JP5281136B2 - 磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスク - Google Patents

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Description

本発明は、コンピュータ等の記録媒体として用いられる磁気ディスク用のガラス基板および磁気ディスクに関する。
近年、情報化技術の高度化に伴い、情報記録技術、特に磁気記録技術は著しく進歩している。磁気記録媒体のひとつであるHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気記録媒体用基板としては、アルミニウム基板が広く用いられてきた。しかし磁気ディスクの小型化、薄板化、および高密度記録化に伴い、アルミニウム基板に比べ基板表面の平坦性および基板強度に優れたガラス基板に徐々に置き換わりつつある。
また、磁気記録技術の高密度化に伴い、磁気ヘッドの方も薄膜ヘッドから、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)、大型磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移してきており、磁気ヘッドの基板からの浮上量が8nm程度にまで狭くなってきている。このような磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気ヘッドは、固有の障害としてヘッドクラッシュやサーマルアスペリティ障害を引き起こす場合がある。サーマルアスペリティ障害とは、磁気ディスク面上の微小な凸形状あるいは凹形状上を磁気ヘッドが浮上飛行しながら通過するときに、空気の断熱圧縮または接触により磁気抵抗効果型素子が加熱されることにより、読み出しエラーを生じる障害である。したがって磁気抵抗型素子を搭載した磁気ヘッドに対しては、磁気ディスク表面は極めて高度な平滑度および平坦度が求められる。また塵埃や異物が付着したまま磁性層を形成すると凸部が形成されてしまうため、ガラス基板には、凹凸をなくすことによる発塵の防止と、異物を除去する高度な洗浄とが求められている。
上記のような状況において、従来からも、基板端面の平滑性についての重要性が認められていた。特許文献1(特開平10−154321号公報)には、基板の端面に形成された面取部および側壁部の表面性状が粗いとパーティクルの発生および吸着を招き、該パーティクルが基板主表面に付着することにより凸部形成の原因となると説明している(段落0010)。そして特許文献1では、端面を鏡面に到るまで平滑に研磨することにより、上記問題を解決できるとしている。
ガラス基板の内周端面を研磨するための構成としては、特許文献2(特開平11−221742号公報)に記されているような回転ブラシによる研磨方法が知られている。この従来の研磨方法は、図7(a)に示すように、円盤状のガラス基板1を積層して円柱状とし、連通した内孔に回転ブラシ50を挿入し、研磨液を供給しながらガラス基板1と回転ブラシ50とをそれぞれ回転させることによって、内周端面を研磨するものである。
特開平10−154321号公報 特開平11−221742号公報
ところで近年は、携帯機器に大容量の磁気記録媒体を搭載すべく、基板のサイズは縮小化の傾向にある。このため従来の3.5インチ基板や2.5インチ基板から、1.8インチ基板、1インチ基板、もしくはさらに小さな基板が求められるようになってきている。これに伴い、ガラス基板からのナトリウムおよびカリウム等の物質が磁気ディスク表面に析出してしまうという問題が発生するようになってきた。
ナトリウムやカリウムはガラス基板から析出すると考えられる。これらの結晶が析出するとヘッドクラッシュやサーマルアスペリティの原因となり、読み出しエラーが増大する要因となる。ナトリウムやカリウムの析出は磁性層やその外側の保護層に不均一な部分があると発生する傾向にあり、保護層等の不均一な部分はガラス基板にクラックなどのキズがあると生じやすい。逆に、ガラス基板が十分に鏡面研磨された部位からは、ナトリウムやカリウムの析出は発生しにくいことがわかっている。
ナトリウムやカリウムの析出が問題となるようになってきた理由として、特に小径のディスクでは、面取部の鏡面化が困難である点にある。
具体的には、例えば図7(b)に示すように、ガラス基板1の径の縮小化に伴ってその厚みも薄くなり、積層されたガラス基板1の隣接する面取部2bが形成する溝も幅が狭くなってきているという点がある。従って従来のブラシ研磨では端面2aは十分に鏡面研磨できるが、面取部2bの溝の奥まで十分に鏡面研磨することが難しくなっているという点である。そして面取部2bでナトリウムやカリウムの析出が発生すると、析出した結晶が主表面1aへと移動し、読み出しエラーの原因となっているのである。他の理由としては、記録密度を向上させることができる垂直磁気記録方式の磁気ディスクは、面内磁気ディスクよりも基板性状の影響を受けやすいという点がある。
ここで図7(c)に示すように、従来のブラシ研磨によって面取部2bを十分に鏡面研磨しようとすれば、端面2aを従来以上に研磨して、取代を多くする必要が生じる。しかし加工時間が増大するために生産性が低下し、廉価に大量生産することが困難になってしまう。また端面2aの形状が不安定となって真円度が低下したり、面取部2bの品質(寸法および形状)にばらつきを生じたりするおそれがある。さらに、取代を多くした場合には研磨範囲がダレてしまい、その影響が主表面1aまで及ぶために記憶領域の減少を招きやすく、主表面1aの面積が設計値よりも小さくなると磁気ディスクとして使用できなくなるおそれがある。
そこで本発明は、少ない取代で高精度に面取部を鏡面研磨することにより、ナトリウムやカリウムの析出の発生を防止して信頼性と耐久性を向上させた磁気ディスク用のガラス基板および磁気ディスクを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の代表的な構成は、中心に内孔を形成され内周側の面取部が研磨された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、面取部の全周に亘って同時に当接しうる研磨布を用いて、内周側の面取部の全周に亘って同時に研磨布を押圧しつつ、該研磨布とガラス基板とを相対的に移動させることにより研磨することを特徴とする。
これにより、面取部の全周を同時に研磨することができる、換言すると、面取部に対して面接触した状態で研磨を行うことができるので、面取部の表面状態を鏡面化することができるとともに、面取部の面内粗さ(基板の周方向における面取部の表面粗さ)を均一にすることができる。また、面取部のみを研磨することができるため、従来のブラシで端面および面取部を同時に研磨する構成と比べて少ない取代で高精度に面取部を鏡面研磨することができる。ここで「相対的に移動」とは、研磨布とガラス基板との一方を駆動させてもよいし、双方を駆動させてもよい趣旨である。なお、本発明における研磨は、ガラス基板を積層するバッチ研磨(バッチ処理)ではなく、一枚ずつ研磨する枚葉式研磨である。
また本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の他の代表的な構成は、中心に内孔を形成され内周側の面取部が研磨された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、少なくとも面取部に接触する部分が回転体であって、内孔より小さな円断面から内孔より大きな円断面へと次第に大きくなる研磨布を用いて、内周側の面取部の全周に亘って同時に研磨布を押圧しつつ、該研磨布とガラス基板とを相対的に移動させることにより研磨することを特徴とする。
すなわち、円断面が次第に大きくなる回転体、例えば円錐形、紡錘形、球形状などの形状を有する研磨布を用いて、面取部を研磨するものである。これにより面取部のみを研磨することができるため、少ない取代で高精度に面取部を鏡面研磨することが可能となる。
研磨布は、少なくとも面取部に接触する部分が球形状であることが好ましい。これにより、ガラス基板の回転軸と研磨布の回転軸との相対位置を変化させても、研磨布が面取部の全周に亘って同時に当接した状態を維持することができる。なお、研磨布は面取部に接触する部分が球形状であればよく、例えば研磨布の回転軸に対する先端や後方が球形状である必要はない。
研磨布の球形状部分は、研磨布を面取部に押圧させた際に、面取部の法線がほぼ球形状の中心を通る大きさであることが好ましい。面取部は、ガラス基板の主表面(もしくは回転軸)に対して所定の角度で設けられる。従って、面取部の法線と研磨布の球形状の中心を通るとき、研磨布と面取部の接触面積を最も大きくすることができる。従って面取部を均等に研磨し、また研磨レートが向上するため、生産効率を向上させることが可能である。
また少なくとも研磨布を回転させ、ガラス基板の中心を通る法線と、研磨布の回転軸とを、所定の角度を有して交差させてもよい。研磨布の回転は、研磨布自体を回転駆動させてもよいし、ガラス基板を回転させることにより研磨布を従動回転させてもよい。ガラス基板においては研磨布と接触するのは面取部のみであるが、上記構成によれば研磨布においてガラス基板と接触する部位を広げることができる。従って研磨レートの低下を防止すると共に、研磨布の耐久性を向上させることができる。
またガラス基板の中心を通る法線が研磨布の球形状の中心を通り、かつ研磨布が面取部の全周に亘って同時に当接した状態を維持したままで、ガラス基板と研磨布の少なくとも一方を移動させてもよい。すなわち回転軸の移動の軌跡は、球形状の中心を先端とする円錐形、もしくは扇形となる。本構成によっても、研磨布においてガラス基板と接触する部位を広げることができ、研磨レートの低下を防止すると共に、研磨布の耐久性を向上させることができる。
ガラス基板と研磨布とを回転可能とし、一方の回転軸を含む平面内において、他方の回転軸を、研磨布の球形状の中心を通るように維持しつつ反復的に揺動させてもよい。回転軸の軌跡が扇形となる構成の例である。
ガラス基板と研磨布の一方を所定の負荷を有して回転自在に支持し、他方を回転駆動することにより、一方が他方に従動しつつ相対的に移動してもよい。ガラス基板と研磨布との相対的な移動の構成例である。負荷により遅れながら従動回転することにより、相対的な移動で研磨しつつ、姿勢を変えることで均等に研磨することができる。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の研磨装置の代表的な構成は、中心に内孔を形成された円盤状のガラス基板の内周側の面取部を研磨する磁気ディスク用ガラス基板の研磨装置であって、ガラス基板を回転可能に支持する基板支持部と、内孔の一面側の面取部の全周に亘って同時に当接しうる球形状部分を備えた研磨布と、研磨布を回転可能に支持する研磨布支持部とを備えたことを特徴とする。本発明によれば、面取部のみを研磨することができるため、少ない取代で高精度に面取部を鏡面研磨することができる。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の代表的な構成は、中心に内孔を有する円盤状のガラス基板であって、内周側の面取部が凹面をなすことを特徴とする。凹面の例としては、面取部の全周に亘って同時に当接しうる球形状の表面に沿った形状とすることができる。これによりラッチ(爪)などでガラス基板を把持する際に、保持性や確実性、位置精度などのハンドリング性を向上させることができる。
本発明に係る磁気ディスクの製造方法の代表的な構成は、上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により得られた磁気ディスク用ガラス基板の表面に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする。これにより、内周側の面取部におけるナトリウムやカリウムの析出の発生を抑えた磁気ディスクを製造することができる。
本発明に係る磁気ディスクの代表的な構成は、中心に内孔を有する円盤状のガラス基板に少なくとも磁性層を形成してなり、内周側の面取部が、面取部の全周に亘って同時に当接しうる球形状の表面に沿った凹面をなすことを特徴とする。これによりラッチ(爪)などでガラス基板を把持する際に、保持性や確実性、位置精度などのハンドリング性を向上させることができる。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の代表的な構成は、円盤状のガラス基板の中心に内孔が形成され、当該内孔の端部とガラス基板の主表面との間に形成されている内周側の面取部を研磨する端面研磨工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、ガラス基板の半径方向における面取部の主表面側の端から端面側の端までの全領域に亘って当接可能な研磨布を用いて、研磨布とガラス基板とを相対的に移動させることにより面取部を研磨することを特徴とする。
これにより、面取部の半径方向における面取部の主表面側の端から端面側の端までの全領域を同時かつ確実に研磨することができる。換言すると、面取部に対して面接触した状態で研磨を行うことができるので、面取部の表面状態を鏡面化することができるとともに、基板の鉛直方向における面取部の表面粗さを均一にすることができる。
また、ガラス基板を複数枚積層した円筒状の被研磨体の、内周端面を研磨する内周研磨工程をさらに含み、内周研磨工程では、回転軸と当該回転軸の周囲に設けられた研磨部を備えた研磨部材を被研磨体の内孔に挿入し、研磨部を研磨部材の回転軸と直交する方向に拡張させることで、当該研磨部を内周端面に弾性的に押圧し、ガラス基板の内孔の中心と、棒状の研磨部材の軸とを一致させた状態で、被研磨体および研磨部材の少なくとも一方を相対的に移動させることにより、ガラス基板の内周端面を研磨してもよい。
これにより、研磨部を内周端面全体に面接触かつ均等な押圧力で押し当てることができる。また、研磨部材の回転軸を旋回移動させる必要がないので安定した内径真円度および同芯度と低い内径公差を達成することが可能となる。さらに、内周端面に対して、研磨部を面接触させて研磨することができるので、従来の例えば点接触や線接触で内周端面を研磨する場合と比べて良好な研磨速度、即ち、高い生産性を得ることができる。
本発明によれば、例えば、小サイズの基板であっても、少ない取代で高精度に面取部を鏡面研磨することができる。従って、ナトリウムやカリウムの析出の発生を防止して信頼性と耐久性を向上させると共に、内孔の真円度と加工精度を向上させることができ、また歩留まりを減少させて生産性を向上させることができる。
研磨装置を説明する図である。 磁気ディスク用ガラス基板と研磨布の関係を説明する図である。 研磨布の他の構成の例を説明する図である。 研磨布のさらに他の構成の例を説明する図である。 面取部が研磨布に接触する部位を広げるための他の構成を説明する図である。 内周端面を研磨する研磨装置を説明する図である。 従来の内周端面研磨装置を説明する図である。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法の実施形態について、図を用いて説明する。図1は研磨装置を説明する図、図2は磁気ディスク用ガラス基板と研磨布の関係を説明する図である。なお、以下の実施例に示す数値は発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。
本実施の形態にかかる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、円盤(円板)状のガラス基板の中心に形成された内孔の端面(壁面)と主表面との間に形成された面取部を、内孔の全周に亘り均一に研磨する構成である。具体的には、本実施の形態にかかる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、円盤状のガラス基板の中心に内孔が形成され、当該内孔の端部とガラス基板の主表面との間に形成されている内周側の面取部を研磨する端面研磨工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、ガラス基板の半径方向における面取部の主表面側の端から端面側の端までの全領域に渡って研磨可能な研磨布を用いて、該研磨布とガラス基板とを相対的に移動させることにより上記面取部を研磨する構成である。そして、上記製造方法によって製造された磁気ディスク用ガラス基板は、円盤(円板)状のガラス基板の中心に形成された内孔の端面(壁面)と主表面との間に形成された面取部の、内孔の全周における表面粗さの差が、0.001μm以下である構成である。
図1に示す研磨装置はガラス基板1を一枚ずつ研磨する枚葉式の研磨装置であって、基板支持部10と研磨布支持部20とを少なくとも備えている。また、上記研磨装置には、研磨液を供給してガラス基板を研磨する場合には、上記研磨液を供給する研磨液供給部14を備えていても良い。研磨剤である研磨砥粒としては、例えば、アルミナ、酸化セリウム、コロイダルシリカ等のガラス基板の研磨に使用される砥粒であれば特に限定されない。
研磨の対象となるガラス基板1は、図2(a)に示すように、中心に内孔2を備えた円盤状をなしている。内孔2は、ガラス基板1の主表面1aに対してほぼ垂直な端面2aと、その両側に設けられた面取部2bとから構成されている。面取部2bは、ガラス基板1の主表面1a(もしくは回転軸)に対して所定の角度(例えば45°)で、内孔2の両端に設けられる。
基板支持部10は、ガラス基板1を保持するホルダ11と、アーム13、および所定の負荷を有してホルダ11とアーム13とを回転自在に接続するトルクコンバータ12を備えている。ホルダ11は、デルリン(登録商標)などの硬質樹脂からなる基体にポリウレタンなどの発泡樹脂を貼り付けて構成している。この発泡樹脂に水などの液体をつけてガラス基板1を貼り合わせれば、ガラス基板1は表面張力によって剥がれることはなく、十分に強固に保持することができる。トルクコンバータ12は、ホルダ11を回転可能としつつも、回転方向に対して負荷を与えるものである。アーム13はホルダ11の回転に対しては固定であるが、全体として後述するように揺動可能となっている。
研磨布支持部20は研磨布21を回転可能に支持する。研磨布21は、先端に球形状部分22を備えており、モータ23によって回転駆動される。また研磨布21の支持軸24には高さ調節器24aが備えられており、研磨布21を基板支持部10に対して離接可能となっている。研磨布21の材質としては、ポリウレタンなどの発泡樹脂を利用することができる。後述するように、球形状部分22は内孔2の一面側の面取部2bの全周および半径方向における面取部2bの主表面1a側の端2b1から端面2b側の端2b2までの全領域に亘って同時に当接する(図2(b)参照)。
上記構成の研磨装置を用いて研磨を行う場合について説明する。まずホルダ11にガラス基板1を取り付けた後に、研磨布21を上昇させる。すると研磨布21の球形状部分22が内孔2にはまるように当接し、面取部2bの全周に亘って押圧される。そして研磨液供給部14から研磨液(スラリー)を供給しつつ、モータ23を駆動させて研磨布21および球形状部分22を回転させることにより、面取部2bを研磨する。
このように、面取部2bのみを研磨することにより、少ない取代で面取部2bを十分に鏡面研磨することができる。従ってこのガラス基板1を用いて磁気ディスクを生産した場合には、面取部からのナトリウムやカリウムの析出の発生を防止することができる。また、例えば、ブラシを用いて研磨する場合に比べて、面取部2bを鏡面化するための取代が少ないことから加工時間を短くすることができ、生産性を向上させることができる。また球形状部分22は面取部2bのみを研磨することができるので、端面2aの真円度と加工精度に影響を及ぼすことがなく、面取部の研磨のためにこれらを低下させてしまうおそれがない。また面取部2b自体の加工精度が高く、基板間でのばらつきが極めて少ない。さらには球形状部分22による研磨面は、面取部2bのみに当接するため、従来のブラシ研磨のように面取部がダレてこの影響が主表面1aに及ぶことがないので、面取部2bと主表面1aとの稜線を明確にすることができる。従って主表面1aの記憶領域を浸食することなく、設計値通りの記憶容量を得られるばかりか、従来のブラシ研磨の場合よりも記憶領域を増大させることができる。
ガラス基板1が球形状部分22に従動回転するとき、トルクコンバータ12の作用によってガラス基板1は球形状部分22に遅れて回転し、この遅れによって面取部2bが摺擦されて研磨される。すなわち、一つの駆動源で研磨布21のみを回転駆動しているにもかかわらず、ガラス基板1の装置全体に対する姿勢(位相)をも変えることができ、面取部2bを全周に亘って均等に研磨することができる。
また研磨を行う際には、ガラス基板1の中心を通る法線が球形状部分22の中心を通り、かつ研磨布21が面取部2bの全周に亘って同時に当接した状態を維持したままで、ガラス基板1と研磨布21の少なくとも一方を移動させる。例えば、アーム13を揺動させることにより、ガラス基板1の回転軸と研磨布21の回転軸との相対位置を変化させる。本実施例では、研磨布21の回転軸を含む平面内において、ガラス基板1の回転軸を、球形状部分22の中心を通るように維持しつつ反復的に揺動させている。従って、ガラス基板1の回転軸の軌跡は扇形となっている。詳しくは、ガラス基板1の内孔2と球形状部分22との間で求心力が働くことから、必然的にガラス基板1の回転軸は球形状部分22の中心を通るように調節される。従って、アーム13の姿勢までも制御する必要はなく、アーム13を支持軸13aにて回転自在に軸支し、支持軸13aの移動軌跡が球形状部分22と同心円上にある円弧を描くように揺動させることで足りる。
このとき、研磨布21の面取部2bに接触する部分が球形状部分22であることから、ガラス基板1の回転軸と研磨布21の回転軸との相対位置を変化させても、常に研磨布21が面取部2bの全周に亘って同時に当接した状態を維持することができる。なお、研磨布21は面取部2bに接触する部分が球形状であればよく、例えば研磨布21の回転軸に対する先端や後方が球形状である必要はない。
このように、球形状部分22において面取部2bが接触する面積を広げることにより、研磨レートの低下を防止し、生産性を向上させることができる。また研磨布21(球形状部分22)の耐久性が向上することから、生産コストの低減化を図ることができる。
ここで、図2(b)を用いて、内孔2と球形状部分22の関係について説明する。まず、球形状部分22の円断面の半径r1を内孔2の半径r0より大きく設定することにより、内孔2の一方側の面取部2bの全周に亘って同時に当接させている。
さらに研磨布21の球形状部分22は、研磨布21を面取部2bに押圧させた際に、面取部2bの法線がほぼ球形状の中心を通る大きさとしている。したがって、ガラス基板1の半径方向における面取部の主表面側の端(図2(a)中2b1)から端面側の端(図2(a)中2b2)までの全領域に亘って、研磨布21を当接させることが可能となる。面取部2bの表面を円錐台として近似すれば、面取部2bの法線が研磨布21の球形状の中心を通るとき、研磨布21の球形状部分22と面取部2bとの接触面積を最も大きくすることができる。これにより面取部2bを均等に研磨し、その取代を最小限とすることができるため、生産効率を向上させることができる。また接触面積が大きければ研磨レートも向上するため、この点においても生産効率を向上させることが可能である。
一方、ガラス基板1について見ると、研磨後の内孔2の面取部2bは、球形状部分22の表面に沿った凹面となる。また、このガラス基板1に磁性層を形成してなる磁気ディスクにも、同様の形状の面取部が形成される。このように面取部2bが凹面をなすことにより、ラッチ(爪)などで把持しやすくなり、保持性や確実性、位置精度などのハンドリング性を向上させることができる。
また例えば洗浄工程、化学強化工程の前後においては、搬送ケースを取り替えるためにガラス基板の入れ替えを行う。その際のガラス基板の移載作業は、マンドレル式の治具を用いて行っている。マンドレル式の治具は内孔に挿入した後に治具の径を広げて内周端面を係止し、治具は内孔の面取部に接触することとなる。そのため本実施形態のように面取部が凹面を成していることにより、主に面取部の稜線(面取部と端面との境界)が治具と接触することになり、その接触痕を低減することができる。このため面取部の平滑度が向上し、パーティクルの発生や吸着を防止して、ひいては磁気ディスク主表面の凸部形成を防止することができる。
[実施例]
以下に、本発明を適用した磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法について実施例を説明する。この磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクは、0.8インチ型ディスク(内径6mm、外径21.6mm、板厚0.381mm)、1.0インチ型ディスク(内径7mm、外径27.4mm、板厚0.381mm)、1.8インチ型磁気ディスク(内径12mm、外径48mm、板厚0.508mm)などの所定の形状を有する磁気ディスクとして製造される。また、2.5インチ型ディスクや3.5インチ型ディスクとして製造してもよい。
(1)形状加工工程および第1ラッピング工程
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラスを得た。なお、アルミノシリケートガラスとしては、化学強化用のガラスを使用した。ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円盤状の磁気ディスク用ガラス基板を得てもよい。なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を主成分として含有する化学強化ガラスを使用した。
次に、この板状ガラスの両主表面をラッピング加工し、ディスク状のガラス母材とした。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行った。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行った。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス母材を得た。
(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング)
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス母材を切断し、このガラス母材から円盤状のガラス基板を切り出した。次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板とした(コアリング)。そして内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施した(フォーミング)。
(3)第2ラッピング工程
次に、得られたガラス基板の両主表面について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行った。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
(4)端面研磨工程
次に、ガラス基板の外周端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行った。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。
内周端面については、まず面取部2b(図2(a)参照)について、上述の研磨方法および研磨装置を用いて鏡面研磨を行った。
次に端面2aについては、図6に示すような研磨装置を用いて鏡面研磨を行った。図6に示す研磨装置は、複数枚のガラス基板1を積層して円筒状の被研磨体30とし、連通した内孔に研磨部材31を挿入する。図6(b)および(c)に示すように、研磨部材31は、半径方向に拡縮可能であり、取付部33と、取付部33と同軸で下方に向かって径が小さくなる円錐面34aを備えた回転軸としての棒状部34と、棒状部34に対して相対的に上下方向にスライド可能であるとともに半径方向(回転軸と直交方向)に移動可能で、棒状部34の周囲に複数設けられた研磨部35と、を有する。研磨部35は、その外面35aが円柱面を構成するとともに、その内面35bが棒状部34の円錐面34aに全体的に当接し、図示を略す弾性部材により径方向内側に向けて付勢されている。棒状部34が研磨部35に対して相対的に下方にスライドすると、棒状部34の円錐面34aが各研磨部35の内面35b同士の間隔を押し広げて各研磨部35が径方向外側に移動し、研磨部35の外面35aにより規定される研磨部材31の径が増大する。一方、棒状部34が研磨部35に対して相対的に上方にスライドすると、上記弾性部材の付勢力により各研磨部35の内面35b同士の間隔は狭まって各研磨部35が径方向内側に移動し、研磨部材31の径が減少する。
研磨部材31の研磨部35は軸方向に延伸してなる複数の研磨布32を円周方向において等間隔に配している。複数の研磨布32は研磨部35と連動して半径方向に移動可能であって、研磨部材31全体として拡縮し、被研磨体30の内周面に同圧力で接触させることができる。そして被研磨体30の内周端面と研磨部材31との間に研磨液を供給しつつ、研磨部材31を軸を中心に回動または軸方向に移動させることにより、研磨を行う。換言すると、端面2aの研磨は、研磨部材31を円筒状の被研磨体30の内孔に挿入した後、研磨部材31が備える研磨布32を研磨部材31の軸方向に対して拡張させて、研磨布32を端面2aに弾性的に押圧する。そして、披研磨体30の軸と研磨部材31の中心軸とを一致させた状態で被研磨体30の内周端面と研磨部材31との間に、研磨液を供給し、研磨を行う。
また研磨部材31は、上記したシャフト構造を有するものに限定されるものではなく、他の拡縮構造を有するものでもよい。図6(d)に示すように、研磨部材31が、取付部33と同軸で正逆方向に回転可能な棒状部36と、径方向に移動可能で棒状部36の外周に計3つ設けられた研磨部37とを有していてもよい。棒状部36は外周面が3つのカム面(面の横断軌跡が棒状部36の軸心に対して徐々に遠退く(近付く)曲線である面)36aで構成され、研磨部37は横断面が扇形状を呈して外周面37aが円柱面を構成するとともに、頂部37bが図示を略す弾性部材の付勢力によりカム面36aに当接する。そして、棒状部36が図6(d)中矢印A方向に回転すると研磨部材31が径方向に拡張し、棒状部36が図6(d)中矢印B方向に回転すると研磨部材31が径方向に収縮する。
このような構成の研磨方法によれば、内周研磨部の研磨布を被研磨体の内周端面全体に面接触させ、かつその押圧力を均一にすることができる。面接触することから研磨速度を向上させることができる。また押圧力が半径方向において均一となることから真円度を小さくかつ安定させ、軸方向において均一となることから基板間の内径交差を低く保つことができる。
また端面2aについては、図7に示した従来例のように、回転ブラシ50を用いた研磨を行ってもよい。このとき回転ブラシ50は面取部2bを研磨する必要はなく、ブラシの毛の硬さ(太さや材質)、毛の密度、押圧力などは、端面2aが研磨できるように適宜設定すればよい。また回転ブラシ50に代えて、円柱状の研磨布を用いて端面2aの研磨を行うこともできる。
そして、端面研磨工程を終えたガラス基板を水洗浄した。この端面研磨工程により、ガラス基板の端面は、ナトリウムやカリウムの析出の発生を防止できる鏡面状態に加工された。
なお、本実施例では面取部2bの研磨を行った後に端面2aの研磨を行うよう説明した。しかしこの順序については任意であって、端面2aの研磨を先に行ってから面取部2bの研磨を行ってもよい。
(5)主表面研磨工程
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行った。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いた。
この第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
次に、主表面研磨工程として、第2研磨工程を施した。この第2研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行った。研磨剤としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒を用いた。
この第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には、超音波を印加した。
(6)化学強化工程
次に、前述のラッピング工程および研磨工程を終えたガラス基板に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400℃に加熱しておくとともに、洗浄済みのガラス基板を300℃に予熱し、化学強化溶液中に約3時間浸漬することによって行った。この浸漬の際には、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるように、ホルダに収納した状態で行った。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオンおよびナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。ガラス基板の表層に形成された圧縮応力層の厚さは、約100μm乃至200μmであった。
化学強化処理を終えたガラス基板を、20℃の水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。そして、急冷を終えたガラス基板を、約40℃に加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに、硫酸洗浄を終えたガラス基板を純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄した。
上記の如く、第1ラッピング工程、切り出し工程、端面研磨工程、第2ラッピング工程、第1および第2研磨工程、ならびに化学強化工程を施すことにより、平坦、かつ、平滑な、高剛性の磁気ディスク用ガラス基板を得た。
(7)磁気ディスク製造工程
上述した工程を経て得られたガラス基板の両面に、ガラス基板の表面にCr合金からなる付着層、CoTaZr基合金からなる軟磁性層、Ruからなる下地層、CoCrPt基合金からなる垂直磁気記録層、水素化炭素からなる保護層、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を順次成膜することにより、垂直磁気記録ディスクを製造した。なお、本構成は垂直磁気ディスクの構成の一例であるが、面内磁気ディスクとして磁性層等を構成してもよい。
[評価]
上記実施例のように面取部を研磨布を用いて枚葉式研磨をした磁気ディスクと、背景技術の項で説明した従来技術のようにブラシ研磨した磁気ディスクとを作製し、加速試験を行った。加速試験の条件は、温度85℃、湿度85%、30日間とした。すると、ブラシ研磨の場合にはナトリウムおよびカリウムの析出が検出され、本実施例の場合には検出されなかった。また、グライドテストを実施したところ、ヒット(ヘッドが磁気ディスク表面の突起にかすること)やクラッシュ(ヘッドが磁気ディスク表面の突起に衝突すること)は認められなかった。さらに、磁気抵抗型ヘッドで再生試験を行ったところ、サーマルアスペリティによる再生の誤動作は認められなかった。また、実施例のように面取部2bを研磨した磁気ディスク用ガラス基板の面取部2bの、内孔の全周における表面粗さの差は0.001μm以下であった。
[他の例]
上記実施例において、研磨布21を回転駆動し、ガラス基板1が従動回転する構成として説明した。しかし、ガラス基板1のホルダ11を回転駆動し、研磨布21および球形状部分22が従動回転する構成としてもよい。この場合、トルクコンバータ12は研磨布21の支持軸に設けることができる。
また上記実施例では研磨布21のうちガラス基板1の面取部2bが接触する部分を球形状部分22としたが、面取部2bの全周に亘って同時に面接触する構成であればよい。図3は研磨布の他の構成の例を説明する図である。図3(a)に示す研磨布25は円錐形(回転体)であって、内孔2の半径r0より小さな半径r2の円断面から内孔2の半径r0より大きな半径r3の円断面へと次第に大きくなる形状を備えている。また図3(b)に示す研磨布26は紡錘形であって、同様の回転体形状の要件を備えている。このような研磨布を用いても、面取部の全周に亘って同時に面接触することができ、面取部のみを研磨することができるため、少ない取代で高精度に面取部を鏡面研磨することが可能となる。
また上記実施例では研磨布21のうちガラス基板1の面取部2bが接触する部分を球形状部分22としたが、面取部2bの半径方向における面取部2bの主表面側の端から端面2a側の端までの全領域に亘って同時に面接触する構成であればよい。図4は研磨布のさらに他の構成の例を説明する図であり、図4(a)は、研磨布27の外観図であり、図4(b)は研磨布27を鉛直上方向から見た図であり、図4(c)は図4(b)の使用形態図である。
研磨布27は、図2で示した研磨布21の球形状部分22を鉛直方向に等度間隔に6分割し、当接部27a(図4(b)中白で示す)と、切欠部27b(図4(b)中斜線で示す)を交互に配した構成となっている(図4(a)(b))。
これにより、研磨布27の当接部27aは、少なくとも面取部2bの半径方向における面取部2bの主表面側の端から端面2a側の端までの全領域に確実に当接するため(図4(c))、面取部2bを鉛直方向に確実に研磨することができる。複数の当接部27aが同時に面取部2bの複数の箇所に当接することにより均一に研磨することができる。これらのことから、面取部2bに対して面接触した状態で研磨を行うことができるので、面取部2bの表面状態を鏡面化することができるとともに、ガラス基板1の鉛直方向における面取部2bの表面粗さを均一にすることができる。
図5は面取部が研磨布に接触する部位を広げるための他の構成を説明する図である。上記実施例ではアーム13を揺動させることにより球形状部分22において面取部2bが接触する部位を広げるよう説明した。しかし図5(a)に示すように、ガラス基板1と研磨布21の夫々の回転軸を、所定の角度を有して交差させてもよい。本構成によっても、球形状部分22においてガラス基板1と接触する部位を広げることができる。従って研磨レートの低下を防止すると共に、研磨布の耐久性を向上させることができる。
さらに、上記実施例ではアーム13をガラス基板1の回転軸の軌跡が扇形を描くように揺動するよう説明したが、ガラス基板1または研磨布21の回転軸を、研磨布の球形状の中心を通るように維持しつつ移動させることでよい。従って例えば図5(b)に示すように、ガラス基板1の回転軸の移動の軌跡が、球形状部分22の中心を頂点とする円錐形となるようにしてもよい。本構成によっても、研磨布においてガラス基板と接触する部位を広げることができ、研磨レートの低下を防止すると共に、研磨布の耐久性を向上させることができる。
また、本実施の形態にかかる磁気ディスクの製造方法は、ガラス基板の内周側の面取部に略半球形状を有する研磨布を押し当て、上記研磨布とガラス基板との間に研磨材を供給し、研磨布とガラス基板とを相対的に移動させることにより前記面取部を研磨する構成としてもよい。
また、本実施の形態にかかる磁気ディスクの製造方法は、略半球形状を有する研磨布に対して、ガラス基板を変位させるように移動させることによって、上記ガラス基板の内周側の面取部を研磨することで、半球形状の研磨布の一つの場所のみに接触することなく、研磨布の広い領域で研磨できる構成としてもよい。
また、本実施の形態にかかる磁気ディスクの製造方法は、略半球形状を有する研磨布に対してガラス基板が同一平面内で回転する以外の変位をするように、前記研磨布またはガラス基板の少なくとも一方を移動させることによって、上記ガラス基板の内周側の面取部を研磨することで、半球形状の研磨布の一つの場所のみに接触することなく、研磨布の広い領域で研磨できる構成としてもよい。
また、本実施の形態にかかる磁気ディスクの製造方法は、ガラス基板の内周側の面取部に、当該面取部に押し当てた際にこの面取部の面と一致する形状を有する研磨布を押し当て、上記研磨布とガラス基板との間に研磨材を供給し、研磨布またはガラス基板の少なくとも一方を回転させることにより研磨する構成としてもよい。
また、本実施の形態にかかる磁気ディスクの製造方法は、ガラス基板の内周側の面取部に略半球形状を有する研磨布を、上記ガラス基板の一面側に形成された面取部の全周に亘って押し当て、上記研磨布とガラス基板との間に研磨材を供給し、研磨布とガラス基板とを相対的に移動させることにより、ガラス基板と研磨布とを面接触させながら上記内孔側の面取部を研磨する構成としてもよい。
本発明は、磁気ディスク用のガラス基板および磁気ディスクとして利用することができる。
1 …ガラス基板
1a …主表面
2 …内孔
2a …端面
2b …面取部
10 …基板支持部
11 …ホルダ
12 …トルクコンバータ
13 …アーム
13a …支持軸
14 …研磨液供給部
20 …研磨布支持部
21 …研磨布
22 …球形状部分
23 …モータ
24 …支持軸
24a …高さ調節器
25、26、27、32 …研磨布
27a …当接部
27b …切欠部
30 …被研磨体
31 …研磨部材
33 …取付部
34 …棒状部
34a …円錐面
35 …研磨部
35a …外面
35b …内面
50 …回転ブラシ

Claims (4)

  1. 中心に内孔を有する円盤状の磁気ディスク用ガラス基板であって、
    前記内孔の端面と前記磁気ディスク用ガラス基板の主表面との間には面取部が形成されており、
    前記面取部が凹面をなし、該凹面は半径方向の断面において円弧状であることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板。
  2. 請求項1記載の磁気ディスク用ガラス基板であって、
    前記凹面は、前記面取部の全周に亘って同時に当接しうる回転体の表面に沿った形状であることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板。
  3. 請求項1または2に記載の磁気ディスク用ガラス基板であって、
    前記凹面は、前記面取部の全周に亘って同時に当接しうる球形状の表面に沿った形状であることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板。
  4. 中心に内孔を有する円盤状のガラス基板に少なくとも磁性層を形成してなる磁気ディスクであって、
    前記内孔の端面と前記磁気ディスク用ガラス基板の主表面との間には面取部が形成されており、
    前記面取部が凹面をなし、該凹面は半径方向の断面において円弧状であることを特徴とする磁気ディスク。
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