JP2009123269A - ガラス基板および磁気ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドクラッシュの発生を抑制できる磁気ディスク用のガラス基板および磁気ディスク装置を提供すること。
【解決手段】ロード/アンロード方式の磁気ディスク装置に使用される磁気ディスク用のガラス基板であって、円盤形状を有し、ロードされる磁気ヘッドスライダと対向する主表面の外周側の縁部においてスキージャンプが形成されており、前記磁気ヘッドスライダの幅をW[mm]とすると、前記スキージャンプの内周側の斜面の径方向に沿った接線の傾きの変化率が、内周側から該斜面の変曲点までの範囲において10/W[μrad/mm]以下である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ロード/アンロード(Load/Unload)方式の磁気ディスク装置に使用される磁気ディスク用のガラス基板および磁気ディスク装置に関するものである。
ハードディスク装置などの磁気ディスク装置において、近年の記録密度の急速な向上に伴って、磁気ディスクの主表面と対向する磁気ヘッドまたは磁気ヘッドスライダの浮上量が狭小化されてきている。この浮上量の狭小化による磁気ヘッドの磁気ディスクへの吸着を防止するため、ロード/アンロード方式が採用されつつある(特許文献1参照)。このロード/アンロード方式において、ランプから磁気ディスクにロードした磁気ヘッドスライダが記録面に接触して磁気ディスクを損傷するヘッドクラッシュの発生を防止するため、様々な技術が開示されている。たとえば、特許文献1では、磁気ディスクの記録領域の外周以遠のローディング領域に初期浮上領域としての凸部を設け、磁気ヘッドスライダと記録面との直接接触をさける技術が開示されている。
一方、研磨により作製された磁気ディスク用のガラス基板には、主表面の周辺部にスキージャンプと呼ばれる隆起した部分が形成される。特許文献2によれば、スキージャンプの最大高さを0.35μm未満にすることによって、スキージャンプの部分においても磁気ヘッドスライダが良好に浮上し、記録領域の拡大が可能になるとされている。
他方、特許文献3には、スキージャンプの斜面の平坦度を向上させることにより、記録領域の拡大を図る方法が開示されている。具体的には、スキージャンプの斜面の形状をラジアルカーベィチャー(RC)という距離で定義し、RCを50nm以下とすることで、スキージャンプの斜面の平坦度を向上させることができ、記録領域の拡大を図ることができるとされている。
特開2001−319326号公報 特許第3184261号公報 特開2003−242627号公報
しかしながら、従来の技術に従ってスキージャンプの形状を形成した場合であっても、磁気ヘッドスライダのロード/アンロードの際に、磁気ヘッドスライダと磁気ディスクの主表面とが接触し、磁気ヘッドスライダが磁気ディスク上を安定して浮上できず、ヘッドクラッシュが発生する場合があるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ヘッドクラッシュの発生を抑制できる磁気ディスク用のガラス基板および磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るガラス基板は、ロード/アンロード方式の磁気ディスク装置に使用される磁気ディスク用のガラス基板であって、円盤形状を有し、ロードされる磁気ヘッドスライダと対向する主表面の外周側の縁部においてスキージャンプが形成されており、前記磁気ヘッドスライダの幅をW[mm]とすると、前記スキージャンプの内周側の斜面の径方向に沿った接線の傾きの変化率が、内周側から該斜面の変曲点までの範囲において10/W[μrad/mm]以下であることを特徴とする。
また、本発明に係るガラス基板は、上記の発明において、前記スキージャンプの高さの円周方向における平均値からのばらつきが25%以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る磁気ディスク装置は、ガラス基板からなる磁気ディスクと前記磁気ディスクの主表面にロードする磁気ヘッドスライダとを備えるロード/アンロード方式の磁気ディスク装置であって、前記磁気ディスクは、円盤形状を有し、前記ロードされる磁気ヘッドスライダと対向する主表面の外周側の縁部においてスキージャンプが形成されており、前記磁気ヘッドスライダの幅をW[mm]とすると、前記スキージャンプの内周側の斜面の径方向に沿った接線の傾きの変化率が、内周側から該斜面の変曲点までの範囲において10/W[μrad/mm]以下であることを特徴とする。
本発明によれば、スキージャンプの内周側の斜面の径方向に沿った接線の傾きの変化率が、内周側から該斜面の変曲点までの範囲において10/W[μrad/mm]以下であるので、ロード時の磁気ヘッドスライダと磁気ディスクの主表面との接触を防止できるため、磁気ヘッドスライダが安定して浮上できる磁気ディスク用のガラス基板および磁気ディスク装置が実現できるという効果を奏する。
以下に、図面を参照して本発明に係るガラス基板および磁気ディスク装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。以下では、1.0インチ型の磁気ディスク装置について説明する。また、ロード/アンロード方式をL/UL方式と略記する。また、磁気ヘッドスライダをスライダと略記する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置の概略構成図である。図1に示すように、本実施の形態に係る磁気ディスク装置100は、L/UL方式の磁気ディスク装置であり、ベース101上に、磁気ディスク102と、アーム104と、ランプ107とを備えている。
磁気ディスク102は、クランプ103によって磁気ディスク102の下方に位置するスピンドルモータに取り付けられており、このスピンドルモータによって回転、停止するようになっている。アーム104は、ロータリー式のアクチュエータであり、回転軸105を軸として回動するように構成されている。また、アーム104の先端近傍には、磁気ヘッドが取り付けられたスライダSが取り付けられている。また、アーム104の先端部には、リフトタブ106が形成されている。ランプ107は、磁気ディスク102の上方かつ外周近傍に設けられている。
そして、磁気ディスク102が停止している状態では、アーム104の位置は、スライダSが磁気ディスク102の主表面から退避し、リフトタブ106がランプ107上に乗り上げるような位置となっている。そして、磁気ディスク102が回転を始めると、アーム104が反時計回りに回動し、リフトタブ106がランプ107上をすべるように移動し、スライダSが磁気ディスク102の主表面に対向するようにロードされる。
磁気ディスク102は、ガラス基板の主表面に磁性体からなる記録領域を形成したものである。以下、磁気ディスク102を作製するためのガラス基板について説明する。
図2は、磁気ディスク102を作製するためのガラス基板を模式的に表した斜視概略図である。このガラス基板1は、アルミノシリケートガラスからなる円盤形状であり、中心部分に円孔2を有し、主表面3の外周側の縁部3aにおいてスキージャンプが形成されている。
図3は、図2に示すガラス基板1の外周側の縁部3aについて、径方向に沿った断面を示した概略図である。図3に示すように、縁部3aにおいて形成されているスキージャンプ3bは、主表面3から外周側に向かって隆起しており、その斜面は主表面3から変曲点P1までは下に凸の曲線形状をしており、さらに変曲点P1からは上に凸の曲線形状となっている。そして、スキージャンプ3bは、頂点Ppにおいて最大高さとなり、その後外周に向かって高さが減少している。なお、主表面3を基準とした頂点Ppの高さh1を、スキージャンプ3bの高さとする。
ここで、このガラス基板1においては、スキージャンプ3bの径方向に沿った接線の傾きの変化率が、内周側から変曲点P1までの範囲3cにおいてスライダの幅をW[mm]としたとき10/W[μrad/mm]以下となっている。たとえば、変曲点P1における斜面の接線を線L1とし、変曲点P1から内周側に水平方向にスライダの幅W[mm]だけ変位した斜面上の位置P2における斜面の接線を線L2とし、線L1と線L2とのなす角度を角度αとすると、角度αの値は10μrad以下になっている。その結果、このガラス基板1は、これを用いて磁気ディスク102を作製し、L/UL方式の磁気ディスク装置100に使用した場合に、ロードされるスライダSと磁気ディスク102の主表面との接触を防止でき、スライダSをより安定して浮上させることができる。
以下、図4、5を用いて具体的に説明する。図4は、図2に示すガラス基板1を用いた磁気ディスク102に、スライダがロードされる様子を説明する図である。図4において、曲線L3は、磁気ディスク102のスキージャンプの頂点Ppよりも内周側の斜面を示している。なお、説明の都合上、図3のガラス基板1と同じ符号を付している。また、スライダSの幅を、磁気ディスク102の径方向における幅を意味するものとし、本実施の形態においてはこの幅を1mmとする。
磁気ディスク102に磁気ヘッドHを有するスライダSが主表面に対向してロードされる場合、スライダSは磁気ディスク102の主表面に対して角度βだけ傾斜してロードされ、主表面上を浮上する。ロードの際は、符号Tで示すような軌跡を描いてスキージャンプ上を移動する。スキージャンプの変曲点P1よりも外周側では、斜面の曲線L3は上に凸の形状を有するため、問題は発生しない。
一方、変曲点P1よりも内周側では、斜面の曲線L3は下に凸の形状を有するため、その傾きの変化率が大きく、傾きが急激に変化すると、スライダSが斜面に対して深い角度で進入することになるため、スキージャンプを含めた主表面に接触するおそれがある。しかしながら、接線の傾きの変化率が10μrad/mm以下となっていれば、スライダSの進入角度は浅くなるので、スライダSと磁気ディスクの主表面との接触を防止できる。
なお、図5は、スキージャンプの斜面の傾きの変化率が大きいガラス基板を用いた磁気ディスクに、スライダSがロードされる様子を説明する図である。図5において、磁気ディスクのスキージャンプの斜面線を示す曲線L3xについて、変曲点P1xにおける接線を線L1xと、変曲点P1xから内周側に水平方向に1mmだけ変位した斜面上の位置P2xにおける接線を線L2xとする。ここで、線L1xと線L2xとのなす角度である角度αxは10μradより大きくなっており、傾きの変化率が大きくなっている。その結果、スライダSが符号Txで示すような軌跡を描いてスキージャンプ上を移動する場合、スライダSは点Xにおいて曲線L3xと交差するので、スキージャンプの斜面と接触してしまうことになる。
さらに、ガラス基板1において、スキージャンプの高さの円周方向における平均値からのばらつきが25%以下であれば、ロードされるスライダと磁気ディスクの主表面との接触をより確実に防止でき、スライダをより安定して浮上させることができる。以下、具体的に説明する。
図6は、図1に示すガラス基板1を用いた磁気ディスク102にスライダSがロードされる様子を、外周側から径方向に沿って見た図である。すなわち、図6は、図3の矢印Bの方向からガラス基板1を見た図に相当する。なお、線L4は主表面3の位置を示す線であり、線L5は円周方向にわたるスキージャンプの頂点を示している。図6に示すように、スキージャンプの高さは、円周方向にわたって異なっており、たとえば異なる値の高さh2と高さh3が存在している。
ここで、スライダSがロードされる際に、スキージャンプの高さが低い高さh3の位置にロードされたとする。このとき、磁気ディスクは回転しているので、スライダSは相対的に方向Dの方向に移動し、高さh3よりも高い高さh2の位置に到達する。このとき、スキージャンプの高さのばらつきが大きいと、高さh3と高さh2との高低差も大きくなる場合があるため、スライダSがスキージャンプに接触するおそれがある。しかし、スキージャンプの高さの円周方向における平均値からのばらつきが25%以下であれば、スライダSはスキージャンプの高さh2の部分と接触せずに、そのまま円周方向へ移動することができる。
以上説明したように、ガラス基板1は、これを用いて磁気ディスク102を作製し、磁気ディスク装置100に使用した場合に、ロードされるスライダSと磁気ディスク102の主表面との接触を防止でき、スライダSをより安定して浮上させることができる。
つぎに、ガラス基板1の製造方法について説明する。この製造方法は、(1)ガラス板製造工程と、(2)形状加工工程と、(3)端面鏡面加工工程と、(4)主表面粗研磨工程と、(5)主表面精密研磨工程とを含む。以下、順次説明する。なお、ガラス基板等のサイズの数値は、1.0インチ型の磁気ディスク用のガラス基板の場合の一例である。
ガラス板製造工程においては、はじめに、フロート法を用いてアルミノシリケートガラスからなる母材ガラス板を製造する。つぎに、この母材ガラス板を加熱して軟化させ、所望の厚さに延伸するリドロー法を用いて、厚さ0.6mmのガラス板を製造する。なお、リドロー法とは、たとえば特開2007−126302号公報に開示されている方法である。このリドロー法を用いれば、表面粗さの小さいガラス板を容易に得ることができるので好ましい。なお、溶融ガラスを原料としたフロート法、フュージョン法、ダウンドロー法などの公知の方法を用いてもよい。
つぎに、形状加工工程においては、製造したガラス板から、直径28.7mm、厚さ0.6mmの円盤形状のガラス基板を形成する。つぎに、円筒状の砥石を用いて、ガラス基板の中央部分に直径6.1mmの円孔を形成するとともに、外周端面を研削して、ガラス基板の直径を27.43mmとした後、外周端面および内周端面に所定の面取り加工を施す。
つぎに、端面鏡面加工工程においては、公知のブラシ研磨法を用いて、ガラス基板を回転させながら、その外周端面および内周端面を、表面粗さがRmaxで1μm、Raで0.3μm程度となるように研磨する。その後、研磨したガラス基板を水で洗浄する。研磨したガラス基板の直径は、27.4mmである。
つぎに、主表面粗研磨工程については、たとえば図7、8に示す市販の両面同時研磨機を用いて実施することができる。図7は両面同時研磨機の側面の一部を示す概略図である。図7に示すように、この両面同時研磨機12は、鋳鉄製の上定盤13および下定盤14と、ガラス基板11を上定盤13と下定盤14との間に保持するキャリアー16と、上定盤13および下定盤14のガラス基板11との接触面に取り付けられた酸化セリウム砥石15、15とを備える。そして、この両面同時研磨機12は、キャリアー16によって上定盤13と下定盤14との間にガラス基板11を保持し、上定盤13と下定盤14とによってガラス基板11を所定の加工圧力で挟圧し、酸化セリウム砥石15、15とガラス基板11との間に純水等の研磨液を所定の供給量で供給しながら、上定盤13と下定盤14とを上定盤13と下定盤14の中心軸Aを回転軸として互いに異なる向きに回転させる。これによって、ガラス基板11は酸化セリウム砥石15、15の表面を摺動し、両表面が同時に研磨される。
なお、酸化セリウム砥石15、15は、酸化セリウム微粒子を分散させた樹脂からなる。この樹脂としては、たとえば通常の砥石に用いられるフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、あるいはこれらの樹脂を2種類以上混合したものを用いることができる。
図8は、上定盤13を取り外した状態の両面同時研磨機12の平面概略図である。図8に示すように、キャリアー16は、最大で5つのガラス基板11を保持し、キャリアー16の外周部に設けられた歯車は、太陽車17の外周部に設けられた歯車とインターナルギア18とに噛合している。その結果、各キャリアー16はその中心を軸として回転しながら太陽車17の周囲を移動し、キャリアー16に保持されたガラス基板11は、両表面が一様に研磨される。
なお、この主表面粗研磨工程において、ガラス基板にスキージャンプが形成される。したがって、この主表面粗研磨工程において、ガラス基板の加工圧力、上下の定盤の回転数、酸化セリウム砥石の樹脂などの研磨条件を適宜調整することによって、ガラス基板のスキージャンプを所望の特性とできる。
つぎに、主表面精密研磨工程については、上述したものと同様に遊星歯車機構を有する両面研磨機において、たとえばコロイダルシリカを含むスラリーを供給しながら、硬質のポリウレタンからなる研磨パットを用いてガラス基板の主表面を鏡面研磨する。このとき、ガラス基板が所望の厚さである0.381mmになるまで鏡面研磨を行う。
最後に、ガラス基板を洗浄し、洗浄を終えたガラス基板の主表面および端面について目視検査を行い、さらに光の反射、散乱および透過を利用した精密検査を実行し、主表面および端面に付着物による突起や傷等の結果がないことを確認し、本実施の形態に係るガラス基板1が完成する。完成したガラス基板1は、内径が7mm、外径が27.4mm、厚さが0.381mmであり、1.0インチ型磁気ディスクに用いるガラス基板の規定寸法となる。
なお、上記ガラス板の材料としては、アモルファスガラスや結晶化ガラスなどのガラスセラミックスを用いることができる。特に、成形性や加工性の観点からアモルファスガラスを用いることが好ましく、たとえば、上述したアルミノシリケートガラスのほかに、ソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、風冷または液冷等の処理を施した物理強化ガラス、化学強化ガラスなどを用いることが好ましい。
つぎに、上述した製造方法にしたがってガラス基板を製造した。その際に、主表面粗研磨工程において、ガラス基板の加工圧力、上下の定盤の回転数、酸化セリウム砥石の樹脂などの研磨条件を変化させて、様々な特性のスキージャンプを有するガラス基板のサンプルを各特性に対して10枚ずつ製造した。
つぎに、製造したガラス基板のサンプルを、スライダの幅が1mmであるL/UL方式の磁気ディスク装置に取り付けて、L/UL動作を繰り返し行い、ヘッドクラッシュが発生するまでのL/UL動作の回数を調べた。そして、ヘッドクラッシュが発生するまでのL/UL動作回数が50万回以上である装置が10台のうち7台以上であった場合に、これらに取り付けたガラス基板のサンプルの特性を良好な条件と判定し、7台未満であった場合の特性を不良条件として判定を行なった。
図9は、製造したガラス基板のサンプルについて、スキージャンプの諸特性、ヘッドクラッシュが発生するまでのL/UL動作回数、および判定結果を示す図である。なお、スキージャンプの特性の測定は、市販の表面性状測定機を用いて行なった。また、斜面の接線の傾きの変化率については、内周側から変曲点までの範囲における最大値を示しており、スキージャンプの高さについては、そのばらつきを評価するため、円周方向において90度ごとに4点測定を行い、その最大値、最小値、平均値、およびばらつきを示している。
図9に示すように、サンプル番号1、4、8、9の特性のガラス基板については、傾きの変化率の最大値が10μrad/mm以下であり、高さのばらつきも25%以下であったが、動作回数は7台以上が50万回以上となり、その他のものも45〜50万回と安定して高い値であったので、判定を「○」としている。
一方、サンプル番号3、10の特性のガラス基板については、傾きの変化率の最大値が10μrad/mm以下であるが、高さのばらつきが25%より大きかった。その結果、動作回数については、7台以上が50万回以上となったものの、その他のものは40〜45万回、またはそれ以下となり、値がやや不安定であったので、判定を「△」としている。
他方、サンプル番号2、5〜7の特性のガラス基板については、傾きの変化率の最大値が10μrad/mmより大きく、さらに高さのばらつきが25%以上であった。その結果、動作回数が50万回以上となったものは7台未満だったので、判定を「×」としている。
以上の結果から、スキージャンプの傾きの変化率の最大値が10μrad/mm以下であればヘッドクラッシュの発生が抑制され、高さのばらつきが25%以下であれば、ヘッドクラッシュの発生がさらに安定して抑制されることが確認された。
なお、上記の実験結果は、スライダの幅が1mmの場合である。ロードされるスライダの幅をW[mm]とすると、スキージャンプの内周側の斜面の径方向に沿った接線の傾きの変化率が、内周側から該斜面の変曲点までの範囲において10/W[μrad/mm]以下であれば、ヘッドクラッシュの発生を抑制できる磁気ディスク用のガラス基板が実現される。
本発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置の概略構成図である。 図1に示す磁気ディスクを作製するためのガラス基板を模式的に表した斜視概略図である。 図2に示すガラス基板の外周側の縁部について、径方向に沿った断面を示した概略図である。 図2に示すガラス基板を用いた磁気ディスクに、スライダがロードされる様子を説明する図である。 スキージャンプの斜面の傾きの変化率が大きいガラス基板を用いた磁気ディスクに、スライダがロードされる様子を説明する図である。 図2に示すガラス基板を用いた磁気ディスクにスライダがロードされる様子を、外周側から径方向に沿って見た図である。 両面同時研磨機の側面の一部を示す概略図である。 上定盤を取り外した状態の両面同時研磨機の平面概略図である。 製造したガラス基板のサンプルについて、スキージャンプの諸特性、ヘッドクラッシュが発生するまでのL/UL動作回数、および判定結果を示す図である。
符号の説明
1、11 ガラス基板
2 円孔
3 主表面
3a 縁部
3b スキージャンプ
3c 範囲
12 両面同時研磨機
13 上定盤
14 下定盤
15 酸化セリウム砥石
16 キャリアー
17 太陽車
18 インターナルギア
100 磁気ディスク装置
101 ベース
102 磁気ディスク
103 クランプ
104 アーム
105 回転軸
106 リフトタブ
107 ランプ
H 磁気ヘッド
S スライダ

Claims (3)

  1. ロード/アンロード方式の磁気ディスク装置に使用される磁気ディスク用のガラス基板であって、円盤形状を有し、ロードされる磁気ヘッドスライダと対向する主表面の外周側の縁部においてスキージャンプが形成されており、前記磁気ヘッドスライダの幅をW[mm]とすると、前記スキージャンプの内周側の斜面の径方向に沿った接線の傾きの変化率が、内周側から該斜面の変曲点までの範囲において10/W[μrad/mm]以下であることを特徴とするガラス基板。
  2. 前記スキージャンプの高さの円周方向における平均値からのばらつきが25%以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板。
  3. ガラス基板からなる磁気ディスクと前記磁気ディスクの主表面にロードする磁気ヘッドスライダとを備えるロード/アンロード方式の磁気ディスク装置であって、前記磁気ディスクは、円盤形状を有し、前記ロードされる磁気ヘッドスライダと対向する主表面の外周側の縁部においてスキージャンプが形成されており、前記磁気ヘッドスライダの幅をW[mm]とすると、前記スキージャンプの内周側の斜面の径方向に沿った接線の傾きの変化率が、内周側から該斜面の変曲点までの範囲において10/W[μrad/mm]以下であることを特徴とする磁気ディスク装置。
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