JP3718934B2

JP3718934B2 - 曲面研磨方法および曲面研磨装置

Info

Publication number: JP3718934B2
Application number: JP33676696A
Authority: JP
Inventors: 崇晃榊原
Original assignee: Fuji Xerox Co Ltd; Fujifilm Business Innovation Corp
Current assignee: Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date: 1996-12-17
Filing date: 1996-12-17
Publication date: 2005-11-24
Anticipated expiration: 2016-12-17
Also published as: JPH10175150A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、曲面形状、特に回転対称軸を有さない非球面（非軸対称非球面）形状をした回転多面体、レンズ、ミラー等の光学素子や、その成形金型等を高精度に研磨する曲面研磨方法および装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、曲面研磨は形状を崩さずに鏡面仕上げするために、加工量を一定にできる研磨方法として、加工物に法線方向から低圧荷重を加える研磨方法（法線方向低圧荷重研磨法）が用いられてきた。
特に、回転対称軸を持たない非軸対称非球面形状をした加工物には、水平方向駆動に２軸、傾斜方向駆動に２軸と工具自転軸と工具垂直軸の合計６軸の同期制御によって法線方向低圧荷重研磨が行われている。この従来の技術として、以下のものがある。
【０００３】
▲１▼ 加工物を取り付けるテーブルは、２つの水平方向駆動部（Ｘ，Ｙ軸）、ｃ（θ）旋回駆動部の３軸の駆動部からなり、球形研磨工具は自転軸と傾斜（チルト）軸とＺ軸の３軸をもつ、合計６軸同期制御研磨装置と加工物の面形状データを計測する形状測定部を有する研磨装置を用い、また研磨ヘッドを揺動させて、曲面加工を行うもの（特開平５−５７６０６号公報）。
▲２▼ 加工物を取り付けるテーブルは、２つの水平方向駆動部（Ｘ，Ｙ軸）と２つの傾斜（チルト）方向駆動部（ａ，ｂ軸）の合計４軸の積み上げによる駆動部からなり、球形研磨工具は、自転軸とＺ軸の２軸を持つ、計６軸同期制御装置で曲面加工を行うもの（特開平８−１９２３４８号公報）。
▲３▼ また、加工物を取り付けるテーブルは、２つの水平方向駆動部（Ｘ，Ｙ軸）、横旋回（θ）軸部と傾斜（チルトｂ軸）方向駆動部の合計４軸の駆動部からなり、球形研磨工具は、自転軸とＺ軸の２軸を持つ、計６軸同期制御装置で曲面加工を行うものも考えられる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の研磨方法および研磨装置には、回転対称軸を有さない非球面形状（自由曲面形状）をした加工物に対して、次のような問題があった。
上述した技術は、いずれも１つの非軸非球面しか研磨できず、非軸対称非球面形状をした回転多面体の加工はできない。
また、▲１▼、▲２▼とも形状を崩すことなく非軸非球面の加工はできるが、装置が大型化し、高価になってしまう問題があり、▲３▼では装置は小型化するが、横旋回運動によりワークの変曲点において局所的な深堀りが発生してしまうという問題があった。
従って、本発明の目的は、回転対称軸を有さない非球面形状（非軸対称非球面形状）をした回転多面体を良い形状精度で研磨加工することができる曲面研磨方法および曲面研磨装置を提供することである。また、安価な曲面研磨装置を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点に対し、略球形状であり、かつ弾性材料からなる研磨工具を有する研磨ヘッドと、研磨ヘッドに対する加工面の相対的な水平方向位置を移動させる水平駆動部と、加工物を加工物の中心軸まわりに旋回させる旋回駆動部と、旋回駆動部を傾斜させる傾斜駆動部と、水平駆動部と旋回駆動部、傾斜駆動部を同期制御する駆動部とを備え、研磨ヘッドに対し、加工面を常に法線方向に向けることを特徴とする曲面研磨方法及び曲面研磨装置を提供するものである。
【０００６】
また、上記構成に加え、加工面の側面を旋回駆動部に平行に取り付けることを特徴とする曲面研磨方法および装置を提供するものである。
上記手段を備えることによって、回転対称軸を有さない非球面形状をした回転多面体を単位除去形状を一定に保つことができ、形状精度良く研磨加工することができる。また、安価な曲面研磨装置を提供することができる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の曲面研磨装置の全体構成を示す斜視図、図２は研磨ヘッドの構成を示す斜視図、図３は研磨工具の要部を示す断面図である。
全体を符号１で示す曲面研磨装置は、ベッド１０上に図示しないガイドに沿ってＸ軸に沿って案内される第１のテーブル２０を有し、テーブル２０は、サーボモータとボールネジを備えたＸ軸駆動装置２２により駆動制御される。
第１のテーブル２０上には、図示しないガイドに沿ってＸ軸に直交するＹ軸上を摺動する第２のテーブル３０が装備され、サーボモータとボールネジを備えたＹ軸駆動装置３２により駆動制御される。
第２のテーブル３０に垂直なＺ軸上には研磨ヘッド４０が配設される。
【０００８】
研磨ヘッド４０は、特開平８−１９２３４８号公報に開示されたものと同様の構成を有する。図２に示したように、研磨ヘッド４０は、垂直方向に揺動自在なエアースライド４１と、エアースライド４１に固定されたスピンドル４２と、スピンドル４２の回転軸４３の先端に取り付けた研磨工具４４から構成される。
エアースライド４１は、滑車４５ａ，４５ｂとワイヤ４６を介してウエイト４７と接続されている。ウエイト４７の重量は、エアースライド４１とスピンドル４２と研磨工具４４の合計重量との差分が、所定の加圧力になるように設定される。研磨工具４４はこの加圧力で加工物の加工面に押し付けられる。
【０００９】
図３は、研磨工具４４とそのスピンドルの詳細を示す。
スピンドル４２の回転軸４３は、ハウジング４８ａ，４８ｂによって固定されたベアリング４９ａ，４９ｂによって回転自在に保持されている。回転軸４３の片端は、カップリング５０を介してサーボモータ５１に接続され、また回転軸４３の反対端は研磨工具４４が取り付けられる。サーボモータ５１は図示しないドライバによって回転速度を制御されている。研磨工具４４の取付部は、回転軸４３と回転中心を同一にし、かつ固定ピン５２によって回転軸４３と供回りするようにされた工具軸心５３が脱着可能に取り付けられている。これにより加工物の材質やサイズにあわせて研磨工具を交換することができる。工具軸心５３の先端部５３ａは球形状をしており、その先端部５３ａの周囲は硬さが４０°以下のシリコーンゴムなどの柔らかい弾性体５４によって球形状に覆うように成形されており、さらに弾性体５４の表面には研磨剤を保持して研磨加工を行うポリッシャーが形成されている。
【００１０】
Ｙ軸テーブルである第２のテーブル３０上には、傾斜テーブルの駆動装置６０が装備される。
傾斜テーブルの駆動装置６０により支持される第３のテーブル７０は、Ｘ軸と平行なａ軸回りに傾斜駆動される。傾斜角度は駆動装置６０により制御される。
この傾斜テーブルである第３のテーブル７０上には、回転テーブルである第４のテーブル８０が装備される。回転テーブル８０は、傾斜テーブル７０内に装備される駆動装置によって、ｂ軸まわりに旋回駆動され、旋回角度が制御される。
【００１１】
加工物である非軸非球面を有する回転多面体１００は、その回転中心Ｃ₁を回転テーブル８０の回転軸ｂに合致させて回転テーブル８０上に取り付けられる。
この状態で研磨ヘッド４０の研磨工具であるポリッシャー５５を加工物１００の加工面１１０に当接し、研磨布と研磨剤を利用して加工面１１０に対して研磨加工を施す。
研磨ヘッド４０は、Ｚ軸方向に自由に移動する。すなわち、ポリッシャー５５は加工面１１０のプロファイルを変えることなく、加工面の面粗度を向上する研磨加工を施す。
【００１２】
また、加工面が研磨ヘッドに対し、常に法線方向を向くように、Ｘ座標、Ｙ座標、傾斜角度と縦旋回角度が計算できる制御ソフトから転送されるＮＣデータにより、図１の研磨装置１は動作する。
これにより、良い形状精度、また表面粗さで効率よく研磨加工することができる。また、回転対称軸を有さない非球面形状（非軸対称非球面形状）をした回転多面体を形状精度よく研磨加工することができる。
【００１３】
【発明の効果】
本発明により、回転対称軸を有さない非球面形状（非軸対称非球面形状）をした１つの面を加工した場合、前加工で形状精度０．８μｍ、表面粗さ０．１μｍｐｖに作り込まれた形状を崩さず（形状精度０．８μｍを維持）に、表面粗さ０．０２μｍＰＶに向上させることができる。
また構造が簡単で、安価な曲面研磨装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の曲面研磨装置の全体構成を示す斜視図。
【図２】本発明の曲面研磨装置の研磨ヘッドの構成を示す斜視図。
【図３】研磨工具と駆動スピンドルの構成を示す断面図。
【符号の説明】
１曲面研磨装置、１０ヘッド、２０Ｘ軸テーブル、３０Ｙ軸テーブル、４０研磨ヘッド、６０傾斜駆動装置、７０傾斜テーブル、８０回転テーブル、１００加工物。

Claims

回転多面体を研磨する曲面研磨方法であって、
略球形状でありかつ弾性材料からなる研磨工具を有する研磨ヘッドと回転多面体の水平方向位置を移動させる水平駆動部と、前記回転多面体を該回転多面体の回転軸まわりに旋回させる旋回駆動部と、旋回駆動部を傾斜させる傾斜駆動部とをすべて同期制御することにより、研磨ヘッドに対し、前記回転多面体の加工面を常に法線方向に向けることを特徴とする曲面研磨方法。
回転多面体を研磨する曲面研磨装置であって、
ベッドと、ベッド上に水平方向の直交する２軸に沿って駆動制御される水平移動テーブルと、水平移動テーブルに垂直な軸に沿って摺動自在に配設される研磨ヘッドと、研磨ヘッドに取り付けられる略球形状でありかつ弾性材料からなる回転研磨工具と、水平移動テーブル上に装備されて水平移動の一方の軸に平行な軸のまわりに移動する傾斜テーブルと、傾斜テーブル上に装備されて前記回転多面体を支持すると共に前記回転多面体の回転軸まわりに旋回する回転テーブルと、各テーブルを同期制御する制御部を備え、研磨ヘッドに対して前記回転多面体の加工面が常に法線方向に向くように制御することを特徴とする曲面研磨装置。