JP3874176B2

JP3874176B2 - 電気掃除機

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Publication number: JP3874176B2
Application number: JP2002043446A
Authority: JP
Inventors: 修桜井; 明弘石澤; 正道宇根
Original assignee: Toshiba TEC Corp
Current assignee: Toshiba TEC Corp
Priority date: 2002-02-20
Filing date: 2002-02-20
Publication date: 2007-01-31
Anticipated expiration: 2022-02-20
Also published as: JP2003235769A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動送風機を備えた電気掃除機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の電気掃除機は、電動送風機を備えており、この電動送風機の吸込側には、ホース体および延長管を介して吸込口体としての床ブラシが連通接続されている。また、この電動送風機は、外部電源としての商用交流電源からの電源電圧を制御手段としての制御回路にて制御して起動される。この制御回路には、電動送風機に流れる電流を検出する電流検出手段としての電流検出回路が接続されている。そして、この制御回路は、電流検出回路にて検出した電動送風機に流れる電流に基づいて電動送風機を制御している。例えば、予め定めた１つの設定電流に達した際に、床ブラシあるいは延長管などに目詰まりが生じたと判断して、電動送風機の出力を低下させるか、もしくは報知している。あるいは、検出した電流により電動送風機の出力を複数段に制御することにより、詰まり状態に応じた制御をしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電動送風機を制御するために予め定められている設定電流値は一定である一方、一般に家庭用商用交流電源電圧にはばらつきがある。このため、上述の電気掃除機では、この電源電圧のばらつきに起因して、適切な制御や報知ができないという問題を有している。
【０００４】
具体的に、例えば電源電圧が低い場合には、電動送風機に流れる電流が減少するので、いわゆるごみ詰まり状態ではないにも拘わらず、電動送風機の出力を低下させたり、ごみ詰まりを報知してしまったりする。
【０００５】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、電源電圧が変動しても適切に制御できる電気掃除機を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気掃除機は、電動送風機に流れる電流を検出する電流検出手段で検出した電流と予め定められた所定値とを比較して電動送風機あるいは報知手段を制御する制御手段と、電流検出手段が検出した電動送風機の起動時の起動電流に応じて所定値を可変設定する設定手段とを具備したものである。そして、電源電圧が変動しても、この変動に応じて、予め定められた所定値が設定手段にて可変設定されるので、適切な制御が可能となる。また、電動送風機を制御するための電流検出手段を用いて電源電圧の変動に対応させたので、構成が簡略化される。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電気掃除機の一実施の形態の構成を図１ないし図５を参照して説明する。
【０００８】
図１ないし図５において、１は掃除機本体で、この掃除機本体１は、上面を開口した下部ケース２を備えている。この下部ケース２の後部上面は、閉塞する上部ケース３により閉塞されている。この下部ケース２の前面を含む周縁には、バンパ４が挟持して接合されて前側上面部が開口されている。ここで、これら下部ケース２、上部ケース３およびバンパ４によりケース体としての本体ケース５が構成されている。この本体ケース５には、前側上面部の開口を開閉可能にする蓋体６が回動可能に軸支されている。
【０００９】
そして、本体ケース５の進行方向の前側下面には、旋回可能かつ回転可能な図示しない旋回輪が取り付けられている。また、本体ケース５の後側側面には、大径の従動後輪７が回転可能にそれぞれ取り付けられている。よって、掃除機本体１は、従動後輪７と旋回輪とにより、被掃除面としての床面が走行可能である。また、本体ケース５の上部には、上下方向に摺動可能な把持部としてのハンドル体８の両端が回動可能に取り付けられている。
【００１０】
さらに、掃除機本体１の前側略中央には、外部から空気を吸引する本体吸込口11が開口されている。この本体吸込口11には、湾曲可能な細長略円筒状の接続管としてのホース体12が着脱可能に連通接続されている。このホース体12の先端には、電動送風機21の動作モードが選択可能な手許操作部13が設けられている。この手許操作部13には、掃除する際に作業者が把持する把持部14が基端側に向けて突設されている。また、この手許操作部13の上側には、電動送風機21の駆動をオンオフさせ、あるいはこの電動送風機21の動作モードを変化させる複数、例えば４個の設定ボタン15が設けられている。
【００１１】
また、手許操作部13の先端には、細長略円筒状の延長管16が着脱可能に連通接続されている。さらに、この延長管16の先端にもまた細長略円筒状の延長管17が着脱可能に連通接続されている。そして、この延長管17の先端には、例えば室内の絨毯などの被掃除面に設置させて、この被掃除面の塵埃を吸い込んで掃除する吸込口体としての床ブラシ18が着脱可能に連通接続されている。
【００１２】
そして、本体吸込口11に連通した掃除機本体１の内部には、この本体吸込口11から外気を吸い込んで吸込風とし、この吸込風を図示しない排気口から排気風として外部へと排気させる電動送風機21が収容されている。この電動送風機21は、掃除機本体１内における後方中央に設置されている。この電動送風機21は、図示しない部屋の壁面などに設けられた外部電源としての家庭用商用交流電源22から印加される電源電圧により駆動される。
【００１３】
また、この電動送風機21の吸込側と本体吸込口11との間における掃除機本体１の内部には、図示しない集塵室が区画形成されている。この集塵室には、電動送風機21による吸込により掃除機本体１の本体吸込口11から吸い込んだ吸込風から塵埃を分離して捕捉する図示しない集塵手段としての集塵パックが取り付けられている。
【００１４】
さらに、掃除機本体１の内部には、電動送風機21の駆動を制御する回路基板31が収容されている。この回路基板31には、電動送風機21に流れる電流を検出する電流検出手段としての電流検出回路32が実装されている。
【００１５】
また、この回路基板31には、電流検出回路32にて検出した電流に従い電動送風機21の回転駆動状態を制御する制御手段としての中央処理装置(Central Processing Unit:ＣＰＵ)である制御回路33が実装されている。この制御回路33は、電流検出回路32に電気的に接続されており、この電流検出回路32が検出した電動送風機21の起動時における起動電流に応じて所定値としての目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂを設定する設定手段としての設定回路34を備えている。
【００１６】
この設定回路34は、図２および図４に示すように、商用交流電源22からの電源電圧を供給して電動送風機21を起動させて、この電動送風機21を起動させてから所定時間後、すなわちこの電動送風機21が完全に回転駆動するまでの所定の時間が経過した後の所定時間Ｃ、例えば約４秒の間に、この電動送風機21に流れる電流を電流検出回路32にて複数回、例えば０．５ｍｓ間隔で４０回検出する。そして、この設定回路34は、検出した複数の電流値を平均化し、この平均値を起動電流とする。
【００１７】
すなわち、この設定回路34は、時間の経過に伴い目詰まり時の電流値と目詰まりしていない時の電流値との差が徐々に大きくなることに基づいた目詰まり具合に影響されない所定時間Ｃに、電流検出回路32を用いて電動送風機21の起動電流を検出する。さらに、この設定回路34は、検出した起動電流の電流値に応じて比例的に目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂを可変させて設定する。
【００１８】
【表１】

【００１９】
具体的に、この設定回路34は、図１および表１に示すように、商用交流電源22からの電源電圧がＡＣ１００Ｖで電動送風機21の起動電流が０．２００Ａである場合には、目詰まり報知設定電流値Ａを１０．７Ａと可変させて設定するとともに入力減少設定電流値Ｂを１０．６Ａと可変させて設定する。また、この設定回路34は、電源電圧がＡＣ９５Ｖで起動電流が０．１９０Ａである場合には、目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂのそれぞれを、電源電圧がＡＣ１００Ｖで起動電流が０．２００Ａである場合に比べて比例させて下げて、目詰まり報知設定電流値Ａを１０．２Ａと可変設定するとともに入力減少設定電流値Ｂを１０．１Ａと可変設定する。
【００２０】
さらに、この設定回路34は、電源電圧がＡＣ９２Ｖ、ＡＣ８９Ｖ、ＡＣ８６ＶおよびＡＣ８３Ｖのそれぞれに対応して、起動電流が０．１８４Ａ、０．１７８Ａ、０．１７２Ａおよび０．１６６Ａである場合には、それぞれを比例させて目詰まり報知設定電流値Ａを９．８Ａ、９．５Ａ、９．２Ａおよび８．９Ａとそれぞれ可変設定するとともに、入力減少設定電流値Ｂを９．７Ａ、９．４Ａ、９．１Ａおよび８．８Ａとそれぞれ可変設定する。
【００２１】
また、この設定回路34は、電動送風機21を停止させてから所定時間内、すなわち所定の設定ボタン15をオンしてから電動送風機21の回転駆動が完全に停止するまでの所定時間内、例えば１０秒が経過する前に、再びこの設定ボタン15をオンして電動送風機21を再起動させた場合には、所定の設定ボタン15をオンする前、すなわち電動送風機21を停止させる以前に設定した目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂにて制御回路33が電動送風機21を制御する。
【００２２】
さらに、この設定回路34は、設定ボタン15をオンさせてから所定時間、例えば１０秒が経過した後に、再び設定ボタン15をオンして電動送風機21を起動させた場合には、この電動送風機21を起動させた際における起動電流を電流検出回路32にて新たに検出し、この新たに検出した起動電流に応じて目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂのそれぞれを新たに設定する。
【００２３】
一方、制御回路33には、商用交流電源22から電動送風機21へと流れる電流を制御する制御素子としてのスイッチング素子であるトライアック35が接続されている。そして、商用交流電源22に対して直列に電動送風機21、電流検出回路32およびトライアック35が接続されて閉路を形成する。また、トライアック35は、商用交流電源22からの交流電源をオンオフすることにより導通角を変化させて平均電圧を変化させて所定値の電流を電動送風機21に入力させて、この電動送風機21の駆動状態を制御して、この電動送風機21の出力を変動させる。
【００２４】
さらに、制御回路33は、電動送風機21の駆動中であっても電流検出回路32にて電動送風機21に流れる電流を検出する。また、この制御回路33は、電動送風機21の駆動中に電流検出回路32にて検出した電流と、設定回路34にて予め定められて設定された入力減少設定電流値Ｂとを比較して、この入力減少設定電流値Ｂより電流検出回路32にて検出した電流が低下した際に、電動送風機21の吸込側、例えばホース体12、延長管16,17あるいは床ブラシ18などに目詰まりが生じたと判断して、トライアック35を用いて電動送風機21の入力を低下、すなわちこの電動送風機21へと商用交流電源22から流れる電流を低減させる。
【００２５】
また、制御回路33には、電動送風機21の異常、具体的にはこの電動送風機21の風路が目詰まりしたことを使用者に報知する報知手段としての目詰まり報知回路36が接続されている。この目詰まり報知回路36は、制御回路33からの出力により制御される。また、この目詰まり報知回路36は、電動送風機21の駆動中に電流検出回路32にて検出した電流と、設定回路34にて予め定められて設定された目詰まり報知設定電流値Ａとを比較して、この目詰まり報知設定電流値Ａより電流検出回路32にて検出した電流が低下した際に、例えば発音素子や発光素子により音や光などを外部に発して使用者に報知する。さらに、この目詰まり報知回路36は、使用者による電動送風機21の駆動の停止により、この電動送風機21への過負荷を防止して、この電動送風機21の破損を防止する。
【００２６】
次に、上記一実施の形態の動作を図２を参照して説明する。
【００２７】
まず、掃除機本体１の後側から巻き取り可能に導出された図示しない電源コードのプラグ部を商用交流電源22に差し込んだ後、掃除機本体１の本体吸込口11に基端が連通接続されたホース体12の手許操作部13の把持部14を把持しつつ、この手許操作部13の所定の設定ボタン15をオンして、電動送風機21を停止状態から起動させる(ステップ１)。
【００２８】
この後、この電動送風機21が完全に回転駆動するまでの所定の時間が経過した後の約４秒の間Ｃに、この電動送風機21に流れる電流を電流検出回路32にて０．５ｍｓ間隔で４０回検出する(ステップ２)。
【００２９】
さらに、このステップ２にて検出した複数の電流値を設定回路34にて平均化し、この平均値を起動電流として読み取る(ステップ３)。
【００３０】
次いで、このステップ３にて読み取った起動電流に応じて比例的に目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂを、図１に示すように、設定回路34にてそれぞれ可変させて設定する(ステップ４)。
【００３１】
また、ステップ４により目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂのそれぞれが設定された後には、電流検出回路32にて検出された電流値に従い、トライアック35の位相導通角を変化させて、平均電圧を変化させ、電流値が一定になるように制御する。
【００３２】
この後、電動送風機21の風路、例えば床ブラシ18などに異物などが入り込んだ場合には、この電動送風機21を通過する風量が少なくなるので、この電動送風機21に流れる電流が少なくなる。
【００３３】
そして、電動送風機21の駆動中に電流検出回路32にて検出した電流が、ステップ４にて設定した目詰まり報知設定電流値Ａまで低下した場合には、制御回路33が電動送風機21の風路に目詰まりが生じたと判断して、目詰まり報知回路36を用いて使用者に目詰まりの発生を報知する。
【００３４】
さらに、電動送風機21の駆動中に電流検出回路32にて検出した電流が、ステップ４にて設定した入力減少設定電流値Ｂまで低下した場合には、制御回路33が電動送風機21の風路に目詰まりが生じたと判断して、トライアック35を用いて電動送風機21の入力を低下させる。
【００３５】
また、掃除機本体１による掃除動作が終了などして所定の設定ボタン15をオンさせた後、電動送風機21の回転駆動が完全に停止する前に、再び設定ボタン15をオンして電動送風機21を再起動させた場合には、従前に検出した電動送風機21の起動電流に応じて設定した目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂのそれぞれを用いて制御回路33にて電動送風機21を制御する。
【００３６】
これに対し、所定の設定ボタン15をオンさせてから、電動送風機21の回転駆動が完全に停止した後に、再び所定の設定ボタン15をオンして電動送風機21を起動させた場合には、この電動送風機21を起動させた際における起動電流を電流検出回路32にて新たに検出し、この新たに検出した起動電流に応じて目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂのそれぞれを設定回路34にて新たに設定し、この新たに設定した入力減少設定電流値Ｂのそれぞれを用いて制御回路33にて電動送風機21を制御する。
【００３７】
上述したように、上記一実施の形態によれば、電動送風機21を起動させた際に流れる起動電流に応じて、入力減少設定電流値Ｂを設定回路34にて比例的に可変させて設定するとともに、電流検出回路32にて検出した電動送風機21の電流がこの入力減少設定電流値Ｂより低下した場合には、目詰まりが生じたと判断して制御回路33がトライアック35を用いて電動送風機21の入力を低下させる。
【００３８】
このため、電動送風機21を駆動させる商用交流電源22のばらつきにより、この商用交流電源22からの電源電圧が変動して所定値である１００Ｖより低くても、電流検出回路32で検出した電動送風機21の起動電流の変動に応じて、予め定められた入力減少設定電流値Ｂが設定回路34により可変されて設定されるので、この入力減少設定電流値Ｂに基づいて制御回路33にて電動送風機21への入力を低下させれば、いわゆるごみ詰まり状態ではない状態での不必要な電動送風機21の入力低下を防止できるから、制御回路33により電動送風機21を適切に制御でき、使用者の使い勝手を向上できる。
【００３９】
また、電動送風機21の起動電流に応じて入力減少設定電流値Ｂを設定すると同時に、電動送風機21の起動電流に比例させて目詰まり報知設定電流値Ａをも設定回路34が設定し、電流検出回路32にて検出した電動送風機21の電流がこの目詰まり報知設定電流値Ａより低下した場合には、目詰まりが生じたと判断して制御回路33が目詰まり報知回路36を用いて使用者に目詰まりの発生を報知する。
【００４０】
よって、商用交流電源22からの電源電圧がばらつきにより変動しても、電流検出回路32で検出した電動送風機21の起動電流の変化に応じて、目詰まり報知設定電流値Ａが設定回路34により可変されて設定されるので、この目詰まり報知設定電流値Ａに基づいて制御回路33にて目詰まり報知回路36から目詰まりの発生を報知すれば、不必要な目詰まり報知回路36による報知を防止できる。
【００４１】
そして、設定回路34にて設定される目詰まり報知設定電流値Ａは、この設定回路34にて同時に設定される入力減少設定電流値Ｂよりも常に大きい値である。このため、電流検出回路32にて検出される電動送風機21の電流が徐々に低下した場合には、この電動送風機21の電流が目詰まり報知設定電流値Ａを低下した後に入力減少設定電流値Ｂを低下する。よって、目詰まり報知回路36にて電動送風機21の目詰まりを使用者に報知した後、この電動送風機21の入力を制御回路33にて低下させるから、目詰まりが生じた際における電動送風機21の保護がより確実となるとともに、使用者の使い勝手がより向上する。
【００４２】
さらに、電流検出回路32による電流検出に基づいて、この電流検出回路32にて電動送風機21の起動電流および駆動時の電流を検出し、この電動送風機21の起動電流に応じて、目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂのそれぞれを設定回路34にて比例的に可変させて設定している。このため、電流検出回路32による電流検出で、目詰まりが生じた際に電動送風機21を確実に保護できる。よって、電動送風機21を制御するために一般に用いられる電流検出回路32を用いて商用交流電源22からの電源電圧の変動に対応させたので、構造を複雑にすることなく、電動送風機21の目詰まりを検出できるから、制御回路33の構成を簡略化できる。
【００４３】
また、電流検出回路32にて検出した電動送風機21の起動電流に応じて、目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂのそれぞれを比例的に可変させて設定するので、電動送風機21の風路の目詰まり具合に影響されることなく、目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂのそれぞれを的確に設定できるとともに、この電動送風機21の風路の目詰まりを検出するための制御回路33の構成および制御をより簡単にできる。
【００４４】
さらに、図４に示すように、電動送風機21を起動させた際の電流値は、目詰まりが生じている際の電流値と、目詰まりが生じていない際の電流値との差が時間の経過に伴い徐々に大きくなる。このため、電動送風機21を起動させた後であって、この電動送風機21が完全に回転駆動した後の所定時間Ｃに、電動送風機21の起動電流を電流検出回路32による電流検出に基づいて設定回路34にて検出する。この結果、電動送風機21の風路の目詰まりによるこの電動送風機21の起動電流の変動が少ない時間に、この電動送風機21の起動電流を読み取ることができる。よって、この設定回路34による電流検出回路32を用いた電動送風機21の起動電流の検出をより的確かつ容易にできる。
【００４５】
また、電動送風機21が完全に回転駆動した後の約４秒の間に、この電動送風機21に流れる電流を電流検出回路32にて０．５ｍｓ間隔で４０回検出し、これら検出した複数の電流値を設定回路34にて平均化し、この平均値を起動電流とすることにより、電動送風機21の起動電流を検出する際のノイズを除去できるから、この電動送風機21の起動電流をより的確に精度良く設定回路34にて検出できる。
【００４６】
さらに、電動送風機21の回転駆動が完全に停止する前に、この電動送風機21を再起動させた場合には、従前に検出した電動送風機21の起動電流に応じて電動送風機21を制御し、電動送風機21の回転駆動が完全に停止した後に、この電動送風機21を起動させた場合には、この電動送風機21の起動電流を電流検出回路32にて新たに検出し、この新たに検出した起動電流に応じて電動送風機21を制御回路33にて制御する。このため、電動送風機21が確実に停止していない状態で、この電動送風機21の起動電流を検出することにより生じる読み取り誤差などの発生を防止できる。
【００４７】
なお、上記一実施の形態では、キャニスタ型の電気掃除機について説明したが、アップライト型あるいはスティック型などのいずれの電気掃除機であっても、上記一実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【００４８】
また、電動送風機21を起動させる度に、この電動送風機21に流れる起動電流を電流検出回路32にて検出しているが、制御回路33による制御にてこの電動送風機21の起動電流を必要な際にのみ電流検出回路32にて検出する構成にしてもよい。
【００４９】
さらに、電動送風機21に流れる電流が目詰まり報知設定電流値Ａあるいは入力減少設定電流値Ｂを低下することにより、ごみ詰まりと判断して電動送風機21の出力を低下あるいは報知させたりしたが、この電動送風機21の出力を、例えば強設定、中設定あるいは弱設定などと多段式に可変制御させる際に比較する所定値を電流検出回路32にて検出される電動送風機21の起動電流に応じて可変させて設定させることもできる。
【００５０】
また、商用交流電源22のばらつきにより、この商用交流電源22からの電源電圧が変動して所定値である１００Ｖより高くなった場合、例えば１０５Ｖとなった場合でも、電流検出回路32で検出した電動送風機21の起動電流の変動に応じて、予め定められた目詰まり報知設定電流値Ａおよび入力減少設定電流値Ｂのそれぞれを設定回路34にて可変させて設定することもできる。
【００５１】
さらに、設定回路34は、電動送風機21の起動時に流れる電流を電流検出回路32にて複数回検出し、この検出した複数の電流値を平均化して起動電流としているが、この電動送風機21の起動時に流れる電流を１回のみ検出し、この検出した電流値を起動電流としてもよい。
【００５２】
【発明の効果】
本発明によれば、電源電圧が変動しても、この変動に応じて、予め定められた所定値を設定手段が可変設定するので、適切な制御が可能となるとともに、電動送風機を制御するための電流検出手段を用いて電源電圧の変動に対応させたので、構成を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の電気掃除機の一実施の形態における電動送風機の風量と電流との関係を示す二次グラフである。
【図２】同上電気掃除機の制御の一部を示すフローチャートである。
【図３】同上電気掃除機を示すブロック図である。
【図４】同上電気掃除機の電動送風機の起動時の時間と電流との関係を示す二次グラフである。
【図５】同上電気掃除機の斜視図である。
【符号の説明】
21 電動送風機
32 電流検出手段としての電流検出回路
33 制御手段としての制御回路
34 設定手段としての設定回路
36 報知手段としての目詰まり報知回路
Ａ所定値としての目詰まり報知設定電流値
Ｂ所定値としての入力減少設定電流値

Claims

電動送風機と、
この電動送風機に流れる電流を検出する電流検出手段と、
この電流検出手段で検出した電流と予め定められた所定値とを比較して前記電動送風機を制御する制御手段と、
前記電流検出手段が検出した前記電動送風機の起動時の起動電流に応じて前記所定値を可変設定する設定手段と
を具備したことを特徴とした電気掃除機。
電動送風機と、
この電動送風機に流れる電流を検出する電流検出手段と、
報知する報知手段と、
前記電流検出手段で検出した電流と予め定められた所定値とを比較して前記報知手段を制御する制御手段と、
前記電流検出手段が検出した前記電動送風機の起動時の起動電流に応じて前記所定値を可変設定する設定手段と
を具備したことを特徴とした電気掃除機。
設定手段は、電流検出手段が電動送風機の起動時に複数回検出した電流の平均を起動電流とする
ことを特徴とした請求項１または２記載の電気掃除機。
設定手段は、電動送風機を起動させてから所定時間後に検出した電流を起動電流とする
ことを特徴とした請求項１ないし３いずれか記載の電気掃除機。
設定手段は、電動送風機を停止させてから所定時間内は停止前の所定値に設定する
ことを特徴とした請求項１ないし４いずれか記載の電気掃除機。