JP3877570B2 - 枕木の構造及び枕木の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道軌道工事において仮設線を一時的に設置し、そのあとで仮設線を計画線に改変する場合に使用する枕木の構造及び枕木の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既設の鉄道軌道を計画線に敷設替えする場合、仮設線を一時的に設置し、その後で仮設線を本来の計画線(以下、本線と称することがある)に最終的に改変している。
例えば、図13の(イ)に示す既設線AB……Xの区間ABを新規の計画線abに切り替える場合、図13の(ロ)に示すように、既設線区間ABに対し仮設線a'b'を設置のうえ、図13の(ハ)に示すように、既設線ABを撤去し、この撤去後は、線路a'b'B……Xを軌道として使用し、所定期間の経過後(例えば、半年〜一年後)に、仮設線a'b'を本線abに改築するようにしている。
しかしながら、従来では、レールの設置高さ、カント、横方向間隔を本線に要求される値に変更するのに、枕木全体を取り替えており、区間AB、またはa'b'或いはabが長距離であると、仮設線a'b'を本線abに改築するのに時間がかかり過ぎ、輸送に重大な支障を来すことになる。尤も、この切り替え区間ABを複数の短いサブ区間に分けて工事を行なえば、かかる不都合は解消できるが、工事が細切れとなって工期が長くなり、工費アップが余儀なくされる。
そこで、線路a'b'B……Xを軌道として使用している間に、図13の(ニ)に示すように、本線abを設置し、この本線abの設置後に、図13の(ホ)に示すように、上記の仮設線a'b'を撤去して既設線区間ABを新規の計画線abに切り替えることが知られている。
【0003】
しかしながら、この工法では、仮設線a'b'の設置及び撤去において、(1)仮設線用道床工事、(2)仮設線用枕木及び仮設線用レールの敷設、(3)仮設線用枕木及び仮設線用レールの撤去を必要とし、更に、計画線abの設置において、(4)計画線用道床工事、(5)計画線用枕木及び計画線用レールの敷設を必要とし、工程数が多く、工期の長期化や工費の高コスト化が避けられない。
【0004】
本発明の目的は、既設線を新規の計画線に切り替える場合、仮設線工事と計画線工事との充分な共用化により工期の短縮化、工事費の低減を可能とする枕木を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、上記工期の短縮化、工事費の低減に加え、本線を良好な枕木外観のもとで構築できる枕木の施工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1の枕木の構造は、仮設線を一時的に設置し、そのあとで仮設線を本線に改変するのに使用する枕木であり、仮設線用レールを固定するための補助枕木片を本線用枕木片上に分離可能に結合したことを特徴とし、請求項2によれば、補助枕木片の本線用枕木片上への結合をボルト締結により行なうことができ、請求項3によれば、補助枕木片の本線用枕木片上への結合を切削可能な埋め栓により行なうことができる。
【0007】
本発明に係る請求項4の枕木の構造は、仮設線を一時的に設置し、そのあとで仮設線を本線に改変するのに使用する枕木であり、本線用レールを固定するための補助枕木片を仮設線用枕木片上に結合したことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る請求項5によれば、枕木をガラス長繊維強化合成樹脂製とすることができる。
【0009】
本発明に係る請求項6の枕木の施工方法は、上記した、補助枕木片の本線用枕木片上への結合を切削可能な埋め栓により行なった枕木を用いて一時的に設置した仮設線を本線に改変するにあたり、補助枕木片内の埋め栓部分を穿孔切削して補助枕木片を本線用枕木片から分離することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1の(イ)は請求項1に係る枕木の一実施例を示す側面図、図1の(ロ)は同じく上面図であり、仮設線用レールを固定した状態を示している。
図1において、11は本線用枕木片、12は補助枕木片であり、両者11,12を分離可能に締結部材3で結合してある。
上記計画線用枕木片11の厚みや上面勾配は、計画線用レール21,21(未設置であるので、点線で示してある)を所定の高さ、カント、間隔で固定し得るように設定してある。また、補助枕木片12の厚みや上面勾配は、仮設線用レール22,22を計画線用枕木片11を介して所定の高さ、カント、間隔で固定し得るように設定してある。
【0011】
請求項1に係る枕木においては、後述の使用例から明らかなように、仮設線用レール22,22の設置高さ(枕木下面を基準とした高さ。以下、レール設置高さはこの基準による。)が本線用レール21,21の設置高さよりも高い場合に、仮設線を一時的設置したうえで本線を設置するときに用いられ、補助枕木片12が本線用枕木片11の上面に結合されている。通常、枕木製造工場で結合され、この結合状態で現場に運送されて道床上に配設される。
【0012】
図2の(イ)〜(ハ)は請求項1に係る枕木を用い、既設線AB……Xの区間ABに対し、仮設線a'b'の一時的設置のもとで本線abを設置して既設線区間ABを本線abに切り替える工事例を示している。
まず、図2の(イ)に示すように既設線AB……Xの区間ABに対応して仮設線道床41'を、バラスト投入・均らしにより所定の高さレベルで敷設し、ついで、この仮設線道床上に上記した請求項1に係る枕木mを所定の前後間隔で配設し、而るのち、これら枕木の補助枕木片12の上面に仮設線用レール22,22を犬釘、タイプレート等の締結装置により所定の設置高さ、カント、間隔で固定して仮設線a'b'を設置する。
この仮設線区間a'b'の設置後の適時に、図2の(ロ)に示すように、既設線区間ABを撤去する。この既設線区間ABの撤去後は、線路a'b'B……Xが軌道として使用される。
その後、適時に仮設線a'b'の仮設線用レール22,22及び補助枕木片12を撤去し、而るのち、図2の(ハ)に示すように残置された仮設線道床41'上の本線用枕木片11,…上に本線用レール21,21を所定の設置高さ、カント、間隔で犬釘、タイプレート等の締結装置により固定して仮設線a'b'を本線abに改変する。
【0013】
而して、仮設線a'b'を本線abに改変するまでの工程を、前記図13により説明した従来例と比較すると、設置仮設線a'b'からの補助枕木片12の分離撤去を従来例での同仮設線区間からの仮設線用枕木の撤去に対応させても、(1)本線用道床工事が仮設線用道床工事で実質的に賄われているので、本線用道床工事を実質上省略でき、(2)本線用枕木片が仮設線工事での枕木敷設時に配設されているので、本線工事では枕木配設工事が不要である等により、従来例よりも本線工事を著しく短い工期で行なうことができ、従って、全体として工期を短縮でき、工事費の低減を図ることができる。
また、既設線区間ABまたは仮設線a'b'或いは本線abが長距離であっても、仮設線a'b'を本線abに充分に短い工期で改変できるから、この改変工事中の区間a'b'の不通による輸送障害を軽度にとどめることができる。
【0014】
上記補助枕木片12には、仮設線用レール22,22を本線用枕木片11を介して所定の高さ、カント、横方向間隔で支持し得るものであれば、適宜のものを使用でき、本線用枕木片の上面全体を覆うものであることは必ずしも要求されない。例えば、図3に示すように、本線用枕木片11よりも短い単品12を本線用枕木片11に分離可能に締結部材3により結合したもの、または、図4に示すように、各仮設線用レールに対する高さ調整用パット12,12を本線用枕木片11に分離可能に締結部材3により結合したもの、或いは、図5に示すように、高さ調整用パット12’,12’付き(例えば、接着剤で付けたもの)のベース板12を本線用枕木片11に分離可能に締結部材3により結合したもの等を用いることができる。
【0015】
上記本線用枕木片と補助枕木片との結合構造には、分離可能であり、しかも上記の仮設線区間a'b'を通過する車両の輪荷重等の外部荷重に仮設線の使用期間中(例えば、半年〜一年)耐え得るものであれば、適宜の構造を使用でき、請求項2では、ボルト締結構造を用いている。このボルト締結構造としては、例えば、両枕木片の端部にボルト挿通用孔を設けボルト・ナットで締結する構造、一方の枕木片の端部に雌螺子孔金属部材を埋め込み、他方の枕木片の端部にボルト挿通用孔を設け、雌螺子孔金属部材への挿通ボルトの螺結により締結する構造等を使用できる。上記のボルト挿通用孔は、金属製またはプラスチック製のボルト挿通用筒状部材の埋め込みにより設けることができる。また、本線用枕木片と補助枕木片とを雌雄の段部で嵌合することもできる。
【0016】
このボルト締結構造以外に、請求項3によれば、図6に示すように、補助枕木片12〔図6の(イ)に示すものでは、高さ調整用パット12’付きベース板12を、図6の(ロ)に示すものでは、高さ調整用パット単体12をそれぞれ使用している〕から本線用枕木片11に達する穴30を穿設し、この穴30に切削可能な材質の埋め栓3を打ち込んで両枕木片11,12を結合することができ、分離は、補助枕木片12内の埋め栓部分をドリル等で穿孔切削することにより容易に行なうことができる。この場合、枕木片11,12及び埋め栓3には、枕木と同材質のものを使用することが好ましく、後述するガラス長繊維強化樹脂製とすることが好適である。
埋め栓で結合する場合も、上記と同様に、例えば図6の(ハ)に示す通り、本線用枕木片11と補助枕木片12とを雌雄の段部eで嵌合することができる。
【0017】
上記請求項1に係る枕木の使用例は、既設線の一部区間を新規の本線区間に切り替える場合の例示であるが、既設線AB……X全体を、区間AB、区間BC、区間CD、……の順で本線に切り替えていく場合にも適用できる。
【0018】
図7の(イ)は請求項4に係る枕木の一実施例を示す側面図、図7の(ロ)は同じく上面図である。
図7において、120は仮設線用枕木片、110は補助枕木片であり、両者110,120が締結部材3で結合される。
上記仮設線用枕木片120の厚みや上面勾配は、仮設線用レール22,22を所定の高さ、カント、間隔で固定し得るように設定してある。また、補助枕木片110の厚みや上面勾配は、本線用レール21,21を仮設線用枕木片120との下積みで所定の高さ、カント、間隔にて固定し得るように設定してある。
【0019】
請求項4に係る枕木は、後述の使用例から明らかなように、仮設線用レール22,22の設置高さ(既述した通り枕木下面を基準とした高さ。以下、レール設置高さはこの基準による。)が本線用レール21,21の設置高さよりも低い場合に、仮設線の一時的設置のうえで本線を設置するのに用いられる。従って、本線工事時に補助枕木片110が仮設線用枕木片120の上面に結合される。
【0020】
図8の(イ)〜(ハ)は、請求項4に係る枕木を用い、既設線AB……Xの区間ABに対し、仮設線区間a'b'の一時的設置のもとで本線区間abを設置して既設線区間ABを本線abに切り替える工事例を示している。
まず、図8の(イ)に示すように既設線AB……Xの区間ABに対応して仮設線道床41'を、バラストの投入・均らしにより所定の高さレベルで敷設し、ついで、この仮設線道床41'上に上記請求項4に係る枕木を、補助枕木片を分離し仮設線用枕木片120のみにて所定の前後間隔で配設し、而るのち、これらの仮設線用枕木片120,…の上面に仮設線用レール22,22を犬釘、タイプレート等の締結装置により所定の設置高さ、カント、間隔で固定して仮設線区間a'b'を設置する。
この仮設線区間a'b'の設置後の適時に、図8の(ロ)に示すように、既設線区間ABを撤去する。この既設線区間ABの撤去後は、線路a'b'B……Xが軌道として使用される。
その後、適時に仮設線a'b'の仮設線用レール22,22を撤去し、而るのち、図8の(ハ)に示すように残置された仮設線道床41'上の仮設線用枕木片120,…に補助枕木片110,…を結合し、これらの補助枕木片110,…上に本線用レール21,21を所定の設置高さ、カント、間隔で犬釘、タイプレート等の締結装置により固定して本線区間abを設置する。
【0021】
而して、上記の仮設線a'b'を本線abに改変する間の工程を、図13により説明した従来例と比較すると、(1)本線用道床工事が仮設線用道床工事で実質的に賄われているので、本線用道床工事を実質上省略でき、(2)本線用レールの固定取付け作業に先立っての補助枕木片の既存仮設線用枕木片への結合作業を、従来例での本線用レールの固定取付け作業に先立っての本線用枕木の配設に対応させても、本使用例では従来の仮設線からの仮設線用枕木の撤去作業が無いから、従来例よりも全体の工事を充分に短期間で行なうことができ、従って、全体として工期を短縮でき、工事費の低減を図ることができる。また、既設線区間ABまたは仮設線a'b'或いは本線abが長距離であっても、仮設線a'b'を本線abに充分に短い工期で改変できるから、この改変工事中の既設区間ABの不通による輸送障害を軽度にとどめることができる。
【0022】
上記補助枕木片110においては、仮設線用枕木片120に後述の強固な結合構造で結合された状態で本線用レール21,21を所定の設置高さ、カント、横方向間隔で固定し得るものであればよく、必ずしも、仮設線用枕木片120の上面全体を覆うものであることは要求されない。例えば、図9に示すように、仮設線用枕木片120よりも短い単品110を仮設線用枕木片120に分離可能に締結部材3により結合したもの、または、図10に示すように、2箇の高さ調整用パット110,110のそれぞれを仮設線用枕木片120に分離可能に締結部材3により結合したもの、或いは、図11に示すように、2箇の高さ調整用パット110’,110’付きのベース板110を仮設線用枕木片120に分離可能に締結部材3により結合したものを用いることができる。
【0023】
上記仮設線用枕木片120と補助枕木片110との結合構造には、簡単に結合可能であり、しかも上記の本線区間abを通過する車両の輪荷重等の外部荷重に耐え得るものであれば、適宜の構造を使用できる。例えば、両枕木片の端部にボルト挿通用孔を設けボルト・ナットで締結する構造、一方の枕木片の端部に雌螺子孔金属部材を埋め込み、他方の枕木片の端部にボルト挿通用孔を設け、雌螺子孔金属部材への挿通ボルトの螺結により締結する構造、埋め栓により締結する構造等を使用できる。上記のボルト挿通用孔は、前記と同様に金属製またはプラスチック製のボルト挿通用筒状部材の埋め込みにより設けることができ、また、仮設線用枕木片と補助枕木片とを雌雄の段部で嵌合することもできる。
【0024】
上記補助枕木片110と仮設線用枕木片120との間は、請求項1に係る枕木とは異なり分離可能とする必要がなく、接着剤で接着することもできる。
【0025】
上記請求項4に係る枕木の使用例も、既設線の一部区間を新規の本線区間に切り替える場合の例示であるが、前記と同様に、既設線AB……X全体を、区間AB、区間BC、区間CD、……の順で本線に切り替えていく場合にも適用できる。
【0026】
本発明において、本線用枕木片または仮設線用枕木片や補助枕木片の材には、繊維強化樹脂製、木製、プレストコンクリート製等を用いることができるが、請求項4では、ガラス長繊維強化樹脂製を用いている。
このガラス長繊維強化樹脂製は、耐腐食性に優れ、軽量で取扱が容易であり、木材に匹敵する切削加工性を備え、耐振動耐衝撃性に優れており、特に、マトリックスが硬質ポリウレタン発泡体で、密度が0.6〜1.0g/cm3、長繊維含有量が40〜60重量%であるものが好適である。
このガラス長繊維強化樹脂製枕木片は、多数本の補強用連続ガラス長繊維を束ねて一方向に進行させ、その進行途中で、ウレタン系樹脂及び発泡剤を含む発泡性樹脂液を滴下して補強用連続ガラス長繊維に含浸させたのち、四個の可動式無端ベルトを組合わせて形成したトンネル状型に引込み、発泡硬化させて型の断面形状に連続的に成形し、この成形物を切削加工することによって製作することができる。
【0027】
図12の(イ)〜(ニ)は、請求項6に係る枕木の施工方法を示している。
図12の(イ)は、施工対象である請求項3記載の枕木の一例を示し、11は本線用枕木片、12は補助枕木片、3は両枕木片11,12を結合した埋め栓であり、前記したように、枕木片11,12及び埋め栓3を同材質、例えばガラス長繊維強化合成樹脂製とすることができる。
図12の(イ)は仮設線の設置状態を示し、本線用枕木片11が道床に固定され、仮設線用レール22,22が補助枕木片12,12に犬釘やタイプレート等により固定されている。
この仮設線を本線に改変するには、図12の(ロ)に示すように、補助枕木片12内の埋め栓部分をドリルで穿孔切削した(符号300で示してある)うえで、図12の(ハ)に示すように仮設線レール及び補助枕木片を取外す。この段階では、本線用枕木片表面の埋め栓切削露出部301が粗面である。次いで、図12の(ニ)に示すように、本線用枕木片表面の埋め栓切削露出粗面301をサンディングし、而るのち、本線用枕木片の本線用レールを固定し、これにて、仮設線から本線への改変工事を終了する。
請求項6に係る枕木の施工方法によれば、本線用枕木片12にボルト挿通用孔、雌螺子孔埋込み金属部材等を保有させることなく、その本線用枕木片表面を新材と同様な外観にでき、既設本線用枕木片の使用にもかかわらず、綺麗に施工できる。
【0028】
【発明の効果】
請求項1に係る枕木の構造によれば、仮設線を一時的に設置したのち、その仮設線の枕木から補助枕木片を分離したるのを本線用枕木に使用して本線を構築できるから、道床工事を両線に併用できて本線道床工事を省略でき、また、仮設線工事に配設した枕木から補助枕木片を分離排除して残置させた本線用枕木片を本線工事にそのままで使用できる結果、本線工事を極めて短い工期で施工できる。特に、本線区間が長距離であっても、充分に短い工期で仮設線を本線に改変できるから、この改変工事中の不通による輸送障害を軽度にとどめることができる。
【0029】
特に、請求項2によれば、上記仮設線の枕木からの補助枕木片の分離を容易に行なうことができる。
【0030】
特に、請求項3によれば、上記仮設線の枕木から補助枕木片を分離したのちの本線用枕木片にボルト孔等を残存させずに、綺麗な施工が可能になる。
【0031】
請求項4に係る枕木の構造によれば、仮設線を一時的に設置したのち、その仮設線の枕木に補助枕木片を結合したものを本線用枕木に使用して本線を構築できるから、道床工事を両線に併用できて本線道床工事を省略できる外、設置した仮設線の仮設線用枕木片のみの配設枕木に補助枕木片を結合して本線工事の枕木に使用でき、設置仮設線の枕木を撤去する作業が実質上不要である結果、全体の工程数を少なくでき全体を充分に短い工期で施工でき、更に、本線用道床工事を不要とする分だけ工期を短縮でき、充分に短い工期で施工できる。特に、本線区間が長距離であっても、充分に短い工期で仮設線を本線に改変できるから、この改変工事中の不通による輸送障害を軽度にとどめることができる。
【0032】
特に、請求項5によれば、材質をガラス長繊維強化樹脂製としているので、耐腐食性、軽量取扱性、切削加工性、耐振動耐衝撃性等の面から、枕木の施工性や強度を良好に保証できる。
【0033】
特に、請求項6の枕木の施工方法によれば、請求項3記載の枕木を用い良好な外観で本線用枕木を施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る枕木の構造の一実施例を示す図面である。
【図2】請求項1に係る枕木を使用して既設線を本線に切り替える工事の工程を示す図面である。
【図3】請求項1に係る枕木の構造の上記とは別の実施例を示す図面である。
【図4】請求項1に係る枕木の構造の上記とは別の実施例を示す図面である。
【図5】請求項1に係る枕木の構造の上記とは別の実施例を示す図面である。
【図6】請求項3に係る枕木の構造の異なる実施例を示す図面である。
【図7】請求項4に係る枕木の構造の一実施例を示す図面である。
【図8】請求項4に係る枕木の構造を使用して既設線を本線に切り替える工事の工程を示す図面である。
【図9】請求項4に係る枕木の構造の上記とは別の実施例を示す図面である。
【図10】請求項4に係る枕木の構造の上記とは別の実施例を示す図面である。
【図11】請求項4に係る枕木の構造の上記とは別の実施例を示す図面である。
【図12】請求項6に係る枕木の施工方法の工程を示す図面である。
【図13】既設線を本線に切り替える従来の工事の工程を示す図面である。
【符号の説明】
11 本線用枕木片
12 補助枕木片
21 本線用レール
22 仮設線用レール
3 締結部材または埋め栓
110 補助枕木片
120 仮設線用枕木片
300 穿孔切削跡
Claims (6)
- 仮設線を一時的に設置し、そのあとで仮設線を本線に改変するのに使用する枕木であり、仮設線用レールを固定するための補助枕木片を本線用枕木片上に分離可能に結合したことを特徴とする枕木の構造。
- 補助枕木片の本線用枕木片上への結合がボルト締結により行なわれている請求項1記載の枕木の構造。
- 補助枕木片の本線用枕木片上への結合が切削可能な埋め栓により行なわれている請求項1記載の枕木の構造。
- 仮設線を一時的に設置し、そのあとで仮設線を本線に改変するのに使用する枕木であり、本線用レールを固定するための補助枕木片を仮設線用枕木片上に結合したことを特徴とする枕木の構造。
- 枕木がガラス長繊維強化合成樹脂製である請求項1〜4何れか記載の枕木の構造。
- 請求項3記載の枕木を用いて一時的に設置した仮設線を本線に改変するにあたり、補助枕木片内の埋め栓部分を穿孔切削して補助枕木片を本線用枕木片から分離することを特徴とする枕木の施工方法。
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