JP3881221B2 - 近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズ - Google Patents
近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズ Download PDFInfo
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Description
(技術分野)
本発明は、近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズに関し、更に詳細には視覚障害の矯正を達成するために、患者の角膜のトポグラフィーに基づいて角膜を再形成する近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズに関するものである。
【0002】
(背景技術)
眼に入る平行光線が網膜上にはっきりと焦点を合わせることを妨げる視覚的又は光学的障害には、いくつかの種類がある。ハイパローピア(遠視)では、一般に眼球軸が短すぎるために焦点が網膜の背後にある。マイオーピア(近視)では、一般に眼球軸が長すぎるために網膜の手前で像を結ぶ。乱視では、一般に眼の形状の非対称性のために眼球の異なる経線において屈折が等しくない。
【0003】
このような障害を矯正するために、遠視用の凸(プラス)レンズ、近視用の凹(マイナス)レンズ、及び、乱視用の円柱形のレンズを含む矯正用の眼鏡又はコンタクトレンズが用いられてきた。最近では、外科的手法である近視又は遠視の角膜曲率形成術が角膜の曲率を変更するのに用いられ、それにより、屈折誤差を改善するようになってきている。この方法では、角膜円板を予測した厚さだけマイクロケラトームで切り取って除去する。放射状角膜切開術のような付加的外科手法では、角膜の微小切開を利用して外科的に角膜の曲率を修正することにより、近視又は乱視を軽減又は消失させる。
【0004】
光屈折角膜切除術(PRK)では、レーザを用いて角膜の中心を切除し、従って角膜を変化させる。自動層状角膜切除(ALK)では、角膜に圧力をかけて中央のドームを膨張させる。次に、ドームの皮膚弁を開け、角膜組織の層を除去した後、皮膚弁を閉じる。ALK/PRKの特徴を組み合わせた処置方法が用いられることもあり、これはLASIK(レーザ原位置角膜切除術)と呼ばれる。
【0005】
これらの外科的処置は、視覚障害の長持ちする矯正を達成するが、一方で患者の眼に永久的な損傷を与える内在的なリスクを呈する。このリスクが如何に小さいものであっても、患者の多くは、角膜の曲率を矯正するためにこのような外科的手法を受けることを望まない。角膜を再形成し、それによって視覚障害の矯正を達成する非外科的方法が要求されてきた。
【0006】
このような要求を満足する一つの手段として、米国特許第5,695,509号では、角膜の曲率の非外科的再形成及び変更を行うための光学コンタクトレンズ(コンタクトレンズ)が提供されている。この光学コンタクトレンズ(以下、単にコンタクトレンズと称する場合がある)は、患者の角膜に施されると、角膜に選択的な圧力を働かせ、押圧領域から離れてリリーフ領域に角膜組織を転位させることにより、患者の角膜を再形成して外科的介入を行うことなく患者の視力を改善する。一般に、光学コンタクトレンズのデザインは、患者の眼の角膜トポグラフィーに変化を引き起こし、近視眼の角膜をより扁平にする。
【0007】
この光学コンタクトレンズは、患者角膜の特定の輪郭又はトポグラフィーに応じて、眼の曲率の必要な再形成又は矯正を及ぼすように工夫されている。コンタクトレンズが患者の角膜上に置かれると、コンタクトレンズの押圧領域が、下にある又は係合した角膜の領域に相対的な選択的圧力をかけ、圧力のある領域から離れる方に角膜組織の転位をもたらす。押圧領域に隣接するリリーフ領域は、角膜に接触せず、また、角膜に圧力をかけておらず、コンタクトレンズが角膜表面の上方に持ち上げられている区域である。この区域は、押圧領域の下にある角膜からはずされた角膜組織を受け入れる役割を果たす。リリーフ領域に隣接し、リリーフ領域とコンタクトレンズ周縁部との間にあるアンカー領域は、角膜組織の再形成を制御又は管理し、変位した組織をリリーフ領域に誘導する。アンカー領域はまた、角膜上でのコンタクトレンズの良好な中心化と中心化の維持とを確実にし、従って結果の予想可能性を準備して、目標とする矯正をオーバーシュートすることを防ぐ。
【0008】
近視の治療に有用な本発明のコンタクトレンズは、中央押圧領域、隣接する環状リリーフ領域、及び、リリーフ領域に隣接してリリーフ領域とコンタクトレンズ周縁部部との間に位置する環状アンカー領域を包含する。コンタクトレンズが患者の角膜の所定の位置に置かれると、中央押圧領域により角膜ドームのほぼ中央に圧力が働き、それにより、ドーム中央から離れ隣接する環状リリーフ領域への角膜組織の転位をもたらす。アンカー領域に働く圧力は、転位した組織をリリーフ領域内に誘導することにより角膜表面の再構成を制御する。時間と共に近視眼の角膜ドームの急勾配の曲率が平らになるか又は減少し、中央角膜に亘って入射する光がより正確に網膜上に収束することになり、それによって患者の視力が改善する。
【0009】
患者の角膜ドームが1つより多い曲率を有する乱視の治療を達成するには、与えられた各軸線において、コンタクトレンズの曲率は、最も急勾配の経線で圧力を加えるように押圧領域を置き、経線の急勾配の減少をもたらして、曲率の差を最小にするか又は消失させる。乱視を治療するコンタクトレンズの特性は、近視を矯正するコンタクトレンズの特性に類似する。
【0010】
以上の米国特許で提供されたコンタクトレンズは、換言すると、
患者の角膜の形状を変えることにより、近視および/または乱視を矯正するための近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズであって、
中央に配置され、その患者の角膜側の内面である第1面が、患者の角膜中央表面カーブより平坦な凹面である押圧領域;
この押圧領域の周囲に配置され、その患者の角膜側の内面である第2面が凹面であるリリーフ領域;および
このリリーフ領域の周囲に配置され、その患者の角膜側の内面である第3面が凹面であるアンカー領域;
を備え、具体的には、
前記第1面が患者の角膜の形状に特定の望ましい形付けを行うために、患者の角膜の形状に基づいて決定された湾曲度を有し、前記第1面の湾曲度BC、前記第2面の湾曲度をRC、そして前記第3面の湾曲度をACとしたとき、
RC=BC+3.00D(ジオプトリー)、および
AC=BC+0.0〜1.0D
を満足するように形成されている。
【0011】
RC、ACが上記のように設定された上記コンタクトレンズは、ある程度の成果が得られたが、それは欧米人に顕著であり、東洋人にはあまり効果がなかった。そこで、本発明の発明者は、東洋人、特に日本人の角膜形状等を鋭意研究し、東洋人、特に日本人に対して最も効果的なコンタクトレンズの上記各面の湾曲度を見いだした。
【0012】
本発明は、この知見に基づくものであり、東洋人、特に日本人に効果的なカーブを有する近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズを提供することを目的とする。
【0013】
上記目的は、本発明の下記(1)〜(5)の構成のいずれかにより達成される。
(1) 患者の角膜の形状を変えることにより、近視および/または乱視を矯正するための近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせであって、
該組み合わせが第1および第2コンタクトレンズを備え、
この第1および第2コンタクトレンズが、それぞれ
中央に配置され、その患者の角膜側の内面である第1面が、患者の角膜中央表面カーブより平坦な凹面である押圧領域;
この押圧領域の周囲に配置され、その患者の角膜側の内面である第2面が凹面であるリリーフ領域;
このリリーフ領域の周囲に配置され、その患者の角膜側の内面である第3面が凹面である第1アンカー領域;および
この第1アンカー領域の周囲に配置され、その患者の角膜側の内面である第4面が凹面である第2アンカー領域
を備え、
前記第1面が患者の角膜の形状に特定の望ましい形付けを行うために、患者の角膜の形状に基づいて決定された湾曲度を有し、第1および第2コンタクトレンズの前記第1面の湾曲度が同一であって、この第1面の湾曲度(単位:ジオプトリー、以下全て同じ)をBC、第1および第2コンタクトレンズの前記第2面の湾曲度をそれぞれRCa、RCb、前記第3面の湾曲度をそれぞれAC1a、AC1b、そして前記第4面の湾曲度をそれぞれAC2a、AC2bとしたとき、
前記第1コンタクトレンズが、
RCa=BC+11.0〜13.0D(ジオプトリー)、
AC1a=BC+3.0〜5.0D、および
AC2a=BC+4.0〜6.0D
を満足し、
前記第2コンタクトレンズが、
RCb=BC+12.5〜14.5D、
AC1b=BC+3.0〜5.0D、および
AC2b=BC+4.0〜6.0D
を満足し、
前記第1および第2コンタクトレンズの直径が、10.2,10.4,10.6,10.8および11.0mmのいずれかに設定されている
ことを特徴とする近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせ。
(2) 前記第1コンタクトレンズが、
RCa=BC+11.5〜12.5D、
AC1a=BC+3.5〜4.5D、および
AC2a=BC+4.5〜5.5D
を満足する上記(1)の近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせ。
(3) 前記第1コンタクトレンズが、
RCa=BC+12.0D、
AC1a=BC+4.0D
AC2a=BC+5.0D
を満足する上記(1)の近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせ。
(4) 前記第2コンタクトレンズが、
RCb=BC+13.0〜14.0D、
AC1b=BC+3.5〜4.5D、および
AC2b=BC+4.5〜5.5D
を満足する上記(1)〜(3)のいずれかの近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせ。
(5) 前記第2コンタクトレンズが、
RCb=BC+13.5D、
AC1b=BC+4.0D、および
AC2b=BC+5.0D
を満足する上記(1)〜(3)のいずれかの近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせ。
【0014】
本発明の近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズにおいても、上記米国特許の光学コンタクトレンズと同様、該コンタクトレンズを患者の角膜に適用すると、角膜の再形成をもたらし、視力を改善する。好ましい態様では、一旦患者の角膜が機能性視力により測定される最適形状を達成した場合、視覚矯正を失うことなく、本発明のコンタクトレンズを、一次的に除去してもよい。しかし、患者がコンタクトレンズを短時間、例えば1日に約3から8時間の間、装着することにより、目標とする角膜の形状を維持し得る。例えば、いくつかの場合には、患者は、目標とする形状及び機能性視力を維持するためにコンタクトレンズを1週間に1晩か2晩、又は、毎晩就寝中に装着してもよい。
【0015】
(発明の好ましい実施の形態)
本発明の好ましい実施の形態による近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの説明に当たって、先ず、図1〜3を参照して眼の状態について説明する。
図1は、正常な角膜2を有する正常眼を示す。水晶体5を覆って突出する角膜2の部分は、角膜ドーム4と呼ばれる。角膜ドーム4は、一般に軸対称及び非球面形状であり、ドームのほぼ中央6が眼の中心から離れている本質的に最も高い突出部を有すると考えられている。ほぼ円形の光学領域oは、通常網膜7上に収束する入射光を通す。
【0016】
視力障害は、角膜の形状の歪みと相関する。図2に示すように、マイオーピックな眼(近視)では網膜の前で収束が起こり、それは、長い軸線a及び急勾配になった又は高くなった角膜ドーム4と結びついている。乱視を持つ眼では、角膜の多様な曲率のために、図3に示すような多くの収束区域が生じる。
【0017】
角膜の歪みの程度と、患者の角膜ドーム中心6及びドーム周縁部部8の正確な位置及び大きさとは、当業者がビデオ角膜鏡又は角膜トポグラファーを用いることにより測定してもよい。現在出願中の米国特許出願シリアル番号第08/046、619号に記載されているように、ヒトの眼の角膜の輪郭の測定は、コンタクトレンズのデザイン及びフィットを容易にするために用いられるほか、外科的処置の使用及び実施のために用いられてきた。
【0018】
角膜を測定するのに用いられる従来のビデオ角膜鏡では、ハウジング内の光源からの光の同心環は、角膜上に向けられ、角膜によってカメラのフィルム上に環の影像として反射される。環のその既知の同心円度からのずれが測定され、このデータを数学的に処理して角膜の実際の輪郭を判断するが、この輪郭は完全な球面ではなく、個々に異なっている。従来のフォトケロスコープは、例えば、米国特許第3、248、162号、及び、第3、598、478号に開示されている。ビデオ角膜鏡又は角膜トポグラファーは、例えば、米国特許第4、978、213号、第5、227、818号、及び、米国特許出願シリアル番号第08/046、619号に開示されている。一般に角膜トポグラファーは、角膜から反射する光の環の影像を感知するために、荷電結合素子カメラ装置のようなカメラ手段を備える。このカメラ装置は、ビデオ信号をデジタル化する従来的な市販画像処理装置などのコンピュータに標準ビデオ信号を送信する。コンピュータは、デジタルデータを解析し、ヒトの眼の角膜の輪郭を判断するのに有用なデータを生成する。角膜トポグラファー装置は、患者の角膜から荷電結合素子カメラ装置上に反射された角膜影像を自動的に中心に置いてそれに焦点を合わせるものであり、米国特許出願番号08/046、619号で開示されている。
【0019】
上記の方法のいずれかのほか、当業者に周知の他の方法を用いて、本コンタクトレンズを装着する患者の角膜のトポグラフィーを測定し得る。いずれの方法を用いる場合でも、角膜の状態、例えば正常、異常、又は、乱視を判断するために、当業技術で周知の一般的な方法によりデータが解析される。また、角膜ドーム4及び中心6の位置及び曲率が測定される。本発明のコンタクトレンズ又はレンズは、このような測定値のほか矯正される屈折誤差の程度を用い、角膜の目標とする転位と再形成とをもたらすために、患者の角膜区域に選択的圧力を加えるように機械加工される。患者の角膜の再構成つまり再形成は、患者の視力の改善をもたらす。
【0020】
第1の態様による本コンタクトレンズL1の輪郭及び形状は、図4に誇張して示されている。このコンタクトレンズL1の輪郭は、近視又は乱視を治療するためのものである。なお、図4において、中心線Xを中心として、コンタクトレンズL1は、左右対称である。
【0021】
本コンタクトレンズL1は、その中央に、変形が必要な角膜表面の領域の上に重なるか又は係合することとなる押圧領域10を備えている。コンタクトレンズL1が眼の上に置かれると、押圧領域10は、その下にあるか又は係合された角膜領域に相対的圧力を加える。コンタクトレンズL1は、該レンズと角膜表面との間にある流体、例えば涙によって角膜から分離されるが、流体が角膜の輪郭をたどることは理解される。
【0022】
本コンタクトレンズL1はまた、押圧領域10の周囲に配置された環状のリリーフ領域12を備えている。このリリーフ領域12は、押圧領域10に隣接する領域であり、角膜表面とコンタクトレンズとの間に空間又は空隙を作り出す。リリーフ領域12からは、下にある角膜領域に何も圧力が加わらない。押圧領域10とは対照的に、リリーフ領域12とその下の角膜表面との間の区域は十分に広々としており、押圧領域10で加えられた圧力により変位した角膜組織を受け入れる。環状のアンカー領域14は、リリーフ領域12の周囲に隣接して位置する。アンカー領域14は角膜と接しており、コンタクトレンズを角膜表面に固定する目的で角膜に最小の圧力をかけており、良好な中心化すなわち位置決めを達成してそれを維持する。リリーフ領域12に隣接して相対的圧力をかけることにより、アンカー領域14は、変位した角膜組織をリリーフ領域12の中に誘導する。
【0023】
角膜上の押圧領域10の位置は、角膜の有用な再形成をもたらすコンタクトレンズの機能にとって重要である。図4を参照すると、近視を治療するようにデザインされたコンタクトレンズでは、押圧領域10は、角膜ドームのほぼ中央を押圧するような位置に置かれる。アンカー領域14は、角膜上のコンタクトレンズの位置を維持し、角膜組織がリリーフ領域内に転位する方向を制御する。
【0024】
本発明のコンタクトレンズL1は、コンタクトレンズの周縁部18に第2の環状リリーフ領域16を含むことが好ましい。第2のリリーフ領域16は、角膜2から離れて、例えばコンタクトレンズの周縁部部18において約80から100μmほど立ち上げられ、コンタクトレンズの下の流体及び栄養分の動きを補助し、また、眼からのコンタクトレンズの容易な除去を可能にする。
【0025】
押圧領域、リリーフ領域、アンカー領域、及び、第2のリリーフ領域の特定な位置及び大きさは、患者の眼及び角膜のトポグラフィーの特定な状態、及び、必要な矯正の種類により異なることになる。
【0026】
図4に示す通り、コンタクトレンズが眼に施されると、押圧領域10は、その下の角膜組織と係合する。「係合する」とは、コンタクトレンズの一部分が本質的に涙液によってのみ角膜組織から分離されることを意味し、「係合」によってコンタクトレンズの押圧領域10がその下の角膜組織上に圧力を働かせる。押圧領域10で加えられる圧力により、その下の角膜は、押圧領域から離れるように変位する。
リリーフ領域12は、コンタクトレンズの一部分が、それが眼の所定の位置に置かれる時、その下の角膜と「係合」せず、それとは逆に、角膜から離れてくぼむ、つまり持ち上げられて、コンタクトレンズと角膜表面との間に変位した角膜組織を受け入れる環状空間又は領域を作り出すものである。
【0027】
コンタクトレンズが眼に施される時、環状のアンカー領域14は、その下の角膜と係合する。アンカー領域14は、リリーフ領域12と周縁部18との間でリリーフ領域12に隣接する部位において、コンタクトレンズの下にある角膜表面に最小の圧力をかける。アンカー領域14によりかけられる圧力は、中央押圧領域10と協働し、変位した角膜組織をコンタクトレンズの下のリリーフ領域12における空間の中に誘導する。アンカー領域14がかける圧力はまた、コンタクトレンズを角膜表面に安定させ、コンタクトレンズの角膜上の良好な中心化を達成してそれを維持することを可能にする。第2のリリーフ領域16は、リリーフ領域12と同様に、その下の角膜と係合しない。第2のリリーフ領域16は、コンタクトレンズの下への流体及び栄養分の容易なアクセスを促進すると共に、コンタクトレンズが角膜表面から容易に「持ち上げられる」又は除去されることを可能にする。一般に、コンタクトレンズの周縁部部18は、流体がアクセスできるように、例えば約80から100μm、好ましくは、約90から100μm程度角膜から離して持ち上げられるのに十分な曲率を有する。
【0028】
図3に示した乱視眼を矯正するコンタクトレンズのデザインは、一般に、近視眼を治療するための図4のコンタクトレンズに類似する。
【0029】
本コンタクトレンズのくぼんだ表面は、中心から周縁部部までの連続非球面曲率で形成され、すなわち、各特定領域に入る曲率が徐々に変化する。連続曲線は、各特定領域における角膜表面からコンタクトレンズまでの目標とする距離に対する最適曲線当てはめの数学的解析に従ってコンタクトレンズを機械加工することにより達成される。
本コンタクトレンズは、例えば通常のコンタクトレンズの製造で有用であることが知られている材料及び方法を用いて製作してもよい。このような材料には、通常の通気性(酸素)コンタクトレンズを製造するのに有用である材料、例えばフルロパーム(fluroperm)(パラゴン(Paragon)・オプティカル・カンパニー)、又は、通常のコンタクトレンズの製造に有用であることが知られ入手可能ないかなる酸化硬質プラスチックも含まれる。特に好ましいレンズ材料は、フルロパーム60又は90であるが、それは、DK値(酸素伝達性)が大きいためである。好ましい実施形態では、コンタクトレンズはまた、角膜の再形成をする間に屈折誤差も矯正する光学特性を有することになる。
【0030】
本コンタクトレンズは、特定患者の眼の適切な再形成をもたらすように機械加工される。眼の角膜のトポグラフィーは、上記のように従来の角膜トポグラフィー装置を用いて形成され、写像される。眼の屈折は、従来の手法により測定する。治療する状態、例えば近視又は乱視の診断が為され、屈折誤差量が判断される。患者の角膜トポグラフィーを解析し、角膜ドームの位置、大きさ、及び、位置と、形状因子(例えば、完全な球形からのずれ)と、患者のトポグラフィーに一致するコンタクトレンズ曲率とを含む、患者のコンタクトレンズに適切なパラメータを選択する。
【0031】
患者の角膜のトポグラフィーの測定値は、必要な矯正のために調節され、矯正コンタクトレンズの寸法を特定するのに用いられる。図2に示す近視眼では、光学領域oすなわち角膜ドームの高くなっている区域の近似的な大きさは、ドーム6のほぼ中心から外表面のほぼ中間8までの半径(又は、直径)で測定される。一般に、全体の直径が約10ミリメートルであるコンタクトレンズでは、光学領域の直径は、約4から約7.5ミリメートルまで変動することになる。患者の光学領域o内の区域を解析して、矯正コンタクトレンズの基本ジオプトリーを決める光学領域の平均ジオプトリーを測定する。図4に示すように、この相対的な大きさ及び位置、例えば押圧領域10の環直径とリリーフ領域12のジオプトリー及び環直径とは、部分的には、必要な矯正及び必要な治療の程度により判断される。
【0032】
押圧領域10に必要なジオプトリーは、矯正される角膜のジオプトリーに応じて、その下の角膜に相対的圧力を加えるように計算され、一般に、矯正される角膜のジオプトリーから所定の値を減算したものとして計算される。ここで、所定の値とは、1.5〜4.5、特に3程度が好ましい。
【0033】
以上のファクターおよび下記するファクター以外の他のファクターは、上記の米国特許に開示されているものを用いることができる。
【0034】
環状リリーフ領域12の曲線(第2面)の湾曲度(曲率)RCは、上記の押圧領域の曲面(第1面)の湾曲度をBCとしたとき、
RC=BC+7.0〜9.0D
=BC+7.5〜8.5D(好ましくは)
=BC+約8.0D(特に好ましくは)
となるように機械加工される。
【0035】
アンカー領域14の曲線(第3面)の湾曲度(曲率)RCは、上記の押圧領域の曲面(第1面)の湾曲度をBCとしたとき、
RC=BC+2.0〜4.0D
=BC+2.5〜3.5D(好ましくは)
=BC+約3.0D(特に好ましくは)
となるように機械加工される。
【0036】
次に、コンタクトレンズは、環状アンカー領域14から第2のリリーフ領域16を通り、持ち上がったコンタクトレンズの周縁部部18までの連続曲率をもたらすように機械加工される。コンタクトレンズの周縁部部18は、角膜の表面からほぼ80から100μmほど持ち上げてエッジリフトを設けるように機械加工される。
【0037】
第1の態様のコンタクトレンズL1の全体直径は、約9.0から11.0mm(半径で4.5から5.5mm)、好ましくは、約9.5から10.5mm(半径で4.75から5.25mm)であって、最も好ましくは、約10mm(半径約5mm)に設定される。
【0038】
そして、中央押圧領域10の直径は、の約4から7.5mm(半径で2から3.75mm)、好ましくは4.5から7.0ミリメートル(半径2.25から3.5mm)、特に好ましくは5.8から6.5mm(半径2.9から3.25mm)に設定される。また、リリーフ領域12の環半径は、好ましくは0.5から1.0mm、特に約0.7mm程度に設定される。アンカー領域14の環半径は、好ましくは0.6から0.8mm程度に設定される。第2のリリーフ領域の環半径は、好ましくは0.3から0.6mmに設定される。
【0039】
乱視を治療するコンタクトレンズを形成する方法は、近視眼を治療するコンタクトレンズを形成する方法に類似している。光学領域の全体直径及び平均曲率が測定される。次に、圧力及びリリーフ領域の曲率のほか、アンカー領域及び第2リリーフ領域の曲率が計算される。
【0040】
各コンタクトレンズの特定の曲率は、眼のトポグラフィー及び必要な視力矯正の目標とするレベルから判断される。近視眼を治療するコンタクトレンズの曲率を計算する一般的な方法の1つを以下に記載する。いくつかの方法を用いて本発明のコンタクトレンズを達成し得ることが理解される。従って、以下の記載は、例示的な意味であって本発明を限定するものではない。
【0041】
最初に、患者の角膜トポグラフィーを測定する。角膜の中央部分、例えば中心直径が約4から5mm(中心半径で約2から2.5mm)における光学領域を検査し、平均のジオプトリーを測定する。
【0042】
角膜の中心部分の平均ジオプトリーが測定されると、これに基づき目標とするジオプトリーが設定され、これがコンタクトレンズL1の押圧領域10のジオプトリーとされる。
【0043】
この近視を治療するコンタクトレンズのリリーフ領域およびアンカー領域の湾曲度は、上記の式を用いて決定される。
他の要素は、上記米国特許に記載されたものに準拠して決定することができる。
【0044】
患者が一定期間本発明のコンタクトレンズを装着した後、患者は、最適形状又は最適矯正レベルに達するまでの進展を記録するために検査される。例えば、患者は、角膜トポグラフィーを測定し、角膜形状の新しい測定値及び視力を前回の記録と比較することにより、ほぼ毎週又は毎月検査されてもよい。角膜の最適形状は、患者の視力障害の良好な矯正を可能にし、機能視力、例えばコンタクトレンズ無しで患者が満足できる視力を得る形状である。
【0045】
度のきつい近視の患者には、矯正ジオプトリーの異なった複数のコンタクトレンズを準備しておき、矯正の進行に応じて、コンタクトレンズを変えるようにしてもよい。
そのコンタクトレンズの例を以下に説明する。
【0046】
第2の形態によるコンタクトレンズL2は、中央に配置され、その患者の角膜側の内面である第1面が、患者の角膜中央表面カーブより平坦な凹面である押圧領域110、この押圧領域110の周囲に配置され、その患者の角膜側の内面である第2面が凹面であるリリーフ領域112、このリリーフ領域112の周囲に配置され、その患者の角膜側の内面である第3面が凹面である第1アンカー領域114a、およびこの第1アンカー領域114aの周囲に配置され、その患者の角膜側の内面である第4面が凹である第2アンカー領域114bを備えている。
【0047】
このコンタクトレンズL2においては、前記第1面の湾曲度をBC、前記第2面の湾曲度をRC、前記第3面の湾曲度をAC1、そして前記第4面をAC2としたとき、
RC=BC+11.0〜13.0D、
AC1=BC+3.0〜5.0D、および
AC2=BC+4.0〜6.0D
を満足するように、各曲面が設定されている。
【0048】
上記の関係は、
RC=BC+11.5〜12.5D、
AC1=BC+3.5〜4.5D、および
AC2=BC+4.5〜5.5D
が好ましく、
RC=BC+約12D、
AC1=BC+約4D
AC2=BC+約5D
が最も好ましい。
【0049】
第3の態様によるコンタクトレンズL3は、上記第2の態様のコンタクトレンズL2と同様、押圧領域、リリーフ領域、第1アンカー領域および第2アンカー領域を備えているが、各面の湾曲度の関係が以下のように異なる。
【0050】
このコンタクトレンズL3において、前記第1面の湾曲度BC、前記第2面の湾曲度をRC、前記第3面の湾曲度をAC1、そして前記第4面をAC2としたとき、
RC=BC+12.5〜14.5D、
AC1=BC+3.0〜5.0D、および
AC2=BC+4.0〜6.0D
を満足するように、各曲面が設定されている。
【0051】
上記の関係は、
RC=BC+13.0〜14.0D、
AC1=BC+3.5〜4.5D、および
AC2=BC+4.5〜5.5D
が好ましく、
RC=BC+約13.5D、
AC1=BC+約4D、および
AC2=BC+約5D
が特に好ましい。
【0052】
上記のコンタクトレンズL2およびL3の直径は、ほぼ同様であって、約9.6〜11.6mm、特に約10.1〜11.3mm、更には10.6〜11.2mmであることが好ましく、具体的には約10.2、10.4、10.6、10.8、11.0mmのいずれかに設定されるのが好ましい。
【0053】
そして、中央押圧領域110の直径は、の約4から7.5mm(半径で2から3.75mm)、好ましくは4.5から7.0ミリメートル(半径2.25から3.5mm)、特に好ましくは5.8から6.5mm(半径2.9から3.25mm)に設定される。また、リリーフ領域112の環半径は、好ましくは0.5から1.0mm、特に約0.7mm程度に設定される。第1アンカー領域114aの環半径は、好ましくは0.5から0.9mm程度、特に0.6mm程度に設定される。第2アンカー領域114bの環半径は、好ましくは0.4から0.9mm程度、特に0.6mm程度に設定される。この第2アンカー領域114bの外周に第2のリリーフ領域116が設けられるが、その環半径は、好ましくは0.3から0.6mm程度、特に0.4mm程度に設定される。
【0054】
本発明は、以下の実施例を参照することにより更によく理解することができる。
【0055】
実施例
実施例1(上記第1態様のコンタクトレンズL1の構造のものによる)
日本人である患者Aは、当初、毎日ソフトコンタクトレンズを装着して近視を矯正していた。患者の屈折誤差を測定すると、近視であることが示され、右眼および左眼の角膜中心カーブのトポグラフィーを測定したところ、右眼は38.50ジオプトリー(屈折異常:−4.25 裸眼視力:0.1)であり、左眼は、39.00ジオプトリー(屈折異常:−4.00 裸眼視力:0.1)であった。
【0056】
上記の測定に基づき、患者の右眼についてのコンタクトレンズのBCを35.50D、左眼についてのそれを36.00Dに設定した。
ついで、本発明に従い、下記の2つの式を用いて、RCおよびACを求めた。
RC=BC+8.0D
AC=BC+3.0D
【0057】
その結果、右眼のコンタクトレンズのRCおよびACは、それぞれ43.50D、38.50Dであり、左眼のコンタクトレンズのRCおよびACは、それぞれ44.00D、39.00Dとなった。
そして、コンタクトレンズの全直径を10mmに、中央押圧領域10の直径を6.0mm(半径3.0mm)に、リリーフ領域12の環半径を0.7mmに、アンカー領域14の環半径を0.7mmに、そして第2のリリーフ領域の環半径を0.6mmにそれぞれ設定した。
以上のパラメータで、図4に示した形状の実施例1によるコンタクトレンズL1を作成した。
【0058】
一方、上記した従来米国で用いられていた下記の2つの式を用いて、RCおよびACを求めた。
RC=BC+3.0D
AC=BC+0.0D
【0059】
その結果、右眼のコンタクトレンズのRCおよびACは、それぞれ38.50D、35.50Dであり、左眼のコンタクトレンズのRCおよびACは、それぞれ39.00D、36.00Dとなった。
そして、径は実施例のものと同様にして、比較例のコンタクトレンズを作成した。
【0060】
以上の実施例と比較例のコンタクトレンズを患者Aに装着してもらいその結果を比較した。
具体的には、まず、上記近視眼者である患者Aに、比較例のコンタクトレンズを、夜、就寝する際に装着してもらい、これを1週間続けた。その結果、患者Aの右眼は、37.75ジオプトリー(屈折異常:−3.50 裸眼視力:0.2)となり、左眼は38.00ジオプトリー(屈折異常:−3.25 裸眼視力:0.3)となり、ある程度の改善は認められた。ところが、装着を止めたところ、1週間で元の状態に戻ってしまった。
【0061】
この後、今度は、本発明の実施例1によるコンタクトレンズを装着してもらい上記の比較例の場合と同様に本コンタクトレンズを装着してもらった。その結果、患者Aの右眼は37.00ジオプトリー(屈折異常:−1.75 裸眼視力:0.9)となり、左眼は37.00ジオプトリー(屈折異常:−1.50 裸眼視力:1.0)となり、顕著なる改善が認められた。そこで、上記の条件での装着を1ヶ月続けてもらい、その結果を測定したところ、患者Aの右眼は36.25(屈折異常:−0.25 裸眼視力:1.5)となり、左眼は36.00ジオプトリー(屈折異常:−0.25 裸眼視力:1.5)となった。効果が明らかである。
【0062】
実施例2および3(上記第2および第3態様のコンタクトレンズL2およびL3の構造のものによる)
日本人である患者Bは、当初、毎日ソフトコンタクトレンズを装着して近視を矯正していた。患者の屈折誤差を測定すると、近視であることが示され、右眼は、41.25ジオプトリー(屈折異常:−6.25 裸眼視力:0.01)であり、左眼は、41.50ジオプトリー(屈折異常:−6.50 裸眼視力:0.01)であった。
【0063】
上記の測定に基づき、患者の右眼についてのコンタクトレンズのBCを38.25D、左眼についてのそれを38.50Dに設定した。
ついで、本発明に従い、下記の3つの式を用いて、RC、AC1およびAC2を求めた。
RC=BC+12.0D
AC1=BC+5.0D
AC2=BC+4.0D
【0064】
その結果、実施例2の右眼のコンタクトレンズのRC、AC1およびAC2は、それぞれ50.25D、43.25D、42.25Dであり、左眼のコンタクトレンズの、RC、AC1およびAC2は、それぞれ50.50D、43.50D、42.50Dとなった。
【0065】
ついで、実施例3のコンタクトレンズのため、下記の3つの式を用いて、RC、AC1およびAC2を求めた。
RC=BC+13.5D
AC1=BC+5.0D
AC2=BC+4.0D
【0066】
その結果、実施例3の右眼のコンタクトレンズのRC、AC1およびAC2は、それぞれ51.75D、43.25D、42.25Dであり、左眼のコンタクトレンズの、RC、AC1およびAC2は、それぞれ52.00D、43.50D、42.50Dとなった。
【0067】
そして、実施例2および3のコンタクトレンズの全直径を10mmに、中央押圧領域10の直径を6.0mm(半径3.0mm)に、リリーフ領域12の環半径を0.7mmに、第1アンカー領域14の環半径を0.6mmに、第2アンカー領域の環半径を0.6mmに、そして第2のリリーフ領域の環半径を0.4mmにそれぞれ設定した。
以上のパラメータで、図5に示した形状の実施例2および3によるコンタクトレンズL2およびL3を作成した。
【0068】
一方、上記した従来米国で用いられていた下記の2つの式を用いて、RCおよびACを求めた。
RC=BC+3.0D
AC=BC+0.0D
【0069】
その結果、右眼のコンタクトレンズのRCおよびACは、それぞれ41.25D、38.25Dであり、左眼のコンタクトレンズのRCおよびACは、それぞれ41.50D、38.50Dとなった。
そして、径は実施例1のものと同様にして、比較例2のコンタクトレンズを作成した。
【0070】
以上の実施例2および3と比較例2のコンタクトレンズを患者Bに装着してもらいその結果を比較した。
具体的には、まず、患者Bに比較例2のコンタクトレンズを、上記と同様に夜就寝する際に装着してもらい、これを1週間続けた。その結果、患者Aの右眼は40.75ジオプトリー(屈折異常:−5.50 裸眼視力:0.08)となり、左眼は40.50ジオプトリー(屈折異常:−5.75 裸眼視力:0.07)となり、ある程度の改善は認められた。装着を止めたところ、1週間で元の状態に戻ってしまった。
【0071】
この後、今度は、本発明の実施例2によるコンタクトレンズを上記の比較例の場合と同様に本コンタクトレンズを装着してもらった。その結果、患者Aの右眼は39.75ジオプトリー(屈折異常:−4.25 裸眼視力:0.2)となり、左眼は39.50ジオプトリー(屈折異常:−4.00 裸眼視力:0.3)となり、顕著なる改善が認められた。そこで、上記の条件での装着を1ヶ月続けてもらい、その結果を測定したところ、患者Aの右眼は39.25ジオプトリー(屈折異常:−2.50 裸眼視力:0.7)となり、左眼は39.00ジオプトリー(屈折異常:−2.25 裸眼視力:0.8)となった。
【0072】
この後、引き続いて、今度は、本発明の実施例3によるコンタクトレンズを上記の実施例2の場合と同様に装着してもらった。その結果、1ヶ月後には患者Aの右眼は38.25ジオプトリー(屈折異常:−0.50 裸眼視力:1.5)となり、左眼は38.50ジオプトリー(屈折異常:−0.75 裸眼視力1.2)となり、更に顕著な改善が認められた。
【0073】
以上から本発明の効果が明らかである。なお、乱視の患者にも本発明の手法で作製したコンタクトレンズを上記実施例1の場合と同様にして装着してもらったところ、近視の場合と同等の効果が得られた。
以上から本発明の効果が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】平均的な正常眼の側面断面を示す概略図である。
【図2】近視眼の断面を示す概略図である。
【図3】乱視眼の断面を示す概略図である。
【図4】図2の近視眼を治療するのに適する本発明の第1の実施の態様によるコンタクトレンズの概略断面図である。
【図5】図2の近視眼を治療するのに適する本発明の第2および3の実施の態様によるコンタクトレンズの概略断面図である。
【符号の簡単な説明】
L1 近視矯正用コンタクトレンズ
L2 近視矯正用コンタクトレンズ
L3 近視矯正用コンタクトレンズ
10 押圧領域
12 リリーフ領域
14 アンカー領域
16 第2リリーフ領域
110 押圧領域
112 リリーフ領域
114a 第1アンカー領域
114b 第2アンカー領域
116 第2リリーフ領域
Claims (5)
- 患者の角膜の形状を変えることにより、近視および/または乱視を矯正するための近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせであって、
該組み合わせが第1および第2コンタクトレンズを備え、
この第1および第2コンタクトレンズが、それぞれ
中央に配置され、その患者の角膜側の内面である第1面が、患者の角膜中央表面カーブより平坦な凹面である押圧領域;
この押圧領域の周囲に配置され、その患者の角膜側の内面である第2面が凹面であるリリーフ領域;
このリリーフ領域の周囲に配置され、その患者の角膜側の内面である第3面が凹面である第1アンカー領域;および
この第1アンカー領域の周囲に配置され、その患者の角膜側の内面である第4面が凹面である第2アンカー領域
を備え、
前記第1面が患者の角膜の形状に特定の望ましい形付けを行うために、患者の角膜の形状に基づいて決定された湾曲度を有し、第1および第2コンタクトレンズの前記第1面の湾曲度が同一であって、この第1面の湾曲度(単位:ジオプトリー、以下全て同じ)をBC、第1および第2コンタクトレンズの前記第2面の湾曲度をそれぞれRCa、RCb、前記第3面の湾曲度をそれぞれAC1a、AC1b、そして前記第4面の湾曲度をそれぞれAC2a、AC2bとしたとき、
前記第1コンタクトレンズが、
RCa=BC+11.0〜13.0D(ジオプトリー)、
AC1a=BC+3.0〜5.0D、および
AC2a=BC+4.0〜6.0D
を満足し、
前記第2コンタクトレンズが、
RCb=BC+12.5〜14.5D、
AC1b=BC+3.0〜5.0D、および
AC2b=BC+4.0〜6.0D
を満足し、
前記第1および第2コンタクトレンズの直径が、10.2,10.4,10.6,10.8および11.0mmのいずれかに設定されている
ことを特徴とする近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせ。 - 前記第1コンタクトレンズが、
RCa=BC+11.5〜12.5D、
AC1a=BC+3.5〜4.5D、および
AC2a=BC+4.5〜5.5D
を満足する請求項1の近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせ。 - 前記第1コンタクトレンズが、
RCa=BC+12.0D、
AC1a=BC+4.0D
AC2a=BC+5.0D
を満足する請求項1の近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせ。 - 前記第2コンタクトレンズが、
RCb=BC+13.0〜14.0D、
AC1b=BC+3.5〜4.5D、および
AC2b=BC+4.5〜5.5D
を満足する請求項1〜3のいずれかの近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせ。 - 前記第2コンタクトレンズが、
RCb=BC+13.5D、
AC1b=BC+4.0D、および
AC2b=BC+5.0D
を満足する請求項1〜3のいずれかの近視および/または乱視矯正用コンタクトレンズの組み合わせ。
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