JP3875242B2 - ハロリン酸塩蛍光体、発光素子 - Google Patents

ハロリン酸塩蛍光体、発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、ハロリン酸塩蛍光体およびこれを用いた発光素子に係り、特に、可視光波長領域の発光効率向上に適するハロリン酸塩蛍光体およびこれを用いた発光素子に関する。
白色発光ダイオードのような白色発光用途では特に明るさが求められる場合が多い。白色発光ダイオードのひとつの構成例として、近紫外ないし青紫色の発光ダイオードの発光を励起光に用い、これにより励起され発光する各色の蛍光体と前記発光ダイオードとを組み合わせるものがある。蛍光体としては、青色用として例えばEu(ユーロピウム)を賦活(付活)イオンとして含むハロリン酸塩、黄色用として例えばEuを賦活イオンとして含むケイ酸塩、赤色用として例えばEuおよびSm(サマリウム)を賦活イオンとして含むオキシ硫化物を用いることができる。
これに対し、ハロリン酸塩蛍光体を上記のような青色用としてだけではなく、賦活イオンをEuとMn(マンガン)の共賦活とすることで、Mnを由来とする発光により赤色用として用い得ることも知られている。このような蛍光体の一例として米国特許第6616862号明細書に記載されたものがある。同文献に記載の蛍光体は、その組成として金属原子とリン原子との比が、金属原子4.5ないし5.0に対しリン原子3の割合となっている。
米国特許第6616862号明細書
上記したオキシ硫化物の蛍光体の場合は、赤色としての発光スペクトラムが視感度の低い長波長域(700nm付近)にも存在し、その分、可視光波長領域の発光効率は悪い。また、励起光である近紫外ないし青紫色の波長による発光強度依存性が高く、安定強度の発光が困難、したがって白色発光ダイオードに使用すると色ばらつきが発生するという不利な点もある。
EuとMnとを賦活イオンとして含む赤色用のハロリン酸塩蛍光体の場合は、上記文献に示される組成では発光強度の点で改善の余地があることが発明者らの検討により明らかとなった。さらに、発明者らによると、組成式が(Ca −u−vEuMn)・mCl・(POと特定されたハロリン酸塩蛍光体では、Mnを由来とする赤色発光が効果的になされないことがわかっている。
本発明は、上記した事情を考慮してなされたもので、ハロリン酸塩蛍光体およびこれを用いた発光素子において、可視光波長領域の発光効率向上が可能なハロリン酸塩蛍光体およびこれを用いた発光素子を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様に係るハロリン酸塩蛍光体は、組成式が(M −u−vEuMn)・mX・n(POで表され(ただし、0<u/v<100、>u+v、0<m<10、0<n<10、>10n)、金属元素Mとしての、Ca(カルシウム)、またはCaとMg(マグネシウム)と、ハロゲン元素Xとしての、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、およびI(ヨウ素)からなる群より選択される少なくともFを含む1種以上の元素とを有することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る発光素子は、近紫外ないし青紫色の光を発光する発光ダイオードと、前記発光された光が入射される蛍光体領域であって、組成式が(M −u−vEuMn)・mX・n(POで表され(ただし、0<u/v<100、>u+v、0<m<10、0<n<10、>10n)、金属元素Mとしての、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、およびBa(バリウム)からなる群より選択される1種以上のアルカリ土類金属元素と、ハロゲン元素Xとしての、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、およびI(ヨウ素)からなる群より選択される少なくともFを含む1種以上の元素とを含有するハロリン酸塩蛍光体を有する蛍光体領域とを具備することを特徴とする
また、本発明の別の態様に係る発光素子は、近紫外ないし青紫色の光を発光する発光ダイオードと、前記発光された光が入射される蛍光体領域であって、組成式が(M k−u−v Eu Mn )・mX ・n(PO で表され(ただし、0<u/v<100、k>u+v、0<m<10、0<n<10、k>10n)、金属元素Mとしての、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、およびBa(バリウム)からなる群より選択される少なくともCaとMgとを含む2種以上のアルカリ土類金属元素と、ハロゲン元素Xとしての、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、およびI(ヨウ素)からなる群より選択される1種以上の元素とを含有するハロリン酸塩蛍光体を有する蛍光体領域とを具備することを特徴とする。
本発明に係るハロリン酸塩蛍光体および発光素子によれば、EuとMnの共賦活によってMnを由来とする赤色発光が効率的になされ、可視光波長領域の発光効率向上が達成される。
本発明の一態様に係るハロリン酸塩蛍光体によれば、ハロゲン元素として少なくともFを有する。また、金属原子の割合とリン原子の割合6nとの比が、>10nの大小関係を有している(すなわち、金属原子はリン原子の10/6倍超存在する。)。このような組成を持つことにより、Euの励起に伴うMnの励起が結果として活発になり、Mnを由来とする波長600nm近辺の赤色光が効率よく出力される。波長600nm近辺は視感度特性もよく、したがって、可視光波長領域の発光効率向上が達成される。ハロゲン元素としてFを有し、さらに金属原子がリン原子の10/6倍超存在することによってMnの励起が活発になる詳細なしくみは未だ明らかでないが、Mnイオンに対するエネルギの伝達が円滑になっていることは確かである。
ここで、実施態様として、前記アルカリ土類金属元素は、少なくともCaを含みかつ少なくともMgを含まず、かつ、ハロゲン元素Xの比率mが0.5<m<2.5であり、リン酸基(POの比率nがn=1であり、アルカリ土類金属元素の比率(−u−v)が(−u−v)>(10−u−v)である、とすることができる。蛍光体の組成として現実的かつ実用的な比率を規定するものである。
また、さらに限定して、前記アルカリ土類金属がCaのみであり、かつ、このCaの比率(−u−v)がほぼ(10.4−u−v)であり、ハロゲン元素Xの比率mが0.5<m<2.0である、とすることができる。蛍光体の組成としてさらに現実的かつ実用的な比率を規定するものである。
また、本発明の別の態様に係るハロリン酸塩蛍光体によれば、アルカリ土類金属元素として少なくともCaとMgを有する。また、金属原子の割合とリン原子の割合6nとの比が、>10nの大小関係を有している(すなわち、金属原子はリン原子の10/6倍超存在する。)。このような組成を持つことにより、Euの励起に伴うMnの励起が結果として活発になり、Mnを由来とする波長600nm近辺の赤色光が効率よく出力される。波長600nm近辺は視感度特性もよく、したがって、可視光波長領域の発光効率向上が達成される。アルカリ土類金属元素として少なくともCaとMgを有し、さらに金属原子がリン原子の10/6倍超存在することによってMnの励起が活発になる詳細なしくみは未だ明らかでないが、Mnイオンに対するエネルギの伝達が円滑になっていることは確
かである。なお、このようなアルカリ土類金属としての条件と上記態様のハロゲン元素としての条件とを両方備えれば、さらに高効率な可視光波長領域の発光が達成される。
ここで、実施態様として、ハロゲン元素Xの比率mが0.5<m<2.5であり、リン酸基(POの比率nがn=1であり、アルカリ土類金属元素の比率(−u−v)が(−u−v)>(10−u−v)である、とすることができる。蛍光体の組成として現実的かつ実用的な比率を規定するものである。
また、さらに限定して、前記アルカリ土類金属がCaとMgのみであり、かつ、このCaとMgとを合わせた比率(−u−v)がほぼ(10.4−u−v)であり、ハロゲン元素Xの比率mが0.5<m<2.0である、とすることができる。蛍光体の組成としてさらに現実的かつ実用的な比率を規定するものである。
また、本発明の一態様に係る発光素子では、近紫外ないし青紫色の光を発光する発光ダイオードを具備し、この発光ダイオードの発光を上記のような各蛍光体を有する蛍光体領域に入射する。これにより、EuとMnの共賦活によってMnを由来とする赤色発光が効率的になされるので、可視光波長領域の発光効率向上が達成される。
ここで実施態様として、前記蛍光体領域は、青色蛍光体と、緑ないし黄色を発光する蛍光体とをさらに有するようにしてもよい。これにより白色の発光素子が容易に得られる。なお、ここで白色とは、例えばCIE(国際照明委員会)表色系における色度点座標(Cx,Cy)が、0.12≦Cx≦0.48、0.19≦Cy≦0.45の範囲であるとすることができる。
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。まず、比較参照例の赤色蛍光体として、オキシ硫化物の(LaS:Eu,Sm)を例に挙げて説明する。この蛍光体は、LaS中に賦活イオンとしてEuとSmとが少量加えられた組成を有するものである。励起光として中心波長395nmの発光ダイオードの出力光を用い蛍光出力の可視光域のスペクトラムを測定した一例を図6に示す。
図6に示すように、この蛍光出力は波長620nm付近の発光とともに波長700nm付近にも発光がある。可視光域では、よく知られているように、ほぼ波長650nm以上で視感度が大幅に低下する。よって、この帯域の出力光は、明るさとしての発光出力にはほとんど寄与せず、ほぼ波長620nm付近の発光が光度を規定していることになる。したがって、発光効率がよいとは言えない。なお、波長395nm付近の出力は、励起光が蛍光体に吸収されずに反射して観測されたものである。
また、別の比較参照例の蛍光体として、ハロリン酸塩蛍光体の(Ca −u−vEuMn)・mCl・(POについて説明する。この蛍光体は、Ca −u−v・mCl・(PO中に賦活イオンとしてEuとMnとが少量(それぞれu、v)加えられた組成を有するものである。上記と同様に励起光として中心波長395nmの発光ダイオードの出力光を用い蛍光出力の可視光域のスペクトラムを測定した一例を図7に示す。
この蛍光体は、Euに加えてMnをも賦活イオンとして有することによって、一応、Mnを由来とする発光を意図するものである。Mnを由来とする発光は、その電子が励起状態から基底状態へ戻るエネルギ遷移量から考えて赤色帯域の発光になる。しかしながら、図7に示すように、Euを由来とする発光が波長460nm付近(青色)に認められるのに比較してMnを由来とする発光は、波長560nm付近にごくわずか認められるのみでほとんど発光しているとは言えない。この蛍光体は、よって、赤色蛍光体として使用することは困難である。
蛍光体を利用した白色発光ダイオードは、したがって、効率上の問題があるものの上記のオキシ硫化物を赤色蛍光体が多く利用されてきた。例えば、波長395nmの発光ダイオードと、青色蛍光体と、緑色蛍光体と、オキシ硫化物の赤色蛍光体との組み合わせである。ここで、青色蛍光体に、((Sr,Ca)(POCl:Eu)の組成のハロリン酸塩蛍光体を、緑色蛍光体に、(BaMgAl1627:Eu,Mn)の組成のアルミニウム酸塩蛍光体を、それぞれ用いた場合の白色発光のスペクトラムは、混色後の全体として例えば図8に示すようになる。(なお、組成式中で「,」で区切った各元素はすべて含まれていることを示す。)
図8に示す白色発光では、励起光の中心波長395nmの変化に対して、青色、緑色の出力強度の安定性は比較的よいものの、オキシ硫化物の赤色出力の強度変化が比較的大きいことがわかっている。すなわち、励起光を発する近紫外ないし青紫色の発光ダイオードの発光波長変化に対して赤色の強度が大きく変わるため、白色発光としての色変化が発生し易い。白色発光素子としては短所になる。
次に、本発明の一実施形態に係る赤色蛍光体について説明する。この赤色蛍光体は、上記比較参照例で説明したハロリン酸塩蛍光体の組成を変えたものである。具体的には、組成式が、(Ca −u−vEuMn)・mCl・(POのClの一部をFに置き換えた組成の(Ca −u−vEuMn)・m(Cl,F)・(POになっている。
このようなハロリン酸塩蛍光体を製造プロセスから説明すると、まず、CaHPO(リン酸水素カルシウム)、CaCO(炭酸カルシウム)、NHCl(塩化アンモニウム)、MnF(フッ化マンガン)、Eu(酸化ユーロピウム)をそれぞれ所定量用意する。所定量は分子比で例えば、CaHPO:CaCO:NHCl:MnF:Eu=6.00:3.65:2.40:0.50:0.125の割合である。ここでMnFの代わりにMnCO(炭酸マンガン)を使用してもよく、Euの代わりに2EuF(フッ化ユーロピウム)を用いてもよい。
秤量後、上記原料をボールミルで十分に混合し、アルミナるつぼに詰めて大気中で例えば900℃、3時間の焼成を行う。次に、冷却後に得られた焼成物を粉砕し、ボールミル後、アルミナるつぼに詰めて今度はH/Nのフォーミングガス雰囲気中で例えば900℃、2時間の焼成を行う。さらに、冷却後の得られた焼成物を粉砕してふるい分けする。これにより、(Ca −u−vEuMn)・m(Cl,F)・(POの組成のハロリン酸塩蛍光体を得ることができる。より具体的に:mは、ここでは10.4:1.7程度である。また、:u:v=10.40:0.25:0.50程度である。
この得られたハロリン酸塩蛍光体を皿詰め後、中心波長395nmの発光ダイオードの出力光で励起し、蛍光出力を得た結果を図1に示す。図1は、本発明の一実施形態に係るハロリン酸塩蛍光体を中心波長395nmの発光ダイオードの出力光で励起し、得た蛍光のスペクトラムを示すスペクトラム図である。図1において、比較のため、図7に示した比較参照例が破線で示されている。
図1に示すように、この実施形態のハロリン酸塩蛍光体は、Mnを由来とする発光が波長590nm付近を中心に顕著に認められる。比較参照例(図7)に比較してそのピークの高さは約9から10倍程度にはなっている。したがって、赤色(ないし橙色)の蛍光体として使用することができる。また、この赤色発光は、励起光の波長変化からの強度依存性が小さく、白色発光素子の赤色蛍光体として利用して色変動の小さい素子を得ることができる。
なお、ハロリン酸塩蛍光体の組成としてClの一部をFに置き換えたものが、どのようなしくみで赤色蛍光の増加をもたらしたかは明確にはわかっていない。少なくとも、Euの励起に伴ってMnイオンに対するエネルギの伝達が円滑になりMnの励起が結果として活発になっていることは明らかである。
この実施形態の効果は、ハロリン酸塩蛍光体の組成としてClの一部をFに置き換えた組成とすることにより得られている。実用的には、共賦活イオンEuとMnとの比u/vを0<u/v<100とし、また、(Cl,F):(POの割合は、0超10未満:0超10未満の範囲で考えることができる。より実用的には、(Ca,Eu,Mn):(Cl,F):(POの割合は、10超:0.5超2.5未満:1、とすることができる。さらに実用的には、(Ca,Eu,Mn):(Cl,F):(POの割合は、10.4:0.5超2未満:1、とすることができる。
また、さらに一般的な組成式として考えると、(M −u−vEuMn)・mX・n(POで金属元素Mは、Mg、Ca、Sr、Baの中から1種以上を選択してハロリン酸塩蛍光体としての組成の一部とすることができる。ハロゲン元素Xは少なくともFを含むようにF、Cl、Br、Iの中から1種以上を選択してハロリン酸塩蛍光体としての組成の一部とすることができる。
次に、本発明の別の実施形態に係る赤色蛍光体について説明する。この赤色蛍光体は、上記実施形態における赤色蛍光体について、特に、金属元素Mを、CaとMgとからなる組成として特定するものである。具体的には、組成式が((Ca,Mg) −u−vEuMn)・m(Cl,F)・(POとなる。
このようなハロリン酸塩蛍光体の製造プロセスを説明するに、上記の実施形態で説明したのと同様な原料に加えてMgCO(炭酸マグネシウム)を各所定量用意する。所定量は分子比で例えば、CaHPO:CaCO:MgCO:NHCl:MnF:Eu=6.00:2.45:1.20:2.40:0.50:0.125の割合である。そして、上記実施形態と同様な2回の焼成を行う。さらに、冷却後の得られた焼成物を粉砕してふるい分けする。これにより、((Ca,Mg) −u−vEuMn)・m(Cl,F)・(POの組成のハロリン酸塩蛍光体を得ることができる。より具体的に:mは、10.4:1.7程度である。また、:u:v=10.40:0.25:0.50程度である。これは上記実施形態と同じである。
この得られたハロリン酸塩蛍光体を皿詰め後、中心波長395nmの発光ダイオードの出力光で励起し、蛍光出力を得た結果を図2に示す。図2は、本発明の別の実施形態に係るハロリン酸塩蛍光体を中心波長395nmの発光ダイオードの出力光で励起し、得た蛍光のスペクトラムを示すスペクトラム図である。図2において、比較のため、図7に示した比較参照例が破線で示されている。
図2に示すように、この実施形態のハロリン酸塩蛍光体は、Mnを由来とする発光が波長600nm付近を中心にさらに顕著に認めれられる。比較参照例(図7)に比較してそのピークの高さは約27ないし30倍程度(9から10倍のさらに3倍)にはなっている。したがって、赤色(ないし橙色)の蛍光体としてさらに好ましい発光である。また、この赤色発光は、励起光の波長変化からの強度依存性が小さく、白色発光素子の赤色蛍光体として利用して色変動の小さい素子を得ることができる。この点は上記の実施形態と同様である。
なお、この実施形態でも、ハロリン酸塩蛍光体の組成としてアルカリ土類金属Mの一部にMgを有することによって、どのようなしくみで赤色蛍光の増加をもたらしたかは明確にはわかっていない。少なくとも、Euの励起に伴ってMnイオンに対するエネルギの伝達が円滑になりMnの励起が結果として活発になっていることは明らかである。
この実施形態の効果は、ハロリン酸塩蛍光体の組成としてアルカリ土類金属MにCaとMgとを有することにより得られている。実用的には、共賦活イオンEuとMnとの比u/vを0<u/v<100とし、また、(Cl,F):(POの割合は、0超10未満:0超10未満の範囲で考えることができる。より実用的には、(Ca,Mg,Eu,Mn):(Cl,F):(POの割合は、10超:0.5超2.5未満:1、とすることができる。さらに実用的には、(Ca,Mg,Eu,Mn):(Cl,F):(POの割合は、10.4:0.5超2未満:1、とすることができる。Mgが加わっていることを除いて上記の実施形態と同様である。
また、さらに一般的な組成式として考えると、(M −u−vEuMn)・mX・n(POで金属元素Mは、Mg、Ca、Sr、Baの中から少なくともCa、Mgを含む2種以上を選択してハロリン酸塩蛍光体としての組成の一部とすることができる。ハロゲン元素Xは少なくともFを含むようにF、Cl、Br、Iの中から1種以上を選択してハロリン酸塩蛍光体としての組成の一部とすることができる。なお、この実施形態は、ハロゲン元素Xが少なくともFを含むことを条件としているが、特にこのような条件を課さなくても少なくとも図7に示した比較参照例の場合よりMnを由来とする発光は活発になると思われる。Euの励起に伴ってMnイオンに対するエネルギの伝達が円滑になる効果は、アルカリ土類金属MにCaとMgとが用いられることとハロゲン元素Xが少なくともFを含むことの相乗効果であると考えられるからである。
図3は、図2を用いて説明した実施形態の組成において金属元素の比率を変えた蛍光体サンプルで発光強度がどのように変化するかを調べた測定データである。金属元素としてCaのみ可変し、残りのMg、Eu、Mnはそれぞれ1.2、0.25、0.50の比率で不変としたサンプルを用いた。
図3に示すように、金属元素Mの比率が10(すなわちリン元素Pの5/3倍)付近では発光強度が遷移する範囲にあり、が10.1程度以上で飽和する特性であることがわかった。したがって、金属元素Mの比率は少なくともリン元素Pの5/3倍を超えるように設定のが好ましい。これは、より一般的な組成式(M −u−vEuMn)・mX・n(POにおいて、>10nということになる。n=1でかつ金属元素Mの比率を10.4とした上記実施形態はこの意味で余裕を持った設定になっている。
次に、本発明の一実施形態に係る発光素子について図4、図5を参照して説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る発光素子(より具体的には白色発光素子)の構造を示す断面図、図5は、その発光スペクトラムを示す図である。
図4に示すように、この発光素子は、樹脂ステム6に凹部2を設け、その底面に発光ダイオードチップ1が固定されている。発光ダイオードチップ1は、近紫外ないし青紫色の範囲(例えば波長350nmから430nm)に発光スペクトラムの中心がある。発光ダイオードチップ1は樹脂ステム6を貫通する2本のリード5とボンディングワイヤ4を介して電気的に接続されている。また、樹脂ステム6の凹部2内は発光ダイオードチップ1を覆うように蛍光体を含む蛍光体領域3が形成されている。
蛍光体領域3は、蛍光体として、上記の「別の実施形態」で説明の赤色蛍光体((Ca,Mg) −u−vEuMn)・m(Cl,F)・(POのほかに、青色蛍光体((Sr,Ca)(POCl:Eu)と緑色蛍光体(BaMgAl1627:Eu,Mn)とを含み、さらにバインダとして可視光域で透明な樹脂を含む。
2本のリード5間に電流を流すことにより発光ダイオードチップ1は近紫外ないし青紫色の発光を行う。この発光を上記3つの蛍光体がそれぞれ吸収し、それぞれ赤色、青色、緑色の蛍光を発する。これらの混色による発光スペクトラムの例が図5である。図5に示すように、このようなスペクトラムの白色発光は、視感度が大きい波長域での発光が主であり発光効率がよい。図8に示した比較参照例の場合と比較して、10%から15%の発光効率の向上が達成される。また、発光ダイオードチップ1の発光波長の変化に対する各色の発光強度が安定しており、図8に示した比較参照例の場合に比べ白色としての色ばらつきも小さい。
なお、この実施形態で、蛍光体領域3として、各蛍光体をそれぞれ焼結して成形し固めたものを利用してもよい。また、蛍光体領域3の光の出射側表面に細かな凹凸を設けて、光の取り出し効率を向上することも有用である。また、発光ダイオードチップ1の樹脂ステム6への固定はフリップチップ接続を用いることもできる。この場合には、ボンディングワイヤ4を用いずに発光ダイオードチップ1とリード5とが電気的接続される。また、赤色蛍光体としては、「一実施形態」で説明のものを用いることもできる。
本発明の一実施形態に係るハロリン酸塩蛍光体を中心波長395nmの発光ダイオードの出力光で励起し、得た蛍光のスペクトラムを示すスペクトラム図。 本発明の別の実施形態に係るハロリン酸塩蛍光体を中心波長395nmの発光ダイオードの出力光で励起し、得た蛍光のスペクトラムを示すスペクトラム図。 図2を用いて説明した実施形態の組成において金属元素の比率を変えた蛍光体サンプルで発光強度がどのように変化するかを調べた測定データのグラフ。 本発明の一実施形態に係る発光素子の構造を示す断面図。 本発明の一実施形態に係る発光素子の発光スペクトラムを示す図。 比較参照例としての赤色蛍光体(オキシ硫化物の(LaS:Eu,Sm))を中心波長395nmの発光ダイオードの出力光で励起し、得た蛍光のスペクトラムを示すスペクトラム図。 別の比較参照例としての赤色蛍光体(ハロリン酸塩蛍光体の(Ca −u−vEuMn)・mCl・(PO)を中心波長395nmの発光ダイオードの出力光で励起し、得た蛍光のスペクトラムを示すスペクトラム図。 比較参照例としての発光素子の発光スペクトラムを示す図。
符号の説明
1…発光ダイオードチップ、2…凹部、3…蛍光体領域、4…ボンディングワイヤ、5…リード、6…樹脂ステム。

Claims (12)

  1. 組成式が(M −u−vEuMn)・mX・n(POで表され(ただし、0<u/v<100、>u+v、0<m<10、0<n<10、>10n)、金属元素Mとしての、Ca(カルシウム)、またはCaとMg(マグネシウム)と、ハロゲン元素Xとしての、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、およびI(ヨウ素)からなる群より選択される少なくともFを含む1種以上の元素と
    を有することを特徴とするハロリン酸塩蛍光体。
  2. 0.5<m<2.5、n=1、>10であることを特徴とする請求項記載
    のハロリン酸塩蛍光体。
  3. 前記金属元素MがCaのみであり、
    かつ、がほぼ10.4であり、
    かつ、0.5<m<2.0であること
    を特徴とする請求項記載のハロリン酸塩蛍光体。
  4. 近紫外ないし青紫色の光を発光する発光ダイオードと、
    前記発光された光が入射される蛍光体領域であって、請求項1ないし3のいずれか1項記載のハロリン酸塩蛍光体を有する蛍光体領域と
    を具備することを特徴とする発光素子。
  5. 近紫外ないし青紫色の光を発光する発光ダイオードと、
    前記発光された光が入射される蛍光体領域であって、
    組成式が(M −u−vEuMn)・mX・n(POで表され(ただし、
    0<u/v<100、>u+v、0<m<10、0<n<10、>10n)、
    金属元素Mとしての、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、およびBa(バリウム)からなる群より選択される1種以上のアルカリ土類金属元素と、ハロゲン元素Xとしての、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、およびI(ヨウ素)からなる群より選択される少なくともFを含む1種以上の元素とを含有するハロリン酸塩蛍光体を有する蛍光体領域と
    を具備することを特徴とする発光素子
  6. 前記アルカリ土類金属元素が、少なくともCaとMgとを含むことを特徴とする請求項5記載の発光素子
  7. 近紫外ないし青紫色の光を発光する発光ダイオードと、
    前記発光された光が入射される蛍光体領域であって、
    組成式が(M −u−vEuMn)・mX・n(POで表され(ただし、0<u/v<100、>u+v、0<m<10、0<n<10、>10n)、金属元素Mとしての、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、およびBa(バリウム)からなる群より選択される少なくともCaとMgとを含む2種以上のアルカリ土類金属元素と、ハロゲン元素Xとしての、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、およびI(ヨウ素)からなる群より選択される1種以上の元素とを含有するハロリン酸塩蛍光体を有する蛍光体領域と
    を具備することを特徴とする発光素子
  8. 前記アルカリ土類金属元素が、少なくともCaを含みかつ少なくともMgを含まず、かつ、0.5<m<2.5、n=1、>10であることを特徴とする請求項5記載の発光素子
  9. 0.5<m<2.5、n=1、>10であることを特徴とする請求項6または7記載の発光素子
  10. 前記アルカリ土類金属がCaのみであり、かつ、がほぼ10.4であり、かつ、0.5<m<2.0であることを特徴とする請求項8記載の発光素子
  11. 前記アルカリ土類金属がCaとMgのみであり、かつ、がほぼ10.4であり、かつ、0.5<m<2.0であることを特徴とする請求項9記載の発光素子
  12. 前記蛍光体領域が、青色蛍光体と、緑ないし黄色を発光する蛍光体とをさらに有することを特徴とする請求項4ないし11のいずれか1項記載の発光素子。
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