JP2004347705A - 電子楽器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ROM2は、複数の発音系列で発音すべき楽音の発音データを複数組記憶している。ROM2に記憶されている複数組の発音データのうちの一組が選択されて楽音発生回路6に転送される。チャンネルオフが設定されている発音データは、レジストレーション選択ボタンが操作された転送指示時点ではなく、CPUの処理が空いた時点、あるいはチャンネルオン/オフスイッチがオン操作された発音指示時点に転送される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器に関し、特に、複数の発音系列に転送する発音データが大量であっても、演奏上の不具合を来すことなくそれら発音データを転送することができる電子楽器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子オルガンなどの電子楽器には、一組の鍵盤、例えばアッパー鍵盤とロワー鍵盤とペダル鍵盤、あるいはゾーン機能により高音域と低音域などに領域分割された鍵盤に対してそれぞれ別の音色を設定し、また、設定する音色を種々に変更して演奏し得るものがある。これによれば多彩な音色を選択的に使用して表現豊かな、また、幅広いジャンルの音楽の演奏が可能になる。
【0003】
この場合、音色はグループ化され、音色系列を形作るのが通常である。例えば、第一系列は管弦楽器音色、第二系列は電気楽器音色、第三系列は合成音色などというようにグループ化される。
【0004】
音色系列は、記憶装置に発音データとして予め記憶される。電子楽器を演奏する際には、実際に用いる音色の発音データを記憶装置から読み出して各発音系列に設定する。演奏中においても演奏者は記憶装置から読み出す発音データを次々と変更し、それらを各発音系列に設定することができる。
【0005】
また、一組の鍵盤に対し複数の音色、さらには音量やエフェクトなどの発音データを予めレジストレーションとして記憶しておき、演奏時にこれを読み出して一括して設定する電子楽器も知られている。これよれば、音色や音量や効果などを一括して種々に切り替えながら演奏することができる。
【0006】
例えば、曲の前奏部のために、第一系列に静かな弦楽合奏音、第二系列に電気ピアノ音、第三系列に川の流れる音を選び、それらの発音データをレジストレーション1として記憶させておく。また、テーマ部のために、第一系列に歯切れのよい管楽器合奏音、第二系列に電気ギター音、第三系列にシンセサイザ音を選び、それらの発音データをレジストレーション2として記憶させておく。さらに、間奏部のために、第一系列に生ピアノ音、第二系列に電気ギター音、第三系列にシンセサイザ音を選び、第二系列の電気ギター音と第三系列のシンセサイザ音については発音しないように設定し、それらの発音データをレジストレーション3として記憶させておく。
【0007】
実際の演奏では、記憶させておいたレジストレーションを順次読み出して楽音系列に転送する。まず、レジストレーション1を選んで前奏部を演奏し、次いでレジストレーション2を選んでテーマ部を演奏し、続いてレジストレーション3を選んで間奏部を演奏し、さらにレジストレーション2を選んで再びテーマ部を演奏する。
【0008】
前奏部では、一組の鍵盤により静かな弦楽合奏音と電気ピアノ音と川の流れる音による演奏が可能であり、テーマ部では歯切れのよい管楽器合奏音と電気ギター音とシンセサイザ音による演奏が可能である。また、間奏部ではそのままでは第一系列による生ピアノ音による演奏が可能であるが、第一系列を発音しないように切り替えるとともに第三系列を発音するように切り替えれば、電気ギター音による演奏が可能になり、さらに第二系列を発音しないように切り替えるとともに第三系列を発音するように切り替えれば、シンセサイザ音による演奏が可能になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、音色の他、音量、イニシャルタッチやアフタータッチについてのデータや各種エフェクトについてのデータなど、発音データが多量になると、複数の発音系列の発音データを一組としたレジストレーションの発音データはシーケンシャルに各発音系列に転送されるので、その転送に時間がかかり、遂にはレジストレーションの切り替え時に発音が遅れたり、切り替える前の音色や効果のままで演奏されてしまう、という不具合が生じる。
【0010】
この不具合は、転送するレジストレーションのデータ量、すなわち発音データのデータ量を少なくすることにより防ぐことができるが、これでは演奏の表現能力が狭められてしまうという問題が生じてしまう。
【0011】
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決し、複数の発音系列に転送する発音データが大量であっても、演奏上の不具合を来すことなくそれらの発音データを転送することができる電子楽器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明は、少なくとも一組の鍵盤と、前記一組の鍵盤の鍵操作に応じて楽音を発生する複数の発音系列とを備える電子楽器において、前記複数の発音系列で発音すべき楽音の発音データを複数組記憶する発音データ記憶手段と、前記発音データ記憶手段に記憶された複数組の発音データのうちの一組を選択して前記複数の発音系列に転送する発音データ転送手段と、
【0013】
発音データ転送指示に従って前記一組の発音データを選択して前記複数の発音系列に転送するに際し、各発音系列の発音データをその内容に応じて異なる時点で転送させる発音データ転送制御手段とを備えた点に第1の特徴がある。
【0014】
また、本発明は、前記発音データ転送制御手段は、各発音系列の発音データをその内容に応じて前記発音転送指示の時点から遅延させる遅延処理手段を備えた点に第2の特徴がある。
【0015】
さらに、本発明は、前記発音データ転送制御手段は、各発音系列の発音データの転送をその内容に応じてスキップさせる転送スキップ手段と、前記転送スキップ手段により発音データの転送がスキップされたことを記憶するスキップ記憶手段と、前記転送スキップ手段により転送がスキップされた発音データを発音指示の時点で転送させる部分転送制御手段とを備えた点に第3の特徴がある。
【0016】
第1の特徴によれば、転送指示の時点で、例えば発音するように設定されている発音データを転送し、発音しないように設定されている発音データはそれ以外の適宜の時点で転送するというように、複数の発音系列に転送する発音データをその内容に応じて分けて転送するので、転送指示の時点で必要な発音データを略瞬時に転送することができ、その時に発音が遅れたり、転送指示前の音色や効果のままで演奏されるなどといった不具合が解消される。また、適宜の時点で転送される発音データもその量が少ないので、略瞬時に転送される。
【0017】
また、第2の特徴によれば、発音データの内容に応じて、転送指示の時点では、例えば発音するように設定されている発音データを転送し、発音しないように設定されている発音データは、その時点より遅延させてCPUの処理が空いた時点などに転送することができる。
【0018】
さらに、第3の特徴によれば、発音データの内容に応じて、転送指示の時点では、例えば発音するように設定されている発音データのみを転送して他の発音データをスキップし、スキップした発音データは、発音指示の時点で転送することができる。この場合、転送指示の時点で転送される発音データは、複数の発音系列の発音データのうちの当初からの発音が意図されている発音データであり、発音指示の時点で転送すべき発音データは、発音指示によって初めて発音が意図された発音データである。このように複数の発音系列の発音データをその内容に応じて転送指示の時点と発音指示の時点とに分けて転送させることにより、各時点で転送する発音データの量を少なくすることができ、転送指示直後の発音が遅れたり、指示前の音色や効果のままで演奏されるという不具合が解消される。また、発音指示の時点で転送されるデータ量も少なくなるので、発音指示直後でもそれに応じた発音を行わせることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は、本発明が適用された電子楽器の一実施形態の概略を示すブロック図である。同図において、CPU1は、ROM2に格納されている制御プログラムに従って電子楽器全体の制御を行うものであり、タイマ割り込み回路を備え、さらにMIDIインタフェース回路との接続用シリアルポートを備えてもよい。
【0020】
ROM2は、例えばフラッシュROMなどの書き換え可能なものであり、制御プログラム、音色パラメータやエフェクトパラメータなどの演奏状態を設定するための発音データを記憶する。また、ROM2は、操作パネル4の複数のレジストレーション選択ボタンの各々に対応したレジストレーションの発音データを記憶する記憶装置としても使用される。
【0021】
RAM3は、CPU1のワークエリアとして使用される。演奏状態を設定するための各種パラメータやレジストレーションの発音データは、RAM3に記憶させるようにすることもでき、その場合、RAM3は、例えばバッテリによりバックアップされる。
【0022】
CPU1は、例えば鍵盤5などから読み取った情報とROM2やRAM3から読み出したデータとの演算結果のデータ、あるいはROM2やRAM3から読み出した発音データを楽音発生回路(TG)6に送出する。TG6は、入力されたデータに基づいて楽音信号を生成する。この楽音信号は、DAコンバータ(DAC)7でアナログ信号に変換され、アンプ8により増幅されてスピーカ9に供給され、スピーカ9から楽音が発生される。CPUバス10は、電子楽器内部の各回路を接続する。
【0023】
スピーカ9から発生させる楽音は、操作パネル4の音色選択ボタンを操作することにより、ボタン操作に応じた音色に設定することができる。また、レジストレーション選択ボタンを操作することにより、それに対して予め登録されている発音データに従って音色や音量やエフェクトなどの状態を一括設定することができる。これらの設定は、ROM2やRAM3に予め記憶されている発音データを読み出して楽音発生回路(TG)6に送出し、セットすることにより達成される。
【0024】
図2は、TG6の詳細を示すブロック図であり、TG6は、CPU20、ROM21、RAM22、双方向RAM23および音源回路(SPU:sound processing unit)24を含み、これらはTGバス25により接続されている。
【0025】
図1のCPU1より送出されたデータは、CPUバス9から双方向RAM23を通じてCPU20に送られる。CPU20は、入力されたデータに基づいてROM21とRAM22からデータを読み出し、読み出したデータをSPU24に送出する。SPU24はデジタル楽音を生成し、これをDAC6に送出する。
【0026】
ROM2やRAM3から読み出されたレジストレーションの発音データは、双方向RAM23を介してRAM22に転送される。これによりレジストレーションがRAM22にセットされ、セットされた発音データに従った楽音がスピーカ9から送出される。
【0027】
図3は、操作パネル4の外観構成の概略を示す正面図である。鍵盤5は、アッパー鍵盤5−1とロワー鍵盤5−2とからなる。なお、黒鍵は図示省略している。操作パネル4の前面には、ベンドホイール30、ボリューム31、音色選択ボタン32、チャンネル(channel)オン/オフスイッチ33およびエディット(EDIT)スイッチ34、編集パラメータ選択ボタン35、LCDディスプレイ36、ダイヤル37、レジストレーション(REGISTRATION)選択ボタン38が配置されている。鍵盤5を高音域と低音域などに領域分割するためのスプリットボタンなども適宜配置される。また、操作パネル4の上側部には電源スイッチ39が配置されている。
【0028】
ここで、音色選択ボタン32は、ピアノ、、エレクトリック・ピアノ、オルガン、ストリングなどの音色を各鍵盤あるいは鍵盤領域に設定するために使用される。発音系列(チャンネル)1〜3は、発音しないように設定された発音データが転送されてもそのままでは発音可能ではない。それを発音可能にするためにオン/オフスイッチ33が使用される。エディットスイッチ34と編集パラメータ選択ボタン35あるいはダイヤル37は、各発音系列に設定する音色などのパラメータの編集に使用され、その状態はLCDディスプレイ36で表示される。また、レジストレーション選択ボタン38は、各種パラメータを一括設定するために使用される。
【0029】
本例は、3つのチャンネル1〜3を有する電子楽器の場合であり、チャンネル1〜3は各発音系列に対応する。レジストレーション選択ボタン38(1〜8)の各々に対して、図4に一例を示す発音データが3つ一組となってレジストレーションとして記憶される。レジストレーション選択ボタン38の押圧操作は、該ボタンに対応するレジストレーションの一組の発音データの各発音系列への転送指示となる。チャンネルオン(発音する)が設定されている発音データは、この転送指示の時点で該当する発音系列に転送される。この転送に伴いチャンネルオン/オフスイッチ33あるいはその近傍に配置したLEDが点灯して該発音系列での発音データがそのまま発音可能であることを表示する。
【0030】
チャンネルオフ(発音しない)が設定されている発音データは、CPUの処理に空きが生じた時点、あるいは非点灯LEDのチャンネルオン/オフスイッチ33がオンにされた発音指示の時点で該当する発音系列に転送される。非点灯LEDのチャンネルオン/オフスイッチ33がオン操作されれば、それに付随したLEDが点灯し、該発音系列が発音可能になったことを表示する。
【0031】
なお、レジストレーション選択ボタン38の1つと「*」ボタンとを同時に押圧操作すれば、その時の電子楽器の設定状態がレジストレーションとしてレジストレーション選択ボタン対応の記憶領域に記憶される。
【0032】
図1のCPU1あるいはROM2から双方向RAM23を介してRAM22にらジストレーションの発音データが転送される際、その転送は、双方向RAM23の属性(転送レート)により制限を受ける、双方向RAM23は、通常、データの転送に対して隘路となっており、転送するデータ量が多くなると、データの転送完了までに時間がかかる。これはパラレルインタフェースあるいはシリアルインタフェースなどを使用したとしても、その固定の属性により同様の問題が起こる。
【0033】
図4は、各発音系列に転送される発音データのデータフォーマットの一例を示す図である。本例の発音データは、発音するか否かのチャンネルオン/オフ(Channel On/Off)、音色を表すトーンナンバ(Tone Number)、該発音データのボリューム(Part Volume)、ベンド(Bend)、ビブラート(Vibrato)、グロール(Growl)、パン(Pan)などの種々のエフェクトについてのパラメータを含む全体で24種類(「0x00」〜「0x17」)のパラメータを有している。
【0034】
一組の鍵盤の鍵操作に応じて楽音を発生する複数の発音系列とを備える電子楽器においては、複数の発音系列にそれぞれ、図4に示すような発音データを転送するため、転送すべきデータ量が多くなる。例えば、前記例のように3つの発音系列を備えるものでは、図4に示すような発音データ3つ分のデータを転送する必要がある。
【0035】
本発明では、発音データ転送指示に従って一組の発音データを選択して複数の発音系列に転送するに際し、各発音系列の発音データをその内容に応じて異なる時点で転送させることにより各時点で転送するデータ量を少なくしている。
【0036】
以下、フローチャートを参照して本発明に係る電子楽器の動作、特に発音データの転送の一実施形態について説明する。図5は、図1のCPU1の動作の一例を示すフローチャートであり、電子楽器の全体の処理を示す。まず、電源が投入されたならばステップS51でCPU1、20、RAM3、22、23、SPU24を構成するLSI等を初期化するとともに、全てのFiフラグを“0”とする。このFiフラグは、発音系列に対して発音データが転送されたか否かを示すものであり、初期化された状態では全ての発音系列についてのFiフラグを“0”として発音データが転送済であることを示すようにする。例えば3つの発音系列を備える場合には、F0=F1=F2=0とする。
【0037】
ステップS52でイベントが検出されたならば、ステップS53で、検出されたイベントを実行する。ステップS53の詳細は後述する。次に、ステップS54では、経時変化処理を実行する。この経時変化処理は、ビブラートやオートパンなど、演奏者の操作によらない経時的な楽音変化を生起させるものである。続いて、ステップS55で、遅延転送処理を実行し、ステップS52に戻る。ステップS55の詳細も後述する。
【0038】
図6は、図5のイベント実行(ステップS53)の一例を詳細に示すフローチャートである。まず、ステップS61で、検出されたイベントがレジストレーションを読み出すべきイベントであるか否かを判定する。ここで、レジストレーションを読み出すべきイベントでないと判定すれば、ステップS62に進んでその他の処理を実行し、次の計時変化処理(ステップS54)に進む。ステップS62の詳細は後述する。ステップS61で、レジストレーションを読み出すべきイベントであると判定すれば、ステップS63に進んでレジスト転送処理を実行する。
【0039】
図7は、レジスト転送処理(ステップS63)の一例を詳細に示すフローチャートである。まず、ステップS71で、i=0とし、続くステップS72で、発音系列iに転送すべき発音データのチャンネルオン/オフがオン(発音する)であるか否かを調べる。
【0040】
ここで、オフ(発音しない)と判定すれば、ステップS73に進んでFiフラグを反転させて“1”とし、オン(発音する)と判定すれば、ステップS74に進んで発音系列iに該発音データを転送する。その後、ステップS75でi=i+1とし、ステップS72〜S76の処理を、ステップS76でi=発音系列数と判定されるまで繰り返す。
【0041】
ステップS76でi=発音系列数と判定されれば、全ての発音系列についての処理が済んだことになるので、次の計時変化処理(ステップS54)に進む。図7の処理により、チャンネルオンが設定されている発音データは、対応する発音系列に転送されて該発音系列による発音が可能になり、チャンネルオフが設定されている発音データは、転送されずにFiフラグが反転される。
【0042】
図8は、図6のその他の処理(ステップS62)の一例を詳細に示すフローチャートである。まず、ステップS81で、他にイベントが無いかどうかを調べる。他にイベントが無いことは、そのイベントを処理すればCPUの処理が空くことを意味する。ステップS81で、他にイベントが無いと判定された場合には、ステップS82でNE(no event)フラグをセット(“1”)し、ステップS83でイベント処理を実行して図3の経時転送処理(ステップS54)に進むが、他にイベントがあると判定された場合には、そのままステップS83でイベントを処理して経時転送処理(ステップS54)に進む。
【0043】
図9は、図5の遅延転送処理(ステップS55)の一例を詳細に示すフローチャートである。まず、ステップS91で、NEフラグが“1”であるか否かを調べ、“1”と判定された場合にはステップS92に進んでFiフラグが“1”である発音データを、対応する発音系列に転送する。その後、ステップS93でNEフラグをリセットし、図5のイベント検出処理(ステップS52)に戻る。ステップS91で、NEフラグが“0”と判定された場合には、直接イベント検出処理(ステップS52)に戻ってもよいが、本例では、ステップS93を介してイベント検出処理(ステップS52)に戻るようにしている。なお、ステップS92で発音データが転送された発音系列は、チャンネルオン/オフスイッチ33をオン操作することにより発音可能にされる。
【0044】
以上の実施形態は、レジストレーションの発音データのうちのチャンネルオフの発音データを遅延転送処理により遅延させ、CPUの処理の空きの時点で転送するものであるが、チャンネルオフの発音データの転送は、該発音データの発音指示があった時点、すなわち図3のチャンネルオン/オフスイッチ33がオン操作された時点で転送するようにしてもよい。
【0045】
図10は、そのようにした実施形態におけるCPU1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、電源が投入されたならばステップS101でCPU1、20、RAM3、22、23、SPU24を構成するLSI等を初期化するとともに、全てのFiフラグを“0”とする。次に、ステップS102でイベントが検出されたならば、ステップ103で、検出されたイベントに応じた処理を実行する。ステップS103の詳細は後述する。次に、ステップS54では、経時変化処理を実行し、ステップS102に戻る。
【0046】
図11は、図10のイベント実行(ステップS103)の一例を詳細に示すフローチャートである。まず、ステップS111で、検出されたイベントがレジストレーションを読み出すべきイベントであるか否かを判定する。ここで、レジストレーションを読み出すべきイベントでないと判定すれば、ステップS112に進んでその他の処理を実行し、図10の計時変化処理(ステップS104)に進む。ステップS112の詳細は後述する。ステップS111で、レジストレーションを読み出すべきイベントであると判定すれば、ステップS113に進んでレジスト転送処理を実行する。
【0047】
図12は、このレジスト転送処理(ステップS113)の一例を詳細に示すフローチャートである。まず、ステップS121で、i=0とし、続くステップS122で、発音系列iに転送すべき発音データのチャンネルオン/オフがオン(発音する)であるか否かを調べる。
【0048】
ここで、オフ(発音しない)と判定すれば、ステップS123に進んでFiフラグを反転させて“1”とし、オン(発音する)と判定すれば、ステップS124に進んで発音系列iに該発音データを転送する。その後、ステップS125でi=i+1とし、ステップS122〜S126の処理を、ステップS126でi=発音系列数と判定されるまで繰り返す。ステップS76でi=発音系列数と判定されれば、図10の計時変化処理(ステップS104)に進む。図12の処理により、チャンネルオンである発音データは、対応する発音系列に転送されて該発音系列による発音が可能になり、チャンネルオフである発音データは、転送されずにFiフラグが反転される。
【0049】
図13は、図11のその他の処理(ステップS112)の一例を詳細に示すフローチャートである。まず、ステップS131で、イベントがi系列(i=0〜(系列数−1))の発音データに対する発音指示であるか否かを調べる。この発音指示は、図3のチャンネルオン・オフスイッチ33のオン操作によるものである。
【0050】
ステップS131で、発音指示でないと判定された場合には、ステップS132に進んで通常のようにイベントに対する処理を実行する。ステップS131で、発音指示であると判定された場合には、ステップS133に進んでi系列の発音データが未転送であるか否かを調べる。これはFiフラグを調べることにより実行できる。
【0051】
未転送でないと判定された発音データは、図12のステップS124で既に転送された発音データであり、この時点では発音系列に転送されない。ステップS133で、未転送であると判定された発音データは、ステップS134で、対応する発音系列に転送し、ステップS135でFiフラグを反転させ、さらに、ステップS136で該発音データのボリュームを0から上昇させるなどして発音を可能にする。その後、図10の経時転送処理(ステップS104)に進む。
【0052】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、種々に変形可能である。例えば、前記実施形態は、各発音系列の発音データをそれがチャンネルオンに設定されているかオフに設定されているか応じて異なる時点で転送するものであるが、その他のパラメータ、例えばボリュームパラメータや出力パラメータなどに応じて発音データを異なる時点で転送するようにしてもよい。ボリュームパラメータに応じたものとする場合には、それが「0」である発音データをCPUの処理が空いている時点や発音指示があった時点で転送するようにすればよく、出力パラメータに応じたものとする場合には、それが「オフ」である発音データCPUの処理が空いている時点や発音指示があった時点で転送するようにすればよい。また、複数の条件を組み合わせて、転送を異なる時点で行う、行わないを判断してもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、複数の発音系列の発音データをその内容に応じて転送指示の時点と発音指示の時点とに分けて転送させることにより、各時点で転送する発音データの量を少なくすることができ、転送指示直後の発音が遅れたり、指示前の音色や効果のままで演奏されるという不具合が解消される。また、発音指示の時点で転送されるデータ量も少なくなるので、発音指示直後でもそれに応じた発音を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された電子楽器の一実施形態の概略を示すブロック図である。
【図2】楽音発生回路の詳細を示すブロック図であ
【図3】操作パネルの外観構成の概略を示す正面図である。
【図4】発音データのデータフォーマットの一例を示す図である。
【図5】CPUの動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図5のイベント実行の一例を詳細に示すフローチャートである。
【図7】図6のレジスト転送処理の一例を詳細に示すフローチャートである。
【図8】図6のその他の処理の一例を詳細に示すフローチャートである。
【図9】図5の遅延転送処理の一例を詳細に示すフローチャートである。
【図10】CPUの動作の他の例を示すフローチャートである。
【図11】図10のイベント実行の一例を詳細に示すフローチャートである。
【図12】図11のレジスト転送処理の一例を詳細に示すフローチャートである。
【図13】図11のその他の処理の一例を詳細に示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,20・・・CPU、2,21・・・ROM、3,22・・・RAM、4・・・操作パネル、5・・・鍵盤、5−1・・・アッパー鍵盤、5−2・・・ロワー鍵盤、6・・・楽音発生回路(TG)、7・・・DAコンバータ(DAC)、8・・・アンプ(AMP)、9・・・スピーカ(SP)、23・・・双方向RAM、24・・・音源回路、30・・・ベンドホイール、31・・・ボリューム、33・・・チャンネルオン/オフスイッチ、34・・・エディットスイッチ、35・・・編集パラメータ選択ボタン、36・・・ディスプレイ、37・・・ダイヤル、38・・・レジストレーション選択ボタン、39・・・電源スイッチ
Claims (3)
- 少なくとも一組の鍵盤と、前記一組の鍵盤の鍵操作に応じて楽音を発生する複数の発音系列とを備える電子楽器において、
前記複数の発音系列で発音すべき楽音の発音データを複数組記憶する発音データ記憶手段と、
前記発音データ記憶手段に記憶された複数組の発音データのうちの一組を選択して前記複数の発音系列に転送する発音データ転送手段と、
発音データ転送指示に従って前記一組の発音データを選択して前記複数の発音系列に転送するに際し、各発音系列の発音データをその内容に応じて異なる時点で転送させる発音データ転送制御手段とを備えたことを特徴とする電子楽器。 - 前記発音データ転送制御手段は、各発音系列の発音データをその内容に応じて前記発音転送指示の時点から遅延させる遅延処理手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
- 前記発音データ転送制御手段は、各発音系列の発音データの転送をその内容に応じてスキップさせる転送スキップ手段と、前記転送スキップ手段により発音データの転送がスキップされたことを記憶するスキップ記憶手段と、前記転送スキップ手段により転送がスキップされた発音データを発音指示の時点で転送させる部分転送制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
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