JP3876833B2

JP3876833B2 - サイクロン式掃除機

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Publication number: JP3876833B2
Application number: JP2002373533A
Authority: JP
Inventors: 岳山田
Original assignee: Twinbird Corp
Current assignee: Twinbird Corp
Priority date: 2002-12-25
Filing date: 2002-12-25
Publication date: 2007-02-07
Anticipated expiration: 2022-12-25
Also published as: JP2004201875A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はサイクロン式の電気掃除機に関するものであり、特に塵埃を含んだ気流をサイクロン筒内に導入して渦流とする前に方向転換させるサイクロン式掃除機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種のサイクロン式電気掃除機は、電動送風機が内蔵された掃除機本体に対して遠心力集塵部（サイクロン筒）を着脱自在に取り付け、吸気通路を通った塵埃を含む空気を前記遠心力集塵部の内周面の接線方向に導入することで、導入された塵埃を含む空気を遠心力集塵部内で渦流として遠心力によって塵埃を空気と分離させ、分離された塵埃を遠心力集塵部の底部に集積させる。そして、これらのサイクロン式電気掃除機は、吸気通路の長さ方向と遠心力集塵部の軸方向がほぼ平行であるため、吸気通路を通る塵埃を含む空気を遠心力集塵部内に導入するために、吸気通路の下流側に気流を方向転換させるための方向転換部を形成している。そして、この方向転換部は、略垂直に延びる直線状の部位と略水平に延びる直線状の部位とを曲線状の部位で繋ぐことで形成されている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００１−３７６８７号公報（図１）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのサイクロン式掃除機においては、例えば、ある大きさの紙ゴミ等の塵埃を吸引した場合、方向転換部の内壁に塵埃が衝突して付着してしまい、方向転換部を通る気流を阻害してしまうばかりでなく、電動送風機を停止させると、塵埃が方向転換部の内壁から剥がれて掃除機の吸込部から落下してしまうという虞があった。これは、方向転換部の直線状の部位が略直交しているため、略垂直に上昇した気流によって方向転換部の略水平な内壁に塵埃が押しつけられてしまうためであると思われる。そして、このような現象は、曲線状の部位の曲率が大きい（即ち、気流が急激に方向転換される）場合に顕著である。更に、このような問題を解決しようとして方向転換部の曲線状部位の曲率を小さく（即ち、気流が緩やかに方向転換するように）した場合、曲線部分が大きくなってしまうため、掃除機全体として大型化してしまい、大型化を避けようとした場合には方向転換部の形状が複雑になってしまうという問題があった。
【０００５】
本発明は以上の問題点を解決し、単純且つ小型形状で、方向転換部の内壁に塵埃が付着しにくいサイクロン式電気掃除機を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１のサイクロン式電気掃除機は、電動送風機を有する掃除機本体と、この掃除機本体に対して着脱自在に設けられるサイクロン筒と、このサイクロン筒内に塵埃を含む気流を導入する吸気通路と、この吸気通路によって前記サイクロン筒内に導入された気流を渦流にする渦流発生手段とを有するサイクロン式電気掃除機において、前記吸気通路の直線状の導入部の下流部と、前記サイクロン筒の一方の接線方向へ略直線的に結ぶように形成された導入壁との間に気流の方向を転換する方向転換部を渦流発生部材と一体に形成しており、前記方向転換部は、上流側に設けられた曲率の大きな第一曲面部と、下流側に設けられた曲率の小さな第二曲面部とを繋ぐことで構成しており、前記方向転換部とサイクロン筒との連通接続部における気流の進行方向が前記吸気通路の気流の進行方向に対して９０度より大きな鈍角となるように前記方向転換部を形成したものである。
【０００７】
本発明は以上のように構成することにより、電動送風機を駆動すると、吸気通路を通過する塵埃を含んだ気流が曲線状の方向転換部で緩やかに方向転換した後、渦流発生手段によってサイクロン筒内で渦流となり、遠心力によって塵埃が分離される。また、直線状の吸気通路から曲率の大きな第一曲面部を経て曲率の小さな第二曲面部に至るように気流の経路が形成される。
【０００８】
更に、本発明の請求項２のサイクロン式電気掃除機は、請求項１において、前記渦流発生手段に前記方向転換部及びフィルタを設けると共に、前記方向転換部の終端とフィルタとの間に溝部を形成したものである。
【０００９】
本発明は以上のように構成することにより、前記方向転換部とフィルタとの間に、気流が通過するための少なくとも溝部の幅の間隙が形成される。
【００１０】
【発明の実施形態】
以下、本発明の第一実施形態について、図１〜図８に基づいて説明する。なお、本発明の実施形態においては、図１〜図３の姿勢を基準として、前後及び上下を規定する。
【００１１】
図１〜図３において、１は掃除機本体である。この掃除機本体１内には、電動機２と、この電動機２の回転軸に取り付けられたファン３が設けられており、これら電動機２とファン３で電動送風機４が構成されている。また、前記掃除機本体１の下部には、略短円筒状で且つ下端５Ａが平坦に形成されたガイド部５が設けられており、このガイド部５に、下方が開放した吸気孔６が形成されていると共に、この吸気孔６によって、前記ガイド部５の下方と電動送風機４とが連通している。また、前記ガイド部５には、吸気孔６を覆うように保護枠７が形成されている。また、前記ガイド部５の正面側には可動フック８が設けられている。更に、前記ガイド部５の後方には下方に突出した凸部９が形成されていると共に、この凸部９の側面に、後方に突出した固定フック10が形成されている。このように、掃除機本体１は単純な構造に構成されている。
【００１２】
前記掃除機本体１の下方には、樹脂製の集塵部11が着脱自在に取り付けられている。この集塵部11には、その一端たる上部に前記ガイド部５が挿入される開口部たる第一開口部12と、凸部９が挿入される第二開口部13が形成されている。そして、前記第一開口部12の下方には、有底で且つ下方がやや細くなった有底な略円筒状のサイクロン筒14が掃除機本体１に対して着脱自在に設けられる。さらに、前記第二開口部13の下方には、前記サイクロン筒14の軸方向と略平行で且つ内面が円筒状の導入部15が形成されていると共に、サイクロン筒14と導入部15は同一の部材によって一体に形成されている。そして、前記導入部15の下端には、吸込口体たるノズル16が着脱自在に取り付けられて、これら導入部15とノズル16によりサイクロン筒14内に塵埃を含む気流を導入する吸気通路17を形成する。
【００１３】
また、第一開口部12及び第二開口部13には、吸気通路17によって前記サイクロン筒14内に導入された気流を渦流にする渦流発生手段たる渦流発生部材21が設けられている。この渦流発生部材21は、下向きの略円錐形状の円錐部21Ａと、この円錐部21Ａと一体に形成された導入壁22及び後述する気流の方向を転換する方向転換部41とで構成されている。そして、サイクロン筒14の側壁の一方の接線方向Ｓに導入口23を開放するように構成されている。すなわち、導入壁22が、導入部15からの塵埃を含む気流をサイクロン筒14の一方の接線Ｓ方向へ略直線的に結ぶように導入するように構成されている。したがって、導入部15を上昇してきた気流は、導入壁22及び後述する方向転換部41によってサイクロン筒14の側壁の一方の接線Ｓ方向へ向かって導入され、サイクロン筒14内に導入された気流を渦流にするようになっている。
【００１４】
前記渦流発生部材21は、第一開口部12に円錐部21Ａ、第二開口部13に導入壁22及び方向転換部41が対応して集塵部11に対し着脱自在に取り付けられている。導入壁22及び方向転換部41が前記導入部15側と第二開口部13の間に取り付けられることで、導入部15の上端が閉塞されると共に、サイクロン筒14の上部と導入部15の上端近傍の間の側壁に導入口23が形成される。
【００１５】
また、円錐部21Ａは、前記第一開口部12とサイクロン筒14の間の段部14Ａに載置するフランジ部24と、このフランジ部24と一体に形成された円錐状の基部25と、前記基部25の側面に設けられた通風口26と、この通風口26に設けられたフィルタ27とで構成されている。また、前記渦流発生部材21の上部には、袋状のフィルタ28が設けられたフィルタ部材29が設けられている。このフィルタ部材29の枠30は軟質樹脂又はゴムで形成されており、この枠30の外周に形成されたシール部31が前記第一開口部12及び第二開口部13の内周に対して密接可能に構成されている。また、前記枠30の上部にはリップ部32が形成されており、渦流発生部材21及びフィルタ部材29が取り付けられた集塵部11を掃除機本体１に取り付けた際に、前記リップ部32が前記吸気孔６を囲むようにガイド部５の下端５Ａと密接可能に構成されている。
【００１６】
そして、吸気通路17と渦流発生部材21の間には、導入部15を上昇してきた気流の方向をスムーズに曲げて導入口23からサイクロン筒14に導入するために、気流の方向を転換する方向転換部41が逆Ｌ字状に設けられる。この方向転換部41は、渦流発生部材21に一体に設けられ、直線状の導入部15の下流部15Ａと、サイクロン筒14の一方の接線Ｓ方向へ略直線的に結ぶように形成された導入壁22との間に、下流部15Ａと連通する縦向き口部41Ａと該縦向き口部41Ａの上方に、斜め上向きに突設する円弧状壁部41Ｂを介して、サイクロン筒14内に連通する横向き口部41Ｃを連通接続したものである。さらに、円弧状壁部41Ｂは、上流側、すなわち縦向き口部41Ａ側に設けられた半径ｒの曲面である第一曲面部41Ｘと、下流側、すなわち横向き口部41Ｃ側に設けられた半径Ｒの曲面である第二曲面部41Ｙとを連続的に繋ぐことで構成されている。なお、前記第一曲面部41Ｘの半径ｒは第二曲面部41Ｙの半径Ｒよりも小さく、従って第一曲面部41Ｘは第二曲面部41Ｙよりも曲率が大きく形成されている。さらに、円弧状壁部41Ｂにおける第二曲面部41Ｙの終端の軸線Ｙ、ひいては該終端と同軸な横向き口部41Ｃの軸線Ｙと、吸気通路17の気流の進行方向Ｘ、ひいては導入部15の軸線方向とは交差するように形成されており、その交差角度（内角)θは、方向転換部41の終端における気流の進行方向が前記吸気通路17の気流の進行方向に対して９０度より大きな鈍角となっている。すなわち、第二曲面部41Ｙの終端の接線と軸線Ｘとがなす交差角度のうち、上方側の角度が９０度より大きな鈍角となっており、この結果方向転換部41の終端における気流の進行方向が前記吸気通路17の気流の進行方向に対して９０度より大きな鈍角となる。
【００１７】
また、前記方向転換部41の終端、ひいては横向き口部41Ｃ側と、渦流発生部材21の円錐部21Ａとの間に間隔Ｌが形成されるように、横向き口部41Ｃとフィルタ27との間に溝部42を形成している。
【００１８】
更に、前記第一開口部12の前側には、前記可動フック８と係合する第一受部51が形成されていると共に、前記第二開口部13の後側には、前記固定フック10と係合する第二受部52が形成されている。なお、11Ａはリブであり、集塵部11の剛性を高めるために、前記サイクロン筒14と導入部15の間に一体形成されてこれらを連結している。
【００１９】
なお、61は掃除機本体１に対して着脱自在に取り付けられた把持部である。また、これら掃除機本体１及び把持部61には、それぞれ引掛部62，63が形成されており、これら引掛部62，63の間に掃除機本体１から延出する電源コード64が巻き付け可能に構成されている。更に、前記把持部61にはスイッチ操作部65が設けられている。
【００２０】
つぎに、本実施形態の作用について説明する。まず、使用者は集塵部11の第一開口部12及び第二開口部13に渦流発生部材21及びフィルタ部材29を取り付ける。このとき、フィルタ部材29のシール部31が第一開口部12及び第二開口部13の内壁に密接する。そして、集塵部11の第二受部52を固定フック10と係合させた後、第一受部51を可動フック８と係合させることで、集塵部11が掃除機本体１に対して取り付けられる。このとき、前記ガイド部５が第一開口部12に挿入されると共に、凸部９が第二開口部13に挿入されることで、集塵部11が掃除機本体１に対して位置決めされる。そして、前記フィルタ部材29のリップ部32が、前記吸気孔６を囲むようにガイド部５の下端５Ａと密接する。これによって、サイクロン筒14内から吸気孔６に至る経路がシールされる。更に、前記導入部15の下端にノズル16を取り付ける。
【００２１】
そして、電源コード64を引掛部62，63から外し、図示しないコンセントに差し込んでスイッチ操作部65を操作すると、電動送風機４が駆動される。そして、この電動送風機４の駆動によって、塵埃を含んだ気流がノズル16から吸い込まれる。この気流は、ノズル16から吸い込まれて導入部15を上昇し、この導入部15の上端で、縦向き口部41Ａから円弧状壁部41Ｂを介して横向き口部41Ｃに至ると共に、円弧状壁部41Ｂは縦向き口部41Ａ側に設けられた曲率の大きな（半径ｒの小さな）第一曲面部41Ｘと、横向き口部41Ｃ側に設けられた曲率の小さな（半径Ｒの大きな）第二曲面部41Ｙとを連続的に繋ぎ、かつ方向転換部41の終端における気流の進行方向の角度θが前記吸気通路17の気流の進行方向に対して９０度より大きな鈍角となっている方向転換部41に沿って向きを変えると共に、導入壁22によって、サイクロン筒14の側壁の一方の接線方向Ｓに向って導入口23からサイクロン筒14に導入される。このとき、ノズル16から吸い込まれた塵埃を含んだ気流に、ある大きさの紙ゴミ等の塵埃が含まれていたとしても、この塵埃が方向転換部41の円弧状壁部41Ｂに衝突した際に、この円弧状壁部41Ｂに沿って気流が鈍角θ、すなわち、やや上向きに緩やかに方向転換するため、塵埃が方向転換部41に押し付けられてこの位置に付着してしまうことが防止され、気流に乗ってサイクロン筒14内に導入される。
【００２２】
そして、サイクロン筒14に導入された気流は、溝部42を通過してサイクロン筒14の内周面に沿って渦流となり、螺旋状に下降することになる。この際、この渦流に含まれる塵埃は、遠心力によってサイクロン筒14の内周面に押し付けられることになる。そして、前記渦流がサイクロン筒14の底部に至ると、サイクロン筒14の内周面側で下降していた渦流はサイクロン筒14の中央付近で上昇に転じる。このとき、前述したように、渦流に含まれていた塵埃は遠心力によってサイクロン筒14の内周面に押し付けられているので、渦流がサイクロン筒14の内周面側から中央付近に流れたとしても、比較的粗い塵埃はそのままサイクロン筒14の内周面付近に留まることになり、渦流から分離される。
【００２３】
一方、比較的細かい塵埃は、渦流に混じってサイクロン筒14の中央付近まで移動し、渦流の上昇に伴ってサイクロン筒14内を上昇することになる。そして、この上昇した渦流は、上方の渦流発生部材21の側面に形成されている通風口26を通過することになる。この際、渦流に含まれている比較的細かい塵埃は、前記通風口26に取り付けられているフィルタ27によって捕集され、更にこのフィルタ27を通過した、より細かい塵埃は、渦流発生部材21の上方に設けられたフィルタ部材29のフィルタ28によって捕集される。そして、渦流発生部材21のフィルタ27及びフィルタ部材29のフィルタ28を通過した気流は、前記吸気孔６から電動送風機４に至り、更に掃除機本体１外に抜ける。
【００２４】
清掃終了後、ノズル16を導入部15の下端から取り外した後、可動フック８を操作して集塵部11を掃除機本体１から取り外す。そして、フィルタ部材29及び渦流発生部材21を第一開口部12及び第二開口部13から取り外し、フィルタ27，28に付着した塵埃を除去する。また、サイクロン筒14に溜まった塵埃をゴミ箱に捨てる。このとき、集塵部11にはサイクロン筒14と導入部15が一体に形成されているため、サイクロン筒14内の塵埃を簡単に捨てることができるばかりでなく、軽い集塵部11を持って導入部15内に溜まってしまった塵埃も簡単に除去できる。従って、清掃途中でシート状物等を吸い込んでしまい、導入部15や導入口23に詰まってしまった場合でも、簡単に除去することができる。更に、前記集塵部11は樹脂で一体成形されているため、水洗いが可能であり、従って、水洗いすればサイクロン筒14及び導入部15をより一層清浄な状態にすることができる。
【００２５】
以上のように前記実施形態では、前記吸気通路17と渦流発生手段との間に気流の方向を転換する方向転換部41を形成し、この方向転換部41の流路における気流の進行方向が円弧な曲線状であると共に、前記方向転換部41の終端における気流の進行方向が前記吸気通路17の気流の進行方向に対して角度θが９０度より大きな鈍角となるように前記方向転換部41を形成し、電動送風機４を駆動すると、吸気通路17を通過する塵埃を含んだ気流が円弧曲線状の方向転換部41で緩やかに方向転換するので、方向転換部41を通過する気流に含まれる塵埃が方向転換部41の内壁に押し付けられることがない。また、前記方向転換部41の終端、すなわち円弧状壁部41Ｂの横向き口部41Ｃの軸線Ｙの方向における気流の進行方向が、前記吸気通路17の気流の進行方向に対して９０度である従来の構造に比べて、塵埃が方向転換部に押し付けられない構造にしたとしても、掃除機全体が大型化することがない。
【００２６】
また、前記方向転換部41を、上流側たる縦向き口部41Ａに設けられた半径ｒの小さな、即ち曲率の大きな第一曲面部41Ｘと、下流側たる横向き口部41Ｃに設けられた半径Ｒの大きな、即ち曲率の小さな第二曲面部41Ｙとを連続的に繋ぐことで構成し、直線状の吸気通路17から曲率の大きな第一曲面部41Ｘを経て曲率の小さな第二曲面部41Ｙに至るように気流の経路が形成されるので、抵抗を少なくできると共に、方向転換部41を一つの曲率の曲線部で形成する場合に比べて小型化もすることができる。
【００２７】
更に、前記渦流発生手段21に前記方向転換部41及びフィルタ27を設けると共に、前記方向転換部41の終端、すなわち横向き口部41Ｃとフィルタ27との間に溝部42を形成し、前記方向転換部41とフィルタ27との間に、気流が通過するための少なくとも溝部42の幅の間隙Ｌが形成され、方向転換部41の終端においてフィルタ27との間で塵埃が詰まることはない。
【００２８】
つぎに、本発明の第二実施形態について、図９に基づいて説明する。なお、第一実施形態と同一の部分には、同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【００２９】
第二実施形態においては、吸気通路17と渦流発生部材21の間に設けられる逆Ｌ字状の気流の方向を転換するための方向転換部41´は、渦流発生部材21に一体に設けられ、直線状の導入部15の下流部15Ａと、サイクロン筒14の一方の接線Ｓ方向へ略直線的に結ぶように形成された導入壁22との間に、下流部15Ａと連通する縦向き口部41´Ａと該縦向き口部41´Ａの上方に、斜め上向きに突設する円弧状壁部41´Ｂを介して、サイクロン筒14内に連通する横向き口部41´Ｃを連通接続したものである。なお、この横向き口部41´Ｃは、渦流発生手段21を集塵部11に取り付けた際に、サイクロン筒14内に位置するように構成されている。さらに、円弧状壁部41´Ｂは、上流側、すなわち縦向き口部41´Ａ側に設けられた半径ｒの曲面である第一曲面部41´Ｘと、下流側、すなわち横向き口部41´Ｃ側に設けられた半径Ｒの曲面である第二曲面部41´Ｙとを連続的に繋ぐことで構成されている。なお、前記第一曲面部41´Ｘの半径ｒは第二曲面部41´Ｙの半径Ｒよりも小さく、従って第一曲面部41´Ｘは第二曲面部41´Ｙよりも曲率が大きく形成されている。さらに、円弧状壁部41´Ｂにおける第二曲面部41´Ｙの終端の軸線Ｚ、ひいては該終端と同軸な横向き口部41´Ｃの軸線Ｚは、サイクロン筒14内においてこのサイクロン筒14の軸線Ｘ´と直交するように形成されている。すなわち、第二曲面部41´Ｙの終端の接線と軸線Ｘ´とがなす角度は直角となっており、この結果、前記方向転換部41´の円弧状壁部41´Ｂにおいては気流の進行方向が前記吸気通路17の気流の進行方向に対して鈍角となると共に、前記方向転換部41´の終端における気流の進行方向が、前記サイクロン筒14内において、前記吸気通路17の気流の進行方向に対して９０度となる。
【００３０】
そして、電動送風機４が駆動されると、塵埃を含んだ気流がノズル16から吸い込まれる。この気流は、ノズル16から吸い込まれて導入部15を上昇し、この導入部15の上端で、縦向き口部41´Ａから円弧状壁部41´Ｂを介して横向き口部41´Ｃに至る方向転換部41´及びサイクロン筒14の側壁の一方の接線方向Ｓに向かって形成された導入壁22によって、導入口23からサイクロン筒14の側壁の一方の接線方向Ｓに向かって、サイクロン筒14に導入される。このとき、円弧状壁部41´Ｂは縦向き口部41´Ａ側に設けられた曲率の大きな（半径ｒの小さな）第一曲面部41´Ｘと、横向き口部41´Ｃ側に設けられた曲率の小さな（半径Ｒの大きな）第二曲面部41´Ｙとを連続的に繋ぐことで形成されており、この円弧状壁部41´Ｂにおいては気流の進行方向が前記吸気通路17の気流の進行方向に対して鈍角となっているため、ある大きさの紙ゴミ等の塵埃がノズル16から吸い込まれて吸気通路17を上昇した気流に含まれていたとしても、この塵埃が円弧状壁部41´Ｂに衝突した際に、この円弧状壁部41´Ｂに沿って気流が鈍角、すなわち、やや上向きに緩やかに方向転換するため、塵埃が方向転換部41に押し付けられてこの位置に付着してしまうことが防止され、気流に乗ってサイクロン筒14内に導入される。また、前記円弧状壁部41´Ｂと横向き口部41´Ｃとが連続的して形成されており、この横向き口部41´Ｃの終端における気流の進行方向の角度が前記サイクロン筒14内において、このサイクロン筒14の軸線Ｘ´と直交するように構成されているため、吸気通路17を上昇した気流はスムーズにサイクロン筒14内に導入される。
【００３１】
以上のように、前記吸気通路17と渦流発生手段との間に気流の方向を転換する方向転換部41´を形成し、この方向転換部41´の流路における気流の進行方向が円弧な曲線状であると共に、前記方向転換部41´の終端における気流の進行方向が前記サイクロン筒14内にてこのサイクロン筒14の軸線Ｘ´と直交するように前記方向転換部41´を形成したものであり、電動送風機を駆動すると、吸気通路17を通過する塵埃を含んだ気流が曲線状の方向転換部41´で緩やかに方向転換した後、渦流発生手段21によってサイクロン筒14内で渦流となり、遠心力によって塵埃が分離されるので、方向転換部41´を通過する気流に含まれる塵埃が方向転換部41´の内壁に押し付けられることがない。また、前記方向転換部41´の曲率が同じであるならば、サイクロン筒14外で気流の方向を転換させる従来の構造に比べて、掃除機全体を小型化することができる。
【００３２】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。
【００３３】
【発明の効果】
本発明の請求項１のサイクロン式電気掃除機は、電動送風機を有する掃除機本体と、この掃除機本体に対して着脱自在に設けられるサイクロン筒と、このサイクロン筒内に塵埃を含む気流を導入する吸気通路と、この吸気通路によって前記サイクロン筒内に導入された気流を渦流にする渦流発生手段とを有するサイクロン式電気掃除機において、前記吸気通路の直線状の導入部の下流部と、前記サイクロン筒の一方の接線方向へ略直線的に結ぶように形成された導入壁との間に気流の方向を転換する方向転換部を渦流発生部材と一体に形成しており、前記方向転換部は、上流側に設けられた曲率の大きな第一曲面部と、下流側に設けられた曲率の小さな第二曲面部とを繋ぐことで構成しており、前記方向転換部とサイクロン筒との連通接続部における気流の進行方向が前記吸気通路の気流の進行方向に対して９０度より大きな鈍角となるように前記方向転換部を形成したものであり、電動送風機を駆動すると、吸気通路を通過する塵埃を含んだ気流が曲線状の方向転換部で緩やかに方向転換するので、方向転換部を通過する気流に含まれる塵埃が方向転換部の内壁に押し付けられることがなく、従って塵埃が方向転換部に付着しにくくすることができるばかりでなく、前記方向転換部の曲率が同じであるならば、前記方向転換部の終端における気流の進行方向が前記吸気通路の気流の進行方向に対して９０度である従来の構造に比べて、掃除機全体を小型化することができる。また、直線状の吸気通路から曲率の大きな第一曲面部を経て曲率の小さな第二曲面部に至るように気流の経路が形成されるので、抵抗を少なくでき、また方向転換部を一つの曲率の曲線部で形成する場合に比べて小型化することができる。
【００３４】
更に、本発明の請求項２のサイクロン式電気掃除機は、請求項１において、前記渦流発生手段に前記方向転換部及びフィルタを設けると共に、前記方向転換部の終端とフィルタとの間に溝部を形成したものであり、前記方向転換部とフィルタとの間に、気流が通過するための少なくとも溝部の幅の間隙が形成されるので、方向転換部の終端においてフィルタ部材との間で塵埃が詰まってしまうことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第一の実施形態を示すサイクロン式電気掃除機の正面図である。
【図２】同上、側面図である。
【図３】同上、拡大断面図である。
【図４】同上、集塵部の側面図である。
【図５】同上、集塵部の断面図である。
【図６】同上、集塵部の平面図である。
【図７】同上、渦流発生部材の底面図である。
【図８】同上、渦流発生部材の斜視図である。
【図９】本発明の第二の実施形態を示すサイクロン式電気掃除機の要部の断面図である。
【符号の説明】
１掃除機本体
４電動送風機
14 サイクロン筒
15 導入部
15 Ａ下流部
21 渦流発生部材（渦流発生手段）
27 フィルタ
41，41´ 方向転換部
41Ｘ，41´Ｘ第一曲面部
41Ｙ，41´Ｙ第二曲面部
42 溝部
Ｓ接線
Ｘ気流の進行方向
Ｘ´ 軸線

Claims

電動送風機を有する掃除機本体と、この掃除機本体に対して着脱自在に設けられるサイクロン筒と、このサイクロン筒内に塵埃を含む気流を導入する吸気通路と、この吸気通路によって前記サイクロン筒内に導入された気流を渦流にする渦流発生手段とを有するサイクロン式電気掃除機において、前記吸気通路の直線状の導入部の下流部と、前記サイクロン筒の一方の接線方向へ略直線的に結ぶように形成された導入壁との間に気流の方向を転換する方向転換部を渦流発生部材と一体に形成しており、前記方向転換
部は、上流側に設けられた曲率の大きな第一曲面部と、下流側に設けられた曲率の小さな第二曲面部とを繋ぐことで構成しており、前記方向転換部とサイクロン筒との連通接続部における気流の進行方向が前記吸気通路の気流の進行方向に対して９０度より大きな鈍角となるように前記方向転換部を形成したことを特徴とするサイクロン式電気掃除機。
前記渦流発生手段に前記方向転換部及びフィルタを設けると共に、前記方向転換部の終端とフィルタとの間に溝部を形成したことを特徴とする請求項１記載のサイクロン式電気掃除機。