JP5019999B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法もしくは製造装置、磁気ディスクの製造方法 - Google Patents
磁気ディスク用ガラス基板の製造方法もしくは製造装置、磁気ディスクの製造方法 Download PDFInfo
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Description
以下に、本発明を適用した磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法について実施例を説明する。この磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクは、0.8インチ型ディスク(内径6mm、外径21.6mm、板厚0.381mm)、1.0インチ型ディスク(内径7mm、外径27.4mm、板厚0.381mm)、1.8インチ型磁気ディスク(内径12mm、外径48mm、板厚0.508mm)などの所定の形状を有する磁気ディスクとして製造される。また、2.5インチ型ディスクや3.5インチ型ディスクとして製造してもよい。
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラスを得た。なお、アルミノシリケートガラスとしては、化学強化用のガラスを使用した。ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円盤状の磁気ディスク用ガラス基板を得てもよい。なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiO2:58〜75重量%、Al2O3:5〜23重量%、Li2O:3〜10重量%、Na2O:4〜13重量%を主成分として含有する化学強化ガラスを使用した。
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス母材を切断し、このガラス母材から円盤状のガラス基板を切り出した。次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板とした(コアリング)。そして内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施した(フォーミング)。
次に、得られたガラス基板の両主表面について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行った。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
次に、ガラス基板の外周端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行った。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行った。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いた。
次に、前述のラッピング工程および研磨工程を終えたガラス基板に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400℃に加熱しておくとともに、洗浄済みのガラス基板を300℃に予熱し、化学強化溶液中に約3時間浸漬することによって行った。この浸漬の際には、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるように、ホルダに収納した状態で行った。
上述した工程を経て得られたガラス基板の両面に、ガラス基板の表面にCr合金からなる付着層、CoTaZr基合金からなる軟磁性層、Ruからなる下地層、CoCrPt基合金からなる垂直磁気記録層、水素化炭素からなる保護層、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を順次成膜することにより、垂直磁気記録ディスクを製造した。なお、本構成は垂直磁気ディスクの構成の一例であるが、面内磁気ディスクとして磁性層等を構成してもよい。
上記実施例のように面取部を研磨布を用いて枚葉式研磨をした磁気ディスクと、背景技術の項で説明した従来技術のようにブラシ研磨した磁気ディスクとを作製し、加速試験を行った。加速試験の条件は、温度85℃、湿度85%、30日間とした。すると、ブラシ研磨の場合にはナトリウムおよびカリウムの析出が検出され、本実施例の場合には検出されなかった。また、グライドテストを実施したところ、ヒット(ヘッドが磁気ディスク表面の突起にかすること)やクラッシュ(ヘッドが磁気ディスク表面の突起に衝突すること)は認められなかった。さらに、磁気抵抗型ヘッドで再生試験を行ったところ、サーマルアスペリティによる再生の誤動作は認められなかった。また、実施例のように面取部2bを研磨した磁気ディスク用ガラス基板の面取部2bの、内孔の全周における表面粗さの差は0.001μm以下であった。
上記実施例において、研磨布21を回転駆動し、ガラス基板1が従動回転する構成として説明した。しかし、ガラス基板1のホルダ11を回転駆動し、研磨布21および球形状部分22が従動回転する構成としてもよい。この場合、トルクコンバータ12は研磨布21の支持軸に設けることができる。
1a …主表面
2 …内孔
2a …端面
2b …面取部
10 …基板支持部
11 …ホルダ
12 …トルクコンバータ
13 …アーム
13a …支持軸
14 …研磨液供給部
20 …研磨布支持部
21 …研磨布
22 …球形状部分
23 …モータ
24 …支持軸
24a …高さ調節器
25、26、27、32 …研磨布
27a …当接部
27b …切欠部
30 …被研磨体
31 …研磨部材
33 …取付部
34 …棒状部
34a …円錐面
35 …研磨部
35a …外面
35b …内面
50 …回転ブラシ
Claims (11)
- 中心に内孔を形成され内周側の面取部が研磨された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記面取部の全周に亘って同時に当接しうる研磨布を用いて、
前記内周側の面取部の全周に亘って同時に前記研磨布を押圧しつつ、該研磨布とガラス基板とを相対的に移動させることにより前記面取部を研磨した後に、ガラス基板の内周端面を研磨することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 中心に内孔を形成され内周側の面取部が研磨された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
少なくとも前記面取部に接触する部分が回転体であって、前記内孔より小さな円断面から前記内孔より大きな円断面へと次第に大きくなる研磨布を用いて、
前記内周側の面取部の全周に亘って同時に前記研磨布を押圧しつつ、該研磨布とガラス基板とを相対的に移動させることにより研磨することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 請求項1または請求項2記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、
前記研磨布は、少なくとも前記面取部に接触する部分が球形状であることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 請求項3記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、
前記研磨布の球形状部分は、該研磨布を前記面取部に押圧させた際に、該面取部の法線がほぼ前記球形状の中心を通る大きさであることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 請求項3記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、
少なくとも前記研磨布を回転させ、
前記ガラス基板の中心を通る法線と、前記研磨布の回転軸とを、所定の角度を有して交差させたことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 請求項3記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、
前記ガラス基板の中心を通る法線が前記研磨布の球形状の中心を通り、かつ前記研磨布が前記面取部の全周に亘って同時に当接した状態を維持したままで、前記ガラス基板と研磨布の少なくとも一方を移動させることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 請求項6記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、
前記ガラス基板と研磨布とを回転可能とし、
一方の回転軸を含む平面内において、他方の回転軸を、前記研磨布の球形状の中心を通るように維持しつつ反復的に揺動させることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 請求項1または請求項2記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、
前記ガラス基板と研磨布の一方を所定の負荷を有して回転自在に支持し、他方を回転駆動することにより、一方が他方に従動しつつ相対的に移動することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 中心に内孔を形成された円盤状のガラス基板の内周側の面取部を研磨する磁気ディスク用ガラス基板の研磨装置であって、
ガラス基板を回転可能に支持する基板支持部と、
前記内孔の一面側の面取部の全周に亘って同時に当接しうる球形状部分を備えた研磨布と、
前記研磨布を回転可能に支持する研磨布支持部と、
を備えたことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の研磨装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により得られたガラス基板の表面に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
- 前記ガラス基板を複数枚積層した円筒状の被研磨体の、内周端面を研磨する内周研磨工程をさらに含み、
前記内周研磨工程では、回転軸と該回転軸の周囲に設けられた研磨部を備えた研磨部材を被研磨体の内孔に挿入し、前記研磨部を研磨部材の回転軸と直交する方向に拡張させることで、該研磨部を内周端面に弾性的に押圧し、前記ガラス基板の内孔の中心と、棒状の研磨部材の軸とを一致させた状態で、被研磨体および研磨部材の少なくとも一方を相対的に移動させることにより、前記ガラス基板の内周端面を研磨することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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