JP3878488B2 - 効果付与装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽音信号に効果を付与して出力する効果付与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エレキギター等の電子弦楽器で演奏を行うときにはエレキギターにアンプを接続してそのアンプで楽音波形を増幅してから楽音信号を出力している。この際に、ギターとアンプの間にマルチエフェクタと呼ばれるものを接続して使用する場合がある。このマルチエフェクタではエレキギターから入力される楽音波形に様々な効果が付与されてから楽音信号として出力される。
【0003】
このようなマルチエフェクタによって付与される効果としてはリバーブ、コーラス、ディレイなどのように空間的な音の広がりを与える効果音が付加されることによって効果が付与されるものとワウ、ディストーション、オーバドライブなどのように楽音波形を直接加工することによって効果音が付与されるものとがある。
【0004】
この後者のような楽音波形が直接加工されることによって効果が付与される場合にはディジタル信号に変換された信号が用いられても楽音波形自体に歪みを加えて効果が付与されるため、さほど問題にはならない。
【0005】
一方、後者のような入力された楽音波形に効果を付加せずに出力する場合や、入力された楽音波形と効果を付加された楽音波形とを混合して出力する、所謂空間的な広がりを持つ効果を得ようとする場合であっても、入力された楽音波形を一旦A/D変換した上で効果付加と前記混合の処理を行い、再びD/A変換するために微小ではあるが音の劣化を生じ、入力信号の持つ微妙なニュアンスを損なうことがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように従来のマルチエフェクタにおいては入力信号をすべてA/D変換した後に処理しているためA/D変換、D/A変換にともない微小ではあるが音の劣化を生ずるという問題がある。
【0007】
そこで本発明では入力された楽音波形を直接加工して出力するような効果付加の場合と、入力楽音波形に効果を付加した楽音波形とを混合して出力する所謂空間的な広がりを持つ効果付加の処理とを、それぞれ異なる方法の処理を施すことで音質劣化の少ない効果付与装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の効果付与装置は、楽音波形を直接加工し、加工した音のみを出力する直接音系のエフェクタと、ディジタルの楽音波形を加工した波形を元の楽音波形に合成して出力する間接音系のエフェクタとが、少なくとも1つずつ順次直列に配備されてなるエフェクト処理部と、
アナログの楽音信号をディジタルの楽音波形に変換して該ディジタルの楽音波形を前記エフェクト処理部に渡すA/D変換部と、
前記エフェクト処理部から出力されるディジタルの楽音波形をアナログの楽音信号に変換するD/A変換部と、
前記A/D変換部に入力される前のアナログ楽音信号を、前記エフェクト処理部をバイパスするバイパス路を経由させて、該バイパス路を経由してきたアナログの楽音信号と、前記D/A変換部で得られたアナログの楽音信号とを合成する信号合成部と、
前記エフェクト処理部に配備された複数のエフェクタの中から任意の1つもしくは複数のエフェクトを作用させるとともに、直接音系のエフェクタを1つでも作用させる場合には前記バイパス路を遮断し、間接音系のエフェクタのみを作用させる場合には、前記エフェクト処理部内では、間接音系の効果が付与された楽音波形を、該効果が付与された楽音波形に該効果が付与される前の楽音波形を合成することなく該エフェクト処理部から出力させて、前記信号合成部において前記バイパス路を経由してきたアナログの楽音信号と、前記D/A変換部で得られたアナログの楽音信号とを合成させる制御部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記発明の効果付与装置によれば、上記間接音系のエフェクタのみを使用するときには上記バイパス路を使用することによって上記エフェクト処理部内では合成されるべき効果音のみを、該効果が付与される前の楽音波形を合成することなく上記エフェクト処理部から出力しバイパス路を通過するアナログの楽音波形と合成することができる。
【0010】
さらに、直接音系のエフェクタで効果を付与するときにはバイパス路を遮断することによって、入力されるアナログの楽音信号を使用しないで上記A/D変換部で変換されたディジタルの楽音波形を使用して、従来と同様に効果の付与を行える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態を示す効果付与装置の外観図である。
【0013】
図1(a)は本実施形態の効果付与装置100の側面図、図1(b)は本実施形態の効果付与装置100を上方から見た平面図である。
【0014】
図1(a)に示すようにフットぺダル110によって入力される楽音信号に効果が付与される仕組みになっている。このフットべダル110ではつま先とかかとの双方によって操作が行えるようになっている。つま先側にはスイッチSwitchAが、かかと側にはスイッチSwitchBが配設されていて、演奏者が適宜、それらのスイッチSwitchA、SwitchBを選択することによって演奏が行われる。つま先側には直接音系の効果であるワウを有効にするか、しないかのオン・オフスイッチSwitchAが設けられている。このスイッチSwitchAをつま先で押す度にスイッチのオン/オフが切り替わるようになっている。
【0015】
また、かかと側には後述するメモリ内の設定内容を有効にするかしないかのスイッチSwitchBが設けられている。このスイッチSwitchBをかかとで押すとスイッチがオンすると効果付与装置内に在るメモリに記憶された設定内容が有効になって、かかとを離してスイッチがオフすると現在の設定内容がそのまま有効となるようになっている。詳細は後述する。
【0016】
そしてつま先側のスイッチSwitchAから延設されるところに効果付与のパラメータ設定用のロータリースイッチ群120が設けられている。
【0017】
このロータリースイッチ群120などで構成されるパラメータ設定部を図1(b)を参照しながら説明する。
【0018】
図1(b)に示すようにロータリースイッチ群120にはTYPE、RANGE、R.TIME、R.LEVELの4つのパラメータ設定用のロータリースイッチが設けられている。これらのロータリースイッチTYPE、RANGE、R.TIME、R.LEVELがどの角度の位置にあるかでそれぞれ所定のパラメータが設定されるようになっている。なお、4つのロータリースイッチの中の一つであるロータリースイッチR.LEVELではリバーブ効果のオン・オフの設定も行えて、反時計方向に目いっぱい回し切るとリバーブ効果がオフしてリバーブ効果が付与されないようになっている。
【0019】
また、発光ダイオードLED1と発光ダイオードLED2とが状況表示用の表示機として設けられていて、発光ダイオードLED1側では直接音系の効果たとえばワウが有効のときに発光ダイオードが点灯する。発光ダイオードLED2側では間接音系の効果たとえばリバーブ効果を有効とするかどうかが、ロータリースイッチR・LEVELによって設定されるようになっているので、ロータリースイッチR・LEVELが反時計方向に目いっぱい回されてオフOFFの位置まで来ていたら消灯して、それ以外の位置に在るときにはリバーブ効果が有効であることを示すために点灯するようになっている。双方ともユーザから見て効果音が有効であるか、否かの状況が一目で分かるようになっている。
【0020】
他にはメモリへの書き込みを行うためのスイッチMEMORYが設けられている。これは設定された内容を保存しておく場合に使用されて、このスイッチMEMORYが押されると設定された内容が一時的に記憶されている、効果付与装置内に配設されているRAMから同じく、効果付与装置100内に配設されているROM(通常は読み出し専用であるが、電気的操作によって書き換え可能なメモリであって例えばフラッシュROMなど)へ転送されるようになっている。詳細については図2を参照して後述する。
【0021】
また、楽音信号が入力される部分INPUTと効果が付与された楽音信号を出力する部分OUTPUTにはそれぞれ外部機器との接続を行うためのコネクタが設けられている。
【0022】
入力側のコネクタINPUTを介して効果付与装置100内に楽音波形が入力されたときに効果付与装置100の内部でどのような処理が行われるかを内部構成ブロック図2を参照して説明する。
【0023】
図中、左側に在る入力端部101には図1(a)、(b)のコネクタINPUTを介して入力される楽音信号が供給される。図2に示すように入力されるアナログの楽音信号が分岐されてその一方がADC(Analogue to Digital Conveter)120でディジタル信号に変換されて、他方がアナログ信号のまま、通過するようになっている。
【0024】
ディジタル信号に変換される側は従来と同様の処理を行う部分でエフェクト処理手段130で効果が付与されて効果が付与されたディジタル信号がDAC(Digital to Analogue Converter)140へ供給されてアナログ信号に変換されて出力される。
【0025】
ここで本出願人は従来問題となっていたディジタル信号に変換して処理を行っているので生ずる入力されたアナログ信号と出力されるアナログ信号との違いを解消するため、アナログ信号をそのまま出力端子102へ出力可能とするバイパス路103を、ディジタル信号で処理される経路に対して並列に設けることを提案している。
【0026】
エフェクタのみ使用時に使用できるように加算回路104を設けて、バイパス路103とエフェクト処理手段130の経路とで間接音系の処理が行われるような構成としている。直接系のエフェクト処理の場合には、入力信号そのものを加工してしまうため、入力信号の持つ微妙なニュアンスを維持する必要はないが、間接系のエフェクト処理のみの場合には原音である入力信号と原音に効果を付与した楽音波形とを加算して出力するために原音の持つ微妙なニュアンスを維持したまま出力することが望まれる。
【0027】
また、直接音系の効果音を処理するときにはどうしてもディジタル信号への変換が必要なので、そのときにはバイパスSW150によってバイパス路103を遮断するようにもしてある。これらのエフェクト処理部130およびバイパススイッチ150の制御はCPU160によって行われる。CPU160は前述したロータリースイッチ群120で設定された内容を判読することや、LED1、LED2に対応する表示手段180の点灯制御も行っている。また、ROM190、RAM191のリードライト制御もあわせて行っている。ROM190には前述した設定パラメータが保存されるほか、使用者からは書き換えが不可能な領域に効果付与装置100が作動するために必要な実行プログラムが格納されている。このROM190は前述のスイッチMEMORYによって書き込みが可能になっている。また、RAM191はワーキングエリアとなっていて、設定されたパラメータが一時的に記憶されて、処理を行うときにはこの一時的に記憶されるパラメータが使用される。このパラメータを永久的に保存しておきたいときにスイッチMEMORYが押されてRAM191からROM190への転送が行われる。
【0028】
前述した外観に示されるスイッチ群120およびフットベダル110で操作されるスイッチSwitchA、SwitchBなどが図2では設定手段170に対応していて、その設定手段170内にあるいずれかのスイッチが操作されると、CPU160がそれらのスイッチの状況を認識して各部へ制御信号を送るようになっている。その制御信号に基づいてエフェクト処理手段130へ制御信号が送られて、直接音系の効果音の付与または間接音系の効果音の付与が行われる。このときにはLED1またはLED2が点灯してどの効果が現在、有効であるかが視覚的にユーザに伝えられる。
【0029】
ここでは直接音系のワウと間接音系のリバーブが適宜、選択されるような構成になっている。
【0030】
ワウは入力信号に対してカットオフ周波数を連続的に可変して「ワーウーワーウー」と言う音のうねりが聞こえるような効果音である。
【0031】
リバーブは所謂残響音であり、室内や大ホール等の空間に放射された音が壁や天井、床などから反射するものである。
【0032】
図1に示すスイッチ群120のうち、ロータリ−スイッチTYPEによってワウの音色を決めるパラメータが設定されて、同じくスイッチ群120のうち、ロータリースイッチRANGEによってワウの中心周波数を示すパラメータが設定されるようになっている。
【0033】
また、図1に示すスイッチ群120のうち、ロータリースイッチR.TIMEでリバーブの残響時間を決定する時間がパラメータとして設定されて、同じくロータリースイッチR.LEVELで元の楽音信号と加算される割合がパラメータとして設定される。
【0034】
図2に示すCPU160の処理をROM190に格納されるプログラムを図3に示すフローに基づいて説明する。
【0035】
電源が投入されると本プログラムが起動してステップ301から処理が開始される。ステップS302の判断ステップでは図1の外観で示す各スイッチのオンオフON/OFF設定がどのような状況であるかが判定される。たとえば演奏者によってフットべダル110が押されてスイッチSwitchAがオンしたら、ここでワウの効果がオンとなるのでステップS302でYesと判定されて次のステップS303へと進められる。次のステップS303でLED1を点灯させてワウが有効であることを演奏者に知らせる。そしてLED1によって演奏者にワウ効果が有効であるという状況を知らせてから、次のステップS304でその表示内容に基づいた効果内容をエフェクト処理手段130へと伝えている。
【0036】
以上でワウのエフェクト
(効果)がオンであるときの設定に関する処理が終えられる。
【0037】
また、本実施形態で示す効果付与装置にはリバーブ効果も付与できるようにしてあるので、これもステップS302で判定される。これは図1のスイッチ群120の中のロータリースイッチR.LevelがオフOFF以外の位置に設定されていたらリバーブ効果がオンであるとステップS302で判定されて、次のステップS303でLED2を点灯させている。そしてLED2によって演奏者にリバーブ効果が有効であるという状況を知らせてから、次のステップS304でその表示内容に基づいた効果内容をエフェクト処理手段130へと伝えている。
【0038】
以上でリバーブのエフェクト
(効果)がオンであるときの設定に関する処理が終えられる。
【0039】
また、フットべダル110のかかと側が押された時には効果付与装置内に在るメモリであるROM190に記憶されている効果付与の設定内容と、スイッチ群などを適宜設定することによって得られる設定内容とが演奏しながら切り替えられるような構成になっている。このときの切替の判定もS302で行われる。これはROM190からの読み出しとRAM191からの読み出しとをCPU160で切り替えることによって行われる。現在、設定されている内容で効果を付与するか、あるいは事前にROM190へ記憶しておいた内容に基づいて効果を付与するかが、フットべダル110のかかと側の操作で行えるようになっている訳である。
【0040】
そしてステップS302〜S304までの設定に関する処理が終えられたら、ステップS305で図2のエフェクト処理手段130に、効果内容に基づいてパラメータが転送される。このパラメータに基づいてエフェクト処理手段130では適宜、効果が付与される。詳細については図4を用いて後述する。
【0041】
ここで、図2の下側部分だけを抜き出して詳細なブロック図を図4に掲げて説明を加える。図4は直接音系および間接音系の処理を行う部分の詳細を示すブロック図である。このブロック図で示される回路はCPU160とバスで接続されることによって動作するDSPによって構成される。
【0042】
図4では各効果の付与を、バイパススイッチ150と各スイッチSW1〜SW3とを切り替えて行えるようにしている。これらの各回路部品がDSPによって構成される。
【0043】
従来の効果付与装置にも配備されているのが図4の下方のADC120からDAC140までの経路で示される部分の回路である。
【0044】
従来ではADC120によってディジタル信号に変換された楽音信号がエフェクト処理手段130に入力されて、効果付与の処理が行われた後でDAC140によってアナログ信号に変換されて出力される。
【0045】
エフェクト処理手段130で行われるエフェクトの処理には前述したように直接音系の効果(エフェクト)を付与するエフェクタ131と間接音系の効果(エフェクト)を付与するエフェクタ132とがある。エフェクト処理手段130内ではこれらのエフェクタを直列に接続することによって双方の効果が与えられるような構成になっている。直接音系のエフェクタ131は楽音信号を直接加工して効果を生み出すので、楽音信号が通る経路に配設されなければならない。したがって、図4に示すように直接音系のエフェクタ131を通過する経路と、通過しない経路とをスイッチSW1によって切り分けている。また、その直接音系のエフェクタ131によって効果が付与された楽音信号に対して、あるいは付与されない楽音信号に対して間接音系のエフェクタが作用するように後段に間接音系のエフェクタ132が配設されている。ここでも間接音系のエフェクタ132を通過させるかしないかをスイッチSW2とSW3とで切り分けている。なお、本実施形態では直接音系の効果としてはワウだけが、間接音系の効果としてはリバーブだけが付与される構成となっている。
【0046】
直接音系の処理は直接音系のエフェクタ131によって行われて、間接音系の処理は、間接音系のエフェクタ132aと加算回路133とによって行われる。間接音系の効果は主に空間的な広がりや奥行きなどを表現する効果を目的としていて、このような効果を与える場合には前述したように時間を遅延させた楽音信号を元の時間を遅延させない楽音信号に加え合わせるための加算回路133が必要になる。つまり、元のアナログの楽音信号をまず発音しておいて、その元の楽音信号が発音された後で遅延させた楽音信号を発音させることによってホールで反響するような状況を模擬する訳である。このような処理を行うと、聴覚上、音が反響して聞こえてくるような効果が得られる。従来ではディジタル処理が行われていて、加算回路133によって効果が付与された楽音信号と元の楽音信号との合成が行えるのでこのような効果が簡単に与えられる。しかし従来問題となったA/D変換、D/A変換時の音色変化を克服できない。そこで本出願人は間接音系のエフェクタ130のみ使用時にはアナログ信号の楽音信号をそのまま使用して処理が行えるように改善している。しかし、このときにはディジタル信号に変換された入力信号がそのままエフェクタから出力されると問題があるので本出願人は各スイッチSW1〜SW3とバイパススイッチ150とを要所に設けてアナログ信号をそのまま使う場合と、従来のディジタル信号での処理が行われる場合とを適宜、使い分けられるようにも工夫している。
【0047】
なお、本実施形態では直接音系のエフェクタ131では周波数特性が連続的に可変するような処理が行われていて、ワウの場合には楽音信号の周波数成分に比較的遅い変動を与えている。前述したように、その変動の中心周波数を決めるパラメータがロータリースイッチRANGEによって調節できるようになっていて、ロータリースイッチTYPEによってどのような音色で効果を付与するかが周波数の変動幅をパラメータとして設定できるようになっている。
【0048】
また、リバーブはホールで鳴らしているような響きを与える効果で、パラメータとしてディレイ時間などが与えられる。
【0049】
本実施形態の効果付与装置の構成を図4に戻って説明する。
【0050】
図4ではスイッチSW1〜SW3とバイパススイッチ150とを設けて入力された原音が出力に混合される場合、その信号がアナログ回路103側から供給されるか、デジタルのエフェクト処理手段130側から供給されるのかを適宜、切り替えられるようにしている。スイッチSW1の接続状態と、バイパススイッチ150の接続状態、そしてスイッチSW2の接続状態と、スイッチSW3の接続状態とでどのような効果が付与されるかが決められる。
【0051】
ここでエフェクト処理手段130内に構成されるスイッチSW1、SW1、SW3およびバイパススイッチ150によってどのような経路が形成されるかを図5を参照して説明する。
【0052】
図中、間接音系のエフェクタ132で処理を行わせるか、あるいは直接音系のエフェクタ131で処理を行わせるか、あるいは双方で処理を行わせるか、あるいは双方とも処理を行わないかをフットべダルのスイッチSwitchAおよびロータリースイッチR.Levelの接続状態がそれぞれオンONであるかオフOFFであるかで設定されるとして表記してある。
【0053】
つまり、双方のエフェクタを作動させる場合にはフットべダルのスイッチSwitchAがオンON,ロータリースイッチR.LevelがオンONとなっていて、いずれか一方の効果が付与される場合にはスイッチSwitchAがオンON,R.LevelgaオフOFF、あるいはスイッチSwitchAがオフOFF,R.LevelがオンON、双方の効果が付与されない場合には双方ともオフOFF、オフOFFとなっている。
【0054】
図5の1行目に示されているのが双方の効果が付与されない場合を示していて、この場合にはアナログ信号をそのまま通過させる訳であるからバイパススイッチ150のみがオンONになる。このときディジタルに変換された楽音波形がそのまま通過する経路にあるスイッチSW2とSW3とがオフOFFになっていることが必須要件になる。
【0055】
これは、スイッチSW2がオンONになっていて、さらにスイッチSW1がa側に倒れていると、ディジタル信号で処理が行われる側からの楽音信号がスルーされて加算回路104を経由して出力されてしまうのでこれを防止するためである。
【0056】
また、図5の2行目に示されているのが間接音系のエフェクタ132aを作動させる場合の各スイッチの設定状況である。この場合には間接音系のエフェクタ132aのみがオンONになっている。このときにはスイッチSW1がa側で、スイッチSW2がオフしていてスイッチSW3がオンONになることが必要になる。間接音系の処理が行われるときには前述したようにバイパス経路103がアナログ信号をそのまま通過させる経路となって加算回路104と間接音系のエフェクタ132aとを作動させて間接音系の効果付与の処理が行われる。したがって、スルーのときと同様にスイッチSW1はa側に倒されてスイッチSW2がオフOFFしてスイッチSW3がオンONすることが必要になる。このようにしておけば今までは間接音系のエフェクタ132aとスイッチSW2がオンして形成される経路と加算回路133とで間接音系の処理が行われていたものを、バイパス経路103と加算回路104と間接音系のエフェクタ132aとで間接音系の処理が行われるように変えることができる。
【0057】
以上、説明したように間接音系の効果が付与される場合にバイパススイッチ150がオンしてアナログ信号で処理が行われる側が使用されるのである。また、本実施形態ではアナログ信号をそのままスルーさせて出力することもできるので、特に効果を付与しないときには本効果付与装置100をわざわざ外さなくても元のアナログの楽音信号をそのまま出力することもできる。
【0058】
直接音系の効果が付与される場合には、バイパススイッチ150がオフされるのでアナログ信号が遮断されてアナログ系での処理が行われない。したがって、従来のディジタル系での効果付与装置と同様の処理が本発明の効果付与装置内100で行われる。このときにはスイッチSW1はb側へ倒されて、ディジタル信号で処理が行われる側に設けられている直接音系のエフェクタ131を必ず通る。スイッチSW2がオンしていないと信号がDAC140まで伝えられないのでスイッチSW2がオンすることも必要になる。後は直接音系のエフェクタ131と間接音系のエフェクタ132aとでそれぞれ効果が付与されてから出力される場合の各スイッチの設定内容が最後の行に示されている。このときにはバイパススイッチ150がオフされて、ディジタル信号で処理が行われる側だけで処理が行われるようにしてある。これは入力された楽音信号が直接音系のエフェクタ131を通過する場合にはアナログ信号を使用する必要がないからである。
【0059】
以上、説明したように、間接音系のエフェクタ132aのみを作動させる場合にはアナログの楽音信号を使用することによって入力される楽音信号と出力される楽音信号との違いを解消できるばかりでなく、アナログの楽音信号をそのままスルーさせて出力することもできる。さらに、直接音系のエフェクタ131を作動させる場合にはバイパス路を使用せずに従来と同様の処理を行える。
【0060】
なお、本実施形態では直接音系の効果としてワウのみを与えるエフェクタ131を、間接音系の効果としてリバーブのみを与えるエフェクタ132だけを示したが、本発明はこれに依らず、他の直接音系のエフェクタが複数、直列に配設されていても、他の間接音系のエフェクタが複数、直列に配設されていても良い。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、入力される楽音信号をそのまま活かすことによって品質の高い効果音の付与を行える効果付与装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す効果付与装置の外観を示す平面図と側面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す効果付与装置内で行われる機能を示す機能ブロック図である。
【図3】図1のROMに格納されている処理プログラムのフローを示す。
【図4】図2のエフェクト処理手段を示す詳細な機能ブロック図である。
【図5】図3に在る、複数のスイッチのオン・オフ状態の組み合わせを示す図である。
【符号の説明】
100 効果付与装置
110 フットペダル
120 ADC
130 エフェクト処理手段
131 直接音系のエフェクタ
132a 間接音系のエフェクタ
140 DAC
150 バイパススイッチ
160 CPU
170 設定手段
180 表示手段
SW1 SW2 SW3 スイッチ
Claims (1)
- ディジタルの楽音波形に効果を付与し、該効果が付与された楽音波形のみからなるディジタルの楽音波形を生成する直接音系のエフェクタと、ディジタルの楽音波形に効果を付与するとともに該効果が付与された楽音波形と該効果を付与する前の楽音波形とを合成してディジタルの楽音波形を生成する間接音系のエフェクタとが、少なくとも1つずつ順次直列に配備されてなるエフェクト処理部と、
アナログの楽音信号をディジタルの楽音波形に変換して該ディジタルの楽音波形を前記エフェクト処理部に渡すA/D変換部と、
前記エフェクト処理部から出力されるディジタルの楽音波形をアナログの楽音信号に変換するD/A変換部と、
前記A/D変換部に入力される前のアナログ楽音信号を、前記エフェクト処理部をバイパスするバイパス路を経由させて、該バイパス路を経由してきたアナログの楽音信号と、前記D/A変換部で得られたアナログの楽音信号とを合成する信号合成部と、
前記エフェクト処理部に配備された複数のエフェクタの中から任意の1つもしくは複数のエフェクタを作用させるとともに、直接音系のエフェクタを1つでも作用させる場合には前記バイパス路を遮断し、間接音系のエフェクタのみを作用させる場合には、該エフェクト処理部内では、間接音系の効果が付与された楽音波形を、該効果が付与された楽音波形に該効果が付与される前の楽音波形を合成することなく該エフェクト処理部から出力させて、前記信号合成部において前記バイパス路を経由してきたアナログの楽音信号と、前記D/A変換部で得られたアナログの楽音信号とを合成させる制御部とを備えたことを特徴とする効果付与装置。
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