JP2910491B2 - トナーの製造方法及びこれにより製造されるトナー - Google Patents

トナーの製造方法及びこれにより製造されるトナー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合トナーの製造方法
に関し、特に帯電の立ち上がりが良く、高い飽和帯電量
を有するトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、静電荷像現像用のトナーは、
いわゆる粉砕法により製造されて来たが、この粉砕法に
おいては、分級による収率の低下あるいは着色剤等の固
体微粒子のバインダー樹脂中への均一分散の困難性等の
欠点があった。
【0003】一方、これらの粉砕法の問題点を克服する
ために、近年、懸濁重合によるトナーの製造方法が提案
されている。この懸濁重合法においては、重合性単量
体、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤、重合開始
剤等を均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、通
常は分散安定剤を含有する水または水を主体とする水系
分散媒中に投入し、高剪断力を有する混合装置を用いて
分散、造粒した後、上記単量体組成物を重合させてトナ
ー粒子を形成する。
【0004】しかしながら、従来の重合トナーの製法に
おいて、クロム錯塩化合物を始めとする金属錯塩化合物
等を単に帯電制御剤成分として重合性単量体中に分散さ
せた場合、得られたトナーの帯電の立上り性が悪く、し
かも十分なレベルの帯電量を有するトナーが得られてい
なかった。特に一成分現像方式においては、一般にキャ
リアーを用いる二成分現像方式に比べ、現像機内での摩
擦帯電力が弱いため、連続印字の際に十分な帯電量が得
られず、感光ドラム上へのトナーのかぶりを生じる等の
不具合が生じてしまっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の重合製法のトナーに比べ、帯電の立ち上がり性が良く
(すなわち、短時間の攪拌、摩擦により飽和帯電量レベ
ルに到達する)、高い飽和帯電量を有するトナーを与え
るトナー製造方法を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、現像ロール上、ドク
ターブレードでトナーを帯電させる、所謂一成分現像方
式の現像機における連続印字でも十分な帯電量が得ら
れ、かぶりがなく、現像濃度も高い高品位の画質が得ら
れるトナーを与えるトナー製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究の結
果、特定のクロム錯塩系帯電制御剤の存在下に懸濁重合
製法でトナーを得るに際して、水系分散媒体中にアンモ
ニウムイオンを共存させることが、上記目的の達成に極
めて効果的なことを見出した。
【0008】本発明のトナー製造方法は上記知見に基く
ものであり、より詳しくは、下記一般式で表される金属
錯塩化合物及び着色剤をビニル系単量体中に分散させ、
次いで、難水溶性錯塩化合物由来でないアンモニウムイ
オンが存在する水系分散媒体中で懸濁重合することを特
徴とするものである。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Xは水素原子、低級アルキル基、
低級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表わ
し、nは1または2、mは1〜3の整数を表わし、Xは
同じであっても異なっていてもよく、A+ は水素、ナト
リウム、カリウム、またはアンモニウムイオンを表わ
す。)本発明によれば、更に、上記したトナーの製造方
法により製造されるトナーであって、 (a)体積平均粒径(dv)が5〜15μmの範囲で、 (b)体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dn)の
比(dv/dn)が1.00〜1.40の範囲であり、 (c)粒子の絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)
を粒子の実質投影面積(Sr)で割った値(Sc/S
r)が1.00〜1.30の範囲、且つ、 (d)BET法による比表面積(A)(m2 /g)、個
数平均粒径(dn)(μm)および真比重(D)の積
(A×dn×D)が5〜10の実質的に球形で、更に、 (e)帯電量(Q)(μc/g)と比表面積(A)の比
(Q/A)が80〜150(絶対値)の範囲にあること
を特徴とするトナーが提供される。
【0011】上記した本発明の製造方法により得られる
トナーにおいて、良好な帯電の立上がり性および高い飽
和帯電量が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本
発明者の知見によれば、水系分散媒体中に添加したアン
モニウムイオンが、上記クロム錯塩系帯電制御剤の対イ
オン(主としてアンモニウムイオン)構造の安定化に寄
与しているためと推定される。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】(トナー製造方法) 本発明のトナー製造方法においては、ビニル系単量体中
に、少なくとも上記一般式(化2)で示されるクロム錯
塩化合物と、着色剤とを分散させた均一混合液(単量体
組成物)を、難水溶性錯塩化合物由来でないアンモニウ
ムイオンを含有する水系分散媒体中で懸濁重合法により
重合させる。
【0014】具体的な懸濁重合法としては、例えば、ビ
ニル系単量体、上記クロム錯塩化合物および着色剤(所
望により、ラジカル重合開始剤、各種添加剤など)を含
む混合物をボールミル等で均一に分散させて均一混合液
を調製し、次いで、この均一混合液を高剪断攪拌により
水系分散媒体中に微細化して分散させて水分散液とし、
通常、30〜200℃の温度で懸濁重合する方法があ
る。
【0015】(ビニル系単量体)ここで用いられるビニ
ル系単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリ
ル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタク
リルプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
アクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若し
くはメタクリル酸の誘導体;エチレン、プロピレン;ブ
チレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニ
ル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等の
ビニルエーテル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロ
ペニルケトン等のビニルケトン;2−ビニルピリジン、
4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素
ビニル化合物等が挙げられる。これらのビニル系単量体
は単独で用いてもよいし、複数の単量体を組み合わせて
用い共重合させてもよい。
【0016】また、これらのビニル系単量体とともに、
任意の架橋剤を必要に応じて用いてもよい。この架橋剤
としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レンおよびその誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチ
レングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸
エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテ
ル等のジビニル化合物、および3個以上のビニル基を有
する化合物を、単独あるいは2種以上組み合わせて用い
ることができる。
【0017】本発明においては、ビニル系単量体100
(重量)部に対して、上記架橋剤を0.1〜5部(更に
は0.3〜2部)用いることが好ましい。
【0018】(金属錯塩化合物)本発明においては、上
記一般式(化2)で表わされる金属錯塩化合物が、上記
ビニル系単量体中に分散される。このような金属錯塩化
合物としては、具体的には、以下の式(化3)〜(化
8)に示すような化合物が好ましく用いられる。
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】本発明においては、ビニル系単量体100
(重量)部に対して、上記金属錯塩化合物を0.1〜5
部(更には0.3〜3部)用いることが好ましい。
【0026】上記金属錯塩化合物は、ボールミル分散化
等の処理により該金属錯塩の凝集をほぐし、単量体(モ
ノマー)組成物中に分散させることが好ましい。
【0027】(着色剤)本発明に用いられる着色剤とし
ては、非磁性トナーを得る場合には、染料及び/又は顔
料を特に制限なく用いることが可能である。より具体的
には、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、
クリスタルバイオレット、ローダミンB、マラカイトグ
リーン、ニグロシン、銅フタロシアニン、アゾ染料等の
顔料、染料を単独であるいは2種以上組み合わせて用い
ることが可能である。
【0028】本発明においては、ビニル系単量体100
(重量)部に対して、上記着色剤を1〜20部(更には
3〜10部)用いることが好ましい。
【0029】単量体組成物中における上記着色剤の分散
を良好なものとするために、高分子鎖(例えば不飽和結
合を有する重合体)の一部に極性基(例えば、>C=N
+ <結合を有する基)を導入した分散助剤を、重量比で
上記着色剤の1/20〜1/1程度(更には1/10〜
1/2程度)単量体組成物中に添加してもよい。
【0030】(帯電制御剤)さらに、ニグロシン染料、
モノアゾ染料、含金属染料、亜鉛ヘキサデシルサクシネ
ート、ナフトエ酸のアルキルエステルまたはアルキルア
ミド、ニトロフミン酸、N,N´−テトラメチルジアミ
ンベンゾフェノン、N,N´−テトラメチルベンジジ
ン、トリアジン、サリチル酸金属錯体等のこの分野で帯
電制御剤と呼ばれる極性の強い物質を、1種あるいは2
種以上併用してもよい。
【0031】(添加剤)また、本発明のトナーには、該
トナーの帯電性、導電性、流動性、または感光体もしく
は定着ロールへの付着性を制御するための各種添加剤を
含有させる(内添、すなわち単量体組成物中に添加す
る)か、あるいは外添(トナー粒子に添加)することが
できる。
【0032】上記添加剤としては、例えば、低分子量ポ
リエチレン、低分子量ポリプロピレン、各種ワックス、
シリコーン油等の離型剤;カーボンブラック、シリカ、
アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、炭酸
カリウム等の無機微粉末;等が挙げられる。
【0033】本発明においては、ビニル系単量体100
(重量)部に対して、上記離型剤を0.1〜20部(更
には1〜5部)用いることが好ましい。
【0034】(水系分散媒体) 上述したように、少なくとも一般式(化2)で表わされ
る金属錯塩化合物と着色剤とをビニル系単量体中に分散
させてなる単量体組成物は、難水溶性錯塩化合物由来で
ないアンモニウムイオンを含有する水系分散媒体中で懸
濁重合される。該水系分散媒体は、通常、水または水を
主成分とする液体からなる。
【0035】本発明においては、水系分散媒体中のアン
モニウムイオン濃度が低すぎると、上記クロム錯塩系帯
電制御剤(化2)の対イオン構造の安定化が不十分とな
り易い。
【0036】上記水系分散媒体は、更に、微細な無機微
粒子からなる分散安定剤を含有していることが好まし
い。このような無機微粒子としては、例えば、リン酸カ
ルシウム、水酸化第二鉄、水酸化マグネシウム等が好ま
しく用いられる。このような無機微粒子は、水系分散媒
体(例えば、純水)100部に対して、0.1〜20部
(更には1〜5部)含有されることが好ましい。
【0037】(トナー)本発明の製造方法により得られ
るトナーは、実質的に球形の粒子であることが好まし
い。
【0038】より具体的には、本発明の製造方法により
得られるトナーは、粒子の絶対最大長を直径とした円の
面積(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割った値
(Sc/Sr)が1.00〜1.30の範囲にあり、か
つ、BET法による比表面積(A)(m2 /g)、個数
平均粒径(dn)(μm)および真比重(D)の積(A
*dn*D)が5〜10の範囲にある実質的に球形な粒
子からなることが好ましい。このような実質的に球形の
粒子は、極めて良好な流動性を示す。
【0039】一方、従来のトナーは、一般に、結着樹脂
(バインダー)と着色剤とを含む混合物を溶融混練し、
次いで冷却してから粉砕機で粉砕し、分級して粒径を揃
えること(粉砕法)により調製していた。ところが、こ
のような粉砕法により得られるトナーは、粒子形状が不
定形であり、粒子の絶対最大長を直径とした円の面積
(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割った値(S
c/Sr)は、一般に1.3を越えるものとなる。ま
た、BET法による比表面積(A)が大きくなり、比表
面積(A)(m2 /g)、個数平均粒径(dn)(μ
m)および真比重(D)の積(A*dn*D)の値は、
一般に10を越えるものとなる。
【0040】上記のような形状、性質を持つ従来のトナ
ーは、一般に流動性が良好でない。このような従来のト
ナーを、例えば現像ロールと、該現像ロール上に供給す
る現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードとを備え
た現像装置によって、感光体上に形成された静電潜像を
現像剤により現像する方法における現像剤として使用し
た場合には、現像ロール上に供給されるトナー層が不均
一となり、画像濃度が低く、しかも濃度ムラ、地肌汚れ
が多い画像となってしまう。
【0041】これに対して、上述した実質的に球形のト
ナーを使用した場合には、該トナーの流動性は極めて良
好であるため、上記した従来のトナーにおけるような問
題は生じない。
【0042】本発明の方法により得られるトナーは、上
記したような実質的に球形のトナーの中でも、その体積
平均粒径(dv)が5〜15μmの範囲、体積平均粒径
(dv)と個数平均粒径(dn)との比(dv/dn)
が1.00〜1.40(更に好ましくは1.00〜1.
25)の範囲で、かつ、ブローオフ法(キャリアーTE
FV150/250(パウダーテック社製)、トナー濃
度5%、150rpm回転で30分間混合攪拌後に測
定)による帯電量(Q)(μc/g)と比表面積(A)
との比(Q/A)が80〜150(更に好ましくは10
0〜130)の範囲の特性を備えたトナーであることが
好ましい。このようなトナーを前記現像方法における現
像剤として使用すると、現像ロール上に均一な薄いトナ
ー層が形成され、感光体上の潜像へのトナーの乗りが良
く、しかも粒子表面の電荷が一定かつ均一であるため、
転写工程におけるトナーの転写効率が高くなる。その結
果、画像濃度が高く、ちり、ムラのない鮮明な像が形成
される。
【0043】ここで、本発明におけるトナーないし現像
剤の物性測定方法および測定装置は、下記の通りであ
る。
【0044】Sc/Srは、画像処理解析装置により下
記の条件で測定し解析した値である。
【0045】 画像処理解析装置:ルーゼックスIID ((株)ニレコ
製) フレーム面積に対する粒子の面積率:最大(Max)
2% トータル処理粒子数:1000個 (Sc/Sr値は、1000個の個数平均値で示す。) また、BET法比表面積(A)は、島津製作所製の比表
面積自動測定装置2200型を用いて測定した値であ
り、体積平均粒径(dv)および個数平均粒径(dn)
は、コールターカウンター(モデルTA−II型、(株)
日科機製)により測定した値であり、真比重(D)は、
ベックマン比重計(商品名:930型、ベックマン社
製)により測定した値である。
【0046】また、本発明の製造方法により得られ、且
つ上述した条件を満たす実質的に球形のトナーを用いる
と、現像ロール上とトナー層厚規制部材間での摩擦帯電
性も一定かつ均一となり、感光体上の静電潜像と現像ロ
ールとを直接接触させる接触現像方式を採用しても、支
持体上に地肌汚れが生じない。
【0047】感光体上の現像トナー像を紙等の支持体上
に転写する転写工程後のブレード等によるクリーニング
工程においても、本発明のトナーは、ほとんど完全に感
光体上から除去され、わずかに除去されずに感光体上に
残留したトナーも、次の現像工程で現像と同時に現像ロ
ールで除去されるため、長期連続現像でも安定した良好
な画像が得られる。
【0048】これらの優れた作用効果は、トナー粒子の
形状、粒径、粒径分布、帯電量等が相互にバランスした
結果、初めて得られるものである。
【0049】前記の形状係数(Sc/Sr)および積
(A*dn*D)の条件を満足しない粒子をトナーとし
て用いると、転写効率が低く、画像濃度が不十分で、地
肌汚れや画像ムラが発生し易くなる。
【0050】体積平均粒径(dv)が5μm未満または
15μmを越えるトナーでは、現像ロール上のトナー層
の均一化が得られないか、あるいは転写効率が悪くな
り、十分な画像濃度を得ることが困難となる。
【0051】体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(d
n)の比(dv/dn)が1.40を越えるような粒径
分布が広いトナーでは、長期連続現像時にトナー補給が
極めて不安定となり易い。
【0052】帯電量(Q)(μc/g)と比表面積
(A)との比(Q/A)が80未満または150を越え
るトナーを使用した場合には、十分な画像濃度が得られ
なかったり、地肌汚れの多い画像となり易い。また、転
写後のクリーニング工程においても、トナーの感光体へ
の付着が強すぎるため、クリーニングブレード等により
十分な除去が行なわれず、ゴースト像の発生等不具合が
生じ易くなる。
【0053】(現像方法)本発明の方法により得られる
トナーは、現像ロールと、該現像ロール上に供給される
現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードとを備えた
現像装置によって、感光体表面に形成された静電潜像を
現像剤により現像する方法において好ましく用いられ
る。
【0054】この場合、感光体上の静電潜像の極性と現
像剤の極性とが同一である反転現像方式により現像する
ことが、現像性の点から好ましい。
【0055】また、感光体上の静電潜像と現像ロールを
直接接触させて現像することが、現像性の点から好まし
い。
【0056】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみ
に限定されるものではない。また、以下の例において、
「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基準で
ある。
【0057】製造例1 (分散助剤の製造)不飽和結合を有する重合体に>C=
+ <結合を有する化合物を導入した分散助剤を、以下
のようにして製造した。
【0058】スチレン/ブタジエン=90/10で分子
量(重量平均分子量)がMW=5万のスチレン−ブタジ
エンランダム共重合体100gをベンゼン500mlに
溶解し、攪拌機、温度計、還流冷却管および試薬投入口
を備えた反応容器に入れた後、攪拌しながら60℃まで
加温した。
【0059】ベンジリデンブチルアミン(Ph−CH=
N−C4 9 )、アセチルクロライド(CH3 COC
l)、および四塩化スズ各0.1モルを上記反応容器に
添加し、1時間反応させた。
【0060】反応終了後、反応生成物を1リットルのメ
タノールに注ぎ完全に凝固させた後、真空乾燥器で乾燥
して分散助剤を得た。
【0061】実施例1 スチレン85部、ノルマルブチルアクリレート15部、
低分子量ポリプロピレン(商品名:ビスコール330
P、三洋化成社製)3部、カーボンブラック(商品名:
Printex−150T、デグサ社製、pH5、一次
粒子径30nm)8部、金属錯塩化合物(上記構造式
(1))0.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)2部、およびカーボンブラックの
分散助剤として上記製造例1で製造した>C=N+ <結
合を有するポリマー2部を、ボールミル分散して均一混
合液(モノマー混合液)を得た。
【0062】次に、リン酸カルシウム3部を微細に分散
し、更に29%アンモニア水1部を添加した純水(水系
分散媒体)350部中に、上記混合液を添加し、水分散
液を得た。上記29%アンモニア水1部中のアンモニウ
ムイオンを与えるアンモニア分子の量は、約0.29部
であるから、上記水分散液中のアンモニア分子の濃度
は、0.29(部)÷350(部)=830ppmとな
る。
【0063】上記水分散液を、pH9以上の条件下にロ
ーターステーター型ホモミキサー(商品名:TKホモミ
キサー、特殊機化工業社製)により10,000rpm
で高剪断攪拌を行い、上記混合液を水中に微細化して分
散させた。
【0064】次に、この水分散液を攪拌翼が着いた反応
器に入れ、65℃で6時間攪拌下に重合を行った。この
ようにして得られた重合粒子の分散液の酸洗、水洗を十
分に行った後、生成したトナー粒子を分離、乾燥してト
ナー材料を得た。
【0065】上記トナー材料100部に、流動化剤とし
て疎水性シリカ(商品名:R−972、日本アエロジル
社製)0.2部を外添し、トナーを得た。
【0066】このようにして得られたトナーは、表1に
示す特性を有する実質的に球形の粒子であった。
【0067】次に、感光体として有機系感光体を用い、
現像ロールとして金属芯の導電性支持体の外周面にゴム
系のトナー担持層を設けたものを用い、トナー層厚規制
部材としてウレタン系のゴムを使用した一成分現像方式
の現像機を有する電子写真装置に上記トナーを投入し、
電子写真方式により画像評価を実施した。
【0068】このようにして得られた画像は、画像濃度
が高く、かぶり、ちり、ムラのない鮮明なものであり、
3万枚(A4シート)の連続現像においても安定した画
質が得られた。
【0069】実施例2 上記実施例1で用いた構造式(1)の金属錯塩化合物に
代えて、構造式(2)の金属錯塩化合物1.0部を用
い、且つ分散媒として、水酸化第二鉄6部が微細に分散
し、更に29%アンモニア水3部を添加した純水400
部を使用した以外は、実施例1と同様な方法で、実施例
1におけるより体積平均粒径の小さいトナー材料を得
た。上記29%アンモニア水3部中のアンモニウムイオ
を与えるアンモニア分子の量は、約0.29×3部で
あるから、上記水分散液中のアンモニア分子の濃度は
(0.29×3)÷400=2180ppmとなる。
【0070】上記トナー材料100部に、流動化剤とし
て疎水性シリカ0.5部を外添し、トナーを得た。この
ようにして得られたトナーは、表1に示す特性を有する
実質的に球形の粒子であった。
【0071】次に、粒径60μmのフェライトキャリヤ
ーに、上記トナーを5%濃度になるように調整、混合し
て現像剤を作成した。この現像剤を用い、感光体として
有機系の感光体を使用した二成分現像方式の現像機を有
する電子写真装置により、画像評価を実施した。
【0072】得られた画像は、画像濃度が高く、かぶ
り、ちり、ムラがなく、しかも階調性、解像性の極めて
優れたものであり、3万枚の連続現像においても安定し
た画質が得られた。
【0073】実施例3 実施例1で用いたカーボンブラックに代えて、カーボン
ブラック(商品名:Monarch−120、キャボッ
ト社製;pH8.5、一次粒子径75nm)5部を用
い、且つ金属錯塩化合物(構造式(1))2.0部を用
いた以外は、実施例1と同様な方法でトナー材料を得
た。
【0074】上記トナー材料100部に、流動化剤とし
て疎水性シリカ0.2部を外添し、トナーを得た。
【0075】このようにして得られたトナーは、表1に
示す特性を有する実質的に球形の粒子であった。
【0076】次に、上記トナーを用い、実施例1と同様
の装置により画像評価を実施した。
【0077】得られた画像は、画像濃度が高く、かぶ
り、ちり、ムラのない鮮明なものであり、3万枚の連続
現像においても安定した画質が得られた。
【0078】比較例1 実施例1で用いたモノマー混合液を、リン酸カルシウム
3部を微細に分散した純水350部(分散媒)中に添加
して水分散液を得た以外は、実施例1と同様の方法でト
ナー材料およびトナーを得た。
【0079】このようにして得られたトナーは、表1に
示す特性を有する実質的に球形の粒子であった。
【0080】次に、上記トナーを用い、実施例1と同様
の装置により画像評価を実施したところ、現像ロール上
のトナー層厚は不均一であり、得られた画像は、かぶ
り、ちり、ムラが多い画像となった。
【0081】比較例2 実施例2で用いたモノマー混合液を、水酸化第二鉄6部
が微細に分散した純水400部(分散媒)中に添加し、
水分散液を得た以外は、実施例2と同様の方法でトナー
材料およびトナーを得た。
【0082】このようにして得られたトナーは、表1に
示す特性を有する実質的に球形の粒子であった。
【0083】次に、上記トナーを用い、実施例2と同様
の装置により画像評価を実施したところ、得られた画像
は、かぶり、ちり、ムラが多く、また機内のトナー飛散
が見られた。
【0084】
【表1】
【0085】上記表1において、画像評価結果の各項目
は、以下のようにして測定した。
【0086】転写効率(%) 転写前の感光体上の画像濃度〔ID〕A と、転写後の感
光体上の画像濃度〔ID〕B とを測定し、転写効率を次
式により算出した。
【0087】転写効率={〔ID〕A −〔ID〕B
〔ID〕A×100 (%)画像濃度(ID) マクベス反射濃度計を用い、画像の「黒べた部」の反射
濃度を測定した。
【0088】かぶり・ちり・画像ムラ 上記した電子写真装置を用いて3万枚印字し、かぶり、
ちり、ムラを目視により評価した。
【0089】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、従来の
重合法により製造したトナーに比べ、帯電の立ち上がり
性が良く、しかも高い飽和帯電量を有するトナーを与え
るトナー製造方法が提供される。
【0090】本発明によれば、更に、現像ロール上、ド
クターブレードでトナーを帯電させる所謂一成分現像方
式の現像機における連続印字でも十分な帯電量が得ら
れ、かぶりがなく、現像濃度も高い高品位の画質が得ら
れるトナーを与えるトナー製造方法が提供される。
【0091】本発明によれば、更に、上述したトナー製
造方法により得られるトナーであって、(a)体積平均
粒径(dv)が5〜15μmの範囲で、(b)体積平均
粒径(dv)と個数平均粒径(dn)の比(dv/d
n)が1.00〜1.40の範囲であり、(c)粒子の
絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質
投影面積(Sr)で割った値(Sc/Sr)が1.00
〜1.30の範囲で、且つ、(d)BET法による比表
面積(A)(m2 /g)、個数平均粒径(dn)(μ
m)および真比重(D)の積(A×dn×D)が5〜1
0の実質的に球形で、更に、(e)帯電量(Q)(μc
/g)と比表面積(A)の比(Q/A)が80〜150
の範囲にあるトナーが提供される。
【0092】このような本発明のトナーを用いれば、従
来技術に比較して、現像ロールおよび該現像ロール上に
供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを
備えた現像装置によって、感光体上に形成された静電潜
像を現像剤により現像する方法において、潜像上へのト
ナーの乗りがよく、転写工程におけるトナーの転写効率
が高く、そのため画像濃度が高く、ちり、ムラのない鮮
明な像が形成され、さらに地肌汚れがない良好な画質が
得られる。
【0093】本発明によれば、更に、長期連続現像にお
いても画像濃度の低下、地肌汚れの増大、ゴースト像の
発生等のない安定した画質を与えるトナーが提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 富美雄 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社研究開発センタ ー内 (56)参考文献 特開 平1−250964(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で表される金属錯塩化合物及
    び着色剤をビニル系単量体中に分散させ、次いで、難水
    溶性錯塩化合物由来でないアンモニウムイオン存在す
    る水系分散媒体中で懸濁重合することを特徴とするトナ
    ーの製造方法。 【化1】 (式中、Xは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキ
    シ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表わし、nは1ま
    たは2、mは1〜3の整数を表わし、Xは同じであって
    も異なっていてもよく、A+ は水素、ナトリウム、カリ
    ウム、またはアンモニウムイオンを表わす。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトナーの製造方法により
    製造されるトナーであって、 (a)体積平均粒径(dv)が5〜15μmの範囲で、 (b)体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dn)の
    比(dv/dn)が1.00〜1.40の範囲であり、 (c)粒子の絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)
    を粒子の実質投影面積(Sr)で割った値(Sc/S
    r)が1.00〜1.30の範囲、且つ、 (d)BET法による比表面積(A)(m/g)、個
    数平均粒径(dn)(μm)および真比重(D)の積
    (A×dn×D)が5〜10の実質的に球形で、更に、 (e)帯電量(Q)(μc/g)と比表面積(A)の比
    (Q/A)が80〜150(絶対値)の範囲にあること
    を特徴とするトナー。
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