JP3880655B2 - 内燃機関の蒸発燃料制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンクで発生する蒸発燃料を一時的に貯蔵し、適時内燃機関の吸気系にパージするとともに、そのパージ流量を機関運転状態に応じて制御する蒸発燃料制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の吸気系には、燃料タンクで発生する蒸発燃料を一時的にキャニスタに貯蔵し、内燃機関が所定運転状態にあるときスロットル弁の下流側に開口されたパージ通路を介して蒸発燃料をパージする蒸発燃料処理装置が設けられている。また、近年、内燃機関の高出力化に伴う発熱量の増大により燃料タンク内での蒸発燃料の量が増大する傾向にある。このような燃料処理装置において、空燃比制御中に、キャニスタに一時的に貯蔵されている蒸発燃料のパージ流量を空燃比補正係数KO2の変動に応じて調整し、蒸発燃料のパージの効率を向上させるようにしている。さらには、前述のような燃料処理装置において、蒸発燃料のパージ中に、該蒸発燃料のパージ流量を空燃比補正係数KO2の平均値(学習値)に応じて調整する方法も提案されている(例えば、特願平7−347002号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、蒸発燃料のパージ流量を空燃比補正係数KO2の平均値に応じて調整する場合は、内燃機関が過渡運転状態である時に空燃比補正係数KO2が大きく変化しても前記平均値は迅速に追従せず、蒸発燃料のパージ流量を適切に調節できず、運転性や排気ガス特性を悪化させることになる。
【0004】
本発明はこの問題を解決するためになされたものであり、内燃機関が過渡運転状態である時に蒸発燃料のパージ流量を適切に制御し、運転性及び排気ガス特性を良好に維持することができる内燃機関の蒸発燃料制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の蒸発燃料制御装置は、燃料タンクから発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタと内燃機関の吸気系との間に設けられ、前記蒸発燃料を前記吸気系のスロットル弁の下流側にパージさせるパージ通路と、該パージ通路を介して前記吸気系に供給される蒸発燃料の流量を制御するパージ制御弁と、前記内燃機関の吸気系に供給される混合気の空燃比フィードバック制御を行うために前記内燃機関の排気ガス濃度に応じて空燃比補正係数を設定する空燃比補正係数設定手段と、前記空燃比フィードバック制御中に前記空燃比補正係数の第1の学習値を算出する第1の算出手段と、前記パージされる蒸発燃料の流量を前記算出された第1の学習値に応じて増減するように前記パージ制御弁を作動させる制御手段とを備えた内燃機関の蒸発燃料制御装置において、前記内燃機関が過渡運転状態であることを判定する過渡運転状態判定手段と、前記内燃機関の過渡運転状態に対応する前記空燃比補正係数の第2の学習値を算出する第2の算出手段と、前記過渡運転状態判定手段が前記内燃機関が過渡運転状態であることを判定したときは、前記第1の学習値を前記第2の算出手段により算出された第2の学習値に設定する学習値設定手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項1の内燃機関の蒸発燃料制御装置によれば、制御手段が、パージされる蒸発燃料の流量を第1の算出手段により算出された第1の学習値に応じて増減するようにパージ制御弁を作動させ、過渡運転状態判定手段が内燃機関が過渡運転状態であることを判定したときは、第1の学習値を第2の算出手段により算出された第2の学習値に設定するので、内燃機関が過渡運転状態であって空燃比補正係数が大きく変化したときに、空燃比補正係数の学習値を空燃比補正係数の変化に迅速に追従させることができる。
【0007】
本発明の請求項2の内燃機関の蒸発燃料制御装置は、請求項1の内燃機関の蒸発燃料制御装置において、前記内燃機関の過渡運転状態は前記内燃機関のアイドル状態から離脱した直後の運転状態であることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項3の内燃機関の蒸発燃料制御装置は、燃料タンクから発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタと内燃機関の吸気系との間に設けられ、前記蒸発燃料を前記吸気系のスロットル弁の下流側にパージさせるパージ通路と、該パージ通路を介して前記吸気系にパージされる蒸発燃料の流量を制御するパージ制御弁と、前記内燃機関の吸気系に供給される混合気の空燃比フィードバック制御を行うために前記内燃機関の排気ガス濃度に応じて空燃比補正係数を設定する空燃比補正係数設定手段と、前記空燃比フィードバック制御中に前記空燃比補正係数の平均値を算出する平均値算出手段と、前記算出された平均値に基づいて前記空燃比補正係数の学習値を算出する学習値算出手段と、前記パージされる蒸発燃料の流量を前記算出された学習値に応じて増減するように前記パージ制御弁を作動させる制御手段とを備えた内燃機関の蒸発燃料制御装置において、前記平均値算出手段により算出された平均値と前記学習値算出手段により算出された学習値との偏差に基づいて、前記学習値算出手段により算出された学習値を増減する増減手段を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3の内燃機関の蒸発燃料制御装置によれば、制御手段が、パージされる蒸発燃料の流量を学習値算出手段により算出された学習値に応じて増減するようにパージ制御弁を作動させ、増減手段が、平均値算出手段により算出された平均値値と学習値算出手段により算出された学習値との偏差に基づいて、前記学習値算出手段により算出された学習値を増減するので、内燃機関が過渡運転状態のように空燃比補正係数が大きく変化したときに、空燃比補正係数の学習値を空燃比補正係数の変化に迅速に追従させることができる。
【0010】
本発明の請求項4の内燃機関の蒸発燃料制御装置は、請求項3の内燃機関の蒸発燃料制御装置において、前記第増減手段により算出された学習値の更新値は、前記平均値算出手段により算出された平均値と前記学習値算出手段により算出された学習値との偏差が増加するほど増加するように設定されていることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の請求項5の内燃機関の蒸発燃料制御装置は、燃料タンクから発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタと内燃機関の吸気系との間に設けられ、前記蒸発燃料を前記吸気系のスロットル弁の下流側にパージさせるパージ通路と、該パージ通路を介して前記吸気系にパージされる蒸発燃料の流量を制御するパージ制御弁と、前記内燃機関の吸気系に供給される混合気の空燃比フィードバック制御を行うために前記内燃機関の排気ガス濃度に応じて空燃比補正係数を設定する空燃比補正係数設定手段と、前記空燃比フィードバック制御中に前記空燃比補正係数の平均値を算出する平均値算出手段と、前記算出された平均値に基づいて前記空燃比補正係数の第1の学習値を算出する第1の学習値算出手段と、前記パージされる蒸発燃料の流量を前記算出された第1の学習値に応じて増減するように前記パージ制御弁を作動させる制御手段とを備えた内燃機関の蒸発燃料制御装置において、前記内燃機関が過渡運転状態であることを判定する過渡運転状態判定手段と、前記内燃機関の過渡運転状態に対応する前記空燃比補正係数の第2の学習値を算出する第2の学習値算出手段と、前記過渡運転状態判定手段が前記内燃機関が過渡運転状態であることを判定したときは、前記第1の学習値を前記第2の学習値算出手段により算出された第2の学習値に設定する学習値設定手段と、前記平均値算出手段により算出された平均値と前記第1の学習値算出手段により算出された第1の学習値との偏差に基づいて、前記第1の学習値算出手段により算出された第1の学習値を増減する増減手段を備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態に係る内燃機関及びその制御装置の全体構成図であり、符号1は例えば4気筒の内燃機関(以下「エンジン」という)を示し、エンジン1の吸気管2の途中にはスロットルボディ3が設けられ、その内部にはスロットル弁4が配されている。スロットル弁4にはスロットル弁開度(θTH)センサ5が連結されており、当該スロットル弁4の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下「ECU」という)6に供給する。
【0014】
燃料噴射弁7はエンジン1とスロットル弁4との間で且つ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各燃料噴射弁7は燃料ポンプ8を介して燃料タンク9に接続されていると共にECU6に電気的に接続されて当該ECU6からの信号により燃料噴射弁7の開弁時間が制御される。
【0015】
スロットル弁4の直ぐ下流には管10を介して吸気管内絶対圧(PBA)センサ11が設けられており、この絶対圧センサ11により電気信号に変換された絶対圧信号は前記ECU6に供給される。
【0016】
また、絶対圧センサ11の下流には吸気温(TA)センサ12が取付けられており、吸気温TAを検出して対応する電気信号を出力してECU6に供給する。エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(TW)センサ13はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出力してECU6に供給する。
【0017】
エンジン回転数(NE)センサ14はエンジン1の図示しないカム軸周囲又はクランク軸周囲に取り付けられ、エンジン1のクランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位置で信号パルス(以下「TDC信号パルス」という)を出力し、このTDC信号パルスはECU6に供給される。
【0018】
排気ガス濃度検出器としてのO2センサ16はエンジン1の排気管15に装着されており、排気ガス中の酸素濃度を検出し、その濃度に応じた信号を出力しECU6に供給する。ECU6には、さらに大気圧PAを検出する大気圧センサ33及びECU6やパージ制御弁24等に電源を供給するバッテリ(図示せず)の電圧VBを検出する電圧センサ34が接続されており、それらの検出信号がECU6に供給される。
【0019】
密閉された燃料タンク9の上部は通路20aを介してキャニスタ21に連通し、キャニスタ21はパージ通路23を介して吸気管2のスロットル弁4の下流側に連通している。キャニスタ21は、燃料タンク9内で発生する蒸発燃料を吸着する吸着剤22を内蔵し、外気取込口21aを有する。通路20aの途中には、正圧バルブ及び負圧バルブから成る2ウェイバルブ20が配設され、パージ通路23の途中にはデューティ制御型の電磁弁であるパージ制御弁24が配設されている。パージ制御弁24のソレノイドはECU6に接続され、パージ制御弁24はECU6からの信号に応じて制御されて開弁時間の時間的割合(開弁デューティ)を変化させる。通路20a、2ウェイバルブ20、キャニスタ21、パージ通路23及びパージ制御弁24によって蒸発燃料排出抑止装置が構成される。
【0020】
この蒸発燃料排出抑止装置によれば、燃料タンク9内で発生した蒸発燃料は、所定の設定圧に達すると2ウェイバルブ20の正圧バルブを押し開き、キャニスタ21に流入し、キャニスタ21内の吸着剤22によって吸着され貯蔵される。パージ制御弁24はECU6からのデューティ制御信号によって開弁/閉弁作動し、その開弁時間中においてはキャニスタ21に一時貯えられていた蒸発燃料は、吸気管2内の負圧により、キャニスタ21に設けられた外気取込口21aから吸入された外気と共にパージ制御弁24を経て吸気管2へ吸引され、各気筒へ送られる。また外気などで燃料タンク9が冷却されて燃料タンク内の負圧が増すと、2ウェイバルブ20の負圧バルブが開弁し、キャニスタ21に一時貯えられていた蒸発燃料は燃料タンク9へ戻される。このようにして燃料タンク9内に発生した燃料蒸気が大気に放出されることを抑止している。
【0021】
吸気管2のスロットル弁4の下流側は、排気還流路30を介して排気管15に接続されており、排気還流路30の途中には排気還流量を制御する排気還流弁(EGR弁)31が設けられている。
【0022】
この排気還流弁31はソレノイドを有する電磁弁であり、ソレノイドはECU6に接続され、その弁開度がECU6からの制御信号によって変化させることができるように構成されている。排気還流弁31には、その弁開度を検出するリフトセンサ32が設けられており、その検出信号はECU6に供給される。
【0023】
ECU6は上述の各種センサからのエンジンパラメータ信号等に基づいてエンジン運転状態を判別し、吸気管内絶対圧PBAとエンジン回転数NEとに応じて設定される排気還流弁31の弁開度指令値LCMDとリフトセンサ32によって検出された排気還流弁31の実弁開度値LACTとの偏差を零にするように排気還流弁31のソレノイドに制御信号を供給する。
【0024】
ECU6は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶手段、前記燃料噴射弁7、パージ制御弁24及び排気還流弁31に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
【0025】
CPUは上述の各種エンジンパラメータ信号に基づいて、O2センサ16による理論空燃比へのフィードバック制御運転領域やオープンループ制御運転領域等の種々のエンジン運転状態を判別するとともに、エンジン運転状態に応じ、燃料噴射弁7の燃料噴射時間TOUT、パージ制御弁24の開弁デューティ及び排気還流弁の弁開度指令値LCMDを演算する。
【0026】
燃料噴射弁7による燃料噴射はTDC信号パルスに同期して行われ、燃料噴射時間TOUTは次式(1)により算出される。
【0027】
TOUT=TI×KO2×KPA×KEGR×KEVAP×K1+K2
…(1)
ここでTIは基本燃料量、具体的にはエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAとに応じて決定される基本燃料噴射時間であり、このTI値を決定するためのTIマップが記憶手段に記憶されている。
【0028】
KO2は、空燃比補正係数であり、空燃比フィードバック制御中はO2センサ16の出力値に応じて設定され、オープンループ制御中はエンジン運転状態に応じた所定値に設定される。
【0029】
KPAは、検出した大気圧PAに応じて設定される大気圧補正係数、KEGRは、排気還流実行中に排気還流量に応じて設定されるEGR補正係数である。
【0030】
KEVAPは、パージによる蒸発燃料の影響を補償するためのエバポ補正係数であり、パージを行わないときは1.0に設定され、パージ実行時は0〜1.0の間の値に設定される。この係数KEVAPの値が小さいほど、パージの影響が大きいことを示す。
【0031】
K1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ信号に応じて演算される他の補正係数及び補正変数であり、エンジン運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速特性等諸特性の最適化が図られるような値に設定される。
【0032】
ECU6のCPUは上述のようにして算出した結果に基づいて、燃料噴射弁7、パージ制御弁24及び排気還流弁31を駆動する信号を、出力回路を介して出力する。
【0033】
以下、図2を参照しながら、パージ制御弁24の開弁デューテイDOUTPGを算出するパージ制御処理を説明する。ここに、図2は、パージ制御弁24の開弁デューテイDOUTPGを算出するパージ制御処理のメインルーチンのフローチャートである。本処理は、所定時間(例えば80msec)毎にECU6のCPUで実行される。
【0034】
まず、ステップS1では、パージの実行が許可されていることを「1」で示すパージ許可フラグFPGACTが「1」か否かを判別し、パージ許可フラグFPGACTが「0」であってパージの実行が許可されていないときは、積算パージ流量SQPGを「0」に設定して(ステップS5)、ステップS10に進む。ここで、積算パージ流量SQPGは、パージ開始後の流量を積算して算出されるパラメータであり、具体的には後述する図4の処理で算出される。
【0035】
ステップS1で、パージ許可フラグFPGACTが「1」であってパージの実行が許可されているときは、吸気管内絶対圧(PBA)センサ11が異常であるか否かを判別し(ステップS6)、異常でなければステップS8に進む。また異常であるときは、スロットル弁開度θTHが所定開度θTHFSPCS(例えば20度)より小さいか否かを判別し(ステップS7)、スロットル弁開度θTHが所定開度θTHFSPCS以上であるときは、ステップS8に進み、スロットル弁開度θTHが所定値θTHFSPCSより小さいときは、パージを停止すべくステップS10に進む。
【0036】
上記ステップS6及びS7により、吸気管内絶対圧センサ11が異常である場合において、スロットル弁開度θTHが所定開度θTHFSPCSより小さいときは、パージを停止するようにしたので、スロットル弁開度θTHに応じた吸気管内絶対圧PBAの代替値を用いてパージ流量を制御することによる空燃比のオーバリッチ化を防止し、安定したエンジン運転状態を維持することができる。
【0037】
ステップS8では、フュエルカット実行中であることを「1」で示すフュエルカットフラグFFCが「1」であるか否かを判別し、フラグFFCが「1」であってフュエルカット中のときは、パージを停止すべくステップS10に進み、フラグFFCが「0」であってフュエルカット中でないときは、ステップS9に進む。
【0038】
ステップS10では、開弁デューテイDOUTPGを0%に設定し、次いでパージ流量の過渡補正係数KPGTRを初期値KPGTRSTに設定して(ステップS11)、ステップS12に進む。
【0039】
ステップS9では、後述する図3のDOUTPG算出処理を実行し、開弁デューテイDOUTPGを算出して、ステップS12に進む。
【0040】
ステップS12からS15は、開弁デューテイDOUTPGのリミット処理であり、ステップS9で算出したDOUTPG値が0%より小さいか否か及び100%より大きいか否かを判別し(ステップS12,S13)、DOUTPG値が0%より小さいときは、DOUTPG値を0%とし(ステップS15)、またDOUTPG値が100%より大きいときは、DOUTPG値を100%として(ステップS14)、本処理を終了し、DOUTPG値が0%以上かつ100%以下であるときは、直ちに本処理を終了する。
【0041】
以下、図3を参照しながら、図2のステップS9におけるDOUTPG算出処理を説明する。ここに、図3は、図2のステップS9におけるDOUTPG算出処理のフローチャートである。
【0042】
ステップS21では、後述する図4の処理により目標流量QPGを算出する。次いで目標流量QPGに応じて図示しない所定のDOUTPGテーブルを検索し、開弁デューテイDOUTPGを算出する(ステップS22)。前記DOUTPGテーブルにおいては、目標流量QPGが増加するほど、開弁デューティDOUTPGが増加するように設定されている。
【0043】
続くステップS23では、バッテリ電圧VBに応じて図示しない所定のバッテリ電圧補正項DDPGVBテーブルを検索し、バッテリ電圧補正項DDPGVBを算出する。前記バッテリ電圧補正項DDPGVBテーブルにおいては、バッテリ電圧VBが増加するほど、バッテリ電圧補正項DDPGVBが減少するように設定されている。次いで、ステップS22で算出した開弁デューテイDOUTPGを当該開弁デューティDOUTPGにバッテリ電圧補正項DDPGVBを加算することにより補正し(ステップS24)、本処理を終了する。
【0044】
以下、図4を参照しながら、図3のステップS21における目標流量算出処理を説明する。図4は、図3のステップS21における目標流量算出処理のフローチャートである。
【0045】
まず、ステップS30で、後述する図6及び図7の処理により空燃比フィードバック制御実行中に算出される空燃比補正係数KO2に基づき学習値KO2PG(第1の学習値)を算出する。
【0046】
次いで、ステップS31では、下記式(2)により偏差量DKO2PGを算出する。
【0047】
DKO2PG=KO2PG−O2LMTL …(2)
ここで、O2LMTLは空燃比補正係数KO2値の下限リミット値である。したがって、この偏差量DKO2PGが小さいときは、KO2値が下限リミット値O2LMTLに近く、パージの影響が大きいことを示す。
【0048】
続くステップS32では、偏差量DKO2PGが0以下か否かを判別し、DKO2PGが0以下であるときは、DKO2PGを0として(ステップS33)、またDKO2PGが0を越えるときは、直ちにステップS34に進む。
【0049】
ステップS34では、偏差量DKO2PGに応じて図5に示すKPGKO2テーブルを検索し、KO2レベル補正係数KPGKO2を算出する。KPGKO2テーブルは、DKO2PG値が所定値DKO2PG0以上のとき、KPGKO2=1.0、所定値DKO2PG0より小さい範囲で、DKO2PG値が低下するほどKPGKO2値が小さくなるように、すなわちパージの影響が大きいときはその影響度に応じてパージ流量を減少させるように設定されている。
【0050】
続くステップS37では、下記式(3)により基本目標流量QPGBASEを算出する。
【0051】
QPGBASE=KQPG×TI×KPA×KEGR×NE …(3)
ここで、TI,KPA及びKEGRは、前記式(1)の基本燃料量、大気圧補正係数及びEGR補正係数であり、KQPGは、燃料量を目標流量に変換するための所定の係数である。したがって、基本目標流量QPGBASEは、単位時間当たりにエンジンに供給される燃料量に比例した値となる。
【0052】
続くステップS38では、吸気温TAに応じて図示しない所定のKPGTAテーブルを検索し、吸気温補正係数KPGTAを算出する。KPGTAテーブルは、吸気温TAが上昇するほどKPGTA値が減少するように設定されている。次いで、積算パージ流量SQPGに応じて図示しないKSQPGテーブルを検索し、積算流量補正係数KSQPGを算出する(ステップS39)。KSQPGテーブルは、積算パージ流量SQPGが増加するほどKSQPG値が増加する傾向に設定されている。
【0053】
続くステップS40では、スロットル弁開度θTHの変化量DTH(=θTH(今回値)−θTH(前回値))が負の所定変化量DTHPCSM(例えば−1.0度)より小さいか否かを判別し、変化量DTHが負の所定の変化量DTHPCSMを下回るときは、エンジンが減速過渡状態にあると判定し、過渡補正係数KPGTRを1.0より小さい所定値KPGTRDEC(例えば0.2)に設定して(ステップS41)、ステップS45に進む。
【0054】
ステップS40の答が否定(NO)、すなわち変化量DTHが負の所定変化量DTHPCSM以上であるときは、過渡補正係数KPGTRに所定加算項DKPGTRを加算して増加させ(ステップS42)、KPGTR値が1.0を越えたか否かを判別する(ステップS43)。そして、KPGTR値が1.0を越えるときは、KPGTR値を1.0として(ステップS44)、またKPGTR値が1.0以下であるときは直ちに、ステップS45に進む。
【0055】
ステップS45では、上記した各補正係数を下記式(4)に適用して基本目標流量QPGBASEの全体補正係数KPGTOTALを算出する。
【0056】
次いで、この全体補正係数KPGTOTALを基本目標流量QPGBASEに乗算して、目標流量QPGを算出し(ステップS46)、算出したQPG値が所定値DSQPGより小さいか否かを判別する(ステップS47)。そして、目標流量QPGが所定値DSQPG以上であるときは、下記式(5)により、また目標流量QPGが所定値DSQPGを下回るときは、下記式(6)により、積算パージ流量SQPGを算出して(ステップS48、S49)、本処理を終了する。
【0057】
SQPG=SQPG(n−1)+QPG …(5)
SQPG=SQPG(n−1)+DSQPG …(6)
ここで、(n−1)は前回値を示すために付したものであり、所定値DSQPGは、積算パージ流量SQPGの演算処理における最小単位(LSB)に対応する値(例えば1L/min)とする。
【0058】
以上のように、本処理によれば、エンジン1が減速過渡状態であると判定したときは、過渡補正係数KPGTRを例えば0.2程度の小さな値の所定値KPGTRDECに設定するようにした(ステップS40、S41)ので、これにより目標流量QPGが減少方向に補正され、減速過渡状態における空燃比のオーバリッチ化を防止して、良好な排気ガス特性を維持することができる。また、エンジン1が減速過渡状態であると判別した後は、ステップS42〜S44により、徐々に目標流量QPGを増加させるようにしたので、空燃比の急激な変動を防止することができる。
【0059】
以下、図6及び図7を参照しながら、図4のステップS30における空燃比補正係数KO2に基づく学習値KO2PGの算出処理を説明する。ここに、図6及び図7は、空燃比補正係数KO2に基づく学習値KO2PGの算出処理のフローチャートである。本処理は、所定時間(例えば10msec)毎のECU6のCPUで実行される。
【0060】
まず、ステップS51では、パージの実行が許可されていることを「1」で示すパージ許可フラグFPGACTが「0」であるか否かを判別する。ステップS51で、パージ許可フラグFPGACTが「1」であってパージが実行されている場合は、ステップS52に進み、エンジン水温TWが所定値(例えば50℃)より低いことを「0」で示すフラグFTW02が「0」であるか否かを判別する。ステップS52で、フラグFTW02が「1」であってエンジン水温TWが所定値より高い場合は、ステップS53に進み、エンジン1がアイドル状態であるか否かを判別する。ステップS53で、エンジン1がアイドル状態である場合は、ステップS54に進み、空燃比フィードバック制御実行中であることを「1」で示すフラグFO2FBが「1」であるか否かを判別する。ステップS54で、フラグFO2FBが「1」であって空燃比制御フィードバック中である場合は、ステップS55で、下記式(7)により空燃比補正係数KO2に基づいて平均値KAVPGを算出し、その後ステップS59に進む。
【0061】
KAVPG=C×KO2+(1−C)×KAVPG …(7)
ここで、Cは0から1の間の値に設定される定数、KO2は空燃比フィードバック制御実行中の比例項発生時(O2センサ出力反転直後)のKO2値、右辺のKAVPGは前回算出値である。
【0062】
また、ステップS53で、エンジン1がアイドル状態でない場合は、ステップS58に進み、前回エンジン1がアイドル状態であるか否かを判別する。ステップS58で、前回エンジン1がアイドル状態でない場合は、エンジン1がアイドル回転数以上で定常状態にあるとして前述のステップS54に進み、前記ステップS54,S55を実行する。
【0063】
一方、ステップS51で、フラグFPGACTが「0」であってパージが実行されていない場合、ステップS52で、フラグFTW02が「0」であってエンジン水温TWが所定値より低い場合、又はステップS58で、前回エンジン1がアイドル状態であり、今回エンジン1がアイドル状態でない場合は、ステップS56で、下記式(8)により学習値KO2PGを算出する。
【0064】
KO2PG=Min(KO2PG & KREFP) …(8)
ここで、KREFPは、具体的には、後述する図8の処理で算出される、エンジン1の過渡運転時に対応する空燃比補正係数KO2の第2の平均値である。式(8)の右辺は、前回の学習値KO2PGと、第2の平均値KREFP値との小さい方を意味する。すなわち、第2の平均値KREFP値が前回の学習値KO2PGより小さい場合にKREFP値が選択される。
【0065】
次いで、ステップS57で、平均値KAVPGを空燃比補正係数KO2に設定し、ステップS59に進む。
【0066】
ステップS51からS53、及びステップS58の判別により、エンジン1がアイドル状態の場合、又はエンジン1がアイドル回転数以上の定常状態の時には、ステップS55で式(7)により空燃比補正係数KO2に基づき平均値KAVPGを算出する一方、エンジン1がアイドル状態から離脱した直後に(ステップS53でNO且つステップS58でYES)、エンジン1が過渡運転状態になったと判別し、ステップS56で式(8)により学習値KO2PGを算出し、続いて、ステップS57で、平均値KAVPGを空燃比補正係数KO2に設定する。
【0067】
続くステップS59では、前記過渡補正係数KPGTRが1.0以上であるか否かを判別する。ステップS59で、過渡補正係数KPGTRが1.0を下回れば、ステップS60からステップS63において、平均値KAVPGに対して下限値KO2PGLMLと上限値KO2PGLMHとの間でリミット処理を実行する。すなわち、ステップS55又はステップS57で算出した平均値KAVPGが下限値KO2PGLMLより小さいか、及びその上限値KO2PGLMHより大きいかを判別し(ステップS60、S61)、平均値KAVPGが下限値KO2PGLMLより小さいときは、平均値KAVPGを下限値KO2PGLMLとし(ステップS63)、平均値KAVPGが上限値KO2PGLMHより大きいときは、平均値KAVPGをその上限値KO2PGLMHとして(ステップS62)、ステップS64に進む。ステップS59で、過渡補正係数KPGTRが1.0以上であれば、ステップS60からステップS63をスキップして、ステップS64に進む。
【0068】
次いで、所定時間(例えば2sec)に設定されたタイマtmKAVPGの値が0であるか否かを判別する(ステップS64)。ステップS64でタイマtmKAVPGの値が0でない場合は、所定時間が経過していないとして直ちに本処理を終了する。ステップS64でタイマtmKAVPGの設定値が0である場合は、設定時間が経過したとしてステップS65に進み、平均値KAVPGと前回の学習値KO2PGとの偏差(KAVPG−KO2PG)に応じて、図8の更新量DKO2PCSテーブルを検索し、更新量DKO2PCSを算出する。ここで、図8は、平均値KAVPGと前回の学習値KO2PGとの偏差に応じた更新量DKO2PCSのテーブル値を示すグラフである。
【0069】
前記更新量DKO2PCSテーブルにおいては、偏差(KAVPG−KO2PG)が負の所定値V1以下では、更新量DKO2PCSが負の一定値DKO2PCS1を執り、(KAVPG−KO2PG)値が正の所定値V2以上では、更新量DKO2PCSが正の一定値DKO2PCS2を執り、(KAVPG−KO2PG)値が負の所定値V1から正の所定値V2の間では、更新量DKO2PCSが増加するように設定されている。
【0070】
図8の更新量DKO2PCSテーブルにおいて、(KAVPG−KO2PG)値が±0の近傍で、更新量DKO2PCSが±0になるように設定し、不感帯を設けてもよい(図8の破線)。
【0071】
図7に戻って、ステップS66では、下記式(9)により、学習値KO2PGを算出する。
【0072】
KO2PG=KO2PG+DKO2PCS …(9)
ここで、DKO2PCSは前記ステップS65で算出される更新量であり、右辺のKO2PGは前回算出値である。
【0073】
続くステップS67からステップS70において、学習値KO2PGに対して下限値KO2PGLMLと上限値KO2PGLMHとの間でリミット処理を実行する。すなわち、ステップS66で算出した学習値KO2PGが下限値KO2PGLMLより小さいか、及び上限値KO2PGLMHより大きいか否かを判別し(ステップS67、S68)、学習値KO2PGが下限値KO2PGLMLより小さいときは、学習値KO2PGを下限値KO2PGLMLとし(ステップS70)、学習値KO2PGが上限値KO2PGLMHより大きいときは、学習値KO2PGを上限値KO2PGLMHとする(ステップS69)。次いで、ステップS71で、タイマtmKAVPGを所定時間に設定して、本処理を終了する。ここで、タイマtmKAVPGはステップS65からS70の処理を所定時間に1回行うように該処理を間引くために設けられている。
【0074】
以下、図9を参照しながら、図6ステップS56において、式(8)により学習値KO2PGの算出で使用する、エンジン1の過渡運転状態時における空燃比補正係数KO2に基づく第2の平均値KREFPの算出処理について説明する。ここに、図9は、エンジン1の過渡運転状態時における空燃比補正係数KO2に基づく第2の平均値KREFPの算出処理のフローチャートである。本処理は、所定時間(例えば10msec)毎にECU1のCPUで実行される。
【0075】
まず、ステップS81で、フラグF02FBが「1」でフィードバック実行中であるか否か、ステップS82でエンジン1がアイドル状態でないか否か、ステップS83でフラグFPFBが「0」でリッチフィードバック実行中でないか否か、ステップS84で過渡補正係数KPGTRが1以上か否かをそれぞれ判別する。上記判別の結果がすべて肯定(YES)の場合はステップS85に進み、所定時間(例えば15sec)に設定されたタイマTMREFの値が0であるか否かを判別し、タイマTMREFが所定時間を計時する間はステップS86に進み、下記式(10)により、エンジン1の過渡運転時における空燃比補正係数KO2に基づく第2の平均値KREFPを算出し、本処理を終了する。
【0076】
KREFP=C×KO2+(1−C)×KREFP …(10)
ここで、Cは0から1の間に設定される定数、KO2は空燃比補正係数KO2、右辺のKREFPは前回算出値である。
【0077】
ステップS85で、タイマTMREFの値が0である場合は、所定時間が経過したとして直ちに本処理を終了する。
【0078】
一方、上記ステップS81からS85のいずれかの結果が否定の場合は、ステップS87に進み、タイマTMREFPを所定時間に設定し、本処理を終了する。
【0079】
本発明の実施の形態によれば、エンジン1がアイドル状態から離脱した直後(ステップS53→S58→S56)、エンジン1の過渡運転状態になったと判定し、学習値KO2PGを、エンジン1の過渡運転状態に対応する第2の平均値KREFPに設定し(ステップS56)、また、平均値KAVPGと前回の学習値KO2PGとの偏差に応じて更新量DKO2PCSを算出し(ステップS65)、学習値KO2PGを当該学習値KO2PGに更新量DKO2PCSを加えることにより補正する(ステップS66)ので、エンジン1が過渡運転状態であって空燃比補正係数KO2が大きく変化したときに、学習値KO2PGを空燃比補正係数KO2の変化に迅速に追従させることができる。その結果、エンジン1の過渡運転時に目標パージ流量QPGを適切に制御し、運転性及び排気ガス特性を良好に維持することができる。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1の内燃機関の蒸発燃料制御装置によれば、制御手段が、パージされる蒸発燃料の流量を第1の算出手段により算出された第1の学習値に応じて増減するようにパージ制御弁を作動させ、過渡運転状態判定手段が内燃機関が過渡運転状態であることを判定したときは、第1の学習値を第2の算出手段により算出された第2の学習値に設定するので、内燃機関が過渡運転状態であって空燃比補正係数が大きく変化したときに、空燃比補正係数の学習値を空燃比補正係数の変化に迅速に追従させることができる。
【0081】
本発明の請求項3の内燃機関の蒸発燃料制御装置によれば、制御手段が、パージされる蒸発燃料の流量を学習値算出手段により算出された学習値に応じて増減するようにパージ制御弁を作動させ、増減手段が、平均値算出手段により算出された平均値値と学習値算出手段により算出された学習値との偏差に基づいて、前記学習値算出手段により算出された学習値を増減するので、内燃機関が過渡運転状態のように空燃比補正係数が大きく変化したときに、空燃比補正係数の学習値を空燃比補正係数の変化に迅速に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。
【図2】パージ制御のメインルーチンのフローチャートである。
【図3】パージ制御弁の開弁デューティを算出する処理のフローチャートである。
【図4】目標流量算出処理のフローチャートである。
【図5】図3の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図6】空燃比補正係数KO2PGの算出処理のフローチャートである。
【図7】空燃比補正係数KO2PGの算出処理のフローチャートであって、図6に続くフローチャートである。
【図8】平均値KAVPGと前回の学習値KO2PGとの偏差に応じた更新量DKO2PCSのテーブル値を示すグラフである。
【図9】エンジン1の過渡運転時における空燃比補正係数KO2に基づく第2の平均値KREFPの算出処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気管
4 スロットル弁
5 スロットル弁開度センサ
6 電子コントロールユニット
9 燃料タンク
21 キャニスタ
23 パージ通路
24 パージ制御弁
Claims (5)
- 燃料タンクから発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタと内燃機関の吸気系との間に設けられ、前記蒸発燃料を前記吸気系のスロットル弁の下流側にパージさせるパージ通路と、該パージ通路を介して前記吸気系に供給される蒸発燃料の流量を制御するパージ制御弁と、前記内燃機関の吸気系に供給される混合気の空燃比フィードバック制御を行うために前記内燃機関の排気ガス濃度に応じて空燃比補正係数を設定する空燃比補正係数設定手段と、前記空燃比フィードバック制御中に前記空燃比補正係数の第1の学習値を算出する第1の算出手段と、前記パージされる蒸発燃料の流量を前記算出された第1の学習値に応じて増減するように前記パージ制御弁を作動させる制御手段とを備えた内燃機関の蒸発燃料制御装置において、前記内燃機関が過渡運転状態であることを判定する過渡運転状態判定手段と、前記内燃機関の過渡運転状態に対応する前記空燃比補正係数の第2の学習値を算出する第2の算出手段と、前記過渡運転状態判定手段が前記内燃機関が過渡運転状態であることを判定したときは、前記第1の学習値を前記第2の算出手段により算出された第2の学習値に設定する学習値設定手段とを備えることを特徴とする内燃機関の蒸発燃料制御装置。
- 前記内燃機関の過渡運転状態は前記内燃機関のアイドル状態から離脱した直後の運転状態であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の蒸発燃料制御装置。
- 燃料タンクから発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタと内燃機関の吸気系との間に設けられ、前記蒸発燃料を前記吸気系のスロットル弁の下流側にパージさせるパージ通路と、該パージ通路を介して前記吸気系にパージされる蒸発燃料の流量を制御するパージ制御弁と、前記内燃機関の吸気系に供給される混合気の空燃比フィードバック制御を行うために前記内燃機関の排気ガス濃度に応じて空燃比補正係数を設定する空燃比補正係数設定手段と、前記空燃比フィードバック制御中に前記空燃比補正係数の平均値を算出する平均値算出手段と、前記算出された平均値に基づいて前記空燃比補正係数の学習値を算出する学習値算出手段と、前記パージされる蒸発燃料の流量を前記算出された学習値に応じて増減するように前記パージ制御弁を作動させる制御手段とを備えた内燃機関の蒸発燃料制御装置において、前記平均値算出手段により算出された平均値と前記学習値算出手段により算出された学習値との偏差に基づいて、前記学習値算出手段により算出された学習値を増減する増減手段を備えることを特徴とする内燃機関の蒸発燃料制御装置。
- 前記増減手段により増減される学習値の更新値は、前記平均値算出手段により算出された平均値と前記学習値算出手段により算出された学習値との偏差が増加するほど増加するように設定されることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の蒸発燃料制御装置。
- 燃料タンクから発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタと内燃機関の吸気系との間に設けられ、前記蒸発燃料を前記吸気系のスロットル弁の下流側にパージさせるパージ通路と、該パージ通路を介して前記吸気系にパージされる蒸発燃料の流量を制御するパージ制御弁と、前記内燃機関の吸気系に供給される混合気の空燃比フィードバック制御を行うために前記内燃機関の排気ガス濃度に応じて空燃比補正係数を設定する空燃比補正係数設定手段と、前記空燃比フィードバック制御中に前記空燃比補正係数の平均値を算出する平均値算出手段と、前記算出された平均値に基づいて前記空燃比補正係数の第1の学習値を算出する第1の学習値算出手段と、前記パージされる蒸発燃料の流量を前記算出された第1の学習値に応じて増減するように前記パージ制御弁を作動させる制御手段とを備えた内燃機関の蒸発燃料制御装置において、前記内燃機関が過渡運転状態であることを判定する過渡運転状態判定手段と、前記内燃機関の過渡運転状態に対応する前記空燃比補正係数の第2の学習値を算出する第2の学習値算出手段と、前記過渡運転状態判定手段が前記内燃機関が過渡運転状態であることを判定したときは、前記第1の学習値を前記第2の学習値算出手段により算出された第2の学習値に設定する学習値設定手段と、前記平均値算出手段により算出された平均値と前記第1の学習値算出手段により算出された第1の学習値との偏差に基づいて、前記第1の学習値算出手段により算出された第1の学習値を増減する増減手段を備えることを特徴とする内燃機関の蒸発燃料制御装置。
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