JP3874492B2 - パネル面外方向調整用押出金物、パネルの取付構造およびパネルの取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はALCパネル、PC版等の外装パネルを建築物の構造躯体に取り付けるためのパネル下部の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の取付構造としては、例えば特開平8−284307号公報には第7図〜第9図に示す如き技術等が開示されている。この公知技術について説明する。図7は建築物の構造躯体に取付られるパネルであり、このパネル31には、四隅にパネル取付用のナット(図示せず)が埋設されており、パネル上部の室内側の面にはこのナットに連通する穴31aが、パネル下部の室内側の面にはこのナットに連通する穴31bが形成されている。
【0003】
図9に示すように、パネル上部の取付には、下向き定規アングル41が使用され、この取付金物41の垂直フランジ部にはパネル31の31a部に螺着するための縦長の透孔45が形成されている。パネル上部は、上部両端部に開口する穴31a部に埋設されたナット部に、この定規アングル41の縦長の透孔45部を滑り材42,座金43を介してボルト44で螺着固定した後、同定規アングル41の水平フランジ部を躯体梁30上に固着された金物35に固着することにより躯体梁30側に取付固定される。
【0004】
図8や図9に示すように、パネル下部の取付には、水平部と該水平部の両端から逆方向に延びる2つの垂直部を有した下部取付金物33が使用され、この取付金物33の上部の垂直部にはパネル31に螺着するための2個の透孔33cが形成されている。この部分をボルト32を介してパネル内に埋設された埋込ナット(図示せず)に螺合して、パネル下部の両端部二箇所でパネルに取付固定されている。この下部取付金物33の水平部には長い高さ調整ボルト34が垂直方向に貫通して螺合し、先端部は上向き定規アングル35の上方に達している。そして、このボルト34を正逆回転することによって下部取付金物33の上下方向の位置調整が可能になっており、水平面の下方にある止めナット33aで固定するようになっている。
【0005】
一方、この下部取付金物33の下部垂直面には二つの穴が設けられ、更に躯体梁30上に固着されたスペーサー金物40上に載置固定された上向き定規アングル35には下部取付金物33を螺着するナット35aが固着している。そして、下部取付金物33の下部垂直面には定規アングル35に固着したナット35aに相対する位置に上下方向の長孔33bが形成されている。そしてパネルを面外方向へ押出す役割をする押しボルト36が座金38とテフロンシート39を介して長孔33bを貫通し、ナット35aに螺着されている。
また、この下部垂直面の長孔33bと並列する位置に設けられたもう一方の穴の位置にはナット33cが固着してあり、パネルを室内方向へ引き戻す役目を果たす引きボルト37が貫通して螺合され、その引きボルト37の先端部は上向き定規アングル35の垂直面に達している。
そして、押しボルト36と引きボルト37を同時に反対方向に回転させることにより、下部取付金物33を面外方向に前後させて位置調整することを可能とした下部取付金物、及びこの取付金物を使用した取付構造である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、前記公知技術に於いては、パネルを建築物の構造躯体に取付る際、パネルの幅に関係無くパネルの四隅の四箇所で取付する取付構造になっているが、パネル幅が狭くなってきた場合、パネル一枚の面積も小さくなってくるため四隅の四箇所で取付するのは不経済であるという問題があった。
また、パネル幅がさらに狭くなってきた場合、両端部の取付金物同士が当たってしまうため、極端に幅の狭いパネルは取付できないという大きな問題があった。
また、仮に幅狭パネルをパネル上下の幅方向(水平方向)の中央部付近の二箇所で、前記の取付構造で取付した場合、パネル幅方向(水平方向)の中央付近の二箇所のみでパネルを支持することになるため、不安定でありパネルの幅方向の両端部で面外方向に若干の位置のずれが生じ、パネルの外面が隣接パネル外面と合わないことがあるという問題があった。
【0007】
本発明は、前述の従来の問題点に鑑み開発された、パネル幅の狭い縦長のパネルをその上部と下部において、それぞれパネル幅方向(水平方向)の中央付近の二箇所で取付する際、パネルの位置ずれを容易に微調整することを可能にした全く新しいパネル面外方向調整用押出金物、及び押出金物を使用してパネルを取り付ける全く新しいパネルの取付構造、及び押出金物を使用する取付構造でパネルの位置ずれを微調整することによりパネルを取付する全く新しいパネルの取付方法に関するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第一の発明における押出金物は、梁に垂直に固定され、その非固定部に螺子穴を有する板状の部材と、該穴に螺合して貫通し得る螺子軸を有し、かつ該螺子を回転し得る頭部を有する部材と、パネル裏面に接する面を有し、かつ前記螺子軸を有する部材の先端部を挿入し得る凹部を有する部材とからなることを特徴とするパネル面外方向への調整用押出金物である。
【0009】
上記のように、この押出金物は、躯体梁側に垂直に固定される部材でその非固定部には螺子穴を有した板状の部材、該螺子穴部に螺着されるボルト等の前記記の部材、及びパネル裏面に接する面を有し、かつ前記のボルト等の部材の先端部を挿入し得る凹部を有する部材の3つから構成されている。
この螺子穴を有する板状部材の躯体梁への固定は、直接該部材を躯体梁に固定しても良いが、躯体梁側に固定される他の部材に固定してもかまわない。例えば、躯体梁上に固定される定規アングルの垂直フランジ部に固定すると固定し易いので好ましい。また、この螺子穴は、螺子切りされた穴ではなくても、該部材に単に穴を設けその部分にナット等が溶着されたものでもかまわない。
【0010】
次に、前記の螺子軸を有する部材であるが、これは例えばボルト、ネジ等のネジ軸を有するものであればよく、螺子軸をを中心として回転させるための頭部を有するものである。この頭部の構造は、例えば、螺子軸よりも径の大きな六角形のボルトのような構造のものでも、螺子軸と径が変わらず、先端部に六角形の窪みを有するネジ構造のものであっても良い。また該螺子軸を有するもう一方の端部に非螺子部を有するものであっても良い。
次に、パネルに接する部材に設けられた前記の凹部であるが、この凹部は前記螺子軸を有する部材の先端部を挿入し得るが貫通し得ない構造のものであり、該凹部に螺子軸を有する部材が挿入した状態でも、該螺子軸の回転が伝達されない非螺子結合構造となっている。この凹部は、パネル部材に接する部材自体に開けられた凹部であっても、パネルに接する部材面に例えばリング状や多角形状の突起が設けられ、該突起の中央が結果として凹部を構成するようにしたものでも良い。
【0011】
このように、パネルに接する部材に凹部を設けると押出金物の螺子軸が少しでもこの凹部に挿入されると、同部材は落下する恐れがなくなる。
次に、第2の発明のパネル下部の取付構造は、パネル幅の狭い縦長のパネルがその上部と下部において、それぞれパネル幅方向(水平方向)の中央付近の二箇所で、それぞれ取り付けられ、かつそのパネル下部が、ボルト等の固定具を介してパネルを取り付け固定するための透孔が穿設されたパネル室内面側に接することができる垂直な上部フランジ部と、該上部フランジ部と逆方向に延びパネルに接触しない垂直な下部フランジ部と、上記二つの垂直フランジ部間に連なる連結片部を有する稲妻金物を少なくとも有する取付金物を用いて取り付けられているパネル取付構造において、上記稲妻金物の位置よりもパネル幅方向端部寄りの一方側の位置に、この一方側のパネル端部を室外側に押出せる押出金物を有することを特徴とするパネル下部の取付構造である。
【0012】
次に、第3の発明の取付方法は稲妻金物を少なくとも有する取付金物を用いてパネル下部を取り付ける方法において、上記稲妻金物の位置よりもパネル幅方向端部寄りの一方側の位置に、押出金物を使用してパネル下部取付部の両側のどちらか一方を室外側に押し出すことによりパネルの幅方向の両端部の面外方向の位置のずれを微調整することによりパネルを取り付けする取付方法である。このように、上記稲妻金物の位置よりもパネル幅方向端部寄りの一方側の位置に、この一方側のパネル端部を室外側に押出せる押出金物を設けることにより、パネルの幅方向の両端部の面外方向の位置のずれを微調整することが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
【0014】
【実施例】
次に、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の取付金物を取り付けるための幅の狭い縦長のパネルの斜視図である。
図2は、本発明の取付金物を使用してパネルを外壁として建築物の躯体に取り付けた状態を示す斜視図であり、同図の右側の取付部はパネル下部の取り付けを示し、左側の取付部はパネル上部の取り付けが分かるよう上層パネルを省略すると共に梁の左側を途中から省略して描いたものである。
【0015】
図3は、本発明の押出金物部の縦断面部を説明するための図2の縦断面図的説明図であり、図を簡略化するためにパネル下部の埋込金物、取付金物等を省略して描いたものである。
図4は、本発明の取付部の縦断面部を説明するための図2の縦断面図的説明図であり、図を簡略化するために本発明の押出金物部を省略して描いたものである。
図5は、本発明の金物を使用してパネルを外壁として建築物の躯体に取り付けた状態を示す図2の横断面図的説明図である。
図6は、本発明の金物を使用してパネルを外壁として建築物の躯体に取り付けた状態を示すに当たって、隣接するパネルまで含めて描いた横断面図的説明図である。
【0016】
図1は、本発明の取付金物を取り付けるための比較的幅の狭い縦長のパネルの斜視図であり、比較的パネル幅の狭いパネル2の上部には、上部取付金物をボルトで螺合するための埋込ナットに通じるボルト穴21がパネル表面に開口している。また、パネル下部には、下部取付金物をボルトで螺合するための埋込ナット20bが切欠部19の表面に露出している。
【0017】
次に、第2の発明に係る押出金物を有することを特徴とするパネル下部の取付構造について、図2〜図5を参照して以下に説明する。1は躯体梁であって、この躯体梁1の上フランジ部には定規アングル3が溶接等によりあらかじめ取り付け固定されている。定規アングルは図示したようなアングル片でも長尺のものでもかまわない。パネル2(下層パネル2a)の上部にはナット20aが鉄筋マット(図示せず)に固定された形で埋め込まれており上部取付金物4がワッシャー5を介してボルト6で螺着されている。パネル2(下層パネル2a)の上部は、上部取付金物4の上部を定規アングル3の垂直フランジ部3aに当接させ、同当接部の垂直フランジ部3aにかぶせ金物7の切欠溝7a部を上からかぶせるかたちで狭持されている。定規アングル3とかぶせ金物7は接する部分の必要箇所を溶接することにより固着されている。上部取付金物4の上部の周囲は垂直フランジ部3a及びかぶせ金物7で四周を狭持されることにより、面外方向及び面内水平方向に対しては拘束されるが、面内垂直方向に対しては拘束されない。
【0018】
かぶせ金物7は、定規アングル3の垂直フランジ部3aに上方からかぶせられるよう、切欠溝7a部を対面するかたちで2箇所有している。また、同かぶせ金物7の室外側の垂直部分には、稲妻金物8が当たらないように稲妻金物8の幅以上の寸法の切欠部7bを有している。また、同かぶせ金物7は、切欠部7bを有した室外側の垂直部分と並行に対峙する垂直部分7cを室内側に有している。かぶせ金物7の室外側の垂直部分と室内側の垂直部分の間の幅は、室内側の垂直部分にボルト14の頭部が接するような幅とすると、上層パネル2bに取り付けられボルト14を付けられた稲妻金物8を上から、この定規アングル3にかぶせられたかぶせ金物7内に挿入することが困難になる。そこで、かぶせ金物7の室外側の垂直部分と室内側の垂直部分の間の幅を上記の場合よりも広めにとり、かぶせ金物7の室内側の垂直部分とボルト4の頭部との間にライナーを差込み、該ライナーを定規アングル3の垂直フランジ部と平行する垂直部とする。
【0019】
次に、パネル2(上層パネル2bを用いて説明する)の下部の取り付けについて説明する。
取付部の躯体梁1側には、かぶせ金物7がその切欠溝7aを利用して定規アングル3の垂直フランジ部3aに上方よりかぶせられ、定規アングル3及びかぶせ金物7があらかじめ溶接等により固着されている。かぶせ金物7は上記したような構造であるので、定規アングル3の垂直フランジ部3aから室内側の所望寸法の位置に定規アングルの垂直フランジ部3aと並行する垂直部7cを有している。
パネル2(上層パネル2bを用いて説明する)の下部には切欠部19に埋込ナット20bが露出している。この実施例では、稲妻金物8は水平部及び水平部の両側から上下に延びる垂直フランジ部から構成されており、上部の垂直フランジ内には露出した埋込ナット20bを狭持するための透孔8aが2つ穿設されている。
【0020】
また、下部の垂直フランジ内にはパネルの高さを調整するためのナット11、面外方向の位置を調整するための螺子穴13を有している。
パネル2(上層パネル2b)の下部の埋込ナット20b部には稲妻金物8がワッシャー9を介してボルト10で螺着されている。稲妻金物8の下部垂直フランジ部内の高さ調整用ナット11には高さ調整用ボルト12が螺着され、パネル2の上下方向の位置が調節できるようになっている。また、面外方向位置調整用の螺子穴13には面外方向位置調整用のボルト14が螺着されている。
【0021】
この高さ調整用ボルト12の先端部は定規アングル3の水平フランジ部上に載置されており、パネルの自重は本ボルト12を介して構造躯体に伝達されている。この高さ調整用ボルト12を正逆回転することによりパネルの上下方向の位置調整が可能となっている。
また、稲妻金物8の下部垂直フランジ部内にはパネルの面外方向の位置を調整するための螺子穴13を有しており、該面外方向位置調整用の螺子穴13に螺着されたボルト14の先端を定規アングル3の垂直フランジ部3aに当接させた状態で、同ボルト14の頭部と、かぶせ金物7の定規アングル3の垂直フランジ部3aから室内側の所望寸法の位置に並行した垂直部7cとの間に所望厚さのライナー金物15を挿入する。なお、ライナー金物15の厚さは、定規アングル3の垂直フランジ部3aとかぶせ金物7の室内側の垂直部7cとの間の寸法からボルト14の全長を引いた寸法、あるいは、同寸法よりわずかに小さい寸法になっている。この状態で、同ボルト14を締め込む(右に回す)とボルトの先端が定規アングルの垂直フランジ部3aに当接しているため同フランジ部の当接点が反力点となってパネル下部の該金物部8を室内側に引き込むことができる。
【0022】
また、同ボルト14を緩める(左に回す)とボルトの頭部が定規アングルの垂直フランジ部3aと室内側に並行する垂直部7cにライナー金物15を介して当接しているため、同室内側の垂直部7cが反力点となってパネル下部の稲妻金物8を室外側に押し出すことができる。このボルト14を利用して、パネル下部の取付部の面外方向の位置を調整する。この面外方向位置調整用のボルト14は、先端部が定規アングル3の垂直フランジ部3aに、頭部がライナー金物15を介して垂直部7cに当接しており、垂直フランジ部3aとかぶせ金物7の垂直部7cにライナー金物15を介して狭持されることにより面外方向を拘束固定されている。
次に、パネルの幅方向(水平方向)の両端部の面外方向の位置を確認して、位置が所定の位置からずれていて調整が必要な場合には、下部取付金物部の両側のうちパネルを押し出す必要のある側に押出金物を取り付ける。
【0023】
具体的に調整が必要な場合の例を図6で説明する。図6において、パネルの上下をパネル幅方向(水平方向)の中央付近の二箇所で建築物の構造躯体に取り付ける比較的パネル幅の狭い縦長のパネルが2である。このパネル2は、本来実線で示したパネル位置が正規の取付位置であるが、パネルの上下二箇所のみでパネルを支持しているため、不安定でありパネルの幅方向の両端部で面外方向に若干位置がずれて点線で示したようなパネル位置になり、隣接パネル2c、2dとパネルの外面が合わなくなっている。この場合、室内側から見てパネルの左側をこの押出金物を使用して室外側に押し出してやれば、隣接するパネルと外面を合わせてやることができる。
【0024】
このようにパネルの取り付けられ方の状態を見て、内側にずれている側に押出金物を使用すればよい。
次に、この発明のポイントである押出金物について説明する。この押出金物としては、例えば、第1の発明の押出金物があり、以下で詳しく説明する。
本発明に係る押出金物は、定規アングル3の垂直フランジ部3aに固定され、その非固定部に螺子穴22aを有する板状の部材22と、該穴22aに螺合して貫通し得る螺子軸を有し、かつ該螺子を回転し得る頭部を有する部材23と、パネル2(2b)裏面に接する面を有し、かつ前記螺子軸を有する部材23の先端部を挿入し得る凹部24aを有する部材24とで構成されている。
【0025】
本実施例においては、板状の部材22は直接躯体梁1にではなく、躯体梁1上に固着された定規アングル3の垂直フランジ部3aに固定されている。
また、板状の部材22の螺子穴22a部に螺着する部材23としては六角ボルトを使用し、パネル2(2b)裏面に接する部材24に設けられる凹部24aは、螺子軸を有する部材23の螺子軸の外径よりも大きな内径のリングを部材24の螺子軸を有する部材23と当接する所定の位置に溶着したものを使用している。また、本実施例ではパネル2(2b)と部材24との間にテフロン、ステンレス等の滑り材25を挿入したが、この滑り材25は必ずしも必要ではない。
【0026】
また、この押出金物は建築物の内装仕上げ等に影響を与えないように、床面17より下の位置に納まるようにした方が好ましい。
上記のように、稲妻金物の位置よりもパネル幅方向端部寄りの一方側の位置に、この一方側のパネル端部を室外側に押出せる押出金物を設けることにより、パネルの幅方向(水平方向)の両端部の面外方向の位置ずれを微調整することが可能な取付構造とすることができる。
【0027】
次に、引き続き上記の取付構造でパネルを取り付ける第3の発明に係るパネルの取付方法について説明する。前記のように定規アングル部に押出金物を設けた状態で、押出金物の面外方向調整用のボルト23を締め込み、パネルの幅方向(水平方向)の両端部の面外方向の位置ずれを微調整する。
以上のように、パネルの上下方向、あるいは面外方向の調整が終わり、最終的なパネル位置が決定した段階で、面外方向位置調整用のボルト14の頭部に、水平断面が溝型でリブ部の下部に縦長の溝を有した押さえ金物16の溝部18がボルトとかみ合うように上から挿入し、同ボルト14の頭部をかぶせ金物7の垂直部7cと同押さえ金物16でライナー金物15を介して狭持することにより、面内水平方向を拘束固定し、パネルは構造躯体側に取付固定される。
【0028】
なお、説明では、上下方向、面外方向のパネル位置も自由に調整できる取付金物を使用したが、必要がなければ、必ずしもこのような金物を使用しないで、躯体側に取り付けてもよい。
このように押出金物により、パネル2の幅方向(水平方向)の両端部の面外方向の位置ずれを微調整した後に、パネル2の下部に取り付けた稲妻金物の下部垂直フランジ部をかぶせ金物7や定規アングル3に溶接等で固定することにより、パネル2は躯体梁1に取り付けられる。
【0029】
【発明の効果】
パネルの上下をパネル幅方向(水平方向)の中央付近の二箇所で取付する比較的パネル幅の狭い縦長のパネルを建築物の構造躯体に取り付ける際、本発明の押出金物を利用してパネル下部取付部の両側のどちらか一方を、室外側に押し出すことにより、パネルの幅方向の両端部の面外方向の位置のずれを迅速、容易に微調整でき、パネルの外面を面精度良く取付することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の取付金物を取り付けるパネルの斜視図である。
【図2】本発明の取付金具を用いてパネルを外壁として建築物の構造躯体に取り付けた状態を示す斜視図である
【図3】本発明の押出金物部の縦断面部を説明するための図2の縦断面図的説明図であり、図を簡略化するためにパネル下部の埋込金物、取付金物等を省略して描いたものである。
【図4】本発明の取付部の縦断面部を説明するための図2の縦断面図的説明図であり、図を簡略化するために本発明の押出金物部を省略して描いたものである。
【図5】図2の横断面図的説明図である。
【図6】隣接するパネルまで含めて描いた横断面図的説明図である。
【図7】従来の技術例の取付金物を取り付けるパネルの斜視図である。
【図8】パネルを外壁として建築物の躯体に取り付けた状態を示す従来の技術例の斜視図である。
【図9】図8の縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 躯体梁
2 パネル
2a 下層パネル
2b 上層パネル
2c 隣接パネル
2d 隣接パネル
3 定規アングル
4 上部取付金物
5 ワッシャー
6 ボルト
7 かぶせ金物
8 稲妻金物
8a 透孔
8b 上部フランジ部
8c 連結片部
8d 下部フランジ部
9 ワッシャー
10 ボルト
11 高さ調整ナット
12 高さ調整ボルト
13 面外方向の位置調整用の螺子穴
14 面外方向の位置調整用ボルト
15 ライナー金物
16 押さえ金物
17 床面
18 溝部
19 切欠部
20 埋込ナット
20a パネル上部埋込ナット
20b パネル下部埋込ナット
21 ボルト穴
22 梁に垂直に固定され、その非固定部に螺子穴を有する板状の部材
23 螺子穴に螺合して貫通し得る螺子軸を有し、かつ該螺子を回転し得る頭部を有する部材
24 パネル裏面に接する面を有し、かつ前記螺子軸を有する部材の先端部を挿入し得る凹部を有する部材
25 滑り材
Claims (3)
- 躯体梁に垂直に固定され、その非固定部に螺子穴を有する板状の部材と、該穴に螺合して貫通し得る螺子軸を有し、かつ該螺子を回転し得る頭部を有する部材と、パネル裏面に接する面を有し、かつ前記螺子軸を有する部材の先端部を挿入し得る凹部を有する部材とからなることを特徴とするパネル面外方向への調整用押出金物。
- パネル幅の狭い縦長のパネルがその上部と下部において、それぞれパネル幅方向(水平方向)の中央付近の二箇所で、それぞれ取り付けられ、かつそのパネル下部が、ボルト等の固定具を介してパネルを取り付け固定するための透孔が穿設されたパネル室内面側に接することができる垂直な上部フランジ部と、該上部フランジ部と逆方向に延びパネルに接触しない垂直な下部フランジ部と、上記二つの垂直フランジ部間に連なる連結片部を有する稲妻金物を少なくとも有する取付金物を用いて取り付けられているパネル取付構造において、上記稲妻金物の位置よりもパネル幅方向端部寄りの一方側の位置に、この一方側のパネル端部を室外側に押出せる押出金物を有することを特徴とするパネル下部の取付構造。
- 稲妻金物を少なくとも有する取付金物を用いてパネル下部を取り付ける方法において、上記稲妻金物の位置よりもパネル幅方向端部寄りの一方側の位置に、押出金物を使用してパネル下部取付部の両側のどちらか一方を室外側に押し出すことによりパネルの幅方向の両端部の面外方向の位置のずれを微調整することを特徴とするパネルの取付方法。
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