JP3878072B2 - 炊飯器の放熱板セット検知装置 - Google Patents

炊飯器の放熱板セット検知装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、炊飯器(炊飯ジャーを含む)の放熱板セット検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炊飯器の蓋の内面には、結露防止等の目的で蓋ヒーターが装着され、その蓋ヒーターの熱を炊飯器本体側に放散させるための放熱板セットが蓋下面に着脱自在に取付けられる。
【0003】
この放熱板セットを手入れ等のために取り外したのち、取付けを失念して蓋を閉め炊飯を行うと、放熱板セットに装着された蓋パッキンによるシール作用が発揮されない不都合が生じる。このため、放熱板セットの取付け忘れを防止するために、放熱板セットを取付けない状態では、蓋フックが突き出したままになり、蓋が閉鎖されないようにして、使用者に放熱板セットの取付け忘れを報知するようにすることが、早い時期から行われていた。
【0004】
また、近年では、放熱板セットの取付け忘れを近接スイッチにより検知し、蓋を閉鎖しても近接スイッチがオンにならない場合は炊飯を開始せず、所要の報知を行うようにすることも知られている(特開平11−56620号公報、特開2001−327399号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、放熱板セットの取付け忘れがあった際に蓋フックを突き出したままとする報知手段は、機械的な機構のみで構成でき電気的手段が不要である利点があるが、蓋が開放状態となるので炊飯器本体内部にほこりが侵入する懸念があるとともに、体裁もよくない。また、蓋が開放する分だけ炊飯器の上方にスペースが必要となる問題もある。
【0006】
一方、近接スイッチを用いるものは、放熱板セットの取付け忘れを電気的に検知して報知できるので、一応上記の問題点は解消されているが、近接スイッチは、これと対に磁石が必要となるので、リミットスイッチ等の機械的変位によりオンオフされるスイッチに比べコスト高となる問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、放熱板セットの取付け忘れを電気的に検知し、しかも低コストで実現できる放熱板セット検知装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、炊飯器の蓋の下面に着脱自在に取付けられた放熱板セットの有無を検知し、該放熱板セットの取付け忘れを検知した際に所要の報知を行うようにした炊飯器の放熱板セット検知装置において、機械的な検知スイッチを上記蓋内部に設けるとともに、その検知スイッチの作動アームに対向した上記蓋の一部に穴を設け、その穴に上記作動アームの押圧部材を上下動自在に挿通し、該押圧部材を気密を保持して挿通する気密保持手段と、該押圧部材を下向きに付勢する付勢手段を設け、上記放熱板セットの取付け時に該押部材を押上げて上記検知スイッチを作動させるようにしたものである。
【0009】
上記の構成によると、リミットスイッチ、タクトスイッチ等の機械的な検知スイッチにより放熱板セットの取付け忘れを検知することができるので、近接スイッチを用いるものに比べ低コストで提供することができる。
【0010】
また、上記押圧部材の気密保持手段として、上記穴の下面をシールするパッキン部と、上記付勢手段としてのコイルばねを収納する柔軟な袋状収納部とを一体化したパッキン部材を用いた構成を採用することができる。この場合、上記のコイルばねを上記パッキン部と上記押圧部材のばね受け部との間に介在した構成を採用することができる。この構成によると、コイルばねが蒸気に触れないので、腐食が防止される。
【0011】
なお、上記押圧部材の気密保持手段として、上記穴の下面において押圧部材の回りに装着され、かつ該押圧部材のOリング受け部に支持されたOリングを用い、上記付勢手段として該押圧部材のばね受け部に支持されたコイルばねを用いた構成をとることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態の炊飯器は、炊飯器本体1に蓋2をヒンジ3で開閉自在に取付け、炊飯器本体1の内部に鍋4が着脱自在に収納される。蓋2の内部には調圧装置5が設けられるとともに、蓋ヒーター6がヒーター取付け板7の上面に取付けられる。また、蓋2の下面に放熱板セット8が着脱自在に取付けられる(図2参照)。
【0013】
放熱板セット8は、金属製の放熱板9の外周縁に蓋リング11を取付けるとともに、その放熱板9の外周縁と蓋リング11との間に蓋パッキン12(図3参照)を挟着している。蓋パッキン12が鍋4の開口周縁に密着し、鍋4のシールを図る。上記の蓋リング11には、蓋2のヒンジ3側に設けられた係合部13、13(図2参照)に係合する突出部14、14がヒンジ3側に設けられる。また、ヒンジ3側と反対側、即ち蓋フック15側の左右両端部において取っ手16、16が設けられる。放熱板セット8の着脱はこの取っ手16、16を把持して行われる。
【0014】
上記放熱板セット8の一方の突出部14に接近した外周縁に対向して、蓋2の内面に放熱板セット検知装置17が設けられる。この放熱板セット検知装置17は、蓋2の内面に設けた下向き開放の凹部18の内部に収納された押圧部材19、パッキン部材21、コイルばね22及びリミットスイッチ23により構成される。上記の凹部18の底に穴24が設けられ、その穴24に押圧部材19が上下動自在に挿通される。押圧部材19は下端にばね受け部25が設けられ、また、上半分には2本の脚部26、26が相互に接近離反する方向の弾性を持って設けられる。両脚部26、26の上端に抜け止め用の爪部27、27が設けられる。また、該押圧部材19の下面中央部に小突起28が設けられる。
【0015】
上記のパッキン部材21は、ゴム等の柔軟な弾性部材で形成され、上端に環状のパッキン部29を有し、そのパッキン部29の下面に袋状の収納部31が形成される。その収納部31の下端中央に前記の小突起28が内面側に嵌合する凸部32が設けられる。このパッキン部材21は前記の凹部18に挿入され、その穴24の周りの凹部18底面にパッキン部29が押し当てられる。
【0016】
上記の収納部31の内部に前記の押圧部材19とコイルばね22を収納し、その内部において、コイルばね22の下端部が押圧部材19のばね受け部25とパッキン部29の内面との間に介在され、押圧部材19を下向きに付勢する。押圧部材19の脚部26、26の上端部がパッキン部29の中央部の穴33と凹部18の穴24を貫通して上方に突き出す。
【0017】
上方に突き出した押圧部材19の脚部26、26の一方の上端部を蓋2の内部に設けられたリミットスイッチ23の作動アーム34に対向させ、該押圧部材19が上方に押上げられた際に、その脚部26により作動アーム34を押上げ(図3の実線の状態参照)、リミットスイッチ23をオンにする。逆に、押圧部材19が下方に下がると作動アーム34も下がるため(同図2点鎖線)、リミットスイッチ23がオフになる。
【0018】
この発明の実施形態は以上のようなものであり、炊飯に際し、図2及び図3に示すように、蓋2の下面に放熱板セット8を取付けると、その一部によりパッキン部材21の凸部32の先端を押上げる。これにより、パッキン部材21の凸部32の周辺部が弾性変形し、押圧部材19が押上げられてリミットスイッチ23がオンになる。
【0019】
リミットスイッチ23がオンになると、図示省略の制御装置に入力され、蓋2を閉鎖したのち炊飯のスタートキー37を押したとき、或いはタイマースイッチがオンになったときに炊飯が開始される。
【0020】
上記とは逆に、放熱板セット8の取付けを失念して蓋2を閉めた場合は、炊飯開始の条件が充足されないため炊飯は開始されず、警告音等が報知される。
【0021】
なお、炊飯に伴なって発生する蒸気は凹部18の部分に到達するが、穴24はパッキン部29によりシールされるので、蒸気がリミットスイッチ23側へ漏れることはない。また、コイルばね22は収納部31内に収納されているので、蒸気に触れることがない。従って、腐食が防止される。
【0022】
次に、図5(a)に示した他の実施形態は、凹部18の穴24のシール部材としてOリング35を用いる。この場合の押圧部材19は脚部26、26の下端部にOリング受け部36を設け、これにより上記のOリング35を支持し、該押圧部材19が押上げられた際にOリング35を穴24の周囲に押し当ててシールするようにしている。その他の構成及び作用は前記の場合と同様である。
【0023】
また、図5(b)に示した他の実施形態の場合は、リミットスイッチ23の取付けを上下逆にし、押圧部材19の一方の脚部26を直角に曲げてその先端部を作動アーム34の上方に臨ませている。この場合は、作動アーム34が上方にあるとき(図の2点鎖線参照)がオン、押下げられたとき(同図実線参照)がオフとなる。
【0024】
図5(c)に示したものは、図5(a)の場合において、リミットスイッチ23に代えてタクトスイッチ23’を用いたものである。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、リミットスイッチ、タクトスイッチ等の機械的スイッチを用いて放熱板セットの有無を検知するようにしたものであるから、電気的な検知を低コストで実現することができる。また、気密保持手段として、パッキン部と袋状の収納部が一体化されたものを用いることにより、コイルばねの腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の断面図
【図2】同上の分解斜視図
【図3】同上の一部断面図
【図4】(a)同上の放熱板セット検知装置の一部断面図
(b)(a)図の分解斜視図
【図5】(a)〜(c) 他の実施形態の一部断面図
【符号の説明】
1 炊飯器本体
2 蓋
3 ヒンジ
4 鍋
5 調圧装置
6 蓋ヒーター
7 ヒーター取付け板
8 放熱板セット
9 放熱板
11 蓋リング
12 蓋パッキン
13 係合部
14 突出部
15 蓋フック
16 取手
17 放熱板セット検知装置
18 凹部
19 押圧部材
21 パッキン部材
22 コイルばね
23 リミットスイッチ
23’ タクトスイッチ
24 穴
25 ばね受け部
26 脚部
27 爪部
28 小突起
29 パッキン部
31 収納部
32 凸部
33 穴
34 作動アーム
35 Oリング
36 Oリング受け部
37 スタートキー

Claims (4)

  1. 炊飯器の蓋(2)の下面に着脱自在に取付けられた放熱板セット(8)の有無を検知し、該放熱板セット(8)の取付け忘れを検知した際に所要の報知を行うようにした炊飯器の放熱板セット検知装置(17)において、
    機械的な検知スイッチ(23)を上記蓋(2)内部に設けるとともに、その検知スイッチ(23)の作動アーム(34)に対向した上記蓋(2)の一部に穴(24)を設け、その穴(24)に上記作動アーム(34)の押圧部材(19)を上下動自在に挿通し、該押圧部材(19)を気密を保持して挿通する気密保持手段と、該押圧部材(19)を下向きに付勢する付勢手段を設け、上記放熱板セット(8)の取付け時に該押圧部材(19)を押上げて上記検知スイッチ(23)を作動させるものであって、
    上記放熱板セット(8)は、金属製の放熱板(9)の外周縁に蓋リング(11)を取付けるとともに、その蓋リング(11)に、蓋(2)のヒンジ(3)側に設けられた係合部(13、13)に係合する突出部(14)を設けたものであり、
    上記押圧部材(19)が上下動自在に挿通された穴(24)を、上記突出部(14)に接近した上記放熱板セット(8)の外周縁に対向して設けたことを特徴とする炊飯器の放熱板セット検知装置。
  2. 上記押圧部材(19)の気密保持手段として、上記穴(24)の下面をシールするパッキン部(29)と、上記付勢手段としてのコイルばね(22)を収納する柔軟な袋状収納部(31)とを一体化したパッキン部材(21)を用いたことを特徴とする請求項1に記載の炊飯器の放熱板セット検知装置。
  3. 上記のコイルばね(22)を上記パッキン部(29)と上記押圧部材(19)のばね受け部(25)との間に介在したことを特徴とする請求項2に記載の炊飯器の放熱板セット検知装置。
  4. 上記押圧部材(19)の気密保持手段として、上記穴(24)の下面において押圧部材(19)の回りに装着され、かつ該押圧部材(19)のOリング受け部(36)に支持されたOリング(35)を用い、上記付勢手段として該押圧部材(19)のばね受け部(25)に支持されたコイルばね(22)を用いたことを特徴とする請求項1に記載の炊飯器の放熱板セット検知装置。
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