JP3880303B2 - マスクブランクス用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワーク(被研磨加工物)の研磨方法及びその研磨装置に係り、特には、キャリアによって保持されたワークを挟持し、上下定盤及びキャリアを回転させてワークの両面を研磨加工するワーク研磨方法・ワーク研磨装置及び電子デバイス用基板(マスクブランクス用基板、液晶ディスプレイ用基板、半導体ウエハー、情報記録媒体用基板等)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、半導体集積回路装置を製造する際に、配線その他の領域の形成プロセスにおいて、フォトリソグラフィー技術が適用されている。このフォトリソグラフィー工程において、露光用原版として使用されるフォトマスクは、透明基板上にパターニングされた遮光膜が形成されており、遮光膜パターンが露光装置を介して半導体ウエハー上に転写され、半導体集積回路装置が製造される。フォトマスクは、通常、透明基板上に遮光膜が形成されたマスクブランクから作られるが、透明基板上に欠陥(傷や異物等)があるとパターニングの欠陥を引き起こし、さらに、近年のパターンの微細化の要請から高い平坦性、高い平滑性の基板が要求されている。
【0003】
上述のようにマスクブランクに使用される透明基板は、高い平坦性、高い平滑性、さらに傷等の欠陥のないものに仕上げるため、通常、ラッピング工程、研磨工程が複数段階に分けて行われる。ラッピング工程は、加工歪み層を均一化し、板厚寸法を所定の板厚寸法に整え、平坦度を良化させる目的で行われる。また、研磨工程は、ラッピング工程によって得られた平坦度を維持・向上させつつ、基板表面をさらに平滑性に、そして基板表面に付着しているパーティクルを除去することを目的として行われる。研磨工程においては、段階的に研磨砥粒の粒径を小さくしながら複数段階にわたって研磨加工が行われる。例えば、平均粒径が0.3〜3μmの酸化セリウムの研磨砥粒による研磨を行った後、平均粒径が300nm以下のコロイダルシリカによる研磨砥粒による精密研磨が行われる(特開平1−40267)。研磨砥粒の選定、研磨布の選定、加工条件の選定等から、現在では、表面粗さRMSが0.3以下の高精度に研磨されたマスクブランク用基板が得られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような高い平滑性を有するマスクブランク用基板を得るために、通常、研磨工程において、両面研磨装置が使用される。この両面研磨装置は、複数のワークがセットされたキャリアを研磨布が貼りつけられた上下定盤で挟み、研磨布とワーク表面との間に研磨液を供給しながら、上下定盤が同時に回転することによって、ワーク表面を研磨するものである。
このような両面研磨装置においては、研磨加工終了時点で上定盤にワークの付着が発生し、上定盤が上昇すると上定盤に付着したワークが落下し、このことによりワークに欠け、割れ、傷等が発生した。このようなワークにおける欠陥を防止するため、研磨加工終了後にワーク上に上定盤からエアーや水、又は、ピストンによって強制的に上定盤に付着したワークの剥離を行っていた(特開平6−297323)。
【0005】
しかしながら、このエアーや、ピストンによる強制的なワークの剥離により、ワーク表面にクラック等の欠陥が発生してしまうだけでなく、キャリア剥離ピン及び、ピン出しの孔に研磨剤が固着し、ピン押し時に研磨剤のかたまりをワークに供給させてしまっていたため、ワークに対する傷欠陥発生の要因となっていた。しかも、エアーブロー噴出口において研磨剤が固着してしまい、研磨加工中に発生する欠陥の原因となり、ワーク表面において2〜3μm程度の微小なマイクロスクラッチが発生した。また、水による強制的なワークの剥離の場合、水圧による傷の発生に加え、研磨加工が進むほど研磨剤が薄くなってしまい、ワーク表面に均一に研磨を施すことができなくなり、ワーク表面に研磨むらが発生するという問題点があった。
【0006】
このように、微細な欠陥をも許容されない特に電子デバイス用基板に、上述のワーク研磨方法、研磨装置は不適であり、所望の面精度(高い平坦度、高い平滑性、欠陥のない)を有する電子デバイス用基板を製造は困難であった。
本発明は、研磨工程において、ワークが上定盤に付着することなく、ワークに傷や欠陥を発生させずに、上定盤からのワークの剥離を良好に行うワーク研磨方法及び研磨装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、電子デバイス用基板のように、微細な欠陥が許容されないワークに対する研磨方法を用いることで、製造歩留まりがよい電子デバイス用基板の製造方法及びその構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明では次のような手段を用いる。
[1]基板の両主表面を精密研磨する精密研磨工程を経てマスクブランクス用ガラス基板を得るマスクブランクス用ガラス基板の製造方法であって、
前記精密研磨工程は、キャリアによって保持された前記基板を上下定盤に挟持させ、前記上下定盤を基板の被加工面と垂直な軸にそれぞれ回転させることにより、前記基板に対し両面研磨加工を行うものであって、
前記基板の研磨加工が終了し、上下定盤の回転が停止する前に、上定盤と下定盤とを回転させた状態で、上定盤の回転数を下定盤の回転数よりも大きくして、前記基板の上定盤側に働く摩擦力又は摩擦抵抗と、下定盤側に働く摩擦力又は摩擦抵抗を互いに異ならせて、前記基板を下定盤に付着させた後、上定盤を前記基板の厚みよりも小さい範囲で所定量上昇させるマスクブランクス用ガラス基板の製造方法とした。
[2]前記基板に働く下定盤側の摩擦抵抗又は摩擦力上定盤側の摩擦抵抗又は摩擦力よりも大きくする [ ] マスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
[3]前記上定盤を所定量上昇させる際、前記上定盤を前記下定盤の面と実質的に平行の状態となるように固定させる[1]または[2]のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
[4]前記精密研磨工程は、基板の表面粗さRMS(二乗平均平方根粗さ)を0.4nm以下にするものであり、前記上定盤側の基板主表面の表面粗さの方が、前記下定盤側の基板主表面の表面粗さよりも大きくさせる[1]〜[3]いずれかのマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
[5]前記下定盤側の基板主表面の表面粗さRMSに対する前記上定盤側の基板主表面の表面粗さRMSの比が、0.85以上1未満とする[4]のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
[6]前記上定盤を所定量上昇させる際の前記下定盤の回転数に対する前記上定盤の回転数の比率を、1:4以上とする[1]〜[5]いずれかのマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
[7]基板の両主表面を精密研磨する精密研磨工程を経てマスクブランクス用ガラス基板を得るマスクブランクス用ガラス基板の製造方法であって、
前記精密研磨工程は、太陽歯車と、前記太陽歯車の同心外方部に配置された内歯歯車と、複数のワーク保持部を介して前記太陽歯車・内歯歯車の両歯車間に両歯車と噛合状態に配置された外歯歯車状の前記キャリアと、両面研磨加工面のため回転駆動される前記上下定盤と、を備えて行われ、
前記太陽歯車・内歯歯車の両歯車によって前記キャリアが太陽歯車の周りで自転しながら公転されると共に、
前記上下定盤が、前記基板の両面の研磨加工面を前記キャリアのワーク保持部に保持されている複数の基板に接触状態で回転駆動させることにより、基板の両面を研磨加工する両面研磨加工を行うものであって、
前記基板の研磨加工が終了し、前記キャリアが太陽歯車の周りでの回転が停止する前であって、且つ前記上下定盤の回転が停止する前に、上定盤と下定盤とを回転させた状態で、上定盤の回転数を下定盤の回転数よりも大きくして、前記基板の上定盤側に働く摩擦力又は摩擦抵抗と、下定盤側に働く摩擦力又は摩擦抵抗を互いに異ならせて、前記基板を下定盤に付着させた後、上定盤を前記基板の厚みよりも小さい範囲で所定量上昇させるマスクブランクス用ガラス基板の製造方法とした
また、上述の課題を解決するために、本発明では(1)〜(18)のような手段を用いることができ、付した符号は添付図面のそれに一致する。
(1)ワークキャリア11によって保持されたワーク10を上下定盤(12、13)に挟持させ、上下定盤(12、13)をワーク10の被加工面と垂直な軸にそれぞれ回転させることにより、ワーク10に対し両面研磨加工を行うワーク研磨方法において、ワーク10の研磨加工が終了し、上下定盤(12、13)の回転が停止する前に、上定盤12を、ワーク10の厚みよりも小さい範囲で所定量を上昇させることを特徴とするワーク研磨方法。
なお、本発明で用いる「回転」という用語は、一方向のみの円運動を示すのみならず、正逆いずれの方向の円運動をも示す「回動」という用語をも含んだ意味で用いている。
【0008】
(2)このワーク研磨方法において、この所定量は、ワーク10の厚みに対して1/4〜3/4とする。
(3)このワーク研磨方法において、上定盤12の上昇の前に、上定盤12と下定盤13の回転数を異ならしめることによって、ワーク10に働く下定盤13側の摩擦抵抗を、上定盤側12の摩擦抵抗よりも大きくする。
(4)このワーク研磨方法において、上定盤12の上昇の前に、上定盤12の回転数を、下定盤13の回転数よりも大きくする。
(5)このワーク研磨方法において、下定盤13の回転数に対する上定盤12の回転数の比率を、1:4以上とする。
(6)このワーク研磨方法において、下定盤13の回転数に対する上定盤12の回転数の比率を1:4〜7とする。
(7)このワーク研磨方法において、研磨加工では、ワーク10の表面粗さRMS(二乗平均平方根粗さ)を0.4nm以下にする。
(8)このワーク研磨方法において、ワーク10の表面粗さRMSを0.2nm以下にする。
(9)このワーク研磨方法において、このワーク10としては、電子デバイス用基板が適用される。
【0009】
(10)このワーク研磨方法において、その研磨加工は、太陽歯車20と、太陽歯車20の同心外方部に配置された内歯歯車21と、複数のワーク保持部11aを有して太陽歯車20・内歯歯車21の両歯車間に両歯車に噛合状態に配置された外歯歯車状のキャリア11と、両面研磨加工のため回転駆動される上下定盤(12、13)と、を備えて行われ、太陽・内歯の両歯車(20、21)によってキャリア11が太陽歯車20の周りで自転しながら公転されると共に、上下定盤(12、13)がワーク10の両面の研磨加工面をキャリア11のワーク保持部11aに保持されている複数のワーク10に接触状態で回転駆動されることにより、ワーク10の両面を研磨加工することとするワーク研磨方法とした。
【0010】
(11)キャリア11に保持されたワーク10を挟持する上下定盤(12、13)と、上下定盤(12、13)をワーク10の被加工面に対して垂直な軸を中心に回転させる回転駆動手段(上下定盤駆動装置(30、40) 上下定盤駆動軸(31、42)等による)と、上下定盤(12、13)の回転数を独立して変化させることのできる回転数可変手段(上下定盤駆動装置(30、40) 上下定盤駆動軸(31、42)等による)と、上定盤(12)を上下させる昇降手段(上定盤駆動装置30、上定盤ロック用シリンダ34、サーボモータ37等による)と、を有し、キャリア11に保持されたワーク10の両面を研磨加工するワーク10の研磨装置であって、研磨加工終了前であって上下定盤(12、13)の回転を停止する前に、この昇降手段によって上定盤12を所定量だけ上昇させる制御手段(シーケンサA内の動作制御部A10、操作モニタ部A20等による)と、を有するワーク研磨装置として構成した。
【0011】
(12)このワーク研磨装置において、上定盤12を昇降手段によって所定量上昇させる際、上定盤12を下定盤13の面と実質的に平行の状態で保持する平行保持手段を備えて構成した。
(13)このワーク研磨装置において、太陽歯車20と、太陽歯車20の同心外方部に配置された内歯歯車21と、複数のワーク保持部11aを有して、太陽歯車20・内歯歯車21の両歯車間に両歯車に噛合状態に配置された外歯歯車状のキャリア11と、両面研磨加工面のため回転駆動される上下定盤(12、13)とが備えられ、太陽歯車20・内歯歯車21の両歯車によってキャリア11が太陽歯車20の周りで自転しながら加工されると共に、上下定盤(12、13)がワーク10の両面の研磨加工面をキャリア11のワーク保持部11aに保持されている複数のワーク10に接触状態で回転駆動されることにより、ワーク10の両面を研磨加工する両面研磨装置として構成した。
【0012】
(14)ワーク10は電子デバイス用基板であって、この基板は対向する一対の主表面を有し、この主表面の表面粗さがRMSで0.4nm以下であり、且つ、両主表面の表面粗さが異なって構成されている電子デバイス用基板とした。
(15)この電子デバイス用基板において、その表面粗さがRMSで0.2nm以下として構成した。
(16)この電子デバイス用基板において、この基板は上下定盤(12、13)を有する両面研磨装置によって研磨加工されたものであって、上定盤12側の方が下定盤13側より表面粗さを大きくして構成した。
(17)この電子デバイス用基板において、下定盤13側の表面粗さRMSに対する上定盤12側の表面粗さRMSの比が、0.85以上1未満となるよう構成した。
(18)この電子デバイス用基板において、この電子デバイス用基板はワーク両面研磨加工によって製造されて構成されており、ワーク両面研磨加工には、(1)乃至(8)の何れかのワーク研磨方法を適用して製造がなされて構成される電子デバイス用基板とした。すなわち、この電子デバイス用基板は、前記構成(1)(10)に記載されたワーク研磨方法によって得られたものにより構成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜5を参照して、本発明によるワーク研磨方法・ワーク研磨装置及び電子デバイス用基板についての実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明によるワーク研磨装置の一例を示す断面による構成図である。また、図2は本発明によるワーク研磨方法及び装置に係るシーケンサと研磨機の一例を示す構成図である。そして、図3は本発明によるワーク研磨装置の回動(回転)の様子を示す内部斜視による構成説明図である。さらに、図4は本発明によるワーク研磨方法及び装置を示すフローチャート図の一例である。そのうえ、図5は本発明によるワーク研磨方法及び装置に係る上下定盤の回転比と剥離成功率との関係を示すグラフ図の一例である。
【0014】
まず始めに、本発明によるワーク研磨方法・ワーク研磨装置及び電子デバイス用基板に関し、課題を解決するための各手段について、図1及び図3を参照してして詳細に説明する。
本発明の手段(1)によれば、研磨工程において、ワーク10の表面が所望の表面状態(表面粗さ)に達し、ワーク10の研磨加工が終了し、上下定盤(12、13)の回転が停止する前に、上定盤12をワーク10の厚みよりも小さい範囲で上昇させ、ワーク10の持っている自重で、上定盤12とワーク10とを剥離することにより、高精度な表面を維持しつつ、表面欠陥のないワーク10を製造することができる。
ここで、ワークの形状、大きさ、厚み、材料等については特に限定されない。
【0015】
ワークの形状としては、例えば、矩形状、円形状、円盤状、ブロック状等何でも良い。例えば、矩形状のものとしては、マスクブランク用基板(マスクはフォトマスク、位相シフトマスクを含む。)、液晶パネルディスプレイ用基板、大型マスク用基板など挙げられる。また、円形状のものとしては、半導体ウエハー、ガラス基盤ウエハーなど挙げられる。円盤状のものとしては、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板など挙げられる。
【0016】
また、ワークの大きさ、厚みは、上記各種用途の基板によって異なるが、大きさは、小さいものではφ60(□100)mm、大きいものでは□1000mmでさまざまである。また、厚みも大体0.5mm〜10mm程度さまざまである。さらにまた、ワークの材質についても、ガラス、ガラスセラミックス、セラミックス、シリコン、金属(アルミ、チタン、プラチナ等)、カーボンなど挙げられる。
【0017】
そして、手段(2)に示すように、上定盤12の上昇量は、ワーク10の厚みに対して1/4〜3/4とすることが好ましい。上定盤12の上昇量が、ワーク10の厚みに対して1/4未満の場合、ワーク10と接触し易くなるので好ましくなく、また3/4を超えると、キャリア11が回転しているときにワーク10が飛び出してしまうことになる(飛び出してしまう危険が高くなる)ので好ましくない。さらに好ましい上定盤12の上昇量は、ワーク10の厚みに対して1/3〜1/2とすることが望ましい。
【0018】
また、手段(3)に示すように、上定盤12とワーク10との付着を確実に防止するために、上定盤12が上昇する前に、上定盤12と下定盤13との回転数を異ならしめることによって、ワーク10に働く下定盤13側の摩擦抵抗を、上定盤12側の摩擦抵抗よりも大きくすることで、下定盤13にワーク10を付着させて、上定盤12とワーク10が付着することを防止している。
【0019】
また、手段(4)に示すように、ワーク10に働く下定盤13側の摩擦力を、上定盤12側の摩擦力よりも大きくするには、上定盤12の回転数を、下定盤13の回転数よりも大きくすることによって達成される。
具体的には、手段(5)に示すように、下定盤13の回転数に対する上定盤12の回転数の比率を、1:4以上、好ましくは手段(6)に示すように、1:4〜7にする。下定盤13の回転数に対する上定盤12の回転数の比率が、1:4未満の場合、剥離成功率が低下するので好ましくなく、1:7.5を超える場合、ワーク表面の粗さ制御(コントロール)がしにくくなるので好ましくない。
上定盤12が上昇する際の上定盤12・下定盤13の回転数は、研磨加工条件によって適宜選定される。例えば、上定盤12の回転数は、20〜48rpm程度、下定盤13の回転数は、3〜12rpm程度とする。好ましくは、上定盤の回転数は20〜30rpm程度、下定盤の回転数は5〜8rpm程度、が望ましい。
【0020】
また、これらの研磨加工は、特にワーク10の表面粗さRMS(二乗平均平方根粗さ)が0.4nm以下(手段(7))、さらには0.2nm以下にする研磨工程において、有効である。このような、ワーク10の表面粗さが高精度に研磨されている状態では、上定盤12とワーク10が引っ付きやすくなるからである。また、表面粗さが高精度な研磨を目的としないもの、またそのような段階にない状態にあるものについては、ワーク10にスクラッチや傷が多少ついても問題にならないことがあるからである。
【0021】
また、このような高精度に研磨する際に使用する研磨砥粒は特に制限はない。炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化マンガン、コロイダルシリカ等挙げられる。ワークの材質、所望の表面粗さによって適宜選択される。
【0022】
また、手段(9)に示すように、ワーク10は、高精度な表面状態が要求される電子デバイス用基板の場合に有効である。電子デバイス用基板とは、上記に挙げたマスクブランクス用基板、液晶ディスプレイ用基板、半導体ウエハー、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などである。その中でも特に、ワーク10の自重によって定盤からの剥離の効果のあるマスクブランクス用基板、液晶ディスプレイ用基板、大型マスク用基板が有効である。
【0023】
また。手段(10)に示すように、キャリア11に保持されたワーク10が、太陽歯車20の周りを自転しながら公転して研磨される研磨方法に利用することにより、高平坦度化、粗さ制御などができるので特に好ましい。尚、キャリア11に保持するワーク10の数については、特に限定されない。上下の定盤(12、13)の大きさ、キャリア11の大きさ、太陽歯車20、内歯歯車21のサイズによって適宜選択される。
【0024】
また、手段(11)に示すように、研磨加工終了前であって上下定盤(12、13)の回転を停止する前に、上定盤12を上下させる昇降手段によって上定盤12を所定量だけ上昇させる制御手段を有する研磨装置であるので、上定盤12と研磨後のワーク10とを確実に剥離することができるワーク研磨装置を提供することができる。この研磨装置により、高精度な表面を維持しつつ、表面欠陥のないワークを製造することが可能となる。ここで、上下定盤(12、13)、回転駆動手段、回転数可変手段、昇降手段は、公知のものを利用することができる。これらの個々の説明については実施例にて詳述する。本発明の特徴である、「研磨加工終了前であって上下定盤の回転を停止する前に、上定盤を上昇させる昇降手段によって上定盤を所定量上昇させる制御」は、例えばシーケンス制御によって行われる(図2参照)。シーケンス制御の仕方については後述する。
【0025】
また、手段(12)に示すように、上定盤12を昇降手段によって所定量の分を上昇させる際、上定盤12を下定盤13の面と実質的に平行の状態で保持する平行保持手段が設けられているので、基板の剥離工程において、複数のワークでも均等に剥離できるという利点を有する。
この平行保持手段には、回転軸をシリンダーなどで引っ張って固定するロック用シリンダー34を利用する手段があり、調整手段としては、例えば、ネジ方式・固定方式・くさび方式といったものなどを使用することができる。
【0026】
また、手段(13)に示すように、キャリア11に保持されたワーク10を、太陽歯車20の周りを自転しながら公転して研磨する両面研磨装置を利用することにより、形状制御コントロールができるので特に好ましい。
【0027】
また、手段(14)に示すように、電子デバイス用基板(すなわち、ワーク10のこと)が対向する一対の主表面を有し、この主表面の表面粗さがRMSで0.4nm以下であり、且つ、両主表面の表面粗さを異ならせることにより、表面膜付着強度制御、ワーク応力コントロール、という効果を有する。また、この表面粗さは、曇り・はけ目という点から、RMSで0.2nm以下が好ましい。
【0028】
具体的には、この電子デバイス用基板は、上下定盤(12、13)を有する両面研磨装置によって、上定盤12側の方が下定盤13側より表面粗さが大きくなるように研磨加工される。その表面粗さの値は、下定盤13側の表面粗さRMSに対する上定盤側の表面粗さRMSの比が、0.85以上1未満とする。電子デバイス用基板(ワーク10)に上述のような表面状態を形成するには、前記手段1〜10に記載されたワーク研磨方法によって達成することができる。
【0029】
以下、「実施の形態」について、さらに詳細に説明する。
本発明は、研磨加工工程において、ワークの表面が所望の表面粗さに達し、ワークの研磨加工がほぼ完了した段階で、研磨装置における上定盤が設定速度で回転している状態で、上定盤を所定量上昇させてワークの自重で上定盤とワークとを剥離させることにより、高精度な基板表面を有するワークを製造するものである。
【0030】
そしてさらに、上定盤とワークとの付着を確実に防止するために、上述した上定盤の上昇の前に、上定盤の回転数を下定盤の回転数に比べて速くすることで、ハイドロプレーン現象によって、研磨加工がなされているワークに対して、ワーク上面と上定盤間で発生する摩擦力を、ワーク底面と下定盤とで発生する摩擦力よりも小さくすることで、下定盤にワークを付着させて、上定盤とワークとが付着するのを確実に防止でき、高精度な基板表面を有するワークをさらに歩留まり良く製造するものである。
【0031】
即ち、ワークの自重で上定盤とワークとを剥離させるためには、研磨装置における昇降手段を使用して、ワークに対する研磨加工がほぼ終了した時点で上定盤を微小量浮上させる。
ここで例えば、上定盤12の具体的な浮上(上昇)の仕方としては、以下のように行う。
【0032】
一般に、複数のワーク10においては微小な厚みの差があり、研磨加工中において、すべてのワーク10の上面が上定盤12の研磨布12aと接触させるために、上定盤12は回転方向に対する上下方向をフリーな状態にさせ、上下定盤(12、13)が回転されることでワーク10の研磨加工を行っている。このような状況において、上定盤12を(微小量)上昇させる際には、ある程度上定盤12の安定な回転が確保されている状態で行うことが好ましく、下定盤13の面と実質的に平行の状態で保持する平行保持手段を有して構成するとよい。従ってこのためには、浮上剥離を行う上定盤12の上昇時に、上定盤12の安定的な回転を確保するために、固定手段により上定盤12をロックさせるとよい。
【0033】
つまり、ワーク10に対して研磨加工がほぼ終了した時点で、上定盤ロック用シリンダー34等によって上定盤12を微小量(ワーク10の上面からの浮上量<キャリア11板厚寸法を満たす所定量、若しくは、さらに、キャリア11上面からの上定盤12までの距離<ワーク10板厚寸法を満たす所定量)浮上させ、上定盤10をロックさせ、上定盤12が下定盤13と平行な状態で回転されるように平行保持手段を具備させて、回転動作を安定化させる。
【0034】
さらに、引き続いて、ワーク10がキャリア11のワーク保持部11a(保持孔)から飛び出さない程度、上定盤12を上昇させて、ワーク10の自重によりワーク10による下定盤13方向へ働く吸着力を利用して、ワーク10を下定盤13に付着させる。
このように、上下定盤(12、13)が回転中、上定盤12を所定量上昇させることによって、ワーク10が上定盤12へ付着することを防止できる。
【0035】
そしてさらに、ワーク10の自重において、ワーク10から下定盤13方向への重力が働きにくい比較的ワークの自重が小さい場合や、さまざまな研磨パラメータの関係から研磨加工中にワークが上定盤12に付着しやすい場合には、上定盤12の回転数を下定盤13の回転数と比べて速くする。具体的には、上定盤12を上述のように微小量浮上させる前に、上定盤12の回転数/下定盤13の回転数を、例えば4〜7にすることによってどのような状況においても、上定盤12とワーク10との付着を確実に防止することができる。
【0036】
このように、上定盤を上昇させ、上下定盤の回転数比を変化させるには、研磨装置におけるシーケンサ(図2参照)のシステムにおいて、これらの機能を達成するプログラムを研磨加工動作に関連するプログラムに付加することにより行われる。即ち、研磨装置におけるシーケンサにおいて、研磨加工プログラムのほかに、上定盤を上昇させる初期リフトプログラム、微小リフトプログラムを有する浮上剥離プログラムを組み込む、若しくは、さらに前記初期リフトプログラムの前に起動させる上下定盤回転数変化プログラムを組み込むことで、本発明の目的を達成する。
【0037】
以下、本発明のワーク研磨装置・ワーク研磨方法に関する実施例として、さらに具体例を挙げて詳細に説明する。
「本発明のワーク研磨装置」について
まず、本発明によるワーク研磨装置を、図1〜3を用いてさらに説明する。本発明によるワーク研磨装置は両面研磨装置であって、大きく分けて研磨機B(研磨加工部)と、研磨機Bを制御するシーケンサAとから構成されている。
【0038】
研磨加工部Bは、研磨布13aが上面に貼りつけられた下定盤13と、研磨布13aが貼りつけられた面に対し下定盤13の中心に垂直な軸を回転軸として回転させるための下定盤回転駆動装置40、研磨布12aが下面に貼りつけられた上定盤12と、研磨布12aが貼りつけられた面に対し上定盤12の中心に垂直な軸を回転軸として回転させるための上定盤回転駆動装置30、上定盤12を昇降させる昇降手段、上定盤12を下定盤13の面とを平行保持させるために固定する固定手段、ワーク10を保持するためのワーク保持部11a(保持孔)が設けられ、外周部にギアが形成されたキャリア11と、キャリア11のギアに噛合される太陽歯車20と、太陽歯車20を回転駆動させるための太陽歯車回転駆動装置41、キャリア11のギアに噛合され、太陽歯車20の外周に位置する内歯歯車21、内歯歯車21を回転駆動させるための内歯歯車回転駆動装置22を有するものである。
ここで、下定盤回転駆動装置40、上定盤回転駆動装置30、昇降手段、固定手段、太陽歯車回転駆動装置41、内歯歯車回転駆動装置22には、それぞれを駆動する駆動モータが備えられている。
【0039】
以下、研磨加工部Bの各構成について説明する。(図2参照)
下定盤13は、その上面に研磨布13aが貼りつけられている。下定盤13の回転数及び回転開始・終了の制御は、シーケンサAによって行われる。シーケンサAからバスCを介して伝送された駆動信号に基づいて、下定盤駆動装置40における下定盤用駆動モータ40'が駆動し、下定盤駆動軸42が回転することで、自転回りで回転駆動される。また、下定盤13の回転においては、加工動作プログラムP10から上下定盤回転数変化プログラムP21への移行にもとづき、回転数変化命令がシーケンサAからバスCを介して下定盤用駆動装置(モータ)40に発信され、所定のタイミングにて所定の回転数に下定盤13が回転する。
【0040】
上定盤12は、下定盤13の上方位置に同軸状に対向配置され、その下面に同じく研磨布12aが貼りつけられている。上定盤12の回転数及び回転開始・終了の制御は、シーケンサAによって行われる。シーケンサAからバスCを介して伝送された駆動信号に基づいて、上定盤回転駆動装置30における上定盤用駆動モータ30'が駆動し、上定盤駆動軸31が回転することで自転回りで回転駆動される。また、上定盤の回転数においては、上下定盤回転数変化プログラムP21が実行される場合には、シーケンサAからの駆動信号に基づいて、加工動作プログラムP10の終了に伴って、上下定盤の駆動系に対し、それぞれの回転についての回転数変化命令が出され、上下定盤の回転が制御される。このとき、上下定盤回転数変化プログラムP21での上下定盤の回転数、回転開始・終了タイミングが制御されて、上下定盤の回転がそれぞれ同じタイミングで制御されることで、上定盤の回転数を下定盤の回転数よりも大きくする。
【0041】
即ち、研磨装置においては、ハイドロプレーン現象によりワークに対して研磨加工が行われており、このような研磨工程においては、ワーク上面と底面それぞれに摩擦力が加えられているが、上下定盤の回転数を異ならせて、ワークの上面と底面とに加わる摩擦力を互いに異なるようにすることで、ワークを下定盤に吸着させることができ、ワークが上定盤に付着するという事態を防止することができる。
【0042】
また、この上定盤12にはロック用シリンダー34、サーボモータ37等の昇降手段が接続されており、加工動作プログラムP10作動時における上定盤12の下降、初期リフトプログラムP22や微小リフトプログラムP23における上定盤12の上昇、研磨終了時の上定盤12の上昇など、上定盤12を昇降させることができる。また、上定盤12の上昇・下降動作もシーケンサAからの駆動信号に基づいて行われる。この駆動信号がバスCを介して研磨機Bに伝送され、加工動作プログラムP10作動時における上定盤12の下降タイミング、下降量、初期リフトプログラムP22作動時及び微小リフトプログラムP23作動時における上定盤12の浮上タイミング、及び浮上量等が制御される。
【0043】
太陽歯車20は、上下定盤(12、13)間において定盤の軸芯位置に位置されており、シーケンサAからの駆動信号によりその動作が制御されるものであって、その回転数、起動及び駆動終了タイミング等の動作が制御された状態で、太陽歯車回転駆動装置41にある太陽歯車用駆動モータによって自転回りで回転駆動されるものである。
【0044】
内歯歯車21は、太陽歯車20の径方向外方位置に、太陽歯車20との間に上下定盤(12、13)が進出状態に配置されうるドーナツ状のスペースをおいて太陽歯車20と同心状に配置されている。内歯歯車21は、シーケンサAからの駆動信号によりその動作が制御されるものであって、その回転数、起動及び駆動終了タイミング等の動作が制御された状態で、内歯歯車回転駆動装置22にある内歯歯車用駆動モータによって回転駆動されるものである。尚、この内歯歯車21は固定状態に配置しても構わない。
【0045】
キャリア11は、薄板状外歯歯車によるもので、太陽歯車20と内歯歯車21との間のドーナツ状スペース内に1個ないし複数個配置され、太陽・内歯の両歯車に噛合されている。尚、キャリア11には、ワーク形状よりも若干大きな保持孔(ワーク保持部11a)が1個ないし複数個設けられている。また、キャリア11の厚さは、ワーク10の厚さよりも薄く形成され、保持孔(ワーク保持部11a)内にワークを配置した状態でその保持孔の外方に突出しうるようになされている。このキャリア11は、研磨加工工程では、ワーク10を載置した状態で太陽歯車20と内歯歯車21によって自転・公転して回転され、ワーク10は、上下定盤の回転により表面を同時に研磨加工される。
【0046】
昇降手段は、上定盤12を下定盤13に対し上昇・下降させるものである。上定盤ロック用シリンダー34は、シーケンサAからの駆動信号を受けて作動され、押し上げられるものであって、これによって上定盤用ロック用シリンダ34内における空気圧が調整され、それに連動して上定盤を浮上させるものである。この上定盤用ロック用シリンダ34は、初期リフトプログラムP22において作動する。また、サーボモータ37は、初期リフトプログラムP22の後に実行される微小リフトプログラムP23における上定盤12の上昇を駆動するモータである。サーボモータ37の駆動制御は、微小リフトプログラムP23への移行にともなって、シーケンサAにおける駆動部A11からの駆動信号がバスCを介して研磨機Bに伝送され、この駆動信号に基づいてサーボモータ37が駆動し、上定盤12を微小量上昇させる。
【0047】
上定盤を下定盤の面と実質的に平行の状態で保持する平行保持手段は、浮上剥離プログラムP21において、上定盤の回転を安定化させるものである。
この平行保持手段は、公知のものを使用することができる。
例えば、平行保持手段としては、上定盤12を下定盤12とを平行な状態にするためのプレート33、上定盤12の微小浮上量の調整と、上定盤12と下定盤13の水平状態を決定するロック部材36、ストッパー32などの締結部材を用いる固定手段を利用するとよい。
【0048】
ロック部材36は、図1においては1部材しか図示していないが、プレート33上に複数設けられているものであって、プレート33から上側に突出させるロックボルト部35の長さがワーク10の厚みに応じて可変とされるものである。即ち、ワーク10の厚みに応じて使用するキャリア11の厚みが決まるが、初期リフトプログラムP22におけるロックボルト部35での上定盤12の浮上量は、上定盤12のキャリア11厚みとワーク10の厚みに基づいて設定される。即ち、ワーク10上面からの上定盤12の浮上量は、キャリア11の板厚寸法よりも小さく、キャリア11上面からの上定盤12までの距離は、ワーク10板厚寸法よりも小さくする。
【0049】
そして、ストッパー32が本発明の研磨装置においては固定されて設けているので、ストッパー32とロックボルト部35の先端との距離が浮上量とされることになる。ワーク10の厚みに応じて、研磨加工開始前の研磨装置の調整段階で、このロックボルト部35において、プレート33上部に突出させる長さを調整する。
ここで、ストッパー32は、その底面が平滑であって、下定盤13と平行に配置されて設けられ、下定盤13とストッパー32との距離は、ストッパー32の底面上におけるいずれの位置からも均一となるようなものを選定する。
【0050】
次に、シーケンサAについて以下に説明する。
シーケンサAは、データ処理部A12と、プログラム格納部APと、下定盤回転駆動装置40、上定盤回転駆動装置30、昇降手段、太陽歯車回転駆動装置41、内歯歯車回転駆動装置22の各モータに対して駆動制御信号を発信する駆動部A11と、を有する駆動制御部A10と、モニタ表示部A21とデータ入力部A22とを有する操作モニタ部A20と、を有するものである。
【0051】
本発明のワーク研磨装置において、動作制御部A10における駆動部A11は、上下定盤(12、13)・太陽歯車20・内歯歯車21に対する駆動制御を行うために、それぞれ、上定盤用駆動モータ30'・下定盤用駆動モータ40'・太陽歯車用駆動モータ20・内歯歯車用駆動モータ22・上定盤のロック用シリンダー34に対して各駆動信号を送出する機能を有するブロックである。
【0052】
以下に、駆動部A11から発せられる各駆動信号について説明する。
上定盤12は、加工動作工程及び浮上剥離工程において動作が制御されるが、上定盤12を制御する上定盤用駆動モータ30'に対しては、駆動部A11より上定盤駆動信号が発信され、上定盤駆動軸31、サーボモータ37が駆動制御される。加工動作プログラムP10、上下定盤回転数変なプログラムP21に基づいて、上定盤駆動軸31に対して、上定盤12の回転開始及び、終了の制御、所定の回転数・所定の方向での上定盤12の回転駆動の制御を行う。
【0053】
下定盤用駆動モータ40'に対しては、駆動部A11より下定盤13駆動信号が発信され、加工動作プログラムP10、上下定盤回転数変化プログラムP21に基づいて、下定盤駆動軸42に対して、下定盤13の回転開始及び、終了の制御、所定の回転数・所定の方向での下定盤13の回転駆動の制御を行う。
【0054】
また、浮上剥離プログラムP21において、上下定盤回転数変化プログラムP21が実行される場合には、加工動作プログラムP10が終了するとともに、上定盤用駆動モータ30'及び下定盤用駆動モータ40'に対して上定盤駆動信号・下定盤駆動信号が発信され、上下定盤駆動軸(31、42)が制御されて、上下定盤回転数変化プログラムP21において設定された値に基づき、上下定盤の回転数、上下定盤の回転開始タイミング及び終了タイミングの制御がなされる。
【0055】
太陽歯車用駆動モータ41'に対しては、駆動部A11より太陽歯車駆動信号が発信され、太陽歯車20の駆動開始及び、終了の制御、所定の回転数・所定の方向での太陽歯車20の回転駆動の制御を行う。
内歯歯車用駆動モータ22'に対しては、駆動部A11より内歯歯車駆動信号が発信され、内歯歯車21の駆動開始及び、終了の制御、所定の回転数・所定の方向での内歯歯車21の回転駆動の制御を行う。
【0056】
上定盤ロック用シリンダー34は、浮上剥離プログラムP20における初期リフトプログラムP22に基づく駆動が行われる。加工動作プログラムP10直後若しくは上下定盤回転数変化プログラムP21が実行される場合には、その上下定盤回転数変化プログラムP21の後に実行される初期リフトプログラムP22への移行に伴って、ロック用シリンダー34の駆動信号が発信される。駆動信号により、上定盤回転中の上昇タイミング、上定盤がロックされるまでの上定盤の上昇量がコントロールされる。
【0057】
また、サーボモーター37は、浮上剥離プログラムP21における、微小リフトプログラムP23に基づく駆動が行われるものであって、初期リフトプログラムP22から微小リフトプログラムP23への移行に伴って、サーボモータ駆動信号が発信され、サーボモータ37により上定盤回転中での上昇タイミング及び上定盤上昇量、回転方向が制御される。
【0058】
データ処理部A12は、操作モニタ部A20におけるデータ処理システムによって処理された所定の各研磨パラメータデータの授受を行って、それらのデータに対して信号処理を行うものである。つまり、これらの研磨パラメータデータと関係するプログラムを、プログラム格納部からロードし、ロードされた各プログラムに対して、操作モニタ部A20において処理された研磨パラメータデータに基づいて、各プログラムに対して所望の研磨パラメータデータが取りこまれた研磨システムを構築し、駆動部A11に対して各種制御信号を送出することで、研磨機B(研磨加工部)のコントロールを行うものである。つまり、データ処理部A12は、プログラム格納部APから転送されたプログラムに対して、操作モニタ部A20によって処理されたデータを組み込んだプログラムを実行することで、プログラム格納部APに格納された、例えば、加工動作プログラムP10及び浮上剥離プログラムP20を実行し、これらのプログラムに基づいた動作命令を駆動部A11に対して行うものである。
以上述べた駆動部A11、プログラム格納部AP、データ処理部A12のような動作制御部A10は、マイクロプロセッサ等のLSIにて、1チップ上に構成することができる。
【0059】
動作制御部A10におけるプログラム格納部APは、研磨加工及びワーク10の上定盤12への付着防止を目的とした上定盤の上昇を含む一連の研磨工程において起動される研磨システムを実行するために、各種プログラムを格納する機能を有するものであって、例えば、加工動作プログラムP10、初期リフトプログラムP22、微小リフトプログラムP23、上下定盤回転数変化プログラムP21を含む浮上剥離プログラムP20等、研磨装置として必要なプログラムが格納されている。
【0060】
操作モニタ部A20は、主としてデータ入力部A22と、モニタ表示部A21とを有するものであって、研磨装置における研磨条件の各パラメータとなる事項に対して初期設定を行うことを可能とし、また研磨加工を開始しても、キー操作によって、各プログラムへの割り込みを行うことで、研磨条件を研磨加工の途中で変更することを可能とする。
【0061】
研磨加工開始前の各研磨パラメータの設定においては、プログラム格納部APに格納された初期設定用プログラムが研磨条件をコントロールする各種のプログラムとリンクしており、各研磨パラメータをそれぞれ設定できるようにプログラミングされているので、初期設定用プログラムに基づいて、研磨加工工程での各パラメータ設定項目がモニタ表示部A21に表示される。よって、作業者が、モニタ表示部A21に表示された表示項目を見ながら、データ入力部A22から入力キーを操作することによって各研磨パラメータに対し、所望の研磨パラメータデータを外部から入力可能にするものである。このことによって、外部から入力された各研磨パラメータデータは、シーケンサA内部に取りこまれ、データ処理部A12に各入力データが転送され、信号処理が行われて、モニタ表示部A21にて入力された研磨パラメータデータと関係する各プログラムが、プログラム格納部APからデータ処理部A12に転送され、研磨パラメータデータに基づいて研磨加工が行われるようにしている。
【0062】
操作モニタ部A20は、Office System(OS)にてデータ処理が行われるものであって、各研磨パラメータを容易に、入力キーにて入力し、入力された各研磨パラメータデータを、内臓されたデータ処理システムによりデータ処理し、データ処理された信号がデータ処理部A12へ送出され、それに基づいた研磨システムが実行される。例えば、研磨パラメータデータとしては、上下定盤のそれぞれの回転数、回転方向(加工動作プログラムP10、浮上剥離プログラムP20)、ワークサイズ、ワークサイズに基づく上定盤の研磨加工開始時における位置(ワークとの距離)、加工時間、初期リフトプログラムP22における上定盤の上昇量、微小リフトプログラムP23における上定盤の上昇量、加工動作プログラムP10作動時間、浮上剥離プログラムP20(初期リフトプログラムP22、微小リフトプログラムP23、上下定盤回転数変化プログラムP21)作動時間、上下定盤・太陽歯車・内歯歯車回転停止時間、加工終了(上定盤上昇)時間、内歯歯車の回転数・回転方向、太陽歯車の回転数・回転方向、研磨剤供給・停止時間等を設定することができる。
【0063】
「本発明のワーク研磨方法」について
図4に本発明によるワーク研磨方法のフローチャートを示す。ここでは、両面研磨を一例に挙げて本発明によるのワーク研磨方法を詳細に説明する。
まず、研磨条件をセットするために、操作モニタ部A20におけるデータ入力部A22へのキー操作により、上述した各研磨パラメータデータを入力する。つまり、ワークのサイズ、各種プログラムの起動・終了の時間設定、太陽歯車、内歯歯車、上下定盤の回転数設定及び、回転方向の設定、上定盤の浮上量設定等の研磨パラメータデータをそれぞれ入力する。(ステップS101)
【0064】
次に、ワーク収納ケースに収納されているワーク10を、研磨装置のキャリア11の保持孔(ワーク保持部11a)にセットする。(ステップS102)
また次に、研磨パラメータデータに基づき、上定盤12が下降し、上定盤12と下定盤12によってワーク10が挟持される。(ステップS103)
【0065】
その後、加工動作プログラムP10に基づいて、操作モニタ部A20に入力された研磨パラメータデータに基づいて、研磨が開始される。尚、このとき、ワーク上面と上定盤に貼りつけた研磨布12aとの間、ワーク底面と下定盤に貼りつけた研磨布13aとの間にそれぞれ研磨液が、研磨供給手段によって供給される。このようにして、上定盤と下定盤がそれぞれ設定された回転数・設定された回転方向にて回転され、セットされた全ワークに対する研磨加工が開始される。キャリアは、太陽歯車20と内歯歯車21は所定の回転速度で自転するとともに、公転しながらワーク10の両面は研磨される。(ステップS104)
【0066】
そして、研磨加工開始から操作モニタ部A20にて入力された所定時間が経過した後、加工動作プログラムP10が終了し、浮上剥離プログラムP20へ移行する。ここで、浮上剥離プログラムP20とは、主として上下上盤回転数変化プログラムP21、初期リフトプログラムP22、微小リフトプログラムP23により構成される。初期リフトプログラムP22とは、上定盤の回転ブレをなくし、下定盤と上定盤とが平行な状態で回転できるように回転動作を安定化させる目的で行われるものである。微小リフトプログラムP23は、上定盤の回転が安定した状態で、ワークの上定盤への付着を防止することを目的で行われるものである。上下定盤回転数変化プログラムP21は、さらにハイドロプレーン現象とワークの自重により、ワークの上定盤への付着防止を確実に行うことを目的として行われるものであり、特に、ワーク自体の重さで剥離できない程度のサイズのワークに適したワークの剥離用プログラムとして最適である。
【0067】
操作モニタ部A20にてセットされた所定時間後に、浮上剥離プログラムP20が開始されると、まず、上下定盤回転数変化プログラムP21が開始される。このとき、操作モニタ部A20にてセットした研磨パラメータデータである上定盤回転数及び下定盤回転数に基づいて、上下定盤の回転数を変化させるために、上下定盤回転数変化プログラムP21開始時に、シーケンサAにおける駆動部A11からそれぞれ駆動信号が発信されて、上定盤回転駆動装置30、下定盤回転駆動装置40の駆動制御がなされ、上定盤駆動軸31と下定盤駆動軸42の回転がそれぞれ制御されることで、上下定盤の回転数が研磨パラメータデータにもとづいて変化される。(ステップS105、ステップS106)
【0068】
尚、上下定盤回転数変化プログラムP21においては、上定盤回転数が、下定盤回転数よりも大きくなり、所定時間が経過した後、微小リフトプログラムP23に移行するように設定した。
また、浮上剥離プログラムP20においては、上下定盤回転数変化プログラムP21を起動するか否かについては、ワークの自重や研磨諸条件等により任意に設定することができる。
そして、操作モニタ部A20でセットした研磨パラメータデータに基づき、所定時間経過後、初期リフトプログラムP21が開始される。(ステップS107)
【0069】
初期リフトプログラムP22が起動されると、所定量(例えば、2〜4mm)上昇され、上定盤10が地面と水平状態にロックされる。このロックにより、上定盤は回転しているものの、上定盤の回転における上下方向の振動がなくなり安定化する。このとき、上定盤の面と、下定盤の面とは実質的に平行な状態になる。このロックは、上定盤の回転ブレをなくす効果だけでなく、各ワークごとに研磨される面が下定盤に対して均一となり、研磨面の面精度を向上させることができ、ワーク上面の平坦度を向上させる働きもある。(ステップS108)
【0070】
そして、操作モニタ部A20でセットした研磨パラメータデータに基づき、所定時間経過後、上定盤の回転が安定した後、微小リフトプログラムP23に移行する。(ステップS109)
微小リフトプログラムP23が起動されると、研磨機Bにおけるサーボモータ37が起動され、上定盤が所定量(例えば、1〜3mm)さらに上昇する。(ステップS110)
【0071】
次に、操作モニタ部A20にてセットした研磨パラメータデータに基づき、所定時間後、上下定盤、太陽歯車、内歯歯車の回転を停止するようにシーケンサAにおける駆動部A11から駆動信号が発信されて、各モータが制御され、それぞれの回転が停止する。(ステップS111)
また次に、上定盤が上昇して、キャリアのワーク保持部11a(保持孔)にある研磨加工済みワークを回収し、再びワーク収納ケースに収納する。(ステップS112)
【0072】
上記のワーク研磨方法を実施することで、研磨加工終了時において上定盤からのワークを容易に剥離することができるとともに、上定盤へのワークの付着がなくなる。従って、ワーク表面の表面欠陥や、ワークの欠け、割れ等もなくなり製品歩留まりが向上する。また、ワーク表面の表面欠陥がないことから、ワーク表面の平滑性も良好となる。
【0073】
<実施例1>
上述のワーク研磨方法において、上下定盤回転数変化プログラムP21において、上下定盤におけるそれぞれの回転数を変化させるにあたり、下定盤の回転数を一定として、上定盤の回転数を変化させ、上下定盤の回転方向が逆方向になるようにした場合について、研磨加工終了時におけるワークの上定盤への付着状況を調べた。ここでは、上下定盤回転数変化プログラムP21の実行において、最適な下定盤回転数と上定盤回転数の比率について検討を行う。尚、ワークとしては、ラッピング加工済みのマスクブランクス用ガラス基板(6インチ×6インチ×0.25インチ)を使用した。
【0074】
図5は、上下定盤回転数変化プログラムP21において、下定盤回転数を1としたときに、上定盤回転数をそれぞれ変化させて設定したときの、研磨加工終了時のワークの剥離成功率を示すものである。図5において、横軸は、下定盤回転数を1としたときの上定盤回転数を、縦軸は、ワークの剥離成功率(%)を表している。尚、この剥離成功率は、1キャリア5枚、定盤にキャリア5枚、計25枚のワークの研磨加工を1バッチとし、計100バッチの研磨加工を行ったとき、上定盤にワークの付着が発生したバッチを剥離失敗として、研磨加工を行った全バッチ(100バッチ)数に対する剥離成功の割合を示すものである。
【0075】
図5のように、下定盤回転数1に対し、上定盤回転数を4以上にすることによって、剥離成功率がほぼ100%になることがわかる。下定盤回転数に対する上定盤回転数の比率が4未満になると、剥離成功率が低下し、比率が1未満(上定盤回転数<下定盤回転数)となると、剥離成功率が急激に低下することがわかる。尚、比率が7を超えた場合、ワーク表面の粗さコントロールがしにくいので実用的ではない。従って、剥離成功率が向上し、製品の生産における歩留まりを良くするには、下定盤の回転数に対する上定盤の回転数の比率を、1:4以上、好ましくは1:4〜7にすることが望ましいことがわかる。
【0076】
また、キャリア厚さとワーク板厚との差と、剥離成功率との関係を調べたところ、キャリア厚さとワーク厚さとの差が大きくなるにしたがって、上定盤からのキャリアに対する荷重が分散しないことにより、剥離成功率が向上し、製品の生産における歩留まりが向上することができる。
【0077】
<実施例2>
ここでは、実施例1の結果に基づいて、マスクブランクス用ガラス基板の製造方法に適用した例を示す。
「マスクブランクス用ガラス基板の研磨方法」
○精密研磨工程
両面研磨装置の上下定盤に研磨布を貼り付けた後、キャリア(板厚5mm、塩化ビニル製)に、ラッピングした6インチ×6インチ×0.25インチのマスクブランクス用ガラス基板を3枚セットし、4キャリア分のガラス基板12枚を同時に以下の研磨条件で精密研磨した。尚、加工荷重、研磨時間は適宜調整して行った。
【0078】
研磨液:酸化セリウム(平均粒径2〜3μm)+水
研磨布:軟質ポリシャ(スウェードタイプ)
上定盤回転数:1〜50rpm
下定盤回転数:1〜50rpm
【0079】
上述の浮上剥離プログラムが、上下定盤、太陽歯車、内歯歯車の回転が停止する10sec前に起動させることとし、上下定盤回転数変化プログラムにおいて上定盤の回転数を25rpm、下定盤の回転数を5rpm(下定盤の回転数に対する上定盤の回転数の比率=1:5)にし、初期リフトプログラムによる上定盤の浮上量を2.4mm、微小リフトプログラムによる上定盤の浮上量を1.6mmと設定した。研磨加工終了後、上定盤へのガラス基板の付着状態を確認したところ、上定盤への付着は発生しなかった。
【0080】
また、ガラス基板に付着した研磨剤を除去するため、ガラス基板を洗浄槽に浸漬し、洗浄を行った。
この得られたガラス基板の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)で測定したところ、RMS(二乗平均平方根粗さ)で0.38nm(上定盤側:0.40nm、下定盤側:0.36nm)で、平滑な表面を持つマスクブランクス用ガラス基板が得られた。
【0081】
○超精密研磨工程
次に、上記精密研磨工程で得られたガラス基板の表面をさらに平滑にするため「超精密研磨」を行った。尚、キャリアは精密研磨工程で使ったものと同じものを使用した。研磨条件を以下に示す。また、加工荷重、研磨時間は適宜調整して行った。
研磨液:コロイダルシリカ(平均粒径 50 〜 80 nm)+水
研磨布:超軟質ポリシャ(スウェードタイプ)
上定盤回転数: 1〜50 rpm
下定盤回転数: 1〜50 rpm
【0082】
上述の浮上剥離プログラムが、上下定盤、太陽歯車、内歯歯車の回転が停止する10sec前に起動させることとし、上下定盤回転数変化プログラムにおいて上定盤の回転数を30rpm、下定盤の回転数を5rpm(下定盤の回転数に対する上定盤の回転数の比率=1:6)にし、初期リフトプログラムによる上定盤の浮上量を2.4mm、微小リフトプログラムによる上定盤の浮上量を1.6mmと設定した。研磨加工終了後、上定盤へのガラス基板の付着状態を確認したところ、上定盤への付着は発生しなかった。
【0083】
また、ガラス基板に付着した研磨剤を除去するため、ガラス基板を洗浄槽に浸漬し、洗浄を行った。
この得られたガラス基板の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)で測定したところ、RMS(二乗平均平方根粗さ)で0.17nm(上定盤側:0.18nm、下定盤側:0.15nm)で、超平滑な表面をもつマスクブランクス用ガラス基板が得られた。
【0084】
上述の実施例では、超精密研磨を行った例を示したが、マスクブランクス用ガラス基板の要求する表面特性(平滑性)に応じて、超精密研磨を行わなくても構わない。また、本発明の研磨方法によって、基板を上定盤から剥離するために、上定盤と下定盤との回転数を変えることで、上定盤側の基板表面粗さと下定盤側の基板表面粗さが異なったが、基板の用途に応じて表面粗さが異なることで不都合が生じる場合は、以下の実施例のようにして、基板表面の表面粗さを同等のものにすることもできる。
以下の実施例は、マスクブランクス用ガラス基板の両主表面の表面粗さを同じにする研磨方法の一例を示す。
【0085】
<実施例3>
上述の実施例2において、超精密研磨を行わなかったことと、精密研磨工程において、上下定盤、太陽歯車、内歯歯車の回転が停止する前20〜10sec間に、上定盤の回転数を5rpm、下定盤の回転数を25rpmにし、さらに、上定盤にガラス基板が付着しないように、実施例2の条件と同じ浮上剥離プログラムを実行させた他は、実施例2と同様にしてマスクブランク用ガラス基板を作製した。その結果、上定盤へのガラス基板の付着状態を確認したところ、上定盤への付着は発生しなかったとともに、得られたガラス基板の表面粗さをAFMで測定したところ、RMSで上下定盤側ともにほぼ0.31nmとなり、両主表面の表面粗さが同じのマスクブランク用ガラス基板が得られた。
【0086】
これは、浮上剥離のために行われる上下定盤の回転数の変化に伴う基板表面の表面粗さの変化を相殺するために、浮上剥離(のために行われる上下定盤の回転数の変化(上定盤回転数>下定盤回転数)を行う前に、浮上剥離の条件とは逆の回転数の条件(上定盤回転数<下定盤回転数)で回転したことにより、表面粗さが同じにできたものと考えられる。
【0087】
<比較例1、2>
上記実施例3において、浮上剥離プログラムを実施しなかったこと(比較例1)、浮上剥離プログラムを実施しないこと加え、上定盤に個々のガラス基板の上定盤の付着を防止するために、エアーブロー機構を設け、研磨終了時にエアーブローによるガラス基板の強制的剥離を実施した(比較例2)こと以外は、実施例3と同様にしてマスクブランクス用ガラス基板を作製した。
【0088】
その結果、比較例1では、12枚中5枚のガラス基板が研磨加工終了後、上定盤に付着し、ワークの落下によりワークに欠け、割れ、傷が発生した。また、比較例2では、エアーブローによるガラス基板の強制的な剥離により、エアーブロー吹き付け箇所に、図のようなクラック欠陥が発生した。原因を究明したところ、研磨剤が固着し、固着した研磨剤がワ−ク表面に強度に衝突したことによってクラック欠陥となったものと考えられる。
【0089】
<参考例>
ここでは、実施例3において、上下定盤回転数変化プログラムを起動させなかった(上定盤回転数=下定盤回転)こと以外は、実施例3と同様にしてマスクブランクス用ガラス基板を作製した。即ち、ガラス基板のもつ自重のみの力を利用して上定盤からワークを剥離させることを行った。
その結果、バッチ数が増えるに従って、上定盤にガラス基板が付着する確率が高くなり、50バッチ経過した時点で、6バッチにおいてガラス基板の剥離が失敗になったものがあった。これは、ほぼ図5のデータと一致する結果となった。尚、上記実施例においては、バッチ数が増えても上定盤にガラス基板が付着する確率は変化せず、剥離成功率は100%であった。
【0090】
上記実施例においては、マスクブランクス用ガラス基板を例に挙げたが、これに限定されることはない。例えば、液晶ディスプレイ用基板、半導体ウエハー、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板の研磨工程でも適用することが可能である。その場合、基板の大きさにより、上下定盤回転数、上定盤の浮上量を適宜設定する。
【0091】
また、実施例においては、上下定盤、太陽歯車、内歯歯車のそれぞれを個別に駆動させる駆動モータを有する研磨装置を上げたが、どのような駆動系を有する研磨装置であっても、制御方法を適宜変更することによって、本発明を適用することができる。
【0092】
そしてまた、実施例においては、基板の両面研磨を行う研磨装置について例を挙げたが、これに限定されることはなく、基板の片面だけを研磨する研磨装置にも使用することは言うまでもない。
さらにまた、実施例においては、研磨工程(精密研磨工程、超精密研磨工程)について適用した例を説明したが、これに限定されることはなく、研削工程(ラッピング工程)にも適用することができる。
そのうえまた、実施例では、上定盤と下定盤との回転方向が逆方向になるように設定したが、これに限定されることはなく、同一方向に回転させることもできる。
【0093】
【発明の効果】
このように本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する
(1)ワーク10に対し両面研磨加工を行うワーク研磨方法において、ワーク10の研磨加工が終了し、上下定盤(12、13)の回転が停止する前に、上定盤12を、ワーク10の厚みよりも小さい範囲で所定量を上昇させることとしたので、ワーク10の持っている自重で上定盤12とワーク10とを剥離することにより、高精度な表面を維持しつつ、表面欠陥のないワーク10を製造することができる。
【0094】
(2)このワーク研磨方法において、この所定量は、ワーク10の厚みに対して1/4〜3/4としたので、上定盤12の上昇量が少なくワーク10と接触し易くなることがなく、また上定盤12の上昇量が大きすぎてキャリア11が回転しているときにワーク10が飛び出してしまうこともない。
【0095】
(3)このワーク研磨方法において、上定盤12の上昇の前に、上定盤12と下定盤13の回転数を異ならしめることによって、ワーク10に働く下定盤13側の摩擦抵抗を、上定盤側12の摩擦抵抗よりも大きくしているので、下定盤13にワーク10を付着させているものの、上定盤12とワーク10とが付着することを防止している。
【0096】
(4)このワーク研磨方法において、上定盤12の上昇の前に、上定盤12の回転数を下定盤13の回転数よりも大きくするので、ワーク10に働く下定盤13側の摩擦力を上定盤12側の摩擦力よりも大きくすることができる。
【0097】
(5)このワーク研磨方法において、下定盤13の回転数に対する上定盤12の回転数の比率を、1:4以上とするので、上定盤からのワークの剥離が成功する確率を示す剥離成功率を高めることができる。
【0098】
(6)このワーク研磨方法において、下定盤13の回転数に対する上定盤12の回転数の比率を1:4〜7としたので、剥離成功率を低下させることはなく、しかも粗さ制御コントロールがしにくくなるなどの心配もない。
【0099】
(7)このワーク研磨方法において、研磨加工では、ワーク10の表面粗さRMS(二乗平均平方根粗さ)を0.4nm以下にするので、上定盤12とワーク10とが付着しにくくなる。
(8)このワーク研磨方法において、ワーク10の表面粗さRMSを0.2nm以下にするので、上定盤12とワーク10とは(7)よりさらに付着しにくくできる。
【0100】
(9)このワーク研磨方法において、このワーク10として電子デバイス用基板が適用されるので、ワーク自重による定盤からの剥離効果の高いマスクブランクス用基板、液晶ディスプレイ用基板、大型マスク用基板等に対して極めて有効に作用し、実用性が高く、この分野においては本発明のワーク研磨方法の貢献度が大きくなる。
【0101】
(10)このワーク研磨方法において、キャリア11に保持されたワーク10が、太陽歯車20の周りを自転しながらさらに公転して研磨されるワーク研磨方法としたので、高平坦度化、粗さ制御などが容易に実施でき、極めて実用的なワーク研磨方法が提供できる。
【0102】
(11) 研磨加工終了前であって上下定盤(12、13)の回転を停止する前に、上定盤12を上下させる昇降手段によって上定盤12を所定量だけ上昇させる制御手段を有するワーク研磨装置としたので、上定盤12と研磨後のワーク10とを確実に剥離することができる優れた実用性の高いワーク研磨装置を提供することができた。この研磨装置により、高精度な表面を維持しつつ、表面欠陥のないワークを製造することが可能となる。
【0103】
(12)このワーク研磨装置において、上定盤12を昇降手段によって所定量上昇させる際、上定盤12を下定盤13の面と実質的に平行の状態で保持する平行保持手段を有して構成したので、ワーク(基板)の剥離工程において、複数のワークでも均等に剥離できるとようになった。
【0104】
(13)このワーク研磨装置において、キャリア11に保持されたワーク10を、太陽歯車20の周りを自転しながら公転して研磨する両面研磨装置として構成したので、形状制御コントロールができるようになり、極めて精密で実用的なワーク研磨装置が提供できる。
【0105】
(14)電子デバイス用基板(すなわち、ワーク10のこと)において、対向する一対の主表面を有し、この主表面の表面粗さがRMSで0.4nm以下としたうえ、かつ両主表面の表面粗さを異ならせる電子デバイス用基板として構成したので、表面膜付着強度制御やワーク応力コントロール等という効果を有する電子デバイス用基板が市場に提供できる。
【0106】
(15)この電子デバイス用基板において、その表面粗さがRMSで0.2nm以下として構成したので、定盤とこの電子デバイス用基板とが剥離しやすくなる表面粗さの具体的な数字が規定されていて実用的である。
【0107】
(16)この電子デバイス用基板において、この基板は上下定盤(12、13)を有する両面研磨装置によって研磨加工されたものであって、上定盤12側の方が下定盤13側より表面粗さを大きくして構成したので、この電子デバイス用基板は下定盤13側に付着しやすくなり、上定盤12からは剥離し易くなる。
【0108】
(17)この電子デバイス用基板において、下定盤13側の表面粗さRMSに対する上定盤12側の表面粗さRMSの比が、0.85以上1未満となるよう構成したので、この電子デバイス用基板は下定盤13側に付着しやすく、また上定盤12からは剥離し易くなるとともに、具体的な数字が規定されていて実用に寄与するところが大きい。
【0109】
(18)この電子デバイス用基板において、この電子デバイス用基板はワーク両面研磨加工によって製造されて構成されており、ワーク両面研磨加工には、(1)乃至(8)の何れのワーク研磨方法を適用して製造がなされて構成される電子デバイス用基板としたので、この電子デバイス用基板は、本発明の構成(1)(10)に記載されたワーク研磨方法による製造方法によって容易にこれらの構成が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるワーク研磨装置の一例を示す断面による構成図である。
【図2】本発明によるワーク研磨方法及び装置に係るシーケンサと研磨機(研磨加工部)の一例を示す構成図である。
【図3】本発明によるワーク研磨装置の回動(回転)の様子を示す内部斜視による構成説明図である。
【図4】本発明によるワーク研磨方法及び装置を示すフローチャート図の一例である。
【図5】本発明によるワーク研磨方法及び装置に係る上下定盤の回転比と剥離成功率との関係を示すグラフ図の一例である。
【符号の説明】
10 ワーク
11 キャリア
11a ワーク保持部(保持孔)
12 上定盤
12a 研磨布
13 下定盤
13a 研磨布13a
20 太陽歯車
21 内歯歯車
22 内歯歯車回転駆動装置
30 上定盤駆動装置
31 上定盤駆動軸
32 ストッパー
33 プレート
34 ロック用シリンダー
35 ロックボルト部
36 ロック部材
37 サーボモータ
40 下定盤駆動装置
41 太陽歯車回転駆動装置
42 下定盤駆動軸
A シーケンサ
B 研磨加工部(研磨機)
C バス

Claims (7)

  1. 基板の両主表面を精密研磨する精密研磨工程を経てマスクブランクス用ガラス基板を得るマスクブランクス用ガラス基板の製造方法であって、
    前記精密研磨工程は、キャリアによって保持された前記基板を上下定盤に挟持させ、前記上下定盤を基板の被加工面と垂直な軸にそれぞれ回転させることにより、前記基板に対し両面研磨加工を行うものであって、
    前記基板の研磨加工が終了し、上下定盤の回転が停止する前に、上定盤と下定盤とを回転させた状態で、上定盤の回転数を下定盤の回転数よりも大きくして、前記基板の上定盤側に働く摩擦力又は摩擦抵抗と、下定盤側に働く摩擦力又は摩擦抵抗を互いに異ならせて、前記基板を下定盤に付着させた後、上定盤を前記基板の厚みよりも小さい範囲で所定量上昇させることを特徴とするマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記基板に働く下定盤側の摩擦抵抗又は摩擦力上定盤側の摩擦抵抗又は摩擦力よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記上定盤を所定量上昇させる際、前記上定盤を前記下定盤の面と実質的に平行の状態となるように固定させることを特徴とする請求項1または2に記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記精密研磨工程は、基板の表面粗さRMS(二乗平均平方根粗さ)を0.4nm以下にするものであり、前記上定盤側の基板主表面の表面粗さの方が、前記下定盤側の基板主表面の表面粗さよりも大きくさせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記下定盤側の基板主表面の表面粗さRMSに対する前記上定盤側の基板主表面の表面粗さRMSの比が、0.85以上1未満とすることを特徴とする請求項4に記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記上定盤を所定量上昇させる際の前記下定盤の回転数に対する前記上定盤の回転数の比率を、1:4以上とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
  7. 基板の両主表面を精密研磨する精密研磨工程を経てマスクブランクス用ガラス基板を得るマスクブランクス用ガラス基板の製造方法であって、
    前記精密研磨工程は、太陽歯車と、前記太陽歯車の同心外方部に配置された内歯歯車と、複数のワーク保持部を介して前記太陽歯車・内歯歯車の両歯車間に両歯車と噛合状態に配置された外歯歯車状の前記キャリアと、両面研磨加工面のため回転駆動される前記上下定盤と、を備えて行われ、
    前記太陽歯車・内歯歯車の両歯車によって前記キャリアが太陽歯車の周りで自転しながら公転されると共に、
    前記上下定盤が、前記基板の両面の研磨加工面を前記キャリアのワーク保持部に保持されている複数の基板に接触状態で回転駆動させることにより、基板の両面を研磨加工する両面研磨加工を行うものであって、
    前記基板の研磨加工が終了し、前記キャリアが太陽歯車の周りでの回転が停止する前であって、且つ前記上下定盤の回転が停止する前に、上定盤と下定盤とを回転させた状態で、上定盤の回転数を下定盤の回転数よりも大きくして、前記基板の上定盤側に働く摩擦力又は摩擦抵抗と、下定盤側に働く摩擦力又は摩擦抵抗を互いに異ならせて、前記基板を下定盤に付着させた後、上定盤を前記基板の厚みよりも小さい範囲で所定量上昇させることを特徴とするマスクブランクス用ガラス基板の製造方法。
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