JP3874032B2 - D−ソルビトールデヒドロゲナーゼ、その製造法、及び該酵素を用いたケトース類の製造法 - Google Patents

D−ソルビトールデヒドロゲナーゼ、その製造法、及び該酵素を用いたケトース類の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は新規なD−ソルビトールデヒドロゲナーゼ、その製造法、及び該酵素を用いたケトース類、特にL−ソルボースの製造法に関する。
【0002】
上記の通り、本発明により提供される新規なD−ソルビトールデヒドロゲナーゼ(後文ではSLDHと呼ぶ)はD−ソルビトールからL−ソルボースへの酸化を触媒する。L−ソルボースはビタミンCの製造における重要な中間体である。
【0003】
D−ソルビトールからL−ソルボースへの酸化を触媒する酵素は既知である。J.T.Cummins,T.E.King and V.H.Cheldelin(J.Biol.Chem.,224,323−329,1957)は、アセトバクテル・スボキシダンス(Acetobacter suboxydans)(グルコノバクテル・スボキシダンス(Gluconobacter suboxydans)と同義)の無細胞抽出物がD−ソルビトール酸化の経路に関与する3つの酵素を含むことを報告した。D−ソルビトールからL−ソルボースへの酸化を触媒するこれらの酵素の2つが精製された。1つはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(後文ではNADPと呼ぶ)−依存性L−ソルボースレダクターゼとして、グルコノバクテル・メラノゲヌス(Gluconobacter melanogenus)IFO 3293の可溶性画分から、T.Sugisawa,T.Hoshino and A.Fujiwaraにより単離され(Agric.Biol.Chem.,55,2043−2049,1991)、他は膜−結合D−ソルビトールデヒドロゲナーゼとして、グルコノバクテル・スボキシダンス変異株α IFO 3254から、E.Shinagawa,K.Matsushita,O.Adachi and M.Ameyamaにより単離された(Agric.Biol.Chem.,46,135−141,1982)。
【0004】
しかし、本発明により提供されるSLDHは、酵素のサブユニットの構造、分子量、基質特異性及び至適pHにおいて、上記の2つの酵素と明白に異なる。NADP−依存性L−ソルボースレダクターゼの分子量は60,000であるが、本発明により提供されるSLDHの分子量は、79,000±5,000の分子量を有する同族(homologous)サブユニットから成り、反応を触媒するためにNADPを必要としない。他方、E.Shinagawa et al.により単離された膜−結合D−ソルビトールデヒドロゲナーゼは、分子量が63,000、51,000及び17,000の3種のサブユニットから成り、D−ソルビトールを特異的に酸化し、及びD−ソルビトールの場合の5%の反応速度でD−マンニトールも酸化するが、D−アラビトール又はエリトリトールを酸化しなかった。さらに彼らは酵素の至適pHが4.5であり、酵素活性がpH5.0において安定であり、pH7.0において活性の92%が失われることを示した。しかし、本発明のSLDHはD−ソルビトール及びD−マンニトールのみでなくD−アラビトール及びエリトリトールも酸化し、至適pHは6.0であり、pH8.0においてさえ活性は安定である。
【0005】
本発明の目的は、D−ソルビトールに作用してL−ソルボースを製造し(すなわちD−ソルビトールからL−ソルボースへの酸化を触媒する)且つ以下の理化学的性質:
a)分子構造:79,000±5,000の分子量を有する同族サブニットから成る、
b)基質特異性:ポリオール類に対して活性
c)至適pH:6.0〜7.0
を有する精製された形態の新規な酵素SLDHを提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、グルコノバクテル(Gluconobacter)又はアセトバクテル(Acetobacter)属に属する微生物、あるいは細胞中でSLDHを生産することができるその突然変異体を培養し、細胞を破壊し、それを破壊細胞の無細胞画分から、好ましくは微生物の膜画分から単離及び精製することにより新規な酵素SLDHを製造する方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、該酵素SLDHを用いてL−ソルボースを製造する方法を提供することである。
【0007】
後述の実施例に従って製造される新規なSLDHの精製試料の理化学的性質は以下の通りである:
1)酵素活性
本発明の新規なSLDHは、以下の反応式に従い、電子受容体の存在下におけるD−ソルビトールからL−ソルボースへの酸化を触媒する:
D−ソルビトール+電子受容体→L−ソルボース+還元電子受容体
酵素は電子受容体として酸素を用いない。これは、可能な電子受容体として酸素を用いたD−ソルビトールからL−ソルボースへの変換を酵素が触媒する活性がないことにより確認された。さらに、溶解酸素プローブにより検出すると、反応混合物において酸素の消費が検出されなかった。しかし電子受容体として作用する能力を有するいずれの従来の化合物も、本発明の酵素と組み合わせて用いることができる。電子受容体として、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(後文ではDCIPと呼ぶ)、フェナジンメトサルフェート(後文ではPMSと呼ぶ)、フェリシアニド又はシトクロムcを用いることができる。
【0008】
酵素アッセイは以下の通りに行った。D−ソルビトールデヒドロゲナーゼ活性のアッセイのための基本的反応混合物は、50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)、0.25mMのDCIP及び0.325mMのPMSから成り、それはアッセイの直前に調製した。1cmの光路を有するキュベットは0.4mlの基本的反応混合物、0.1mlの0.4M D−ソルビトール及び酵素溶液を0.51mlの合計体積で含んだ。参照キュベットは基質以外のすべての成分を含んだ。反応はD−ソルビトールを用いて25℃において開始し、600nmにおいてDCIPの初期還元速度として酵素活性を測定した。1酵素単位は、1分当たりに1μモルのDCIPの還元を触媒する酵素の量として定義する。pH6.0におけるDCIPの吸光係数は10.8mM-1であった。
【0009】
2)基質特異性
酵素の基質特異性は、D−ソルビトールの代わりに種々の基質溶液(100mM)を用いた以外は1)における上記と同じ酵素アッセイ法を用いて決定した。測定の結果を表1に示す。調べた基質の中で、D−ソルビトール、D−アラビトール、エリトリトール及びグリセロールは高度に酸化され、D−マンニトール及びD−アドニトールもD−ソルビトールの反応速度の49.9及び66.6%において酸化された。
【0010】
【表1】
Figure 0003874032
【0011】
a)相対的活性は、基質D−ソルビトールの場合に得られる反応速度のパーセントとして表す。
【0012】
3)至適pH
SLDHの反応速度とpHの間の関連性を、種々のpH及び緩衝液を用いる以外は1)における上記と同じ酵素アッセイ法を用いて決定した。結果を表2に示す。酵素は6.0〜7.0の至適pH値を示し、pH6.0において最高活性を示した。
【0013】
【表2】
Figure 0003874032
【0014】
a)データはpH6.0のリン酸カリウム緩衝液における活性のパーセンテージとして表す。
【0015】
4)pH安定性
酵素を1℃において種々のpHの緩衝液中で16時間放置し、次いで残留活性を1)における上記と同じ酵素アッセイ法を用いて測定した。測定の結果を表3に示す。活性の60%以上が7.0〜9.0のpHにおいて残った。
【0016】
【表3】
Figure 0003874032
【0017】
a)データはpH8.0のMcIlvain緩衝液における活性のパーセンテージとして表す。
【0018】
5)熱安定性
酵素を0.01Mのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中で種々の温度において5分間インキュベートすることにより、熱安定性を調べた。1)における上記と同じ酵素アッセイ法を用いて残留活性を測定し、その直後に処理酵素を氷水中で冷却した。結果を表4に示す。酵素は35℃まで安定であり、40、50及び60℃でインキュベートされた後にそれぞれその活性の約20、70及び90%を失った。
【0019】
【表4】
Figure 0003874032
【0020】
a)データは20℃における活性のパーセンテージとして表す。
【0021】
6)至適温度
1)における上記と同じアッセイ法で、20〜60℃の温度において酵素活性を測定した。結果を表5に示す。酵素は20〜40℃において至適温度を示し、30℃において最高活性を示した。45及び50℃においてその活性のそれぞれ60及び70%の低下が観察され、60℃では活性が検出されなかった。
【0022】
【表5】
Figure 0003874032
【0023】
a)データは30℃における活性のパーセンテージとして示す。
【0024】
7)金属イオン類及び阻害剤の影響
SLDHへの金属イオン類及び阻害剤の影響を、1)における上記の同じアッセイ法を用いて活性を測定することにより調べた。基本的反応混合物に酵素溶液を加えた後、各金属溶液を撹拌しながら入れ、D−ソルビトールを加えて反応を開始した。表6に示される通り、0.91及び1.79mMのCo2+の添加により8〜17%の活性が刺激された。しかし0.91mMのCu2+及びFe3+の添加はそれぞれの場合に強い阻害性であり、Zn2+の添加は44〜68%の阻害率であった。活性への種々の阻害剤の影響を調べた。表7に示される通り、キニンヒドロクロリド及びモノヨードアセテートはそれぞれ25%及び75%の阻害率であった。
【0025】
【表6】
Figure 0003874032
【0026】
相対的活性は、表に示されている金属化合物を含まずに得られる反応速度のパーセンテージとして表す。
【0027】
【表7】
Figure 0003874032
【0028】
相対的活性は、表に示されている阻害剤を含まずに得られる反応速度のパーセンテージとして表す。
【0029】
8)反応速度への基質濃度の影響
D−ソルビトールの濃度を0.5〜80mMに変化させた場合の酸化反応の速度を測定し、D−ソルビトールに関するKm値を決定した。反応のための電子受容体としてDCIPを用い、見掛けのMichaelis定数は18mMと算出された。
【0030】
9)分子量
寸法排除(size exclusion)ゲルカラムを用いたHPLCにより、280nmにおいて、及び1分当たり1.0mlの流量において本来のSLDHの分子量を決定した。精製SLDHは、ナトリウムドデシルサルフェート(SDS)の存在下で79,000±5,000の分子量を有する同族サブユニットから成った。
【0031】
10)精製法
SLDHの精製は、イオン交換クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、ゲル−濾過クロマドラフィー、ゲル−電気泳動、塩析及び透析などの既知の方法の組み合わせにより行われる。
【0032】
本発明により提供されるSLDHは、適した微生物を培養し、細胞を破壊し、破壊細胞の無細胞抽出物から、好ましくは微生物の膜成分からそれを単離精製することにより調製することができる。
【0033】
本発明のために用いられる微生物はグルコノバクテル及びアセトバクテル属に属する微生物である。該微生物の突然変異体及び変異株も本発明で用いることができる。
【0034】
本発明において用いるのが最も好ましい株の例は、グルコノバクテル・アルビズス(Gluconobacter albidus)IFO 3250、グルコノバクテル・アルビズス IFO 3251、グルコノバクテル・アルビズスIFO 3253、グルコノバクテル・カプスラツス(Gluconobacter capsulatus) IFO 3462、グルコノバクテル・セリヌス(Gluconobacter cerinus) IFO 3263、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3264、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3265、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3267、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3270、グルコノバクテル・ジオキシアセトニクス(Gluconobacter dioxyacetonicus) IFO 3271、グルコノバクテル・ジオキシアセトニクス IFO 3274、グルコノバクテル・グルコニクス(Gluconobacter gluconicus) IFO 3171、グルコノバクテル・グルコニクス IFO 3285、グルコノバクテル・グルコニクス IFO 3286、グルコノバクテル・インズスツリウス(Gluconobacter industrius)IFO 3260、グルコノバクテル・メラノゲヌス(Gluconobacter melanogenus) IFO 3292、グルコノバクテル・メラノゲヌス IFO 3293、グルコノバクテル・メラノゲヌス IFO 3294、グルコノバクテル・ノノキシグルコニクス(Gluconobacter nonoxygluconicus) IFO 3276、グルコノバクテル・オキシダンス(Gluconobacter oxydans) IFO 3189、グルコノバクテル・オキシダンス亜種スファエリクス(Gluconobacter oxydans subsp.sphaericus) IFO 12467、グルコノバクテル・ロセウス(Gluconobacter roseus) IFO 3990、グルコノバクテル・ルビギノスス(Gluconobacter rubiginosus) IFO 3244、グルコノバクテル・スボキシダンス(Gluconobacer suboxydans) IFO 3130、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3172、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3254、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3255、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3256、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3257、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3258、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3289、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3290、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3291、アセトバクテル・アセチ亜種アセチ(Acetobacter aceti subsp.aceti) IFO 3281、アセトバクテル・アセチ亜種オルレアンシス(orleansis) IFO 3259、アセトバクテル・アセチ亜種キシリヌム(xylinum) IFO 3288、アセトバクテル・アセチ亜種キシリヌム IFO 13772及びアセトバクテル・リクエファシエンス(Acetobacter liquefaciens) IFO 12388である。本発明の方法において用いることができるこれらの微生物は、要求に応じて誰にでも分譲するための公共の寄託機関(culture collection)、例えばInstitute of Fermentation Osaka,Japan(IFO)に保存されているものも含む。これらの中で、特定の、及び好ましい微生物であるグルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3255は、ブタペスト条約の下に、1995年2月12日、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSM),Mascheroder Weg 1b,D−38124 Braunschweig,Germanyに寄託された。割り当てられた寄託番号はDSM 9715である。
【0035】
微生物は適した栄養を補足された水性培地中において好気的条件下で培養することができる。培養は3.5〜8.0、好ましくは5.0〜7.5のpHにおいて行うことができる。培養期間は微生物及び、用いられる栄養培地に依存して変わり、約6〜100時間が好ましい。培養を行う好ましい温度範囲は約20℃〜約40℃、好ましくは約25℃〜約35℃である。
【0036】
培地は通常:同化可能な炭素源類、例えばグリセロール、D−マンニトール、D−ソルビトール、エリトリトール、リビトール、キシリトール、イノシトール、ズルチトール(dulcitol)、D−リボース、D−フルクトース、D−グルコース及びスクロース、好ましくはD−ソルビトール、D−マンニトール又はグリセロール;消化可能な窒素源類、例えばペプトン、酵母抽出物、パン酵母及びコーン浸漬液(corn steep liquor)を例とする有機物質、ならびに硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム及び亜硝酸カリウムなどの無機物質;ビタミン類;ならびに微量元素などの栄養を含むことが必要である。
【0037】
以下において、培養の後の微生物からのSLDHの単離及び精製に関する実施態様を簡単に説明する。
【0038】
(1)液体培養ブロスから遠心又は濾過により細胞を収穫する。
【0039】
(2)収穫された細胞を水、生理食塩水又は適したpHを有する緩衝溶液を用いて洗浄する。
【0040】
(3)洗浄された細胞を緩衝溶液に懸濁させ、ホモジナイザー、ソニケーター、フレンチプレス又はリゾチームによる処理などを用いて破壊し、破壊細胞の溶液を得る。
【0041】
(4)破壊細胞の無細胞抽出物、好ましくは微生物の膜画分からSLDHを単離及び精製する。
【0042】
本発明により提供されるSLDHはD−ソルビトールからのL−ソルボースの製造のための触媒として有用である。反応は約5.5〜約8.0、好ましくは6.0〜7.0のpH値において、電子受容体、例えばDCIP、PMS、フェリシアニド、シトクロムcなどの存在下で、リン酸塩緩衝液、トリス緩衝液、クエン酸塩緩衝液などの溶媒中で行われなければならない。反応を行うための好ましい温度範囲は約20℃〜約50℃、好ましくは20℃〜40℃である。pH及び温度がそれぞれ約6.5〜7.5及び30℃に設定された場合に、反応は通常特に良い結果を与える。酵素、D−ソルビトール、電子受容体の量、pH、温度又はエアレーション速度などの他の反応条件に依存して、D−ソルビトールは約2〜24時間以内、好ましくは約12時間以内にL−ソルボースに完全に変換される。溶媒中のD−ソルビトールの濃度は反応条件に依存して変わるが、一般に約10〜約300g/Lが適しており、約10〜約200g/Lが最も好ましい。
【0043】
上記に加え、培養された細胞もポリオール類からのケトース類の製造、特にD−ソルビトールからのL−ソルボースの製造に有用である。溶媒中でD−ソルビトールから製造されるL−ソルボースは、遠心及び濃縮などの従来の方法の組み合わせにより単離される。しかしL−ソルボースを含む溶媒を単離段階を含まずに、Reichstein法によるビタミンCの工業的製造における出発材料として用いることもできる。
【0044】
反応において、酵素を適した担体を用いた固定化状態で用いることもできる。当該技術分野で一般に既知の酵素の固定化のためのいずれの手段も用いることができる。例えば酵素を、官能基を有する樹脂の膜、顆粒などに直接結合することができ、あるいはそれを二官能基を有する架橋化合物、例えばグルタルアルデヒドを介して樹脂に結合することができる。
【0045】
以下の実施例は本発明を例示するものである。
【0046】
【実施例】
実施例1
D−ソルビトールデヒドロゲナーゼの製造
(1)グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3255の培養
グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3255(DSM 9715)はInstitute for Fermentation,Osaka(IFO)により供給され、本研究を通じて用いた。培地は1リットルの脱イオン水中に20gのD−ソルビトール、3gの酵母抽出物、3gのビーフ抽出物、3gのコーン浸漬液、10gのポリペプトン、1gのウレア、1gのKH2PO4、0.2gのMgSO4・7H2O及び1gのCaCO3を含んだ。CaCO3を加える前に水酸化ナトリウムを用いてpHを7.0に調節した。フラスコにおける培養を、回転震盪を用いて好気的に1日行うか、あるいは30リットルの発酵容器における培養を30℃で、500rpmの撹拌及び15L/分のエアレーションにおいて21.5時間行った。ブロスを400xgにおいて10分間遠心して炭酸カルシウムを除去し、次いで10,000xgにおいて遠心して細胞をペレット化した。細胞塊(cell cake)を生理食塩水で1回洗浄した。かくして無損傷の細胞(湿潤重量200g)が20リットルの培養から得られた。細胞は使用まで−20℃において凍結した。
【0047】
(2)膜画分の調製
細胞(湿潤重量100g)を200mlの50mMリン酸塩緩衝液(pH7.0)中に懸濁させ、フレンチプレスに20,000psiにおいて通過させた。無損傷の細胞の除去のための遠心の後、上澄み液(無細胞抽出物)を80,000xgで1時間遠心し、この沈澱を膜画分と称する(湿潤重量2.28g)。
【0048】
(3)可溶化
SLDHをグルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3255(DSM 9715)の膜画分から単離した。最初にE.Shinagawa,K.Matsushita,O.Adachi and M.Ameyama,(Agric.Biol.Chem.,46,135−141,1982)により報告された方法を用いてSLDHを可溶化した。可溶化は膜を、1%のTriton X−100、0.1MのKCl、0.1MのD−ソルビトール及び約10mg/mlの膜タンパク質を含む0.01Mの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)を用いて5℃において2時間処理することにより行った。しかしSLDH活性は膜画分から回収されず、可溶化上澄み液及び残留膜画分の両方における全活性が上記の条件で失われた。
【0049】
従ってpH値、緩衝液、界面活性剤及びKClの濃度などの可溶化条件の、SLDH活性への影響を研究した。表8に示す通り、膜画分を1%のTrironX−100及び0.04MのD−ソルビトールを含む0.05Mのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)と5℃において2時間混合した時に、膜画分から可溶化上澄み液中へのSLDH活性の回収は74%であった。酵素はn−オクチル−β−D−グルコピラノシドを用いて可溶化されず、0.01MのKClの添加により活性は失われた。
【0050】
【表8】
Figure 0003874032
【0051】
グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3255(DSM 9715)の膜画分から単離段階{実施例1−(4)}のためのSLDHの活性画分を得るために、凍結膜を解凍し、緩衝液(pH7.0)に懸濁させ、約10mg/mlのタンパク質を得、次いで1%のTrironX−100及び0.1MのD−ソルビトールを加えた。懸濁液を180rpmにおいて2時間震盪し、次いで80,000xgにおいて60分間遠心し、沈澱を除去した。SLDH活性は可溶化上澄み液に回収された(200ml)。
【0052】
(4)ジエチルアミノエチル(後文ではDEAEと呼ぶ)−セルロースカラムクロマトグラフィー
実施例1−(3)で得られた可溶化上澄み液(200ml)を、0.05MのD−ソルビトール及び0.1%のTritonX−100を含む緩衝液(pH7.0)で平衡化され、洗浄されたDEAE−セルロースのカラム(2.5x30cm)上に置いた。酵素の溶離は、同じ緩衝液中の0.1MのNaClを用いて行った。酵素活性を有する画分を集めた。
【0053】
(5)DEAE−セファロースカラムクロマトグラフィー
前段階からプールされた酵素画分(125ml)を、0.05MのD−ソルビトール及び0.1%のTritonX−100を含む1リットルの緩衝液の2バッチに対して透析し、同じ緩衝液を用いて平衡化され、洗浄されたDEAE−セファロースカラム(1.5x50cm)上に置き、NaClの直線勾配(0〜0.2M)を用いてSLDH活性を溶離した。主酵素活性は0.16〜0.18Mの範囲のNaCl濃度において溶離した。
【0054】
6)ヒドロキシルアパタイトカラムクロマトグラフィー
前段階からプールされた活性画分(40ml)を、0.05MのD−ソルビトール及び0.1%のTritonX−100を含む500mlの緩衝液の2バッチに対して透析した。酵素の一部(5ml)を平衡化されたヒドロキシルアパタイトカラム(2.5x20cm)上に置いた。酵素活性はカラムの洗浄の間に溶離した。同じ調製を繰り返した後、酵素活性を有する画分を集めた。活性画分を緩衝液に対して透析した後、合計体積は52mlであった。次いで画分を限外濾過(PM10、Amicon)により10mlに濃縮した。
【0055】
(7)セファクリル(Sephacryl)HR300カラムクロマトグラフィー
前段階からの酵素画分の一部(2ml)を、0.05MのNaCl、0.05MのD−ソルビトール及び0.1%のTritonX−100を含む緩衝液(pH7.0)を用いて平衡化されたセファクリルHR300カラム(1x120cm)上に置き、展開した。この分別段階を繰り返し、活性画分を合わせた。緩衝液に対して透析された活性画分(13ml)をプールし、−80℃において保存した。
【0056】
酵素の精製段階のまとめを表9に示す。
【0057】
【表9】
Figure 0003874032
【0058】
(8)単離酵素の純度
タンパク質の1mg当たり45.43単位の比活性を有する精製酵素(0.2mg/ml)を以下の分析に用いた。
【0059】
本来のD−ソルビトールデヒドロゲナーゼの分子量を、0.3MのNaClを含む0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)を用いて平衡化された寸法排除ゲルカラム(TSKゲルG3000SWXLカラム、7.8x300mm)を用いたHPLC(検出、254μm;流量、1ml/分)により決定した。分子量標準シアノコバラミン(1.35K)、ミオグロビン(17K)、オボアルブミン(44K)、γ−グロブリン(158K)及びチログロブリン(670K)を用いた。精製酵素は単一のピークを示し、分子量は約800,000±50,000であると決定された。
【0060】
ナトリウムドデシルサルフェート(SDS)の存在下で、酵素は約79,000±5,000の分子量の単一のバンドを示した。これらの結果から、精製SLDHは10個の同族サブユニットから成る。
【0061】
(9)反応生成物の同定
各基質から変換された生成物の同定のために、0.04MのそれぞれD−ソルビトール、D−マンニトール、D−アラビトール、エリトリトール、D−アドニトール及びグリセロール、ならびに8mMのPMSを含む反応混合物を、2.0単位の精製酵素と共に0.2Mのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中で30℃において4時間インキュベートした。反応混合物をHPLC及び薄層クロマトグラフィーにより分析した。L−ソルボース、D−フルクトース、D−キシルロース、エリトルロース、D−リブロース及びジヒドロキシアセトンがそれぞれD−ソルビトール、D−マンニトール、D−アラビトール、エリトリトール、D−アドニトール及びグリセロールから生成された。
【0062】
実施例2
精製SLDHによるL−ソルボース製造
0.2mlの精製SLDH(0.04mgタンパク質)、0.04mgの0.2M PMS、0.1mlの0.4M D−ソルビトール、0.4mlの0.5M リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)及び0.3mlの水を含む反応混合物(合計体積1.04ml)を穏やかに震盪させながら30℃でインキュベートした。その結果、L−ソルボースが約1.3mg/時の速度で生成された。
【0063】
実施例3
膜−結合D−ソルビトールデヒドロゲナーゼの分布
種々の酢酸バクテリアにおける膜−結合D−ソルビトールデヒドロゲナーゼの分布を、本発明により提供されるSLDHに対する抗体を用いたイムノブロッティングアッセイにより探査した。種々の酢酸バクテリアの各細胞ホモジネートをSDSで処理し、3〜5μgのタンパク質を含む各20μlの溶液をSDSポリアクリルアミドゲル上に置き、次いで電気泳動を行った。ゲルにおいて展開されたタンパク質のバンドをニトロセルロース膜に電気泳動により移し、抗体と反応させた。ニトロセルロース膜をヒツジ抗−ウサギのためのBio−Rad Immun−Blotキットを用いることにより処理し、どの微生物が分子量(MW)79,000±1,000の位置において陽性のバンドを示すかについてそれを調べた。表10に示される通り、調べられたグルコノバクテル株のすべて、ならびにアセトバクテル・アセチ亜種オルレアンシス IFO 3259、アセトバクテル・アセチ亜種キシリヌム IFO 3288及びアセトバクテル・アセチ キシリヌム IFO 13772は陽性のバンドを示した。アセトバクテル・アセチ亜種アセチ IFO 3281及びアセトバクテル・リクエファシエンス IFO 12388の細胞ホモジネートは、MW79,000±1,000の位置において弱い陽性のバンドを示した。
【0064】
【表10】
Figure 0003874032
【0065】
本発明の主たる特徴及び態様は以下の通りである。
【0066】
1.D−ソルビトールのL−ソルボースへの酸化を触媒し且つ以下の理化学的性質:
a)分子構造:79,000±5,000の分子量を有する同族サブニットから成る
b)基質特異性:ポリオール類に対して活性
c)至適pH:6.0〜7.0
を有する精製された形態のD−ソルビトールデヒドロゲナーゼ。
【0067】
2.以下の理化学的性質:
a)分子構造:79,000±5,000の分子量を有する同族サブニットから成る
b)基質特異性:ポリオール類に対して活性
c)至適pH:6.0〜7.0
d)pH安定性:7.0〜9.0
e)至適温度:約20〜40℃
f)阻害:Cu2+及びFe3+による
を有する上記1項に記載のD−ソルビトールデヒドロゲナーゼ。
【0068】
3.グルコノバクテル(Gluconobacter)又はアセトバクテル(Acetobacter)属に属する微生物又はその突然変異体から誘導される上記1又は2項に記載のD−ソルビトールデヒドロゲナーゼ。
【0069】
4.微生物がグルコノバクテル・アルビズス(Gluconobacter albidus)IFO 3250、グルコノバクテル・アルビズス IFO 3251、グルコノバクテル・アルビズス IFO 3253、グルコノバクテル・カプスラツス(Gluconobacter capsulatus) IFO 3462、グルコノバクテル・セリヌス(Gluconobacter cerinus) IFO 3263、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3264、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3265、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3267、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3270、グルコノバクテル・ジオキシアセトニクス(Gluconobacter dioxyacetonicus) IFO 3271、グルコノバクテル・ジオキシアセトニクス IFO 3274、グルコノバクテル・グルコニクス(Gluconobacter gluconicus) IFO 3171、グルコノバクテル・グルコニクス IFO 3285、グルコノバクテル・グルコニクス IFO 3286、グルコノバクテル・インズスツリウス(Gluconobacter industrius) IFO 3260、グルコノバクテル・メラノゲヌス(Gluconobacter melanogenus) IFO 3292、グルコノバクテル・メラノゲヌス IFO 3293、グルコノバクテル・メラノゲヌス IFO 3294、グルコノバクテル・ノノキシグルコニクス(Gluconobacter nonoxygluconicus) IFO 3276、グルコノバクテル・オキシダンス(Gluconobacter oxydans) IFO 3189、グルコノバクテル・オキシダンス亜種スファエリクス(Gluconobacter oxydans subsp.sphaericus) IFO 12467、グルコノバクテル・ロセウス(Gluconobacter roseus) IFO 3990、グルコノバクテル・ルビギノスス(Gluconobacter rubiginosus) IFO 3244、グルコノバクテル・スボキシダンス(Gluconobacer suboxydans) IFO 3130、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3172、グルコノバクテル・スボキシダンスIFO 3254、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3255(DSM 9715)、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3256、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3257、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3258、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO3289、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3290、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3291、アセトバクテル・アセチ亜種アセチ(Acetobacter aceti subsp.aceti) IFO 3281、アセトバクテル・アセチ亜種オルレアンシス(orleansis) IFO 3259、アセトバクテル・アセチ亜種キシリヌム(xylinum) IFO 3288、アセトバクテル・アセチ亜種キシリヌム IFO 13772及びアセトバクテル・リクエファシエンス(Acetobacterliquefaciens) IFO 12388から成る群より選ばれる上記3項に記載のD−ソルビトールデヒドロゲナーゼ。
【0070】
5.グルコノバクテル又はアセトバクテル属に属する微生物、あるいは細胞中でD−ソルビトールデヒドロゲナーゼを生産することができるその突然変異体(mutant)及び変異株(variant)を培養し、該D−ソルビトールデヒドロゲナーゼを細胞から単離することを含む上記1、2、3及び4項のいずれか1つに定義されているD−ソルビトールデヒドロゲナーゼの製造法。
【0071】
6.微生物がグルコノバクテル・アルビズス(Gluconobacter albidus)IFO 3250、グルコノバクテル・アルビズス IFO 3251、グルコノバクテル・アルビズス IFO 3253、グルコノバクテル・カプスラツス(Gluconobacter capsulatus) IFO 3462、グルコノバクテル・セリヌス(Gluconobacter cerinus) IFO 3263、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3264、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3265、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3267、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3270、グルコノバクテル・ジオキシアセトニクス(Gluconobacter dioxyacetonicus) IFO 3271、グルコノバクテル・ジオキシアセトニクス IFO 3274、グルコノバクテル・グルコニクス(Gluconobacter gluconicus) IFO 3171、グルコノバクテル・グルコニクス IFO 3285、グルコノバクテル・グルコニクス IFO 3286、グルコノバクテル・インズスツリウス(Gluconobacter industrius) IFO 3260、グルコノバクテル・メラノゲヌス(Gluconobacter melanogenus) IFO 3292、グルコノバクテル・メラノゲヌス IFO 3293、グルコノバクテル・メラノゲヌス IFO 3294、グルコノバクテル・ノノキシグルコニクス(Gluconobacter nonoxygluconicus) IFO 3276、グルコノバクテル・オキシダンス(Gluconobacter oxydans) IFO 3189、グルコノバクテル・オキシダンス亜種スファエリクス(Gluconobacter oxydans subsp.sphaericus) IFO 12467、グルコノバクテル・ロセウス(Gluconobacter roseus) IFO 3990、グルコノバクテル・ルビギノスス(Gluconobacter rubiginosus) IFO 3244、グルコノバクテル・スボキシダンス(Gluconobacer suboxydans) IFO 3130、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3172、グルコノバクテル・スボキシダンスIFO 3254、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3255(DSM 9715)、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3256、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3257、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3258、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO3289、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3290、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3291、アセトバクテル・アセチ亜種アセチ(Acetobacter aceti subsp.aceti) IFO 3281、アセトバクテル・アセチ亜種オルレアンシス(orleansis) IFO 3259、アセトバクテル・アセチ亜種キシリヌム(xylinum) IFO 3288、アセトバクテル・アセチ亜種キシリヌム IFO 13772及びアセトバクテル・リクエファシエンス(Acetobacterliquefaciens) IFO 12388から成る群より選ばれる上記5項に記載の方法。
【0072】
7.微生物を培養し、その後細胞を破壊し、破壊細胞の無細胞抽出物からD−ソルビトールデヒドロゲナーゼを単離及び精製することを含む上記5又は6項に記載の方法。
【0073】
8.適した栄養分を含む水性培地中で好気的条件下に、3.5〜8.0、好ましくは5.0〜7.5のpHで、及び約20℃〜約40℃、好ましくは約25℃〜約35℃の温度範囲内において微生物の培養を行うことを含む上記5〜7項のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
9.上記1、2、3及び4項のいずれか1つで定義されているD−ソルビトールデヒドロゲナーゼ及び電子受容体の存在下に、水性媒体中で好気的条件下においてD−ソルビトールを酸化することを含む、D−ソルビトールからL−ソルボースを製造する方法。
【0075】
10.酸化を約5.5〜約8.0、好ましくは6.0〜7.0のpH値において、及び約20〜約50℃、好ましくは20〜40℃の温度範囲内で行う上記9項に記載のD−ソルビトールからL−ソルボースを製造する方法。

Claims (4)

  1. グルコノバクテル(Gluconobacter)又はアセトバクテル(Acetobacter)属に属する微生物から誘導され且つD−ソルビトールのL−ソルボースへの酸化を触媒するD−ソルビトールデヒドロゲナーゼであって、以下の理化学的性質:
    a)分子量:800,000±50,000Da
    )分子構造:各々79,000±5,000Daの分子量を有する10個の同族(h
    omologous)サブニットからなる
    )基質特異性:ポリオール類に対して活性
    )至適pH:6.0〜7.0
    e)pH安定性:7.0〜9.0
    f)至適温度:約20〜40℃
    g)阻害:Cu 2+ 及びFe 3+ による
    を有することを特徴とする精製された形態のD−ソルビトールデヒドロゲナーゼ。
  2. 微生物がグルコノバクテル・アルビズス(Gluconobacter albidus)IFO 3250、グルコノバクテル・アルビズス IFO 3251、グルコノバクテル・アルビズス IFO 3253、グルコノバクテル・カプスラツス(Gluconobacter capsulatus) IFO 3462、グルコノバクテル・セリヌス(Gluconobacter cerinus) IFO 3263、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3264、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3265、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3267、グルコノバクテル・セリヌス IFO 3270、グルコノバクテル・ジオキシアセトニクス(Gluconobacter dioxyacetonicus) IFO 3271、グルコノバクテル・ジオキシアセトニクス IFO 3274、グルコノバクテル・グルコニクス(Gluconobacter gluconicus) IFO 3171、グルコノバクテル・グルコニクス IFO 3285、グルコノバクテル・グルコニクス IFO 3286、グルコノバクテル・インズスツリウス(Gluconobacter industrius) IFO 3260、グルコノバクテル・メラノゲヌス(Gluconobacter melanogenus) IFO 3292、グルコノバクテル・メラノゲヌス IFO 3293、グルコノバクテル・メラノゲヌス IFO 3294、グルコノバクテル・ノノキシグルコニクス(Gluconobacter nonoxygluconicus) IFO 3276、グルコノバクテル・オキシダンス(Gluconobacter oxydans) IFO 3189、グルコノバクテル・オキシダンス亜種スファエリクス(Gluconobacter oxydans subsp.sphaericus) IFO 12467、グルコノバクテル・ロセウス(Gluconobacter roseus) IFO 3990、グルコノバクテル・ルビギノスス(Gluconobacter rubiginosus) IFO 3244、グルコノバクテル・スボキシダンス(Gluconobacer suboxydans) IFO 3130、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3172、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3254、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3255(DSM 9715)、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3256、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3257、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3258、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3289、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3290、グルコノバクテル・スボキシダンス IFO 3291、アセトバクテル・アセチ亜種アセチ(Acetobacter aceti subsp.aceti) IFO 3281、アセトバクテル・アセチ亜種オルレアンシス(orleansis) IFO 3259、アセトバクテル・アセチ亜種キシリヌム(xylinum) IFO 3288、アセトバクテル・アセチ亜種キシリヌム IFO 13772及びアセトバクテル・リクエファシエンス(Acetobac ter liquefaciens) IFO 12388からなる群より選ばれる請求項1に記載のD−ソルビトールデヒドロゲナーゼ。
  3. 細胞中でD−ソルビトールデヒドロゲナーゼを生産することができるグルコノバクテル(Gluconobacter)又はアセトバクテル(Acetobacter)属に属する微生物を培養し、該D−ソルビトールデヒドロゲナーゼを細胞から単離することを特徴とする請求項1又は2に記載のD−ソルビトールデヒドロゲナーゼの製造法。
  4. 請求項1又は2に記載のD−ソルビトールデヒドロゲナーゼ及び電子受容体の存在下に、水性媒体中で好気的条件下においてD−ソルビトールを酸化することを特徴とするD−ソルビトールからL−ソルボースを製造する方法。
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