JP3873699B2 - オイルレストナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真法、静電記録法、静電印刷法において形成される静電潜像を現像するためのトナーに関し、さらに詳しくは高転写率で、かつ高耐久性のトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
ITが世界的に重要な技術として用いられてくるのにともない、オフィスではパソコン(PC)の使用が一般化され、一人一台の時代になってきている。PCで作成された文書は、電子データとして配付、閲覧されたり、または紙情報として印刷またはコピーされることにより多くの人々の共有情報となる。そうしたオフィスで紙情報として出力し、配布、回覧するために一般的に使用されているプリンターや複写機としては、すべてのPCから出力できるようにネットワーク型のものが使用されている。
【0003】
ネットワーク型として使用されている電子データ出力装置の多くは、電子写真方式のものであるが、電子写真プロセスではその特性上、廃トナーが生成する。一方、多くの電子写真方式で用いられている2成分現像方式では、現像に使用されるトナーに帯電性を付与するためのキャリアに寿命が有り、回収、再生または廃棄の必要がある。そして再生されれば、環境に対しては好ましいものとなるが、廃棄されるとなると地球環境を汚染するものとして大きな問題となってくることが予想される。
【0004】
地球環境を守るために多くの国や企業でさまざまな取り組みが行われている。それらは、例えば、資源のリサイクル、無公害、廃棄ゼロ、省エネルギー、地球温暖化対策、クリーンエネルギー等である。
【0005】
このような背景から、今後は地球環境に優しい電子データ出力装置が望まれている。キャリアを用いない方法としては1成分現像方式があるが、転写後に多くの廃トナーが残り(2成分現像も同じ)、環境に対しては好ましくない。また高速印字には適さないという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから今後のIT産業の重要な部分となる電子データの高速の出力装置が廃トナーを出さないためには、画像を形成する装置としては1つに紙等への転写率を上げることである。また、高速で印字するためには、定着時のオイル塗布機構を省いたオイルレストナーを用いた定着方式が望まれる。さらに現像剤の廃棄問題をクリアするために、これまで以上の高耐久性の現像剤を開発する必要がある。
【0007】
本発明は、上記背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、廃トナーを出さないために転写率を向上させたトナーを得ることである。また他の目的としては現像剤の高耐久化を図ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
熱ロールにオイル塗布することなくトナーの融着を防ぐために、トナーにワックスを添加する方法が一般的に用いられているが、トナーの経時的な安定性が大きな問題となってきた。すなわち、ワックスが感光体やキャリア表面に付着して、画像濃度低下等の問題を引き起こしている。本発明者らは、そのようなワックスにおける問題を回避するためにワックスを通常使用時はカゴ(カプセル状またはチューブ状の分子構造を有する化合物)の中に閉じこめて、必要なときにのみ抽出させる方法を見いだした。また同時にワックスを閉じこめるカゴに帯電制御機能を付与することにも成功した。
【0009】
すなわち本発明によれば、(1)「有機配位子とパラジウムとの反応により得られるカプセル状またはチューブ状の分子構造を有する化合物の該カプセルまたはチューブの内部にワックスまたはシラン化合物を導入した化合物を含有するオイルレストナーであって、前記有機配位子が下記式(1)で表わされる5座配位子であることを特徴とするオイルレストナー。
【0010】
【化3】
Figure 0003873699
」、(2)「有機配位子とパラジウムとの反応により得られるカプセル状またはチューブ状の分子構造を有する化合物の該カプセルまたはチューブの内部にワックスまたはシラン化合物を導入した化合物を含有するオイルレストナーであって、前記有機配位子が下記式(2)で表わされる4座配位子であることを特徴とするオイルレストナー。
【0011】
【化4】
Figure 0003873699
」が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明では、適度な結合力と明確な方向性を持ったパラジウム金属を用いた配位結合に誘起された精密分子構造体が一義的に自己組織化する系により、ワックス分子を精密分子構造体に閉じこめて、必要なときにだけワックスの機能を発現できるようにした。これにより従来の合成化学では到達できない新しい分子物質の構築により、高耐久オイルレストナーの開発を行うことができた。
【0017】
一般に、カプセル構造を持った分子は、骨格の内部に、外界から完全に孤立した特異な空間を有している。その内部空間に閉じこめられた分子は、通常の状態と比べて劇的に変化することが知られている。このようなカプセル分子は、様々な用途に応用が期待できるが、合成が極めて難しいといった問題点があった。これに対して、本発明では多面体の構成成分である正三角形に注目した。有機配位子を正三角形の分子パネルに、遷移金属をパネル同士をつなぎ留める金具に見立てることで、様々なカプセル分子が自発的に組み上がることを期待した。実際、正三角形の分子パネルの接続する方向と数を制御することで、トナーに添加される様々なナノスケールのワックス用カプセル分子の構築に成功した。
【0018】
他の方法としては、チューブ構造を有する化合物は、その特異的な形状の内部空間を利用して、イオンや分子の選択的輸送や、触媒などの機能が期待されている。このようなナノチューブはこれまでにもいくつか報告されているが、それらはいずれもはじめに環状構造をつくり、その環状化合物を積み重ねることにより構築されている。こうして得られるチューブには長さに分布があり、一般にはチューブの長さを制御するのは困難である。
【0019】
これに対して本発明では、構成成分をあらかじめ一定の数だけ積み重ねたパネル状分子をつくり、これを環状につなぐことにより、長さの制御されたナノチューブを構築する方法を検討した。この手法に基づいて平面的な配座をとるオリゴ3,5−ピリジン配位子とパラジウム錯体から、ナノチューブの合成を試みた。実際、ワックス分子のような棒状のゲスト分子を導入することで、長さを制御したナノチューブの自己集合に成功した。
【0020】
図1はナノチューブ形成プロセスのモデル図を示すものである。
1のパネル状分子を複数枚使用して2のような円筒状の筒分子を作る。パネル間のジョイントにはパラジウムのような配位結合性の遷移金属を用い配位結合により結合させる。これを縦に並べることで3のような形状のナノチューブを作製する。あるいは1のパネル状分子を使ってまず長いパネル状分子4を作製し、上記と同様にパネル間を配位結合させることで円筒状のカゴ(ナノチューブ)5を形成する。
上記により得られたチューブ錯体(ピリジン環3枚および4枚)の、X線結晶構造の解析に成功した。チューブ内にはゲストが垂直におさまっており、ゲストとピリジン配位子が疎水性相互作用に基づいて、安定な骨格を形成している様子が観測された。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、これらは本発明の一態様にすぎず、これらに限定されない。
【0022】
実施例1
低分子量ポリエステル樹脂50重量部と高分子量スチレンアクリル樹脂50重量部、そしてカーボンブラック5重量部と帯電制御剤E−84を1重量部を通常の混練方法により混練し、つづいて圧延冷却後粗粉砕したトナーをジェットミルにて粉砕し、最後に気流式分級機において体積平均粒径7.2μm、個数平均粒径6.8μmのトナーを得た。
次に、水中で式(1)の化合物をパラジウムにより配位させたものにアルコキシシランを混ぜて、シラン化合物が式(1)の化合物の配位によりカゴ内部に閉じこめられた材料を合成した。
次いで合成された材料をトナー表面に5重量部、乾式で混合処理を行った。最後にシリカを2重量部混合してトナーを得た。本トナーは上記パラジウムが特定の配位状態で存在するため帯電制御機能が付与されている。
上記により得られたトナーを用いてオイル塗布機構を外したリコー製カラープリンターIpsio8000で画像形成を行った。キャリアにはリコーカラー現像剤タイプFからトナーを600メッシュでバキューム吸引して残りのキャリアを使用し、トナー濃度5%で行なった。
細線およびベタ画像が良好な画像が形成できた。転写率を測定したところ98%であった。また、現像剤の寿命は250K枚まで交換は必要なかった。帯電の立ち上がりも良好で、高速印字条件下におけるトナー補給でも地汚れは発生しなかった。
【0023】
実施例2
実施例1において式(1)の化合物を式(2)の化合物に変えた以外は同じ方法でトナーを作製した。転写率97%、現像剤寿命300Kであった。
【0024】
実施例3
実施例1においてアルコキシシランの代わりに、脂肪酸エステルを用いた以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。転写率98%、現像剤寿命280Kであった。
【0025】
比較例1
実施例1において混練時に脂肪酸エステルワックスを5重量部同時に混練し、最終工程でシラン化合物を内包したカゴ化合物を混合しない以外は実施例1と同様の方法でトナーを作製した。転写率は60%、現像剤寿命は30K枚であった。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明のオイルレストナーによれば、ワックスまたはシラン化合物を通常使用時はカゴの中に閉じこめて、必要なときにのみ抽出させる方法を用いてトナーを作製し、また同時にワックスまたはシラン化合物を閉じこめるカゴに帯電制御機能を与えることにより、高耐久でかつ廃棄トナーの少ない現像剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カゴ形成プロセスのモデル図。
【図2】分子パネルによりワックスを内包したモデル図。
【符号の説明】
1 パネル状分子
2 円筒状の筒分子
3 筒分子を積み重ねて形成したナノチューブ(カゴ)
4 長いパネル状分子
5 長いパネル状分子から形成したナノチューブ(カゴ)
10 カゴ分子
20 ワックス分子

Claims (2)

  1. 有機配位子とパラジウムとの反応により得られるカプセル状またはチューブ状の分子構造を有する化合物の該カプセルまたはチューブの内部にワックスまたはシラン化合物を導入した化合物を含有するオイルレストナーであって、前記有機配位子が下記式(1)で表わされる5座配位子であることを特徴とするオイルレストナー。
    Figure 0003873699
  2. 有機配位子とパラジウムとの反応により得られるカプセル状またはチューブ状の分子構造を有する化合物の該カプセルまたはチューブの内部にワックスまたはシラン化合物を導入した化合物を含有するオイルレストナーであって、前記有機配位子が下記式(2)で表わされる4座配位子であることを特徴とするオイルレストナー。
    Figure 0003873699
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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