JP3875897B2 - 研磨機 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、例えばfθレンズ用金型のトーリック面のような研磨面を研磨するための研磨方法及び研磨機に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
fθレンズ(ミラー)は、その表面(研磨面)の長手方向(主走査方向)とこの長手方向に直交する短手方向(副走査方向)の曲率半径が異なる、いわゆるトーリック面からなっている。最近はさらに、副走査方向の曲率半径が主走査方向に異なる特殊トーリック形状が採用されつつある。
【0003】
このようなfθレンズは通常合成樹脂材料の成形品で構成されるため、その金型はfθレンズの凹凸を逆にしたトーリック面(特殊トーリック面)からなる。このようなトーリック形状をなしている金型の研磨面を研磨する研磨機としては、例えば次のようなものがある。
【0004】
一例としては、軸線回りに高速回転する回転部材の先端に、球状の研磨具を固着し、この研磨具を研磨面に接触させながら高速回転させて長手方向に往復移動させ、かつ研磨面との接触位置を短手方向に徐々にずらすことにより、研磨面全体を研磨するものである。
【0005】
しかし、この研磨機では、研磨具と研磨面の接触位置を短手方向にずらしながら研磨を行うので、金型の研磨面に小さなうねりが生じてしまい、そのため、レンズ表面にうねりがない理想的なfθレンズを製造することができない。
【0006】
また、その他の例としては、金型を、金型保持部材である研磨ヤトイ(治具)の嵌合用凹部に嵌合して、金型の研磨面と研磨ヤトイの上面を連続させ、軸線回りに高速回転する回転部材の先端に、金型の研磨面の短手方向の幅より直径の大きい軟質材料からなる研磨具(弾性球ポリッシャー)を固着し、この研磨具を、高速回転させながら研磨面と研磨ヤトイの上面とに接触させ、研磨面の長手方向に往復移動させることにより、研磨面全体を研磨するものがある。
【0007】
しかし、この研磨機は、研磨具が柔らかいうえに、研磨具と研磨面の摩擦抵抗が大きいために研磨具は高速回転しながら研磨面を研磨できないので、前加工において生じた研磨面の微少な残存うねり、特に短手方向のうねりを完全に除去することができない。
さらに、研磨時に研磨ヤトイを必要としているので、研磨ヤトイの製作、取り付けに要するコストが負担になっていた。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、研磨面の長手方向と長手方向と直交する短手方向との曲率半径が異なり、短手方向が凹面であるワークの研磨面を、うねりを生じることなく研磨できるとともに、研磨時に研磨ヤトイ等の補助具を必要としない研磨方法と研磨機を提供することを目的とする。
【0009】
【発明の概要】
本発明の研磨機は、長手方向と該長手方向と直交する短手方向との曲率半径が異なり、該短手方向が凹面である研磨面を有するワークの研磨機であって、上記研磨面の短手方向の全幅より大きい直径を有する円柱形研磨具と;この円柱形研磨具を軸線回りに回転駆動する研磨具回転手段と;該円柱形研磨具と上記ワーク研磨面とを相対的に接離移動させる接離手段と:上記円柱形研磨具と上記ワーク研磨面を、上記研磨面の長手方向に相対的に往復移動させる往復移動手段と;上記接離手段による接離方向と往復移動手段による移動方向とを含む平面内において、上記円柱形研磨具の軸線と研磨面の法線とのなす傾斜角を調整する角度調整手段と;上記接離手段と往復移動手段と角度調整手段とを制御して、上記円柱形研磨具の先端面の周縁部による研磨面の研磨を制御する制御手段と;を備えることを特徴としている。
【0012】
また、上記制御手段が、上記接離手段を制御することにより、上記研磨具を研磨面に常時一定の圧力で押し付けるのが好ましい。
【0014】
また、上記ワークがfθレンズ製造用の金型であるのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
床面上には、平面視長方形をなす基板1が固定されており、この基板1の上面には、基板1の長手方向に往復移動可能なスライダ3が装着されている。このスライダ3は図示を省略した移動用モータ(往復移動手段)に、この移動用モータの回転運動を直線運動に変換する駆動力伝達機構を介して連係されており、移動用モータが正逆両方向に回転することにより、基板1上を直線的に往復移動する。
【0016】
スライダ3の上面には、図示を省略したfθレンズを製造するための金型(ワーク)5が固定されている。この金型5の上面である研磨面(ワーク研磨面)5aは、金型5の長手方向Xとこの長手方向に直交する短手方向Yの断面がともに凹状の曲線をなしており、さらに上記長手方向Xと短手方向Yの曲率半径が互いに異なる、いわゆるトーリック形状をなしている。
【0017】
研磨機7は、上記のスライダ3と、図示を省略したマシニングセンタに研磨装置を取り付けたものからなり、研磨装置は以下のような構成である。
スライダ3上には、マシニングセンタに設けられた上下方向を向く支持部材9が備えられている。この支持部材9は、図示を省略した昇降用モータ(接離手段)が正逆両方向に回転することによりZ方向に昇降するものであり、その下端には横向きの円柱部9aが連設されており、円柱部9aの一方の側面には円形の回転板11が、円柱部9aの中心軸(B軸)回りに回転可能に装着されている。円柱部9aの内部には角度調整用モータ(角度調整手段)(図示略)が内臓されており、この角度調整用モータは回転板11に連係され、角度調整用モータが正逆両方向に回転することにより回転板11が時計回りと反時計回りに回転する。
【0018】
回転板11の側面には、回転板11の放射方向を向くとともに、大径部13aと小径部13bとからなる円柱形の腕部13が固着されており、この腕部13の内部には回転駆動用モータ(研磨具回転手段)(図示略)が内臓されている。腕部13は平面視において金型5の長手方向Xと同方向を向くとともに、同一直線上に位置している。腕部13の内部には、腕部13と同方向を向くスピンドル15がその軸線回りに回転自在に取り付けられており、スピンドル15の先端部は腕部13の先端から突出している。このスピンドル15は回転駆動用モータに連係されており、回転駆動用モータが回転することにより高速回転、例えば毎分数百乃至数千、あるいは数万回転で回転する。
【0019】
スピンドル15の先端には円柱形の円柱形研磨具17が固着されている。円柱形研磨具17の断面の直径は、金型5の研磨面5aの短手方向Yの幅より大きく、かつ、その半径は研磨面5aの短手方向Yの断面の最小曲率半径より小さい。
この円柱形研磨具17は、例えばフェルトを固めたり、硬質ゴムを研磨シートで覆ったり、塩化ビニールを固めることにより製造され、バフなどより硬質なものである。
【0020】
金型5の上方には、研磨液19を研磨面5aに常時供給する研磨液供給装置21が配設されている。
【0021】
上記の角度調整用モータと移動用モータと昇降用モータは、マシニングセンタに内蔵された制御回路(制御手段)(図示略)に接続されている。この制御回路は、上記の角度調整用モータと移動用モータと昇降用モータを、予め入力されたNCデータに基づいてNC制御(数値制御)することにより、研磨作業の開始から終了までの間、円柱形研磨具17の先端面17aの周縁部を常時研磨面5aに隙間無く、かつ一定の圧力で密接させるものである。
具体的には、移動用モータの回転方向と回転速度を制御するとともに、移動用モータの回転によって変化する長手方向X及び上下方向の研磨面5aと円柱形研磨具17の位置関係に応じて、昇降用モータと角度調整用モータの回転速度と回転方向を制御し、円柱形研磨具17の上下方向位置を微調整して、円柱形研磨具17の先端面17aの周縁部を研磨面5aに常時一定圧力で接触させるとともに、図2に示すように水平面H(図2参照)とスピンドル15のなす角度θを微調整し、図3に示すようにX方向から見たときの円柱形研磨具17の先端面17aの周縁部の近似的な曲率半径を変化させることにより、円柱形研磨具17の先端面17aの周縁部を研磨面5aに常時隙間無く密接させる。
【0022】
上記構成からなる研磨機7のマシニングセンタの電源をONにしてサイクルスイッチ(図示略)を押すと、角度調整用モータ、移動用モータ、昇降用モータ、回転駆動用モータが作動し、金型5が長手方向Xに沿って直線的に往復移動し、円柱形研磨具17の先端面17aの周縁部が常時一定圧力で研磨面5aに回転接触することにより、研磨面5a全体が研磨される。この間、研磨液供給装置21から研磨面5aに研磨液19が常時供給される。サイクルスイッチを押してから所定時間が経過すると、円柱形研磨具17が研磨面5aから上方に離れ、スライダ3の直線移動と、円柱形研磨具17の回転動作、回転板11の回転動作が停止し、研磨作業が終了する。
【0023】
このように、円柱形研磨具17は高速回転しながら研磨面5aを研磨でき、さらに、円柱形研磨具17が常時一定圧力で研磨面5aを研磨し、かつ、研磨時に研磨面5aは円柱形研磨具17に対して長手方向Xにのみ移動し短手方向Yには移動しないので、金型5の研磨面5a全体をうねりのないように研磨することができる。
特に本実施形態では、比較的硬い円柱形研磨具17が軸線回りに高速回転しながら研磨面5aに接触するので、研磨面5aの短手方向Yのうねりの発生を効果的に防止でき、前加工において生じたうねりも除去できる。
さらに、移動用モータを高速回転させて、スライダ3を高速で直線移動させることにより、研磨面5aの長手方向Xのうねりの発生も効果的に防止できるようになる。
【0024】
また、研磨時に研磨ヤトイのような補助具を要しないので、研磨ヤトイの製作、取り付けが不要であり、コスト的にも有利である。
【0025】
なお、本実施形態の円柱形研磨具17の断面の直径は金型5の研磨面5aの短手方向Yの幅より大きいが、研磨面5aの短手方向Yの幅と同じ寸法としてもよい。
また、研磨面の長手方向Xの断面形状が直線または凸面をなす金型であっても、研磨機7により研磨することができる。
さらに、研磨機7は、fθレンズを製造するための金型5以外のトーリック形状のワークの研磨にも用いることができる。
また、支持部材9を矢印A方向(Yと平行な方向)に往復移動させる水平移動用モータ(図示略)を設け、これをマシニングセンタの制御回路に接続して、支持部材9の矢印A方向の位置を調整できるようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明は、研磨面の長手方向と長手方向と直交する短手方向との曲率半径が異なり、短手方向が凹面であるワークの研磨面を、前加工において生じたうねりを除去し、かつ、うねりを生じることなく研磨できる。さらに、研磨時に研磨ヤトイ等の補助具を必要としないので、コスト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同じく、研磨具と金型の接触状態を示す側面図である。
【図3】同じく、研磨具と金型の研磨面との接触状態の変化を示す正面図である。
【符号の説明】
1 基板
3 スライダ
5 金型(ワーク)
5a 研磨面(ワーク研磨面)
7 研磨機
9 支持部材
9a 円柱部
11 回転板
13 腕部
13a 大径部
13b 小径部
15 スピンドル
17 円柱形研磨具
17a 先端面
19 研磨液
21 研磨液供給装置
H 水平面
X 金型の長手方向
Y 金型の短手方向
Z 上下方向
Claims (3)
- 長手方向と該長手方向と直交する短手方向との曲率半径が異なり、該短手方向が凹面である研磨面を有するワークの研磨機であって、
上記研磨面の短手方向の全幅より大きい直径を有する円柱形研磨具と;
この円柱形研磨具を軸線回りに回転駆動する研磨具回転手段と;
該円柱形研磨具と上記ワーク研磨面とを相対的に接離移動させる接離手段と:
上記円柱形研磨具と上記ワーク研磨面を、上記研磨面の長手方向に相対的に往復移動させる往復移動手段と;
上記接離手段による接離方向と往復移動手段による移動方向とを含む平面内において、上記円柱形研磨具の軸線と研磨面の法線とのなす傾斜角を調整する角度調整手段と;
上記接離手段と往復移動手段と角度調整手段とを制御して、上記円柱形研磨具の先端面の周縁部による研磨面の研磨を制御する制御手段と;
を備えることを特徴とする研磨機。 - 請求項1記載の研磨機において、上記制御手段が、上記接離手段を制御することにより、上記研磨具を研磨面に常時一定の圧力で押し付ける研磨機。
- 請求項1または2記載の研磨機において、上記ワークがfθレンズ製造用の金型である研磨機。
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