JP3878527B2 - プリント基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、バンプ方式のチップ実装部を有する、フレキシブルプリント基板などのプリント基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、バンプ方式のチップ実装部を有するプリント基板においては、上記チップ実装部に実装したチップを作動時の発熱から保護するための放熱板として、またとくにフレキシブルプリント基板において、上記チップを曲げ応力から保護するための補強板として、基板の、チップ実装部の裏面に、接着剤層を介して金属板を接着するのが一般的である(例えば特開2001−053410号公報)。
【0003】
また接着剤層を形成する接着剤としては、熱伝導性を高めるために粉末状の熱伝導成分、具体的には金属粉末を配合したものが使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、信号処理の高速化に対応して、チップの消費電力が増加する傾向にあり、それに伴ってチップの発熱量が増加する傾向にある。
ところが、従来の接着剤を用いて金属板を接着したプリント基板では、かかる発熱量の増加に十分に対応することができず、チップの温度上昇による誤動作や破損などを十分に防止できなくなりつつあるのが現状である。
【0005】
これは、従来の接着剤に配合される金属粉末が、粒状や薄片状などのアスペクト比の小さい形状を有するためである。
すなわち金属板の、放熱板としての機能を十分に発揮させるべく、接着剤層の熱伝導性を高めようとすると、金属粉末同士の接触点数を増やす必要があるが、上記のようにアスペクト比の小さい形状を有する金属粉末を用いた場合には、当該金属粉末を、接着剤中に多量に配合しなければならない。
【0006】
ところが、金属粉末の配合量を多くすればするほど、相対的に、接着剤の接着性を担う成分(主に樹脂)の割合が少なくなって、接着剤層の接着力が低下するため、例えばフレキシブルプリント基板では、チップ実装部に曲げ応力が加わった際に金属板が簡単にはく離、脱落してしまって補強板としての用をなさなくなるといった問題を生じる。また金属板が脱落してしまえば、当然ながらチップの冷却もできなくなるため、温度上昇による誤動作や破損などを全く防止できなくなるという問題も生じる。
【0007】
このため従来は、接着剤層の接着力をある程度の範囲で確保するために、接着剤中に配合できる金属粉末の量が限られてしまうため、更なる発熱量の増加に十分に対応できなくなりつつあるのである。
この発明の目的は、金属板をより強固に、しかもこれまでよりも高い熱伝導性でもって接着してなり、当該金属板の、放熱板および補強板としての機能を十二分に発揮させることが可能な新規なプリント基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、基板の表面に、多数の導体回路からなる、バンプ方式のチップ実装部を有するとともに、基板の、上記チップ実装部の裏面に、金属板を、鎖状の金属粉末を含む接着剤の層を介して接着したプリント基板であって、鎖状の金属粉末として、微細な金属粒が多数、鎖状に繋がった形状を有するものを用いるとともに、当該鎖状の金属粉末、またはこの金属粉末を形成する個々の金属粒を、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種以上の金属の合金、強磁性を有する金属と他の金属との合金、もしくは強磁性を有する金属を含む複合体にて形成したことを特徴とするプリント基板である。
請求項1の構成において接着剤層の熱伝導成分として用いる金属粉末は、上記のようにアスペクト比の高い鎖状に形成されており、従来の、粒状のものなどに比べて、接着剤層中で互いに接触する機会が著しく増加する。
【0009】
このため鎖状の金属粉末を用いると、従来に比べてより少ない配合量で、それゆえ接着剤層の接着力を十分に高いレベルに維持しつつ、なおかつ接着剤層の熱伝導性をこれまでよりも高めることができる。
また、後述する還元析出法などによって、強磁性を有する金属を含む、サブミクロンオーダーの微細な金属粒を析出させると、当該金属粒が、単結晶構造か、もしくはそれに近い構造に形成されるため、単純に2極に分極する。そして多数個が互いに鎖状に繋がることで、鎖状の金属粉末が自動的に形成される。
よって、鎖状の金属粉末の製造が容易であり、接着剤の生産効率の向上やコストダウン、ひいてはプリント基板のコストダウンが可能となる。
【0010】
また上記金属粉末としては、多数の微細な金属粒が単に磁力によって鎖状に繋がったものから、繋がった金属粒の周囲にさらに金属層が析出して金属粒間が強固に結合されたものまで種々の構造を有するものが含まれるが、このいずれのものにおいても、基本的に金属粒は磁力を保持している。
このため、例えば接着剤を製造する際や層状に塗布する際の応力程度では鎖が簡単に切れたりしない上、もし切れた場合でも、応力が加わらなくなった時点で鎖の再結合等を生じやすい。しかも塗布後の接着剤層中では、複数の金属粉末が、金属粒の磁力に基づいて互いに接触しやすい。よって、接着剤層の熱伝導性を向上することができる。
【0011】
したがって請求項1の構成によれば、金属板をより強固に、しかもこれまでよりも高い熱伝導性でもって接着してなり、当該金属板の、放熱板および補強板としての機能を十二分に発揮させることが可能なプリント基板を提供することができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、基板に、その裏面から、チップ実装部を構成する少なくとも一部の導体回路に達する通孔を設けるとともに、金属板を接着する接着剤の一部をこの通孔に充てんすることで、導体回路と金属板とを、接着剤を介して直接に接続したことを特徴とする請求項 1 記載のプリント基板である。
例えばチップ実装部を構成する導体回路のうち、発熱量の大きい特定の導体回路を、上記のように通孔に充てんした接着剤を介して、金属板と熱的に直接に接続してやると、チップの作動時の発熱を、この接着剤中の金属粉末を介して、金属板によってより効率的に放熱することができる。したがって金属板の、放熱板としての機能をより一層、高めることができる。
【0013】
また、通孔に充てんした接着剤のアンカー効果によって、金属板を、基板により強固に接着することもできる。したがって、例えばフレキシブルプリント基板において、チップ実装部に曲げ応力が加わった際に金属板が簡単にはく離、脱落するのを防止して、当該金属板の、補強板としての機能を高めることもできる。
【0014】
鎖状の金属粉末の、鎖の径は1μm以下であるのが好ましい。鎖の径が1μmを超える場合には、アスペクト比が低下して、金属粉末同士の接触の機会が低下するおそれがある。なお鎖の径があまりに小さすぎると、接着剤を製造する際や、下地上に塗布して接着剤層を形成する際の応力程度で簡単に切れやすくなるおそれがある。そのため鎖の径は10nm以上であるのが好ましい。したがって、請求項3記載の発明は、鎖状の金属粉末の、鎖の径が10nm以上、1μm以下である請求項1記載のプリント基板である。
また、微細な金属粒が多数、繋がって金属粉末が形成される場合、個々の金属粒の粒径は、鎖の径を1μm以下に維持することを考慮すると、400nm以下であるのが好ましい。ただし金属粒の粒径があまりに小さすぎると、鎖状に繋がれた金属粉末自体のサイズが小さくなりすぎて、熱伝導成分としての機能が十分に得られないおそれがある。そのため金属粒の粒径は10nm以上であるのが好ましい。したがって、請求項4記載の発明は、鎖状の金属粉末を形成する金属粒の粒径が10〜400nmである請求項3記載のプリント基板である。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明のプリント基板の一例としての、フレキシブルプリント基板FPの、チップ実装部2の周囲を拡大した断面図である。
図に見るようにこの例のフレキシブルプリント基板FPは、柔軟な樹脂フィルムなどからなる基板1の表面に、多数の導体回路21からなり、バンプ方式のベアチップBTを実装するためのチップ実装部2を形成するとともに、基板1の、上記チップ実装部2の裏面に、金属板3を、接着剤層4を介して接着したものである。
【0016】
また基板1には、その裏面から、チップ実装部2を構成する図において左端と右から2番目の導体回路21に達する通孔10を設けてあり、この通孔10内に、接着剤層4を形成したのと同じ接着剤を充てんすることで、導体回路21と金属板3とを、接着剤を介して熱的に直接に接続してある。
なお図において符号5は、導体回路21と接続された、もしくは接続されていない他の導体回路、符号6は、上記導体回路5を、チップ実装時の熱などから保護するための絶縁層である。
【0017】
上記のうち基板1としては、前述したように柔軟な樹脂フィルムなどを使用することができる。かかる樹脂フィルムとしては、例えばポリイミド(全芳香族ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリマレイミドアミンその他)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、全芳香族ポリアミドフィルム、液晶ポリエステルフィルムなどを挙げることができる。
【0018】
また、この発明の構成は、フレキシブルでないリジッドなプリント基板に適用することもでき、その場合の基板1としては、上記フィルムと同様の樹脂からなる単層の、厚手のシート(板体)や、上記フィルムまたはシートを強化繊維層などと積層して強化した積層体、樹脂中に強化繊維などを分散させた複合体、あるいは表面に上記樹脂をコーティングした複合体等を挙げることができる。
上記基板1の通孔10は、例えばレーザー加工などによって形成することができる。
【0019】
導体回路21、5は、従来同様にCu、Auなどによって形成できる。
また、基板1の表面に導体回路21、5を形成するためには、これも従来同様に、アディティブ法やサブトラクティブ法などの、従来公知の種々の方法を採用することができる。
導体回路21、5は、図では基板1上に直接に形成してあるが、例えばサブトラクティブ法では、導体回路21、5のもとになる金属箔を、接着剤層を介して基板1上に積層する場合があり、その場合には、図示していないものの、導体回路21、5は、例えばエポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系などの接着剤の層を介して基板1上に積層されたものとする。
【0020】
金属板3としては、放熱性能等を考慮すると、アルミニウム板を好適に用いることができる。
接着剤層4は、前記のように熱伝導成分として、鎖状の金属粉末を配合した接着剤にて形成する。
(金属粉末)
接着剤に配合する鎖状の金属粉末としては、強磁性を有する微細な金属粒が多数、鎖状に繋がった形状を有するものが用いられる。この理由は前記のとおりである。
【0021】
鎖状の金属粉末としては、微細な金属粒が、分岐のない直鎖状に繋がったものと、1つまたは多数の分岐部を有する分岐鎖状に繋がったものとが考えられるが、この発明ではこのいずれを用いてもよい。
かかる鎖状の金属粉末の具体例としては、下記(i)〜(v)のいずれか1種、もしくは2種以上の混合物などを挙げることができる。
(i) 強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種以上の金属の合金、または強磁性を有する金属と他の金属との合金から形成したミクロンオーダーないしサブミクロンオーダーの金属粒を、自身の磁性によって多数個、直鎖状または分岐鎖状に繋がらせた金属粉末。
【0022】
(ii) 上記(i)の金属粉末の表面にさらに、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種以上の金属の合金、または強磁性を有する金属と他の金属との合金からなる金属層を析出させて、金属粒間を強固に結合した金属粉末。
(iii) 上記(i)または(ii)の金属粉末の表面にさらに、他の金属や合金からなる金属層を析出させて、金属粒間を強固に結合した金属粉末。
(iv) 強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種以上の金属の合金、または強磁性を有する金属と他の金属との合金から形成した粒状の芯材の表面を、他の金属や合金で被覆して複合体を得、この複合体を金属粒として、芯材の磁性によって多数個、直鎖状または分岐鎖状に繋がらせた金属粉末。
【0023】
(v) 上記(iv)の金属粉末の表面にさらに、他の金属や合金からなる金属層を析出させて、金属粒間を強固に結合した金属粉末。
上記のうち強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種以上の金属の合金、または強磁性を有する金属と他の金属との合金によって形成される金属粉末または金属粒の全体、もしくは
強磁性を有する金属を含む複合体によって形成される金属粉末または金属粒のうち、強磁性を有する金属を含む部分は、還元析出法によって、その形成材料である、強磁性を有する金属のイオンを少なくとも含む溶液に還元剤を加えることで、液中に析出させて形成するのが好ましい。
【0024】
還元析出法においては、まず還元剤、例えば三塩化チタンなどの3価のチタン化合物と、例えばクエン酸三ナトリウム等とを溶解させた溶液(以下「還元剤溶液」とする)に、アンモニア水等を加えてpHを9〜10に調整する。これにより、3価のチタンイオンが錯化剤としてのクエン酸と結合して配位化合物を形成して、Ti(III)からTi(IV)に酸化する際の活性化エネルギーが低くなり、還元電位が高くなる。具体的には、Ti(III)とTi(IV)との電位差が1Vを超える。この値は、Ni(II)からNi(0)への還元電位や、Fe(II)からFe(0)への還元電位などに比べて著しく高い値である。よって各種の金属のイオンを効率よく還元して、金属粒や金属膜などを析出、形成することができる。
【0025】
それと前後して上記の還元剤溶液に、例えばNi等の、強磁性を有する金属単体のイオンを含む溶液、または強磁性を有する金属を含む合金を形成する2種以上のイオンを含む溶液を加える。
そうするとTi(III)が還元剤として機能して、自身がTi(IV)に酸化する際に、金属のイオンを還元して液中に析出させる。すなわち液中に、上記金属単体または合金からなる金属粒が析出するとともに、自身の磁性によって多数が鎖状に繋がって鎖状の金属粉末を形成する。また、このあとさらに析出を続けると、上記金属粉末の表面にさらに金属層が析出して、金属粒同士を強固に結合する。
【0026】
つまり前記(i)(ii)などの金属粉末や、その元になる金属粒、あるいは前記(iv)の金属粉末の元になる複合体のうち芯材などを、上記の方法によって製造することができる。
このうち金属粒や芯材は個々の粒径が揃っており、粒度分布がシャープである。これは、還元反応が系中で均一に進行するためである。したがってかかる金属粒や芯材から製造される金属粉末は、とくに接着剤層の熱伝導性を、当該接着剤層の全面にわたって均一な状態とする効果に優れている。
【0027】
金属粒や芯材等を析出させた後の還元剤溶液は、電解再生を行うことで、何度でも繰り返し、還元析出法による鎖状の金属粉末の製造に利用することができる。すなわち、金属粒や芯材等を析出させた後の還元剤溶液を電解槽に入れるなどして電圧を印加することで、Ti(IV)をTi(III)に還元してやれば、再び電解析出用の還元剤溶液として使用することができる。これは、電解析出時にチタンイオンが殆ど消費されない、つまり析出させる金属とともに析出されないためである。
【0028】
金属粒や芯材等を形成する、強磁性を有する金属または合金としては、例えばNi、Fe、Coおよびこれらのうち2種以上の合金等をあげることができ、とくにNi単体やNi−Fe合金(パーマロイ)等が好ましい。かかる金属や合金にて形成した、とくに金属粒は、鎖状に繋がる際の磁気的な相互作用が強いため、金属粒間の熱伝導性を高める効果に優れている。
また上記の、強磁性を有する金属や合金とともに、前記(iii)(iv)(v)の複合体を形成する他の金属としては、Cu、Rb、Rh、Pd、Ag、Re、PtおよびAuからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属またはその合金などをあげることができる。金属粉末の熱伝導性を向上することを考慮すると、これらの金属で形成される部分は、鎖の外表面に露出している部分であるのが好ましい。つまり鎖の表面をこれらの金属で被覆した、前記(iii)(v)の構造を有する複合体が好ましい。被覆は、例えば無電解めっき法、電解めっき法、還元析出法、真空状着法などの種々の成膜方法によって形成できる。
【0029】
金属粉末は、以上で説明した、微細な金属粒が多数、直鎖状または分岐鎖状に繋がった形状などを有し、なおかつその鎖の径が1μm以下であるのが好ましい。鎖の径が1μmを超える場合には、アスペクト比が低下して、金属粉末同士の接触の機会が低下するおそれがある。
なお鎖の径があまりに小さすぎると、接着剤を製造する際や、下地上に塗布して接着剤層を形成する際の応力程度で簡単に切れやすくなるおそれがある。したがって鎖の径は10nm以上であるのが好ましい。
【0030】
また、微細な金属粒が多数、繋がって金属粉末が形成される場合、個々の金属粒の粒径は、鎖の径を1μm以下に維持することを考慮すると、400nm以下であるのが好ましい。
ただし金属粒の粒径があまりに小さすぎると、鎖状に繋がれた金属粉末自体のサイズが小さくなりすぎて、熱伝導成分としての機能が十分に得られないおそれがある。したがって金属粒の粒径は10nm以上であるのが好ましい。
【0031】
(接着剤)
上記金属粉末を配合する接着剤としては、例えばエポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系などの、従来公知の種々の接着剤を用いることができる。
とくにチップ発熱時の耐熱性などを考慮すると、エポキシ系の接着剤が好ましい。
鎖状の金属粉末の、接着剤への配合量は特に限定されないが、接着剤中の固形分(主に樹脂)と、鎖状の金属粉末との総量に対する、鎖状の金属粉末の割合で表して1〜40体積%であるのが好ましい。
【0032】
鎖状の金属粉末の割合が上記の範囲未満では、当該鎖状の金属粉末による、接着剤層4の熱伝導性を向上する効果が得られないおそれがあり、逆に上記の範囲を超えた場合には、相対的に接着剤の接着性を担う樹脂の割合が少なくなって、接着剤層4の接着力が低下するおそれがある。
絶縁層6は、例えばエポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリイミド系等の、硬化性でかつ液状のソルダーレジストを塗布し、硬化させて形成してもよいし、これらの樹脂からなるカバーレイフィルムを、図示しない同系の接着剤層を介して接着して形成してもよい。
【0033】
【実施例】
以下に、この発明を実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1
(接着剤の調製)
無溶剤型のエポキシ系接着剤80体積%と、図2に示すように微細な金属粒が分岐鎖状に繋がれた形状を有するNi粉末20体積%とを配合して接着剤を調製した。
【0034】
走査型電子顕微鏡を用いて測定した、Ni粉末の鎖の径は約300nm、Ni粉末の平均粒径は約3μmであった。
また、接着剤の固形分とNi粉末との総量に対する、Ni粉末の割合は、上記のように接着剤が無溶剤型であったため、両者の配合比率と一致する20体積%であった。
(フレキシブルプリント基板の製造)
基板1としての、厚み25μmのポリイミドフィルムの片面に、厚み18μmの電解銅箔を貼り付けた2層銅貼り基板を用意した。そしてこの2層銅貼り基板のうち銅箔を、サブトラクティブ法によって回路形成して、チップ実装部2を構成する多数の導体回路21と、その他の導体回路5とを形成した。
【0035】
また導体回路5は、エポキシ系のソルダーレジストを塗布し、硬化させて形成した絶縁層6で被覆した。
そして金属板3としての、厚み0.2mmのアルミニウム板の片面に、前記接着剤を塗布して接着剤層4を形成し、このアルミニウム板を、上記基板1の、導体回路21、5を形成した側と反対面に、接着剤層4を挟んで積層した後、加熱により接着剤を硬化させて、通孔10を有しないこと以外は図1に示す層構成を有するフレキシブルプリント基板FPを製造した。
【0036】
実施例2
導体回路21、5を形成した、基板1としてのポリイミドフィルムに、その裏面から、導体回路21のうち接地回路に達する通孔10をレーザー加工によって形成するとともに、接着剤層4を形成する接着剤の一部をこの通孔10に充てんすることで、導体回路21と、金属板3としてのアルミニウム板とを、接着剤を介して熱的に直接に接続したこと以外は実施例1と同様にして、図1に示す層構成を有するフレキシブルプリント基板FPを製造した。
【0037】
比較例1
金属粉末として、平均粒径が1μmである粒状のCu粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、通孔10を有しないこと以外は図1に示す層構成を有するフレキシブルプリント基板FPを製造した。
比較例2
通孔10を形成したこと以外は比較例1と同様にして、図1に示す層構成を有するフレキシブルプリント基板FPを製造した。
【0038】
放熱性試験
一定の電流を流すと一定の発熱をするダミーチップを用意し、このダミーチップを、上記各実施例、比較例で製造したフレキシブルプリント基板FPのチップ実装部2に実装した。
そして、導体回路21を通して給電してダミーチップを発熱させた際の最高温度を記録して、フレキシブルプリント基板FPの放熱性を評価した。
【0039】
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表より、実施例1、2のフレキシブルプリント基板FPは、比較例1、2に比べてダミーチップの最高温度が低いことから、放熱性に優れることが確認された。
また基板1に通孔10を形成しなかった実施例1と、形成した実施例2の結果から、通孔10を形成して導体回路21と金属板1とを接着剤を介して熱的に直接に接触させることによって、フレキシブルプリント基板FPの放熱性をさらに向上できることも確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のプリント基板の一例としての、フレキシブルプリント基板の、チップ実装部の周囲を拡大した断面図である。
【図2】この発明の、実施例1、2で使用した鎖状のNi粉末の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
FP フレキシブルプリント基板
1 基板
2 チップ実装部
21 導体回路
3 金属板
4 接着剤層
Claims (4)
- 基板の表面に、多数の導体回路からなる、バンプ方式のチップ実装部を有するとともに、基板の、上記チップ実装部の裏面に、金属板を、鎖状の金属粉末を含む接着剤の層を介して接着したプリント基板であって、鎖状の金属粉末として、微細な金属粒が多数、鎖状に繋がった形状を有するものを用いるとともに、当該鎖状の金属粉末、またはこの金属粉末を形成する個々の金属粒を、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種以上の金属の合金、強磁性を有する金属と他の金属との合金、もしくは強磁性を有する金属を含む複合体にて形成したことを特徴とするプリント基板。
- 基板に、その裏面から、チップ実装部を構成する少なくとも一部の導体回路に達する通孔を設けるとともに、金属板を接着する接着剤の一部をこの通孔に充てんすることで、導体回路と金属板とを、接着剤を介して直接に接続したことを特徴とする請求項1記載のプリント基板。
- 鎖状の金属粉末の、鎖の径が10nm以上、1μm以下である請求項1記載のプリント基板。
- 鎖状の金属粉末を形成する金属粒の粒径が10〜400nmである請求項3記載のプリント基板。
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