JP3876040B2 - エアゾール缶用キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアゾール缶用キャップに関するものであり、より詳細には、格別の工具等を使用せずに、容易にエアゾール缶から取り外すことが可能な分別廃棄性に優れたエアゾール缶用キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧品、洗浄剤、殺虫剤、その他の各種薬剤等の用途にエアゾール缶が広く使用されている。このエアゾール缶は、一般に、上端に開口部を有する缶本体と、この開口部を塞ぐ様に缶本体の上端周縁部に巻き締め固定されている天蓋とから形成されており、缶本体内に収容されている内容物を吐出させるための噴射チューブが天蓋を貫通して延びているか又は天蓋に取り付けられている。この噴射チューブは上下に揺動可能となっており、これを押し込むと内容物が吐出されるようになっている。
このようなエアゾール缶には、天蓋を覆う様なキャップが装着され、この状態で市販され、使用に供されている。
【0003】
この種のエアゾール缶用キャップの代表的なものは、エアゾール缶の上端周縁部に係合固定される環状体と、該環状体の内側空間に配置され且つヒンジ片を介して該環状体の上端部にヒンジ連結されている噴射カバーとから成っている。噴射カバーには、エアゾール缶の噴出管と連通している噴射ノズルが設けられている。即ち、噴射カバーを手で押し込むことにより、噴出管が下方に押し込まれ、噴射ノズルからの内容物の吐出が行われるものである。例えば実公平5−3240号公報や実公平5−22294号公報には、前記噴射カバーを備えた環状体がエアゾール缶の上端周縁部(天蓋と缶本体との巻き締め部)の外周面に係合固定するタイプのエアゾール缶用キャップが開示されており、実用新案登録第3030483号には、環状体がエアゾール缶の上端周縁部の内周面に係合固定するタイプのものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したエアゾール缶用キャップはプラスチック製であるのに対して、エアゾール缶は、ほとんどのものがスチール、アルミ或いは各種表面処理鋼板等の金属製であり、プラスチックが使用されていたとしても一部の構成部分のみのものが多く、例えば天蓋等は金属製であるものがほとんどである。
このため、使用済みのエアゾール缶のキャップは、これをエアゾール缶から分離して廃棄することが特に要求されるが、前述した先行技術等に開示されている従来公知のエアゾール缶用キャップは、環状体がエアゾール缶に強固に固定されており、格別の工具を使用しなければ容易に缶から分離することが極めて困難であり、分別廃棄性が極めて不満足なものとなっている。
【0005】
従って本発明の目的は、格別の工具等を使用せずに、容易に使用済みエアゾール缶から取り外すことが可能な分別廃棄性に優れたエアゾール缶用キャップを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、エアゾール缶の上端周縁部に係合固定される環状体と、該環状体の内側空間に配置され且つヒンジ片を介して該環状体の上端部にヒンジ連結されている噴射カバーとから成るエアゾール缶用キャップにおいて、
前記環状体は、エアゾール缶の上端周縁部の外周面若しくは内周面と係合する周状側壁部を備えており、該周状側壁部の下方部には、少なくとも前記ヒンジ片に対応する部分を除き、エアゾール缶の上端周縁部との係合用周状ビードが形成されていることを特徴とするエアゾール缶用キャップが提供される。
本発明によれば更に、エアゾール缶の上端周縁部に係合固定される環状体と、該環状体の内側空間に配置され且つヒンジ片を介して該環状体の上端部にヒンジ連結されている噴射カバーとから成るエアゾール缶用キャップにおいて、
前記環状体は、エアゾール缶の上端周縁部の外周面若しくは内周面と係合するための周状ビードを下端部に備えた周状側壁部を備えていると共に、該周状側壁部には、その下端部から上方に延びているスリット若しくは薄肉部が形成されており、該スリット若しくは薄肉部は、少なくとも前記ヒンジ片に対応する部分に存在していることを特徴とするエアゾール缶用キャップが提供される。
【0007】
本発明のキャップは、特に平面図でみて、環状体と噴射カバーとをヒンジ連結する部分に対応する部分において、環状体の周状側壁部下端の係合用周状ビードが分断されていることが重要な特徴である。具体的には、上記ヒンジ連結部、即ちヒンジ片が形成されている部分の下側に位置する周状側壁部下端部分(ヒンジ片に対応する部分)には、係合用周状ビードを形成しないか、或いはヒンジ片に対応する部分には、軸方向(上方に延びている)スリット若しくは薄肉部を形成したものであり、この部分で周状ビードは分断され不連続となっているか或いは柔軟となっている。即ち、ヒンジ片に連結されている噴射カバーを手で引張り上げた時、その応力は周状側壁部のヒンジ片に対応する部分に集中する。しかるに本発明によれば、このヒンジ片に対応する部分で周状ビードが不連続或いは柔軟となっており、環状体(周状側壁部)とエアゾール缶の上端周縁部との係合力が他の部分よりも小さくなっている。従って、噴射ノズルを手で持って噴射カバーをヒンジ片を支点として引張り上げると、容易に環状体の周状側壁部をエアゾール缶から除去することができ、格別の工具を用いることなく、容易にキャップをエアゾール缶から取り外すことが可能となるのである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のエアゾール容器用キャップの一例を示す図であって、図1中(A)は天面図、(B)は側断面図、(C)は底面図である。また図2は、図1のキャップの斜視図である。
【0009】
図1及び図2において、本発明のエアゾール缶用キャップは、環状体1と噴射カバー2とから成る。
環状体1は、エアゾール缶の上端周縁部(図示せず)と係合する周状側壁部3を備えており、周状側壁部3の上端には、内向きの水平フランジ部4が形成されている。噴射カバー2は、ヒンジ片5を介して環状体1の水平フランジ部4にヒンジ連結されている。
噴射カバー2の上面には、上方に直立している噴射ノズル6が形成されており、下面の中心部分には、エアゾール缶の噴出管先端と嵌合する中空管7が形成されている。特に図1(B)に明瞭に示されている様に、噴射ノズル6は、中空管7を介して図示されていない噴出管の先端と連通している。また噴射カバー2の上面の噴射ノズル6は、ヒンジ片5側に若干偏心しており、噴射ノズル6の根元部分には、ヒンジ片5側とは反対側に扇型のボックス状の押圧部8が形成されている。即ち、押圧部8を手で押すと、噴射カバー2はヒンジ片5を支点として下方に押し込まれ、中空管7に連結された噴出管も下方に押し込まれる。この結果として、傾倒した噴射ノズル6からエアゾール缶に収容されている内容物が吐出されることになる。
【0010】
周状側壁部3の上端に形成されている水平フランジ部4には、扇型の押圧部8の円周状先端部に沿って、細長いバンド部10が形成されており、このバンド部10に対面している周状側壁部3の上端部には切欠き部11が形成されている。即ち、このバンド部10の側面は、外部に露出しており、手で容易に捲り上げられるようになっており、このバンド10を手で捲り上げて押圧部8に引っ掛ければ、押圧部8が下方に押圧され、噴射カバー2は下方に押し込まれたままの状態に保持される。従って、この使用済みのエアゾール缶について、バンド部10を利用して噴射カバー2を下方に押し込んだままの状態に保持しておけば、自動的に噴射剤のガスを抜くことができ、廃棄性の点で好適である。
【0011】
また周状側壁部3の外面の中間部分には、水平の段差部12が形成されているが、この段差部12は、図示していないが、噴射カバー2を更に覆うオーバーキャップ(通常、透明である)を係止するためのものである。即ち、エアゾール缶は、噴射ノズル6からの偶発的な内容物の吐出を防止し、且つ商品価値を高めるために、エアゾール缶には、上述したキャップ及び着脱自在のオーバーキャップが装着されて市販するが、このようなオーバーキャップを装着するために、上記段差部12は設けられている。
更に図1及び図2の例では、上記段差部12を除けば、周状側壁部3の外形は直線状に形成されているが(図1(B)参照)、このような形状に限定されるものではなく、例えばエアゾール缶の外形に合わせて湾曲線状(ドーム状)に形成されていてもよい。
このような構造のキャップは、各種プラスチック、例えば、低−,中−又は高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ABS樹脂等の一体成形によって容易に製造することができる。
【0012】
周状側壁部3の下方部内面には、周状ビード20が設けられており、この周状ビード20がエアゾール缶の上端周縁部の外周面と係合することにより、環状体1がエアゾール缶にしっかりと固定される。
本発明においては、この周状ビード20を周状側壁部3の全周にわたって形成せず、特に図1(C)の底面図に明瞭に示されている様に、ヒンジ片5に対応する部分Wには周状ビード20は形成されておらず、この部分は不連続部21となっている。
【0013】
即ち、使用済みのエアゾール缶について、ヒンジ片5を支点として噴射カバー2を捲り上げ、中空管7とエアゾール缶の噴射チューブとの係合を解除した後、更にヒンジ片5を支点として噴射カバー2を上方に引張り上げた時、その応力はヒンジ片5に対応する部分Wに集中する。本発明では、この部分Wにおいて、周状ビード20は形成されていないので、周状側壁部3とエアゾール缶の上端周縁部との係合力が弱められている。従って、使用済みのエアゾール缶について、噴射ノズル6を手で持ってヒンジ片5を支点として噴射カバー2を上方に引張り上げれば、上記部分Wを起点として周状側壁部3がエアゾール缶の上端周縁部から離脱し、容易にキャップをエアゾール缶から取り外すことができるのである。このキャップの取り外し作業に先立っては、先に述べた様に、バンド部10を利用して噴射カバー2を下方に押し込んだままの状態に保持してエアゾール缶内に残留している噴射剤を抜いておくことが好ましい。
【0014】
図示した例において、上述した不連続部21は、ヒンジ片5に対応する部分Wの全体にわたっているが、少なくともヒンジ片5の中心部に対応する部分(図1(C)において線Oで示す)が不連続部21となっていることが好ましく、必ずしもヒンジ片5に対応する部分Wの全体に不連続部21を形成せずともよい。この中心部分Oに周状ビード20が存在していなければ、即ち、この部分Oで周状ビード20が分断されていれば、ヒンジ片5を支点として噴射カバー2を上方に引張り上げた時に応力が最も集中する部分の係合力が弱められ、噴射カバー2をエアゾール缶から取り外すことができるからである。但し、この不連続部21の長さは、通常、3mm以上、特に5mm以上とすべきであり、これよりも短いと係合力が十分に弱められず、周状側壁部3の取り外しが困難になることがある。一般的には、不連続部21の長さを上記のように3mm以上とし且つ図1(C)に示されている様に、ヒンジ片5に対応する部分Wの全体が不連続部21となっていることが好適である。
尚、ヒンジ片5に対応する部分Wは、ヒンジ片5の周方向両端とキャップの中心点を結ぶ線の延長線が周状ビードと交わる点の間の領域である。
【0015】
またヒンジ片5は、ある程度の幅を有していることが好ましく、この幅が過度に小さいと、ヒンジ片5を支点として噴射カバー2を持ち上げた場合、ヒンジ片5の破断を生じたり、或いは環状体1をエアゾール缶から取り外すことが困難となるおそれがある。一般的に言って、このヒンジ片5の幅は5mm以上とするのがよい。
【0016】
また、周状ビード20の分断は、ヒンジ片5に対応する部分Wで行われている限り、この部分W以外の部分でも行われていてよい。この例を図3の底面図に示す。
図3において、周状側壁部3の下方の周状ビード20は、複数に分割されており、ヒンジ片5に対応する部分W以外の部分にも不連続部21’が形成されている。即ち、図3のキャップの様に、複数の周状ビード20が適当な間隔で配置されている場合には、周状ビード20の大きさ(突出高さ)に加えて、その数や不連続部21’間隔等を適宜変更することにより、周状側壁部3とエアゾール缶との係合力を調節することができる。
【0017】
更に本発明においては、上記以外にも種々の設計変更が可能であり、例えば分別廃棄性に限って言えば、環状体1の水平フランジ部4にバンド部10を設ける必要はないし、バンド部10を設けない場合には、当然、周状側壁部3の上端に切欠き部11を設ける必要はない。また、噴射ノズル6は図示されているような直立した形状のものに限定されず、傾斜していてもよいし、更に途中で屈曲した形状のものであってもよい。更に噴射カバー2の上面(噴射ノズル6等を除くフラットな部分)を周状側壁部3の上端よりも突出して形成しておけば、ボックス状の押圧部8を敢えて設ける必要はない。
【0018】
また図1乃至3のキャップは、周状側壁部3がエアゾール缶の上端周縁部の外周面と係合するタイプのものであるが、本発明をエアゾール缶の上端周縁部の内周面と係合するタイプのものにも適用することができる。このタイプのキャップを図4に示す。図4中、(A)はキャップの天面図、(B)は側断面図、(C)は底面図である。
【0019】
図4の例のキャップは、極めてシンプルな構造を採用しており、環状体1の水平フランジ部4にはバンド部10を設けておらず、従って切欠き部11に相当する部分も形成されていないし、ボックス状の押圧部8の形状も扇型でなく単に円形とした例で示した。
図4において、このキャップの環状体1は、内側周状側壁部30と外側周状側壁部31とを備えている。即ち、これら側壁部30,31の間にエアゾール缶の上端周縁部が挿入され、内側周状側壁部30と該周縁部との係合により、環状体1がエアゾール缶に固定される。従って、外側周状側壁部31は、特に環状体1の固定には関与しないが、エアゾール缶の上端周縁部を覆い、その商品価値を損なわないようにするために必要なものである。尚、内側周状側壁部30と外側周状側壁部31との間の空間の上部には、適当な間隔でリブ32が設けられており、エアゾール缶の上端周縁部の挿入により、外側周状側壁部31が外側に広がって外観が損なわれないようになっている。
【0020】
内側周状側壁部30の下端部外面には、外方に突出している周状ビード20が設けられており、この周状ビード20とエアゾール缶の上端周縁部の内周面とが係合し、これにより、環状体1がエアゾール缶に固定される。本発明において、この例のキャップでも、周状ビード20を内側周状側壁部30の全周にわたって形成せず、図4(C)に示されている様に、ヒンジ片5に対応する部分Wには周状ビード20は形成されておらず、この部分は不連続部21となっている。従って、ヒンジ片5に対応する部分Wにおいて、内側周状側壁部30とエアゾール缶の上端周縁部との係合力が弱められ、ヒンジ片5を支点として噴射ノズル6を持って噴射カバー2を引張り上げることにより、容易に環状体1をエアゾール缶から取り外すことが可能となる。勿論、この例においても、ヒンジ片5に対応する部分W以外の部分に周状ビード20の不連続部を形成することができる。
【0021】
上述した図1乃至4の例は、エアゾール缶の上端周縁部と係合する周状側壁部において、ヒンジ片5に対応する部分に係合用の周状ビード20の不連続部21を形成することにより、該部分での係合力を弱めたものであるが、このような周状側壁部にスリットを設けることにより、同様にして係合力を弱め、環状体1のエアゾール缶からの取り外しを容易に行うことができる。この例を図5乃至8に示す。
【0022】
図5は、図1のキャップと同様、エアゾール缶の上端周縁部の外周面との係合により固定されるキャップを示すものであり、図5中、(A)はキャップの側断面図、(B)は底面図である。
図5のキャップは、噴射カバー2の構造は図1のキャップと全く同じ構造を有しており、環状体1の周状側壁部3の下端の内面には、その全周にわたって周状ビード20が設けられており、この周状ビード20とエアゾール缶の上端周縁部外面との係合により、環状体1はエアゾール缶に固定されるというものであり、この点でも基本的には図1のキャップと同様である。ただ、図5のキャップにおいては、ヒンジ片5の中心部に対応する周状側壁部3の下端部分Oには、上方に延びている軸方向スリット40が形成されている。即ち、スリット40の形成により、周状ビード20は不連続となっており、従って図1のキャップと同様、ヒンジ片5を支点として噴射ノズル6を持って噴射カバー2を上方に引張り上げた時に応力が最も集中する部分Oでの係合力が弱められ、噴射カバー2を容易にエアゾール缶から取り外すことができる。
【0023】
上記のスリット40の長さ及び幅は、基本的には周状ビード20が完全に分断される程度であればよいが、通常、エアゾール缶の上端周縁部の外面が周状側壁部3の内面と密接する部分にわたって延びている程度の長さとするのがよい。
また図5のキャップでは、周状側壁部3の下端部分Oにスリット40を設けたことから、この周状側壁部3の下方部分を完全に覆うような外周壁41が設けられている。即ち、スリット40が外から見えることによる商品価値の低下を防止し、またスリット40からの環状体1の破損を防止するために、外周壁41が設けられる。
【0024】
また図5のキャップにおける環状体1のエアゾール缶からの取り外し性、即ち分別廃棄性をさらに向上させたキャップを図6に示す。図6中、(A)はキャップの側断面図であり、(B)は底面図である。
図6のキャップは、周状ビード20に関する構造を除けば、図5のキャップと全く同じである。即ち、図6においては、周状側壁部3の下端部分O(ヒンジ片5の中心部に対応する部分)にスリット40が設けられていると同時に、ヒンジ片5に対応する部分Wの全体にわたって周状ビード20が形成されておらず、この部分Wに周状ビード20の不連続部分21が形成されている。従って、ヒンジ片5を支点として噴射ノズル6を持って噴射カバー2を上方に引張り上げた時に応力が集中する部分の係合力が一層弱められており、この結果として、環状体1のエアゾール缶からの取り外しを一層有効に行うことが可能となる。
【0025】
更に図7及び図8には、上記図5及び6に示した様なスリットを、エアゾール缶の上端周縁部の内周面との係合により固定されるキャップを示すものであり、図7及び図8中、(A)は側断面図、(B)は底面図をそれぞれ示す。
【0026】
図7及び図8のキャップは、図4のキャップと同様、環状体1の水平フランジ部4にはバンド部10は形成されておらず、また切欠き部11に相当する部分もなく、押圧部8の形状も単に円形であり、従って、これらの天面図は、図4と全く同様であるので省略した。
図7及び8において、このキャップの環状体1は、やはり図4のキャップと同様、内側周状側壁部30と外側周状側壁部31とを備えており、これらの間にエアゾール缶の上端周縁部が挿入され、内側周状側壁部30と該周縁部との係合により、環状体1がエアゾール缶に固定される。即ち、内側周状側壁部30の下端部外面には、外方に突出している周状ビード20が設けられており、この周状ビード20とエアゾール缶の上端周縁部の内周面とが係合し、これにより、環状体1がエアゾール缶に固定される。また、内側周状側壁部30と外側周状側壁部31との間の空間の上部には、適当な間隔でリブ32が設けられている点も図4のキャップと同様である。
【0027】
ところで、図7のキャップでは、図5のキャップの様に、ヒンジ片5の中心部に対応する周状側壁部30の下端部分Oに、上方に延びているスリット40が形成されており、これにより、周状ビード20が分断され、該部分Oでの係合力が弱められ、噴射ノズル6を持って噴射カバー2を容易にエアゾール缶から取り外すことができる。
また図8のキャップでは、上記の様にスリット40を設けると共に、図6のキャップと同様、ヒンジ片5に対応する部分Wには周状ビード20を形成していない。従って、ヒンジ片5を捲り上げる時に応力が集中する部分でも係合力が一層弱められ、一層容易に環状体1をエアゾール缶から取り外すことが可能となる。
【0028】
上述した図5乃至図8のキャップにおいては、スリット40は、ヒンジ片5の中心部に対応する周状側壁部30の下端部分O(中心部分O)に設けられているが、ヒンジ片5に対応する部分W内であれば、必ずしも中心部分Oに位置していなくてもよい。但し、中心部分Oにスリット40が位置しているときが最も効果的である。また、スリット40はヒンジ片5に対応する部分W内に設けられている限り、その数は限定されず、例えば部分Wの領域外にも1個或いは複数個のスリットを設けることができ、その数により、環状体1とエアゾール缶との係合力を適当な範囲に調整することができる。
【0029】
また本発明では、図5乃至図8のキャップのスリット40を薄肉部で置き換えることもできる。例えば図7のキャップのスリット40を薄肉部で置き換えたキャップを図9に示す。図9中、(A)及び(B)は、それぞれヒンジ片5に対応する部分の部分拡大側面図及び部分拡大底面図である。
図9に示す様に、この例のキャップでは、ヒンジ片5の中心部に対応する部分Oにおいて、内側の周状側壁部30の下端部にスリット40の代わりに切り込みが設けられて薄肉部50が形成されている。従って、この部分の周状ビード20は柔軟性が高く変形し易くなっており、スリット40を設けた場合と同様、この部分での周状ビード20とエアゾール缶上端周縁部との係合力は弱くなっており、噴射ノズル6を持って噴射カバー2を容易にエアゾール缶から取り外すことができる。図9では、図7のスリット40を薄肉部50に置き換えた例を示したが、このような薄肉部は、その他のキャップ、例えば図5,6及び8に示したキャップにも適用できることは言うまでもない。
【発明の効果】
本発明によれば、エアゾール缶の上端周状縁と係合する環状体の周状側壁部下端の周状ビードを、ヒンジ片を支点として噴射ノズルを持って噴射カバーを引張り上げる際に最も応力が集中する部分で分断しておくことにより、格別の工具を用いることなく、エアゾール缶からキャップを容易に取り外すことが可能となった。従って、本発明のキャップは、分別廃棄の点で極めて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアゾール缶の上端周縁部の外周面と係合するタイプの本発明例のキャップを示す図であり、図1中(A)は天面図、(B)は側断面図、(C)は底面図である。
【図2】図2は、図1のキャップの斜視図である。
【図3】図1のキャップにおける周状ビードを複数の箇所で分断した態様のキャップの底面図である。
【図4】エアゾール缶の上端周縁部の内周面と係合するタイプの本発明例のキャップを示す図であり、図4中、(A)はキャップの天面図、(B)は側断面図、(C)は底面図である。
【図5】エアゾール缶の上端周縁部の外周面と係合するタイプの本発明例の他の態様のキャップを示す図であり、図4中(A)は側断面図、(B)は底面図である。
【図6】図5のキャップの改良例であり、図6中、(A)は側断面図、(B)は底面図である。
【図7】エアゾール缶の上端周縁部の内周面と係合するタイプの本発明例の他の態様のキャップを示す図であり、図4中、(A)は側断面図、(B)は底面図である。
【図8】図7のキャップの改良例であり、図7中、(A)は側断面図、(B)は底面図である。
【図9】図7のキャップのスリットを薄肉部に置き換えた例であり、(A)は部分拡大側断面図、(B)は部分拡大底面図である。
【符号の説明】
1:環状体
2:噴射カバー
3:周状側壁部
5:ヒンジ片
6:噴射ノズル
7:中空管
20:周状ビード
21:不連続部
30:内側周状側壁部
31:外側周状側壁部
32:リブ
40:スリット
Claims (6)
- エアゾール缶の上端周縁部に係合固定される環状体と、該環状体の内側空間に配置され且つヒンジ片を介して該環状体の上端部にヒンジ連結されている噴射カバーとから成るエアゾール缶用キャップにおいて、
前記環状体は、エアゾール缶の上端周縁部の外周面若しくは内周面と係合する周状側壁部を備えており、該周状側壁部の下方部には、少なくとも前記ヒンジ片に対応する部分を除き、エアゾール缶の上端周縁部との係合用周状ビードが形成されていることを特徴とするエアゾール缶用キャップ。 - 前記周状ビードは、前記ヒンジ片に対応する部分で少なくともヒンジ片の周方向幅と略同等の幅を有する部分には形成されていない請求項1に記載のエアゾール缶用キャップ。
- エアゾール缶の上端周縁部に係合固定される環状体と、該環状体の内側空間に配置され且つヒンジ片を介して該環状体の上端部にヒンジ連結されている噴射カバーとから成るエアゾール缶用キャップにおいて、
前記環状体は、エアゾール缶の上端周縁部の外周面若しくは内周面と係合するための周状ビードを下端部に備えた周状側壁部を備えていると共に、該周状側壁部には、その下端部から上方に延びているスリット若しくは薄肉部が形成されており、該スリット若しくは薄肉部は、少なくとも前記ヒンジ片に対応する部分に存在していることを特徴とするエアゾール缶用キャップ。 - 前記スリット若しくは薄肉部は、前記ヒンジ片の中心部に対応する部分に存在している請求項3に記載のエアゾール缶用キャップ。
- 前記ヒンジ片に対応する部分の周状側壁下端部には、前記周状ビードが形成されていない請求項3又は4に記載のエアゾール缶用キャップ。
- 前記周状ビードは、前記ヒンジ片に対応する部分で少なくともヒンジ片の周方向幅と略同等の幅を有する部分には形成されていない請求項5に記載のエアゾール缶用キャップ。
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