JP3880400B2 - 半導体集積回路装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップ上で中央部に配置された内部セル領域と、周辺部に配置された外部接続用のボンディングパッドを備えたI/Oセル領域と、内部セル領域の少なくとも一部にI/Oセル領域とは異なる電源電圧を供給するための内部セル用電源ライン及び内部セル用グランドラインを備えた多電源の半導体集積回路装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来の半導体集積回路装置を示す上面図であり、(A)はウェハ全体を示し、(B)は一つの半導体チップを示し、(C)は(B)の円で囲まれた部分を拡大して示す。
ウェハ31の一表面に、マトリックス状に配列された複数の半導体チップ33の能動素子が形成されている。隣り合う半導体チップ33,33間にはスクライブ領域35が設けられている。一般的な半導体集積回路装置では、半導体チップ33の中央部に内部セル領域37が形成され、半導体チップ33の周辺部にボンディングパッド39を備えた複数のI/Oセル領域41が形成されている。内部セル領域37とI/Oセル領域41の間の領域に電源ライン43及びグランドライン45が形成されている。
【0003】
図4は、従来の半導体集積回路装置のウェハテスト時の状態を示す断面図である。
ウェハテスト時には、プローブカード51の複数のプローブ針53が対応するボンディングパッド39にそれぞれ接触される。ウェハテスト時には、テスト装置から、プローブ針53を介して、内部セル領域37及びI/Oセル領域41の論理回路素子へのテスト信号の入出力及び電源供給が行なわれ、ウェハテストが実行される。
【0004】
最近の半導体集積回路装置は微細化技術の進歩に伴って集積度が増大しており、当然I/Oセル数も増えて多ピン化している。回路規模が大きくなると、測定すべき内部信号数も増加し、ウェハテストに使用するボンディングパッド数も増加する傾向にある。
【0005】
しかし、実装面積等を考慮して製品仕様に基づいて定められたパッケージピン数や、多ピン化した場合のパッケージコストなどの制限があるため、ウェハテストのために製品仕様以上に多ピン化することは好ましくない。
また、外部接続に使用しないボンディングパッドを備えたウェハテスト用I/Oセルを別途用意するという方法があるが、I/Oセル数の増加に伴って製品仕様以上に半導体集積回路装置のレイアウト面積が大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
このような不具合を解決する手段として、ウェハ切断前のスクライブ領域にウェハテスト用パッドを形成する方法が提案されている(特開平06−120308号公報、特開平07−50326号公報等を参照)。
図5に示すように、通常の信号を入出力するためのパッド49aの他に、スクライブ領域35上に、ウェハテスト信号を入出力するためのパッド49bが形成されている。ウェハから半導体チップ33を切り出す際にはスクライブ領域35が切断される。このとき、パッド49bは除去される。
スクライブ領域35にウェハテスト用パッド49bを形成することにより、半導体集積回路装置のレイアウト面積を増大させることなくウェハテストに使用するパッド数を増加させることができる。
【0007】
しかし、スクライブ領域にウェハテスト用パッドを形成する方法では、半導体集積回路装置のレイアウト面積が大きくなることはないが、後工程でウェハから半導体チップを切り出す際に、ウェハテスト用パッドがボンディングパッドの外側やスクライブ領域に形成されているため、配線メタル上を切断することになってしまい、配線メタルのカスに起因するショートが発生し、歩留を下げてしまうという問題があった。
【0008】
また、最近の半導体集積回路装置では、微細化技術の進歩に伴って動作周波数が速くなり、内部セル領域では低電圧化する傾向にある。一方、I/Oセル領域では、従来の外部インターフェースを使用するために従来電圧を使用している。そのため、内部セル領域とI/Oセル領域で電源電圧の大きさが異なる多電源化の傾向にある。
【0009】
図6は従来の多電源の半導体集積回路装置を示す上面図であり、(A)はウェハ全体を示し、(B)は一つの半導体チップを示し、(C)は(B)の円で囲まれた部分を拡大して示す。
ウェハ31の一表面に、マトリックス状に配列された複数の半導体チップ33の能動素子が形成されている。隣り合う半導体チップ33,33間にはスクライブ領域35が設けられている。半導体チップ33の中央部に内部セル領域37が形成され、半導体チップ33の周辺部にボンディングパッド39を備えた複数のI/Oセル領域41が形成されている。
【0010】
内部セル領域37には、内部セル領域37に、I/Oセル領域41に供給される電源電圧とは大きさが異なる電源電圧を供給するための内部セル用電源ライン55及び内部セル用グランドライン57が形成されている。内部セル領域37とI/Oセル領域41の間の領域に、I/Oセル領域41に電源電圧を供給するためのI/Oセル用電源ライン59及びI/Oセル用グランドライン61が形成されている。
【0011】
多電源の半導体集積回路装置のウェハテストにおいて、半導体集積回路装置の内部セル領域内の論理回路にテスト信号を入出力するためのボンディングパッドについては、テスト信号を時分割にしたり、テストモードに応じて選択的に入力したりする方法がある。これにより、複数のテスト信号を同じボンディングパッドを通して入出力し、ボンディングパッドを兼用して、ウェハテスト時にテスト信号の入出力に使用するボンディングパッドの数を減らしている。
【0012】
しかし、ウェハテスト時に半導体集積回路装置の内部セル領域内の論理回路素子に電源供給を行なうための電源用ボンディングパッド及びグランド用ボンディングパッドについては、時分割や選択的な入力ができないため、どうしても電源用ボンディングパッド及びグランド用ボンディングパッドの数が不足する傾向にある。
【0013】
一般的に、電源用ボンディングパッド及びグランド用ボンディングパッドの数が少ない場合、ウェハテスト時に半導体集積回路装置内部に大きな電流変動が生じたときに、テスト装置や、プローブを含めたウェハテスト用の配線や、半導体集積回路装置内部の配線等がもつインダクタンス成分の影響によってノイズ電圧が発生する。そのようなノイズ電圧はウェハテストの結果に悪影響を及ぼし、安定したウェハテストが実施できないという問題があった。
【0014】
また、電源用ボンディングパッド及びグランド用ボンディングパッドの数が少ない場合、ウェハテスト時に1本のプローブあたりに流れる電流値が大きくなるため、ある一定のウェハテスト回数毎にプローブ針先の研磨を実施しないと、プローブ針の酸化によるコンタクト不良が発生する。そのようなコンタクト不良はウェハテスト結果に悪影響を及ぼすので、安定したウェハテストが実施できないという問題があった。
【0015】
このような不具合を解決するための手段として、マスタースライス方式の半導体集積回路装置において、未使用のI/Oセル領域にウェハテスト用の電源パッド及びグランドパッドを形成する方法がある(特公平06−091186号公報参照)。
しかし、余分なI/Oセル領域が必要になるので、マスタースライス方式以外の半導体集積回路装置に実施すると、必要以上にレイアウト面積が大きくなってしまう。そのため、未使用のI/Oセル領域があらかじめ存在するマスタースライス方式の半導体集積回路装置にしか実施できないという欠点があった。
【0016】
また、上記不具合を解決するための他の方法として、ウェハ切断前のスクライブ領域に大型電源パッドを形成する方法が開示されているが(特開平2−232574号公報参照)、上記で説明したスクライブ領域にウェハテスト用パッドを形成した従来例と同様に、配線メタル上を切断することになってしまい、配線メタルのカスに起因するショートが発生し、歩留を下げてしまうという問題があった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、多電源の半導体集積回路装置において、スクライブ領域にウェハテスト用パッドを形成することなく、かつ半導体集積回路装置のレイアウト面積を増大させることなく、ウェハテスト用パッドの数を増やすことを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体チップ上で中央部に配置された内部セル領域と、周辺部に配置された外部接続用のボンディングパッドを備えたI/Oセル領域と、内部セル領域の少なくとも一部にI/Oセル領域とは異なる電源電圧を供給するための内部セル用電源ライン及び内部セル用グランドラインを備えた多電源の半導体集積回路装置であって、上記内部セル用電源ライン上に形成されたウェハテスト用の内部セル用電源パッドと、上記内部セル用グランドライン上に形成されたウェハテスト用の内部セル用グランドパッドを少なくとも1組備えているものである。
【0019】
内部セル用電源ライン上にウェハテスト用パッドとしての内部セル用電源パッドを形成し、上記内部セル用グランドライン上にウェハテスト用パッドとしての内部セル用グランドパッドを形成することにより、スクライブ領域にウェハテスト用パッドを形成することなく、かつ半導体集積回路装置のレイアウト面積を増大させることなく、ウェハテスト用パッドの数を増やすことができる。
これにより、ウェハテスト時のインダクタンス成分の影響によるノイズ電圧の発生や、プローブ針の酸化によるコンタクト不良の発生を抑制することができ、安定したウェハテストを実施できる半導体集積回路装置を実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
上記内部セル用電源ライン上に複数の上記内部セル用電源パッドを備え、上記内部セル用グランドライン上に複数の上記内部セル用グランドパッドを備えていることが好ましい。複数の内部セル用電源パッド及び内部セル用グランドパッドを備えることにより、ウェハテスト時のインダクタンス成分の影響によるノイズ電圧の発生や、プローブ針の酸化によるコンタクト不良の発生をさらに抑制することができる。
【0021】
上記内部セル用電源パッド及び上記内部セル用グランドパッドが配置される間隔の一例は50μm(マイクロメートル)以上である。これにより、高精度の高価な特殊プローブカードや、高位置合わせ精度の高価な特殊プロービング装置(プローブカードのプローブ針をパッドに位置合わせするための装置)ではなく、既存のプローブカードやプロービング装置を用いても、内部セル用電源パッドに対応するプローブ針と内部セル用グランドパッドに対応するプローブ針間の電気的短絡を防止して、安定したウェハテストを実施することができる。
【0022】
上記内部セル用電源ライン及び上記内部セル用電源パッド並びに上記内部セル用グランドライン及び上記内部セル用グランドパッドを、上記内部領域で使用される電源電圧ごとに備えていることが好ましい。その結果、内部セル領域で異なる2種類以上の電源電圧を使用する場合、各電源電圧において、内部セル用電源パッド及び内部セル用グランドパッドの数を増やすことができる。
【0023】
上記内部セル領域と上記I/Oセル領域との間に形成されたI/Oセル用電源ライン及びI/Oセル用グランドラインと、上記I/Oセル用電源ライン上に形成されたウェハテスト用のI/Oセル用電源パッドと、上記I/Oセル用グランドライン上に形成されたウェハテスト用のI/Oセル用グランドパッドをさらに備えていることが好ましい。その結果、スクライブ領域にウェハテスト用パッドを形成することなく、かつ半導体集積回路装置のレイアウト面積を増大させることなく、ウェハテスト用のI/Oセル用電源パッド及びウェハテスト用のI/Oセル用グランドパッドの数を増やすことができる。これにより、I/Oセル領域についても、ウェハテスト時のインダクタンス成分の影響によるノイズ電圧の発生や、プローブ針の酸化によるコンタクト不良の発生を抑制することができ、さらに安定したウェハテストを実施できる半導体集積回路装置を実現できる。
【0024】
上記I/Oセル用電源ライン上に複数の上記I/Oセル用電源パッドを備え、上記I/Oセル用グランドライン上に複数の上記I/Oセル用グランドパッドを備えていることが好ましい。複数のI/Oセル用電源パッド及びI/Oセル用グランドパッドを備えることにより、I/Oセル領域について、ウェハテスト時のインダクタンス成分の影響によるノイズ電圧の発生や、プローブ針の酸化によるコンタクト不良の発生をさらに抑制することができる。
【0025】
【実施例】
図1は一実施例を示す上面図であり、(A)はウェハ全体を示し、(B)は一つの半導体チップを示し、(C)は(B)の円で囲まれた部分を拡大して示す。
ウェハ1の一表面に、マトリックス状に配列された複数の半導体チップ3の能動素子が形成されている。隣り合う半導体チップ3,3間には、半導体チップ3を切り出す際に切断されるスクライブ領域5が設けられている。ここで、スクライブ領域5には何も形成されていない。
【0026】
半導体チップ3の中央部には、各種の論理回路素子を備えた内部セル領域7が形成されている。半導体チップ3の周辺部には、内部セル領域7との信号の受け渡しを行なうための各種の論理回路素子及び外部接続用のボンディングパッド9を備えた複数のI/Oセル領域11が備えられている。
【0027】
内部セル領域7とI/Oセル領域11の間の領域には、内部セル領域7の外周にI/Oセル用電源ライン13が形成されている。I/Oセル用電源ライン13の外周にはI/Oセル用グランドライン15が形成されている。I/Oセル用電源ライン13及びI/Oセル用グランドライン15はI/Oセル領域11の論理回路素子に電源供給を行なうためのものである。I/Oセル用電源ライン13は配線13bを介して1つのボンディングパッド9aに接続されている。I/Oセル用グランドライン15は、配線15bを介して、I/Oセル用電源ライン13が接続されるボンディングパッド9aとは異なるボンディングパッド9bに接続されている。
【0028】
I/Oセル用電源ライン13、I/Oセル用グランドライン15及び配線13b,15bは例えば線幅が50〜100μmであり、ここでは100μmである。I/Oセル用電源ライン13及びI/Oセル用グランドライン15の材料としては、例えばAl(アルミニウム)やAl−Si(アルミニウムとシリコンの合金)、Al−Si−Cu(アルミニウムとシリコンと銅の合金)等を用いることができる。
【0029】
I/Oセル用電源ライン13上に複数のI/Oセル用電源パッド13aが形成されている。I/Oセル用グランドライン15上に複数のI/Oセル用グランドパッド15aが形成されている。
I/Oセル用電源パッド13a及びI/Oセル用グランドパッド15aは例えば一辺が50μmの正方形に形成されている。I/Oセル用電源パッド13aとI/Oセル用グランドパッド15aは互いに千鳥状に配置されており、それらの間隔は例えば50μmである。ここでは、隣り合うI/Oセル用電源パッド13a,13a間の間隔及びI/Oセル用グランドパッド15a,15a間の間隔はそれぞれ150μmである。
【0030】
I/Oセル用電源ライン13が接続されるボンディングパッド9a及びI/Oセル用グランドライン15が接続されるボンディングパッド9bとは異なるボンディングパッド9cから、I/Oセル領域11、I/Oセル用グランドライン15及びI/Oセル用電源ライン13とは絶縁された状態で内部セル領域7に延びる内部セル用電源ライン17が形成されている。ボンディングパッド9a,9b,9cとは異なるボンディングパッド9dから、I/Oセル領域11、I/Oセル用グランドライン15及びI/Oセル用電源ライン13とは絶縁された状態で内部セル領域7に延びる内部セル用グランドライン19が形成されている。
【0031】
内部セル用電源ライン17及び内部セル用グランドライン19は内部セル領域7の論理回路素子に、I/Oセル領域に供給される電源電圧とは大きさが異なる電源電圧の供給を行なうためのものである。
内部セル領域7には微細化及び低電圧化に伴って例えば1.8V、2.5V等の電源電圧が供給され、I/Oセル領域11には従来の外部インターフェースに合わせて例えば3.3V、5.0V等の電源電圧が供給される。
【0032】
内部セル用電源ライン17及び内部セル用グランドライン19は例えば線幅が50〜100μmであり、ここでは100μmである。内部セル用電源ライン17及び内部セル用グランドライン19の材料としては、例えばAlやAl−Si、Al−Si−Cu等を用いることができる。
【0033】
内部セル用電源ライン17上に複数の内部セル用電源パッド17aが形成されている。内部セル用グランドライン19上に複数の内部セル用グランドパッド19aが形成されている。
内部セル用電源パッド17a及び内部セル用グランドパッド19aは例えば一辺が50μmの正方形に形成されている。内部セル用電源パッド17aと内部セル用グランドパッド19aは互いに千鳥状に配置されており、それらの間隔は例えば50μmである。ここでは、隣り合う内部セル用電源パッド17a,17a間の間隔及び内部セル用グランドパッド19a,19a間の間隔はそれぞれ150μmである。
【0034】
図2は、この実施例のウェハテスト時の状態を示す断面図である。
ウェハテスト時には、プローブカード21のプローブ針23aが対応するボンディングパッド9,9a,9b,9c,9dに接触され、プローブ針23bが対応するI/Oセル用電源パッド13aに接触され、プローブ針23cが対応するI/Oセル用グランドパッド15aに接触され、プローブ針23dが対応する内部セル用電源パッド17aに接触され、プローブ針23eが対応する内部セル用グランドパッド19aに接触される。
【0035】
この実施例では、内部セル用電源パッド17a及び内部セル用グランドパッド19aが配置される間隔は50μm以上であり、I/Oセル用電源パッド13a及びI/Oセル用グランドパッド15aが配置される間隔は50μm以上であるので、高精度の高価な特殊プローブカードや、高位置合わせ精度の高価な特殊プロービング装置ではなく、既存のプローブカードやプロービング装置を用いても、プローブ針23a,23b,23c,23d,23e間の電気的短絡を防止して、安定したウェハテストを実施することができる。
【0036】
ウェハテスト時の内部セル領域7及びI/Oセル領域11への信号入出力は、従来の半導体集積回路装置と同様に、プローブ針23aからボンディングパッド9を介して行なわれる。
ウェハテスト時の内部セル領域7への電源供給は、従来の半導体集積回路装置と同様にしてプローブ針23aからボンディングパッド9c,9dを介して行なわれる電源供給の他、プローブ針23d,23eから内部セル用電源パッド17a及び内部セル用グランドパッド19aを介しても行なわれる。
ウェハテスト時のI/Oセル領域11への電源供給は、従来の半導体集積回路装置と同様にしてプローブ針23aからボンディングパッド9a,9bを介して行なわれる電源供給の他、プローブ針23b,23cからI/Oセル用電源パッド13a及びI/Oセル用グランドパッド15aを介しても行なわれる。
【0037】
このように、この実施例によれば、スクライブ領域にウェハテスト用パッドを形成しなくても、半導体集積回路装置のレイアウト面積を増大させることなく、I/Oセル用電源パッド13a、I/Oセル用グランドパッド15a、内部セル用電源パッド17a及び内部セル用グランドパッド19aを追加してウェハテスト時に使用するウェハテスト用パッドの数を増加させることができる。
ウェハテスト時に使用するウェハテスト用パッドの数を増加させることにより、ウェハテスト時のノイズ電圧の低減を実現できる。安定したウェハテストを実施できるようになる。
【0038】
さらに、電源供給用のボンディングパッド9a,9b,9c,9dに対応するプローブ針23aを含むウェハテスト時における電源供給用のプローブ針23a,23b,23c,23d,23eにおいて、プローブ針当りに流れる電流値を小さくすることができるので、ウェハテスト時に発生するプローブ針の酸化によるコンタクト不良を低減することができる。
【0039】
この実施例では、一組の内部セル用電源ライン及び内部セル用グランドラインを備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数組の内部セル用電源ライン及び内部セル用グランドラインを備えている多電源の半導体集積回路装置にも適用することができる。例えば複数組の内部セル用電源ライン及び内部セル用グランドラインを備え、内部セル領域で異なる2種類以上の電源電圧を使用する場合、各電源電圧において、内部セル用電源パッド及び内部セル用グランドパッドの数を増やすことができる。また、複数組の内部セル用電源ライン及び内部セル用グランドラインは同じ大きさの電源電圧を供給するものであってもよい。
【0040】
また、この実施例では、I/Oセル用電源ライン13につながる配線13bが接続されるボンディングパッド9aと、I/Oセル用グランドライン15につながる配線15bが接続されるボンディングパッド9bとして、隣り合うボンディングパッドを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、互いに離れた位置のボンディングパッドを用いてもよい。
【0041】
また、この実施例では、内部セル用電源ライン17が接続されるボンディングパッド9cと、内部セル用グランドライン19が接続されるボンディングパッド9dとして、隣り合うボンディングパッドを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、互いに離れた位置のボンディングパッドを用いてもよい。
【0042】
以上、実施例を説明したが、上記の実施例で示した寸法、数値、形状及び配置は一例であり、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0043】
【発明の効果】
請求項1に記載された半導体集積回路装置では、半導体チップ上で中央部に配置された内部セル領域と、周辺部に配置された外部接続用のボンディングパッドを備えたI/Oセル領域と、内部セル領域の少なくとも一部にI/Oセル領域とは異なる電源電圧を供給するための内部セル用電源ライン及び内部セル用グランドラインを備えた多電源の半導体集積回路装置において、内部セル用電源ライン上に形成されたウェハテスト用の内部セル用電源パッドと、内部セル用グランドライン上に形成されたウェハテスト用の内部セル用グランドパッドを少なくとも1組備えているようにしたので、スクライブ領域にウェハテスト用パッドを形成することなく、かつ半導体集積回路装置のレイアウト面積を増大させることなく、ウェハテスト用パッドの数を増やすことができる。これにより、ウェハテスト時のインダクタンス成分の影響によるノイズ電圧の発生や、プローブ針の酸化によるコンタクト不良の発生を抑制することができ、安定したウェハテストを実施できる半導体集積回路装置を実現できる。
【0044】
請求項2に記載された半導体集積回路装置では、内部セル用電源ライン上に複数の内部セル用電源パッドを備え、内部セル用グランドライン上に複数の内部セル用グランドパッドを備えているようにしたので、ウェハテスト時のインダクタンス成分の影響によるノイズ電圧の発生や、プローブ針の酸化によるコンタクト不良の発生をさらに抑制することができる。
【0045】
請求項3に記載された半導体集積回路装置では、内部セル用電源パッド及び内部セル用グランドパッドは50μm以上の間隔をもって配置されているようにしたので、高精度の高価な特殊プローブカードや、高位置合わせ精度の高価な特殊プロービング装置ではなく、既存のプローブカードやプロービング装置を用いても、内部セル用電源パッドに対応するプローブ針と内部セル用グランドパッドに対応するプローブ針間の電気的短絡を防止して、安定したウェハテストを実施することができる。
【0046】
請求項4に記載された半導体集積回路装置では、内部セル用電源ライン及び内部セル用電源パッド並びに内部セル用グランドライン及び内部セル用グランドパッドを、内部領域で使用される電源電圧ごとに備えているようにしたので、内部セル領域で異なる2種類以上の電源電圧を使用する場合、各電源電圧において内部セル用電源パッド及び内部セル用グランドパッドの数を増やすことができる。
【0047】
請求項5に記載された半導体集積回路装置では、内部セル領域とI/Oセル領域との間に形成されたI/Oセル用電源ライン及びI/Oセル用グランドラインと、I/Oセル用電源ライン上に形成されたウェハテスト用のI/Oセル用電源パッドと、I/Oセル用グランドライン上に形成されたウェハテスト用のI/Oセル用グランドパッドをさらに備えているようにしたので、スクライブ領域にウェハテスト用パッドを形成することなく、かつ半導体集積回路装置のレイアウト面積を増大させることなく、ウェハテスト用のI/Oセル用電源パッド及びウェハテスト用のI/Oセル用グランドパッドの数を増やすことができる。これにより、I/Oセル領域についても、ウェハテスト時のインダクタンス成分の影響によるノイズ電圧の発生や、プローブ針の酸化によるコンタクト不良の発生を抑制することができ、さらに安定したウェハテストを実施できる半導体集積回路装置を実現できる。
【0048】
請求項6に記載された半導体集積回路装置では、I/Oセル用電源ライン上に複数のI/Oセル用電源パッドを備え、I/Oセル用グランドライン上に複数のI/Oセル用グランドパッドを備えているようにしたので、I/Oセル領域について、ウェハテスト時のインダクタンス成分の影響によるノイズ電圧の発生や、プローブ針の酸化によるコンタクト不良の発生をさらに抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例を示す上面図であり、(A)はウェハ全体を示し、(B)は一つの半導体チップを示し、(C)は(B)の円で囲まれた部分を拡大して示す。
【図2】同実施例のウェハテスト時の状態を示す断面図である。
【図3】従来の半導体集積回路装置を示す上面図であり、(A)はウェハ全体を示し、(B)は一つの半導体チップを示し、(C)は(B)の円で囲まれた部分を拡大して示す。
【図4】従来の半導体集積回路装置のウェハテスト時の状態を示す断面図である。
【図5】従来の半導体集積回路装置の他の例を示す上面図である。
【図6】従来の多電源の半導体集積回路装置を示す上面図であり、(A)はウェハ全体を示し、(B)は一つの半導体チップを示し、(C)は(B)の円で囲まれた部分を拡大して示す。
【符号の説明】
1 ウェハ
3 半導体チップ
5 スクライブ領域
7 内部セル領域
9,9a,9b,9c,9d ボンディングパッド
11 I/Oセル領域
13 I/Oセル用電源ライン
13a I/Oセル用電源パッド
13b 配線
15 I/Oセル用グランドライン
15a I/Oセル用グランドパッド
15b 配線
17 内部セル用電源ライン
17a 内部セル用電源パッド
19 内部セル用グランドライン
19b 内部セル用グランドパッド

Claims (6)

  1. 半導体チップ上で中央部に配置された内部セル領域と、周辺部に配置された外部接続用のボンディングパッドを備えたI/Oセル領域と、内部セル領域の少なくとも一部にI/Oセル領域とは異なる電源電圧を供給するための内部セル用電源ライン及び内部セル用グランドラインを備えた多電源の半導体集積回路装置において、
    前記内部セル用電源ライン上に形成されたウェハテスト用の内部セル用電源パッドと、前記内部セル用グランドライン上に形成されたウェハテスト用の内部セル用グランドパッドを少なくとも1組備えていることを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. 前記内部セル用電源ライン上に複数の前記内部セル用電源パッドを備え、前記内部セル用グランドライン上に複数の前記内部セル用グランドパッドを備えている請求項1に記載の半導体集積回路装置。
  3. 前記内部セル用電源パッド及び前記内部セル用グランドパッドは50μm以上の間隔をもって配置されている請求項1又は2に記載の半導体集積回路装置。
  4. 前記内部セル用電源ライン及び前記内部セル用電源パッド並びに前記内部セル用グランドライン及び前記内部セル用グランドパッドを、前記内部領域で使用される電源電圧ごとに備えている請求項1、2又は3のいずれかに記載の半導体集積回路装置。
  5. 前記内部セル領域と前記I/Oセル領域との間に形成されたI/Oセル用電源ライン及びI/Oセル用グランドラインと、前記I/Oセル用電源ライン上に形成されたウェハテスト用のI/Oセル用電源パッドと、前記I/Oセル用グランドライン上に形成されたウェハテスト用のI/Oセル用グランドパッドをさらに備えている請求項1から4のいずれかに記載の半導体集積回路装置。
  6. 前記I/Oセル用電源ライン上に複数の前記I/Oセル用電源パッドを備え、前記I/Oセル用グランドライン上に複数の前記I/Oセル用グランドパッドを備えている請求項5に記載の半導体集積回路装置。
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