がシャッター部材8に当接状態となると、シャッターカーテン3に対してレバー16が突出状態とならないが、上記のような、シャッターカーテン3を手に掛けて持ち上げた場合には、干渉板21が当接しているシャッター部材8がやや上昇することでその下段のシャッター部材8との間にレバー16が付勢部材によって突出し、これにより、持ち上げられるシャッターカーテン3が、レバー16と当接し、その上昇を妨げられ、すなわち、持ち上げが防止されることとなる。
【0046】
また、干渉板21がシャッター部材8に当接状態となった状態で、シャッターカーテン3が上昇(開放)動作となると、ロータリーソレノイド17に通電が行われることから、上記と同様にレバー16は後退が行われ、その上昇移動を妨げることなくシャッターカーテン3は上昇(開放)が続行される。
【0047】
さらに、このレバー16が上記の通常時のように、シャッター部材8間に突出状態となり、その後にシャッターカーテン3が上昇(開放)動作を行う際に、ロータリーソレノイド17の動作によるレバー16の後退が、シャッターカーテン3の上昇に対して遅れ、シャッター部材8に当接して、すなわち干渉してしまった場合には、シャッター部材8の上昇とともにレバー16が上方に持ち上げられてしまうが、このとき、レバー16及びロータリーソレノイド17とともにブラケット12が基台11との軸支部分15を中心に揺動が起こる。
【0048】
ブラケット12が揺動を起こすと、後退状態のマイクロスイッチ18の作動子18aが基台11との距離が離れることから押圧状態を解除され進出状態となり、これにより通電状態が解かれることとなる。
【0049】
すなわち、このマイクロスイッチ18は、シャッターカーテン3の開閉動作を非常時などに緊急停止させる停止スイッチ20に直列接続されていることから、シャッターカーテン3の開閉動作を行う電動モータへの通電を断つこととなり、これによりシャッターカーテン3の上昇(開放)動作が停止となる。
【0050】
このことから、シャッターカーテン3の上昇によって持ち上げられてしまうレバー16は負荷を受けることなく、シャッターカーテン3の動作が停止し、レバー16及びロータリーソレノイド17を含む開放防止装置10の損壊が防止される。
【0051】
なお、このようにシャッターカーテン3の上昇が停止された後は、例えば、制御盤19等による制御にて、シャッターカーテン3をやや下降動作させ、その後に改めて上昇動作を行うことで、シャッターカーテン3の開放となる。
【0052】
従ってこのように構成された開放防止装置10によれば、シャッターケース4の開口部6におけるまぐさ7に進退自在なレバー16を設け、シャッターカーテン3が停止することでシャッターカーテン3の移動軌跡内に突出する構成とされていることから、このシャッターカーテン3を持ち上げるなどの不正な行為が行われても、その上昇を阻止することができる。
【0053】
そして、シャッター部材8間に突出するレバー16の先端が、シャッター部材8と干渉を起こし、またはシャッター部材8とのクリアランスを十分にとることができない場合に対し、レバー16先端よりも延出して設けられる干渉板21により、その干渉を防止することが可能となるので、互いに損傷などを起こすことがなくなる。
【0054】
また、このレバー16の備えられるブラケット12が揺動自在とされるとともに、その揺動を検出するマイクロスイッチ18が設けられていることから、シャッターカーテン3の上昇動作時にレバー16が干渉していても、このレバー16を損壊させることなく、シャッターカーテン3の上昇を停止させてしまうことが可能となり、この開放防止装置10を破損させることがない。
【0055】
さらに、上記の開放防止装置10によれば、複雑な制御回路などを設けることなく、破損の防止等が行われるので、安価に構成でき、また、電気的構造なども簡素なものとされているので、容易に、この開放防止装置10をシャッター装置に付設することが可能となる。
【0056】
また、干渉板21を弾性を有するゴム板にて構成したことにより、シャッター部材8との当接時に騒音を発することがなく、すなわち動作音の低減が図られる。
【0057】
なお、上述した実施の形態では、係止手段を、ロータリーソレノイド17のレバー16とした例について述べたが、この係止手段は、直動する軸形状の部材としてもよく、例えばこの軸形状の部材を直動ソレノイドなどの機構にて構成させることとしてもよい。
この場合も、この係止手段である軸形状の部材の先端に、弾性を有する干渉板21を備える構成とさせる。
【0058】
また、上述した実施の形態では、ブラケット12を軸支部分15にてまぐさ7に対して揺動する構成としたが、このブラケット12は、シャッターカーテン3の移動方向と略同方向に移動自在であればよく、このシャッターカーテン3の移動方向と略同方向にスライド移動自在な構造としたり、また、軸支部分を備えて回動自在としシャッターカーテン3の移動方向と略同方向に回動する構造として構成させてもよい。
この場合、上述した実施の形態と同様に、そのスライド移動の範囲や回動する範囲を設定するとともに、マイクロスイッチ18などの検出手段を設け、このブラケット12のスライド移動や回動を検出できるよう構成させる。
【0059】
さらに、上述した実施の形態では、干渉板21をブラケット12に固設させる例について述べたが、この干渉板21は、例えば、係止手段であるレバー16の先端部分に延出するように設けてもよい。
【0060】
また、上述した実施の形態では、検出手段をマイクロスイッチ18にて構成した例について述べたが、この検出手段はこれに限定されることはなく、ブラケット12の移動を検知できる構成であれば他の構造としてもよい。
【0061】
さらに、上述した実施の形態では、開放防止装置10の位置をシャッターケース4内のまぐさ7の上面に配設させる例について述べ、その構成の数については詳述していないが、シャッターケース4のスリット状の開口部6に対し、その長手方向であるシャッターカーテン3の幅方向における略中央位置に少なくとも1つ配設されることとすればよく、また、シャッターカーテン3の幅長に合わせて複数配設させることとしてもよい。この複数構成の場合は、シャッターカーテン3の幅方向における少なくとも両端近傍にそれぞれ設ける2組構成とし、2組構成以上の場合は、それらの間に互いに略等間隔となるよう配設させることとする。
【0062】
さらに、上述した実施の形態では、シャッターケース4内におけるまぐさ7上に開放防止装置10が配設される例について述べたが、この開放防止装置10の配設位置は、これに限定されることはなく、例えばシャッターケース4の具備しない電動シャッターなどもあることから、シャッターカーテン3が開閉移動する開口部分の周囲部分に位置して、このシャッターカーテン3停止時にシャッターカーテン3の移動軌跡内に係止手段が突出できる位置であれば、どの位置に配設されていてもよく、例えば、シャッターカーテン3の移動を案内するガイドレール5に配設される構成などとしてもよい。
なお、この開放防止装置10の配設される位置は、好ましくは、防犯上、人の手がとどかない位置とされるのがよい。
【0063】
また、上述した実施の形態では、シャッターカーテン3の構成が、全長にわたって中空パイプ状のシャッター部材8をリンク板9を介して連結したグリルカーテンよりなる構成とした例について述べたが、帯板状のシャッター部材よりなるスラットカーテンと、上記グリルカーテンとが連結された構成のシャッターカーテン、すなわち、シャッターカーテンの一部にグリルカーテン部を有した構造としてもよく、その場合、シャッターカーテン閉鎖時におけるグリルカーテン部の位置に対応させて本発明の開放防止装置が位置するように構成する。
【0064】
さらに、上述した実施の形態では、係止手段であるレバー16を、シャッターカーテン3の昇降(開閉)動作の停止と同時に作動し、シャッターカーテン3の移動軌跡内に突出する例について述べたが、このレバー16の突出のタイミングは、タイマ回路などの電気的な構成を付加して、タイムラグを発生するように構成してもよく、例えばシャッターカーテン3の動作停止後にやや遅れて突出するように構成させてもよい。
【0065】
さらに、上述した実施の形態では、レバー16先端より延出する干渉板21と、摺動するブラケット12と、マイクロスイッチ18などの検出手段とで構成される、所謂、機械的構造にて構成される例について述べたが、シャッターカーテン3の開閉駆動を制御する制御盤19に備えて、シャッターカーテン3の動作状況を監視して、破損を回避する電気的回路などの構成としてもよい。
【0066】
この電気的回路は、例えば、図5のフローチャートに示すような手順にて行われるものであり、この図5を参照して説明を行う。
【0067】
まず、シャッターカーテン3を開放する動作、すなわち、開放ボタンなどのシャッターカーテン3の開放を開始させるスイッチをONにする(図5中ST1)と、ロータリーソレノイド17のレバー16が後退して解錠動作が行われる(ST2)。
【0068】
次に、この解錠動作が正常に行われる所定時間を待機して(ST3)シャッターカーテン3の実際の動作の開始を遅延させて、その所定時間経過後に、電動モータの駆動が開始し(ST4)、シャッターカーテン3の開放動作が開始する。
【0069】
次に、タイマーが動作を開始する(ST5)。
このタイマーは、シャッターカーテン3が閉鎖状態から開放状態となる通常の時間が予め設定されている。
【0070】
このタイマーにより設定される時間内、すなわち、シャッターカーテン3が開放となるまでの時間内に監視が行われ、シャッターカーテン3が開放されたか否かを検出する(ST6)。
【0071】
この監視中、すなわち時間内に、シャッターカーテン3の開放が無事終了すると、同時にタイマーはリセットされ(ST7)、正常終了となる。
【0072】
また、この監視中にシャッターカーテン3の動作が異常停止など起こしてシャッターカーテン3が開放できず、タイマーによる時間内にシャッターカーテン3の開放が終了することとならないと、所定時間の経過(ST8)となり、電動モータの駆動を停止させる(ST9)。
【0073】
そして、この電動モータの停止と同時に、ブザーやアラーム音の鳴動や表示灯などの警告表示、事象発生信号の送信など、警告動作を開始し(ST10)、外部に異常のあったことの通知を行う。
【0074】
すなわち、シャッターカーテン3の開放動作中に、シャッター部材8がレバー16に係合し動作が停止してしまったことを外部に知らせ、同時に、シャッターカーテン3の動作を停止し、電動モータの駆動を停止させるようになっている。
【0075】
このような構成の開放防止装置とすれば、上述した実施の形態と同様に、進退自在なレバー16によって、閉鎖状態のシャッターカーテン3に対する持ち上げなどの不正な行為が行われても、その上昇を阻止することが可能となり、また、このレバー16がシャッターカーテン3の開放時に干渉し当接状態となっても、上記手順にてシャッターカーテン3の上昇移動を停止させることが可能となることから、このレバー16を損壊させることなく、この開放防止装置10を破損させることがない。
【0076】
なお、この構成の場合、上述した実施の形態の構成である、干渉板21とブラケット12と検出手段18とをそれぞれ用いることなく、上記のようなフローチャート図に基づく電気回路構成とさせた例であるが、係止手段であるレバー16の先端に、延出する干渉板21を設ける構成としてもよい。
この干渉板21を設ける構成により、上記同様、シャッターカーテン3のシャッター部材8との干渉及び互いの破損を防止できる。
【0077】
また、上記フローチャート図に基づいた手順の電気的回路に、シャッターカーテン3の開閉を駆動する電動モータにタコジェネレータを取り付ける構成としてもよい。
このタコジェネレータを備えた構成では、タコジェネレータの発電の有無や、このタコジェネレータの発する周波数を監視することとなる。
この場合、発電が有る、又は所定の周波数以上発生することを、シャッターカーテン3の動作が有り正常であると判断し、これら発電または周波数が無い場合に、シャッターカーテン3の動作が異常と判断して電動モータの停止を行い、警告の通知を行うように構成させる。
【0078】
さらに、上記タコジェネレータの構成以外に、上記電動モータにパルスジェネレータを取り付け、このパルスジェネレータが発するパルスの有無を監視して、シャッターカーテン3の動作の有無を判断するように構成してもよい。
【0079】
また、開閉(昇降)動作を行うシャッターカーテン3のシャッター部材8の通過状態を、例えば光学センサなどにて監視し、このシャッター部材8が所定時間間隔内に通過があれば、このシャッターカーテン3の動作が有ると判断する構成としてもよい。
【0080】
また、上述した各実施の形態では、シャッターカーテン3を建物開口を全て閉鎖した状態で、開放防止装置10が働く構成として説明したが、シャッター制御の設定上全閉とされた位置、例えば、床面より若干上側の位置で人が通り抜けられない程度の間隔高さにて停止した状態にて開放防止装置が作動し、レバーを突出させるような構成としてもよい。
【0081】
さらに、上述した実施の形態では、シャッターカーテン3が、シャッターケース4内にて巻取収納される例について述べたが、このシャッターカーテン3を巻き取らずに延伸状態で収納が行われるオーバーヘッドタイプのシャッター装置に、本発明の開放防止装置10を適用してもよい。
【0082】
また、上述した実施の形態では、シャッターカーテン3の開閉方向が昇降方向とされ、上昇することで開放する構成の電動シャッターについて説明したが、下降することでシャッターカーテン3が開放する構造の電動シャッターに適用させてもよく、また、シャッターカーテンが左右方向に移動することで開閉が行われる横引きシャッター装置に適用してもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による電動シャッターの開放防止装置では、シャッターカーテンの移動軌跡内に対して進退自在な係止手段を設け、シャッターカーテンが停止することでシャッターカーテンの移動軌跡内に突出する構成とされていることから、このシャッターカーテンを持ち上げるなどの不正な開放を行う行為が行われても、その開放(例えば上昇)を阻止することができるという効果がある。
【0084】
そして、シャッター部材間に突出する係止手段の先端が、シャッター部材と干渉を起こし、またはシャッター部材とのクリアランスを十分にとることができない場合に対し、係止手段の先端よりも延出して干渉板が設けられることにより、その係止手段とシャッター部材との干渉を防止することが可能となるので、互いに損傷などを起こすことがなくなる。
【0085】
また、この干渉板を弾性を有する素材にて構成したことにより、シャッター部材との当接時に騒音を発することがなく、すなわち動作音の低減が図られる。
また、干渉板の弾性を係止手段の付勢部材の付勢力より大きく設定していることから干渉板は屈曲せず、その当接状態を保つ。
【0086】
さらに、この係止手段の備えられるブラケットがシャッターカーテンの開放方向と略同方向に移動自在とされるとともに、その移動を検出する検出手段が設けられていることから、シャッターカーテンの開放動作時に係止手段の後退動作が遅れ係止手段と干渉していても、この係止手段を損壊させることなく、シャッターカーテンの開放を停止させてしまうことが可能となり、この開放防止装置自体を破損させることがないという効果がある。
【0087】
そして、このブラケットと検出手段、及び係止手段と干渉板とで構成される開放防止装置によれば、複雑な制御回路などを設けることなく、破損の防止等が行われるので、安価に構成でき、また、電気的構造なども簡素なものとして構成できるので、容易に、この開放防止装置を得ることができ、既設の電動グリルシャッターに付設させることが可能となる効果が得られる。
【0088】
また、この開放防止装置によれば、上述したように、係止手段にて、閉鎖状態のシャッターカーテンの不正な開放操作に対して、それを防止し阻止することができるとともに、シャッターカーテンを開放させる際に、この係止手段がシャッター部材に引掛かるなど干渉してしまうことを、そのシャッターカーテンの動作状態を監視する検出手段にて行うことから、その動作状態の通常と異なる状態、すなわち、上記した閉鎖状態から開放させる際に開放へとならない状態を素早く検知することで、係止手段とシャッター部材との干渉状態を解消させ、例えば、シャッターカーテンの開放移動を停止するなど行い、互いの破損、すなわち、シャッター部材と開放防止装置自体を破損させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電動シャッターの開放防止装置が設けられるシャッターの正面図
【図2】同電動シャッターの開放防止装置の一実施の形態を示す概略側断面図
【図3】同開放防止装置の動作状態を示す概略側断面図
【図4】同開放防止装置に備えられる概略回路構成図
【図5】同開放防止装置の他の実施の形態を示す動作フローチャート図
【符号の説明】
1…電動シャッター
3…シャッターカーテン
8…シャッター部材
9…連結部材(リンク板)
12…ブラケット
16…係止手段(レバー)
18…検出手段(マイクロスイッチ)
21…干渉板

Claims (4)

  1. 少なくとも一部に棒状のシャッター部材を連結部材を介して互いに連結した構造のグリルカーテン部を有したシャッターカーテンを、その閉鎖状態において、外部からの操作による開放を阻止するための電動シャッターの開放防止装置において、
    前記シャッターカーテンの移動軌跡内に対して、前記シャッターカーテンの開閉動作時には通電されることにより付勢部材の付勢力に抗して後退状態を保持し、該シャッターカーテンが全閉状態となって閉鎖状態が停止すると通電が断たれ、前記付勢部材の付勢力により突出状態となって、前記シャッターカーテンにおける前記グリルカーテン部の前記シャッター部材の間に進出する係止手段と、
    前記シャッターカーテンの開放動作を監視し、前記シャッターカーテンと前記係止手段との干渉を検知すると、前記シャッターカーテンの開放動作を停止させる検出手段と、
    を具備することを特徴とする電動シャッターの開放防止装置。
  2. 前記係止手段を支持するとともに、前記シャッターカーテンの開方向と略同方向に移動自在とされるブラケットを備え、前記検出手段は前記ブラケットの前記移動を検知することを特徴とする請求項1記載の電動シャッターの開放防止装置。
  3. 前記係止手段の先端より延出して設けられ、該係止手段とともに、前記シャッターカーテンの移動軌跡内に対して進退自在とされ、弾性を有する干渉板を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の電動シャッターの開放防止装置。
  4. 前記干渉板は、弾性力を前記付勢部材の付勢力より強く設定することを特徴とする請求項3記載の電動シャッターの開放防止装置。
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