JP6212451B2 - 集塵装置、及び電気掃除機 - Google Patents

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Description

本発明は、集塵装置、及び電気掃除機に関する。
従来から、吸い込まれた空気を集塵容器にて旋回させることによって塵埃を遠心分離するサイクロン型集塵装置を備えた、所謂サイクロン式電気掃除機が知られている。また、一般に、サイクロン型集塵装置には、塵埃が遠心分離された後の空気を更に濾過するためのフィルタが設けられている。これによって、遠心分離されなかった細塵がフィルタによって捕集される。
近年、空気を旋回させる遠心分離部を2段備え、各遠心分離部にて遠心分離される塵埃のサイズが異なるように設計されたマルチサイクロン式掃除機が提案されている。このようなマルチサイクロン式掃除機は、例えば特許文献1、2に開示されている。
特許文献1〜3の電気掃除機における集塵装置では、塵埃を含有する空気中の比較的サイズが大きい粗塵を第1遠心分離部(第1サイクロン)にて遠心分離し、第1遠心分離部にて遠心分離されなかった細塵を第2遠心分離部(第2サイクロン)にて遠心分離している。第2遠心分離部は、第1遠心分離部の周囲に複数配置されている。また、特許文献1〜3の電気掃除機における集塵装置は、第2遠心分離部にて分離された細塵を集塵する集塵容器を備えている。
特開2013−236671号公報(2013年11月28日公開) 特開2006−205162号公報(2006年 8月10日公開) 特開2012−236029号公報(2012年12月 6日公開)
特許文献1〜3の集塵装置では、第2遠心分離部の中心軸は、第1遠心分離部の中心軸と平行になっている。また、第2遠心分離部において、細塵が分離された空気が排出される排気口の中心軸は、細塵が排出される排出口と同軸になっている。このような構成では、電気掃除機の集塵の動作中に、集塵容器に溜められた細塵が排出口を介して第2遠心分離部へ流入し、排気口を介して再流出するおそれがある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、集塵容器に溜められた細塵の再流出を防止することができる集塵装置、及び電気掃除機を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る集塵装置は、空気中の第1の塵埃を分離する第1の筒状遠心分離部と、上記第1の筒状遠心分離部に連通し、第1の筒状遠心分離部を通過した空気中の、上記第1の塵埃よりも小さい第2の塵埃を分離する第2の筒状遠心分離部と、上記第1及び第2の塵埃を集塵する集塵容器と、を備え、上記第2の筒状遠心分離部における、空気が流出される流出口の中心軸は、第2の塵埃が排出される排出口の中心軸と同軸ではないことを特徴としている。
本発明の一態様によれば、集塵容器に溜められた細塵(第2の塵埃)の再流出を防止することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る電気掃除機の外観を示す外観図である。 本発明の実施形態1に係る電気掃除機に含まれる掃除機本体の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態1に係る電気掃除機に含まれる掃除機本体の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る集塵装置の構成を示す側面図である。 本発明の実施形態1に係る集塵装置の外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態1に係る集塵装置の内部の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る集塵装置を図6と別の方向で切断した、集塵装置の内部の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る集塵装置における第2遠心分離ユニットの構成を示す分解斜視図である。 (a)は、本発明の実施形態1に係る集塵装置における第2遠心分離ユニットの上面図であり、(b)は、(a)のB−B線断面図であり、(c)は、(a)のA−A線断面図である。 本発明の実施形態1に係る集塵装置における上蓋本体の構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る集塵装置における上蓋本体を下側から見た下面図である。 本発明の実施形態1に係る集塵装置における第2遠心分離ユニットの構成を示す側面図である。 本発明の実施形態1に係る集塵装置における隣り合う2つの第2遠心分離部間の構造を拡大して示した斜視図である。 本発明の実施形態2に係る集塵装置における、上蓋本体を下側から見た図であり、(a)は下面図であり、(b)は斜視図である。 図14の(a)におけるI−I線断面図である。 本発明の実施形態3に係る集塵装置を上下方向に垂直な面で切断したときの断面斜視図である。 本発明の実施形態3に係る集塵装置を上下方向に垂直な面で切断したときの断面図である。 本発明の実施形態3に係る集塵装置の別の構成を上下方向に垂直な面で切断したときの断面図である。
〔実施形態1〕
(電気掃除機)
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る電気掃除機の外観を示す外観図である。図2は、図1に示した電気掃除機に含まれる掃除機本体の構成を示す斜視図である。図3は、図1に示した電気掃除機に含まれる掃除機本体の構成を示す断面図である。
図1に示されるように、本実施形態に係る電気掃除機は、掃除機本体1、吸気口部2、接続管3、接続ホース4、操作ハンドル5などを備えている。図2に示されるように、掃除機本体1は、サイクロン式の集塵装置100と、駆動装置200と、を備えている。駆動装置200は、集塵装置100を前方にて着脱可能に支持する。
ここで、掃除機本体1が設置される面を水平面とする。そして、この水平面に対し垂直な方向を高さ方向とする。また、集塵装置100における駆動装置200と反対側を前側とし、該前側と反対側を後側とする。
また、駆動装置200には、電動送風機(不図示)、制御装置(不図示)などが内蔵されている。上記電動送風機は、吸気を行うための送風ファン及び該送風ファンを回転駆動する送風駆動モータを有している。また、上記制御装置は、CPUやRAM,ROMなどの制御機器を有しており、電気掃除機を統括的に制御する。具体的には、上記制御装置では,CPUがROMに記憶された制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
操作ハンドル5には、ユーザが電気掃除機の稼働の有無や運転モードの選択操作などを行うための操作スイッチ(不図示)が設けられている。また、その操作スイッチの近傍には、電気掃除機の現在の状態を表示するLEDなどの表示部(不図示)も設けられている。
前記掃除機本体1は,掃除機本体1の集塵装置100前端に接続された接続ホース4と、接続ホース4に接続された接続管3とを介して吸気口部2に接続されている。
従って、本実施形態に係る電気掃除機では、掃除機本体1に内蔵された電動送風機(不図示)が作動されることにより、吸気口部2からの吸気が行われる。そして、吸気口部2から吸気された空気は、接続管3及び接続ホース4を通じて集塵装置100に流入する。集塵装置100では、吸い込まれた空気から塵埃が遠心分離される。なお、集塵装置100で塵埃が分離された後の空気は、掃除機本体1の後端に設けられた不図示の排気口から排気される。
また、図3に示さるように、駆動装置200には、電動送風機220が内蔵されている。電動送風機220が作動されることによって、集塵装置100内で空気の流れが発生する。また、フィルタ230が駆動装置200側に設けられている。
駆動装置200は、集塵装置100における外部への排出口と連通する排気ダクト部210と、フィルタ230を収容する収容部231と、を備えている。排気ダクト部210は、電動送風機220の上部に配置されている。また、排気ダクト部210における集塵装置100側には、格子部211が設けられている。また、収容部231は、排気ダクト部210と電動送風機220との間に配されている。フィルタ230は、つづら折り状(プリーツ)のフィルタ等を有するフィルタである。
集塵装置100から排出された空気は、格子部211を通過し、排気ダクト部210を経由して、収容部231に収容されたフィルタ230を通過し、電動送風機220に到達する。
(集塵装置)
以下、図4〜図7を参照して、集塵装置100の構成について詳細に説明する。図4は、集塵装置100の構成を示す側面図である。図5は、集塵装置100の外観を示す斜視図である。図6は、集塵装置100の内部の構成を示す断面図である。図7は、集塵装置100を図6と別の方向で切断した、集塵装置100の内部の構成を示す断面図である。
図4〜6に示されるように、集塵装置100は、集塵部本体110と、第2遠心分離ユニット120と、上部カバーユニット130と、を備えている。集塵部本体110は、上方開口部を有する集塵カップ111(集塵容器)を備えている。第2遠心分離ユニット120は、集塵カップ111の上方開口部に着脱可能に取り付けられている。そして、上部カバーユニット130は、第2遠心分離ユニット120の上部に取り付けられている。
(集塵部本体110)
集塵部本体110の集塵カップ111の前端には、塵埃を含む空気を導入するための流入口113が形成されている。この流入口113は、接続ホース4との接続部となる。集塵カップ111は、上部が開口されており、第1集塵室111Aと、該第1集塵室111Aの周囲に形成された第2集塵室111Bとに区分されている。第2集塵室111Bは、その内側壁が第1集塵室111Aの外周面111Cを含むように構成されている。また、集塵カップ111は、下部(底)も開口されている。集塵カップ111の底には、開閉可能に底蓋114が設けられている。第1集塵室111Aの外周に第2集塵室111Bが設けられているため、集塵カップ111の水洗いが容易になり、メンテナンスが容易になる。
(第2遠心分離ユニット120)
図8〜図10を参照して、第2遠心分離ユニットの構成を説明する。図8は、第2遠心分離ユニット120の構成を示す分解斜視図である。また、図9の(a)は第2遠心分離ユニット120の上面図であり、図9の(b)は、図9の(a)のB−B線断面図であり、図9の(c)は、図9の(a)のA−A線断面図である。図10は、上蓋本体121の構成を示す分解斜視図である。
図8及び図9に示されるように、第2遠心分離ユニット120は、集塵カップ111を上側から閉塞する上蓋本体121(上蓋)と、内筒ユニット122と、を備えている。内筒ユニット122は、上蓋本体121の下面中央部から下側へ延び、内部に空気が通過する空間を有する。
上蓋本体121は、筒部121aと、筒部121aの中央部分を上側から閉塞する上側閉塞部121bと、筒部121aを下側から閉塞する下側閉塞部121cと、を有する。下側閉塞部121cの中央には、内筒ユニット122と連通する連通穴121dが設けられている。また、上蓋本体121は、集塵カップ111に対し着脱可能に設けられている。このため、集塵装置100を容易に分解することができ、メンテナンスが容易になる。
連通穴121dの周囲には、8個の第2遠心分離部80(第2の筒状遠心分離部)が円状に並んで配置されている。これら第2遠心分離部80は、下側閉塞部121cから下方へ延びて、集塵カップ111の第2集塵室111Bと連通するように設けられている。
第2遠心分離部80は、流入口81から流入した空気が旋回する旋回筒部82を備えている。この旋回筒部82は、下方へ向けて幅狭になるように構成されたテーパ構造を有する。旋回筒部82の上面の中央には、空気が流出する流出口83aが形成されている。そして、この流出口83aから下方へ延びるように排気筒83が設けられている。第2遠心分離部80によって分離された空気は、排気筒83を通過して、上部に設けられた流出口83aから上方へ排出されることになる。また、第2遠心分離部80によって分離された塵埃(第2の塵埃)は、旋回筒部82の排出口82aから集塵カップ111の第2集塵室111Bへ排出されることになる。
なお、図10に示されるように、下側閉塞部121cには、各第2遠心分離部80における旋回筒部82の下側部分82bが設けられている。また、筒部121aの中央には、連通穴121dに連通する空洞部121eが設けられている。筒部121aにおける空洞部121eの側壁によって区分された空間内に、旋回筒部82の上側部分82cが、下側部分82bに対応して形成されている。そして、筒部121aにおける空洞部121eの側壁には、旋回筒部82の上側部分82cと連通する凹部82dが設けられている。この凹部82dは、上側部分82cに対応して設けられている。また、上側閉塞部121bには、旋回筒部82の上側部分82cに対応して排気筒83が設けられている。そして、上側閉塞部121bの上面には、流出口83aが設けられている。
このように、上蓋本体121は、筒部121a、上側閉塞部121b、及び下側閉塞部121cが組立てられたときに、第2遠心分離部80が構成されるようになっている。筒部121a、及び下側閉塞部121cが組立てられたとき、下側部分82b及び上側部分82cが連結し、旋回筒部82が構成される。また、上側閉塞部121b、及び筒部121aが組立てられたとき、各排気筒83が旋回筒部82の上側部分82cに挿入される。そして、空洞部121eの側壁と上側閉塞部121bとによって、第2遠心分離部80に連通する空間が形成され、空洞部121eの側壁に形成された凹部82dと上側閉塞部121bとによって、流入口81が形成される。
ここで、上蓋本体121の上部には、第2遠心分離部80の上面と面一である平坦面が形成されている。このため、上蓋本体121の上部の掃除が容易になり、集塵装置100のメンテナンスが容易になる。
内筒ユニット122は、上蓋本体121に連結する内筒部123と、内筒部123の下側部分に連結するダスト仕切部124と、を備えている。
内筒部123は、上蓋本体121の下部に連結されており、後述する第1遠心分離部によるサイクロン分離後の空気を上蓋本体121の上部へと通気するように構成されている。内筒部123は、上蓋本体121の連通穴121dに連結する上側端縁123aと、遠心分離後の空気を通すための複数のスリット123bを有する胴部123cと、ダスト仕切部124と連結する下側端縁123dと、を有している。なお、胴部123cの外周にはメッシュ状の吸気側フィルタが巻き付けられている。
内筒部123の上側端縁123aは、上蓋本体121の連通穴121dと着脱可能に連結している。一方、上蓋本体121は、筒部121a、上側閉塞部121b、及び下側閉塞部121cが互いに超音波溶着されて一体化した構成となっている。それゆえ、上蓋本体121及び内筒部123を容易に分解することができ、上蓋本体121内部の掃除等といったメンテナンスが容易になる。
ダスト仕切部124は、中心孔を有する円板形のフランジ部124aと、大径筒部124bと、小径筒部124cと、を有する。大径筒部124bは、フランジ部124aの外周端から上方向及び下方向の両方向に突出して設けられている。また、小径筒部124cは、フランジ部124aの内周部から垂下して設けられている。また、小径筒部124cの下端部は、閉塞状態であり筒部が塞がれている。
(電気掃除機の動作)
本実施形態に係る電気掃除機の動作について、以下に説明する。まず、電気掃除機を操作すると、駆動装置200の制御装置は、電動送風機を作動させ、吸気口部2から吸気する。吸気口部2から吸気された空気は、接続管3及び接続ホース4を通じ、接続ホース4に接続された接続部201を介して掃除機本体1に流入する。掃除機本体1を流入した塵埃含有空気は、集塵装置100に流入する。集塵装置100の流入口113に流入した塵埃含有空気は、図6及び図9の(b)の矢印で示す分離経路Xを経由して、上部カバーユニット130を通過し、集塵装置100から排出し、駆動装置200の電動送風機へ吸引される。
集塵装置100では、集塵カップ111内のダスト仕切部124の上部にあるフランジ部124aを境に、上部が第1遠心分離部70(サイクロン部)として作用する。すなわち、集塵装置100において、第1遠心分離部70(第1の筒状遠心分離部)は、集塵カップ111における第1集塵室111Aの内側面、及び内筒部123の外周面等によって構成された旋回風路である。そして、流入口113は、第1遠心分離部70が構成する旋回風路の接線方向に開口している。それゆえ、流入口113を介して流入した塵埃含有空気は、図6の分離経路Xのように、第1遠心分離部70が構成する旋回風路を旋回することによって、該塵埃含有空気中の塵埃が遠心分離される。遠心分離された塵埃のうち、比較的大きい粗塵(第1の塵埃)は、遠心力の作用により、集塵カップ111の内側面に沿って落下して、ダスト仕切部124の下方に集積される。
粗塵が分離された空気は、内筒部123を通過する(図6の分離経路X参照)。このとき、第1遠心分離部70によって分離されなかった比較的小さい細塵(第2の塵埃)は、空気流とともに、内筒部123のスリット123bを介して上昇する。一方、粗塵は、胴部123cに巻き付けられたメッシュ状のフィルタによって濾過される。内筒部123を通過した空気は、上蓋本体121の連通穴121dを通過し、上側閉塞部121bによって形成された空間に到達し、この空間からそれぞれの第2遠心分離部80へ流入する。
第2遠心分離部80において、塵埃含有空気が流入する流入口81は、旋回筒部82と排気筒83との間に形成された空気の旋回流路の接線方向に開口している。それゆえ、流入口81から流入した塵埃含有空気は、図9の(b)に示された分離経路Xのように、旋回筒部82の内周面に沿って旋回する。第2遠心分離部80は、塵埃含有空気の旋回半径が第1遠心分離部70での旋回半径よりも小さく、かつ、旋回速度が第1遠心分離部70での旋回速度よりも大きくなるように設計されている。これにより、第1遠心分離部70を通過した塵埃含有空気について、第1遠心分離部70によって分離された粗塵よりも小さい塵埃、すなわち細塵を分離することができる。それゆえ、第2遠心分離部80での空気の旋回によって、塵埃含有空気中の細塵(第2の塵埃)は、遠心分離され、旋回筒部82の内周面に沿って落下し、排出口82aから第2集塵室111Bへ入り、最終的に、第2集塵室111B内の底蓋114上に溜められる。
そして、細塵(第2の塵埃)が分離された空気は、各第2遠心分離部80の中央部に設けられた排気筒83を通過し、流出口83aから排出される(図9の(b)の分離経路X参照)。
流出口83aから排出された空気は、上部カバーユニット130を通過し、集塵装置100から排出される(図6の分離経路X参照)。
なお、本実施形態に係る集塵装置100において、上部カバーユニット130に、つづら折り状(プリーツ)のフィルタ等を有するフィルタユニットが備えられていてもよい。このフィルタユニットによって流出口83aから排出された空気をさらに濾過することができ、掃除機の除塵効率が向上する。また、上記フィルタユニットの設置個所は、集塵装置100の上部カバーユニット130内部に限定されず、駆動装置200内部であってもよい。上記フィルタユニットが駆動装置200内部に備えられることによって、集塵装置100の軽量化を実現できる。
図11は、上蓋本体121を下側から見た下面図である。また、図12は、第2遠心分離ユニット120の構成を示す側面図である。図11及び図12に示されるように、本実施形態に係る集塵装置100において、第2遠心分離部80における空気が流出される流出口83aの中心軸Dは、細塵が排出される排出口82aの中心軸Dと同軸でない。そして、第2遠心分離部80における流出口83aの中心軸Dは、第1遠心分離部70の中心軸Cと平行であり、第2遠心分離部80における排出口82aの中心軸Dは、第1遠心分離部70の中心軸Cに対して傾斜している。より具体的には、第2遠心分離部80の中心軸Dは、流出口83aでは第1遠心分離部70の中心軸Cと平行であり、排出口82aへ向かうに従い屈曲した曲線となっている。
第2遠心分離部80において、流出口83aの中心軸Dが第1遠心分離部70の中心軸Cと平行であり、かつ細塵が排出される排出口82aの中心軸Dと同軸である場合、集塵カップ111の第2集塵室111Bに溜められた細塵は、流出口83aを介した吸気によって、排出口82aを介して第2遠心分離部80に再流出するおそれがある。流出口83aの中心軸Dと排出口82aの中心軸Dとが直線上の同軸である場合、第2遠心分離部80に再流出した細塵は、旋回筒部82の内周面に衝突することなく、排気筒83を通過して流出口83aから上方へ流出するおそれがある。
集塵装置100の構成によれば、第2遠心分離部80の流出口83aの中心軸Dは、排出口82aの中心軸Dと同軸でないので、細塵は、排出口82aを介して第2遠心分離部80に再流出しても旋回筒部82の内周面に衝突する。それゆえ、流出口83aから細塵が再流出することを軽減することができる。
また、第2遠心分離部80における流出口83aの中心軸Dは、第1遠心分離部70の周囲に、第1遠心分離部70の中心軸Cを中心とした円Fの円周上に配置されている。そして、このように中心軸Dが配置された複数の第2遠心分離部80は全て、同一形状である。これにより、中心軸Dが曲線となった第2遠心分離部80を多数配置することが可能になる。
特に、図11に示されるように、排出口82a側から見て、排出口82aの中心軸Dは、流出口83aの中心軸Dを基準として、円Fの接線Gに沿った方向にシフトして位置していることが好ましい。換言すれば、排出口82a側から見て、中心軸Dと中心軸Dとを結ぶ直線が円Fの接線Gとなっている。
なお、図11に示された構成では、8つの第2遠心分離部80は、中心軸Cに直交する対称軸Eに対して、線対称になるように配置されている。すなわち、流出口83aの中心軸Dを基準とした排出口82aの中心軸Dのシフト方向は、対称軸Eを挟んで、逆方向になっている。
このような構成では、円Fに沿って配置された第2遠心分離部80の中心軸Dは、全て同じ屈曲率で円Fの接線Gの方向に屈曲した曲線となる。それゆえ、複数の第2遠心分離部80が円Fに沿ってより効率的に並んで配置することが可能になり、第2遠心分離部80の収容スペースを小さくすることができる。その結果、装置の小型化を実現することができる。
また、図11に示されるように、排出口82a側から見て、上蓋本体121の下面(下側閉塞部121cの下面)における各第2遠心分離部80が占める領域を領域Hとすると、排出口82aは、流出口83aの中心軸Dに対し、領域H内にシフトしている。
下側閉塞部121cの下面には、第2遠心分離部80におけるテーパ形状の旋回筒部82の下側部分82bが設けられている。このような下側閉塞部121cの樹脂成形には、通常、下側閉塞部121cを上下に挟む金型が使用される。下側部分82bにおいて、排出口82aは、流出口83aの中心軸Dに対し領域H内にシフトしているので、下側閉塞部121cの樹脂成形後、金型を上下方向に移動してスムーズに取り外す(金型を上下抜きする)ことが可能であり、製造面で有利である。一方、排出口82aは、流出口83aの中心軸Dに対し領域H外にあるとき、金型を上下方向に移動してスムーズに取り外すことができなくなり、製造面で不利となる。
また、第2遠心分離部80同士の間隔を小さくすることによって、複数の第2遠心分離部80を円Fに沿ってより効率的に配置することができる。しかし、第2遠心分離部80同士の間隔が小さくなると、第2遠心分離部80同士の隙間にある埃などに対し、例えばブラシ等のメンテナンス器具を用いて手入れすることが困難になる。
そこで、本実施形態に係る集塵装置100では、図13に示されるように、隣り合う第2遠心分離部80同士の隙間にリブ84が設けられている。このリブ84は、第2遠心分離部80同士の隙間のなかで、少なくとも第2遠心分離部80同士の間隔が最も小さい空間を埋めるように設けられている。これにより、第2遠心分離部80同士の間隔が最も小さい空間には埃などが溜まることがないので、ブラシ等のメンテナンス器具による手入れが容易になる。
また、第2遠心分離部80が設けられた上蓋本体121の各部品は、樹脂成形によって製造される。このようにリブ84が第2遠心分離部80同士の間隔が最も小さい空間を埋めるように設けられていることにより、樹脂成形に使用する金型の強度を大きくすることができる。第2遠心分離部80同士の間隔が最も小さい空間が存在する場合、第2遠心分離部80同士の隙間を形成する金型は、極めて先細形状となり、強度が小さい。一方、リブ84が第2遠心分離部80同士の間隔が最も小さい空間を埋めるように設けられている場合、第2遠心分離部80同士の隙間を形成する金型は先細形状ではないので、強度が大きくなる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図14及び図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図14は、本実施形態に係る集塵装置における、上蓋本体121を下側から見た図であり、図14の(a)は下面図であり、図14の(b)は斜視図である。図15は、図14の(a)におけるI−I線断面図である。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図14及び図15に示されるように、本実施形態に係る集塵装置では、8つの第2遠心分離部80は、中心軸Cに直交する対称軸Eに対して、線対称になるように配置されていない。すなわち、流出口83aの中心軸Dを基準とした排出口82aの中心軸Dのシフト方向は、各第2遠心分離部80で同じ方向である。
このような構成であっても、円Fに沿って配置された第2遠心分離部80の中心軸Dは、全て同じ屈曲率で円Fの接線Gの方向に屈曲した曲線となる。すなわち、第2遠心分離部80の中心軸Dは、円Fの円周上に配置される。それゆえ、複数の第2遠心分離部80が円Fに沿ってより効率的に並んで配置することが可能になり、第2遠心分離部80の収容スペースを小さくすることができる。その結果、装置の小型化を実現することができる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図16〜図18に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図16は、本実施形態に係る集塵装置100を上下方向に垂直な面で切断したときの断面斜視図である。また、図17は、本実施形態に係る集塵装置100を上下方向に垂直な面で切断したときの断面図である。
本実施形態に係る集塵装置100においては、第2遠心分離部80を収容する第2集塵室は、第1集塵室111Aの周囲に設けられ、第2集塵室区分111B1及び111B2に分割されている点が、上記実施形態1と異なる。
図16及び図17に示されるように、8つの第2遠心分離部80のうち、4つの第2遠心分離部80は、第2集塵室区分111B1に収容されており、残りの4つの第2遠心分離部80は、第2集塵室区分111B2に収容されている。このように第2集塵室が分割され第2集塵室区分111B1及び111B2に区分されていることによって、例えば第2集塵室区分111B1に溜められた細塵は、第2集塵室区分111B1に収容された第2遠心分離部80へ再流入する可能性があるが、第2集塵室区分111B2に収容されている第2遠心分離部80へ再流入することはない。それゆえ、第2集塵室に溜められた細塵が再流入する第2遠心分離部80の個数が少なくなり、結果として、細塵が第2遠心分離部80へ再流入することを回避することができる。
また、第1集塵室111Aの周囲に設けられた第2集塵室区分111B1と第2集塵室区分111B2との間に凹部111Dが設けられている。例えばブラシなどのメンテナンス器具を設置するために、この凹部111Dを利用することによって、第2集塵室区分111B1と第2集塵室区分111B2との間の空間を有効利用することができる。
なお、図16及び図17に示された構成に限定されず、第2集塵室は、少なくとも1つの第2遠心分離部80を収容するように、2つ以上に分割されていればよい。例えば、図18に示されるように、第2遠心分離部80を収容する第2集塵室は、第2集塵室区分111B3〜111B6という4つの区分に分割されていてもよい。図18に示す構成では、第2集塵室区分111B3〜111B6それぞれに、2つの第2遠心分離部80が収容されている。なお、理想的には、第2集塵室は、各第2遠心分離部80に対応して分割されていることが好ましい。
また、集塵装置100の第1集塵室の構成は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、螺旋状の羽根を設けた圧縮機能を備えていてもよい。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る集塵装置100は、空気中の第1の塵埃を分離する第1の筒状遠心分離部(第1遠心分離部70)と、上記第1の筒状遠心分離部に連通し、第1の筒状遠心分離部を通過した空気中の、上記第1の塵埃よりも小さい第2の塵埃を分離する、複数の第2の筒状遠心分離部(第2遠心分離部80)と、上記第1及び第2の塵埃を集塵する集塵容器(集塵カップ111)と、を備え、上記第2の筒状遠心分離部における、空気が流出される流出口83aの中心軸Dは、第2の塵埃が排出される排出口82aの中心軸Dと同軸ではないことを特徴としている。
上記第2の筒状遠心分離部において、流出口83aの中心軸Dと、細塵が排出される排出口82aの中心軸Dとが直線上の同軸である場合、上記集塵容器に溜められた第2の塵埃は、流出口83aを介した吸気によって、排出口82aを介して第2遠心分離部80に再流出するおそれがある。そして、第2遠心分離部80に再流出した第2の塵埃は、第2の筒状遠心分離部の内周面に衝突することなく、流出口83aから上方へ流出するおそれがある。
上記の構成によれば、上記第2の筒状遠心分離部の流出口83aの中心軸Dは、排出口82aの中心軸Dと同軸でないので、第2の塵埃は、排出口82aを介して第2の筒状遠心分離部に再流出しても第2の筒状遠心分離部の内周面に衝突する。それゆえ、上記の構成によれば、流出口83aから第2の塵埃が再流出することを軽減することができる。
以上のように、上記の構成によれば、集塵容器に溜められた第2の塵埃の再流出を防止することができる。
本発明の態様2に係る集塵装置100は、上記態様1において、上記流出口83aの中心軸Dは、上記第1の筒状遠心分離部(第1遠心分離部70)の中心軸Cと平行であり、上記排出口82aの中心軸Dは、上記第1の筒状遠心分離部の中心軸に対して傾斜していてもよい。
上記の構成によれば、集塵容器に溜められた第2の塵埃の再流出を防止することができる。
本発明の態様3に係る集塵装置100は、上記態様1または2において、上記排出口82a側から見て、上記排出口82aの中心軸Dは、上記流出口83aの中心軸Dを基準として、上記第1の筒状遠心分離部(第1遠心分離部70)の中心軸Cを中心とした円Fの接線方向にシフトして位置していることが好ましい。
上記の構成によれば、円Fに沿って配置された上記第2の筒状遠心分離部の中心軸Dは、全て同じ屈曲率で円Fの接線Gの方向に屈曲した曲線となる。それゆえ、上記の構成によれば、複数の第2の筒状遠心分離部が円Fに沿ってより効率的に並んで配置することが可能になり、第2の筒状遠心分離部の収容スペースを小さくすることができる。その結果、装置の小型化を実現することができる。
本発明の態様4に係る集塵装置100は、上記態様1〜3において、上記流出口83aの中心軸Dは、上記第1の筒状遠心分離部(第1遠心分離部70)の周囲に、上記第1の筒状遠心分離部の中心軸Cを中心とした円上(円Fの円周上)に配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、中心軸Dが曲線となった上記第2の筒状遠心分離部を多数配置することが可能になる。
本発明の態様5に係る集塵装置100は、上記態様4において、上記第2の筒状遠心分離部(第2遠心分離部80)は、上記集塵容器(集塵カップ111)を閉塞する上蓋(上蓋本体121)に設けられており、上記排出口82a側から見て、上記上蓋の下面における上記第2の筒状遠心分離部が占める領域を第1の領域(領域H)とすると、上記排出口82aは、上記流出口83aの中心軸Dに対し、領域H内にシフトしている。
上記の構成によれば、排出口82aは、流出口83aの中心軸Dに対し第1の領域(領域H)内にシフトしているので、上記上蓋の下側部分(下側閉塞部121c)の樹脂成形後、金型を上下方向に移動してスムーズに取り外す(金型を上下抜きする)ことが可能であり、製造面で有利である。
本発明の態様6に係る集塵装置100は、上記態様4または5において、上記排出口82a側から見て、上記第2の筒状遠心分離部(第2遠心分離部80)は、上記中心軸Cに直交する対称軸Eに対して、線対称になるように配置されてもよい。
本発明の態様7に係る集塵装置100は、上記態様4または5において、上記流出口83aの中心軸Dを基準とした上記排出口82aの中心軸Dのシフト方向は、各第2の筒状遠心分離部(第2遠心分離部80)で同じ方向であってもよい。
本発明の態様8に係る集塵装置100は、上記態様1から7において、上記第2の筒状遠心分離部(第2遠心分離部80)同士の隙間のなかで、少なくとも第2の筒状遠心分離部同士の間隔が最も小さい空間を埋めるように、リブ84が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記第2の筒状遠心分離部同士の間隔が最も小さい空間には埃などが溜まることがないので、ブラシ等のメンテナンス器具による、第2の筒状遠心分離部同士の隙間部分の手入れが容易になる。
本発明の態様9に係る集塵装置100は、上記態様1から8において、上記集塵容器(集塵カップ111)は、上記第1の塵埃を集塵する第1の集塵室111Aと、上記第2の塵埃を集塵する第2の集塵室111Bとに区分されており、上記第2の集塵室111Bは、少なくとも1つの第2の筒状遠心分離部(第2遠心分離部80)を収容するように、2つ以上に分割されていることが好ましい。
上記の構成によれば、第2の集塵室111Bが分割されて第2の集塵室区分に区分されていることによって、ある第2集塵室区分に溜められた第2の塵埃は、他の第2集塵室区分に収容されている第2の筒状遠心分離部へ再流入することはない。それゆえ、第2集塵室111Bに溜められた細塵が再流入する第2の筒状遠心分離部の個数が少なくなる。結果として、上記の構成によれば、第2の塵埃が第2の筒状遠心分離部へ再流入することを回避することができる。
本発明の態様10に係る集塵装置100は、上記態様9において、第1集塵室111Aの周囲に設けられ、上記分割によって区分された隣り合う2つの第2集塵室区分(第2集塵室区分111B1及び111B2)間に凹部111Dが設けられていることが好ましい。
例えばブラシなどのメンテナンス器具を設置するために、上記凹部111Dを利用することによって、2つの第2集塵室区分間の空間を有効利用することができる。
本発明の態様11に係る電気掃除機は、上記態様1から10の集塵装置を備えた構成である。
上記の構成によれば、流出口83aから第2の塵埃が再流出することを軽減できる電気掃除機を実現することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、電機掃除機において、集塵装置としてサイクロン集塵装置を備えた事例を説明したが、このようなサイクロン式の集塵装置だけでなく、空気中の塵埃を分離し、分離された塵埃を集塵し、分離後の空気をさらにフィルタを介しての細かな塵埃を除去するようにした電気掃除機全般に利用することができる。
70 第1遠心分離部(第1の筒状遠心分離部)
80 第2遠心分離部(第2の筒状遠心分離部)
81 流入口
82a 排出口
83a 流出口
84 リブ
100 集塵装置
111 集塵カップ(集塵容器)
111A 第1集塵室(第1の集塵室)
111B 第2集塵室(第2の集塵室)
111B1〜111B6 第2集塵室区分
111D 凹部
121 上蓋本体(上蓋)
121a 筒部
121b 上側閉塞部
121c 下側閉塞部
C 中心軸(第1の筒状遠心分離部の中心軸)
D 中心軸(第2の筒状遠心分離部の中心軸)
中心軸(第2の筒状遠心分離部における流出口の中心軸)
中心軸(第2の筒状遠心分離部における排出口の中心軸)
E 対称軸
F 円(第2の筒状遠心分離部が構成する円)
G 接線
H 領域

Claims (5)

  1. 空気中の第1の塵埃を分離する第1の筒状遠心分離部と、
    上記第1の筒状遠心分離部に連通し、第1の筒状遠心分離部を通過した空気中の、上記第1の塵埃よりも小さい第2の塵埃を分離する、複数の第2の筒状遠心分離部と、
    上記第1及び第2の塵埃を集塵する集塵容器と、を備え、
    上記第2の筒状遠心分離部における、空気が流出される流出口の中心軸は、第2の塵埃が排出される排出口の中心軸と同軸ではないことを特徴とする集塵装置。
  2. 上記流出口の中心軸は、上記第1の筒状遠心分離部の中心軸と平行であり、
    上記排出口の中心軸は、上記第1の筒状遠心分離部の中心軸に対して傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
  3. 上記排出口側から見て、上記排出口の中心軸は、上記流出口の中心軸を基準として、上記第1の筒状遠心分離部の中心軸を中心とした円の接線方向にシフトして位置していることを特徴とする請求項1または2に記載の集塵装置。
  4. 上記流出口の中心軸は、上記第1の筒状遠心分離部の周囲に、上記第1の筒状遠心分離部の中心軸を中心とした円上に配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の集塵装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の集塵装置を備えたことを特徴とする電気掃除機。
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