JP3874332B2 - 電子写真用キャリア、その製造方法及びそのためのキャリア用コート材 - Google Patents

電子写真用キャリア、その製造方法及びそのためのキャリア用コート材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用キャリア、詳しくは乾式2成分現像剤キャリアおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法においては、感光体や静電記録体上に種々の手段を用いて静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーと呼ばれる検電性微粒子を付着させて、静電潜像を現像する方法が一般的に採用されている。この現像では、キャリアと呼ばれる担体粒子をトナー粒子と混合して、両者を相互に摩擦帯電させ、トナーに適当量の正または負の電荷を付与している。
【0003】
キャリアは、一般に芯物質表面に被覆層を有する被膜キャリアと、芯物質表面に被覆層を有しない非被膜キャリアとに大別されるが、現像剤寿命等を考慮した場合には、被膜キャリアの方が優れていることから、種々のタイプの被膜キャリアが開発され、かつ実用化されている。被膜キャリアに要求される特性は種々あるが、トナーに適切な帯電性(電荷量や電荷分布)を安定して付与することや、その適切且つ安定な帯電性を長期にわたって維持することが求められる。そのためには、キャリアが好適な電気的性質を有し、かつ湿度や温度等の環境変化に対する耐性、耐衝撃性、耐摩擦性が高く長期的に帯電性付与能等が変化しないことが重要であり、種々の被膜キャリアが提案されている。
【0004】
二成分現像剤を用いる磁気ブラシ法には、現像剤の帯電劣化による画像濃度の低下やムラ、著しい背景部汚れの発生、画像へのキャリア付着による画像の荒れの発生、キャリアの消費、及び画像濃度ムラの発生等の問題がある。現像剤の帯電劣化は、キャリア被覆層へのトナ−成分の固着、または被覆層のはがれ等により発生し易く、これらは、現像機内でキャリアとトナーが接触し、互いに擦れ合い、摩擦帯電し、搬送される際のストレスにより生じる。
【0005】
また被覆層が不均一になると、湿度、温度などの環境変動時、トナー追加時および高トナー濃度時に背景部汚れ等を発生する傾向がある。
特に、キャリア被覆層へのトナ−成分の固着は、トナーの摩擦帯電機能とあいまって、キャリア表面がトナーによって汚染(スペント)されてゆき、所望の帯電性が得られなくなる。そのため、現像剤の長寿命化のためには、スペントの完全な防止またはスペントの影響を受けないキャリア構造、並びに材料選定などが求められている。
【0006】
これらの帯電劣化を防止するため、被覆樹脂の硬度を上げて剥がれ難くしたり、被覆樹脂の表面エネルギーを下げることによりキャリア被覆層へのトナー成分の固着を防止したり、これらの方法を併用して帯電劣化を防止する努力がなされてきた。
【0007】
例えば、芯物質への接着性および被覆強度を高め、キャリアの流動性、耐湿性、トナーとの分離性を改善する目的で、未反応のヒドロキシル基を有する熱可塑性樹脂とアルコキシ化メラミン樹脂とを硬化させた樹脂成分で芯物質を被覆したキャリア(特開昭62−262057号公報参照)、耐久性、耐環境性を改善する目的でアクリル樹脂とメラミン樹脂を架橋した樹脂で芯物質を被覆したキャリア(特開平2−79862号公報参照)、耐久性、耐熱性および耐環境性を改善する目的でメラミンホルムアルデヒド樹脂組成物で架橋したアクリル樹脂で芯物質を被覆したキャリア(特開平5−216281号公報参照)などが提案されているが、メラミン樹脂を含有するキャリアは高温高湿時の帯電低下が大きいという問題があった。
【0008】
スペントを防止する方法としては、シリコン樹脂やフッ素系樹脂を使用することが提案されている(特開昭60−186844号公報、特開昭64−13560号公報)。確かに、シリコン樹脂やフッ素系樹脂は、表面エネルギーが低いのでトナースペントし難いという利点があるが、一方でキャリア芯材との接着しにくく剥がれやすい欠点を有している。また、シリコン樹脂の場合十分に硬化させないとスペント防止効果が発揮されない。十分に硬化させると分子量は大きくなり硬いが脆い皮膜となるので、コントロールが難しい。仮に適度に硬化させた場合でもキャリアを長期に使用すると、キャリア表面の被膜が磨耗してゆき、やがて樹脂が失われて、所望の帯電性が得られなくなると同時に、スペントの防止機能が働かなくなる。またキャリア核体粒子の露出部分が広がると、核体粒子部分へのトナー成分の固着が生じ帯電劣化が生じる。それ故スペントの影響を受けないようなキャリアの構造および被覆層材料の改善が期待されている。
【0009】
特開昭62−187863号公報には酸化鉄粉をカルボキシル基および/またはヒドロキシルを有する共重合体とメラミン系樹脂との硬化物で被覆してなるキャリアが開示されており、球形キャリアを用いても、線画像およびソリッド画像共に高画像濃度を与えるとともに高寿命を達成する。また、特開昭62−262057号公報には、未反応のヒドロキシル基を有する熱可塑性樹脂とアルコキシ化メラミン樹脂とを硬化させてなる樹脂を主成分とする材料により表面を被覆したことを特徴とする電子写真用キャリアが開示されており、キャリアへの接着性および被覆強度が大きい材料を用いることによりキャリアの電気抵抗を高めに維持するとともに流動性、耐湿性、トナーとの分離性を高める。
前記記載の公報は、ヒドロキシル基を有する樹脂とメラミン樹脂を硬化させる被膜を作ることにより高寿命、高画質を達成するという内容である。特開昭62−187863号公報は、ノンコートと比較し、高耐久、高画質と主張している。特開昭62−262057号公報は、被膜強度の高い高抵抗キャリアにより高寿命、高画質を達成するというものである。
【0010】
しかし、従来の樹脂被覆キャリアは依然として耐久性、耐熱性および耐環境性について問題があり、それらの特性の改良が望まれている。
また、摩擦帯電電荷の付与能力を改善する目的で、グアナミン、グアナミン誘導体またはグアナミン系縮合物を、被覆樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部含有する被覆樹脂で芯物質を被覆するキャリアが提案された(特開昭60−201360号公報参照)が、長期にわたって充分な帯電量を維持することができなかった。
【0011】
これらの不具合点を改良する目的で、40重量%以上のグアナミン樹脂と、該グアナミン樹脂と反応架橋できる官能基を有する第2の樹脂からなる熱硬化樹脂で被覆するキャリアが提案されている。確かにこのキャリアは、環境安定性に優れた硬くて削れ難いキャリアであるが、未だに耐スペント性においては十分解決されているとは言い難い(特開平8−6307号公報参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記の欠点を解消し、キャリア表面のトナースペントの影響を抑制し、トナーに対して最適な帯電性を安定的に付与する能力を有し、かつその能力を長期にわたって維持することが可能な電子写真用キャリアおよびその製造方法を提供しようとするものである。特に、被覆樹脂として柔らかくて弾力性のある樹脂を用いる事により効果が顕著に発揮される。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明の()「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全メチル置換型メラミンまたはメラミン誘導体とを含有し硬化反応させた樹脂で芯物質を被覆してなる電子写真用キャリア」、()「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全メチル置換型メラミンまたはメラミン誘導体との含有割合を50:50〜90:10(重量比)とすることを特徴とする前記第()項に記載の電子写真用キャリア」、()「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の水酸基価が150(KOHmg/g)以下であることを特徴とする前記第()項または第()項に記載の電子写真用キャリア」、()「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の水酸基価が20〜120(KOHmg/g)であることを特徴とする前記第()項記載の電子写真用キャリア」、()「樹脂被膜の膜厚が0.1〜0.5μmであることを特徴とする前記第()項乃至第()項の何れかに記載の電子写真用キャリア」、()「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全メチル置換型メラミンまたはメラミン誘導体とを含有した樹脂中に導電材料としてカーボンブラックを含有してなる樹脂被膜で芯物質を被覆してなることを特徴とする前記第()項乃至第()項の何れかに記載の電子写真用キャリア」により達成される。
【0014】
また上記目的は、本発明の()「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンまたはグアナミン誘導体とを含有し硬化反応させた樹脂で芯物質を被覆してなる電子写真用キャリア」、()「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンまたはグアナミン誘導体との含有割合を60:40〜90:10(重量比)とすることを特徴とする前記第()項に記載の電子写真用キャリア」、()「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の水酸基価が120(KOHmg/g)以下であることを特徴とする前記第()項または第()項に記載の電子写真用キャリア」、(10)「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の水酸基価が20〜100(KOHmg/g)であることを特徴とする前記第()項に記載の電子写真用キャリア」、(11)「樹脂被膜の膜厚が0.1〜0.5μmであることを特徴とする前記第()項乃至第(10)項の何れかに記載の電子写真用キャリア」、(12)「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンまたはグアナミン誘導体とを含有した樹脂中に導電材料としてカーボンブラックを含有してなる樹脂被膜で芯物質を被覆してなることを特徴とする前記第()項乃至第(11)項の何れかに記載の電子写真用キャリア」により達成される。
【0015】
また、上記目的は、本発明の(13)「ヌープ圧子による塑性変形量が0.5μm以上かつ弾性変形量が0.5μm以上の樹脂で被覆されたことを特徴とする前記第(1)乃至第(12)項の何れか1に記載の電子写真用キャリア」により達成される。
【0016】
また、上記目的は、本発明の(14)「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全メチル置換型メラミンまたはメラミン誘導体とを含有した樹脂で芯物質を被覆した後、硬化反応させることからなる前記第(1)項乃至第()項の何れかに記載の電子写真用キャリアを製造する方法」、(15)「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンまたはグアナミン誘導体とを含有した樹脂で芯物質を被覆した後、硬化反応させることからなる前記第()項乃至第(12)項の何れかに記載の電子写真用キャリアを製造する方法」により達成される。
【0017】
また、上記目的は、本発明の(16)「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全メチル置換型メラミンまたはメラミン誘導体とを含有し、加熱により硬化する、電子写真キャリア用コート材」、(17)「少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンまたはグアナミン誘導体とを含有し、加熱により硬化する、電子写真キャリア用コート材」により達成される。
【0018】
また、上記目的は、本発明の(18)「少なくとも結着樹脂と顔料とからなるトナーと、前記第(1)項乃至第(13)項の何れか1に記載の電子写真用キャリアを含むことを特徴とする電子写真用現像剤」によって達成される。
【0019】
また、上記目的は、本発明の(19)「前記第(18)項に記載の電子写真用現像剤を充填することを特徴とする容器」によって達成される。
【0020】
また、上記目的は、本発明の(20)「前記第(19)項に記載の電子写真用現像剤を充填した容器を搭載することを特徴とする画像形成装置」によって達成される。
【0021】
すなわち第一の本発明は、ヌープ圧子による塑性変形量が0.5μm以上かつ弾性変形量が0.5μm以上の樹脂で被覆された電子写真用キャリアを用いるものである。第1の本発明において、ヌープ圧子による塑性変形量が0.5μm以上かつ弾性変形量が0.5μm以上の樹脂を用いる事によって柔らかくて削れにくい樹脂皮膜をキャリア表面につくり高寿命が達成される。さらに好ましくは、塑性変形量が1.5μm以上、弾性変形量が1.0以上である。この時使用される装置は、島津ダイナミック超微小硬度計(DUH−201、島津製作所製)である。測定条件は下記に示す。
【0022】
試験MODE:2(負荷−除去試験)
条件
(1)圧子:ヌープ
(2)荷重:5gf
(3)荷重速度:5(係数)
(4)保持時間:5秒(最高荷重時)
(5)測定値:3回の平均
この条件にて測定し、その時の塑性変形量と弾性変形量を測定する。
【0023】
サンプルの作成方法
測定する樹脂をアルミ板に上記条件で測定可能な厚さに均一に被覆させる。
この測定値である塑性変形量が0.5μm以上、弾性変形量が0.5μm以上ある樹脂で被覆されたキャリアは、膜が削れにくく高寿命に適している。塑性変形量が0.5未満になると膜が削れ易くなり、また弾性変形量が0.5未満だと現像剤同士の衝突等の衝撃で樹脂が割れて剥がれる等の問題が発生し高寿命化が達成できなくなる。第1の発明に使用される樹脂は特に何を用いてもよく、塑性変形量及び弾性変形量が0.5μm以上であればよい。
【0024】
第2の本発明は、芯物質のフェライトまたはマグネタイトのキャリア粒子を、少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型メラミンまたはメラミン誘導体とを含有した樹脂で被覆したキャリアを用いるものであり、第2の本発明は、フェライトまたはマグネタイトのキャリア粒子を、少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンとを含有した樹脂で被覆したキャリアを用いるものである。
【0025】
第2の本発明において、メラミンには、完全アルキル型、メチロール基型、イミノ型、メチロール/イミノ型がある。この中で、アルキル樹脂と架橋させるのに好適なのは、完全アルキル型である。その理由として、このタイプは硬化反応をさせる際に、自己縮合がほとんど起こらずにアクリル樹脂との架橋反応が起こるため、比較的柔らかな塗膜となるためである。第2の本発明の特徴は、この被膜が柔らかいことにより被膜が削れずに更にスペントもしにくいことにある。しかし、硬化反応をさせる温度を高くしすぎると自己縮合をする性質があるため注意を要する。イミノ型は、完全アルキル型と比較して、自己縮合が進み易く密な架橋ができにくいが固い被膜ができる。メチロール基型もほとんどイミノ型と同じであるが、加熱時に脱ホルマリン反応を起こすため安全上好ましくない。また、完全に反応が終了しないとメチロール基が残り環境安定性が極端に悪化する。メチロール/イミノ型は、当然メチロール型とイミノ型の両方の特性を有する。
【0026】
第2の本発明に使用する完全アルキル型メラミンは、下記式のものが用いられる。
【0027】
【化1】
Figure 0003874332
(X1〜X6はメトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、ブトキシメチル基のいずれかである。)
【0028】
【化2】
Figure 0003874332
【0029】
また、第2の本発明に用いる完全アルキル型メラミンは、密な架橋構造をとるために重合度2以下のものを使用する。重合度が大きいものを使用すると自己縮合が進んだ場合と同じ結果になる。
第2の本発明におけるメラミンは、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジンとホルムアルデヒドの付加物とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの低級アルコールとを反応させることにより得られる。
完全アルキル型メラミンを用いると上述のように比較的柔らかで密な架橋構造を得ることができるが、反面アクリル樹脂とメラミンの配合比、硬化温度の設定など設計が難しくなる。特に、キャリア用被覆樹脂として好適なのは、完全アルキル置換型メラミンまたはメラミン誘導体との含有割合を50:50〜90:10にしたときである。この比率以上にメラミン誘導体を添加すると自己縮合する割合が増えてきて膜が硬くなり好ましくない。また、少なすぎると架橋が疎になり強度の弱い膜になり耐久性に問題が生じてくる。
先に記述したように、第2の本発明におけるキャリア粒子は、少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンとを含有した樹脂を被覆する。グアナミンには、完全アルキル型、メチロール基型、イミノ型、メチロール/イミノ型がある。この中で、アルキル樹脂と架橋させるのに好適なのは、完全アルキル型である。その理由として、このタイプは硬化反応をさせる際に、自己縮合がほとんど起こらずにアクリル樹脂との架橋反応が起こるため、比較的柔らかな塗膜となるためである。
【0030】
第3の本発明の特徴は、アクリル樹脂の柔らかさを生かしながら、グアナミンによる密な架橋構造を作ることにより、柔らかいにもかかわらず削れ難く、更にスペントもしにくいことにある。しかし、硬化反応をさせる温度を高くしすぎると自己縮合をする性質があるため注意を要する。イミノ型は、完全アルキル型と比較して、自己縮合が進み易く密な架橋ができにくいが固い被膜ができる。メチロール基型もほとんどイミノ型と同じであるが、加熱時に脱ホルマリン反応を起こすため安全上好ましくない。また、完全に反応が終了しないとメチロール基が残り環境安定性が極端に悪化する。メチロール/イミノ型は、当然メチロール型とイミノ型の両方の特性を有する。
【0031】
第3の本発明に使用する完全アルキル置換型グアナミンは、下記式のものが用いられる。
【0032】
【化3】
Figure 0003874332
(X1はアルキル基またはフェニル基、X2〜X5はメトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、ブトキシメチル基のいずれかである。)
【0033】
【化4】
Figure 0003874332
【0034】
また、第3の本発明に用いる完全アルキル置換型グアナミンは、密な架橋構造をとるために重合度2以下のものを使用する。重合度の大きいグアナミンを用いると、自己縮合と合わせてクラスター構造ができ易く硬くてもろい樹脂となり易い。
第3の本発明におけるグアナミンは、4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジンとホルムアルデヒドの付加物とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの低級アルコールとを反応させることにより得られる。
【0035】
完全アルキル置換型グアナミンを用いると上述のように比較的柔らかで密な架橋構造を得ることができるが、反面アクリル樹脂とグアナミンの配合比、硬化温度の設定などの設計が難しくなる。特に、キャリア用被覆樹脂として好適なのは、完全アルキル置換型グアナミンとの含有割合を60:40〜90:10にしたときである。この比率以上にグアナミンを添加すると自己縮合する割合が増えてきて膜が硬くなり好ましくない。また、少なすぎると架橋が疎になり強度の弱い膜になり耐久性に問題が生じてくる。
【0036】
一方、本発明で用いるアクリル樹脂は、メラミンと反応性を有する官能基が必要であり、また、完全アルキル置換型グアナミンと反応性を有する官能基が必要である。
その中で鋭意検討した結果、ヒドロキシル基が最も適していることがわかった。アクリル樹脂は、少なくともヒドロキシル基を有する単量体を含む重合体であればよい。例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1、4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのエチレンおよびプロピレン付加物等が挙げられる。
【0037】
その他、共重合可能な単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸およびメタクリル酸のエステル類を用いることができる。その他にも共重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、塩化ビニル、プロピレン、エチレン等が挙げられる。
【0038】
また、第2の本発明においては、水酸基価が150(KOHmg/g)以下であるアクリル樹脂を用いることも帯電量の環境変動を押さえるために好ましい。水酸基価が150(KOHmg/g)を超えると、どうしても未反応の水酸基が多く残ってしまう。さらに好ましくは、水酸基価を20〜120(KOHmg/g)に制御することがよい。水酸基価が20を下回ると、架橋密度が疎になり、被膜強度が低下してくる。環境変動を押さえるために、水酸基価は120以下にすると一層効果がある。
【0039】
また、第3の本発明においては、水酸基価が120(KOHmg/g)以下であるアクリル樹脂を用いることも帯電量の環境変動を押さえるために重要である。水酸基価が120(KOHmg/g)を超えると、どうしても未反応の水酸基が多く残ってしまう。さらに好ましくは、水酸基価を20〜100(KOHmg/g)に制御することがよい。水酸基価が20を下回ると、架橋密度が疎になり、被膜強度が低下してくる。環境変動を押さえるために、水酸基価は100以下にすると一層効果がある。
【0040】
アクリル系樹脂は常法により合成することができ、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法等の公知の何れかの重合法にても製造することができる。その際、重合開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタ酸)、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クメンハイドロパーオキサイド、カリウムパーサルフェート、過酸化水素、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド]等を用いることができ、また必要に応じて連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、α−メチルスチレンダイマー等を用いることができる。
【0041】
また、本材料を用いることにより被覆樹脂の膜厚を0.1〜0.5μmにすることが可能となる。膜厚が0.1μmより薄いと当然のことであるが、芯材の影響が出てしまうため極端に抵抗が下がってしまい好ましくない。本樹脂は、従来から使用されているシリコーン樹脂と比較すると極端に被膜の削れが少ないために、高寿命化に対しても膜を厚くしないでよい。膜を厚くすると、材料費がかさむばかりでなく、コーティング時にキャリア同士の凝集が発生する、生産性が低下する等の問題も発生してくる。また、膜厚を薄くできることにより、キャリアの流動性もよくなりスペントの防止効果も得られる。
【0042】
また、重合度2以下の完全アルキル置換型メラミン又は完全アルキル置換型グアナミンを使用することによって、樹脂中へ添加剤を含有させることが容易になる。特にカーボンブラックを被覆樹脂中に均一に分散させることが容易となる。これは、アクリル樹脂とメラミン又はグアナミンとカーボンブラックを分散させる際にメラミン又はグアナミンが液中に均一に分散され、さらにコーティング時に架橋反応せずに均一に存在するためであると思われる。
さらに、このキャリアは、カーボンブラックが樹脂中に均一に分散されること、および本被覆樹脂が耐摩耗性にすぐれているために、カラー現像剤用キャリアに用いることが可能となる。特に、色汚れに敏感なイエロー現像剤用キャリアに用いても、全く色汚れが発生しない。
添加剤として用いるカーボンブラックは、一般に市販しているファーネスブラック、チャネルブラック、アセチレンブラック等いずれでもよく、所望の帯電、抵抗等に適するものを用いればよい。
【0043】
使用できる磁性芯材物質としては、ほぼ球状の通常のフェライト粒子、マグネタイト粒子を使用することができる。該芯材の粒径は、通常20〜100μmの範囲のものが使用できるが、特に小粒径の時に本被覆樹脂を用いる効果が大きい。それは、本樹脂が耐摩耗性に優れているために、薄膜コートが可能となるためである。
【0044】
第2及び第3の本発明におけるキャリアの製造方法は、一般的なコーティング方法で行なう。たとえば、浸漬法、流動法等が用いられる。その後、硬化温度以上で加熱しキャリアを製造する。
【0045】
前記第(16)項乃至第(27)項記載の本発明におけるキャリア用コート材は、材料組成および構成比によっても異なるが、例えば、溶剤を用いた溶液の形、分散液の形で、スプレー等公知のコート手法により芯材に簡単に均一コートすることができ、加熱乾燥により硬化して強固なコート層を有するキャリアを製造することができる。芯材コーティング時には全く架橋反応をしない。そのために、熱硬化型シリコーン樹脂被覆キャリアのようにコーティング後すぐに加熱処理をする必要がない。また、加熱架橋を単独の工程で管理できるため被覆キャリアの品質のばらつきも押さえられる。
【0046】
本発明のキャリアは、トナーと混合して二成分現像剤として用いられる。トナーは結着樹脂中に着色剤を分散させたものである。トナーに使用する結着樹脂としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;(メタ)アクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類:エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素類およびそのハロゲン化物、クロロプレン等のハロゲン系不飽和炭化水素類などの単量体による重合体、またはこれらの単量体を2種以上組み合わせて得られる共重合体、さらにはこれらの混合物、またロジン変性フェノールホルマリン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、またはこれらと上記のビニル系樹脂との混合物を挙げることができる。
【0047】
トナーに用いる着色剤としては公知の染料および顔料が全て使用でき、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンおよびそれらの混合物が使用できる。使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0048】
本発明におけるトナーは、必要に応じて補強のための帯電制御剤を含有してもよい。補強のための帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属塩のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0049】
本発明において補強の荷電制御剤の使用量は、主帯電制御剤量、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.3〜5重量部の範囲がよい。もちろん、オフセット防止剤、流動性向上剤などを適宜入れてもよい。シリカ、チタニア、アルミナ等の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤または転写助剤等の外添剤を用いることができる。特に、一次平均粒径が5〜30nmの疎水性シリカが好ましく用いられる。また、オフセット防止剤として低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、ワックス等のオフセット防止剤など公知の他の成分を添加することができる。好ましくは重量平均分子量が500〜5000の低分子量ポリプロピレンが好ましい。トナーの粒径は、小径の方が高画質であり、5〜12μm、好ましくは5〜10μm程度が良好である。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図面によって、本発明の画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の電子写真用現像剤を充填した容器を搭載する画像形成装置についての1例を示したものであって、画像形成装置本体内に装着された現像部(1)と、この現像部(1)に補給される本発明の電子写真用現像剤を充填した現像剤収納容器(2)と、この両者を接続する現像剤送流手段(3)を示す部分断面図である。
【0051】
図1において、現像部(1)は、トナーとキャリアを混合して成る液体状のニ成分系の現像剤(D)を収容した本発明の電子写真用現像剤を充填した現像ハウジング(4)と、現像剤(D)を攪拌混合する第1及び第2の攪拌スクリュー(5)、(6)と、現像ローラ(7)とを有していて、当該現像ローラ(7)が、潜像担持体の感光体(8)に対向して配置されている。感光体(8)は、矢印で示す方向に回転駆動され、その表面に静電潜像が形成される。図中符号(26)は、現像剤受入口(23)に固定された接続部材(24)の上にフィルター(25)を介して又は介さず嵌合されたキャップである。
感光体(8)の周囲には、図示していない帯電手段、露光手段、転写手段、除電手段、クリーニング手段等、その他の公知のユニットが配置されたものである。
【0052】
第1及び第2の攪拌スクリュー(5)、(6)が回転することにより、現像ハウジング(4)内の現像剤(D)が攪拌され、そのトナーをキャリアが互いに逆極性に摩擦帯電される。かかる現像剤(D)が、矢印方向に回転駆動される現像ローラ(7)の周面に供給され、その供給された現像剤は現像ローラ(7)の周面に担持され、当該現像ローラ(7)の回転によって、その回転方向に搬送される。次いで、この搬送された現像剤は、ドクターブレード(9)によって量を規制され、規制後の現像剤が感光体(8)と現像ローラ(7)との間の現像領域に運ばれ、ここで現像剤中のトナーが、感光体表面の静電潜像に静電的に移行し、その静電潜像がトナー像として可視像化される。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、これにより本発明が限定されるものではない。なお、実施例において「部」は重量部を意味する。
【0054】
[第1の樹脂被覆キャリア]
(トナー製造例1)
・スチレン−n−ブチルメタクリレート樹脂 100重量部
・カーボンブラック(三菱化成社製、MA#8) 8重量部
・荷電制御剤(保土谷化学社製;スピロンブラックTRH) 3重量部
・オフセット防止剤(三洋化成工業社製;ビスコール550P) 3重量部
上記材料を混練粉砕法で平均粒径7.5μmのトナー粒子を得た。そして上記トナー100部および疎水性シリカR−972(日本アエロジル社製)0.7%をヘンシェルミキサーで混合して評価用トナーを得た。
【0055】
(トナー製造例2)
イエロートナー処方:
・ポリエステル樹脂(Mn:3850、Mw/Mn:7.0、
Tg:62℃、軟化点:125℃、酸価:15) 100部
・黄色顔料(クラリアントジャパン社製Novoperm Yellow P-HG) 5部
・サリチル酸亜鉛塩(オリエント化学社製ボントロンE−84) 1.5部
上記材料を平均粒径7.5μmに粉砕分級した後、トナー100部および疎水性シリカHDK2000H(クラリアントジャパン社製)0.7部を混合してトナーを得た。
【0056】
[第1のキャリア例]
〔実施例1〕
・ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の合成例
攪拌機にて攪拌しながら窒素気流中にて、キシレン700g、n−ブタノール300gを仕込み、100℃に昇温し、スチレン400g、メチルメタクリレート160g、i−ブチルメタクリレート110g、n−ブチルアクリレート200g、メタクリル酸30g、2−ヒドロキシエチルアクリレート100gおよび重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル10gの混合物を5時間かけて滴下した。その後内容物をさらに6時間反応させて、固形分約50%の樹脂を得た。(水酸基価:41(KOHmg/g)、数平均分子量14000)
【0057】
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン(重合度1.70、固形分100%) 2部
アクリル樹脂(上記合成品 固形分50%) 10部
トルエン 300部
上記メチル化メラミンとアクリル樹脂とトルエンを混合し、コーティング液を調整した。
上記フェライトを投入した流動床式コーティング装置の温度を約60℃に保ちコーティング液を噴霧した。スプレー終了後、約10分乾燥させ取り出した。
次にこのキャリアを電気炉にて150℃で1時間処理し、冷却後解砕して膜厚0.2μmの樹脂被覆キャリアを得た。
【0058】
以下同様にして、実施例、比較例のキャリアを製造した。
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0059】
〔比較例1〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
シリコン樹脂
(トーレ・ダウコーニング・シリコーン製SR−2411) 150部
トルエン 150部
上記シリコン樹脂とトルエンを混合し、コーティング液を調整した。上記フェライトを投入した流動床式コーティング装置の温度を約80℃に保ちコーティング液を噴霧した。スプレー終了後、約10 分乾燥させ取り出した。次にこのキャリアを電気炉にて200℃で2時間処理し、冷却後解砕して膜厚0.8μmの樹脂被覆キャリアを得た。
このキャリアと製造例1 のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0060】
〔実施例2〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン(重合度1.70、固形分100%) 3.5部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 7部
トルエン 300部
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0061】
〔実施例3〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン(重合度1.70、固形分100%) 0.7部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 12.6部
トルエン 300部
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0062】
〔実施例4〕
実施例1のアクリル樹脂に対して、2−ヒドロキシエチルアクリレートの量を増やして水酸基価147(KOHmg/g)になるような樹脂を合成した。
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン(重合度1.70、固形分100%) 2部
アクリル樹脂(水酸基価147 固形分50%) 10部
トルエン 300部
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0063】
〔実施例5〕
実施例1のアクリル樹脂に対して、2−ヒドロキシエチルアクリレートの量を増やして水酸基価116(KOHmg/g)になるような樹脂を合成した。
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン(重合度1.70、固形分100%) 2部
アクリル樹脂(水酸基価116 固形分50%) 10部
トルエン 300部
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0064】
〔実施例6〕
実施例1のアクリル樹脂に対して、2−ヒドロキシエチルアクリレートの量を減らして水酸基価28(KOHmg/g)になるような樹脂を合成した。
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン(重合度1.70、固形分100%) 2部
アクリル樹脂(水酸基価28 固形分50%) 10部
トルエン 300部
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0065】
〔実施例7〕
実施例1のアクリル樹脂に対して、2−ヒドロキシエチルアクリレートの量を増やして水酸基価15(KOHmg/g)になるような樹脂を合成した。
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン(重合度1.70、固形分100%) 2部
アクリル樹脂(水酸基価15 固形分50%) 10部
トルエン 300部
作成方法は、実施例1と同じで実施した。
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0066】
〔実施例8〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン(重合度1.70、固形分100%) 2部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 10部
Printex90(デグサ社製) 0.1部
トルエン 300部
メチル化メラミンとアクリル樹脂とトルエンとカーボンブラックをホモミキサーにて10分間分散し、コーティングを実施した。その後は、実施例1と同じ操作を実施しキャリアを作成した。
このキャリアと製造例2のトナーをトナー濃度6%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0067】
〔比較例2〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン(重合度2.30、固形分100%) 2部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 10部
トルエン 300部
作成方法は、実施例1と同様にして実施した。
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0068】
〔比較例3〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン(重合度1.70、固形分100%) 4部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 6部
トルエン 300部
作成方法は、実施例1と同様にして実施した。
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0069】
〔比較例4〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン
(重合度1.70、固形分100%) 0.35部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 13.3部
トルエン 300部
作成方法は、実施例1と同様にして実施した。
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0070】
〔比較例5〕
実施例1のアクリル樹脂に対して、2−ヒドロキシエチルアクリレートの量を増やして水酸基価163(KOHmg/g)になるような樹脂を合成した。
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化メラミン(重合度1.70、固形分100%) 2部
アクリル樹脂(水酸基価163 固形分50%) 10部
トルエン 300部
作成方法は、実施例1と同じで実施した。
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0071】
〔比較例6〕
実施例1のキャリアと製造例2のトナーをトナー濃度6%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0072】
[評価方法]
(サンプル作成方法)
実施例1、9、比較例1のコート樹脂をアルミ板に約5μmの厚さになるように塗布し、それぞれ実施例及び比較例と同じ条件で加熱処理しサンプルを作成した。
【0073】
(測定方法)
このサンプルを島津ダイナミック超微小硬度計(DUH−201、島津製作所製)で測定する。測定条件は下記に示す。
試験MODE:2(負荷−除去試験)
条件
(1)圧子:ヌープ
(2)荷重:5gf
(3)荷重速度:5(係数)
(4)保持時間:5秒(最高荷重時)
(5)測定値:3回の平均
この条件にて測定し、その時の塑性変形量と弾性変形量を測定する。結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
Figure 0003874332
【0075】
(評価方法)
リコー社製Imagio MF250改造機を用いて1万枚の耐久性試験を行ない、かつキャリアの被覆樹脂の状態をSEMにて観察した。その結果、実施例1、9のキャリアは全く削れていなかったが、比較例1のキャリアのみコート膜の削れが確認された。
実施例1〜7、比較例2〜5は、リコー社製Imagio MF250改造機を用いて耐久性試験を行ない、かつキャリアの被覆樹脂の状態をSEMにて観察して結果を表2に示した。
また、実施例8、比較例6は、リコー社製PRETER550にて1000枚画像を取り、キャリアからのカーボンの脱離による色調の変化を表3に評価した。
評価方法:X−rite938にて、ID1.0の時のL、a*、b*を測定。
【0076】
【表2】
Figure 0003874332
◎:非常によい
○:良好
△:許容レベル
×:悪い
【0077】
5万枚コピーにおける帯電量低下は、キャリア膜削れによるものとキャリアへのトナースペントによるものがある。コート状態の観察で問題のないキャリアで帯電量が低下しているものはスペントが原因であった。
上記実施例の結果から、メラミンの重合度、アクリル樹脂/メラミンの比率、アクリル樹脂の水酸基価を特定の範囲で使用することにより、耐久性、環境安定性のバランスのとれたキャリアの設計が可能となる。
【0078】
【表3】
Figure 0003874332
【0079】
[第2の樹脂被覆キャリア]
(トナー製造例3)
・スチレン−n−ブチルメタクリレート樹脂 100重量部
・カーボンブラック(三菱化成社製、MA#8) 8重量部
・荷電制御剤(保土谷化学社製;スピロンブラックTRH) 3重量部
・オフセット防止剤(三洋化成工業社製;ビスコール550P) 3重量部
上記材料を混練粉砕法で平均粒径7.5μmのトナー粒子を得た。そして上記トナー100部および疎水性シリカR−972(日本アエロジル社製)0.7%をヘンシェルミキサーで混合して評価用トナーを得た。
【0080】
Figure 0003874332
上記材料を平均粒径7.5μmに粉砕分級した後、トナー100部および疎水性シリカHDK2000H(クラリアントジャパン社製)0.7部を混合してトナーを得た。
【0081】
[第2のキャリア例]
〔実施例9〕キャリアの製造例
・ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の合成例
攪拌機にて攪拌しながら窒素気流中にて、キシレン700g、n−ブタノール300gを仕込み、100℃に昇温し、スチレン400g、メチルメタクリレート160g、i−ブチルメタクリレート110g、n−ブチルアクリレート200g、メタクリル酸30g、2−ヒドロキシエチルアクリレート100gおよび重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル10gの混合物を5時間かけて滴下した。その後内容物をさらに6時間反応させて、固形分約50%の樹脂を得た。(水酸基価:41(KOHmg/g、数平均分子量14000)
【0082】
Figure 0003874332
上記メチル化グアナミンとアクリル樹脂とトルエンを混合し、コーティング液を調整した。
上記フェライトを投入した流動床式コーティング装置の温度を約60℃に保ちコーティング液を噴霧した。スプレー終了後、約10分乾燥させ取り出した。
次にこのキャリアを電気炉にて150℃で1時間処理し、冷却後解砕して膜厚0.2μmの樹脂被覆キャリアを得た。
以下同様にして、実施例、比較例のキャリアを作成した。
このキャリアと製造例3のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0083】
〔実施例10〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化ベンゾグアナミン
(重合度1.65、固形分77%) 3.6部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 8.4部
トルエン 300部
このキャリアと製造例3のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0084】
〔実施例11〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化ベンゾグアナミン
(重合度1.65、固形分77%) 0.9部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 12.6部
トルエン 300部
このキャリアと製造例3のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0085】
〔実施例12〕
実施例9のアクリル樹脂に対して、2−ヒドロキシエチルアクリレートの量を増やして水酸基価147(KOHmg/g)になるような樹脂を合成した。
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化ベンゾグアナミン
(重合度1.65、固形分77%) 2.6部
アクリル樹脂(水酸基価147 固形分50%) 10部
トルエン 300部
このキャリアと製造例3のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0086】
〔実施例13〕
実施例9のアクリル樹脂に対して、2−ヒドロキシエチルアクリレートの量を増やして水酸基価116(KOHmg/g)になるような樹脂を合成した。
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化ベンゾグアナミン
(重合度1.65、固形分77%) 2.6部
アクリル樹脂(水酸基価116 固形分50%) 10部
トルエン 300部
このキャリアと製造例4のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0087】
〔実施例14〕
実施例9のアクリル樹脂に対して、2−ヒドロキシエチルアクリレートの量を減らして水酸基価28(KOHmg/g)になるような樹脂を合成した。
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化ベンゾグアナミン
(重合度1.65、固形分77%) 2.6部
アクリル樹脂(水酸基価28 固形分50%) 10部
トルエン 300部
このキャリアと製造例1のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0088】
〔実施例15〕
実施例9のアクリル樹脂に対して、2−ヒドロキシエチルアクリレートの量を増やして水酸基価15(KOHmg/g)になるような樹脂を合成した。
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化ベンゾグアナミン
(重合度1.65、固形分77%) 2.6部
アクリル樹脂(水酸基価15 固形分50%) 10部
トルエン 300部
作成方法は、実施例8と同じで実施した。
このキャリアと製造例3のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0089】
〔実施例16〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化ベンゾグアナミン
(重合度1.65、固形分77%) 2.6部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 10部
Printex90(デグサ社製) 0.1部
トルエン 300部
メチル化メラミンとアクリル樹脂とトルエンとカーボンブラックをホモミキサーにて10分間分散し、コーティングを実施した。その後は、実施例1と同じ操作を実施しキャリアを作成した。
このキャリアと製造例4のトナーをトナー濃度6%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0090】
〔比較例7〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型ブチル化ベンゾグアナミン
(重合度3.00、固形分70%) 2.9部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 10部
トルエン 300部
作成方法は、実施例1と同じで実施した。
このキャリアと製造例3のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0091】
〔比較例8〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化ベンゾグアナミン
(重合度1.65、固形分77%) 4.55部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 7部
トルエン 300部
作成方法は、実施例9と同じで実施した。
このキャリアと製造例3のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0092】
〔比較例9〕
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化ベンゾグアナミン
(重合度1.65、固形分77%) 0.46部
アクリル樹脂(水酸基価41 固形分50%) 13.3部
トルエン 300部
作成方法は、実施例9と同じで実施した。
このキャリアと製造例3のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0093】
〔比較例10〕
実施例9のアクリル樹脂に対して、2−ヒドロキシエチルアクリレートの量を増やして水酸基価163(KOHmg/g)になるような樹脂を合成した。
Cu−Znフェライト
(パウダーテック社製、平均粒径50μm、F−300) 1000部
完全置換型メチル化ベンゾグアナミン
(重合度1.65、固形分77%) 2.6部
アクリル樹脂(水酸基価163 固形分50%) 10部
トルエン 300部
作成方法は、実施例9と同じで実施した。
このキャリアと製造例3のトナーをトナー濃度4%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0094】
〔比較例11〕
実施例9のキャリアと製造例4のトナーをトナー濃度6%になるように、ターブラーミキサーにて混合して評価用現像剤を作成した。
【0095】
[評価方法]
実施例9〜15、比較例7〜10は、リコー社製Imagio MF250改造機を用いて耐久性試験を行ない、かつ、キャリアの被覆樹脂の状態をSEMにて観察して結果を表4に示した。
また、実施例16、比較例11は、リコー社製PRETER550にて1000枚画像を取り、キャリアからのカーボンの脱離による色調の変化を表5に評価した。
評価方法:X−rite938にて、ID1.0の時のL、a*、b*を測定。
【0096】
【表4】
Figure 0003874332
◎:非常によい
○:良好
△:許容レベル
×:悪い
【0097】
5万枚コピーにおける帯電量低下は、キャリア膜削れによるものとキャリアへのトナースペントによるものがある。コート状態の観察で問題のないキャリアで帯電量が低下しているものはスペントが原因であった。
上記実施例の結果から、グアナミンの重合度、アクリル樹脂/メラミンの比率、アクリル樹脂の水酸基価を特定の範囲で使用することにより、耐久性、環境安定性のバランスのとれたキャリアの設計が可能となる。
【0098】
【表5】
Figure 0003874332
【0099】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明のキャリア被覆樹脂中にカーボンブラックを入れても、経時に渡って色特性の変化がなく、本樹脂を用いることによりカラー現像剤用キャリアに用いることが可能であるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用現像剤を充填した容器及びその容器を搭載した画像形成装置を示した図である。
【符号の説明】
1 現像部
2 現像剤収納容器
3 現像剤送流手段
4 現像ハウジング
5 攪拌スクリュー
6 攪拌スクリュー
7 現像ローラ
8 感光体
9 ドクターブレード
23 現像剤受入口
24 接続部材
25 フィルター
26 キャップ
D 現像剤

Claims (20)

  1. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全メチル置換型メラミンまたはメラミン誘導体とを含有し硬化反応させた樹脂で芯物質を被覆してなる電子写真用キャリア。
  2. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全メチル置換型メラミンまたはメラミン誘導体との含有割合を50:50〜90:10(重量比)とすることを特徴とする請求項に記載の電子写真用キャリア。
  3. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の水酸基価が150(KOHmg/g)以下であることを特徴とする請求項またはに記載の電子写真用キャリア。
  4. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の水酸基価が20〜120(KOHmg/g)であることを特徴とする請求項記載の電子写真用キャリア。
  5. 樹脂被膜の膜厚が0.1〜0.5μmであることを特徴とする請求項乃至の何れかに記載の電子写真用キャリア。
  6. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全メチル置換型メラミンまたはメラミン誘導体とを含有した樹脂中に導電材料としてカーボンブラックを含有してなる樹脂被膜で芯物質を被覆してなることを特徴とする請求項乃至の何れかに記載の電子写真用キャリア。
  7. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンまたはグアナミン誘導体とを含有し硬化反応させた樹脂で芯物質を被覆してなる電子写真用キャリア。
  8. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンまたはグアナミン誘導体との含有割合を60:40〜90:10(重量比)とすることを特徴とする請求項に記載の電子写真用キャリア。
  9. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の水酸基価が120(KOHmg/g)以下であることを特徴とする請求項またはに記載の電子写真用キャリア。
  10. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の水酸基価が20〜100(KOHmg/g)であることを特徴とする請求項に記載の電子写真用キャリア。
  11. 樹脂被膜の膜厚が0.1〜0.5μmであることを特徴とする請求項乃至10の何れかに記載の電子写真用キャリア。
  12. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンまたはグアナミン誘導体とを含有した樹脂中に導電材料としてカーボンブラックを含有してなる樹脂被膜で芯物質を被覆してなることを特徴とする請求項乃至11の何れかに記載の電子写真用キャリア。
  13. ヌープ圧子による塑性変形量が0.5μm以上かつ弾性変形量が0.5μm以上の樹脂で被覆されたことを特徴とする請求項1乃至12の何れか1に記載の電子写真用キャリア。
  14. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全メチル置換型メラミンまたはメラミン誘導体とを含有した樹脂で芯物質を被覆した後、硬化反応させることからなる請求項1乃至の何れかに記載の電子写真用キャリアを製造する方法。
  15. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンまたはグアナミン誘導体とを含有した樹脂で芯物質を被覆した後、硬化反応させることからなる請求項乃至12の何れかに記載の電子写真用キャリアを製造する方法。
  16. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全メチル置換型メラミンまたはメラミン誘導体とを含有し、加熱により硬化する、電子写真キャリア用コート材。
  17. 少なくとも未反応のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂と重合度2以下の完全アルキル置換型グアナミンまたはグアナミン誘導体とを含有し、加熱により硬化する、電子写真キャリア用コート材。
  18. 少なくとも結着樹脂と顔料とからなるトナーと、請求項1乃至13の何れか1に記載の電子写真用キャリアを含むことを特徴とする電子写真用現像剤。
  19. 請求項18に記載の電子写真用現像剤を充填することを特徴とする容器。
  20. 請求項19に記載の電子写真用現像剤を充填した容器を搭載することを特徴とする画像形成装置。
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