JP3878915B2 - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体燃料燃焼装置に係り、更に詳しくは、気化筒内に供給される液体燃料をより確実に気化させることのできる液体燃料燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、給湯機等に用いられる液体燃料燃焼装置として、例えば、図10に示されるようなバーナー90が知られている。このバーナー90は、灯油等の液体燃料が燃焼する燃焼室91Aが内部に形成された燃焼盤91と、この燃焼盤91内の略中央に設けられた下向き開放型の気化筒92と、この気化筒92の内壁上に配置された略円筒状の金属繊維製のフェルトFと、前記気化筒92の下方に位置して当該気化筒92との間に微細な隙間S1を形成する飛散リング93と、この飛散リング93の回りに配置されて燃焼室91A内に二次空気を供給するための送気間隙Pを形成する送気案内リング94と、燃焼盤91を下方から支持するとともに、上部が開放する有底容器状に設けられて燃焼用空気室95Aを形成する燃焼用空気箱95と、この燃焼用空気箱95の図10中右端側から外側に向かって略水平方向に延びる空気供給路96を介して前記燃焼用空気室95Aに空気を供給する送風機98と、燃焼用空気室95Aに供給された空気を気化筒92内に案内する送風筒100と、前記送気案内リング94の下面側において当該送気案内リング94の周方向略90度間隔位置に配置された送気筒102と、前記送風筒100の上部内側に位置して気化筒92と共に回転する燃料拡散体103とを備えて構成されている。
【0003】
このバーナー90は、前記隙間S1から燃焼室91A内に飛散された液体燃料を着火して噴霧燃焼を行い、この噴霧燃焼の燃焼熱で気化筒92を加熱することで当該気化筒92内の液体燃料を気化する。この気化した燃料は、送風筒100の上端側と燃料拡散体102の下端側との間に形成された空気噴出通路104から気化筒92の内部に噴出された空気と混合される。当該混合気は、燃焼盤91の外側に設けられたガス室97を経て燃焼盤91の炎孔99から噴出され、この噴出された混合気が着火されて炎孔99の出口から燃焼盤91の内方に向かう火炎を形成することで気化燃焼が行われる。また、燃焼用空気室95Aに供給された空気は、送気筒102を通って前記送気間隙Pから二次空気として気化筒92回りの燃焼室91A内に供給される。
ところで、前記フェルトFを設けたのは次の理由による。すなわち、燃焼量(出力)の急変時等に、気化筒92温度が液体燃料の気化に対して過度に上昇する場合がある。このような場合、気化筒92内面と接触する液体燃料液滴の表面が瞬時に蒸発し、この液体燃料液滴が気化筒92内面から離れてしまい気化しなくなる現象を生ずる(いわゆるライデンフロスト現象)。従って、フェルトFは、気化筒92温度が過度に上昇した場合に、気化筒92内面から離れようとする液体燃料液滴を気化筒92内面近傍に保持し、確実に気化させようとして設けた部材ということができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなバーナー90にあっては、前記フェルトFが気化筒92の内壁面における一定領域をカバーした状態となるため、フェルト内で気化した燃料蒸気に対して空気が供給され難い状態となり、当該フェルト内の燃料蒸気が飽和状態に近づくこととなる。そのため、継続的に供給される液体燃料がフェルト内で蒸発し難くなり、確実な気化を達成すべくフェルトを設けているにもかかわらず、却って、燃料の気化が阻害される、という不都合がある。
また、前記フェルトFに灯油等の燃料が残留する傾向があり、燃焼装置を消火した後において灯油臭を強く残してしまうという不都合もある。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、気化筒の内壁上に耐熱繊維製の多数の空隙を有するシート、例えば金属繊維製のフェルトを配置しても、フェルト内に空気を導入することができ、この導入された空気でフェルト内の燃料蒸気を押し出せるようにし、当該フェルト内で燃料蒸気が飽和状態になることを防止して燃料の気化を阻害することなく液体燃料を確実に気化させて安定した燃焼を行うことができる液体燃料燃焼装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、燃焼室を形成する燃焼盤と、前記燃焼室内に配置された気化筒の下部に設けられて液体燃料を燃焼室内に飛散させる飛散リングと、前記気化筒の内壁に添設された耐熱繊維製の多数の空隙部を有するシートと、前記飛散リングとの間に送気間隙を形成するように配置された送気案内リングの下面側に空気を供給する送気通路とを備え、前記気化筒と飛散リングとの間の隙間から燃焼室に飛散された液体燃料を着火して噴霧燃焼を行い、この噴霧燃焼の燃焼熱で気化筒を加熱することで当該気化筒内に供給される液体燃料を気化し、当該気化した燃料を前記燃焼盤に形成された炎孔から噴出させて気化燃焼を行う液体燃料燃焼装置において、
前記シートに開口設けられ、当該シートは、前記気化筒の内側に位置する押さえ部材の外周側に巻装されて気化筒との間にサンドイッチされている、という構成を採っている。このような構成とすることにより、前記開口の端部からシート内に空気を導入することができるようになる。従って、シート内に導入された空気が当該シート内の燃料蒸気を押し出すようになり、燃料蒸気がシート内で飽和状態になることが防止される。これにより、シートを設けても燃料の気化が阻害されることなく液体燃料が確実に気化して安定した燃焼を行うことが可能となる。しかも、前記シートに灯油等の燃料が残留する傾向も解消されるので、燃焼装置を消火した後において灯油臭を強く残してしまうこともない。また、シートの位置を一定に保つことができ、気化筒内壁面との相対的な位置ずれを防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記シートは、前記気化筒と飛散リングとの隙間を覆わない位置に設けられる、という構成を採っている。このような位置にシートを設けると、気化筒と飛散リングとの間の隙間の通気性が良好に維持されるようになり、前記隙間にタール状の物質が溜まってしまうようなことが無くなり、臭いの発生源を形成するような不都合を未然に防止することが可能となる。
【0008】
また、前記シートは、前記気化筒と飛散リングとの隙間から5mm以上離れた位置に設けることが好ましい。これにより、隙間にタール状の物質が溜まってしまう不都合を一層効果的に回避することができ、且つ、シートを配置することの効果も併せて発揮させることができる。
【0009】
更に、前記押さえ部材は前記飛散リングに固定することが好ましく、これにより、気化筒の構造を複雑にすることがなくなり、組み立ても容易に行うことができる。
また前記シートにおける開口の開口率は20パーセント以上とすることが好ましい。
【0010】
また、前記押さえ部材は周方向に沿って所定間隔を隔てて形成された上下複数列の穴を備え、前記気化筒と飛散リングとの隙間に近い列の穴の少なくとも一部は、他の穴よりも大きく設けられる、という構成を採っている。これにより、炎孔に向かう空気の流通量が少なくなるようなことを防止でき、炎孔から燃焼室内に形成される火炎の状態を良好に保つことができる。
【0011】
なお、本明細書において、「噴霧燃焼」とは、液体燃料を着火することによって行われる燃焼を意味し、「気化燃焼」とは、気化した液体燃焼を空気と混合することにより得られる混合気を着火することによって行われる燃焼を意味する。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1には、本実施例に係る液体燃料燃焼装置としてのバーナーの概略平面図が示され、図2には、図1に対して部品を一部取り外した状態のバーナーの概略平面図が示されている。また、図3には、図1のA−A線矢視概略端面図が示され、図4には、図3の一部を拡大した断面図が示されている。これらの図において、バーナー10は、平面視で略正方形となる燃焼室11を含む上部構成体12と、この上部構成体12を下方から支持するとともに、上部が開放する有底容器状をなす燃焼用空気箱13(図3,図4参照)と、この燃焼用空気箱13内の燃焼用空気室13Aに空気を供給する送風機14とを備えて構成されている。
【0014】
前記上部構成体12は、図4に示されるように、外側に位置する有底略角筒状の燃焼室外筒15と、この燃焼室外筒15の内側に設けられた有底略角筒状の燃焼盤16と、当該燃焼盤16の内側略中央に位置するとともに、灯油等の液体燃料を気化して空気との混合気を形成する混合気形成手段18と、当該混合気形成手段18の下部側に設けられるとともに、燃焼室11内に前記燃焼用空気室13Aからの空気を導入する空気導入部19とを備えて構成されている。なお、本実施例では、燃焼盤16と混合気形成手段18との間に形成される空間が前記燃焼室11となっている。
【0015】
前記燃焼室外筒15は、平面視で略正方形の外形を有する底壁15Aと、この底壁15Aの外周から上方に起立する四辺の側壁15Bとからなる。底壁15Aには、略中央領域に第1中央貫通穴21が形成されているとともに、この第1中央貫通穴21の周方向に沿う複数箇所、本実施例では周方向略90度間隔位置に第1中央貫通穴21よりも小径の第1外側貫通穴22が形成されている。
【0016】
前記燃焼盤16は、燃焼室外筒15の内方に隙間を隔てて配置されており、当該隙間によって前記混合気形成手段18で形成された混合気を通過させるガス室24が形成されている。また、燃焼盤16は、平面視で略正方形の外形を有する底壁16Aと、この底壁16Aの外周から上方に起立する四辺の側壁16Bとにより構成されている。底壁16Aの中央部には、前記第1中央貫通穴21と第1外側貫通穴22の各上方に第2中央貫通穴26と第2外側貫通穴27がそれぞれ形成されている。また、側壁16Bには、前記ガス室24からの混合気を燃焼室11内に噴出可能とする多数の炎孔29が形成されているとともに、当該側壁16Bの上部に筒状部材33が設けられている。この筒状部材33は、内外二重壁構造とされ、その間が空気室35として構成されている。この空気室35は、送風機14(図3参照)からの空気を一部バイパスさせる空気連通路34の一端(上端)が連通されており、空気室35の上部に形成された送気孔37から空気を上方に噴出することで、筒状部材33の上方に設けられる図示しない熱交換体の壁面の結露等を防止するようになっている。
【0017】
前記混合気形成手段18は、図4及び図5に示されるように、下部が開放する釣鐘型の気化筒39と、この気化筒39の下端との間に微細な隙間S1を隔てて配置される飛散リング40と、気化筒39の内壁39Bに添設された多数の空隙部を有する耐熱金属繊維製のシートとしてのフェルトFと、飛散リング40の内周側に位置してフェルトFを気化筒39との間にサンドイッチする押さえ部材51と、前記飛散リング40の下面側に設けられたスカートリング53と、前記第1中央貫通穴21の形成縁領域に支持されるとともに、上端側が気化筒39側に開放する一方、下端側が燃焼用空気室13A側に開放する略円筒状の送風筒41と、この送風筒41の上方に位置する燃料拡散体42と、この燃焼拡散体42に液体燃料を供給する燃料供給管44とにより構成されている。この気化筒39は、18重量%のクロムと3重量%のアルミニウムと0.1重量%のチタンまたはニオブを含む低炭素耐熱鋼のSUH21によって作られており、外面を直接火炎により加熱されながら、内面に硫黄を含む腐食性の液体燃料が供給されても、腐食されることがない。
【0018】
前記フェルトFは、耐食性の高い、18重量%のクロムと10重量%のニッケルと3重量%のモリブデンを含むステンレス鋼であるAISI316Lの線材を束ねて伸線して製造した線径12μmの繊維をニードリング加工により、フェルト状のシートとした物を用いている。図6に示されるように、取り付け前の段階では、同一平面内で面状に延びる細長い帯状をなし、その長手方向に沿って略等間隔を隔てた略方形の開口52が設けられたものが採用されている。このフェルトFの上下幅は、特に限定されるものではないが、本実施例では、25mm程度とされ、また、開口52の開口率は、20%以上とすることが好ましい。開口率を20%以上とすることでフェルト内の通気効果を更に高めることができるためである。このフェルトFは、長手方向両端部領域が重なり合うように閉ループ形状(図7参照)にされ、この状態で押さえ部材51の外周側に巻装されて、端部をステンレス鋼のステープラーの針によって固定した後、気化筒39の内壁39Bとの間にサンドイッチされるようになっている。
【0019】
前記押さえ部材51は12重量%のクロムと0.1重量%のチタンを含む低炭素耐熱鋼であるSUH409L製の板を用いたプレス成形品により構成されている。具体的には、図8の展開図に示されるように、仮想中心に対して略同心円上に位置する上縁55A及び下縁55Bを備えた帯状の本体面55と、この本体面55の面内に設けられた略方形の上列の穴56及び下列の穴57,57Aと、下縁55Bの四箇所から垂下して前記飛散リング40の内周起立面40A(図5参照)の外周面側に溶接等の手段で固定される垂下連結面55Cとを備えて構成されている。上縁55A及び下縁55Bには、押さえ部材51を組み立てたときに外側に折り曲げられてフェルトFの上下両端を部分的に支える複数の爪片58,59が形成されているとともに、上列の穴56の上部形成縁にはフェルトFの上端部側面内に突き刺さる爪片60が形成されている。垂下連結面55Cの直近上方、すなわち、気化筒39と飛散リング40との間の隙間S1に近い列となる下列の穴57Aは、他の穴56,57よりも大きな開口面積となるように若干縦長に形成されており、その下部形成縁には前記爪片59と略同一高さに位置してフェルトFの下端を部分的に支える爪片62が形成されている。また、図8中右端上部には連結用突片65が設けられているとともに、当該連結用突片65の基部側に連結穴66が形成され、この連結穴66に図8中左端上部の連結爪68を挿入することによって、全体的に気化筒39の内壁39B面に略沿う外形に組み立てできるようになっている。
【0020】
前記押さえ部材51とフェルトFは、図7に示されるように、それぞれを閉ループ状にした状態で、フェルトFが押さえ部材51の外周側に巻装される。この際、押さえ部材51は、周方向略90度間隔を隔てて位置する垂下連結面55Cが飛散リング40の内周起立面40Aにスポット溶接で固定され、これにより、気化筒39を上方から被せて配置したときに、フェルトFが押さえ部材51と気化筒39との間にサンドイッチされる状態となる。なお、フェルトFは、前記隙間S1を覆うことがないように、下端位置が気化筒39と飛散リング40との間の隙間S1から5mm以上離れた上方位置に設けられている。従って、隙間S1の流通性が維持される結果、当該隙間S1内にタール状の物質が溜まることも防止可能となる。
【0021】
前記燃料拡散体42は、上下両側が開放する略円筒状の側部42Aと、この側部42Aの上端に連なる外向きのフランジ部42Bと、側部42Aの下端側に連なるとともに、反転フック状に設けられて燃料供給管44からの液体燃料を受け取り可能な受け部42Cと、フランジ部42Bの上面側に微小な隙間S2を隔てて固定される頂部42Dとからなる。気化筒39及び燃料拡散体42は、その中央部に位置する共通の回転軸46によって支持されており、当該回転軸46を出力軸とするモータ47の駆動によって一体回転可能に設けられている。この際、燃料拡散体42の受け部42Cに供給された液体燃料は、回転に伴う遠心力によって、前記隙間S2から気化筒39の内壁39B上部に向かって噴出するようになっている。
【0022】
前記燃焼室11内に空気を送り込むための空気導入部19は、前記第1及び第2外側貫通穴22,27間を連結する送気筒49と、この送気筒49の上端開放側と飛散リング40との間に設けられて当該飛散リング40との間に送気間隙Pを形成可能な送気案内リング50とにより構成されている。空気導入部19は、前記送風機14から燃焼用空気室13Aを通過した空気が送気筒49によって形成される送気通路49Aを通って送気間隙Pから燃焼室11内に供給可能となっている。
【0023】
前記送風機14は、ここでは詳細構造を省略するが、図示しないモータの駆動によってファンF(図3参照)が回転し、燃焼用空気箱13の内部に形成された燃焼用空気室13Aに直接送り込めるようになっている。なお、送風機14としては、軸流式、遠心式、斜流式、或いは横流式のもの等を採用することができる。また、本実施例においては、ファンF及び気化筒39を別個のモータで回転させる構造となっているが、共通のモータによってファンF及び気化筒39を回転させてもよい。
【0024】
次に、前記バーナー10の燃焼動作について図4を参照しながら説明する。
【0025】
先ず、図示しないスイッチを投入すると、送風機14とモータ47が同時に作動する。送風機14が作動することにより、当該送風機14から燃焼用空気室13Aを経由した空気が、送風筒41の内部を通って気化筒39内に供給されるとともに、前記送気通路49A及び送気間隙Pを通って燃焼室11内に供給される。一方、モータ47が作動することにより、気化筒39及び燃料拡散体42が同時に回転する。そして、燃料供給管44から燃料拡散体42の受け部42Cに灯油等の液体燃料が供給される。この液体燃料は、燃料拡散体42の回転によって燃料拡散体42に形成された微細な隙間S2から気化筒39の内壁39Bに向かって噴出され、更に、気化筒39と飛散リング40との間に形成された隙間S1から燃焼室11内に飛散される。この飛散された液体燃料は、燃焼室11内に延びるイグナイター等の点火装置(図示省略)の火花によって着火され、噴霧燃焼が開始する。
【0026】
噴霧燃焼が開始されると、その燃焼熱によって気化筒39が加熱され、気化筒39の内壁39Bに噴出された液体燃料が気化する。そして、当該気化した燃料は、気化筒39の内部に供給された空気と混合して混合気となり、当該混合気がガス室24を通って燃焼盤16の各炎孔29から燃焼室11内に噴出され、気化燃焼が行われる。
【0027】
前記気化燃焼に際し、気化筒39の内壁39Bに沿って下方に流れる空気は、押さえ部材51の穴56,57,57A及びフェルトFの開口52が相互に重なり合う領域において、前記開口52の端部よりフェルトF内に導入され、当該導入された空気がフェルトF内の燃料蒸気を押し出すように作用する。従って、フェルトF内で燃料蒸気が飽和状態になることはなく、燃料の気化が阻害されずに液体燃料の確実なる気化が実現される。また、押さえ部材51には、穴56,57,57Aが形成されているため、気化筒39の過加熱を防止しつつ、ガス室24に向かう混合気の流通量を十分に確保することとなる。
【0028】
従って、このような実施例によれば、フェルトFに開口52を形成したことで、従来タイプのフェルトに比べ、フェルト内への空気導入が円滑に行われるようになり、気化筒39の内壁39Bに空気が接触する面積若しくは領域を確保することができるとともに、適正な気化状態を得ることができる、という効果を得る。
【0029】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、位置、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、位置などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、位置などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0030】
例えば、前記実施例では、耐熱繊維製のシートとして金属繊維製の多数の空隙部を有するフェルトFを採用したが、耐熱性を備えている限り、他の物質からなる繊維を採用することもできる。また、フェルトFの開口52及び押さえ部材51の穴56,57,57Aは方形に限らず、円形、楕円形、多角形の他、スロット溝形状等に変更してもよい。また、これらの穴を等大、等間隔にする必要もなく、種々の形状を混在させることも可能である。要するに、本発明は、フェルトF内で燃料蒸気の飽和状態になることを回避して適正な気化が実現でき、且つ、気化筒39の過加熱を防止することができるものであればよい。また、押さえ部材51は、フェルトFを支持できればよく、図示構成例に限定されるものではない。
【0031】
更に、前記実施例では、平面視で略正方形状をなす燃焼室11を備えたバーナー10について図示、説明したが、平面視において略円形となる燃焼室を備えたバーナーや、略長方形状等の他の多角形状燃焼室を備えたバーナーについても適用可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多数の空隙部を有する耐熱繊維製のシートに開口部を設けたから、当該開口の端部から空気をシート内に導入できるようになり、シート内での燃料蒸気の飽和状態を回避して適正な気化を実現することができる。また、開口領域にて気化筒の内壁面に空気を接触させて気化筒の過加熱も抑制できる、という従来にない優れた効果を奏する液体燃料燃焼装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係るバーナーの概略平面図。
【図2】 図1に対して気化筒及び飛散リングを外した状態のバーナーの概略平面図。
【図3】 図1のA−A線矢視概略端面図。
【図4】 図3の一部拡大断面図。
【図5】 フェルトを装着した気化筒領域の拡大断面図。
【図6】 フェルトの拡大展開図。
【図7】 フェルトと押さえ部材の分解斜視図。
【図8】 押さえ部材の拡大展開図。
【図9】 押さえ部材にフェルトが装着された状態の概略斜視図。
【図10】 従来のバーナーを示す図3と同様の概略端面図。
【符号の説明】
10…バーナー(液体燃料燃焼装置)、11…燃焼室、16…燃焼盤、16B…側壁、29…炎孔、39…気化筒、40…飛散リング、49A…送気通路、50…送気案内リング、51…押さえ部材、52…開口、66,57,57A…穴、F…フェルト(耐熱繊維製のシート)P…送気間隙、S1…隙間、S2…隙間

Claims (6)

  1. 燃焼室を形成する燃焼盤と、前記燃焼室内に配置された気化筒の下部に設けられて液体燃料を燃焼室内に飛散させる飛散リングと、前記気化筒の内壁に添設された耐熱繊維製の多数の空隙部を有するシートと、前記飛散リングとの間に送気間隙を形成するように配置された送気案内リングの下面側に空気を供給する送気通路とを備え、前記気化筒と飛散リングとの間の隙間から燃焼室に飛散された液体燃料を着火して噴霧燃焼を行い、この噴霧燃焼の燃焼熱で気化筒を加熱することで当該気化筒内に供給される液体燃料を気化し、当該気化した燃料を前記燃焼盤に形成された炎孔から噴出させて気化燃焼を行う液体燃料燃焼装置において、
    前記シートに開口設けられ、当該シートは、前記気化筒の内側に位置する押さえ部材の外周側に巻装されて気化筒との間にサンドイッチされていることを特徴とする液体燃料燃焼装置。
  2. 前記シートは、前記気化筒と飛散リングとの隙間を覆わない位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体燃料燃焼装置。
  3. 前記シートは、前記気化筒と飛散リングとの隙間から5mm以上離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体燃料燃焼装置。
  4. 前記シートにおける開口の開口率は20パーセント以上であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の液体燃料燃焼装置。
  5. 前記押さえ部材は前記飛散リングに固定されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の液体燃料燃焼装置。
  6. 前記押さえ部材は周方向に沿って所定間隔を隔てて形成された上下複数列の穴を備え、前記気化筒と飛散リングとの隙間に近い列の穴の少なくとも一部は、他の穴よりも大きく設けられていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の液体燃料燃焼装置。
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