JP2004226625A - 効果付与装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子鍵盤楽器などにおいて、演奏の音色の種類やエフェクトの種類、効果音の種類などの効果の組み合わせを意外なものとすることにより演奏者や聴衆にとって斬新な演奏を演出すること。
【解決手段】パネルSW/LED20の音色スイッチの操作により音色の種類が設定されると(S201:YES)、音源回路40がその音色の波形データを波形データメモリ42から読み出すとともに、DSP50がその音色の種類に対応するエフェクトのデータおよびリバーブのデータを読み出し、鍵盤10の押鍵に備える(S202、S203、S204)。続いて音源回路40が、S204にて設定されたリバーブの種類に対応する効果音群のデータを波形データメモリ42から読み出して効果音スイッチの操作に備える(S205)。
【選択図】図4
【解決手段】パネルSW/LED20の音色スイッチの操作により音色の種類が設定されると(S201:YES)、音源回路40がその音色の波形データを波形データメモリ42から読み出すとともに、DSP50がその音色の種類に対応するエフェクトのデータおよびリバーブのデータを読み出し、鍵盤10の押鍵に備える(S202、S203、S204)。続いて音源回路40が、S204にて設定されたリバーブの種類に対応する効果音群のデータを波形データメモリ42から読み出して効果音スイッチの操作に備える(S205)。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エフェクトや効果音などの効果を楽音に付与する効果付与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピアノやオルガン、ストリングアンサンブルなど様々な音色で楽音を発生させる電子鍵盤楽器が知られている。このような電子鍵盤楽器においては、コンサートホールやスタジオ、ステージなどの臨場感を演出するために、楽音に対して残響効果を付与するリバーブ機能など様々なエフェクト機能を備えるものがある。一例を挙げると、メモリに記憶した波形サンプルデータを順方向または逆方向に繰り返し読み出しながら、読み出した波形サンプルデータに対応する楽音信号に対して十分に長い減衰エンベロープを付与することにより、エコーのような残響感のある特殊な効果を実現するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許2586094号公報(第18頁、図16)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、演奏時における音色と付与する効果との組み合わせを意外なものにすることにより演奏を斬新なものにすることができる。一例を挙げると、楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してエフェクトとしての「トレモロ」を設定するという具合である。
【0005】
しかしながら、上述のような電子鍵盤楽器においては、次のような理由により斬新な演奏を行うことが困難であった。すなわち、上述のような電子鍵盤楽器においては、コンサートホールなどの臨場感を演出するためにリバーブなど各種効果を付与するため、音色と効果との組み合わせを、楽音が構成する曲の雰囲気に合わせた組み合わせにすることとなるからである。一例を挙げると、楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してエフェクトとしての「ホールリバーブ」を設定するという具合である。またこのようなことは、電子鍵盤楽器に限らず、音色やエフェクト、効果音などの効果を付与することができるものにおいても同様であった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、上述のような電子鍵盤楽器などにおいて、演奏の音色の種類やエフェクトの種類、効果音の種類などの効果の組み合わせを意外なものとすることにより演奏者や聴衆にとって斬新な演奏を演出することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1の効果付与装置は、楽音の音色の種類を設定する音色設定手段(20:この欄においては、発明への理解の容易化のため、必要に応じて実施の形態中で用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)と、音色の種類ごとに関連付けられた一つ以上のエフェクトの種類を記憶するエフェクト種類記憶手段(31)と、前記音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられているエフェクトの種類を前記エフェクト種類記憶手段から取得し、そのエフェクトを楽音に付与するように設定するエフェクト設定手段(30,32)と、前記エフェクト設定手段によって設定されたエフェクトを、楽音を電子的に表した波形である楽音波形に付与するエフェクト付与手段(50)と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本請求項1の効果付与装置においては、演奏者が図1に例示するパネルSW/LED20を操作することにより、音色設定手段(20)によって楽音の音色の種類が設定されると、エフェクト設定手段(30,32)が、その設定された音色の種類に関連付けられている一つ以上のエフェクトの種類をエフェクト種類記憶手段(31)から取得し、そのエフェクトを楽音に付与するように設定する。そして、エフェクト付与手段(50)が、エフェクト設定手段によって設定されたエフェクトを、楽音波形に付与する。このように楽音の音色の種類の設定に伴い、エフェクトの種類が自動的に設定されることになり、楽音に対する効果の設定を容易にできる。
【0009】
なお、楽音の音色の具体例としては、「ピアノ」や「オルガン」、「ストリングアンサンブル」などが挙げられる。さらに、それぞれの音色は一種類の設定に限定されず、例えば「ピアノ」では、コンサートなどで用いられるグランドピアノの音を再現する「コンサートグランド」をはじめ、「メローグランド」、「ブライトピアノ」などの複数の設定候補を用意してもよい。また、エフェクトの具体例としては、「リバーブ」や「ディレイ」、「コーラス」、「トレモロ」などが挙げられる。さらに、それぞれのエフェクトは一種類の設定に限定されず、例えば「リバーブ」では、ステージでの残響効果を再現する「ステージリバーブ」やコンサートホールでの残響効果を再現する「ホールリバーブ」などの複数の設定候補を用意してもよい。
【0010】
また、上述のエフェクト設定手段によって設定されるエフェクトの種類は一つに限られず、例えば「コーラス」と「リバーブ」など、複数のエフェクトを同時に設定してもよい。
さらに、上述のエフェクト種類記憶手段が関連付けて記憶している音色の種類とエフェクトの種類との組み合わせは、本発明の効果付与装置の製造に際して予め設定しておいてもよいし、事後的にこの組み合わせを変更できるのであれば演奏者が設定するようにしてもよい。
【0011】
このうち、音色の種類とエフェクトの種類との組み合わせを予め設定しておく場合には、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してエフェクトとしての「ホールリバーブ」を設定するなど、楽音が構成する曲の雰囲気に合わせた組み合わせにすることが考えられる。しかしながら、上述の音色の種類とエフェクトの種類との組み合わせを必ずしも楽音が構成する曲の雰囲気に合わせたものにする必要はなく、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してエフェクトとしての「トレモロ」を設定するなど、意外な組み合わせにすることも考えられる。このようにすれば、演奏者や聴衆にとって斬新な演奏を演出できる。
【0012】
さて、上述のように、楽音の音色の種類の設定に伴ってエフェクトの種類が自動的に設定されると、楽音に対する効果の設定が容易となる反面、最適な効果の設定とならない可能性もある。そこで、請求項2のように、音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられているエフェクトの種類をエフェクト種類記憶手段から取得し、その取得したエフェクトの種類を演奏者の操作によって選択可能に提示するエフェクト提示手段(20,30,32)を備え、エフェクト設定手段が、エフェクト提示手段によって提示されたエフェクトの種類が演奏者の操作によって選択された際には、その選択されたエフェクトを楽音に付与するように設定することが考えられる。なお、この場合に演奏者が選択可能なエフェクトの種類の数は一つに限られない。このように、エフェクト提示手段によって提示されたエフェクトの種類の中から演奏者が選択するようにすれば、最適な効果の設定に近づきやすくなる。
【0013】
ところで、請求項1と同様に上記課題を解決するためになされた請求項3の効果付与装置は、楽音の音色の種類を設定する音色設定手段と、音色の種類ごとに関連付けられた一つ以上の、特定の情景を演出するための一つ以上の効果音からなる効果音群の種類を記憶する効果音種類記憶手段(31)と、前記音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられている効果音群の種類を前記効果音記憶手段から取得し、その効果音群に含まれる効果音を演奏者の操作によって選択可能に提示する効果音提示手段(20,30,32)と、前記効果音提示手段によって提示された効果音が演奏者の操作によって選択された際には、その選択された効果音を楽音に付与するように設定する効果音設定手段(30,32)と、前記効果音を表す波形データを記憶する波形データ記憶手段(42)と、前記効果音設定手段によって設定された効果音に対応する波形データを前記波形データ記憶手段から読み出し、効果音を電子的に表す波形である効果音波形を生成する効果音波形生成手段(40)と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本請求項3の効果付与装置においては、演奏者が図1に例示するパネルSW/LED20を操作することにより、音色設定手段によって音色の種類が設定されると、効果音提示手段が(20,30,32)が、その設定された音色の種類に関連付けられている一つ以上の効果音群の種類を効果音記憶手段から取得してその効果音群に含まれる一つ以上の効果音を選択可能に提示する。その提示された効果音が演奏者の操作によって選択された際には、効果音設定手段が、その選択された効果音を楽音に付与するように設定し、さらに効果音波形生成手段(40)が、効果音設定手段が設定した効果音に対応する波形データを波形データ記憶手段(42)から読み出して効果音波形を生成する。なお、この場合に演奏者が選択する効果音の種類の数は一つに限られない。このように楽音の音色の種類の設定に伴い、付与可能な効果音群の種類が自動的に設定されることになり、楽音に対する効果の設定を容易にできる。
【0015】
なお、上述の特定の情景を表す効果音群(その構成する効果音)の具体例としては、「ニューヨークの摩天楼(銃声、風の音、ジェット機の音)」や「浜辺(波の音、かもめの鳴き声、汽笛)」、「ステージ(ざわめき、咳の音、掛け声、拍手)」、「ジャングル(木のすれる音、鳥の鳴き声)」などが挙げられる。さらに、これら効果音は演奏と同期させないもの(銃声やかぜの音、波の音、ざわめき、咳の音など)と演奏と同期させるもの(ジェット機の音、汽笛、掛け声、拍手)に分けることができる。
【0016】
また、上述の効果音設定手段によって設定される効果音群の数は、一つに限られず、例えば「ニューヨークの摩天楼」と「浜辺」など、複数の効果音群を同時に設定してもよい。
さらに、上述の効果音種類記憶手段が関連付けて記憶している音色の種類と効果音群の種類との組み合わせは、上述のエフェクトの場合と同様に、本発明の効果付与装置の製造に際して予め設定しておいてもよいし、事後的にこの組み合わせを変更できるのであれば演奏者が設定するようにしてもよい。
【0017】
このうち、上述のように楽音の音色の種類と効果音群の種類との組み合わせを予め設定しておく場合には、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対して効果音群としての「ステージ」を設定するなど、楽音が構成する曲の雰囲気に合わせた組み合わせにすることが考えられる。しかしながら、上述の音色の種類と効果音群の種類との組み合わせを必ずしも楽音が構成する曲の雰囲気に合わせたものにする必要はなく、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対して効果音群としての「ジャングル」を設定するなど、意外な組み合わせにすることが考えられる。このようにすれば、演奏者や聴衆にとって斬新な演奏を演出できる。
【0018】
さて、上述のように、楽音の音色の種類の設定に伴って効果音群の種類が自動的に設定されると、楽音に対する効果の設定が容易となる反面、最適な効果の設定とならない可能性もある。そこで、請求項4のように、音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられている一つ以上の効果音群の種類を効果音種類記憶手段から取得し、その取得した効果音群の種類を演奏者の操作によって選択可能に提示する効果音群提示手段(20,30,32)と、効果音群提示手段によって提示された効果音群が演奏者の操作によって選択された際には、その選択された効果音群を楽音に付与するように設定する効果音群設定手段(30,32)とを備え、さらに、効果音提示手段は、効果音群設定手段によって設定された効果音群に含まれる効果音を演奏者の操作によって選択可能に提示することが考えられる。なお、この場合に演奏者が選択する効果音の種類の数は一つに限られない。このように、効果音群提示手段によって提示された効果音群の種類の中から演奏者が選択するようにすれば、最適な効果の設定に近づきやすくなる。
【0019】
ところで、請求項5のように、請求項3記載の効果付与装置が、請求項1記載のエフェクト種類記憶手段、エフェクト設定手段およびエフェクト付与手段を備えるように構成することが考えられる。このように構成すると、楽音の音色の種類の設定に伴ってエフェクトの種類および効果音群の種類が自動的に設定されることになり、楽音に対する効果の設定を一層容易にできる。
【0020】
この場合、楽音の音色の種類、リバーブの種類および効果音群の組み合わせを、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してリバーブとしての「ホールリバーブ」および効果音群としての「ステージ」を設定するなど、楽音が構成する曲の雰囲気に合わせた組み合わせにしてもよい。また、その一方で、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してエフェクトとしての「トレモロ」および効果音群としての「ジャングル」を設定するなど意外な組み合わせにしておけば、演奏者や聴衆にとって斬新な演奏を演出できる。
【0021】
また、請求項5の効果付与装置が、請求項2記載のエフェクト提示手段およびエフェクト設定手段を備えるように構成してもよい。このように、エフェクト提示手段によって提示されたエフェクトの種類の中から演奏者が選択するようにすれば、最適な効果の設定に近づきやすくなる。さらに、請求項5の効果付与装置が、請求項4記載の効果音群提示手段および効果音群設定手段を備えるように構成してもよい。このように、効果音群提示手段によって提示された効果音群の種類の中から演奏者が選択するようにすれば、最適な効果の設定に近づきやすくなる。
【0022】
ところで、上述の効果音種類記憶手段が、上述のように音色の種類と効果音群の種類とを関連付けて記憶する代わりに、エフェクトの種類と効果音群の種類とを関連付けて記憶するとともに、効果音群提示手段が、その設定されたエフェクトの種類に対応する効果音群の種類を効果音種類記憶手段から取得して選択可能に提示するように構成してもよい。このように構成すると、エフェクトの種類の設定に伴い、利用可能な効果音群の種類が自動的に設定されることになる。
【0023】
さて、上述のような楽音の音色の種類とエフェクトの種類や効果音群の種類との組み合わせが、演奏者や聴衆の好みに合わないこともある。そこで、エフェクト設定手段が、演奏者の操作などによって一旦設定したエフェクトの種類を変更できるように構成することが考えられる。また、効果音設定手段が、演奏者の操作などによって一旦設定した効果音群の種類を変更できるように構成することも考えられる。このように構成すれば、自動的に設定された効果付与による演奏が演奏者や聴衆の好みに合わなかった場合でも、エフェクトの種類や効果音群の種類を手動で変更できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0025】
[電子鍵盤楽器1の構成]
図1は実施例の電子鍵盤楽器1の概略構成を表すブロック図であり、図2は電子鍵盤楽器1の構成を示すための説明図である。電子鍵盤楽器1は、図1に示すように、鍵盤10、MIDI規格に基づくMIDI信号が入出力されるMIDI15、パネルSW/LCD20、CPU30、プログラムデータやデータを記憶したプログラム・データメモリ31、CPU30がデータを一時記憶するためのワークRAM32、種々の波形データを記憶した波形メモリ42、波形メモリ42から波形データを読み込んで楽音波形を生成する音源回路40、音源回路40が生成した楽音波形を加工して出力するDSP50、ディジタル信号をアナログ信号に変換するDAC60(R、L)、アナログ信号を増幅するアンプ70(R、L)および放音装置であるスピーカー80(R、L)を備えている。また、これらのうち、鍵盤10、MIDI15、パネルSW/LCD20、CPU30、プログラム・データメモリ31、ワークRAM32および音源回路40は、バスライン90によりそれぞれデータ送受可能に接続されている。
【0026】
[鍵盤10の構成]
これらのうち、鍵盤10は、発生すべき楽音の音高を選択するための複数の鍵(キー、本実施例では88鍵)を備えている。各音高の楽音にはそれぞれ番号(キーコード)が付与されており、キーを押下することによりキーコードを指定して、所望の音高の楽音を発音させることができる。また各キーに対応して、そのキーの押鍵・離鍵を検出するための鍵スイッチが設けられている。この鍵スイッチは、2つの接点(第1接点、第2接点)を備えており、キーが押下されるとまず第1接点がオンされ、更に押下されると第2接点がオンされるよう構成されている。また、離鍵の場合には、反対に第2接点、第1接点の順にオフされる。これら接点がオン又はオフされた旨の情報は、内蔵するスキャン回路が各鍵スイッチをスキャンすることにより検出され、キーコードと共に、バスライン90に送出する。バスラインに送出されたキーオン/オフ情報及びキーコードは、CPU30及び音源回路40に取込まれ、またCPU30の制御下でワークRAM32に記憶される。なお、この場合のCPU30およびワークRAM32の機能は、図2におけるキーアサイナに相当する。
【0027】
[パネルSW/LCD20の構成]
また、パネルSW/LCD20には、液晶表示板、LED等のパネル表示装置や、当該電子鍵盤楽器1に各種の情報、指令を入力するための操作子が多数設けられている。なお、このパネルSW/LCD20は音色設定手段に該当する。このうちパネル表示装置はCPU30の指示を受けて電子鍵盤楽器1の状態等を表示するためのLEDを点灯・消灯させる。一方、操作子としては、例えば、当該電子鍵盤楽器1をAOCモードやAUTOモード(自動伴奏モード)にするためのモード選択スイッチや、当該電子鍵盤楽器1がAUTOモードであるときに自動演奏のリズム伴奏を開始および停止させるためのSTART/STOPスイッチ、音色を選択するための音色スイッチ、エフェクトを選択するためのエフェクトスイッチ、リバーブを選択するためのリバーブスイッチ、効果音を選択するための効果音スイッチ、ボリュームコントローラなどが設けられている。そして、これら各種スイッチ、ボリュームコントローラのオン/オフやポジション等は、内蔵するパネルスキャンにて検出される。それらのスイッチ情報は、パネルスキャンからバスラインに送出され、CPU30の制御下でワークRAM32に記憶される。なお、この場合のCPU30およびワークRAM32の機能は、図2におけるキーアサイナに相当する。
【0028】
[CPU30およびプログラム・データメモリ31の構成]
さらに、CPU30は、このプログラム・データメモリ31のプログラムデータに従って動作し、電子鍵盤楽器1の各部の動作を制御する。また、プログラム・データメモリ31には上述のプログラムデータとともに、音色の種類、リバーブの種類および効果音群の種類が互いに関連付けられたデータ(例えば、音色の種類としての「コンサートグランド」、リバーブの種類として「ホールリバーブ」および効果音群の種類としての「ステージ」など)が記憶されている。なお、音色の種類、リバーブの種類および効果音群の種類については後述する。また、CPU30は、ワークRAM32とともに、エフェクト設定手段、効果音設定手段および効果音群設定手段に該当し、また、パネルSW/LCD20およびワークRAM32とともに、エフェクト提示手段、効果音提示手段および効果音群提示手段に該当する。また、プログラム・データメモリ31は、エフェクト種類記憶手段および効果音種類記憶手段に該当する。
【0029】
[音源回路40および波形メモリ42の構成]
また、音源回路40は、同時に64音を発音可能な、Wave Table Look Up方式のPCM波形読み出しタイプであり、図2にも示すように、楽音波形を生成するものである(図2における楽音生成手段に該当する)。また、効果音波形を生成する効果音波形生成手段としても機能する。具体的には、音源回路40は、種々の波形データを格納している波形ROM42から読み込んだ波形データに基づいて楽音波形および効果音波形を生成する。また、音源回路40は、アサイメントメモリ(図示省略)を内包しており、このアサイメントメモリにはキーアサイメント情報(キーコード、そのオン/オフ情報、各種スイッチのオン/オフ情報、エフェクトデータなど)が記憶される。なお、波形データメモリ42に記憶されている楽音の音色の具体例としては、「コンサートグランド」や「メローグランド」、「ブライトピアノ」、「ロックピアノ」、「エレクトリックピアノ」、「ジャズオルガン」、「チャーチオルガン」、「ハープシコード」、「ビブラホン」、「ストリングアンサンブル」、「クワイヤー」、「ファンタジー」、「ウッドベース」、「ベース&ライド」、「エレクトリックベース」などが挙げられる。また、波形データメモリ42に記憶されている、特定の情景を表す効果音群(その構成する効果音)の具体例としては、「浜辺(波の音、かもめの鳴き声、汽笛)」や「森林(木のすれる音、小川のせせらぎ、小鳥の鳴き声、雷)」、「ジャングル(木のすれる音、鳥の鳴き声)」、「ニューヨークの摩天楼(風の音、ジェット機の音)」、「カクテルバー(ざわめき、グラス音、合いの手)」、「ステージ(ざわめき、咳の音、掛け声、拍手)」、「街角(自動車の音、歩く音、警笛)」などが挙げられる。また、これら効果音は演奏と同期させないもの(銃声やかぜの音、波の音、ざわめき、咳の音など)と演奏と同期させるもの(ジェット機の音、汽笛、掛け声、拍手)に分けることができ、このうち、演奏と同期させるものは、例えばフィルイン時やイントロ時、エンディング時、ループ時などに生成するように設定もできる。
【0030】
[DSP50の構成]
また、DSP50は、音源回路40が生成した楽音波形や効果音波形にエフェクト付与処理を行うようにプログラミングされたディジタル信号処理装置である。さらにこのDSP50は、その内部にプログラムやエフェクトデータ、リバーブデータなどを記憶している。ここで、エフェクトデータの具体例としては、音の残響効果を加える「リバーブ」や三段階の反響効果が楽しめる「ディレイ」、音に広がりを加える「コーラス」、揺らぎを与える「トレモロ」、オルガンに用いられるロータリースピーカーをシミュレートした「ロータリー」などが挙げられる。また、リバーブデータの具体例としては、ステージでの残響効果を再現する「ステージリバーブ」やコンサートホールでの残響効果を再現する「ホールリバーブ」、演奏者を包み込む三次元リバーブである「3Dホールリバーブ」などが挙げられる。
【0031】
このように構成されたDSP50は、図2にも示すように、音源回路40が生成した楽音波形や効果音波形が入力されると、パネルSW/LCD20の音色スイッチで選択・設定された音色に対応したエフェクトを、音源回路40が生成した楽音波形に付与する。なお、この場合の音色に対応したエフェクトの具体例としては、ピアノ系の音色に対して「スルー」、ストリングス系の音色に対して「アンサンブル」、オルガン系の音色に対して「ロータリー」、グロッケン系の音色に対して「ディレイ」などである。続いて、エフェクトが付与された楽音波形と、効果音波形とを加算し(以下、合成波形と称す。)、パネルSW/LCD20のリバーブスイッチで選択・設定されたリバーブをこの合成波形に付与してDAC60に出力する。なお、効果音波形のみが入力された際には、その効果音波形にリバーブを付与して出力する。なお、このDSP50は、エフェクト付与手段に該当する。
【0032】
[その他の構成]
また、DSP50にはディジタルアナログコンバータ(DAC)60L、アンプ(Amp)70L及びスピーカー(SP)80Lからなる左出力系と同様にDAC60R、Amp70R及びSP80Rからなる右出力系とが接続されており、左右出力系は、それぞれDSP50から出力される合成波形(デジタル信号)をアナログ信号に変換し、増幅し、音声出力する。
【0033】
なお、電子鍵盤楽器1の他の構成は公知技術に従っているので、詳細な説明は省略する
[メイン処理の説明]
次に、電子鍵盤楽器1のCPU30が実行するメイン処理を、図3を参照して説明する。この電子鍵盤楽器1においては、図4に示すように、電子鍵盤楽器1の電源がオンされると、CPU30は各種の初期化処理を行う(ステップ101、以下、「ステップ」を単に「S」と記す。)。以後は、パネルSW/LED20の各種スイッチ、ボリュームコントローラのオン/オフやポジション等に応じて、音色、エフェクト、音量等を設定するためのパネル処理(S102)、キーオン/オフに対応しての発音、消音を実行するための処理であるキーイベント(S103)、その他の処理(S104)を繰り返し実行する。このうちのパネル処理(S102)に含まれるサブルーチンとして、本発明に関わりの深いエフェクト・効果音設定処理が行われるので、その処理を、図2および図4を参照して説明する。
【0034】
[エフェクト・効果音設定処理の説明]
このエフェクト・効果音設定処理では、まずパネルSW/LCD20の音色スイッチの何れかがオンであるか否かを判断する(S201)。ここで、全ての音色スイッチがオフであればリターンし(S201:NO)、音色スイッチの何れかがオンであれば(S201:YES)、S202に移行する。
【0035】
続くS202では、オンである音色スイッチに対応する音色の種類を、バスライン90を介して音源回路40に知らせる。すると、音源回路40は、その音色の波形データを波形データメモリ42から読み出し、鍵盤10から入力された際の楽音波形の生成に備える(音色設定)。
【0036】
続くS203では、上述のように設定された音色の種類に関連付けられているエフェクトの種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、エフェクト付与手段であるDSP50にバスライン90および音源回路40を介して知らせる。すると、DSP50は、そのエフェクトの種類に対応するエフェクトデータを内部のデータから読み出して音源回路40からの楽音波形の入力に備える(エフェクト設定)。
【0037】
続くS204では、上述のように設定された音色の種類に関連付けられているリバーブの種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、リバーブ付与手段であるDSP50にバスライン90および音源回路40を介して知らせる。すると、DSP50は、そのリバーブの種類に対応するリバーブデータを内部のデータから読み出してエフェクト手段(DSP50)からのエフェクト付与済み楽音波形の入力に備える(リバーブ設定)。
【0038】
続くS205では、S204にて設定されたリバーブの種類に関連付けられている効果音群の種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、(イ)その読み出した効果音群に含まれる効果音をパネルSW/LCD20の効果音スイッチに割り当てるとともに、(ロ)その読み出した効果音群の種類を効果音生成手段である音源回路40に知らせる。すると、音源回路40は、その効果音群の波形データを波形データメモリ42から読み出し、パネルSW/LCD20の効果音スイッチから入力された際の効果音波形の生成に備える(効果音設定)。
【0039】
続くS206では、パネルSW/LCD20のリバーブスイッチの何れかがオンであるか否か、すなわち演奏者が上述のように設定されたリバーブを変更しようとしているか否かを判断する。ここで、全てのリバーブスイッチがオフであればリターンし(S206:NO)、演奏者の操作によってリバーブスイッチの何れかがオンとなっていれば(S206:YES)、S204に戻り、オンとなっているリバーブスイッチに関連付けられているリバーブおよびそのリバーブに関連付けられている効果音を設定する(S204、S205)。
【0040】
以上のように音色、エフェクト、リバーブおよび効果音が設定された状態において鍵盤10の鍵が押されると、設定された音色にて楽音波形が生成され、この楽音波形に、設定されたエフェクトが付与され、さらにリバーブが付与されて出力される。また、効果音スイッチを操作した場合には、効果音波形が生成され、この効果音波形が上述のエフェクトが付与された楽音波形に加算されて合成波形となり、設定されたリバーブがこの合成波形に付与されて出力される。そして、この出力された波形は、上述のようにDAC60にてアナログ信号に変換され、続いてアンプ70にて増幅されてスピーカー80から音声出力される。
【0041】
[効果]
以上のことにより、パネルSW/LED20の音色スイッチが操作されると(図4のS201)、鍵盤の音色、エフェクトの種類、リバーブタイプおよび効果音が自動的に設定され(図4のS202〜S205)、楽音に対する効果の設定が容易にできる。
【0042】
このとき、楽音の音色の種類、リバーブの種類および効果音群の組み合わせを、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してリバーブとしての「ホールリバーブ」および効果音群としての「ステージ」を設定するなど、楽音が構成する曲の雰囲気に合わせた組み合わせにしてもよい。また、その一方で、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対して「トレモロ」および効果音群としての「ジャングル」を設定するなど意外な組み合わせにしておけば、演奏者や聴衆にとって斬新な演奏を演出できる。
【0043】
また、楽音の音色の種類とエフェクトの種類や効果音群の種類との組み合わせが、演奏者や聴衆の好みに合わないときには、パネルSW/LED20のリバーブスイッチを演奏者が操作すれば(図4のS206)、リバーブの種類および効果音群の種類を変更できる(図4のS204、S205)。
【0044】
[別実施例]
(1)上記実施例のプログラム・データメモリ31は、音色の種類ごとに一つの効果音群を関連付けて記憶しているが、音色の種類ごとに複数の効果音群を関連付けて記憶してもよい(例えば、音色としての「コンサートグランド」に対して効果音群としての「ステージ」、「ジャングル」、「浜辺」など)。
(2)上記実施例のS203では、音色の種類に関連付けられているエフェクトの種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、その読み出したエフェクトの種類をDSP50に知らせているが、その読み出したエフェクトの種類をパネルSW/LED20によって選択可能に提示するように構成してもよい。このようにすれば、演奏者がパネルSW/LED20を操作することにより、DSP50が楽音に付与するエフェクトを選択できる。
(3)また、上記実施例のS204では、音色の種類に関連付けられているリバーブの種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、その読み出したリバーブの種類をDSP50に知らせているが、別実施例(2)と同様に、読み出したリバーブの種類をパネルSW/LED20によって選択可能に提示するように構成してもよい。このようにすれば、演奏者がパネルSW/LED20を操作することにより、DSP50が楽音に付与するリバーブを選択できる。
(4)また、上記実施例のS205では、S204にて設定されたリバーブの種類に関連付けられている効果音群の種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、(イ)その読み出した効果音群に含まれる効果音をパネルSW/LCD20の効果音スイッチに割り当てるとともに、(ロ)その読み出した効果音群の種類を効果音生成手段である音源回路40に知らせているが、別実施例(2)および(3)と同様に、その読み出した効果音群の種類をパネルSW/LED20によって選択可能に提示するように構成してもよい。このようにすれば、演奏者がパネルSW/LED20を操作することにより、音源回路40が生成する効果音群を選択できる。
(5)上記実施例のプログラム・データメモリ31では、効果音群の種類がリバーブの種類に関連付けられて記憶されているが、音色の種類に関連付けて記憶し、且つ効果音設定手段としてのCPU30が、その設定された音色の種類に対応する効果音群の種類をプログラム・データメモリ31から取得するように構成してもよい。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
(6)上記実施例の電子鍵盤楽器1では、楽音の音色の種類、リバーブの種類および効果音群の組み合わせを予め設定しておくように構成されているが、演奏者がパネルSW/LED20の各種スイッチを操作して設定可能にしてもよい。
(7)上記実施例の音源回路40は、鍵盤10からのキーコードおよびキーオン/オフ情報に基づいて楽音波形を生成しているが、MIDI15からの入力に基づいて楽音波形を生成してもよい。また、音色やエフェクト、リバーブ、効果音が付与されてDSP50から出力された波形は、上述のようにDAC60にてアナログ信号に変換され、続いてアンプ70にて増幅されてスピーカー80から音声出力されているが、MIDI15から出力してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の電子鍵盤楽器の概略構成を表すブロック図である。
【図2】実施例の電子鍵盤楽器の構成を示すための説明図である。
【図3】実施例の電子鍵盤楽器のCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。
【図4】実施例の電子鍵盤楽器のCPUが実行するエフェクト・効果音設定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1…電子鍵盤楽器、10…鍵盤、15…MIDI、20…パネルSW/LED、30…CPU、31…プログラム・データメモリ、32…ワークRAM、
40…音源回路、42…波形メモリ、50…DSP、60…DAC、
70…アンプ、80…スピーカー、90…バスライン
【発明の属する技術分野】
本発明は、エフェクトや効果音などの効果を楽音に付与する効果付与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピアノやオルガン、ストリングアンサンブルなど様々な音色で楽音を発生させる電子鍵盤楽器が知られている。このような電子鍵盤楽器においては、コンサートホールやスタジオ、ステージなどの臨場感を演出するために、楽音に対して残響効果を付与するリバーブ機能など様々なエフェクト機能を備えるものがある。一例を挙げると、メモリに記憶した波形サンプルデータを順方向または逆方向に繰り返し読み出しながら、読み出した波形サンプルデータに対応する楽音信号に対して十分に長い減衰エンベロープを付与することにより、エコーのような残響感のある特殊な効果を実現するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許2586094号公報(第18頁、図16)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、演奏時における音色と付与する効果との組み合わせを意外なものにすることにより演奏を斬新なものにすることができる。一例を挙げると、楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してエフェクトとしての「トレモロ」を設定するという具合である。
【0005】
しかしながら、上述のような電子鍵盤楽器においては、次のような理由により斬新な演奏を行うことが困難であった。すなわち、上述のような電子鍵盤楽器においては、コンサートホールなどの臨場感を演出するためにリバーブなど各種効果を付与するため、音色と効果との組み合わせを、楽音が構成する曲の雰囲気に合わせた組み合わせにすることとなるからである。一例を挙げると、楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してエフェクトとしての「ホールリバーブ」を設定するという具合である。またこのようなことは、電子鍵盤楽器に限らず、音色やエフェクト、効果音などの効果を付与することができるものにおいても同様であった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、上述のような電子鍵盤楽器などにおいて、演奏の音色の種類やエフェクトの種類、効果音の種類などの効果の組み合わせを意外なものとすることにより演奏者や聴衆にとって斬新な演奏を演出することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1の効果付与装置は、楽音の音色の種類を設定する音色設定手段(20:この欄においては、発明への理解の容易化のため、必要に応じて実施の形態中で用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)と、音色の種類ごとに関連付けられた一つ以上のエフェクトの種類を記憶するエフェクト種類記憶手段(31)と、前記音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられているエフェクトの種類を前記エフェクト種類記憶手段から取得し、そのエフェクトを楽音に付与するように設定するエフェクト設定手段(30,32)と、前記エフェクト設定手段によって設定されたエフェクトを、楽音を電子的に表した波形である楽音波形に付与するエフェクト付与手段(50)と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本請求項1の効果付与装置においては、演奏者が図1に例示するパネルSW/LED20を操作することにより、音色設定手段(20)によって楽音の音色の種類が設定されると、エフェクト設定手段(30,32)が、その設定された音色の種類に関連付けられている一つ以上のエフェクトの種類をエフェクト種類記憶手段(31)から取得し、そのエフェクトを楽音に付与するように設定する。そして、エフェクト付与手段(50)が、エフェクト設定手段によって設定されたエフェクトを、楽音波形に付与する。このように楽音の音色の種類の設定に伴い、エフェクトの種類が自動的に設定されることになり、楽音に対する効果の設定を容易にできる。
【0009】
なお、楽音の音色の具体例としては、「ピアノ」や「オルガン」、「ストリングアンサンブル」などが挙げられる。さらに、それぞれの音色は一種類の設定に限定されず、例えば「ピアノ」では、コンサートなどで用いられるグランドピアノの音を再現する「コンサートグランド」をはじめ、「メローグランド」、「ブライトピアノ」などの複数の設定候補を用意してもよい。また、エフェクトの具体例としては、「リバーブ」や「ディレイ」、「コーラス」、「トレモロ」などが挙げられる。さらに、それぞれのエフェクトは一種類の設定に限定されず、例えば「リバーブ」では、ステージでの残響効果を再現する「ステージリバーブ」やコンサートホールでの残響効果を再現する「ホールリバーブ」などの複数の設定候補を用意してもよい。
【0010】
また、上述のエフェクト設定手段によって設定されるエフェクトの種類は一つに限られず、例えば「コーラス」と「リバーブ」など、複数のエフェクトを同時に設定してもよい。
さらに、上述のエフェクト種類記憶手段が関連付けて記憶している音色の種類とエフェクトの種類との組み合わせは、本発明の効果付与装置の製造に際して予め設定しておいてもよいし、事後的にこの組み合わせを変更できるのであれば演奏者が設定するようにしてもよい。
【0011】
このうち、音色の種類とエフェクトの種類との組み合わせを予め設定しておく場合には、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してエフェクトとしての「ホールリバーブ」を設定するなど、楽音が構成する曲の雰囲気に合わせた組み合わせにすることが考えられる。しかしながら、上述の音色の種類とエフェクトの種類との組み合わせを必ずしも楽音が構成する曲の雰囲気に合わせたものにする必要はなく、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してエフェクトとしての「トレモロ」を設定するなど、意外な組み合わせにすることも考えられる。このようにすれば、演奏者や聴衆にとって斬新な演奏を演出できる。
【0012】
さて、上述のように、楽音の音色の種類の設定に伴ってエフェクトの種類が自動的に設定されると、楽音に対する効果の設定が容易となる反面、最適な効果の設定とならない可能性もある。そこで、請求項2のように、音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられているエフェクトの種類をエフェクト種類記憶手段から取得し、その取得したエフェクトの種類を演奏者の操作によって選択可能に提示するエフェクト提示手段(20,30,32)を備え、エフェクト設定手段が、エフェクト提示手段によって提示されたエフェクトの種類が演奏者の操作によって選択された際には、その選択されたエフェクトを楽音に付与するように設定することが考えられる。なお、この場合に演奏者が選択可能なエフェクトの種類の数は一つに限られない。このように、エフェクト提示手段によって提示されたエフェクトの種類の中から演奏者が選択するようにすれば、最適な効果の設定に近づきやすくなる。
【0013】
ところで、請求項1と同様に上記課題を解決するためになされた請求項3の効果付与装置は、楽音の音色の種類を設定する音色設定手段と、音色の種類ごとに関連付けられた一つ以上の、特定の情景を演出するための一つ以上の効果音からなる効果音群の種類を記憶する効果音種類記憶手段(31)と、前記音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられている効果音群の種類を前記効果音記憶手段から取得し、その効果音群に含まれる効果音を演奏者の操作によって選択可能に提示する効果音提示手段(20,30,32)と、前記効果音提示手段によって提示された効果音が演奏者の操作によって選択された際には、その選択された効果音を楽音に付与するように設定する効果音設定手段(30,32)と、前記効果音を表す波形データを記憶する波形データ記憶手段(42)と、前記効果音設定手段によって設定された効果音に対応する波形データを前記波形データ記憶手段から読み出し、効果音を電子的に表す波形である効果音波形を生成する効果音波形生成手段(40)と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本請求項3の効果付与装置においては、演奏者が図1に例示するパネルSW/LED20を操作することにより、音色設定手段によって音色の種類が設定されると、効果音提示手段が(20,30,32)が、その設定された音色の種類に関連付けられている一つ以上の効果音群の種類を効果音記憶手段から取得してその効果音群に含まれる一つ以上の効果音を選択可能に提示する。その提示された効果音が演奏者の操作によって選択された際には、効果音設定手段が、その選択された効果音を楽音に付与するように設定し、さらに効果音波形生成手段(40)が、効果音設定手段が設定した効果音に対応する波形データを波形データ記憶手段(42)から読み出して効果音波形を生成する。なお、この場合に演奏者が選択する効果音の種類の数は一つに限られない。このように楽音の音色の種類の設定に伴い、付与可能な効果音群の種類が自動的に設定されることになり、楽音に対する効果の設定を容易にできる。
【0015】
なお、上述の特定の情景を表す効果音群(その構成する効果音)の具体例としては、「ニューヨークの摩天楼(銃声、風の音、ジェット機の音)」や「浜辺(波の音、かもめの鳴き声、汽笛)」、「ステージ(ざわめき、咳の音、掛け声、拍手)」、「ジャングル(木のすれる音、鳥の鳴き声)」などが挙げられる。さらに、これら効果音は演奏と同期させないもの(銃声やかぜの音、波の音、ざわめき、咳の音など)と演奏と同期させるもの(ジェット機の音、汽笛、掛け声、拍手)に分けることができる。
【0016】
また、上述の効果音設定手段によって設定される効果音群の数は、一つに限られず、例えば「ニューヨークの摩天楼」と「浜辺」など、複数の効果音群を同時に設定してもよい。
さらに、上述の効果音種類記憶手段が関連付けて記憶している音色の種類と効果音群の種類との組み合わせは、上述のエフェクトの場合と同様に、本発明の効果付与装置の製造に際して予め設定しておいてもよいし、事後的にこの組み合わせを変更できるのであれば演奏者が設定するようにしてもよい。
【0017】
このうち、上述のように楽音の音色の種類と効果音群の種類との組み合わせを予め設定しておく場合には、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対して効果音群としての「ステージ」を設定するなど、楽音が構成する曲の雰囲気に合わせた組み合わせにすることが考えられる。しかしながら、上述の音色の種類と効果音群の種類との組み合わせを必ずしも楽音が構成する曲の雰囲気に合わせたものにする必要はなく、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対して効果音群としての「ジャングル」を設定するなど、意外な組み合わせにすることが考えられる。このようにすれば、演奏者や聴衆にとって斬新な演奏を演出できる。
【0018】
さて、上述のように、楽音の音色の種類の設定に伴って効果音群の種類が自動的に設定されると、楽音に対する効果の設定が容易となる反面、最適な効果の設定とならない可能性もある。そこで、請求項4のように、音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられている一つ以上の効果音群の種類を効果音種類記憶手段から取得し、その取得した効果音群の種類を演奏者の操作によって選択可能に提示する効果音群提示手段(20,30,32)と、効果音群提示手段によって提示された効果音群が演奏者の操作によって選択された際には、その選択された効果音群を楽音に付与するように設定する効果音群設定手段(30,32)とを備え、さらに、効果音提示手段は、効果音群設定手段によって設定された効果音群に含まれる効果音を演奏者の操作によって選択可能に提示することが考えられる。なお、この場合に演奏者が選択する効果音の種類の数は一つに限られない。このように、効果音群提示手段によって提示された効果音群の種類の中から演奏者が選択するようにすれば、最適な効果の設定に近づきやすくなる。
【0019】
ところで、請求項5のように、請求項3記載の効果付与装置が、請求項1記載のエフェクト種類記憶手段、エフェクト設定手段およびエフェクト付与手段を備えるように構成することが考えられる。このように構成すると、楽音の音色の種類の設定に伴ってエフェクトの種類および効果音群の種類が自動的に設定されることになり、楽音に対する効果の設定を一層容易にできる。
【0020】
この場合、楽音の音色の種類、リバーブの種類および効果音群の組み合わせを、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してリバーブとしての「ホールリバーブ」および効果音群としての「ステージ」を設定するなど、楽音が構成する曲の雰囲気に合わせた組み合わせにしてもよい。また、その一方で、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してエフェクトとしての「トレモロ」および効果音群としての「ジャングル」を設定するなど意外な組み合わせにしておけば、演奏者や聴衆にとって斬新な演奏を演出できる。
【0021】
また、請求項5の効果付与装置が、請求項2記載のエフェクト提示手段およびエフェクト設定手段を備えるように構成してもよい。このように、エフェクト提示手段によって提示されたエフェクトの種類の中から演奏者が選択するようにすれば、最適な効果の設定に近づきやすくなる。さらに、請求項5の効果付与装置が、請求項4記載の効果音群提示手段および効果音群設定手段を備えるように構成してもよい。このように、効果音群提示手段によって提示された効果音群の種類の中から演奏者が選択するようにすれば、最適な効果の設定に近づきやすくなる。
【0022】
ところで、上述の効果音種類記憶手段が、上述のように音色の種類と効果音群の種類とを関連付けて記憶する代わりに、エフェクトの種類と効果音群の種類とを関連付けて記憶するとともに、効果音群提示手段が、その設定されたエフェクトの種類に対応する効果音群の種類を効果音種類記憶手段から取得して選択可能に提示するように構成してもよい。このように構成すると、エフェクトの種類の設定に伴い、利用可能な効果音群の種類が自動的に設定されることになる。
【0023】
さて、上述のような楽音の音色の種類とエフェクトの種類や効果音群の種類との組み合わせが、演奏者や聴衆の好みに合わないこともある。そこで、エフェクト設定手段が、演奏者の操作などによって一旦設定したエフェクトの種類を変更できるように構成することが考えられる。また、効果音設定手段が、演奏者の操作などによって一旦設定した効果音群の種類を変更できるように構成することも考えられる。このように構成すれば、自動的に設定された効果付与による演奏が演奏者や聴衆の好みに合わなかった場合でも、エフェクトの種類や効果音群の種類を手動で変更できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0025】
[電子鍵盤楽器1の構成]
図1は実施例の電子鍵盤楽器1の概略構成を表すブロック図であり、図2は電子鍵盤楽器1の構成を示すための説明図である。電子鍵盤楽器1は、図1に示すように、鍵盤10、MIDI規格に基づくMIDI信号が入出力されるMIDI15、パネルSW/LCD20、CPU30、プログラムデータやデータを記憶したプログラム・データメモリ31、CPU30がデータを一時記憶するためのワークRAM32、種々の波形データを記憶した波形メモリ42、波形メモリ42から波形データを読み込んで楽音波形を生成する音源回路40、音源回路40が生成した楽音波形を加工して出力するDSP50、ディジタル信号をアナログ信号に変換するDAC60(R、L)、アナログ信号を増幅するアンプ70(R、L)および放音装置であるスピーカー80(R、L)を備えている。また、これらのうち、鍵盤10、MIDI15、パネルSW/LCD20、CPU30、プログラム・データメモリ31、ワークRAM32および音源回路40は、バスライン90によりそれぞれデータ送受可能に接続されている。
【0026】
[鍵盤10の構成]
これらのうち、鍵盤10は、発生すべき楽音の音高を選択するための複数の鍵(キー、本実施例では88鍵)を備えている。各音高の楽音にはそれぞれ番号(キーコード)が付与されており、キーを押下することによりキーコードを指定して、所望の音高の楽音を発音させることができる。また各キーに対応して、そのキーの押鍵・離鍵を検出するための鍵スイッチが設けられている。この鍵スイッチは、2つの接点(第1接点、第2接点)を備えており、キーが押下されるとまず第1接点がオンされ、更に押下されると第2接点がオンされるよう構成されている。また、離鍵の場合には、反対に第2接点、第1接点の順にオフされる。これら接点がオン又はオフされた旨の情報は、内蔵するスキャン回路が各鍵スイッチをスキャンすることにより検出され、キーコードと共に、バスライン90に送出する。バスラインに送出されたキーオン/オフ情報及びキーコードは、CPU30及び音源回路40に取込まれ、またCPU30の制御下でワークRAM32に記憶される。なお、この場合のCPU30およびワークRAM32の機能は、図2におけるキーアサイナに相当する。
【0027】
[パネルSW/LCD20の構成]
また、パネルSW/LCD20には、液晶表示板、LED等のパネル表示装置や、当該電子鍵盤楽器1に各種の情報、指令を入力するための操作子が多数設けられている。なお、このパネルSW/LCD20は音色設定手段に該当する。このうちパネル表示装置はCPU30の指示を受けて電子鍵盤楽器1の状態等を表示するためのLEDを点灯・消灯させる。一方、操作子としては、例えば、当該電子鍵盤楽器1をAOCモードやAUTOモード(自動伴奏モード)にするためのモード選択スイッチや、当該電子鍵盤楽器1がAUTOモードであるときに自動演奏のリズム伴奏を開始および停止させるためのSTART/STOPスイッチ、音色を選択するための音色スイッチ、エフェクトを選択するためのエフェクトスイッチ、リバーブを選択するためのリバーブスイッチ、効果音を選択するための効果音スイッチ、ボリュームコントローラなどが設けられている。そして、これら各種スイッチ、ボリュームコントローラのオン/オフやポジション等は、内蔵するパネルスキャンにて検出される。それらのスイッチ情報は、パネルスキャンからバスラインに送出され、CPU30の制御下でワークRAM32に記憶される。なお、この場合のCPU30およびワークRAM32の機能は、図2におけるキーアサイナに相当する。
【0028】
[CPU30およびプログラム・データメモリ31の構成]
さらに、CPU30は、このプログラム・データメモリ31のプログラムデータに従って動作し、電子鍵盤楽器1の各部の動作を制御する。また、プログラム・データメモリ31には上述のプログラムデータとともに、音色の種類、リバーブの種類および効果音群の種類が互いに関連付けられたデータ(例えば、音色の種類としての「コンサートグランド」、リバーブの種類として「ホールリバーブ」および効果音群の種類としての「ステージ」など)が記憶されている。なお、音色の種類、リバーブの種類および効果音群の種類については後述する。また、CPU30は、ワークRAM32とともに、エフェクト設定手段、効果音設定手段および効果音群設定手段に該当し、また、パネルSW/LCD20およびワークRAM32とともに、エフェクト提示手段、効果音提示手段および効果音群提示手段に該当する。また、プログラム・データメモリ31は、エフェクト種類記憶手段および効果音種類記憶手段に該当する。
【0029】
[音源回路40および波形メモリ42の構成]
また、音源回路40は、同時に64音を発音可能な、Wave Table Look Up方式のPCM波形読み出しタイプであり、図2にも示すように、楽音波形を生成するものである(図2における楽音生成手段に該当する)。また、効果音波形を生成する効果音波形生成手段としても機能する。具体的には、音源回路40は、種々の波形データを格納している波形ROM42から読み込んだ波形データに基づいて楽音波形および効果音波形を生成する。また、音源回路40は、アサイメントメモリ(図示省略)を内包しており、このアサイメントメモリにはキーアサイメント情報(キーコード、そのオン/オフ情報、各種スイッチのオン/オフ情報、エフェクトデータなど)が記憶される。なお、波形データメモリ42に記憶されている楽音の音色の具体例としては、「コンサートグランド」や「メローグランド」、「ブライトピアノ」、「ロックピアノ」、「エレクトリックピアノ」、「ジャズオルガン」、「チャーチオルガン」、「ハープシコード」、「ビブラホン」、「ストリングアンサンブル」、「クワイヤー」、「ファンタジー」、「ウッドベース」、「ベース&ライド」、「エレクトリックベース」などが挙げられる。また、波形データメモリ42に記憶されている、特定の情景を表す効果音群(その構成する効果音)の具体例としては、「浜辺(波の音、かもめの鳴き声、汽笛)」や「森林(木のすれる音、小川のせせらぎ、小鳥の鳴き声、雷)」、「ジャングル(木のすれる音、鳥の鳴き声)」、「ニューヨークの摩天楼(風の音、ジェット機の音)」、「カクテルバー(ざわめき、グラス音、合いの手)」、「ステージ(ざわめき、咳の音、掛け声、拍手)」、「街角(自動車の音、歩く音、警笛)」などが挙げられる。また、これら効果音は演奏と同期させないもの(銃声やかぜの音、波の音、ざわめき、咳の音など)と演奏と同期させるもの(ジェット機の音、汽笛、掛け声、拍手)に分けることができ、このうち、演奏と同期させるものは、例えばフィルイン時やイントロ時、エンディング時、ループ時などに生成するように設定もできる。
【0030】
[DSP50の構成]
また、DSP50は、音源回路40が生成した楽音波形や効果音波形にエフェクト付与処理を行うようにプログラミングされたディジタル信号処理装置である。さらにこのDSP50は、その内部にプログラムやエフェクトデータ、リバーブデータなどを記憶している。ここで、エフェクトデータの具体例としては、音の残響効果を加える「リバーブ」や三段階の反響効果が楽しめる「ディレイ」、音に広がりを加える「コーラス」、揺らぎを与える「トレモロ」、オルガンに用いられるロータリースピーカーをシミュレートした「ロータリー」などが挙げられる。また、リバーブデータの具体例としては、ステージでの残響効果を再現する「ステージリバーブ」やコンサートホールでの残響効果を再現する「ホールリバーブ」、演奏者を包み込む三次元リバーブである「3Dホールリバーブ」などが挙げられる。
【0031】
このように構成されたDSP50は、図2にも示すように、音源回路40が生成した楽音波形や効果音波形が入力されると、パネルSW/LCD20の音色スイッチで選択・設定された音色に対応したエフェクトを、音源回路40が生成した楽音波形に付与する。なお、この場合の音色に対応したエフェクトの具体例としては、ピアノ系の音色に対して「スルー」、ストリングス系の音色に対して「アンサンブル」、オルガン系の音色に対して「ロータリー」、グロッケン系の音色に対して「ディレイ」などである。続いて、エフェクトが付与された楽音波形と、効果音波形とを加算し(以下、合成波形と称す。)、パネルSW/LCD20のリバーブスイッチで選択・設定されたリバーブをこの合成波形に付与してDAC60に出力する。なお、効果音波形のみが入力された際には、その効果音波形にリバーブを付与して出力する。なお、このDSP50は、エフェクト付与手段に該当する。
【0032】
[その他の構成]
また、DSP50にはディジタルアナログコンバータ(DAC)60L、アンプ(Amp)70L及びスピーカー(SP)80Lからなる左出力系と同様にDAC60R、Amp70R及びSP80Rからなる右出力系とが接続されており、左右出力系は、それぞれDSP50から出力される合成波形(デジタル信号)をアナログ信号に変換し、増幅し、音声出力する。
【0033】
なお、電子鍵盤楽器1の他の構成は公知技術に従っているので、詳細な説明は省略する
[メイン処理の説明]
次に、電子鍵盤楽器1のCPU30が実行するメイン処理を、図3を参照して説明する。この電子鍵盤楽器1においては、図4に示すように、電子鍵盤楽器1の電源がオンされると、CPU30は各種の初期化処理を行う(ステップ101、以下、「ステップ」を単に「S」と記す。)。以後は、パネルSW/LED20の各種スイッチ、ボリュームコントローラのオン/オフやポジション等に応じて、音色、エフェクト、音量等を設定するためのパネル処理(S102)、キーオン/オフに対応しての発音、消音を実行するための処理であるキーイベント(S103)、その他の処理(S104)を繰り返し実行する。このうちのパネル処理(S102)に含まれるサブルーチンとして、本発明に関わりの深いエフェクト・効果音設定処理が行われるので、その処理を、図2および図4を参照して説明する。
【0034】
[エフェクト・効果音設定処理の説明]
このエフェクト・効果音設定処理では、まずパネルSW/LCD20の音色スイッチの何れかがオンであるか否かを判断する(S201)。ここで、全ての音色スイッチがオフであればリターンし(S201:NO)、音色スイッチの何れかがオンであれば(S201:YES)、S202に移行する。
【0035】
続くS202では、オンである音色スイッチに対応する音色の種類を、バスライン90を介して音源回路40に知らせる。すると、音源回路40は、その音色の波形データを波形データメモリ42から読み出し、鍵盤10から入力された際の楽音波形の生成に備える(音色設定)。
【0036】
続くS203では、上述のように設定された音色の種類に関連付けられているエフェクトの種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、エフェクト付与手段であるDSP50にバスライン90および音源回路40を介して知らせる。すると、DSP50は、そのエフェクトの種類に対応するエフェクトデータを内部のデータから読み出して音源回路40からの楽音波形の入力に備える(エフェクト設定)。
【0037】
続くS204では、上述のように設定された音色の種類に関連付けられているリバーブの種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、リバーブ付与手段であるDSP50にバスライン90および音源回路40を介して知らせる。すると、DSP50は、そのリバーブの種類に対応するリバーブデータを内部のデータから読み出してエフェクト手段(DSP50)からのエフェクト付与済み楽音波形の入力に備える(リバーブ設定)。
【0038】
続くS205では、S204にて設定されたリバーブの種類に関連付けられている効果音群の種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、(イ)その読み出した効果音群に含まれる効果音をパネルSW/LCD20の効果音スイッチに割り当てるとともに、(ロ)その読み出した効果音群の種類を効果音生成手段である音源回路40に知らせる。すると、音源回路40は、その効果音群の波形データを波形データメモリ42から読み出し、パネルSW/LCD20の効果音スイッチから入力された際の効果音波形の生成に備える(効果音設定)。
【0039】
続くS206では、パネルSW/LCD20のリバーブスイッチの何れかがオンであるか否か、すなわち演奏者が上述のように設定されたリバーブを変更しようとしているか否かを判断する。ここで、全てのリバーブスイッチがオフであればリターンし(S206:NO)、演奏者の操作によってリバーブスイッチの何れかがオンとなっていれば(S206:YES)、S204に戻り、オンとなっているリバーブスイッチに関連付けられているリバーブおよびそのリバーブに関連付けられている効果音を設定する(S204、S205)。
【0040】
以上のように音色、エフェクト、リバーブおよび効果音が設定された状態において鍵盤10の鍵が押されると、設定された音色にて楽音波形が生成され、この楽音波形に、設定されたエフェクトが付与され、さらにリバーブが付与されて出力される。また、効果音スイッチを操作した場合には、効果音波形が生成され、この効果音波形が上述のエフェクトが付与された楽音波形に加算されて合成波形となり、設定されたリバーブがこの合成波形に付与されて出力される。そして、この出力された波形は、上述のようにDAC60にてアナログ信号に変換され、続いてアンプ70にて増幅されてスピーカー80から音声出力される。
【0041】
[効果]
以上のことにより、パネルSW/LED20の音色スイッチが操作されると(図4のS201)、鍵盤の音色、エフェクトの種類、リバーブタイプおよび効果音が自動的に設定され(図4のS202〜S205)、楽音に対する効果の設定が容易にできる。
【0042】
このとき、楽音の音色の種類、リバーブの種類および効果音群の組み合わせを、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対してリバーブとしての「ホールリバーブ」および効果音群としての「ステージ」を設定するなど、楽音が構成する曲の雰囲気に合わせた組み合わせにしてもよい。また、その一方で、例えば楽音の音色としての「コンサートグランド」に対して「トレモロ」および効果音群としての「ジャングル」を設定するなど意外な組み合わせにしておけば、演奏者や聴衆にとって斬新な演奏を演出できる。
【0043】
また、楽音の音色の種類とエフェクトの種類や効果音群の種類との組み合わせが、演奏者や聴衆の好みに合わないときには、パネルSW/LED20のリバーブスイッチを演奏者が操作すれば(図4のS206)、リバーブの種類および効果音群の種類を変更できる(図4のS204、S205)。
【0044】
[別実施例]
(1)上記実施例のプログラム・データメモリ31は、音色の種類ごとに一つの効果音群を関連付けて記憶しているが、音色の種類ごとに複数の効果音群を関連付けて記憶してもよい(例えば、音色としての「コンサートグランド」に対して効果音群としての「ステージ」、「ジャングル」、「浜辺」など)。
(2)上記実施例のS203では、音色の種類に関連付けられているエフェクトの種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、その読み出したエフェクトの種類をDSP50に知らせているが、その読み出したエフェクトの種類をパネルSW/LED20によって選択可能に提示するように構成してもよい。このようにすれば、演奏者がパネルSW/LED20を操作することにより、DSP50が楽音に付与するエフェクトを選択できる。
(3)また、上記実施例のS204では、音色の種類に関連付けられているリバーブの種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、その読み出したリバーブの種類をDSP50に知らせているが、別実施例(2)と同様に、読み出したリバーブの種類をパネルSW/LED20によって選択可能に提示するように構成してもよい。このようにすれば、演奏者がパネルSW/LED20を操作することにより、DSP50が楽音に付与するリバーブを選択できる。
(4)また、上記実施例のS205では、S204にて設定されたリバーブの種類に関連付けられている効果音群の種類をプログラム・データメモリ31から読み出し、(イ)その読み出した効果音群に含まれる効果音をパネルSW/LCD20の効果音スイッチに割り当てるとともに、(ロ)その読み出した効果音群の種類を効果音生成手段である音源回路40に知らせているが、別実施例(2)および(3)と同様に、その読み出した効果音群の種類をパネルSW/LED20によって選択可能に提示するように構成してもよい。このようにすれば、演奏者がパネルSW/LED20を操作することにより、音源回路40が生成する効果音群を選択できる。
(5)上記実施例のプログラム・データメモリ31では、効果音群の種類がリバーブの種類に関連付けられて記憶されているが、音色の種類に関連付けて記憶し、且つ効果音設定手段としてのCPU30が、その設定された音色の種類に対応する効果音群の種類をプログラム・データメモリ31から取得するように構成してもよい。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
(6)上記実施例の電子鍵盤楽器1では、楽音の音色の種類、リバーブの種類および効果音群の組み合わせを予め設定しておくように構成されているが、演奏者がパネルSW/LED20の各種スイッチを操作して設定可能にしてもよい。
(7)上記実施例の音源回路40は、鍵盤10からのキーコードおよびキーオン/オフ情報に基づいて楽音波形を生成しているが、MIDI15からの入力に基づいて楽音波形を生成してもよい。また、音色やエフェクト、リバーブ、効果音が付与されてDSP50から出力された波形は、上述のようにDAC60にてアナログ信号に変換され、続いてアンプ70にて増幅されてスピーカー80から音声出力されているが、MIDI15から出力してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の電子鍵盤楽器の概略構成を表すブロック図である。
【図2】実施例の電子鍵盤楽器の構成を示すための説明図である。
【図3】実施例の電子鍵盤楽器のCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。
【図4】実施例の電子鍵盤楽器のCPUが実行するエフェクト・効果音設定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1…電子鍵盤楽器、10…鍵盤、15…MIDI、20…パネルSW/LED、30…CPU、31…プログラム・データメモリ、32…ワークRAM、
40…音源回路、42…波形メモリ、50…DSP、60…DAC、
70…アンプ、80…スピーカー、90…バスライン
Claims (5)
- 楽音の音色の種類を設定する音色設定手段と、
音色の種類ごとに関連付けられた一つ以上のエフェクトの種類を記憶するエフェクト種類記憶手段と、
前記音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられているエフェクトの種類を前記エフェクト種類記憶手段から取得し、そのエフェクトを楽音に付与するように設定するエフェクト設定手段と、
前記エフェクト設定手段によって設定されたエフェクトを、楽音を電子的に表した波形に付与するエフェクト付与手段と、
を備えることを特徴とする効果付与装置。 - 請求項1記載の効果付与装置において、
前記音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられているエフェクトの種類を前記エフェクト種類記憶手段から取得し、その取得したエフェクトの種類を演奏者の操作によって選択可能に提示するエフェクト提示手段を備え、
前記エフェクト設定手段は、前記エフェクト提示手段によって提示されたエフェクトの種類が演奏者の操作によって選択された際には、その選択されたエフェクトを楽音に付与するように設定すること
を特徴とする効果付与装置。 - 音色の種類ごとに関連付けられた一つ以上の、特定の情景を演出するための一つ以上の効果音からなる効果音群の種類を記憶する効果音種類記憶手段と、
前記音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられている効果音群の種類を前記効果音記憶手段から取得し、その取得した効果音群に含まれる効果音を演奏者の操作によって選択可能に提示する効果音提示手段と、
前記効果音提示手段によって提示された効果音が演奏者の操作によって選択された際には、その選択された効果音を楽音に付与するように設定する効果音設定手段と、
前記効果音を表す波形データを記憶する波形データ記憶手段と、
前記効果音設定手段によって設定された効果音に対応する波形データを前記波形データ記憶手段から読み出し、効果音を電子的に表す波形を生成する効果音波形生成手段と、
を備えることを特徴とする効果付与装置。 - 請求項3記載の効果付与装置において、
前記音色設定手段によって設定された音色の種類に関連付けられている一つ以上の効果音群の種類を前記効果音種類記憶手段から取得し、その取得した効果音群の種類を演奏者の操作によって選択可能に提示する効果音群提示手段と、
前記効果音群提示手段によって提示された効果音群が演奏者の操作によって選択された際には、その選択された効果音群を楽音に付与するように設定する効果音群設定手段と、
を備え、
さらに、前記効果音提示手段は、前記効果音群設定手段によって設定された効果音群に含まれる効果音を演奏者の操作によって選択可能に提示することを特徴とする効果付与装置。 - 請求項3記載の効果付与装置において、
さらに、請求項1記載のエフェクト種類記憶手段、エフェクト設定手段およびエフェクト付与手段を備えることを特徴とする効果付与装置。
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