JP3878665B2 - デフロスタダクト構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、窓ガラスに空気流を当てて、窓ガラスの曇りを防止するデフロスタのダクトに関し、特にガーニッシュの裏面にエアガイドを接合する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のデザイン上、フロントピラーの付け根部に三角形状のガラスを嵌め込んで視界を広くした構造を採用した車両がある。
この三角形状のガラスが曇るとせっかくの視界が悪くなるので、この三角形状のガラスに室内から空気流を当てて曇りを防止することが行われている。
【0003】
すなわち、図7に示すように、傾斜するフロントピラー40の途中から分岐して垂直なディビジョンバー41との間の三角形のコーナ窓ガラス42の近傍に、インストルメントパネル50から連続して表面がインストルメントパネル50と同意匠のガーニッシュ720が設けられ、このガーニッシュ720にコーナ窓ガラス42の面と平行に空気を吹出す通気口7211が設けられている。
ガーニッシュ720の裏面には、インストルメントパネル50の下面のダクトから送られてくる空気を前記通気口7211に導くエアガイド730が取り付けられている。
なお、図8にはガーニッシュ720の、図9にはエアガイド730のそれぞれ斜視図を示す。
【0004】
ところで、ガーニッシュ720の裏面とエアガイド730との取り付けは、その取付部から空気が漏れないように密着している必要がある。
具体的には、図10の断面図に示すように、従来は、ガーニッシュ720の裏面に当接するエアガイド730の縦壁732の上端をL字状に成形してフランジ7323を形成し、このフランジ7323の上面とガーニッシュ720の裏面との間にウレタン発泡材によるシール材756を張り付けて空気の漏れを遮断していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、シール材756を貼り付けるシール構造では、別にシール材が必要となり、部品コスト、貼り付け工数などがかかりコスト高になる。
シール材756は、ガーニッシュ720やエアガイド730と材質が異なるため、リサイクル時の解体工数がかかり、リサイクルが困難となる等の問題が生じていた。
また、ガーニッシュ720とエアガイド730とを一体成形することも考えられるが、形状が複雑となり、成形型、成形工数がかかり、容易ではなかった。
このため、ガーニッシュ裏面とエアガイドに個別の取付部を設けてその個別の取付部同士を振動溶着手段などで接合する必要があった。
しかし、この取付構造では取付部が点在して設けられるため、エアガイドの縦壁全周をガーニッシュ裏面に当接しても取付部の近傍は当接するが、離れた部位は隙間が発生し易かった。
【0006】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、ガーニッシュ裏面にエアガイドをシール材等の別部品を介在することなく密着させるデフロスタダクト構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るデフロスタダクト構造は、車両の窓ガラスに空気流を当てて該窓ガラスの曇りを防止するデフロスタに用いるダクトであって、空気を吹き出す通気口を有するガーニッシュと、該ガーニッシュの裏面に取り付けられ、該ガーニッシュとともに通気口に空気を送るダクトを形成するエアガイドとからなるデフロスタダクトにおいて、前記ガーニッシュの裏面に、前記エアガイドの外形形状に合致する一連の突条を設け、前記エアガイドは、上部に向けて開口する底壁と縦壁からなるU字型断面に形成し、該U字型断面の両側の縦壁の上部先端に、上部に向けて開口するコ字型断面の連続する凹溝を設け、該凹溝に前記ガーニッシュの突条を嵌合させるとともに、該凹溝の外側のフランジをL字状に延在して、その上面を前記ガーニッシュの裏面に当接させて前記エアガイドを前記ガーニッシュの裏面に接合したことを特徴とする。
【0008】
よって、ガーニッシュの裏面に設けた一連の突条が、エアガイドの縦壁の先端に設けた凹溝に嵌合して、これら突条と凹溝が隙間を埋めるため、エアガイド内に導入された空気をエアガイド外に漏らすことがなく、空気をガラスに確実に当てることができる。
【0009】
また、エアガイドに設けた凹溝の外側のL字状のフランジがガーニッシュ裏面に広い面積で当接するので、この当接面で漏れてきた空気を再び遮断するとともに、ガーニッシュとエアガイドからなるダクトの剛性を高めることができる。
【0010】
また、本発明に係るデフロスタダクト構造は、前記ガーニッシュの裏面に設けた突条の一部分を下方に延長し、その先端を鉤条とした突起を複数箇所形成し、前記エアガイドの凹溝の底部に、前記鉤条の突起に対応させて鉤条の突起が挿通可能な貫通孔を設け、該貫通孔に前記鉤条の突起を係合することにより、ガーニッシュとエアガイドとを接合したことを特徴とする。
よって、エアガイドに導入される空気の漏れを遮断する突条と凹溝を利用して、凹溝に設けた貫通孔に突条の一部を鉤条にした突起を挿通して係合したので、シール材による接着や振動溶着を必要とせず、安価なデフロスタダクトが構成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るデフロスタダクト構造の一の実施の形態について図面を参照して以下に説明する。本実施の形態のデフロスタダクト構造は、インストルメントパネル横のコーナ窓ガラス近傍に設けられたものである。
ここで、図1は、コーナ窓ガラス近傍を示した斜視図であり、図2は、ガーニッシュ、図3はエアガイドを示す斜視図である。
【0012】
(構成)
本発明に係るデフロスタダクトの構成について説明する。本発明に係るデフロスタダクトは、図1に示すように、フロントピラー40の付け根部でその傾斜した延長部分と垂直に分かれるディビジョンバー41との間に取り付けられた三角形状のコーナ窓ガラス42の下端と、インストルメントパネル50の端部との間に設けられ、表面21がインストルメントパネル50の表面と同一面となるように取り付けられたガーニッシュ20と、該ガーニッシュ20の裏面22に取り付けられたエアガイド30とから構成されている。
【0013】
ガーニッシュ20は、図2に示すように、インストルメントパネル50と同一の材料であるポリプロピレン樹脂を射出成形したほぼ台形状の成形品で、前記コーナ窓ガラス42の近傍で該コーナ窓ガラス42と平行に複数の通気口211が空けられている。
ガーニッシュ20の裏面22には、通気口211を囲んで扇形状に連続した一連の突状221が下向きに設けられている。この突状221は後述するエアガイド30の外形形状に合致するように設定されている。
【0014】
また、突状221の所要箇所には、図6の断面図に示すように、ガーニッシュ20とエアガイド30とを接合するための複数の鉤状の突起23が形成されている。
鉤状の突起23は、突状221の一部を所定幅で延長し、下向きの傾斜面231と、この傾斜面231に連続する垂直面232と、この垂直面232に連続し突状221の内側面2211に向かう傾斜面233とで、外側に向けて突出する形状に形成されている。
【0015】
つぎに、エアガイド30は、図3に示すように、底壁31と、底壁31の周縁に立ち上がる縦壁32とからなり、先端が扇形に広がり、この扇形の付け根部34が左右平行な縦壁32でU字状断面となるように、ガーニッシュ20と同一材料で成形されたものである。
そして、縦壁32の上端は、図5に示すように、該縦壁32の外面とその外側のフランジ321との間で上部に向けて開口するコ字型断面の凹溝322が形成され、該フランジ321の上端をL字状に形成してフランジ323を設けている。
【0016】
そして、前記ガーニッシュ20の裏面22に設けた突条221を、前記エアガイド30の縦壁32の先端に設けた凹溝322に、前記突条221の内側面2211が凹溝322内で縦壁32の外面に密着するように挿入し、このとき、突条221の所用箇所に設けた鉤状の突起23を凹溝322の底部に設けた貫通孔33に貫通させて、図6に示すように、鉤状の突起23の下向き傾斜面231が貫通孔33の開口縁と噛み合うことにより、ガーニッシュ20とエアガイド30を接合してデフロスタダクト10が構成される。
【0017】
上記のように構成されたデフロスタダクト10の、前記エアガイド30の扇形の付け根部34に設けた開口部341に、図4に示すように、インストルメントパネル50の下面に設置されたメインダクト55が接続され、その接続部周囲をシール材56によりシールしている。
【0018】
(作用)
次に、以上のように構成したデフロスタダクト10の作用について説明する。
車両の空調装置を運転してインストルメントパネル50の下面に設置されたメインダクト55に空気を供給すると、該メインダクト55に接続されたデフロスタダクト10に空気が導入される。
すると、導入された空気は、コーナ窓ガラス42の面に平行に設けられたガーニッシュ20の通気口211から室内に吹き出し、コーナ窓ガラス42にこの空気流が当接して、車両の室内の温度より外気温が低くかったり、室内の湿度が高かった場合のコーナ窓ガラス42の曇りを除去し、視界を維持する。
【0019】
デフロスタダクト10に導入された空気は、通気口211から吹き出すだけではなく、ガーニッシュ20とエアガイド30の接合部、すなわちガーニッシュ20の裏面22の突条221とエアガイド30の凹溝322との接合部から漏れようとするが、突条221の内側面2211と凹溝322内の縦壁32の外面とが密着状態で接合されるているので、シール材を用いなくても空気の漏れは発生しない。
【0020】
また、前記突条221を前記凹溝322に嵌合すると、該凹溝322の外側のフランジ323の上面がガーニッシュ20の裏面22に比較的広い面積で当接し、平面形状に近いガーニッシュ20の剛性を高め、かつ、前記接合部を漏れた空気を二重に遮断する。
【0021】
このように、本実施の形態のデフロスタダクト10は、ガーニッシュ20の裏面22に下向きに連続する一連の突条221を設け、一方、エアガイド30の縦壁32の先端にコ字型断面の連続する凹溝322を設け、該突条221を凹溝322内に嵌合させて、突条221の内側面2211が縦壁32の外側面と密着するように接合したので、シール材等を介在することなく、密閉性がよく、部品点数の少ないリサイクル可能なデフロスタダクトを提供することが可能となった。
【0022】
なお、本発明は前記実施の形態のものに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施の形態では、コーナ窓ガラスに空気流を吹き出すデフロスタダクトの例を示したが、これに限られず、ドアガラスのバックミラーの視認範囲の曇りを防止するように、ドアトリムの上端に設けることも可能である。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、車両の窓ガラスに空気流を当てて該窓ガラスの曇りを防止するデフロスタに用いるダクトであって、空気を吹き出す通気口を有するガーニッシュと、該ガーニッシュの裏面に取り付けられ、該ガーニッシュとともに通気口に空気を送るダクトを形成するエアガイドとからなるデフロスタダクトにおいて、前記ガーニッシュの裏面に、前記エアガイドの外形形状に合致する一連の突条を設け、前記エアガイドは、上部に向けて開口する底壁と縦壁からなるU字型断面に形成し、該U字型断面の両側の縦壁の上部先端に、上部に向けて開口するコ字型断面の連続する凹溝を設け、該凹溝に前記ガーニッシュの突条を嵌合させるとともに、該凹溝の外側のフランジをL字状に延在して、その上面を前記ガーニッシュの裏面に当接させて前記エアガイドを前記ガーニッシュの裏面に接合するように構成したので、シール材等他の材料を使用することなく、気密性が良く、部品点数が少なく、リサイクル可能なデフロスタダクトを得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一の実施の形態に係るデフロスタダクトを設置するコーナ窓ガラス近傍を示した斜視図である。
【図2】 本発明の一の実施の形態に係るデフロスタダクトを構成するガーニッシュを示す斜視図である。
【図3】 本発明の一の実施の形態に係るデフロスタダクトを構成するエアガイドを示す斜視図である。
【図4】 本発明の一の実施の形態に係るデフロスタダクトの正面断面図である。
【図5】 本発明の一の実施の形態に係るデフロスタダクトのシール部を示す拡大断面図である。
【図6】 本発明の一の実施の形態に係るデフロスタダクトの契合部を示す拡大断面図である。
【図7】 従来のデフロスタダクトを設置するコーナ窓ガラス近傍を示した斜視図である。
【図8】 従来のデフロスタダクトを構成するガーニッシュを示す斜視図である。
【図9】 従来のデフロスタダクトを構成するエアガイドを示す斜視図である。
【図10】 従来のデフロスタダクトのガーニッシュとエアガイドの接合部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 デフロスタダクト
20 ガーニッシュ
211 通気口
221 突条
23 鉤状の突起
30 エアガイド
31 底壁
32 縦壁
322 凹溝
33 貫通孔
42 コーナ窓ガラス
Claims (2)
- 車両の窓ガラスに空気流を当てて該窓ガラスの曇りを防止するデフロスタに用いるダクトであって、空気を吹き出す通気口を有するガーニッシュと、該ガーニッシュの裏面に取り付けられ、該ガーニッシュとともに通気口に空気を送るダクトを形成するエアガイドとからなるデフロスタダクトにおいて、
前記ガーニッシュの裏面に、前記エアガイドの外形形状に合致する一連の突条を設け、
前記エアガイドは、上部に向けて開口する底壁と縦壁からなるU字型断面に形成し、該U字型断面の両側の縦壁の上部先端に、上部に向けて開口するコ字型断面の連続する凹溝を設け、
該凹溝に前記ガーニッシュの突条を嵌合させるとともに、該凹溝の外側のフランジをL字状に延在して、その上面を前記ガーニッシュの裏面に当接させて前記エアガイドを前記ガーニッシュの裏面に接合したことを特徴とするデフロスタダクト構造。 - 請求項1に記載のデフロスタダクト構造において、
前記ガーニッシュの裏面に設けた突条の一部分を下方に延長し、その先端を鉤条とした突起を複数箇所形成し、
前記エアガイドの凹溝の底部に、前記鉤条の突起に対応させて鉤条の突起が挿通可能な貫通孔を設け、
該貫通孔に前記鉤条の突起を係合することにより、ガーニッシュとエアガイドとを接合したことを特徴とするデフロスタダクト構造。
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