JP3879211B2 - 自動販売機の照明装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品展示部および商品収納部を照明するための自動販売機の照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のたばこの自動販売機の一例を示している。この自動販売機51は、販売機本体52と、これを回動自在に開閉するメインドア53を備えている。販売機本体52内には商品収納部54が構成されており、この商品収納部54は、商品Sを積み重ねて収納する上下4段(上側3段のみ図示)の商品収納コラム55と、各商品収納コラム55の下端部に設けられ、販売時に商品Sを払い出す払出機構56とを備えている。商品収納コラム55への商品Sの補充は、メインドア53を開放した状態で行われる。
【0003】
一方、メインドア53の上部には、商品展示部57が設けられている。この商品展示部57は、メインドア53の前面の透明パネル58とメインドア53の背面の不透明のバックプレート59とで画成される展示室60内に、商品Sを表示する複数の商品サンプル61と、商品サンプル61を照明する複数の蛍光灯62と、商品選択ボタン63などを配置したものである。バックプレート59は、商品サンプル61の交換や清掃を行えるようにするため、メインドア53に開閉自在に取り付けられており、また、その操作性を考慮して、メインドア53の回動基端と同じ側を回動基端として、メインドア53に回動自在に取り付けられている。また、バックプレート59の背面にはシュート64が設けられていて、販売時に商品収納コラム55から払い出された商品Sは、このシュート64によって販売口65に導かれ、購入者に提供される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の自動販売機51は、商品収納部54を照明することができないため、夜間における商品収納部54への商品Sの補充作業が行いにくいという欠点がある。すなわち、自動販売機51が専業のオペレータによって管理されるような場合には特に、商品Sの補充を夜間に行わざるを得ないことがある。一方、自動販売機51では、照明手段として、商品サンプル61を照明する蛍光灯62が商品展示部57の展示室60内に設けられているだけであり、この蛍光灯62の光は、バックプレート59が閉鎖されているときは、これに完全に遮られてしまい、商品収納部54にはまったく達しない。また、バックプレート59を開放して蛍光灯62の光を得ようとしても、メインドア53とバックプレート59のそれぞれの回動基端が同じ側に配置されていて、両者53、59の間の開放された間隙を商品収納部54側に向けることが不可能であるため、蛍光灯62の光は、商品収納部54にはほとんど達しない。
【0005】
また、このような欠点を解消するために、商品収納部54を照明する専用の照明装置を設けた自動販売機も知られているが、その場合には、設置コストや電力消費量の増大という別の問題が生じる。さらに、自動販売機が通常、保有しているコンセントを利用し、あらかじめ準備した照明器具をこのコンセントに接続することによって、商品収納部54を照明することも考えられる。しかし、この方法は、暗い状態でコンセントを捜したり、照明器具を置く場所を確保したりする必要があるなど、照明器具のセットが煩雑であるため、利用しくいのが実状である。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、専用の照明器具を設けることなく、簡単な操作で商品収納部を良好に照明でき、それにより、夜間における商品の補充作業を容易に行うことができる自動販売機の照明装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、商品を収納する商品収納部が設けられた販売機本体と、商品サンプルを展示する商品展示部を有し、販売機本体にその前面を開閉するように回動自在に取り付けられたメインドアと、このメインドアの背面に取り付けられたバックプレートとを備えた自動販売機の照明装置であって、メインドアに設けられ、商品サンプルを照明する照明器具と、バックプレートに形成された採光窓と、バックプレートに取り付けられ、採光窓を開閉する小扉と、を備え、小扉が、メインドアの閉動作に連動して、閉鎖するように構成されていることを特徴としている。
【0008】
この自動販売機の照明装置によれば、常時はメインドアが閉鎖され、夜間には、メインドアに設けられた照明器具が、商品展示部の商品サンプルを照明する。また、夜間などに商品収納部に商品を補充する場合には、メインドアを開いて、商品収納部を開放した後、その背面のバックプレートに取り付けられた小扉を開いて、採光窓を開放する。これにより、照明器具の光が、開放された採光窓を介して商品収納部側に取り入れられ、これを照明する。したがって、夜間における商品収納部への商品の補充作業を容易に行うことができる。また、商品収納部を照明するのに、通常の補充作業での操作に加えて、小扉を開くだけでよいので、操作も簡単である。さらに、商品サンプルを照明する照明器具は、通常の自動販売機に設置されているものなので、このような既存の照明器具を商品収納部の照明に共用することで、設置コストや電力消費量をまったく増大させることなく、商品収納部の照明を効率的に行うことができる。
【0010】
また、メインドア閉じると、それに連動して小扉が閉鎖されるので、小扉を閉め忘れた場合でも、確実に閉鎖できる。
【0011】
この場合、小扉は、バックプレートの背面に左右方向にスライド自在に且つ上端部を中心に回動自在に取り付けられるとともに、メインドアの回動基端側に向かって側方に突出するピンを備え、バックプレートに、小扉のピンを係止することにより小扉を開放位置に保持する係止孔が形成され、メインドアには、係止孔に対向する位置に、メインドアを閉鎖するときに係止孔に係止されたピンの先端を押圧する押圧部が設けられていることが好ましい。
【0012】
この構成では、メインドアを開放した後、小扉を上方に回動させるとともにメインドアの回動基端側に向かってスライドさせて、小扉のピンをバックプレートの係止孔に係止させることにより、小扉が開放位置に保持される。したがって、この開放位置において小扉の角度が最適になるように、係止孔やピンの位置などをあらかじめ設定することにより、商品収納部を最適な状態で安定して照明することができる。補充作業の終了後は、小扉を上記と反対方向にスライドさせて係止孔から外し、閉鎖した後に、メインドアが閉鎖される。この場合、オペレータなどが小扉を閉め忘れたときには、メインドアの閉鎖に伴い、その押圧部がピンの先端を押圧することにより、小扉がスライドして係止孔から外れ、その後、自重により下方に回動して閉鎖する。したがって、小扉を閉め忘れたときでも、これを確実に閉鎖できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図3は、第1実施形態による照明装置を組み込んだたばこの自動販売機を示している。この自動販売機1の基本的な構造は、図6に示した従来の自動販売機51と同じであり、販売機本体2と、これを開閉するメインドア3を備えている。
【0018】
販売機本体2は、前面が開放したボックス状のものであり、内部に商品収納部4が設けられている。商品収納部4は、上下4段(図1および図2には上側3段のみ図示)で左右8列(図3参照)の商品収納コラム5を備え、各商品収納コラム5に、同一銘柄の商品Sが積み重なった状態で収容される。また、各商品収納コラム5の下端部には払出機構6が設けられている。この払出機構6は、無端ベルトおよびその表面に突出するピンなどで構成されていて、販売待機時には、商品収納コラム5に収納された全商品Sを無端ベルト上に支持する一方、販売時には、無端ベルトが回転することにより、最下位の商品Sをピンで前方に押し出し、払い出すように構成されている。商品収納コラム5への商品Sの補充は、メインドア3を開放した状態で行われる。
【0019】
メインドア3は、販売機本体2の右端部に回動自在に取り付けられており、メインドア3の背面の右端部(図3および図4の左端部)には、これを開閉するバックプレート9が回動自在に取り付けられている。なお、以下の説明では、メインドア3およびバックプレート9を閉じた状態で自動販売機1を前方から見たときの右側を「右」、左側を「左」と統一して、説明するものとする。
【0020】
メインドア3の上部は、商品展示部7になっており、この商品展示部7は、メインドア3の前面の透明パネル8とバックプレート9とで画成される展示室10内に、商品Sを表示する複数の商品サンプル11を配置したものである。展示室10内にはさらに、商品サンプル11を照明する複数の蛍光灯12が設置され、各商品サンプル11の下側には、商品選択ボタン13が設けられている。蛍光灯12(照明器具)は、展示室10の最上部、および上側2つの商品選択ボタンの下側に計3本、それぞれ左右方向に延びるように配置されている。さらに、メインドア3の下部には、販売口15および販売口扉16が設けられている。
【0021】
バックプレート9は、商品サンプル11の交換や清掃を行えるようにするため、メインドア3に開閉自在に取り付けられており、また、その操作性を考慮して、メインドア3の回動基端と同じ側(右端側)を回動基端として、メインドア3に取り付けられている。また、バックプレート9の前面すなわち展示室10の背面は、塗装などにより、光反射性を有するように加工されていて、商品サンプル11を間接照明によっても照明できるようになっている。さらに、バックプレート9の背面には、複数のシュート14が、払出機構6に対応するように多段に設けられており、販売時に商品収納コラム5から払い出された商品Sは、これらのシュート14によって販売口15に導かれ、購入者は販売口扉16を開いて、商品Sを取り出す。ここまでの構成は、図6の従来の自動販売機51と同様である。
【0022】
本実施形態による照明装置21は、前述した蛍光灯12と、バックプレート9に形成された採光窓22と、この採光窓22を開閉する小扉23とを備えている。図2ないし図4に示すように、採光窓22は、バックプレート9の約半分の横幅の横長四角状の形状を有し、バックプレート9の回動基端側すなわち右側に寄った位置で且つ最も上側の蛍光灯12に近い高さに、形成されている。小扉23は、バックプレート9の背面に取り付けられ、バックプレート9に対して、左右方向にスライド自在であるとともに、上端部で回動自在になっている。小扉23の前面は、バックプレート9の前面と同様、光反射性を有するように加工されている。また、小扉23には、ピン24が右方に突出するように一体に設けられている。
【0023】
一方、図4に示すように、バックプレート9の右縦支持枠9aには、小扉23の付近の所定位置には、小扉23を開放位置に保持するための四角形の係止孔25が形成されている。また、販売機本体2の右側壁2aの係止孔25に対向する位置には、押圧ブロック26(押圧部)が固定されている。
【0024】
次に、上記構成の照明装置21の動作を説明する。この照明装置21では、常時は、小扉23が図4(b)に示す閉鎖位置にあって、採光窓22を閉鎖しているとともに、夜間には蛍光灯12が点灯される。この状態では、蛍光灯12の光が、商品サンプルSに直接、照射されると同時に、バックプレート9および閉鎖された小扉23の前面で反射した後に商品サンプルSを照射されることによって、商品Sを直接照明および間接照明によって照明する。
【0025】
また、夜間に商品収納部に商品Sを補充する場合には、図4(a)に示すように、メインドア3を開いて、商品収納コラム5を開放した後、小扉23を上方に回動させるとともにメインドア3の回動基端側にスライドさせて、小扉23のピン24をバックプレート9の係止孔25に係止させ、小扉23を開放位置に保持する。これにより、蛍光灯12の光、特に最も上の蛍光灯12の光が、開放された採光窓22を介して商品収納コラム5側に取り入れられ、これを照明する。したがって、夜間における商品収納コラム5への商品Sの補充作業を、容易に行うことができる。また、この開放位置において小扉23の角度が最適になるように、係止孔25やピン24の位置などをあらかじめ設定することにより、商品収納コラム5を最適な状態で安定して照明することができる。
【0026】
また、商品収納コラム5を照明するのに、通常の補充作業での操作に加えて、小扉23を開いて、係止孔25に係止させるだけでよいので、操作も簡単である。さらに、商品サンプル11を照明する蛍光灯12は、自動販売機に通常、設置されているものなので、このような既存の蛍光灯12を商品収納コラム5の照明に共用することで、設置コストや電力消費量をまったく増大させることなく、商品収納コラム5の照明を効率的に行うことができる。
【0027】
補充作業の終了後は、小扉23を上記と反対方向にスライドさせて係止孔15から外し、閉鎖した後に、メインドア3を閉鎖する。この場合、オペレータなどが小扉23を閉め忘れたときには、メインドア3の閉鎖に伴い、その押圧ブロック26がピン24の先端を押圧することにより、小扉23がスライドして係止孔25から外れ、その後、自重により下方に回動して閉鎖する。したがって、小扉23を閉め忘れたときでも、これを確実に閉鎖することができる。
【0028】
図5は、本発明の第2実施形態による照明装置を示している。この照明装置31では、採光窓32が、バックプレート9の上部に、その幅いっぱいに形成されているとともに、これを開閉する小窓33は、バックプレート9の背面に、その回動基端と反対側の端部、すなわち左端部を中心として、回動自在に取り付けられている。他の構成は、前述した第1実施形態による照明装置21と同様である。
【0029】
この照明装置31では、夜間における商品Sの補充作業は、同図に示すように、メインドア3を開放し、バックプレート9をメインドア3に対して開放し、さらに小扉33を開放した状態で行われる。この状態では、メインドア3、バックプレート9および小扉33の三者の角度の関係から、蛍光灯12(同図には図示せず)の光を商品収納コラム5に良好に導くことができる。また、蛍光灯12の光は、光反射を有する小扉33の前面で反射した後に、商品収納コラム5に導かれ、これを間接照明によっても照明する。したがって、商品収納コラム5を直接照明および間接照明によって、良好に照明することができる。
【0030】
なお、説明した実施形態では、バックプレート9は、メインドア3の回動基端と同じ側(右端側)に、回動自在に取り付けられているが、これを左右いずれの端を中心としても選択的に回動可能な構成としてもよい。この構成では、バックプレート9を、商品サンプル11の交換や清掃を行う場合には、その作業を容易にするために、メインドア3の回動基端と同じ側を中心に開閉する一方、夜間に商品Sの補充作業を行う場合には、蛍光灯12の光を、メインドア3とバックプレート9の間の隙間から商品収納コラム5に導くために、メインドア3の回動基端と反対側を中心に開閉でき、それにより、両実施形態で設けたような採光窓や小窓を省略することが可能になる。
【0031】
また、メインドア3の閉動作に連動して、小扉23を閉鎖させるための構成は、第1実施形態に示した以外の任意の適当な手段を採用することができる。さらに、実施形態は、本発明をたばこの自動販売機に適用した例であるが、他の商品を販売する自動販売機に本発明を広く適用できることはもちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明の自動販売機の照明装置は、専用の照明器具を設けることなく、簡単な操作で商品収納部を良好に照明でき、それにより、夜間における商品の補充作業を容易に行うことができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による照明装置を組み込んだ自動販売機の側断面図である。
【図2】図1の自動販売機を、小扉が閉鎖および開放されている状態で示す部分側断面図である。
【図3】自動販売機および照明装置の、夜間の商品補充作業時における状況を示す斜視図である。
【図4】照明装置の動作を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態による照明装置を組み込んだ自動販売機の、夜間の商品補充作業時における状況を示す斜視図である。
【図6】従来の自動販売機の側断面図である。
【符号の説明】
1 自動販売機
2 販売機本体
3 メインドア
4 商品収納部
7 商品展示部
9 バックプレート
11 商品サンプル
12 蛍光灯
21 照明装置
22 採光窓
23 小扉
24 ピン
25 係止孔
26 押圧ブロック
31 照明装置
32 採光窓
33 小扉
S 商品

Claims (2)

  1. 商品を収納する商品収納部が設けられた販売機本体と、商品サンプルを展示する商品展示部を有し、前記販売機本体にその前面を開閉するように回動自在に取り付けられたメインドアと、このメインドアの背面に取り付けられたバックプレートとを備えた自動販売機の照明装置であって、
    前記メインドアに設けられ、前記商品サンプルを照明する照明器具と、
    前記バックプレートに形成された採光窓と、
    前記バックプレートに取り付けられ、前記採光窓を開閉する小扉と、を備え
    当該小扉が、前記メインドアの閉動作に連動して、閉鎖するように構成されていることを特徴とする自動販売機の照明装置。
  2. 前記小扉は、前記バックプレートの背面に左右方向にスライド自在に且つ上端部を中心に回動自在に取り付けられるとともに、前記メインドアの回動基端側に向かって側方に突出するピンを備え、前記バックプレートに、前記小扉の前記ピンを係止することにより前記小扉を開放位置に保持する係止孔が形成され、前記メインドアには、前記係止孔に対向する位置に、当該メインドアを閉鎖するときに前記係止孔に係止された前記ピンの先端を押圧する押圧部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の自動販売機の照明装置。
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